JP2015122692A - 周波数調整装置 - Google Patents

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孝司 齋場
輝晃 難波
Teruaki Nanba
輝晃 難波
博行 宮野
Hiroyuki Miyano
博行 宮野
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Abstract

【課題】安定した駆動を行うことのできる周波数調整装置を提供すること。【解決手段】周波数調整装置100は、X軸方向に往復移動可能なシャッター部51と、X軸方向と交わる回転軸を有し、シャッター部51を付勢する偏心カム56と、偏心カム56を回転軸まわりに回転させることでシャッター部51をX軸方向に移動させるソレノイドアクチュエーター57と、を有するシャッター装置1を有している。このようなシャッター装置1は、シャッター部51を移動させることで、質量調整源による振動素子の質量調整を許容する開状態と、質量調整源による振動素子の質量調整を阻止する閉状態と、を切り替える。【選択図】図4

Description

本発明は、周波数調整装置に関するものである。
例えば、振動素子の共振周波数を調整する方法として、振動素子の質量を変化させる方法が知られている。このような方法は、例えば、振動素子と、イオンビームを振動素子に照射することにより振動素子の一部を除去して振動素子の質量を減少させるイオンガンと、振動素子とイオンガンとの間に設けられたシャッターとを有する装置を用いて行われる(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置では、複数のシャッター板が重ねられた状態にて鉄芯に軸支されており、各シャッター板は、鉄芯を中心として回動可動となっている。また、各シャッター板は、対応するソレノイドの駆動により回動するように構成されている。特許文献1に記載の装置では、このようなシャッター板の回動を利用して、シャッターを開状態または閉状態とすることができる。
このような装置では、イオンガンからイオンビームが発射されている状態にて、シャッターを開状態とする。これにより、イオンビームがシャッターを通過して振動素子に照射され、振動素子の一部が除去されることにより、振動素子の共振周波数が変化する。そして、振動素子の周波数が所定の周波数となった時点でシャッターを閉状態とすることにより、振動素子へのイオンビームの照射を阻止する。このような方法により、振動素子の共振周波数を調整する。
しかしながら、このようなシャッターでは、シャッター板の回動によって、シャッター板同士が互いに擦れ合い、当該擦れに起因する摩耗により、シャッター板の摺動性が悪化する。摺動性の悪化は、シャッター板の移動速度を低下させ、シャッターの開閉タイミングにバラつきが生じる。すると、振動素子の質量調整にもバラつきが生じ、振動素子の共振周波数が目的の共振周波数から大きくずれてしまうのに加えて、そのずれ量が振動素子ごとにばらばらとなる。
すなわち、特許文献1に記載の装置では、シャッター装置を安定して駆動させることができず、高精度な振動素子の周波数調整を行うことができない。
特開2004−56455号公報
本発明の目的は、安定した駆動を行うことのできる周波数調整装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の周波数調整装置は、振動素子を載置する載置部と、
前記振動素子の質量を調整する質量調整源と、
シャッター装置と、
を有し、
前記シャッター装置は、第1軸方向に往復移動可能であって、前記載置部に載置されている前記振動素子と前記質量調整源との間に設けられているシャッター部と、
前記第1軸方向と交わる回転軸を有し、前記シャッター部を付勢するカムと、
前記カムを前記回転軸まわりに回転させることで前記シャッター部を前記第1軸方向に移動させる駆動手段と、
を備え、
前記シャッター部を移動させることで、前記質量調整源による振動素子の質量調整を許容する開状態と、前記質量調整源による振動素子の質量調整を阻止する閉状態と、を切り替えることを特徴とする。
このように、カムを回転させることでシャッター部を動かすことにより、シャッター部の動作が安定する。また、各部の摩擦を抑えることもでき、経年劣化よるシャッター部の移動特性の悪化を低減することができる。また、カムを用いた回転運動でシャッター部を動かしているため、例えば、リニア型のソレノイドアクチュエーターのような直動運動でシャッター部を動かす場合と比較して、装置の小型化を図ることができる。
[適用例2]
本適用例の周波数調整装置では、前記シャッター装置は、前記シャッター部を前記第1軸方向に誘導する直動ガイドを有し、
