JP2015126735A - 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 - Google Patents
高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015126735A JP2015126735A JP2015021421A JP2015021421A JP2015126735A JP 2015126735 A JP2015126735 A JP 2015126735A JP 2015021421 A JP2015021421 A JP 2015021421A JP 2015021421 A JP2015021421 A JP 2015021421A JP 2015126735 A JP2015126735 A JP 2015126735A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- salt
- reagent
- cholesterol
- linear
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/60—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving cholesterol
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/92—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving lipids, e.g. cholesterol, lipoproteins, or their receptors
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Pathology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
【課題】脂質異常症のような特殊な病態の検体を測定試料とする場合であっても、DCMなどの基準測定法の測定値との一致性を向上させることが可能なHDL−C測定方法を提供すること。【解決手段】測定試料と、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、下記一般式(I):(式中、R1は、直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基を表し、R2、R3およびR4は同一または異なって直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基を表し、X-は陰イオンを表す)で表される化合物、およびポリアニオンの存在下で反応させ、HDL−Cを測定する。【選択図】なし
Description
本発明は、簡便かつ正確に、高比重リポ蛋白中のコレステロールを測定する方法、および該方法に使用する試薬に関する。
生体の主要な脂質であるコレステロール、中性脂肪(以下、トリグリセリドまたはTGということがある)およびリン脂質は、血液中においてアポ蛋白と共にリポ蛋白を形成して存在している。このリポ蛋白は、物理的な性状の違いにより、カイロミクロン、超低比重リポ蛋白(以下、VLDLということがある)、低比重リポ蛋白(以下、LDLということがある)、高比重リポ蛋白(以下、HDLということがある)などに分類される。これらのうちHDLは、生体中の各組織からコレステロールを受け取るため、細胞内に蓄積したコレステロールの除去作用に関係し、冠動脈硬化症をはじめとする各種動脈硬化症の危険予防因子であることが知られている。このため、HDL中のコレステロール(以下、HDL−Cということがある)の血中濃度の把握は、動脈硬化性疾患の発症予知に有用であるとして臨床現場で幅広く測定されている。
HDL−Cの測定方法としては、測定試料中のHDLとHDL以外のリポ蛋白とを分離分画する工程を必要としない、いわゆるホモジニアスHDL−C直接測定法(以下、従来法ということがある)に分類される臨床検査用の試薬が多数市販され、ルーチン検査で使用されるに至っている(非特許文献1、4)。しかしながら、これらの実用化された臨床検査用の方法・試薬であっても、測定精度に関してなお課題があり、特に脂質異常検体において、基準測定法(非特許文献2、3)で測定した場合の測定値と、各種試薬で測定した場合の測定値の乖離は、国際的に問題視されていた(非特許文献4)。
従来法の多くは、HDL−Cの測定に先立ち、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの全部または一部をHDL−C測定の主反応(以下、単に主反応ということがある)に関与しないよう反応液中より消去する方法(例えば、特許文献1、2)、または、HDL−Cの測定時にHDL以外のリポ蛋白中のコレステロールがHDL−C測定の主反応に関与しないよう、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールの反応を抑制する方法(例えば、特許文献3〜6)に分類することができるが、該従来法において、HDL以外のリポ蛋白として括られているVLDLとLDLの性状は同一ではないため、VLDLに起因する測定誤差の解消が課題となっている。
Clinical Chemistry 47:9 1579−1596(2001)
European Journal of Clinical Chemistry and Clinical Biochemistry 29 269−275(1991)
Clinical Chemistry 45:10 1803−1812(1999)
Clinical Chemistry 56:6 977−986(2010)
従って、本発明の目的は、脂質異常症のような特殊な病態の患者検体を測定試料とする場合であっても、DCM(Designated Comparison Method)などの基準測定法の測定値との一致性を向上させることが可能な化合物を見出し、これを利用したHDL−C測定方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を行った結果、HDL−Cの測定に際し、ホスホニウム塩およびポリアニオンの存在下にコレステロール酸化酵素などのコレステロール測定用酵素と測定試料を混合すると、該コレステロール測定用酵素のVLDLへの反応性を大幅に抑制することが可能であり、HDL−Cをより高い精度で測定できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
[1] 高比重リポ蛋白コレステロール測定方法であって、
測定試料と、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、一般式(I):
[1] 高比重リポ蛋白コレステロール測定方法であって、
測定試料と、コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素とを、一般式(I):
(式中、R1は、直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基を表し、R2、R3およびR4は同一または異なって直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基を表し、X-は陰イオンを表す)で表される化合物、およびポリアニオンの存在下で反応させる工程を含むことを特徴とする方法。
[2] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[1]記載の方法。
[3] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[1]又は[2]記載の方法。
[4] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[1]〜[3]のいずれか1項記載の方法。
[5] さらにアルブミンの存在下で前記工程を行う、[1]〜[4]のいずれか1項記載の方法。
[6] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物の存在下で前記工程を行う、[1]〜[5]のいずれか1項記載の方法。
[7] 下記(a)、(b)および(c)を含む高比重リポ蛋白コレステロール測定用試薬。
(a)一般式(I):
[2] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[1]記載の方法。
[3] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[1]又は[2]記載の方法。
[4] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[1]〜[3]のいずれか1項記載の方法。
[5] さらにアルブミンの存在下で前記工程を行う、[1]〜[4]のいずれか1項記載の方法。
[6] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物の存在下で前記工程を行う、[1]〜[5]のいずれか1項記載の方法。
[7] 下記(a)、(b)および(c)を含む高比重リポ蛋白コレステロール測定用試薬。
(a)一般式(I):
(式中、R1は、直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基を表し、R2、R3およびR4は同一または異なって直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基を表し、X-は陰イオンを表す)で表される化合物、
(b)ポリアニオン、
(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素
[8] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[7]記載の試薬。
[9] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[7]又は[8]記載の試薬。
[10] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[7]〜[9]のいずれか1項記載の試薬。
[11] さらにアルブミンを含有する、[7]〜[10]のいずれか1項記載の試薬。
[12] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、[7]〜[11]のいずれか1項記載の試薬。
[13] (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、[7]〜[12]のいずれか1項記載の試薬。
[14] 高比重リポ蛋白コレステロール測定に使用される、下記(a)、(b)および(c)を含むキット。
(a)一般式(I):
(b)ポリアニオン、
(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素
[8] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[7]記載の試薬。
[9] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[7]又は[8]記載の試薬。
[10] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[7]〜[9]のいずれか1項記載の試薬。
