JP2015126110A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アライメント精度を向上可能な炭化珪素半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】{0001}面に対してオフ角を有する主面10aを含む炭化珪素基板10が準備される。炭化珪素基板10の主面10a上にマスク層20が形成される。マスク層20を用いて炭化珪素基板10の主面10aに、主面10aと連接する側部1aと側部1aと連接する底部1bとからなる凹状のアライメントマーク1が形成される。アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆う保護膜30の第1の部分30aを残しつつ、マスク層20の表面20aを覆う保護膜30の第2の部分30bがマスク層30とともに除去される。マスク層20を除去した後、炭化珪素基板10の主面10a上にエピタキシャル層12が形成される。アライメントマーク1を利用して、エピタキシャル層12に対して処理が行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものであり、特定的には、オフ角を有する主面を含む炭化珪素基板を用いる炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められつつある。炭化珪素は、従来から半導体装置を構成する材料として広く使用されている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
{0001}面に対してオフ角を有する主面を含む炭化珪素基板の主面に対して炭化珪素エピタキシャル層を成長させると、エピタキシャル層が炭化珪素基板の主面上にステップフロー成長する。そのため、エピタキシャル層形成前に炭化珪素基板の主面に形成されたアライメントマークの形状に対して、エピタキシャル層は等方的に成長するのではなく、ある特定方向に成長する。結果として、エピタキシャル層成長後のアライメントマークの形状が変形してしまうので、精度良くアライメントを行うことができない。
オフ角を有する主面を含む炭化珪素基板を用いた場合のアライメント精度を高める方法として、たとえば特開2011−100928号公報(特許文献1)には、オフ方向が<11−20>である炭化珪素基板にアライメントマークを形成する方法が記載されている。特開2011−100928号公報に記載の方法によれば、開口部の形状がオフ方向に対して対称であり、かつオフ方向の最も下流側に位置する部分に頂点を有する多角形状を有するトレンチがアライメントマークとして使用される。これにより、炭化珪素基板とマスクとの位置合わせを高精度に行うことができるとされている。
また特開2013−65650号公報(特許文献2)には、アライメントマークの形状が変形した場合に、変形による影響を補正して本来の位置に光学マスクの位置合わせが行われる工程を有する炭化珪素半導体装置の製造方法が記載されている。これにより、オフ基板を用いた場合にも正確に写真製版の光学マスクの位置合わせができるとされている。
さらに特開2009−170558号公報(特許文献3)には、デバイスを形成するための第1のトレンチおよびアライメントマークとして利用するための第2のトレンチを、第1のトレンチの立体角が第2のトレンチの立体角よりも大きくなるように形成することが記載されている。これにより、第1のトレンチの底部の成長レートを第2のトレンチの底部の成長レートよりも大きくすることができるので、基板の主面を平坦化した際に、第2のトレンチが形成されていた部分に凹部が形成され、当該凹部がアライメントマークとして利用できるとされている。
特開2011−100928号公報 特開2013−65650号公報 特開2009−170558号公報
しかしながら、特開2011−100928号公報、特開2013−65650号公報または特開2009−170558号公報に記載の方法を用いた場合であっても、オフ角を有する主面を含む炭化珪素基板に対してアライメントマークを形成してアライメントを実施する際に、十分に高いアライメント精度を得ることができない場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アライメント精度を向上可能な炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、以下の工程を有している。{0001}面に対してオフ角を有する主面を含む炭化珪素基板が準備される。炭化珪素基板の主面上にマスク層が形成される。マスク層を用いて炭化珪素基板の主面に、主面と連接する側部と側部と連接する底部とからなる凹状のアライメントマークが形成される。マスク層の表面、アライメントマークの側部および底部の各々を覆うように保護膜が形成される。アライメントマークの側部および底部の各々を覆う保護膜の第1の部分を残しつつ、マスク層の表面を覆う保護膜の第2の部分がマスク層とともに除去される。マスク層を除去した後、炭化珪素基板の主面上にエピタキシャル層が形成される。アライメントマークを利用して、エピタキシャル層に対して処理が行われる。
