JP2015124328A - 燃料油の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Shuji Izumi
秀司 泉
憲司 寺田
Kenji Terada
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Abstract

【課題】石油系炭化水素油と水とが長期間にわたり分離しにくく、特に石油系炭化水素油が重油である場合に、燃焼時の窒素酸化物や硫黄酸化物やカーボンの発生が少ない燃料油を提供する。
【解決手段】円筒状容器11と、円筒状容器11内の中心部を延びるセンターパイプ15と、円筒状容器11の内周面とセンターパイプ15の外周面との間の円筒状領域19に配設された円筒状網21,22とを備えたミキサー10を使用し、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液を、円筒状領域19において螺旋状に旋回させ、円筒状網21,22の網目を通過させて混合する。
【選択図】図3

Description

本発明は、石油系炭化水素油と水とを原料とする燃料油の製造方法及び製造装置に関するものである。
近年、石油系炭化水素油(重油、軽油、ガソリン等)に水と添加剤(界面活性剤、乳化剤等)とを添加し、撹拌・混合させ、乳化させてなるエマルジョン燃料が注目されている(特許文献1〜3等)。燃料油の使用量を削減でき、その分だけCO2が削減されるので環境に良いと考えられているからである。
そして、エマルジョン燃料の製造効率を高めるため、撹拌・混合の方法が従来より種々検討されている。
例えば、特許文献2には、石油系炭化水素油と添加水を含む混液が貯留された攪拌容器内において、噴射ノズルにより混液に第一旋回流を形成し、撹拌翼により混液に第2旋回流を形成する方法が開示されている。この方法によれば、燃料油中に水を短時間で分散化できるとされている。
また、特許文献3には、分解反応層内に設けられた、円錐状の内面に複数のピンが立設された攪拌器に、石油系炭化水素油と酵素水の混合物を流入させ、回転半径が徐々に小さくなる竜巻状に移動させる際に複数のピンによって攪拌する方法が開示されている。この方法によれば、石油系炭化水素油と酵素水を効率よく攪拌して分解反応させることができるとされている。
特開2001−348579号公報 特開2006−111666号公報 特許第4398432号公報
しかし、石油系炭化水素油と水は、上記の方法でいくら撹拌・混合して拡散したとしても、油は油として、水は水として、それぞれ存在し続けるため、時間の経過とともに分離してしまう。添加剤(界面活性剤、乳化剤等)の工夫も行われているが、いまだ分離に対する十分な対策はない。
また、重油は分子構造の大小の重油質や軽油質、水や硫黄分、窒素分などの不純物から混ざり合った状態であるため、燃焼時に窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)やカーボンといったものが発生してしまう。
そこで、本発明の目的は、石油系炭化水素油と水とを微細且つ効率的に混合・撹拌し、石油系炭化水素油と水とが分離しにくい燃料油を提供しようとするものである。また、特に石油系炭化水素油が重油である場合に、燃焼時の窒素酸化物や硫黄酸化物やカーボンの発生が少ない燃料油を提供しようとするものである。
(A)燃料油の製造方法
円筒状容器と、円筒状容器内の中心部を延びるセンターパイプと、円筒状容器の内周面とセンターパイプの外周面との間の円筒状領域に配設された円筒状網とを備えたミキサーを使用し、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液を、円筒状領域において螺旋状に旋回させ、円筒状網の網目を通過させて混合することを特徴とする。
本発明によれば、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液が、円筒状領域において螺旋状に旋回するときに、円筒状網の網目を連続的に多数回通過して、多数のせん断・乱流が生じ、撹拌処理が微細且つ効率的に行われるため、石油系炭化水素油と水とが分離しにくい燃料油が得られる。
ここで、添加物としては、特に限定されないが、リパーゼを含有する酵素、分解反応触媒性化学薬品等を例示できる。
リパーゼを含有する酵素(以下「リパーゼ含有酵素」という。)は、石油系炭化水素油が加水分解する反応を触媒する(加水分解反応触媒性酵素)。よって、添加物としてリパーゼ含有酵素を用いた場合には、上記の多数のせん断・乱流とあいまって石油系炭化水素油が効率的に加水分解し、分離する水が減少する。このため、石油系炭化水素油に組み込む水の量を増やすことができるとともに、石油系炭化水素油と水とが長期間にわたり分離しにくい燃料油が得られる。