[11] さらにアルブミンを含有する、[7]〜[10]のいずれか1項記載の試薬。
[12] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、[7]〜[11]のいずれか1項記載の試薬。
[13] (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、[7]〜[12]のいずれか1項記載の試薬。
[14] 高比重リポ蛋白コレステロール測定に使用される、下記(a)、(b)および(c)を含むキット。
(a)一般式(I):
(式中、R1は、直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基を表し、R2、R3およびR4は同一または異なって直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基を表し、X-は陰イオンを表す)で表される化合物、
(b)ポリアニオン、
(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素
[15] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[14]記載のキット。
[16] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[14]又は[15]記載のキット。
[17] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[14]〜[16]のいずれか1項記載のキット。
[18] さらにアルブミンを含有する、[14]〜[17]のいずれか1項記載のキット。
[19] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、[14]〜[18]のいずれか1項記載のキット。
[20] (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、[14]〜[19]のいずれか1項記載のキット。
(b)ポリアニオン、
(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素
[15] 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、[14]記載のキット。
[16] 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、[14]又は[15]記載のキット。
[17] ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、[14]〜[16]のいずれか1項記載のキット。
[18] さらにアルブミンを含有する、[14]〜[17]のいずれか1項記載のキット。
[19] さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、[14]〜[18]のいずれか1項記載のキット。
[20] (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、[14]〜[19]のいずれか1項記載のキット。
本発明によれば、測定試料を遠心分離するなどの前処理の必要がなく、簡便な操作で効率良くHDL−Cを定量することができる。また、少量の測定試料で特異的な測定が可能であるため、種々の自動分析装置に適用でき、臨床検査の領域においても極めて有用である。また、本発明によるHDL−C測定は、測定に使用する試薬の組成が2価金属を必須成分として含有しない組成であるため、分析装置に負荷をかけないという利点も有している。さらに、特に、従来法では測定誤差が生じていた、VLDLを多く含む検体、例えばトリグリセリドが高値であって、総コレステロール、およびLDLコレステロールが概ね正常値である、IV型高脂血症のような検体における測定精度が大幅に改善するという利点を有するものである。
一実施形態において、本発明は、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL−C)測定方法を提供する。本発明方法は、HDLを含有する測定試料について、ポリアニオンおよびホスホニウム塩化合物の存在下で、公知のコレステロール測定用試薬を用いてHDL−Cを測定することにより実施される。
本発明の方法に供される測定試料としては、HDL、LDL、VLDLおよびカイロミクロンなどのリポ蛋白を含む可能性がある検体であればいずれのものでもよく、例えば、血清、血漿などの体液やその希釈物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、HDL−C測定に使用されるコレステロールを基質とする酵素を、コレステロール測定用酵素と総称する。コレステロール測定用酵素としては、コレステロールエステル加水分解酵素(リパーゼに分類されるものを含む)、コレステロール酸化酵素、コレステロール脱水素酵素などが挙げられる。
以下、臨床検査の分野で汎用されているHDL−C測定法である二工程(二試薬)で行う測定系をモデルに本発明方法の説明をする。二工程測定系(または二試薬測定系)とは、最初に第一試薬を用いて、HDL以外のリポ蛋白のコレステロールのコレステロール測定用酵素への反応性を抑制する工程(第1工程)を行い、続いてコレステロール測定用酵素を含む第二試薬を添加してコレステロール測定工程(第2工程)を行う方法である。なお、以下の本明細書において、二工程測定系の第1工程、第2工程をそれぞれ単に第1工程、第2工程ということがある。
本発明の方法における第1工程では、測定試料にポリアニオンおよびホスホニウム塩化合物を添加し、該測定試料中のHDL以外のリポ蛋白を、ポリアニオンおよびホスホニウム塩化合物を用いて処理する。ここで「処理」とは、HDL以外のリポ蛋白の粒子表面にポリアニオンおよびホスホニウム塩化合物が静電気的に結合することをいう。本工程においては、ポリアニオンおよびホスホニウム塩化合物の添加量によっては、ポリアニオンを介してHDL以外のリポ蛋白粒子が集合(いわゆる凝集)する場合があるが、この凝集現象は本発明の効果を得るために必須ではない。第1工程は、上記「処理」によって、引き続く第2工程におけるHDL以外のリポ蛋白中のコレステロールのコレステロール測定用酵素との反応性を低下させることを目的としたものである。
続いて第2工程では、従来公知の方法を使用してHDL−Cの測定を行う。リポ蛋白中に含まれるコレステロールとしては、エステル型コレステロール(以下、コレステロールエステルということがある)および遊離型コレステロールがある。エステル型コレステロールは、コレステロールエステル加水分解酵素により加水分解され、遊離型コレステロールと脂肪酸へ変換される。ここで生じた遊離型コレステロールは、元々存在する遊離型コレステロールと共に、コレステロール測定用酵素(例えば、コレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素)の基質となる。コレステロール測定用酵素としてコレステロール酸化酵素を用いる場合は、遊離型コレステロールは酸化されて、コレステノンと過酸化水素へ変換される。ここに、ペルオキシダーゼの存在下、過酸化水素と反応してキノン色素を形成する化合物を反応させ、生じたキノン色素の吸光度を測定することにより、HDLに含まれるエステル型コレステロールと遊離型コレステロールの和、すなわちHDL−C量を測定することができる。また、コレステロール測定用酵素としてコレステロール脱水素酵素を用いる場合は、補酵素であるNAD(P)Hの増加を吸光度に基づいて測定することにより、HDL−C量を測定することができる。
本発明に用いられるホスホニウム塩化合物としては、一般式(I):
(式中、R1は、直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基を表し、R2、R3およびR4は同一または異なって直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基を表し、X-は陰イオンを表す)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある)が挙げられる。
化合物(I)におけるR1で表される直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルキル基としては、例えばオクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル(ベヘニル)などの基が挙げられ、炭素数8〜18のアルキル基であることが好ましく、炭素数12〜16の直鎖アルキル基であることがより好ましい。
化合物(I)におけるR1で表される直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基としては、例えばオクテニル、ノネニル、デセニル、シトロネリル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オレイル、ノナデセニル、イコセニル、ヘンイコセニル、ドコセニルなどの基が挙げられ、炭素数8〜18の直鎖アルケニル基であることがより好ましい。
化合物(I)におけるR2、R3またはR4で表される直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの基が挙げられ、炭素数1〜4の直鎖アルキル基であることが好ましい。
化合物(I)におけるR2、R3またはR4で表される直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜6のアルケニル基としては、例えばビニル、1−プロペニル、アリル(2−プロペニル)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどが挙げられ、炭素数2〜4の直鎖アルケニル基であることがより好ましい。
化合物(I)におけるX-で表される陰イオンとしては、例えば水酸化物イオン、ハロゲンイオン、無機酸由来の陰イオン、有機酸由来の陰イオンなどが挙げられる。ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。無機酸由来の陰イオンとしては、例えば硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンなどが挙げられる。有機酸由来の陰イオンとしては、例えばギ酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、グルタミン酸イオンなどのカルボン酸イオンなどが挙げられる。