前記直動ガイドは、前記第1軸方向に延在するレールと、前記レールに摺動可能に設けられているスライダーと、を備えていることが好ましい。
これにより、より安定して、シャッター部を第1軸方向に移動させることができる。
[適用例3]
本適用例の周波数調整装置では、前記シャッター装置は、
前記カムと当接し、前記カムとの摩擦を低減する摩擦低減部を有していることが好ましい。
これにより、カムとの間の摺動抵抗を低減することができ、より安定してシャッター部を動かすことができる。
[適用例4]
本適用例の周波数調整装置では、前記摩擦低減部は、前記カムの回転軸と平行な軸まわりに回転可能な回転体を有していることが好ましい。
これにより、摩擦低減部の構成が簡単なものとなるとともに、より効果的に、カムとの間の摩擦抵抗を低減することができる。
[適用例5]
本適用例の周波数調整装置では、前記回転体は、前記スライダーの平面視にて、少なくとも一部が前記スライダーと重なっていることが好ましい。
これにより、シャッター装置の平面方向の広がりを抑えることができ、小型化を図ることができる。
[適用例6]
本適用例の周波数調整装置では、前記カムは、前記回転軸とは異なる位置に中心を有する円の円周に沿って設けられている円弧状の側面を有し、前記側面が前記摩擦低減部と当接していることが好ましい。
これにより、カムを簡単な構成とすることができる。
[適用例7]
本適用例の周波数調整装置では、前記駆動手段は、前記シャッター部を前記第1軸方向の一方側へ移動させて、前記開状態から前記閉状態とすることが好ましい。
これにより、開状態から閉状態への切り替えをより速く行うことができる。
[適用例8]
本適用例の周波数調整装置では、前記開状態から前記閉状態とする際の前記シャッター部の速度を低減する減速手段を有していることが好ましい。
これにより、シャッター部の揺れを低減できる。
[適用例9]
本適用例の周波数調整装置では、前記シャッター部によって開閉される開口を有し、
前記開状態は、前記開口が開いた状態であり、
前記閉状態は、前記開口が前記シャッター部によって覆われている状態であり、
前記減速手段は、前記シャッター部が前記開口を覆い始めた後に作動することが好ましい。
これにより、シャッター部の揺れを低減することができるとともに、減速手段による開状態から閉状態への切り替えに必要な時間の遅延を小さく留めることができる。
[適用例10]
本適用例の周波数調整装置では、前記第1軸方向に交差する第2軸方向に配列されている複数の前記シャッター装置を有していることが好ましい。
これにより、一度に複数の振動素子の周波数調整を行うことができるので、効率が向上する。
[適用例11]
本適用例の周波数調整装置では、前記質量調整部は、イオンビームを発射するイオンガンであることが好ましい。
これにより、質量調整部の構成が簡単なものとなる。
本発明の周波数調整装置の好適な実施形態を示す断面図である。 図1に示す周波数調整装置が有するシャッター装置集合体の上面図である。 開状態のときのシャッター装置の側面図である。 図3に示すシャッター装置の下面図である。 閉状態のときのシャッター装置の側面図である。 図5に示すシャッター装置の下面図である。 シャッター装置の断面図である。 シャッター装置集合体の下面図である。
以下、本発明の周波数調整装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の周波数調整装置の好適な実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す周波数調整装置が有するシャッター装置集合体の上面図である。図3は、開状態のときのシャッター装置の側面図である。図4は、図3に示すシャッター装置の下面図である。図5は、閉状態のときのシャッター装置の側面図である。図6は、図5に示すシャッター装置の下面図である。図7は、シャッター装置の断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図3〜図7中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」として説明する。また、図1に示すように、互いに直交する3軸を、それぞれ、X軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に平行な方向を「X軸方向(第1軸方向)」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向(第2軸方向)」と言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。