本発明によれば、アライメント精度を向上可能な炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法のフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第1の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第1の工程を概略的に示す平面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第2の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第3の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第4の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第5の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第6の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第7の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第8の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第9の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第10の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第11の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第12の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第13の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第14の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第15の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第16の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第5の工程の第1の変形例を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法の第5の工程の第2の変形例を概略的に示す断面模式図である。 薄いマスクを用いて形成された保護膜の形状を説明するための断面模式図である。 厚いマスクを用いて形成された保護膜の形状を説明するための断面模式図である。
[本願発明の実施形態の説明]
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
(1)実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は以下の工程を有している。{0001}面に対してオフ角を有する主面10aを含む炭化珪素基板10が準備される。炭化珪素基板10の主面10a上にマスク層20が形成される。マスク層20を用いて炭化珪素基板10の主面10aに、主面10aと連接する側部1aと側部1aと連接する底部1bとからなる凹状のアライメントマーク1が形成される。マスク層20の表面20a、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆うように保護膜30が形成される。アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆う保護膜30の第1の部分30aを残しつつ、マスク層20の表面20aを覆う保護膜30の第2の部分30bがマスク層20とともに除去される。マスク層20を除去した後、炭化珪素基板10の主面10a上にエピタキシャル層12が形成される。アライメントマーク1を利用して、エピタキシャル層12に対して処理が行われる。
上記(1)に係る炭化珪素半導体装置100の製造方法によれば、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆う保護膜30の第1の部分30aが残されたアライメントマーク1が形成される。これにより、炭化珪素基板10の主面10a上にエピタキシャル層12が形成される際に、アライメントマークの側部1aおよび底部1bの各々上に炭化珪素がステップフロー成長することを抑制することができる。これにより、アライメントマーク1が非対称に変形して、アライメント精度が悪化することを抑制することができる。結果として、オフ角を有する第1の主面10aを含む炭化珪素基板10を有する炭化珪素半導体装置100を製造する工程におけるアライメント精度を向上することができる。
(2)上記(1)に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、エピタキシャル層12に対して処理を行う工程は、エピタキシャル層12に対して不純物領域84を形成する工程を含む。これにより、不純物領域84を形成すう工程におけるアライメント精度を向上することができる。
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、保護膜30を構成する材料は、エピタキシャル層12を形成する工程における炭化珪素基板10の温度よりも高い融点を有する。これにより、エピタキシャル層12を形成する工程において、保護膜30が融解することで保護膜30を構成する元素がエピタキシャル層12に混入することを抑制することができる。
(4)上記(3)に係る炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、保護膜30を構成する材料は、炭化タンタルまたは炭素材料を含む。これにより、保護膜30上に炭化珪素がステップフロー成長することを抑制することができる。結果として、アライメントマーク1が非対称に変形して、アライメント精度が悪化することを抑制することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに係る炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、マスク層20の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下である。マスク層20の厚みが0.5μmよりも小さいと、アライメントマーク1の側部1aの上部まで保護膜30の第1の部分30aが形成される。この場合、マスク層20の側面20bに接している保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がる。