本発明方法においては、ホスホニウム塩化合物として、上述した化合物(I)を単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。化合物(I)の好ましい例としては、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、トリブチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム塩などが挙げられる。ホスホニウム塩としては、好ましくはクロリドおよびブロミドとの塩が挙げられる。化合物(I)の具体例(製品)としては、例えば、トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド、トリブチルドデシルホスホニウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(いずれも、東京化成工業株式会社)、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムテトラフルオロボレート(いずれもSigma−Aldrich)が挙げられる。また当業者は、Green chemistry 5 143−152(2003)、Electrochemistry communications 9 2353−2358(2007)、Electrochemistry 75 734−736(2007)の記載を参照して例えば、トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリエチルドデシルホスホニウムブロミド、トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリドなどの、式(I)で示されるホスホニウム塩化合物を合成することもできる。
化合物(I)の濃度としては、本発明のHDL−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、第1工程における反応液中の濃度が0.001mmol/L〜1mol/Lであることが好ましく、第1工程における反応液中の濃度が0.01〜10mmol/Lであることがより好ましい。
ポリアニオンとしては、本発明のHDL−Cの測定を可能とするポリアニオンであれば特に制限はなく、リンタングステン酸またはその塩、デキストラン硫酸またはその塩、ヘパリンまたはその塩、ポリエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。デキストラン硫酸としては、例えば、平均分子量が4000〜200万、好ましくは4000〜50万、より好ましくは4000〜5万、例えば平均分子量4000、5000、1万、3万6000、4万、5万、8万、20万、50万、100万、200万などのデキストラン硫酸が挙げられる。塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。また、本発明においては上記ポリアニオンを単独で用いても2種以上組み合わせて用いても良い。ポリアニオンの濃度としては、本発明のHDL−Cの測定を可能とする濃度であれば特に制限はないが、第1工程における反応液中の濃度が0.001〜10重量%であることが好ましく、第1工程における反応液中の濃度が0.01〜1重量%であることがより好ましい。
コレステロール測定用酵素(コレステロールエステル加水分解酵素(リパーゼに分類されるものを含む)、コレステロール酸化酵素、コレステロール脱水素酵素など)、およびペルオキシダーゼについては、一般にコレステロール測定に使用されるものであれば何れでも差し支えなく使用できる。これらは、微生物由来、動物由来、植物由来などいずれの由来でもよく、また遺伝子操作により作られたものでも良く、化学修飾の有無も問わない。コレステロール測定用酵素は、単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。またその使用量は酵素によって異なり、特に制限されるものではないが、第2工程における反応液中の濃度として0.001〜100単位/mL、好ましくは0.1〜100単位/mLで使用することができる。ペルオキシダーゼの使用量にも制限はないが、第2工程における反応液中の濃度として0.001〜100単位/mL、好ましくは0.1〜100単位/mLである。
ペルオキシダーゼの存在下において、コレステロール酸化酵素の作用により生成した過酸化水素と反応してキノン色素を形成する化合物(以下、発色剤ということがある)としては、4−アミノアンチピリンおよびトリンダー試薬が挙げられる。トリンダー試薬としては、N,N−ビス(スルホブチル)−m−トルイジン二ナトリウム(DSBmT)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N'−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)などが用いられるが、これらに限定されることはない。また発色剤の使用濃度は、所望する、キノン色素の形成量、反応液量、反応時間などに応じて適宜に選択が可能である。
また、コレステロール脱水素酵素を使用する場合の補酵素NAD(P)の使用濃度も適宜に選択が可能である。
本発明方法を有利に実施するためには、上記したポリアニオン、ホスホニウム塩化合物、酵素、発色剤、補酵素などを適宜組み合わせて調製した試薬を使用することができる。またさらに、必要に応じて、アスコルビン酸オキシダーゼ、カタラーゼ、ホスホリパーゼ、スフィンゴミエリナーゼなどのコレステロール測定用酵素以外の酵素や塩、pH調整のための緩衝剤、界面活性剤、アルブミンなどの蛋白質類、抗体、抗生物質、サポニン、レクチン、ジギトニン、シクロデキストリン、カリックスアレーンなど特定のリポ蛋白に親和性を有する物質や、キレート剤、糖などの安定化剤、防腐剤を配合することができる。また、マグネシウムイオンやカルシウムイオンのような2価金属は、酵素の安定化に寄与する場合があり、HDL−C測定に影響を与えない(または測定装置に影響を与えない)濃度で添加することができる。
これらのうち、緩衝剤としては、グッドの緩衝剤、リン酸、トリス、フタル酸塩など何れでもよく、反応液としてpH4から10の範囲で緩衝作用を有する条件が設定できるものであれば使用できる。その使用量は、特に制限されるものではないが、反応液中、0.0005〜2mol/Lで、好ましくは0.01〜1mol/Lで使用される。いずれも実施にあたっては、使用する各種酵素の特性あるいは、試薬に含まれるその他の成分との関係などから、実験的に最適条件を選択することができる。
アルブミンは、本発明において感度や特異性を向上させる場合があり、好適に使用することが可能である。その種類は本発明のHDL−Cの測定を可能とするものであれば特に制限はないが、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヒト、卵白由来のアルブミンなどが挙げられ、ウシ血清アルブミン(BSA)が好ましい。これらは遺伝子操作により作られたものでも良く、精製方法の如何や化学修飾の有無も問わない。その使用量は、特に制限されるものではないが、反応液中の濃度が0.001〜10重量%であることが好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
界面活性剤は、本発明のHDL−Cの測定を可能とするものであれば特に制限はなく、従来公知のHDL−Cの測定に使用される界面活性剤(非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤)の中から適宜選択して使用することができる。
特にHDLを選択的に可溶化する目的であれば、HLB13〜14のポリオキシエチレン誘導体を好適に用いることができ、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルがさらに好ましい。具体例(製品名)としては、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66(いずれも、花王株式会社)が挙げられる。その濃度は第2工程の反応液中(別の表現をすれば第1工程、第2工程の反応混合物全体に対し)0.05〜3重量%が好ましく、0.1〜1.5重量%がより好ましい。また、国際公開第2004/048605号パンフレットに記載の多環型ポリオキシアルキレン誘導体も同様に使用することができる。
また界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンが添加されていてもよい。ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンとしては、例えば一般式(II):
(式中、R5は直鎖または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、R6は水素原子または(CH2CH2O)nHを表し、mまたはnは同一または異なって1〜100の整数である)で表される化合物(以下、化合物(II)ということがある)が挙げられる。化合物(II)におけるアルキル基およびアルケニル基としては、それぞれ例えば、化合物(I)に関して前述した直鎖または分枝状の炭素数8〜22のアルキル基、直鎖または分枝状の炭素数8〜22のアルケニル基などが挙げられ、炭素数10〜18のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンアルケニルアミンの具体例(製品)としては、例えばナイミーンL−201(N−ヒドロキシエチル−ラウリルアミン;日油株式会社)、ナイミーンL−207(ポリオキシエチレンラウリルアミン;日油株式会社)、ナイミーンS−204、ナイミーンS−210(ポリオキシエチレンステアリルアミン;日油株式会社)、ニューコールOD−420(ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル;日本乳化剤株式会社)、パイオニンD−3104、パイオニンD−3110(ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル;竹本油脂株式会社)、BLAUNON L−205、L−207、L−210(ポリオキシエチレンラウリルアミン;青木油脂工業株式会社)、BLAUNON S−207、S−210(ポリオキシエチレンステアリルアミン;青木油脂工業株式会社)、BLAUNON S−207T(ポリオキシエチレン牛脂アミン;青木油脂工業株式会社)、BLAUNON O−205(ポリオキシエチレンオレイルアミン;青木油脂工業株式会社)などが挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンにおけるオキシエチレン鎖の重合度は、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜60である。ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルケニルアミンはいずれか単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。またその使用量は、特に制限されるものではないが、反応液中の濃度が0.0001〜1重量%であることが好ましく、0.001〜0.1重量%がより好ましい。
また、界面活性剤として陽イオン性界面活性剤やアミノ基を有する界面活性剤が含まれていてもよく、それらの例としては、3級アミンおよび4級アンモニウム塩が挙げられる。3級アミンとしては、例えば一般式(III):
(式中、R7は、直鎖または分枝状の炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を表し、R8、R9は、同一または異なって、それぞれ水素原子、直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜30のアルキル基、または直鎖もしくは分枝状の炭素数2〜30のアルケニル基を表す)で表される化合物(以下、化合物(III)ということがある)が挙げられる。化合物(III)の具体例(製品)としては、例えばニッサンアミンBB、ニッサンアミンAB、3級ニッサンアミンBB、3級ニッサンアミンFB(いずれも日油株式会社)などが挙げられる。3級アミンおよび4級アンモニウム塩の使用量は、特に制限されるものではないが、反応液中の濃度が0.0001〜1重量%であることが好ましく、0.001〜0.1重量%がより好ましい。上記3級アミンおよび4級アンモニウム塩は、いずれか単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても良い。