1.周波数調整装置
図1に示す周波数調整装置100は、内部を所望の環境とすることのできるチャンバー110と、イオンビームIBを発射するイオンガン(質量調整源)120と、複数の開口131を有する遮蔽板(マスク)130と、開口131を開閉する複数のシャッター装置1を有するシャッター装置集合体10と、振動素子9を載置するステージ(載置部)140と、を有している。そして、イオンガン120とステージ140との間に遮蔽板130およびシャッター装置集合体10が配置されている。なお、図1は、周波数調整装置100の全体図を概略的に示しているものであり、便宜上、遮蔽板130が有する開口131の数、シャッター装置集合体10が有するシャッター装置1の数、ステージ140に配置される振動素子9の数が、それぞれ、図2以降に示す構成と異なっている。
イオンガン120は、例えば、Ar、Ne等の不活性ガスに電界を作用させて加速させることにより、イオンビームIBを発射するものであり、振動素子9の質量を変化させる質量調整源を構成するものである。これにより、質量調整源の構成が簡単となるとともに、高精度に振動素子9の質量を調整することができる。
遮蔽板130は、イオンガン120の上側に配置されており、複数の開口131が形成されている。各開口131の大きさおよび形状としては、特に限定されず、振動素子9の大きさ等によっても異なるが、例えば、0.5mm×0.5mm〜2mm×2mmの矩形とすることができる。
複数のシャッター装置1は、複数の開口131に対応して1対1で設けられている。また、複数のシャッター装置1は、それぞれ、独立して駆動が制御されており、対応する開口131を開いてイオンビームIBの通過を許容する開状態と、開口131を閉じてイオンビームIBを遮断する閉状態と、を選択できるようになっている。
このような周波数調整装置100では、1つの開口131の上方に1つの振動素子9を配置し、イオンガン120からイオンビームIBを発射し、シャッター装置1で開口131を開状態とすることで、振動素子9にイオンビームIBを照射し、振動素子9の一部(例えば、電極の一部)を除去する。これにより、振動素子9の質量を減らし、その共振周波数を調整する。イオンビームIBの照射により、振動素子9の共振周波数が所定値となったら、速やかにシャッター装置1で開口131を閉状態とし、それ以上、イオンビームIBが振動素子9に照射されるのを阻止する(すなわち、周波数調整を終了する)。周波数調整装置100では、各シャッター装置1を独立して制御することで、各振動素子9の共振周波数を独立して調整する。なお、周波数調整装置100を用いた振動素子9の周波数調整方法については、後に詳しく説明する。
次に、シャッター装置集合体10について詳しく説明する。
図2ないし図5に示すように、シャッター装置集合体10は、ベース2と、ベース2に支持されている複数のシャッター装置1と、複数のシャッター装置1の駆動を独立して制御する駆動制御部3と、冷却手段4と、を有している。
また、シャッター装置集合体10は、図2中右側(+X軸側)に位置し、Y軸方向に並設されている16個のシャッター装置1からなる第1のシャッター装置群1Aと、図2中左側(−X軸側)に位置し、Y軸方向に並設されている16個のシャッター装置1からなる第2のシャッター装置群1Bと、を有し、第1のシャッター装置群1Aと第2のシャッター装置群1Bとがシャッター部51を向き合せて対称的に配置されている。このように、複数のシャッター装置1を備えることにより、一度に多数(本実施形態では32個)の振動素子9の共振周波数を調整することができるため、周波数調整装置100の効率が向上する。また、複数のシャッター装置1をこのように配置することで、シャッター装置集合体10の小型化を図ることもできる。
以下、複数のシャッター装置1について説明するが、複数のシャッター装置1は、それぞれ同様の構成であるため、以下では、第1のシャッター装置群1Aに含まれる1つのシャッター装置1について代表して説明し、その他のシャッター装置1については、その説明を省略する。なお、図3および図4は、後述するガイドブロック54が第2のストッパー22に当接し、開口131が開いている開状態を示し、図5および図6は、ガイドブロック54が第1のストッパー21に当接し、開口131が閉じている閉状態を示している。そのため、以下では、説明の便宜上、図3および図4の状態を単に「開状態」とも言い、図5および図6の状態を単に「閉状態」とも言う。