保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がると、マスク層20をリフトオフする際に、保護膜30の第2の部分30bとともに第1の部分30aが除去されるおそれがある。保護膜30の第1の部分30aに覆われてないアライメントマーク1の側部1aにおいて、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。結果としてアライメント精度が悪化する。一方、マスク層20の厚みがたとえば2.0μmよりも大きいと、アライメントマーク1の側部1aの下部においてのみ保護膜30の第1の部分30aが形成され、側部1aの上部には保護膜30の第1の部分30aが形成されない。エピタキシャル層を形成する際に、アライメントマークの側部1aの上部において保護膜30の第1の部分30aに覆われてない領域において、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。結果としてアライメント精度が悪化する。マスク層の厚みを、0.5μm以上2.0μm以下とすることにより、効率的に保護膜30をアライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆うように形成することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
図1〜図22を参照して、本発明の一実施の形態に係る炭化珪素半導体装置としてのMOSFET100の製造方法について説明する。
まず、炭化珪素基板準備工程(S10:図1)が実施される。具体的には、図2を参照して、たとえばポリタイプ4Hを有する六方晶炭化珪素からなるインゴットをスライスすることにより炭化珪素単結晶基板80が準備される。次に、炭化珪素単結晶基板80上におけるエピタキシャル成長によって、炭化珪素からなる第1のエピタキシャル層81aが形成される。エピタキシャル成長は、たとえば原料ガスとしてシラン(SiH4)とプロパン(C38)との混合ガスを用い、キャリアガスとしてたとえば水素ガス(H2)を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法により行うことができる。この際、不純物として、たとえば窒素(N)やリン(P)を導入することが好ましい。
炭化珪素基板10は、第1の主面10aと、第1の主面10aと反対側の第2の主面10bとを有する。炭化珪素基板10は、たとえば、炭化珪素単結晶基板80と、炭化珪素単結晶基板80上に形成され、かつ炭化珪素エピタキシャル層からなる第1のエピタキシャル層81aとを有する。第1のエピタキシャル層81aは、炭化珪素基板10の第1の主面10aを構成し、炭化珪素単結晶基板80が炭化珪素基板10の第2の主面10bを構成する。なお、炭化珪素基板10は、炭化珪素単結晶基板80のみから構成され、第1のエピタキシャル層81aを有していなくてもよい。
図2を参照して、炭化珪素基板10の第1の主面10aは、{0001}面に対してオフ角を有する。言い換えれば、炭化珪素基板10の第1の主面10aは、{0001}面(破線で示す面)からオフ角θだけオフ方向a1にオフした面である。オフ角θは、好ましくは8°以下の角度であり、たとえば4°または8°である。具体的には、第1の主面10aの法線ベクトルzが<11−20>および<1−100>の少なくとも一方の成分を有するように、第1の主面は{0001}面からオフした面である。好ましくは、第1の主面10aの法線ベクトルzが<11−20>の成分を有するように、第1の主面10aは{0001}面からオフした面である。図2において、方向cはたとえば<000−1>方向であり、方向a1はたとえば<11−20>方向である。図2の場合において、オフ方向は方向a1(つまり<11−20>方向)である。また方向a11は、方向a1を第1の主面10aに投影した方向である。好ましくは、第1の主面10aは、(000−1)面が方向a1にオフした面である。以上のように、{0001}面に対してオフ角を有する主面10aを含む炭化珪素基板10が準備される。
図3を参照して、炭化珪素基板10の第1の主面10aは、アライメントマーク形成領域102と、素子形成領域101とを有している。アライメントマーク形成領域102は、たとえばダイシングラインが形成される予定の領域またはダイシングラインが形成された領域である。アライメントマーク形成領域102には、凹状のダイシングライン(図示せず)が形成されていてもよい。ダイシングラインとは、炭化珪素基板10が切断される予定の領域である。アライメントマーク形成領域102は、オリエンテーションフラット部OFが延在する方向とほぼ平行(たとえば、図3のa11方向)に沿って、炭化珪素基板10の第1の主面10aを横断するように所定の間隔を隔てて複数形成されている。またアライメントマーク形成領域102は、オリエンテーションフラット部OFが延在する方向に対して垂直な方向(たとえば図3のa12方向)に沿って、炭化珪素基板10の第1の主面10aを縦断するように所定の間隔を隔てて複数形成されている。本実施の形態において、炭化珪素基板10の第1の主面10aを横断する2つの隣り合うアライメントマーク形成領域102と、第1の主面10aを縦断する2つの隣り合うアライメントマーク形成領域102とに囲まれた領域が素子形成領域101となる。
次に、マスク層形成工程(S20:図1)が実施される。図4を参照して、炭化珪素基板10の第1の主面10a上にマスク層20が形成される。マスク層20は、アライメントマーク形成領域102上において開口部20bを有する。マスク層20は、素子形成領域101において炭化珪素基板10の第1の主面10a全体を覆っている。マスク層20は、たとえばレジストからなる。マスク層20の厚みは、好ましくは、0.5μm以上2.0μm以下であり、より好ましくは1.0μm以上1.5μm以下である。開口部20bの幅x1は、たとえば1μm以上500μm以下である。