本発明方法を有利に実施するため、上述した本発明方法に使用する試薬をまとめて含むキットが提供されてもよい。したがって、別の実施形態において、本発明は、上記化合物(I)で示されるホスホニウム塩化合物、上記ポリアニオン、および上記コレステロール測定用酵素を含む、HDL−C測定用試薬を提供する。さらに別の実施形態において、本発明は、上記化合物(I)で示されるホスホニウム塩化合物、上記ポリアニオン、および上記コレステロール測定用酵素を含む、HDL−C測定に使用されるキットを提供する。該HDL−C測定用試薬および該キットは、さらに、上述したペルオキシダーゼ、発色剤、補酵素、アルブミンなどの蛋白質類、界面活性剤、コレステロール測定用酵素以外の酵素や塩、pH調整のための緩衝剤、抗体、抗生物質、特定のリポ蛋白に親和性を有する物質、キレート剤、安定化剤、防腐剤、酵素の安定化に寄与する2価金属などの、HDL−C測定に必要な他の試薬を含んでいてもよい。
本発明のHDL−C測定用試薬(二工程測定系用)の具体例を示せば次の通りである。
(第一試薬)
ポリアニオン
ホスホニウム塩化合物(化合物(I))
発色剤(例えば4−アミノアンチピリンもしくはトリンダー試薬)
(第二試薬)
コレステロール測定用酵素
コレステロールエステル加水分解酵素
コレステロール酸化酵素
ペルオキシダーゼ
発色剤(例えば4−アミノアンチピリンもしくはトリンダー試薬)
界面活性剤
(第一試薬)
ポリアニオン
ホスホニウム塩化合物(化合物(I))
発色剤(例えば4−アミノアンチピリンもしくはトリンダー試薬)
(第二試薬)
コレステロール測定用酵素
コレステロールエステル加水分解酵素
コレステロール酸化酵素
ペルオキシダーゼ
発色剤(例えば4−アミノアンチピリンもしくはトリンダー試薬)
界面活性剤
本発明のHDL−C測定用試薬(二工程測定系用)の別の具体例を示せば次の通りである。
(第一試薬)
ポリアニオン
ホスホニウム塩化合物(化合物(I))
補酵素(NAD(P))
(第二試薬)
コレステロール測定用酵素
コレステロールエステル加水分解酵素
コレステロール脱水素酵素
補酵素(NAD(P))
界面活性剤
(第一試薬)
ポリアニオン
ホスホニウム塩化合物(化合物(I))
補酵素(NAD(P))
(第二試薬)
コレステロール測定用酵素
コレステロールエステル加水分解酵素
コレステロール脱水素酵素
補酵素(NAD(P))
界面活性剤
上記の二工程測定系に基づく説明は、本発明の方法の理解促進のために記載したものであって、特定の理論に拘る趣旨のものではない。したがって、上記の説明は、コレステロール測定用酵素とリポ蛋白が接触する前あるいは接触するのと並行して本発明の処理が実質的になされることを限度として、本発明の方法が一工程(一試薬)測定系や三工程(三試薬)測定系であることを排除することを意図していない。さらに本発明の方法が、溶液中で反応を行う液体反応系以外(例えば試薬を固定した試験片、乾式分析素子などを用いた固形反応系)であることを排除することも意図していない。当業者であれば、上記二工程測定系に基づく本発明方法の詳細な説明や、後述の実施例の記載を参酌し、本発明方法を一工程測定系やや三工程測定系、さらに試験片や乾式分析素子を用いた反応系に応用することや、それらの測定系、反応系における各試薬の適切な使用量を実験的に決定することができることはいうまでもない。
例えば、上記に例示したHDL−C測定用試薬において、その性能を損なわないことを限度として、上記コレステロール測定用酵素、ペルオキシダーゼなどの酵素や発色剤、補酵素などを第一試薬のみに含有させるか、第二試薬のみに含有させるか、または双方に含有させるかを選ぶことができる。また、国際公開第02/38800号パンフレット、特開2007−325587号公報、特開2009−125049号公報、特開2009−247317号公報などを参照し、上記試薬を試験片、乾式分析素子などに適用することができる。なお、試験片、乾式分析素子などによるHDL−C測定に使用できるさらなる成分や技術を本発明方法において使用できる場合があることはいうまでもない。
本発明方法において、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロールは主反応への関与を抑制されているため、HDL−Cの測定後も反応液中に残存している。したがって、HDL−C測定後にHDL−C以外のコレステロールの反応抑制を解除する手段(すべてのリポ蛋白を可溶化できる界面活性剤の添加など)をさらに施せば、HDL以外のリポ蛋白中のコレステロール(臨床における、いわゆるnonHDL−Cなど)を測定することが可能である。また、本発明方法において、コレステロール測定用酵素に代えて、当業者に周知のトリグリセリド測定用酵素群を使用すれば、HDL中のトリグリセリドやHDL以外のリポ蛋白中のトリグリセリドを測定することも可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はなんらこれらに制約されるものではない。なお、本実施例および比較例においては、下記メーカーの試薬および酵素を使用した。なお、界面活性剤の成分名は、各メーカーのカタログ記載名称を記載した。
MES(株式会社同仁化学研究所)、水酸化ナトリウム(キシダ化学株式会社)、TOOS(株式会社同仁化学研究所)、4−アミノアンチピリン(和光純薬工業株式会社)、リンタングステン酸ナトリウム(キシダ化学株式会社)、デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000)(東京化成工業株式会社)、デキストラン硫酸ナトリウム(分子量36000〜5万)(和光純薬株式会社)、デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万)(和光純薬工業株式会社)、塩化マグネシウム(キシダ化学株式会社)、トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド(東京化成工業株式会社)、トリブチルドデシルホスホニウムブロミド(東京化成工業株式会社)、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(東京化成工業株式会社)、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミド(東京化成工業株式会社)、コレステロールエステラーゼ(旭化成株式会社)、コレステロールオキシダーゼ(オリエンタル酵母工業株式会社)、ペルオキシダーゼ(東洋紡株式会社)、エマルゲンB−66(成分名 ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル;花王株式会社)、ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma)、BLAUNON L−205(成分名 ポリオキシエチレンラウリルアミン;青木油脂工業株式会社)、BLAUNON S−207(成分名 ポリオキシエチレンステアリルアミン;青木油脂工業株式会社)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社)、3級ニッサンアミンBB(成分名 ジメチルラウリルアミン;日油株式会社)、ペグノール005(成分名 ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル;東邦化学工業株式会社)、エマルゲンA−60(成分名 ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル;花王株式会社)、ニューコール610(成分名 ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル;日本乳化剤株式会社)、ニューコール2600FB(成分名 ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル;日本乳化剤株式会社)、コール酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)、エナジコールL−30AN(成分名 アラニネート;ライオン株式会社)、アンヒトール24B(成分名 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン;花王株式会社)、エナジコールC−40H(成分名 イミダゾニウムベタイン;ライオン株式会社)。トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(CAS番号[71221−96−0])、トリエチルドデシルホスホニウムブロミド(CAS番号[21743−53−3])、トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド(CAS番号[56155−08−9]については、Electrochemistry communications 9 2353−2358(2007)記載の方法に倣って合成した。
(比較例1)従来法の特性の比較評価
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、従来法の特性を比較評価した。比較評価は、下記に示す第一試薬(以下、基礎第一試薬ということがある)に対して、ポリアニオンのみを添加した試薬(比較例1−1)、特許文献3に記載の化合物の組み合わせを添加した試薬(比較例1−2)、特許文献4に記載された化合物を添加した試薬(比較例1−3)、特許文献6に記載された化合物を添加した試薬(比較例1−4、比較例1−5)を用いて実施した。基礎第一試薬に添加した各成分名および濃度を表1に示した。第二試薬(以下、基礎第二試薬ということがある)は以下に示す組成の試薬を使用した。
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、従来法の特性を比較評価した。比較評価は、下記に示す第一試薬(以下、基礎第一試薬ということがある)に対して、ポリアニオンのみを添加した試薬(比較例1−1)、特許文献3に記載の化合物の組み合わせを添加した試薬(比較例1−2)、特許文献4に記載された化合物を添加した試薬(比較例1−3)、特許文献6に記載された化合物を添加した試薬(比較例1−4、比較例1−5)を用いて実施した。基礎第一試薬に添加した各成分名および濃度を表1に示した。第二試薬(以下、基礎第二試薬ということがある)は以下に示す組成の試薬を使用した。
第一試薬(基礎第一試薬)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
第二試薬(基礎第二試薬)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
コレステロールエステラーゼ 1 単位/mL
コレステロールオキシダーゼ 1 単位/mL
ペルオキシダーゼ 5 単位/mL
TOOS 0.1 mmol/L
エマルゲンB−66 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
