JP2015126208A - 真空吸着装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]前記第1複合多孔質体が、20〜230[μm]の平均粒子径を有する骨格粒子としての第1セラミックス粒子が、前記骨格粒子に対する質量比が0.05〜0.30の範囲で存在する結合材としての第1ガラスにより結合されることにより構成され、開気孔率が20〜50%の範囲にあり、かつ、平均気孔径が10〜80[μm]であり、前記第2複合多孔質体が、15〜60[μm]の平均粒子径を有する第1骨格粒子としての、かつ、前記第1骨格粒子に対し質量比0.20〜0.40の範囲で存在するとともに前記第1骨格粒子に対して0.05〜0.20の平均粒子径を有する第2骨格粒子としての第2セラミックス粒子が、前記第1骨格粒子および前記第2骨格粒子の総和に対する質量比が0.10〜0.30の範囲で存在する結合材としての第2ガラスにより結合されることにより構成され、気孔率が5〜35%の範囲にあり、かつ、気孔のメディアン径が2.0〜15[μm]である真空吸着装置。
[2]前記第1ガラスおよび前記第2ガラスのそれぞれの組成が同一である[1]記載の真空吸着装置。
[3]前記第1セラミックス粒子および前記第2セラミックス粒子のそれぞれの組成が同一である[1]または[2]記載の真空吸着装置。
[4][1]記載の真空吸着装置の製造方法であって、前記支持部を構成する、凹部を有するセラミックス緻密質体を作製する工程と、20〜230[μm]の平均粒子径を有する骨格粒子としての第1セラミックス粒子と、前記骨格粒子に対する質量比が0.05〜0.30である結合材粒子としての第1ガラス粒子とを含む第1スラリーを調製する第1調整工程と、15〜60[μm]の平均粒子径を有する第1骨格粒子としての、かつ、前記第1骨格粒子に対し質量比0.20〜0.40の範囲で存在するとともに前記第1骨格粒子に対して0.05〜0.20の平均粒子径を有する第2骨格粒子としての第2セラミックス粒子と、前記第1骨格粒子および前記第2骨格粒子の総和に対する質量比が0.10〜0.30の範囲にある結合材粒子としての第2ガラス粒子とを含む第2スラリーを調整する第2調整工程と、前記セラミックス緻密質体の前記凹部のうち少なくとも前記載置部に相当する箇所に前記第1スラリーを充填して乾燥させたうえで、前記緻密質体とともに前記第1スラリーの乾燥体を前記第1ガラスの軟化点以上の温度で熱処理することにより第1複合多孔質体を形成する第1形成工程と、前記セラミックス緻密質体の前記凹部のうち少なくとも前記隔壁部に相当する箇所に前記第2スラリーを充填して乾燥させたうえで、前記緻密質体および前記第1複合多孔質体とともに前記第2スラリーの乾燥体を前記第2ガラスの軟化点以上の温度で熱処理することにより第2複合多孔質体を形成する第2形成工程と、を含んでいる方法。
[5]前記第1形成工程において、前記凹部の全部に前記第1複合多孔質体が形成された後、前記第1複合多孔質体において前記隔壁部に相当する箇所に、前記支持部を構成するセラミックス緻密質体により底面が構成されている一または複数の環状溝を形成する工程をさらに含み、前記第2形成工程において、前記環状溝に前記第2スラリーが充填される[4]記載の方法。
[6]前記第1ガラス粒子および前記第2ガラスとして組成が同一であるガラス粒子を用いる[4]または[5]記載の方法。
[7]前記第1セラミックス粒子および前記第2セラミックス粒子として組成が同一のセラミックス粒子を用いる[4]〜[6]のうち1つに記載の方法。
図1〜図4に示されている本発明の一実施形態としての真空吸着装置は、半導体ウエハ等の被吸着物を吸着保持するように構成されている。