次に、アライメントマーク形成工程(S30:図1)が実施される。図5を参照して、アライメントマーク形成領域102上に開口部を有するマスク層20を用いて、炭化珪素基板10の第1の主面10a側からドライエッチングが実施される。これにより、炭化珪素基板10の第1のエピタキシャル層81aの第1の主面10aに、第1の主面10aと連接する側部1aと側部1aと連接する底部1bとからなる凹状のアライメントマーク1が形成される。アライメントマーク1の側部1aは、炭化珪素基板10の第1の主面10aに対してほぼ垂直に形成され、アライメントマーク1の底部1bは、炭化珪素基板10の第1の主面10aに対してほぼ平行に形成される。凹状のアライメントマーク1の幅x2は、マスク層20の開口部20bの幅x1よりも広くなるように、凹状のアライメントマーク1が炭化珪素基板10の第1の主面10aに形成される。言い換えれば、炭化珪素基板10は、炭化珪素基板10の第1の主面10aと垂直な方向にエッチングされるとともに第1の主面10aと平行な方向にもエッチングされる。また別の見方をすれば、マスク層20の一部が凹状のアライメントマーク1の上方に位置するように、凹状のアライメントマーク1が形成される。凹状のアライメントマーク1の幅x2は、たとえば1.5μm以上500μm以下である。
次に、保護膜形成工程(S40:図1)が実施される。図6を参照して、マスク層20の表面20a、マスク層20の開口部を形成する側面20b、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆うように保護膜30が形成される。保護膜30は、たとえば炭化タンタル(TaC)または炭素材料である。炭素材料とは、炭素元素を含む材料のことであり、たとえばグラファイトまたはダイヤモンドである。好ましくは、保護膜30を構成する材料は、後述するエピタキシャル層形成する工程における炭化珪素基板10の温度よりも高い融点を有する。図6に示すように、保護膜30は、たとえば凹状のアライメントマーク1の側部1aの大部分および底部1bの全体をコーティングし、アライメントマーク1の側部1aの大部分および底部1bの全体の各々が保護膜30から露出しないように構成されている。好ましくは、保護膜30は、保護膜30の表面に炭化珪素の核発生が起こりにくい材料からなる。これにより、炭化珪素基板10の第1の主面10a全体に炭化珪素をエピタキシャル成長する場合において、保護膜30の第1の部分30a上に炭化珪素がエピタキシャル成長することを抑制することができる。なお、保護膜30は、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々上から単結晶炭化珪素がステップフロー成長することを抑制可能であればよく、たとえば保護膜30上に多結晶炭化珪素が堆積しても構わない。
図21を参照して、マスク層20の厚みがたとえば0.5μmよりも小さいと、保護膜30を構成する材料30c(たとえばTaC)の入射角度が浅くなる。そのため、アライメントマーク1の側部1aの上部まで保護膜30の第1の部分30aが形成される。この場合、マスク層20の側面20bに接している保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がる。保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がると、後述するマスク層除去工程(S50:図1)において、保護膜30の第2の部分30bとともに第1の部分30aが除去されるおそれがある。そのため、保護膜30の第1の部分30aは、第2の部分30bから離間して形成されることが好ましい。なお、保護膜30の第1の部分30aが第2の部分30bとともに除去されると、後述するエピタキシャル層形成工程(S60:図1)が実施されると、保護膜30の第1の部分30aに覆われてないアライメントマーク1の側部1aにおいて、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。そのため、マスク層20の厚みt3は、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。
図22を参照して、マスク層20の厚みがたとえば2.0μmよりも大きいと、保護膜30を構成する材料30c(たとえばTaC)の入射角度が深くなる。そのため、アライメントマーク1の側部1aの下部においてのみ保護膜30の第1の部分30aが形成され、側部1aの上部には保護膜30の第1の部分30aが形成されない。後述するエピタキシャル層形成工程(S60:図1)が実施されると、アライメントマークの側部1aの上部において保護膜30の第1の部分30aに覆われてない領域において、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。そのため、マスク層20の厚みt3は、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。
次に、マスク層除去工程(S50:図1)が実施される。図7を参照して、マスク層20が炭化珪素基板10の第1の主面10aから除去される。より詳細には、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆う保護膜30の第1の部分30aを残しつつ、マスク層20の表面20aおよび開口部を形成する側面20bの各々を覆う保護膜30の第2の部分30bがマスク層20とともに除去される。マスク層20は、たとえばアセトンなどの有機溶媒によって保護膜30の第2の部分30bとともにリフトオフされる。これにより、アライメントマーク1の側部1aの大部分に接し、かつ底部1bの全体に接する保護膜30が形成される。アライメントマーク1の側部1aにおいて第1の主面10aに近い領域の一部が保護膜30の第1の部分30aに接しておらず、第1の部分30aから露出していてもよい。言い換えれば、アライメントマーク1の側部1aに接する保護膜30の部分の上端部30a1は、炭化珪素基板10の第1の主面10aの法線方向に沿った方向において、炭化珪素基板10の第1の主面10aよりも第2の主面10b側に位置する。またアライメントマーク1の側部1aに接する保護膜30の部分の上端部30a1は、炭化珪素基板10の第1の主面10aの法線方向に沿った方向において、アライメントマーク1の底部1bの中央に接する保護膜30の上端部30a2よりも第1の主面10a側に位置する。