第二試薬(基礎第二試薬)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
コレステロールエステラーゼ 1 単位/mL
コレステロールオキシダーゼ 1 単位/mL
ペルオキシダーゼ 5 単位/mL
TOOS 0.1 mmol/L
エマルゲンB−66 1.0 重量%
測定は日立7170形自動分析機(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用して行った。HDL画分試料またはVLDL画分試料2.4μLに各比較例の第一試薬240μLを添加し、約5分後、基礎第二試薬80μLをさらに添加した。基礎第二試薬添加直前と添加後5分後の吸光度を測定し、その差を求めた(2ポイント法)。吸光度測定は、主波長600nm、副波長700nmで行った。
比較例1−1の第一試薬を用いて測定したHDL画分試料の吸光度を100とし、比較例1−2〜比較例1−5の第一試薬を用いて測定したHDL画分試料の相対吸光度(%)(各比較例のHDL画分試料の吸光度×100/比較例1−1のHDL画分試料の吸光度)を求めた。さらに、それぞれの第一試薬での測定について、HDL画分試料の吸光度に対するVLDL画分試料の相対吸光度(%)(同一比較例中の、VLDL画分試料の吸光度×100/HDL画分試料の吸光度)を計算した。HDL画分試料の相対吸光度が大きく、かつVLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度が小さい条件が、本発明の課題達成に求められる条件、すなわち、コレステロール測定用酵素とHDL−Cとの反応性を維持したまま、コレステロール測定用酵素とVLDL−Cとの反応性を低下せしめる条件である。結果を表2に示した。
先ず、HDL画分試料の相対吸光度(%)は、各比較例の第一試薬のHDL画分との反応性の相対的な強さを表す。従って数値が100より小さい場合には、比較例1−1と比較してHDL画分に対する反応性が低下していることを示す。次に、VLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度(%)は、HDL画分試料とVLDL画分試料のコレステロール濃度が同一であることより、両画分に対する反応性の差を反映する。数値が100であれば、HDL画分とVLDL画分に対する反応性が等しいことを示し、数値が小さいほどVLDL画分との反応性が低いことを示す。比較例1−1のHDL画分試料に対するVLDL画分試料の相対吸光度は19.1%であり、HDL画分に対してVLDL画分の反応性を抑制可能な条件の一つであるといえる。比較例1−2(特許文献3)は、基礎第一試薬に2価金属塩をさらに共存させた試薬による試験条件であるが、比較例1−1に対してHDL画分に対する反応性を維持したまま、VLDL画分に対する反応性をさらに低下させることができる。しかし、2価金属塩(特にマグネシウム塩)は自動分析装置の流路洗浄剤であるアルカリ性洗浄液と混合されると、水難溶性の水酸化塩(水酸化マグネシウム)を形成して、流路のつまりをひきおこすなど、装置の保守管理の点で重大な問題を有しており、従来技術の課題としても認識されている。比較例1−3(特許文献4)では、ポリアニオンを単独で使用する比較例1−1と比較してVLDL画分の反応性がやや低下しているが、マグネシウムイオンを使用した比較例1−2ほどには抑制できていない。また比較例1−4、1−5(特許文献6)では、VLDL画分の反応性を抑制できていない(特に比較例1−5)ばかりか、HDL画分との反応性まで低下していることがわかる。
(実施例1)課題解決に効果的な化合物のスクリーニング
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、コレステロール測定用酵素とVLDL画分との反応性を低下せしめる化合物のスクリーニングを実施した。スクリーニング用の試薬は、比較例1記載の基礎第一試薬に対して、ポリアニオン、各種ホスホニウム塩化合物、BSAを表3に示す濃度となるよう添加した試薬(実施例1−1〜実施例1−16)を使用した。第二試薬は、比較例1記載の基礎第二試薬を使用した。
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、コレステロール測定用酵素とVLDL画分との反応性を低下せしめる化合物のスクリーニングを実施した。スクリーニング用の試薬は、比較例1記載の基礎第一試薬に対して、ポリアニオン、各種ホスホニウム塩化合物、BSAを表3に示す濃度となるよう添加した試薬(実施例1−1〜実施例1−16)を使用した。第二試薬は、比較例1記載の基礎第二試薬を使用した。
但し、表中、PTAはリンタングステン酸ナトリウムを示し、0.04重量%で使用した。DSはデキストラン硫酸ナトリウムを示し、0.05重量%で使用した。また、ホスホニウム塩化合物は、P111(16)はトリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、P222(12)はトリエチルドデシルホスホニウムブロミド、P222(16)はトリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド、P4448はトリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド、P444(12)はトリブチルドデシルホスホニウムブロミド、P444(16)はトリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、P666(14)はトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドを示す。濃度はいずれも第一試薬中の濃度を示す。
測定および結果の解析は、比較例1と同様に実施した。すなわち、比較例1−1の第一試薬を使用して測定したHDL画分試料の吸光度を100とし、各実施例の第一試薬を使用して測定したHDL画分試料の相対吸光度(%)を求めた。さらに、それぞれの第一試薬を使用する測定において、HDL画分試料の吸光度に対するVLDL画分試料の相対吸光度(%)を計算した。結果を表4に示した。
表4より、本発明のホスホニウム塩化合物を含有する第一試薬は、表3に示した実施例1−1〜実施例1−16のいずれにおいても、コレステロール測定用酵素とHDL画分との反応性を維持したまま、VLDL画分との反応性を抑制できていることがわかる。そして、その反応性抑制の程度は、比較例1−2のマグネシウムイオンを使用した場合と比較して、同程度以上である。本発明のホスホニウム塩化合物を含有する第一試薬は、自動分析装置のアルカリ性洗浄液と混合されても水難溶性の物質を生じないため、比較例1−2の第一試薬を使用する場合に対して、極めて有用な手段であるといえる。また、比較例1−3〜比較例1−5と比較しても、VLDL画分への反応性抑制は本発明のホスホニウム塩化合物を含有する第一試薬の方が優れていることがわかる。
このような効果は、トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリエチルドデシルホスホニウムブロミド、トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド、トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド、トリブチルドデシルホスホニウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドのいずれを用いた場合においても認められる。また、その効果は、併用されるポリアニオンの種類に依存するものではなく、リンタングステン酸ナトリウムであってもデキストラン硫酸であっても同様の効果を示す(実施例1−2と、実施例1−3、1−4、1−5とを比較、または実施例1−10と、実施例1−11、1−12とを比較)。さらにデキストラン硫酸を使用する場合は、その分子量に因らず、目的の効果を得ることができる(実施例1−3〜1−5を比較)。またBSAの有無に因っても効果は変動しない(実施例1−9と1−10を比較)。
このような効果は、トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリエチルドデシルホスホニウムブロミド、トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド、トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド、トリブチルドデシルホスホニウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミドのいずれを用いた場合においても認められる。また、その効果は、併用されるポリアニオンの種類に依存するものではなく、リンタングステン酸ナトリウムであってもデキストラン硫酸であっても同様の効果を示す(実施例1−2と、実施例1−3、1−4、1−5とを比較、または実施例1−10と、実施例1−11、1−12とを比較)。さらにデキストラン硫酸を使用する場合は、その分子量に因らず、目的の効果を得ることができる(実施例1−3〜1−5を比較)。またBSAの有無に因っても効果は変動しない(実施例1−9と1−10を比較)。
(実施例2)本発明のホスホニウム塩化合物を添加した第一試薬による血清検体のHDLコレステロール測定値と、簡易DCMによるHDLコレステロール測定値の相関
ポリアニオンとしてリンタングステン酸ナトリウムを用い、本発明のホスホニウム塩化合物を含む第一試薬(試薬A、B、C、D、E、F、G、H、I)を、以下の通り調製した。
ポリアニオンとしてリンタングステン酸ナトリウムを用い、本発明のホスホニウム塩化合物を含む第一試薬(試薬A、B、C、D、E、F、G、H、I)を、以下の通り調製した。
第一試薬(試薬A)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリメチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬B)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリエチルドデシルホスホニウムブロミド 0.2 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリエチルドデシルホスホニウムブロミド 0.2 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬C)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリエチルドデシルホスホニウムブロミド 0.2 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリエチルドデシルホスホニウムブロミド 0.2 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬D)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量4000) 0.05 重量%