リパーゼ含有酵素としては、天然果実(パイナップル、マンゴー、アボカド、ノニ、サジー等の果実)から抽出したものを例示できる。
リパーゼ含有酵素の形態は、粉末が好ましい。
さらに、リパーゼ含有酵素粉末にゼオライト(沸石)粉末を配合したものが好ましい。ゼオライトは、アルミノケイ酸塩の晶構造中に空隙を持ち、吸着・触媒の作用があり、リパーゼ含有酵素粉末の酵素作用を活性させて、石油系炭化水素油の加水分解率を高めるからである。
分解反応触媒性化学薬品としては、シクロヘキサジン(C68)を例示できる。分解反応触媒性化学薬品は、リパーゼ含有酵素に加えて、添加してもよい。
さらに、上記の添加物に、酸化ナトリウム(Na2O)、三二酸化鉄(Fe23)等を加えてもよい。
上記の添加物は、まず水に混合することが好ましく、次にこの添加物混合水を石油系炭化水素油に混合することが好ましい。
さらに、原料液には有機溶剤を加えてもよい。有機溶剤としては、特に限定されないが、第2種有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、ノルマルヘキサン等)を例示でき、メタノールが好ましい。配合率は、特に限定されないが。水100リットルに対してメタノール10〜30重量部が好ましい。
(B)燃料油の製造装置
円筒状容器と、円筒状容器内の中心部を延びるセンターパイプと、円筒状容器の内周面とセンターパイプの外周面との間の円筒状領域に配設された円筒状網とを備えたミキサーを含み、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液が、円筒状領域において螺旋状に旋回するように構成されていることを特徴とする。
センターパイプは、円筒状容器の一方の端壁を貫通して、基端が円筒状容器内で原料液の流出口として開口し、先端が円筒状容器外で燃料液の吐出口として開口しており、円筒状容器の側壁における前記一方の端壁付近に、原料液の流入口が、原料液の流入方向が円筒状容器の中心から偏るように設けられている態様を例示できる。
円筒状網は一重でもよいが、二重以上すなわち、径の異なる二以上の円筒状網が同軸状に配設されたものが好ましい。原料液が円筒状網に接触する箇所が多くなり、撹拌効率が高くなるからである。
円筒状網の網目は、特に限定されないが、1〜3メッシュが好ましい。1メッシュ未満であると、原料液が網目に接触する箇所が少なくなり、3メッシュを超えると、原料液が網目を通過する抵抗が大きくなりすぎるからである。
円筒状容器と円筒状網(二重以上の場合は最大径の円筒状網)との隙間、円筒状網の相互間の隙間、センターパイプと円筒状網(二重以上の場合は最小径の円筒状網)との隙間は、特に限定されないが、いずれも10〜30mmであることが好ましい。
ミキサーは、円筒状の撹拌タンクに装着され、流入口に撹拌タンク内の原料液が供給され、吐出口は撹拌タンク内で開口し、吐出口からの燃料液の吐出方向が撹拌タンクの中心から偏るように設けられた態様を例示できる。
二以上のミキサーが、撹拌タンクの筒長方向に並んで装着されていることが好ましい。撹拌タンク内の筒長方向全体に原料液の旋回流が生じやすいからである。
本発明によれば、多数のせん断・乱流が生じ、石油系炭化水素油と水とを微細且つ効率的に混合・撹拌できるため、石油系炭化水素油と水とが分離しにくい燃料油が得られる。また、添加物としてリパーゼ含有酵素を用いた場合には、多数のせん断・乱流とあいまって石油系炭化水素油が効率的に加水分解し、分離する水が減少する。このため、石油系炭化水素油に組み込む水の量を増やすことができるとともに、石油系炭化水素油と水とが長期間にわたり分離しにくい燃料油が得られる。また、特に石油系炭化水素油が重油である場合に、燃焼時の窒素酸化物や硫黄酸化物やカーボンの発生が少ない燃料油が得られる。
実施例の燃料油製造装置の概略図である。 同装置における撹拌タンク(ミキサーを含む)を示し、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。 同ミキサーを示し、(a)は側断面図、(b)は横断面図である。
円筒状容器11と、円筒状容器11内の中心部を延びるセンターパイプ15と、円筒状容器11の内周面とセンターパイプ15の外周面との間の円筒状領域19に配設された円筒状網21,22とを備えたミキサー10を使用し、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液を、円筒状領域19において螺旋状に旋回させ、円筒状網21,22の網目を通過させて混合する。石油系炭化水素油は、A重油、B重油、C重油、軽油、灯油等とする。添加物は、リパーゼ含有酵素とし、これに、他の分解反応触媒性化学薬品等を加えてもよい。さらに、原料液に有機溶剤を加えてもよい。