図19に示すように、保護膜30は、凹状のアライメントマーク1の側部1aの全体を覆うように形成されていてもよい。この場合、アライメントマーク1の側部1aに接する保護膜30の上端部30a1の位置は、炭化珪素基板10の第1の主面10aの法線方向に沿った方向において、炭化珪素基板10の第1の主面10aとほぼ同じ位置である。好ましくは、アライメントマーク1の底部1bの中央における保護膜30の第1の部分30aの厚みt1は、アライメントマーク1の深さt2よりも小さく、より好ましくは、マスク層20の厚みよりも小さい。アライメントマーク1の底部1bの中央における保護膜30の第1の部分30aの厚みt1は、たとえば0.5μm程度である。
図20に示すように、凹状のアライメントマーク1の大部分が保護膜30により埋められていてもよい。この場合、アライメントマーク1の側部1aに接する保護膜30の部分の上端部30a1の位置は、炭化珪素基板10の第1の主面10aの法線方向に沿った方向において、炭化珪素基板10の第1の主面10aとほほ同じ位置である。またアライメントマーク1の側部1aに接する保護膜30の部分の上端部30a1は、炭化珪素基板10の第1の主面10aの法線方向に沿った方向において、アライメントマーク1の底部1bの中央に接する保護膜30の上端部30a2よりも第1の主面10a側に位置する。たとえば、保護膜30は、凹状のアライメントマーク1の容積の半分以上を埋めており、かつ凹状のアライメントマーク1からはみ出さないように形成されている。これにより、マスク層20を効果的にリフトオフすることができる。また露光装置において、アライメントマーク1の読み取りに不具合が発生することを効果的に抑制することができる。
次に、第1のエピタキシャル層81aにp型領域11が形成されてもよい。図8を参照して、素子形成領域101における炭化珪素基板10の第1のエピタキシャル層81aの第1の主面10aの一部に接し、かつp型(第2導電型)を有するp型領域11が形成される。具体的には、第1のエピタキシャル層81aの第1の主面10aに対して、注入マスク(図示せず)を用いて、たとえばアルミニウムイオンの注入が行われることにより、第1のエピタキシャル層81aの第1の主面10aに露出するp型領域11が形成される。なお、注入マスクの形成は、保護膜30が形成されたアライメントマーク1を用いて実施されてもよい。
次に、エピタキシャル層形成工程(S60:図1)が実施される。図9を参照して、第1のエピタキシャル層81aにp型領域11が形成された後、炭化珪素基板10の第1の主面10aに接して、n型の導電型を有し、かつ炭化珪素からなる第2のエピタキシャル層12が形成される。第2のエピタキシャル層12の厚み(第1の主面10aから第2のエピタキシャル層12の表面12aまでの距離)は、たとえば0.5μm以上5μm以下程度であり、好ましくは1.5μm以上3μm以下程度である。図9に示すように、炭化珪素基板10の第1の主面10aに接して第2のエピタキシャル層12が形成されることにより、p型領域11は、第1のエピタキシャル層81aおよび第2のエピタキシャル層12によって構成されるエピタキシャル層に埋め込まれる。第2のエピタキシャル層12の形成は第1のエピタキシャル層81aと同様の方法によって形成され得る。
次に、エピタキシャル層処理工程(S70:図1)が実施される。図10を参照して、第2のエピタキシャル層12の表面12aに対して、たとえばアルミニウムなどのp型を付与するための不純物がイオン注入されることにより、ボディ領域82が形成される。次に、ボディ領域82内に、たとえばリンなどのn型を付与するための不純物がイオン注入されることにより、ボディ領域82上にソース領域83が形成される。次に、ソース領域83の表面12aに注入マスク(図示せず)が形成され、当該注入マスクを用いてアルミニウムなどのp型を付与するための不純物がソース領域83の一部に対してイオン注入されることにより、コンタクト領域84が形成される(図11)。
なお、当該注入マスクに開口部を形成する工程において、保護膜30の第1の部分30aが、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々に接して形成されたアライメントマーク1が用いられる。これにより、炭化珪素基板10の第1の主面10aの面内方向において、p型領域11に対するコンタクト領域84が形成される位置がアライメントされる。より詳細には、p型領域11に対する注入マスクの開口部に対応する位置が露光されるようにアライメントされる。一般的なアライメントマークの認識方式としては、LSA(Laser Step Alignment)方式とFIA(Field Image Alignment)方式との2つの方式がある。LSA方式は、レーザーをアライメントマークにあて、レーザーの反射光を分析して位置合わせを行う光学式アライメント方式である。FIA方式は、画像認識方式であり、カメラで認識した画像のエッジを認識してアライメントを行う方式である。本実施の形態におけるアライメントは、LSA方式およびFIA方式において使用可能であるだけではなく、LSA方式およびFIA方式以外にもあらゆる方式において使用可能である。なお、アライメントは、炭化珪素から形成されるアライメントマーク1の形状を認識することによって行われてもよいし、アライメントマーク1の内側に形成された保護膜30の形状を認識することによって行われてもよい。以上のように、アライメントマーク1を利用して、第2のエピタキシャル層12に対して処理が行われる。第2のエピタキシャル層12に対する処理は、第2のエピタキシャル層12に対してコンタクト領域84を形成する工程であってもよい。
次に、不純物を活性化するための熱処理が行われる。この熱処理の温度は、好ましくは1500℃以上1900℃以下であり、たとえば1700℃程度である。熱処理の時間は、たとえば30分程度である。熱処理の雰囲気は、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、たとえばAr雰囲気である。