トリエチルヘキサデシルホスホニウムクロリド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬E)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド 0.8 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチル−n−オクチルホスホニウムクロリド 0.8 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬F)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルドデシルホスホニウムブロミド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルドデシルホスホニウムブロミド 0.1 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬G)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.05 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.05 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬H)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.045 mmol/L
BLAUNON S−207(特許文献4) 0.045 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.045 mmol/L
BLAUNON S−207(特許文献4) 0.045 mmol/L
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬I)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.045 mmol/L
3級ニッサンアミンBB (特許文献6) 0.045 mmol/L
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド 0.045 mmol/L
3級ニッサンアミンBB (特許文献6) 0.045 mmol/L
BSA 1.0 重量%
試薬A〜試薬Iの第一試薬および比較例1記載の基礎第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、ヒト血清90検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。ヒト血清中のHDLコレステロール濃度の真値は、DCM(非特許文献3)を用いて測定した。DCMによる測定値をX、各実施例の値をYとし、相関係数、回帰式を比較した。結果を表5に示した。なお、本実施例で使用したヒト血清90検体の脂質項目の測定値分布は、総コレステロール(T−CHO)49〜289mg/dL、HDLコレステロール(HDL−C)19〜112mg/dL、LDLコレステロール(LDL−C)24〜196mg/dL、遊離コレステロール(F−CHO)12〜84mg/dL、トリグリセリド(TG)20〜351mg/dLであり、一部に参考基準値を外れる検体を含むものの、概ね正常な検体から構成される検体群といえる。なお、T−CHOはコレステスト(登録商標)CHO、HDL−Cはコレステスト(登録商標)N HDL、LDL−Cはコレステスト(登録商標)LDL、F−CHOはピュアオート(登録商標)S F−CHO−N、TGはコレステスト(登録商標)TG(いずれも積水メディカル株式会社)を用いて測定した。またTGが200mg/dL以上である検体は、生理食塩水で2倍希釈した上でDCMに供した。
上記DCMの具体的な手順は以下である。DCM分画液には、以下の試薬を用いた。デキストラン硫酸ナトリウム(Dextralip50、Sigma)、塩化マグネシウム6水和物(キシダ化学株式会社)、アジ化ナトリウム(キシダ化学株式会社)。測定手順を以下に記す。
(1)分画液の調製
試薬a
デキストラン硫酸ナトリウム 20 g/L
アジ化ナトリウム 0.5 g/L
試薬b
塩化マグネシウム 0.7 mol/L
アジ化ナトリウム 0.5 g/L
を調製し、両者を等量ずつ混合した。
(2)血清試料と上記(1)で調製した分画液を、体積比10:1で混合し、ボルテックスミキサーにより混合した。
(3)室温で10〜30分静置後、1500G、4℃、30分遠心した。
(4)上清を回収し、総コレステロール含量を、コレステスト(登録商標)CHO(積水メディカル株式会社)を用いて測定した。血清試料は分画液により1.1倍に希釈されているため、得られた測定値を1.1倍して、血清試料中のHDLコレステロール値とした。
(1)分画液の調製
試薬a
デキストラン硫酸ナトリウム 20 g/L
アジ化ナトリウム 0.5 g/L
試薬b
塩化マグネシウム 0.7 mol/L
アジ化ナトリウム 0.5 g/L
を調製し、両者を等量ずつ混合した。
(2)血清試料と上記(1)で調製した分画液を、体積比10:1で混合し、ボルテックスミキサーにより混合した。
(3)室温で10〜30分静置後、1500G、4℃、30分遠心した。
(4)上清を回収し、総コレステロール含量を、コレステスト(登録商標)CHO(積水メディカル株式会社)を用いて測定した。血清試料は分画液により1.1倍に希釈されているため、得られた測定値を1.1倍して、血清試料中のHDLコレステロール値とした。
(比較例2)従来法の第一試薬による測定値と、DCMによる測定値の相関
従来法の第一試薬として、以下の第一試薬(試薬J、K、L、M、N)を調製した。
従来法の第一試薬として、以下の第一試薬(試薬J、K、L、M、N)を調製した。
第一試薬(試薬J)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
第一試薬(試薬K)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
塩化マグネシウム 8 mmol/L
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
塩化マグネシウム 8 mmol/L
第一試薬(試薬L)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 0.1 重量%
BLAUNON L−205 0.007 重量%
BSA 0.2 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 0.1 重量%
BLAUNON L−205 0.007 重量%
BSA 0.2 重量%
第一試薬(試薬M)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 0.1 重量%
セチルトリメチルアンモニウムブロミド 0.002 重量%
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
デキストラン硫酸ナトリウム(分子量50万) 0.1 重量%
セチルトリメチルアンモニウムブロミド 0.002 重量%
BSA 1.0 重量%
第一試薬(試薬N)
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
セチルトリメチルアンモニウムブロミド 0.002 重量%
BSA 1.0 重量%
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.7 mmol/L
リンタングステン酸ナトリウム 0.04 重量%
セチルトリメチルアンモニウムブロミド 0.002 重量%
BSA 1.0 重量%
試薬J〜試薬Nの第一試薬および比較例1記載の基礎第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、実施例2と同一のヒト血清90検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。DCMによる測定値をX、各実施例の値をYとし、相関係数、回帰式を比較した。結果を表6に示した。
実施例2から、本発明品のホスホニウム塩とポリアニオンとを含有する第一試薬を用いた測定では、DCMとの良好な相関関係が認められることがわかった。試薬A〜試薬Iのいずれの第一試薬においても、相関は、ホスホニウム塩を含まない試薬Jと比べると明らかに有意であり、特許文献3記載の2価金属を用いる方法(試薬K)、特許文献4記載のポリオキシエチレンラウリルアミンを用いる方法(試薬L)、特許文献6記載のセチルトリメチルアンモニウムブロミドを用いる方法(試薬Mおよび試薬N)と比べても、概ね正常である検体群を測定した場合のDCMとの相関は、同等もしくは改善していることがわかった。
(実施例3)異常検体の測定
試薬E〜試薬Iの第一試薬および比較例1記載の第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、表7に示すヒト血清検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。なお、表7に示された各検体の脂質濃度は、実施例2記載の各脂質測定用試薬を用いて測定した。HDLコレステロール値は、以下のように算出した。まず血清1.0mLに対し、密度1.006の食塩水を重層し、26000Gで30分遠心した。続いて重層した食塩水と同体積量を上層より除去し、浮上したカイロミクロン層を除去した。このようにして得られたサンプルに対し、DCMを適応して測定した。DCMによる測定値、ならびに各試薬を用いた場合の測定値を表8に示した。
試薬E〜試薬Iの第一試薬および比較例1記載の第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、表7に示すヒト血清検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。なお、表7に示された各検体の脂質濃度は、実施例2記載の各脂質測定用試薬を用いて測定した。HDLコレステロール値は、以下のように算出した。まず血清1.0mLに対し、密度1.006の食塩水を重層し、26000Gで30分遠心した。続いて重層した食塩水と同体積量を上層より除去し、浮上したカイロミクロン層を除去した。このようにして得られたサンプルに対し、DCMを適応して測定した。DCMによる測定値、ならびに各試薬を用いた場合の測定値を表8に示した。
(比較例3)
試薬J〜試薬Nの第一試薬および比較例1記載の基礎第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、表7に示すヒト血清検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。DCMによる測定値、ならびに各試薬を用いた場合の測定値を表9に示した。
試薬J〜試薬Nの第一試薬および比較例1記載の基礎第二試薬からなるHDLコレステロール測定用試薬を用いて、表7に示すヒト血清検体中のHDLコレステロール濃度を測定した。DCMによる測定値、ならびに各試薬を用いた場合の測定値を表9に示した。
表7に示す、トリグリセリドが異常高値であって、総コレステロール、およびLDLコレステロールが概ね正常値であるIV型高脂血症様の検体を比較例に示した試薬J〜試薬Nを用いて測定した場合、表9に示すように、DCM値に対して大きく乖離した。一方、本発明のホスホニウム塩およびポリアニオンを含有する試薬E〜試薬Iを用いて表7に示す検体を測定した場合においては、DCM値に対して良く一致する値を示した。これは、総コレステロール、およびLDLコレステロールが概ね正常値であり、カイロミクロンやVLDLが多く含まれる検体において、従来の方法では、カイロミクロンやVLDLを適切に処理させることができなかったのに対し、本発明のホスホニウム塩をポリアニオンと併用した場合には、カイロミクロンやVLDLをより確実に処理することができたため、測定精度が向上したと考えられる。