図3ないし図7に示すように、シャッター装置1は、開口131を開閉するシャッター部51と、シャッター部51を支持するリンク52と、リンク52をX軸方向に直動的に案内する直動ガイド53と、直動ガイド53に取り付けられているガイドブロック54と、ガイドブロック54に取り付けられている回転体(摩擦低減部)55と、回転体55に接触して設けられている偏心カム(カム)56と、偏心カム56を回転(回動)させるソレノイドアクチュエーター(駆動手段)57と、シャッター部51の移動速度を減速させる減速バネ(減速手段)58と、シャッター部51を付勢する付勢バネ(付勢手段)59と、を有している。
直動ガイド53は、LMガイド(ただし、「LMガイド」は登録商標)、リニアガイドとも呼ばれる直動ベアリングである。図7に示すように、直動ガイド53は、ベース2の下面にX軸方向に延在して取り付けられているレール531と、レール531にスライド可能に取り付けられているスライダー532と、レール531とスライダー532との間に位置している複数のボール533と、を有している。
本実施形態の直動ガイド53は、スライダー532のスライド(摺動)に伴ってボール533がレール531とスライダー532との間を循環する「循環ボール式」の直動ベアリングとなっている。このような直動ガイド53によれば、直動ガイド53の構成を簡単なものとすることができると共に、スライダー532(シャッター部51)をガタツキなくX軸方向に移動させることができる。さらには、スライダーを低摩擦(低抵抗)でスライドさせることができるため、シャッター部51の移動速度をより速くすることができる。また、低摩擦な状態を比較的長期間維持することができる。そのため、周波数調整装置100の周波数調整能力の向上を図ることができる。ただし、直動ガイド53の構成としては、シャッター部51をX軸方向に直動的に誘導(案内)することができれば、直動ベアリングに限定されない。
このような直動ガイド53のスライダー532には、ガイドブロック54が固定されている。したがって、ガイドブロック54は、スライダー532とともに、レール531に沿ってX軸方向に直動的に往復移動可能となっている。ここで、ベース2には、下側に突出し、ガイドブロック54を挟み込むように位置している第1のストッパー21および第2のストッパー22が設けられており、ガイドブロック54は、第1のストッパー21に当接することによって、それ以上の−X軸側への移動が阻止され、反対に、第2のストッパー22に当接することによって、それ以上の+X軸側への移動が阻止される。すなわち、ガイドブロック54は、第1、第2のストッパー21、22の間でX軸方向に移動可能となっている。
スライダー532へのガイドブロック54の固定は、特に限定されず、例えば、ネジ止め、接着材、嵌合等によって行うことができる。本実施形態では、図7に示すように、ピンPを用いてスライダー532とガイドブロック54とを固定している。なお、ガイドブロック54は、硬質な材料で構成されており、硬質な材料としては、特に限定されず、例えば、金属材料、樹脂材料等が挙げられる。
このようなガイドブロック54にはリンク52が固定されている。リンク52は、長尺であり、途中2カ所で略直角に屈曲した形状をなしている。具体的には、図3および図5に示すように、リンク52は、ガイドブロック54に固定されている支持部521と、支持部521から+Z軸方向に延出する連結部522と、連結部522の先端から−X軸方向に延出するシャッター保持部523と、を有している。また、支持部521は、ベース2の下側に位置し、シャッター保持部523は、ベース2の上側に位置し、連結部522は、ベース2に形成されている切り欠き27を介して支持部521とシャッター保持部523とを連結している。なお、リンク52は、硬質な材料で構成されており、硬質な材料としては、特に限定されず、例えば、金属材料、樹脂材料等が挙げられる。これらの中でも、例えば、チタン(Ti)等の軽量な金属材料を用いることが好ましい。これにより、リンク52の軽量化を図ることができる。
このようなリンク52のシャッター保持部523には、シャッター部51が着脱自在に保持されている。シャッター部51は、X軸方向に延在する長尺な平板状をなし、その基端部にてシャッター保持部523に保持されている。シャッター部51は、消耗品であるため、リンク52に着脱自在となっていることで、シャッター部51の交換・修理等を簡単に行うことができる。このようなシャッター部51は、例えば、耐エッチング性に優れる炭素、チタン等を構成材料として構成されている。これにより、イオンビームIBによるシャッター部51の損傷(劣化)を低減でき、シャッター部51の長寿命化を図ることができる。また、このような材料で構成することにより、シャッター部51の軽量化を図ることができ、シャッター部51の反応性や移動速度を向上させることができる。