図12を参照して、ソース領域83およびコンタクト領域84からなる表面20a上に、開口部を有するマスク層40が形成される。マスク層40として、たとえばシリコン酸化膜などを用いることができる。開口部はトレンチTR(図18参照)の位置に対応して形成される。当該マスク層40は、保護膜30の第1の部分30aが、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々に接して形成されたアライメントマーク1を利用して、上記開口部に対応する位置が露光されるようにアライメントされて形成されてもよい。
図13を参照して、マスク層40の開口部において、ソース領域83と、ボディ領域82と、上部ドリフト領域81bの一部とがエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、たとえば反応性イオンエッチング(RIE)、特に誘導結合プラズマ(ICP)RIEを用いることができる。具体的には、たとえば反応ガスとしてSF6またはSF6とO2との混合ガスを用いたICP−RIEを用いることができる。このようなエッチングにより、トレンチTR(図18参照)が形成されるべき領域に、ソース領域83およびコンタクト領域84からなる表面20aに対してほぼ垂直な側壁を有する凹部TQが形成される。
次に、凹部TQに対して熱エッチングが行われる。熱エッチングは、たとえば、少なくとも1種類以上のハロゲン原子を有する反応性ガスを含む雰囲気中での加熱によって行い得る。少なくとも1種類以上のハロゲン原子は、塩素(Cl)原子およびフッ素(F)原子の少なくともいずれかを含む。この雰囲気は、たとえば、Cl2、BCL3、SF6、またはCF4である。たとえば、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして用い、熱処理温度を、たとえば700℃以上1000℃以下として、熱エッチングが行われる。
なお、反応ガスは、上述した塩素ガスと酸素ガスとに加えて、キャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素(N2)ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを用いることができる。そして、上述のように熱処理温度を700℃以上1000℃以下とした場合、炭化珪素のエッチング速度はたとえば約70μm/時になる。また、この場合に、酸化珪素から作られたマスク層40は、炭化珪素に対する選択比が極めて大きいので、炭化珪素のエッチング中に実質的にエッチングされない。
図14を参照して、上記の熱エッチングにより、ソース領域83およびコンタクト領域84からなる表面20a上にトレンチTRが形成される。トレンチTRは、ソース領域83およびボディ領域82を貫通して上部ドリフト領域81bに至る側壁面SWと、上部ドリフト領域81b上に位置する底面BTとを有する。側壁面SWおよび底面BTの各々はp型領域11から離れている。次にマスク層40がエッチングなど任意の方法により除去される。
図15を参照して、トレンチTRの側壁面SWおよび底面BTの各々を覆うゲート酸化膜91が形成される。ゲート酸化膜91は、たとえば熱酸化により形成され得る。この後に、雰囲気ガスとして一酸化窒素(NO)ガスを用いるNOアニールが行われてもよい。温度プロファイルは、たとえば、温度1100℃以上1300℃以下、保持時間1時間程度の条件を有する。これにより、ゲート酸化膜91とボディ領域82との界面領域に窒素原子が導入される。その結果、界面領域における界面準位の形成が抑制されることで、チャネル移動度を向上させることができる。なお、このような窒素原子の導入が可能であれば、NOガス以外のガスが雰囲気ガスとして用いられてもよい。このNOアニールの後にさらに、雰囲気ガスとしてアルゴン(Ar)を用いるArアニールが行われてもよい。Arアニールの加熱温度は、上記NOアニールの加熱温度よりも高く、ゲート酸化膜91の融点よりも低いことが好ましい。この加熱温度が保持される時間は、たとえば1時間程度である。これにより、ゲート酸化膜91とボディ領域82との界面領域における界面準位の形成がさらに抑制される。なお、雰囲気ガスとして、Arガスに代えて窒素ガスなどの他の不活性ガスが用いられてもよい。
図16を参照して、ゲート酸化膜91上にゲート電極92が形成される。具体的には、トレンチTRの内部の領域をゲート酸化膜91によって埋めるように、ゲート酸化膜91上にゲート電極92が形成される。ゲート電極92の形成方法は、たとえば、導体またはドープトポリシリコンを成膜した後、第1の主面10a側からCMP(Chemical Mechanical Polishing)を実施することによって行い得る。ゲート電極92は、ゲート酸化膜91を介してソース領域83、ボディ領域82および上部ドリフト領域81bの各々に対向するように形成される。
図17を参照して、ゲート電極92の露出面を覆うように、ゲート電極92およびゲート酸化膜91上に層間絶縁膜93が形成される。次に、層間絶縁膜93およびゲート酸化膜91に開口部が形成されるようにエッチングが行われる。この開口部によりソース領域83およびコンタクト領域84の各々がゲート酸化膜91および層間絶縁膜93の各々から露出する。保護膜30の第1の部分30aがアライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々に接して形成されたアライメントマーク1を利用して、エッチングマスク(図示せず)の開口部となる位置が露光されることにより、エッチングマスクが形成されてもよい。次に、表面12aにおいてソース領域83およびコンタクト領域84の各々に接するソース電極94が形成される。
図18を参照して、層間絶縁膜93を覆い、かつソース電極94と接するようにソース配線層95が形成される。炭化珪素単結晶基板80の第2の主面10bに接してドレイン電極98が形成される。以上により、炭化珪素層103と、ゲート酸化膜91と、ゲート電極92と、層間絶縁膜93と、ソース電極94と、ソース配線層95と、ドレイン電極98とを有する炭化珪素半導体装置としてのMOSFET100が完成する。