(実施例4)界面活性剤との組み合わせ
界面活性剤の種類について試験した。
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、第二試薬中に添加する界面活性剤の種類を変動させた際の影響を検証した。第二試薬は、比較例1に記載した基礎第二試薬において、エマルゲンB−66を添加する替わりに、表10に示す界面活性剤を添加した試薬を使用した。第一試薬は、従来法として比較例2の試薬Jを、基準となる本発明のホスホニウム塩化合物を添加した試薬として、トリブチルドデシルホスホニウムブロミドを含む実施例2の試薬Fを使用した。
界面活性剤の種類について試験した。
超遠心分離法により調製したHDL画分、VLDL画分であって、生理食塩水を用いて両画分中のコレステロール濃度が50mg/dLとなるよう希釈した試料(以下、該試料について、HDL画分試料、VLDL画分試料ということがある)を用いて、第二試薬中に添加する界面活性剤の種類を変動させた際の影響を検証した。第二試薬は、比較例1に記載した基礎第二試薬において、エマルゲンB−66を添加する替わりに、表10に示す界面活性剤を添加した試薬を使用した。第一試薬は、従来法として比較例2の試薬Jを、基準となる本発明のホスホニウム塩化合物を添加した試薬として、トリブチルドデシルホスホニウムブロミドを含む実施例2の試薬Fを使用した。
第二試薬
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
コレステロールエステラーゼ 1 単位/mL
コレステロールオキシダーゼ 1 単位/mL
ペルオキシダーゼ 5 単位/mL
TOOS 0.1 mmol/L
各種界面活性剤 表10に示す濃度
MES−NaOH緩衝液(pH6.5) 100 mmol/L
コレステロールエステラーゼ 1 単位/mL
コレステロールオキシダーゼ 1 単位/mL
ペルオキシダーゼ 5 単位/mL
TOOS 0.1 mmol/L
各種界面活性剤 表10に示す濃度
第一試薬として試薬Jを用いて測定したHDL画分試料の吸光度を100とし、第一試薬として本発明のホスホニウム塩化合物が添加された試薬Fを用いて測定したHDL画分試料の相対吸光度(%)を、実施例3−1から実施例3−8のそれぞれの第二試薬を使用した試験について算出した。さらに、それぞれの測定において、HDL画分試料の吸光度に対するVLDL画分試料の相対吸光度(%)を計算した。HDL画分試料の相対吸光度が大きく、かつVLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度が小さい条件が、課題達成に求められる条件、すなわち、コレステロール測定用酵素とHDLとの反応性を維持したまま、コレステロール測定用酵素とVLDLとの反応性を低下せしめる条件である。結果を表11に示した。
同一の界面活性剤を添加した第二試薬どうしで、第一試薬における本発明のホスホニウム塩化合物の添加効果を比較した。非イオン性界面活性剤である、ペグノール005(実施例3−1)、エマルゲンA−60(実施例3−2)、ニューコール610(実施例3−3)、ニューコール2600FB(実施例3−4)を含む第二試薬を用いた場合、エマルゲンB−66を使用した場合(実施例2)と同様に、本発明のホスホニウム塩化合物をポリアニオンと共に第一試薬に添加することで、コレステロール測定用酵素のHDL画分への反応性を概ね維持したまま、VLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度が低下する、すなわちコレステロール測定用酵素のVLDL画分への反応性を抑制する、目的の反応が認められた。陰イオン性界面活性剤であるエナジコールL−30AN(実施例3−5)、コール酸ナトリウム(実施例3−6)を使用した場合、第一試薬を試薬JとしてHDL画分試料を測定したところ、所定の反応時間内に吸光度の増加が飽和せず発色反応が終了しなかった(データ示さず)。しかし、第一試薬を本発明の試薬Fとした場合、HDL画分との反応性が改善され、試薬F/試薬JのHDL画分の吸光度比は100%を超えた値となった。また、第一試薬として試薬Jを用いた場合のコレステロール測定用酵素とVLDL画分との反応性は、エナジコールL−30ANを用いた場合はHDL画分と同程度(108.2%)、コール酸ナトリウムを用いた場合のVLDL画分との反応性はHDL画分の6倍(635.5%)も高いものであった。しかし、本発明の試薬Fを第一試薬として用いた場合、いずれの界面活性剤においてもVLDL画分の反応性は大幅に抑制され、VLDL画分試料/HDL画分試料の吸光度比は小さく(12.5%、3.4%)なった。
両イオン性界面活性剤であるアンヒトール24B(実施例3−7)、エナジコールC−40H(実施例3−8)を使用した場合においても、陰イオン界面活性剤を使用した場合と同様の現象が認められた。すなわち、本発明のホスホニウム塩化合物をポリアニオンと共に第一試薬に添加することで、HDL画分への反応性を概ね維持(108.7%、105.0%)したまま、VLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度が低下した(102%→45.9%、171.7%→7.1%)。
以上より、本発明のホスホニウム塩化合物とポリアニオンをリポ蛋白と共存させてLDLおよびVLDLを処理する方法におけるコレステロール測定用酵素とVLDLの反応性を抑制する効果は、HDLを可溶化するために使用されるいずれの界面活性剤の共存下でもその効果を得られることが実証された。
両イオン性界面活性剤であるアンヒトール24B(実施例3−7)、エナジコールC−40H(実施例3−8)を使用した場合においても、陰イオン界面活性剤を使用した場合と同様の現象が認められた。すなわち、本発明のホスホニウム塩化合物をポリアニオンと共に第一試薬に添加することで、HDL画分への反応性を概ね維持(108.7%、105.0%)したまま、VLDL画分試料/HDL画分試料の相対吸光度が低下した(102%→45.9%、171.7%→7.1%)。
以上より、本発明のホスホニウム塩化合物とポリアニオンをリポ蛋白と共存させてLDLおよびVLDLを処理する方法におけるコレステロール測定用酵素とVLDLの反応性を抑制する効果は、HDLを可溶化するために使用されるいずれの界面活性剤の共存下でもその効果を得られることが実証された。
Claims (20)
- 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、請求項1記載の方法。
- 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項1又は2記載の方法。
- ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- さらにアルブミンの存在下で前記工程を行う、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物の存在下で前記工程を行う、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、請求項7記載の試薬。
- 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項7又は8記載の試薬。
- ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、請求項7〜9のいずれか1項記載の試薬。
- さらにアルブミンを含有する、請求項7〜10のいずれか1項記載の試薬。
- さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、請求項7〜11のいずれか1項記載の試薬。
- (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、請求項7〜12のいずれか1項記載の試薬。
- 一般式(I)で表される化合物が、R1が直鎖もしくは分枝状の炭素数8〜16のアルキル基を表し、R2、R3およびR4が直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜4のアルキル基である、請求項14記載のキット。
- 一般式(I)で表される化合物が、トリメチルオクチルホスホニウム塩、トリメチルドデシルホスホニウム塩、トリメチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリエチルオクチルホスホニウム塩、トリエチルドデシルホスホニウム塩、トリエチルヘキサデシルホスホニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、およびトリブチルヘキサデシルホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項14又は15記載のキット。
- ポリアニオンが、リンタングステン酸ナトリウムまたはデキストラン硫酸である、請求項14〜16のいずれか1項記載のキット。
- さらにアルブミンを含有する、請求項14〜17のいずれか1項記載のキット。
- さらにポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミン、3級アミン、および4級アンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する、請求項14〜18のいずれか1項記載のキット。
- (a)一般式(I)および(b)ポリアニオンを含む第1の試薬セットと、(c)コレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール酸化酵素、またはコレステロールエステル加水分解酵素およびコレステロール脱水素酵素を含む第2の試薬セットとを含む、請求項14〜19のいずれか1項記載のキット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015021421A JP2015126735A (ja) | 2013-08-30 | 2015-02-05 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013180140 | 2013-08-30 | ||
JP2013180140 | 2013-08-30 | ||
JP2013247966 | 2013-11-29 | ||
JP2013247966 | 2013-11-29 | ||
JP2015021421A JP2015126735A (ja) | 2013-08-30 | 2015-02-05 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014561213A Division JP5695810B1 (ja) | 2013-08-30 | 2014-09-01 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015126735A true JP2015126735A (ja) | 2015-07-09 |
Family
ID=52586780