<燃料油製造装置の実施例>
実施例の燃料油製造装置は、図1に示すように、基油タンク1、第1水タンク2、第2水タンク4、撹拌タンク6(ミキサー10を含む)、噴射拡散タンク7、分離・熟成タンク8、及び、製品タンク9により構成されている。
基油タンク1は、原料の一つである石油系炭化水素油(以下「基油」という。)を貯溜するためのものである。貯留している基油は、必要量ずつパイプを通じて送り出される。基油は、例えばA重油、B重油、C重油、軽油、灯油等とすることができる。
第1水タンク2は、原料の一つである水を注入して貯溜し、添加物(後述する製造方法の実施例1,2では、リパーゼ含有酵素)を投入して、曝気し混合・撹拌するためのものである。底部には曝気のためのエア噴出装置3が設けられている。添加物を含んだ水は、必要量ずつパイプを通じて送り出される。
第2水タンク4は、第1水タンク2から注ぎ込まれた添加物を含む水を貯溜し、他の添加物(後述する製造方法の実施例1,2では、他の分解反応触媒性化学薬品(例えばシクロヘキサジン(C68))と有機溶剤(例えばメタノール))を投入して、曝気し混合・撹拌するためのものである。底部には曝気のためのエア噴出装置5が設けられている。以上の添加物を含んだ水は、必要量ずつパイプを通じて送り出される。
基油タンク1から送り出された基油と、第2水タンク4から送り出された添加物を含んだ水は、送られる途中で混合されて原料液となり、撹拌タンク6へパイプを通じて注ぎ込まれる。
撹拌タンク6は、注ぎ込まれた原料液を撹拌処理して燃料油を製造するためのものである。後述する製造方法の実施例1,2では、撹拌処理は基油の加水分解反応処理である。また、添加物としてシクロヘキサジン(C68)も加えることで、撹拌処理はエマルジョン化処理も伴う。
撹拌タンク6は、図2に示すように、円筒状をなし、筒長方向が縦方向となるように設置されており、複数のミキサー10が装着されている。
ミキサー10は、図3に示すように、円筒状容器11と、円筒状容器11内の中心部を延びるセンターパイプ15と、円筒状容器11の内周面とセンターパイプ15の外周面との間の円筒状領域19に配設され固定された円筒状網21,22とを備えたものである。円筒状容器11の両端は端壁で閉鎖されている。円筒状容器11の寸法は、特に限定されないが、例えば、内径は80〜120mm程度、内法長さは200〜300mmである。
センターパイプ15は、円筒状容器11の一方の端壁13を貫通して、基端が円筒状容器11内で原料液Lの流出口18として開口し、先端が円筒状容器11外で燃料液Fの吐出口16として開口している。吐出口16には、出口を絞り、筒内の圧力を上げるため、スプレーノズル17が設けられている。センターパイプ15の長さは、円筒状容器11の内法筒長の50%以上(図示例では80〜95%)であり、流出口18と他方の端壁14との間は、原料液が径方向に流れる隙間となっている。
円筒状容器11の側壁12における前記一方の端壁13付近には、原料液の流入口20が、原料液の流入方向が円筒状容器11の中心から偏るように設けられており、もって原料液Lが円筒状領域19において螺旋状に旋回するように構成されている。
円筒状網21,22は、網目1〜3メッシュの網が円筒状に湾曲されたものである。図示例では円筒状網が二重に、すなわち、相対的に小径の円筒状網21と大径の円筒状網22が同軸状に設けられている。小径の円筒状網21とセンターパイプ15との隙間、大径の円筒状網22と円筒状容器11との隙間、小径の円筒状網21と大径の円筒状網22との間の隙間は、いずれも10〜30mmである。円筒状網21,22の長さは、円筒状容器11の内法長さの50%以上(図示例では80〜95%)であり、円筒状領域19の全長に及んでいる。
ミキサー10は、円筒状の撹拌タンク6(図示例ではその内部)に装着され、流入口20には、撹拌タンク6内の原料液Lが底部の循環口23からパイプを通じてポンプ24により供給される。吐出口16は撹拌タンク6内で開口し、製造された燃料液Fの吐出方向が撹拌タンク6の中心から偏るように設けられている。そして、二以上(図示例では三つ)のミキサー10が、撹拌タンク6の筒長方向に並んで装着されている。