図18を参照して、第1のエピタキシャル層81aおよび上部ドリフト領域81bの各々は、たとえば窒素などの不純物を含みn型の導電型を有する。第1のエピタキシャル層81aは下部ドリフト領域を構成する。つまり、ドリフト領域は、第1のエピタキシャル層81aおよび上部ドリフト領域81bにより構成される。第1のエピタキシャル層81aおよび上部ドリフト領域81bの各々の不純物濃度は、炭化珪素単結晶基板80の不純物濃度よりも低いことが好ましい。第1のエピタキシャル層81aおよび上部ドリフト領域81bの各々の不純物濃度は、好ましくは1×1015cm-3以上5×1016cm-3以下であり、たとえば8×1015cm-3である。
ボディ領域82はたとえばアルミニウムなどの不純物を含みp型の導電型を有する。ボディ領域82は上部ドリフト領域81b上に設けられている。ボディ領域82が含む不純物の濃度は、たとえば1×1018cm-3である。ソース領域83はリンなどの不純物を含みn型の導電型を有する。ソース領域83は、ボディ領域82によって上部ドリフト領域81bから隔てられるようにボディ領域82上に設けられている。ソース領域83はコンタクト領域84と共に炭化珪素層103の表面12aを構成している。コンタクト領域84はp型を有する。コンタクト領域84はボディ領域82につながっている。炭化珪素層103は、炭化珪素単結晶基板80と、第1のエピタキシャル層81aと、第2のエピタキシャル層12とから構成されている。
炭化珪素層103の表面12aにはトレンチTRが設けられている。好ましくは、炭化珪素層103の表面12aは、(000−1)面(すなわちカーボン面)であり、第2の主面10bは、(0001)面(すなわちシリコン面)である。トレンチTRは側壁面SWおよび底面BTを有する。側壁面SWはソース領域83およびボディ領域82を貫通して上部ドリフト領域81bに至っている。側壁面SWはボディ領域82上において、MOSFET100のチャネル面を含む。側壁面SWは炭化珪素層103の表面12aに対して傾斜しており、これによりトレンチTRは開口に向かってテーパ状に拡がっている。側壁面SWの面方位は、{0001}面に対して50°以上65°以下傾斜していることが好ましく、(000−1)面に対して50°以上65°以下傾斜していることがより好ましい。これにより、チャネル面における移動度を高くすることができる。
底面BTは上部ドリフト領域81b上に位置している。本実施の形態において、底面BTは表面12aとほぼ平行な平坦な形状を有する。底面BTと側壁面SWとがつながる部分はトレンチTRの角部を構成している。本実施の形態において、トレンチTRは、平面視(第1の主面10aの法線方向に沿った視野)において、ハニカム構造を有する網目を構成するように延びている。これにより炭化珪素層103は、トレンチTRによって囲まれた、六角形状を有する表面12aを有する。
p型領域11は、たとえばアルミニウムなどの不純物を含んでおりp型の導電型を有する。p型領域11は炭化珪素基板10内に設けられている。p型領域11は、上部ドリフト領域81bによってボディ領域82から隔てられている。p型領域11はトレンチTRの側壁面SWおよび底面BTの各々から離れている。p型領域11の単位体積当たりの不純物濃度を厚さ方向(第1の主面10aの法線方向)に積分した値は、p型領域11を形成するためのイオン注入のドース量に対応する。このドース量は、好ましくは1×1012cm-2以上1×1015cm-2以下であり、たとえば1×1013cm-2である。
ゲート酸化膜91は、トレンチTRの側壁面SWおよび底面BTの各々を覆っている。ゲート電極92はゲート酸化膜91上に設けられている。ソース電極94は、ソース領域83およびコンタクト領域84の各々に接している。ソース配線層95はソース電極94に接している。ソース配線層95は、たとえばアルミニウム層である。層間絶縁膜93はゲート電極92とソース配線層95との間を絶縁している。
なお、上記実施の形態において、炭化珪素半導体装置100がトレンチ型MOSFETである場合について説明したが、炭化珪素半導体装置100はプレナー型MOSFETであってもよいし、たとえばショットキーバリアダイオードまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などであってもよい。また上記実施の形態において、第1導電型はn型であり、かつ第2導電型はp型であるとして説明したが、第1導電型はp型であり、かつ第2導電型はn型であってもよい。さらに上記実施の形態では、アライメントマークを利用して、エピタキシャル層に対して処理を行う工程は、イオン注入マスクの位置合わせ、ゲート電極92のパターニング、ソース電極94のパターニングおよび配線のパターニングなどの各種工程に利用可能である。またアライメントマーク1は、露光工程におけるアライメントマークに限定されない。アライメントマーク1は、たとえば、欠陥検査工程、レーザーアニール工程などに用いられるアライメントマークであってもよい。
次に、本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法によれば、アライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆う保護膜30の第1の部分30aが残されたアライメントマーク1が形成される。これにより、炭化珪素基板10の主面10a上にエピタキシャル層12が形成される際に、アライメントマークの側部1aおよび底部1bの各々上に炭化珪素がステップフロー成長することを抑制することができる。これにより、アライメントマーク1が非対称に変形して、アライメント精度が悪化することを抑制することができる。結果として、オフ角を有する第1の主面10aを含む炭化珪素基板10を有するMOSFET100を製造する工程におけるアライメント精度を向上することができる。