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014561213A Active JP5695810B1 (ja) | 2013-08-30 | 2014-09-01 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
JP2015021421A Pending JP2015126735A (ja) | 2013-08-30 | 2015-02-05 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014561213A Active JP5695810B1 (ja) | 2013-08-30 | 2014-09-01 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20160208311A1 (ja) |
EP (1) | EP3040421B1 (ja) |
JP (2) | JP5695810B1 (ja) |
CN (1) | CN105492623B (ja) |
CA (1) | CA2921825C (ja) |
WO (1) | WO2015030236A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020134462A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 有機よう素除去剤 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105492623B (zh) * | 2013-08-30 | 2019-01-15 | 积水医疗株式会社 | 高密度脂蛋白中的胆固醇测定方法和该方法中使用的试剂 |
CN111926057A (zh) * | 2020-08-14 | 2020-11-13 | 江西乐成生物医疗有限公司 | 高密度脂蛋白3胆固醇的定量方法、测定试剂及制备方法 |
CN112695071B (zh) * | 2020-12-16 | 2022-12-30 | 浙江伊利康生物技术有限公司 | 一种高密度脂蛋白3的测定试剂、方法和试剂盒 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5695810B1 (ja) * | 2013-08-30 | 2015-04-08 | 積水メディカル株式会社 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0878B2 (ja) * | 1989-06-09 | 1996-01-10 | 和光純薬工業株式会社 | 体液成分の測定方法 |
JP2600065B2 (ja) * | 1994-03-08 | 1997-04-16 | 協和メデックス株式会社 | 高密度リポ蛋白中のコレステロールの定量法 |
ATE304608T1 (de) | 1996-12-09 | 2005-09-15 | Denka Seiken Kk | Verfahren zur bestimmung des cholesteringehalts von high-density-lipoproteinen |
JP2000116400A (ja) * | 1998-10-09 | 2000-04-25 | Ttk Kenkyusho:Kk | リポ蛋白中のコレステロールの定量法 |
WO2000078999A1 (fr) | 1999-06-21 | 2000-12-28 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Procede de traitement prealable d'un echantillon aux fins de quantification du cholesterol, et procede associe de quantification du cholesterol dans des lipoproteines specifiques |
EP1205555A1 (de) * | 2000-11-08 | 2002-05-15 | Solvent Innovation GmbH | Enzymkatalyse in Gegenwart ionischer Flüssigkeiten |
JP3686326B2 (ja) | 2000-11-08 | 2005-08-24 | アークレイ株式会社 | 高密度リポタンパク質(hdl)コレステロール測定用試験片 |
ATE449867T1 (de) | 2002-10-16 | 2009-12-15 | Kyowa Medex Co Ltd | Verfahren und reagens zur messung von cholesterin in lipoproteinen hoher dichte |
US7682831B2 (en) | 2002-11-27 | 2010-03-23 | Sekisui Medical Co., Ltd. | Method of measuring lipid in specific lipoprotein |
WO2005100591A1 (ja) | 2004-04-15 | 2005-10-27 | Kyowa Medex Co., Ltd. | 高密度リポ蛋白中のコレステロールの測定方法 |
TWI372783B (en) | 2005-04-27 | 2012-09-21 | Kyowa Medex Co Ltd | A process for measuring the cholesterol in high density lipoprotein |
JP5356656B2 (ja) | 2006-05-10 | 2013-12-04 | 富士フイルム株式会社 | 高密度リポ蛋白コレステロールの測定方法 |
JP5297637B2 (ja) | 2007-11-28 | 2013-09-25 | 富士フイルム株式会社 | 高密度リポ蛋白コレステロールの測定方法 |
JP5313537B2 (ja) | 2008-04-10 | 2013-10-09 | 富士フイルム株式会社 | 高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子 |
US9090931B2 (en) * | 2010-08-11 | 2015-07-28 | Kyowa Medex Co., Ltd | Method for measuring glycated hemoglobin |
WO2012124340A1 (ja) * | 2011-03-16 | 2012-09-20 | 協和メデックス株式会社 | Hdl亜分画中のコレステロールの測定方法、測定用試薬及び測定用キット |
-
2014
- 2014-09-01 CN CN201480047506.6A patent/CN105492623B/zh active Active
- 2014-09-01 JP JP2014561213A patent/JP5695810B1/ja active Active
- 2014-09-01 US US14/914,578 patent/US20160208311A1/en not_active Abandoned
- 2014-09-01 CA CA2921825A patent/CA2921825C/en active Active
- 2014-09-01 EP EP14839972.8A patent/EP3040421B1/en active Active
- 2014-09-01 WO PCT/JP2014/072934 patent/WO2015030236A1/ja active Application Filing
-
2015
- 2015-02-05 JP JP2015021421A patent/JP2015126735A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5695810B1 (ja) * | 2013-08-30 | 2015-04-08 | 積水メディカル株式会社 | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020134462A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 有機よう素除去剤 |
JP7470491B2 (ja) | 2019-02-25 | 2024-04-18 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 有機よう素除去剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2921825A1 (en) | 2015-03-05 |
CN105492623B (zh) | 2019-01-15 |
WO2015030236A1 (ja) | 2015-03-05 |
JP5695810B1 (ja) | 2015-04-08 |
CN105492623A (zh) | 2016-04-13 |
EP3040421A4 (en) | 2017-03-29 |
EP3040421B1 (en) | 2018-03-28 |
JPWO2015030236A1 (ja) | 2017-03-02 |
CA2921825C (en) | 2021-07-27 |
EP3040421A1 (en) | 2016-07-06 |
US20160208311A1 (en) | 2016-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5548733B2 (ja) | 小粒子低比重リポ蛋白の定量方法および定量キット | |
JP5730344B2 (ja) | 小粒子低比重リポ蛋白の定量試薬 | |
JP5450080B2 (ja) | small,denseLDLコレステロールの定量方法およびキット | |
JP7377313B2 (ja) | リポ蛋白コレステロールの定量方法、定量試薬及び定量キット | |
WO2012011554A1 (ja) | 高密度リポタンパク質3中のコレステロールの定量方法 | |
JP5695810B1 (ja) | 高比重リポ蛋白中のコレステロール測定方法および該方法に用いる試薬 | |
JP5671029B2 (ja) | 高密度リポタンパク質3中のコレステロールの定量方法 | |
EP2639310B1 (en) | Method for quantification of remnant-like lipoprotein cholesterol and kit for same | |
CN109312389B (zh) | 富含甘油三酯的脂蛋白中的胆固醇的定量方法以及定量试剂 | |
WO2012011563A1 (ja) | 高密度リポタンパク質3中のコレステロールの定量方法 | |
JP3107492B2 (ja) | リポ蛋白分画中の成分の定量方法 | |
WO2015012334A1 (ja) | 高密度リポタンパク質3中のコレステロールの定量方法及び定量試薬 | |
JP4865880B2 (ja) | 低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20170817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20180807 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190219 |