撹拌タンク6では、以上の構成により、原料液が撹拌タンク6→ミキサー10→撹拌タンク6→ミキサー10・・・の循環をする。まず、ミキサー10では、原料液Lが、流入口20から偏心して流入した円筒状領域19において螺旋状に旋回し、円筒状網21,22の網目を連続的に多数回通過して、多数のせん断・乱流が生じる。そのため、上述した撹拌処理が微細且つ効率的に行われ、石油系炭化水素油と水とが分離しにくい燃料油が製造される。製造された燃料油Fは、流出口18からセンターパイプ15に入り、吐出口16のスプレーノズル17から、撹拌タンク6内に偏心して吐出する。偏心して吐出された燃料油Fは、撹拌タンク6内を旋回するため、撹拌タンク6内の原料液Lと、かき混ぜられる。かき混ぜられた原料液Lと燃料油Fは、再びミキサー10に送られ、燃料油Fとなって撹拌タンク6内に吐出される。これが所定時間繰り返されることにより、撹拌タンク6内はすべて燃料油Fとなる。この燃料油Fは、パイプを通じて噴射拡散タンク7に注ぎ込まれる。
噴射拡散タンク7は、内部に、プレート(図示略)と、注ぎ込まれた燃料油を噴射してプレートに当てる噴射器(図示略)が設けられ、その噴射拡散により燃料油をより細かく分解(クラスター化、粒子径30〜50nm)させる機能を有し、また、燃料油に振動を与えて残渣物を取り除きやすくする機能も有するものである。噴射拡散タンク7を経た燃料油は、分離・熟成タンク8へパイプを通じて注ぎ込まれる。
分離・熟成タンク8は、注ぎ込まれた燃料油を一定時間置くことにより、重力により燃料油と残渣物とを分離するとともに、燃料油の加水分解反応を進めるためのものである。残渣物は、基油と反応できなかった水や、基油中の不純物等である。残渣物が取り除かれた燃料油は、製品タンク9に注ぎ込まれる。
<燃料油製造方法の実施例1>
上述の燃料油製造装置を使用して行った、燃料油製造方法の実施例1について説明する。
基油タンク1に貯溜した基油は、軽油である。第1水タンク2に貯溜した水は、水道水を電気分解し、さらに逆浸透膜に通して浄化した軟水(pH2〜4)である。
第1水タンク2に投入した添加物は、パイナップル果汁から抽出したリパーゼ含有酵素粉末3質量%と、ゼオライト粉末(#700)95質量%と、セラミック粉(医王石)2質量%の混合物である。水1000gに対して、この混合物500gを投入し、曝気して混合した。なお、リパーゼ含有酵素粉末の配合率は2〜10質量部が好ましい。
第2水タンク4に投入した添加物は、酸化ナトリウム(Na2O)26.5質量%、三二酸化鉄(Fe23)40質量%、卵白質8.5質量%、シクロヘキサジン(C68)25質量%の混合物である。シクロヘキサジンは加水分解反応を促進させる。水1000gに対して、この混合物100gを投入し、曝気して混合した。
さらに、第2水タンク4には、メタノールも投入し、その投入量は次の混合比となるようにした。
基油タンク1及び第2水タンク4から延びるパイプの途中に設けられた混合器(図示略)で、軽油350リットルと、添加物を含む水125リットルと、メタノール25リットルとが混合されるように調整して、原料液とした。
上記の原料液を撹拌タンク6へ注ぎ込んで、15分、撹拌処理した。撹拌タンク6では、上述のとおり、原料液をミキサー10の円筒状領域19において螺旋状に旋回させ、円筒状網21,22の網目を通過させて混合することにより、撹拌処理が微細且つ効率的に行われ、燃料油が製造された。実施例1では、添加物として加水分解反応触媒性酵素(リパーゼ含有酵素粉末)と、ゼオライト、Na2O、Fe23を使用しているので、撹拌処理は軽油の加水分解反応処理であり、さらにエマルジョン化処理も行われている可能性がある。
撹拌タンク6で製造された燃料油は、噴射拡散タンク7による上記噴射拡散処理と、分離・熟成タンク8による上記分離・熟成処理を経て、製品タンク9に貯溜された。上述の原料液(軽油350リットル+添加物を含む水125リットル+メタノール25リットル)は、燃料油455リットルと、分離除去された残渣物45リットルに変化した。残渣物45リットルの成分を分析したところ、メタノール10.3質量%(約5リットル)であり、残りは固形分を含む水であった。従って、得られた燃料油455リットルは、軽油350リットルに水約85リットルとメタノール約20リットルが取り込まれてなるものである。すなわち、容積比で軽油4に対して水1が燃料油に取り込まれた。
この燃料油(実施例1)と、基油に用いた軽油(比較例1)について、分析及び試験を行った。その結果を次の表1に示す。燃料油(実施例1)は、軽油(比較例1)と同等の総発熱量を示した。
Figure 2015124328
また、この燃料油(実施例1)は、製造後1年10ヶ月経過しても、軽油と水との顕著な分離は見られなかった。
<燃料油製造方法の実施例2>
上述の燃料油製造装置を使用して行った、燃料油製造方法の実施例2について説明する。
実施例2は、基油タンク1に貯溜した基油がA重油である点と、基油300リットルと、添加物を含む水160リットルと、メタノール40リットルとが混合されるように調整して原料液とした点において実施例1と相違し、その他は実施例1と同様に行った。