隔壁部31〜32のうちいずれか1つの上端面または支持部10の環状の上端面に被吸着物の外側縁部が全周にわたり位置するように、当該被吸着物が載置面100に載置される。支持部1の吸引孔12に接続されている真空ポンプ等の真空吸引装置(図示略)を動作させることにより、各載置部21〜23のそれぞれの開気孔を通じて被吸着物に対して吸引力が作用する。これにより、半導体ウエハ等の被吸着物が真空吸着装置により吸着保持される。
前記構成の真空吸着装置の製造に際して、まず、支持部10を構成する略有底円筒状のセラミックス緻密質体が作製される。具体的には、所定量のバインダが添加されたアルミナ等のセラミックス粒子が造粒処理され、該造粒粒子が一軸プレス成形された上でさらにCIP成形されることにより略円盤状または円柱状のセラミックス成形体が作製される。
(実施例1)
支持部10として、径(内径)φ196[mm]、高さ(深さ)10[mm]の凹部を有し、径(外径)φ250[mm]、高さ(厚さ)50[mm]の略有底円筒状のアルミナ緻密質焼結体(熱膨張係数:8.0×10-6[K-1])が作製された。
第1複合多孔質体を構成する骨格粒子および結合材粒子の平均粒子径、ならびに、骨格粒子に対する結合材の質量比等が表1に示されているように変更されたほかは、実施例1と同様の手順にしたがって実施例2〜18のそれぞれの真空吸着装置が作製された。
各実施例の真空吸着装置について、6インチ(φ152mm)のシリコンウエハを、真空ポンプを用いて−100kPaの吸引圧で、吸着させたときの真空度(ゲージ圧)が測定されることにより真空吸着性能が評価された。また、載置面が平坦化のため研削加工された上で中央載置部21と内側環状載置部22との間の隔壁部の高さ0.1[μm]以上の段差の有無が、レーザー干渉式平面度測定機を用いて測定され、評価された(表1において「○」は当該段差なしを意味する。「●」は当該段差ありを意味する。後述の表2も同様。)。当該評価結果が第1複合多孔質体を構成する骨格粒子および結合材粒子等、ならびに、第2複合多孔質体を構成する第1骨格粒子、第2骨格粒子および結合材粒子等とともに表1に示されている。
(比較例1〜9)
第1複合多孔質体を構成する骨格粒子および結合材粒子の平均粒子径、ならびに、骨格粒子に対する結合材の質量比等が表1に示されているように変更されたほかは、実施例1と同様の手順にしたがって比較例1〜8のそれぞれの真空吸着装置が作製された。実施例と同様に、評価結果が第1複合多孔質体を構成する骨格粒子および結合材粒子等、ならびに、第2複合多孔質体を構成する第1骨格粒子、第2骨格粒子および結合材粒子等とともに表2に示されている。
表2から明らかなように、比較例1の真空吸着装置によれば、第1複合多孔質体に関して、骨格粒子の平均粒子径が20〜230[μm]の範囲上限値を超え、これに応じて平均気孔径が10〜80[μm]の範囲上限値を超えている。
第1スラリーの乾燥体に円環状溝部201〜202が形成され、当該溝部201〜202のそれぞれに第2スラリーが充填された上で乾燥され、第1スラリーの乾燥体および第2スラリーの乾燥体が同時に熱処理されることにより第1複合多孔質体21〜23および第2複合多孔質体31〜32が同時に形成されてもよい(図6(a)〜(c)参照)。支持部10の凹部の全体に第2スラリーが充填された上で円盤状の第2複合多孔質体が形成された上で、第2複合多孔質体において隔壁部31〜32を除く部分が除去され、当該除去部分に第1スラリーが充填された上で第1複合多孔質体21〜23が形成されてもよい。
Claims (7)
- 中央載置部およびこれを一重または多重に環状に囲うように配置されている一または複数の環状載置部を含む第1複合多孔質体により構成されている複数の載置部と、
前記複数の載置部の間に配置されている第2複合多孔質体により構成されている一または複数の環状の隔壁部と、
載置面を構成する上端面を露出させた状態の前記複数の載置部および前記一または複数の隔壁部のそれぞれを支持するように構成され、前記載置部の気孔に連通する吸引孔を有するセラミックス焼結体としての緻密質体により構成されている支持部と、を備え、