また本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法によれば、エピタキシャル層12に対して処理を行う工程は、エピタキシャル層12に対してコンタクト領域84を形成する工程を含む。これにより、コンタクト領域84を形成すう工程におけるアライメント精度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法によれば、保護膜30を構成する材料は、エピタキシャル層12を形成する工程における炭化珪素基板10の温度よりも高い融点を有する。これにより、エピタキシャル層12を形成する工程において、保護膜30が融解することで保護膜30を構成する元素がエピタキシャル層12に混入することを抑制することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法によれば、保護膜30を構成する材料は、炭化タンタルまたは炭素材料を含む。これにより、保護膜30上に炭化珪素がステップフロー成長することを抑制することができる。結果として、アライメントマーク1が非対称に変形して、アライメント精度が悪化することを抑制することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法によれば、マスク層20の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下である。マスク層20の厚みが0.5μmよりも小さいと、アライメントマーク1の側部1aの上部まで保護膜30の第1の部分30aが形成される。この場合、マスク層20の側面20bに接している保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がる。保護膜30の第2の部分30bが第1の部分30aと繋がると、マスク層20をリフトオフする際に、保護膜30の第2の部分30bとともに第1の部分30aが除去されるおそれがある。保護膜30の第1の部分30aに覆われてないアライメントマーク1の側部1aにおいて、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。結果としてアライメント精度が悪化する。一方、マスク層20の厚みがたとえば2.0μmよりも大きいと、アライメントマーク1の側部1aの下部においてのみ保護膜30の第1の部分30aが形成され、側部1aの上部には保護膜30の第1の部分30aが形成されない。エピタキシャル層を形成する際に、アライメントマークの側部1aの上部において保護膜30の第1の部分30aに覆われてない領域において、炭化珪素がステップフロー成長するため、炭化珪素基板10の主面10aに対して非対称なアライメントマーク1が形成される。結果としてアライメント精度が悪化する。マスク層の厚みを、0.5μm以上2.0μm以下とすることにより、効率的に保護膜30をアライメントマーク1の側部1aおよび底部1bの各々を覆うように形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 アライメントマーク
1a 側部
1b 底部
10 炭化珪素基板
10a 第1の主面(主面)
10b 第2の主面
11 p型領域
12 第2のエピタキシャル層(エピタキシャル層)
12a,20a 表面
20,40 マスク層
20b 開口部(側面)
30 保護膜
30a1,30a2 上端部
30a 第1の部分
30b 第2の部分
30c 材料
80 炭化珪素単結晶基板
81a 第1のエピタキシャル層(下部ドリフト領域)
81b 上部ドリフト領域
82 ボディ領域
83 ソース領域
84 不純物領域
84 コンタクト領域
91 ゲート酸化膜
92 ゲート電極
93 層間絶縁膜
94 ソース電極
95 ソース配線層
98 ドレイン電極
100 炭化珪素半導体装置(MOSFET)
101 素子形成領域
102 アライメントマーク形成領域
103 炭化珪素層
BT 底面
OF オリエンテーションフラット部
SW 側壁面
TQ 凹部
TR トレンチ
a1 方向
x1,x2 幅
z 法線ベクトル

Claims (5)

  1. {0001}面に対してオフ角を有する主面を含む炭化珪素基板を準備する工程と、
    前記炭化珪素基板の前記主面上にマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層を用いて前記炭化珪素基板の前記主面に、前記主面と連接する側部と前記側部と連接する底部とからなる凹状のアライメントマークを形成する工程と、
    前記マスク層の表面、前記アライメントマークの前記側部および前記底部の各々を覆うように保護膜を形成する工程と、
    前記アライメントマークの前記側部および前記底部の各々を覆う前記保護膜の第1の部分を残しつつ、前記マスク層の前記表面を覆う前記保護膜の第2の部分を前記マスク層とともに除去する工程と、
    前記マスク層を除去した後、前記炭化珪素基板の前記主面上にエピタキシャル層を形成する工程と、
    前記アライメントマークを利用して、前記エピタキシャル層に対して処理を行う工程とを備える、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記エピタキシャル層に対して処理を行う工程は、前記エピタキシャル層に対して不純物領域を形成する工程を含む、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記保護膜を構成する材料は、前記エピタキシャル層を形成する工程における前記炭化珪素基板の温度よりも高い融点を有する、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記保護膜を構成する材料は、炭化タンタルまたは炭素材料を含む、請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記マスク層の厚みは、0.5μm以上2.0μm以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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