上述の原料液(A重油300リットル+添加物を含む水160リットル+メタノール40リットル)は、燃料油420リットルと、分離除去された残渣物80リットルに変化した。容積比でA重油3に対して水1が燃料油に取り込まれた。
この燃料油(実施例2)と、基油に用いたA重油(比較例2)について、分析及び試験を行った。その結果を次の表2に示す。燃料油(実施例2)は、A重油(比較例2)と同等の総発熱量を示した。
Figure 2015124328
さらに、燃料油(実施例2)とA重油(比較例2)について、燃焼時の排ガス測定試験を行った。その結果を次の表3に示す。燃料油(実施例2)は、A重油(比較例2)よりも、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)や残留炭素分(カーボン)が少なく、クリーンな燃料であることが分かった。
Figure 2015124328
また、この燃料油(実施例2)は、製造後1年10ヶ月経過しても、A重油と水との顕著な分離は見られなかった。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 基油タンク
2 第1水タンク
3 エア噴出装置
3 リパーゼ含有酵素粉末
4 第2水タンク
5 エア噴出装置
6 撹拌タンク
7 噴射拡散タンク
8 分離・熟成タンク
9 製品タンク
10 ミキサー
11 円筒状容器
12 側壁
13 一方の端壁
14 他方の端壁
15 センターパイプ
16 吐出口
17 スプレーノズル
18 流出口
19 円筒状領域
20 流入口
21 (小径の)円筒状網
22 (大径の)円筒状網
23 循環口
24 ポンプ
L 原料液
F 燃料液

Claims (10)

  1. 円筒状容器(11)と、円筒状容器内の中心部を延びるセンターパイプ(15)と、円筒状容器の内周面とセンターパイプの外周面との間の円筒状領域(19)に配設された円筒状網(21,22)とを備えたミキサー(10)を使用し、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液を、円筒状領域(19)において螺旋状に旋回させ、円筒状網(21,22)の網目を通過させて混合することを特徴とする燃料油の製造方法。
  2. 添加物は、リパーゼ含有酵素である請求項1記載の燃料油の製造方法。
  3. 添加物は、リパーゼ含有酵素粉末とゼオライト粉末との混合物である請求項2記載の燃料油の製造方法。
  4. 原料液に、有機溶剤を加える請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料油の製造方法。
  5. 円筒状容器(11)と、円筒状容器内の中心部を延びるセンターパイプ(15)と、円筒状容器の内周面とセンターパイプの外周面との間の円筒状領域(19)に配設された円筒状網(21,22)とを備えたミキサー(10)を含み、石油系炭化水素油と水と添加物とを含む原料液が、円筒状領域(19)において螺旋状に旋回するように構成されていることを特徴とする燃料油の製造装置。
  6. センターパイプ(15)は、円筒状容器の一方の端壁(13)を貫通して、基端が円筒状容器内で原料液(L)の流出口(18)として開口し、先端が円筒状容器外で燃料液(F)の吐出口(16)として開口しており、円筒状容器の側壁(12)における前記一方の端壁(13)付近に、原料液(L)の流入口(20)が、原料液の流入方向が円筒状容器の中心から偏るように設けられている請求項5記載の燃料油の製造装置。
  7. 径の異なる二以上の円筒状網(21,22)が同軸状に固定された請求項5又は6記載の燃料油の製造装置。
  8. 円筒状網(21,22)の網目が、1〜3メッシュである請求項5〜7のいずれか一項に記載の燃料油の製造装置。
  9. ミキサーは、円筒状の撹拌タンク(6)に装着され、流入口(20)に撹拌タンク内の原料液(L)が供給され、吐出口(16)は撹拌タンク内で開口し、吐出口からの燃料液(F)の吐出方向が撹拌タンクの中心から偏るように設けられた請求項5〜8のいずれか一項に記載の燃料油の製造装置。
  10. 二以上のミキサー(10)が、撹拌タンク(6)の筒長方向に並んで装着された請求項9記載の燃料油の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022075348A1 (ja) * 2020-10-07 2022-04-14 直彌 吉川 性状が改善されたディーゼル燃料の製造方法及び製造システム

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