前記セラミックス緻密質体、前記第1複合多孔質体および前記第2複合多孔質体が相互に直接的に接合されることにより構成されている真空吸着装置であって、
前記第1複合多孔質体が、20〜230[μm]の平均粒子径を有する骨格粒子としての第1セラミックス粒子が、前記骨格粒子に対する質量比が0.05〜0.30の範囲で存在する結合材としての第1ガラスにより結合されることにより構成され、開気孔率が20〜50%の範囲にあり、かつ、平均気孔径が10〜80[μm]であり、
前記第2複合多孔質体が、15〜60[μm]の平均粒子径を有する第1骨格粒子としての、かつ、前記第1骨格粒子に対し質量比0.20〜0.40の範囲で存在するとともに前記第1骨格粒子に対して0.05〜0.20の平均粒子径を有する第2骨格粒子としての第2セラミックス粒子が、前記第1骨格粒子および前記第2骨格粒子の総和に対する質量比が0.10〜0.30の範囲で存在する結合材としての第2ガラスにより結合されることにより構成され、気孔率が5〜35%の範囲にあり、かつ、気孔のメディアン径が2.0〜15[μm]であることを特徴とする真空吸着装置。 - 請求項1記載の真空吸着装置において、前記第1ガラスおよび前記第2ガラスのそれぞれの組成が同一であることを特徴とする真空吸着装置。
- 請求項1または2記載の真空吸着装置において、前記第1セラミックス粒子および前記第2セラミックス粒子のそれぞれの組成が同一であることを特徴とする真空吸着装置。
- 請求項1記載の真空吸着装置の製造方法であって、
前記支持部を構成する、凹部を有するセラミックス緻密質体を作製する工程と、
20〜230[μm]の平均粒子径を有する骨格粒子としての第1セラミックス粒子と、前記骨格粒子に対する質量比が0.05〜0.30である結合材粒子としての第1ガラス粒子とを含む第1スラリーを調製する第1調整工程と、
15〜60[μm]の平均粒子径を有する第1骨格粒子としての、かつ、前記第1骨格粒子に対し質量比0.20〜0.40の範囲で存在するとともに前記第1骨格粒子に対して0.05〜0.20の平均粒子径を有する第2骨格粒子としての第2セラミックス粒子と、前記第1骨格粒子および前記第2骨格粒子の総和に対する質量比が0.10〜0.30の範囲にある結合材粒子としての第2ガラス粒子とを含む第2スラリーを調整する第2調整工程と、
前記セラミックス緻密質体の前記凹部のうち少なくとも前記載置部に相当する箇所に前記第1スラリーを充填して乾燥させたうえで、前記緻密質体とともに前記第1スラリーの乾燥体を前記第1ガラスの軟化点以上の温度で熱処理することにより第1複合多孔質体を形成する第1形成工程と、
前記セラミックス緻密質体の前記凹部のうち少なくとも前記隔壁部に相当する箇所に前記第2スラリーを充填して乾燥させたうえで、前記緻密質体および前記第1複合多孔質体とともに前記第2スラリーの乾燥体を前記第2ガラスの軟化点以上の温度で熱処理することにより第2複合多孔質体を形成する第2形成工程と、を含んでいることを特徴とする方法。 - 請求項4記載の真空吸着装置の製造方法であって、
前記第1形成工程において、前記凹部の全部に前記第1複合多孔質体が形成された後、前記第1複合多孔質体において前記隔壁部に相当する箇所に、前記支持部を構成するセラミックス緻密質体により底面が構成されている一または複数の環状溝を形成する工程をさらに含み、
前記第2形成工程において、前記環状溝に前記第2スラリーが充填されることを特徴とする方法。 - 請求項4または5記載の方法において、前記第1ガラス粒子および前記第2ガラスとして組成が同一であるガラス粒子を用いることを特徴とする方法。
- 請求項4〜6のうちいずれか1つに記載の方法において、前記第1セラミックス粒子および前記第2セラミックス粒子として組成が同一のセラミックス粒子を用いることを特徴とする方法。
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