また、ガイドブロック54には回転体(摩擦低減部)55が回転自在に設けられている。これにより、後述するように、シャッター部51を動かすときの偏心カム56と回転体55との間の摩擦抵抗が低減される。回転体55は、公知のボールベアリングを用いることができる。すなわち、本実施形態の回転体55は、円環状の内輪(内側軌道輪)551と、円環状の外輪(外側軌道輪)552と、内輪551と外輪552とに囲まれた複数のボール553と、を有している。このような回転体55は、ガイドブロック54に設けられ、Z軸方向に延在する軸546に内輪551が固定されており、外輪552が軸546に対してZ軸まわりに回転自在となっている。
また、回転体55は、Z軸方向から見た平面視にて、少なくともその一部が、ガイドブロック54(スライダー532)と重なっている。このような配置とすることで、シャッター装置1のXY平面方向の広がりを抑えることができる。
なお、回転体55としては、ガイドブロック54に対してZ軸まわりに回転することができれば、ボールベアリングに限定されない。例えば、円環状の部材からなる回転体55が軸546に回転自在に保持された構成となっていてもよい。
このような回転体55に当接するように、偏心カム56が設けられている。偏心カム56は、ソレノイドアクチュエーター57によって、Z軸方向に延びる軸Jzまわりに回転(回動)する。偏心カム56は、軸Jzとは異なる位置にある中心Oを有する円に沿って延在する円弧状の側面561を有し、この側面561が回転体55の外輪552の側面と当接している。これにより、偏心カム56の形状が簡単なものとなる。なお、後述するように、この偏心カム56が図3中の反時計回りに回転することで、回転体55を介してガイドブロック54が−X軸方向に付勢されて開状態から閉状態となる。
なお、偏心カム56の軌道上にはストッパー569が設けられており、このストッパー569に偏心カム56が当接することで、偏心カム56のそれ以上の図3中時計回りの回転が阻止されている。ストッパー569は、開状態のときに、偏心カム56が回転体55から離れないように、すなわち、開状態のときに、偏心カム56と回転体55とが当接した状態を維持するように設けられている。これにより、素早く、かつ、一定の時間で、開状態から閉状態とすることができ、シャッター装置1の反応性の低下やバラつきの拡大を防止することができる。
ここで、本実施形態のように、偏心カム56と回転体55との当接点は、レール531とZ軸方向(Z軸方向から見た平面視)で重なるように位置していることが好ましい。厳密には、偏心カム56の回転量に応じて、偏心カム56と回転体55との当接点は、Y軸方向に変位することとなるため、シャッター部51の駆動範囲内において、偏心カム56の回転角度の全域で前記当接点がレール531とZ軸方向で重なっていることがより好ましい。これにより、偏心カム56を介して伝達されるソレノイドアクチュエーター57の駆動力によって、シャッター部51にZ軸まわりの回転振動が生じることを効果的に抑制することができる。
ソレノイドアクチュエーター57は、ロータリーソレノイド(回転ソレノイド)であり、ソレノイドコイルに電流を印加することによって、偏心カム56を軸Jzまわりに回転(回動)させることができる。ソレノイドアクチュエーター57の駆動は、駆動制御部3によって制御される。なお、偏心カム56を回転させる駆動手段としては、ソレノイドアクチュエーターに限定されず、例えば、ステッピングモーター等の各種モーターを用いてもよい。
また、ガイドブロック54の−X軸方向側には、ベース2とガイドブロック54との間に挟まれるようにして、ガイドブロック54を+X軸方向に付勢する付勢バネ59が配置されている。付勢バネ59は、コイルバネであり、圧縮された状態でベース2とガイドブロック54との間に配置されている。
本実施形態では、第1のストッパー21から+X軸方向に延出する支持棒23が設けられており、この支持棒23に付勢バネ59が支持されている。また、ガイドブロック54の支持棒23と対向する側面には第1バネ挿入孔544が設けられており、この第1バネ挿入孔544に付勢バネ59の先端部が挿入されている。そして、第1のストッパー21の側面と第1バネ挿入孔544の底面との間に挟まれる格好で付勢バネ59が配置されている。これにより、付勢バネ59の離脱を防止しつつ、安定した状態で配置することができるため、前述した付勢力をより確実に発揮させることができる。なお、ガイドブロック54が−X軸方向に移動した際に、支持棒23がガイドブロック54に干渉しないように、支持棒23は、第1バネ挿入孔544内に侵入されるようになっている。
また、ガイドブロック54の−X軸方向側には、ガイドブロック54の−X軸方向の移動速度を低減(減速)する減速バネ58が配置されている。この減速バネ58は、コイルバネであり、開状態(図3に示す状態)にて、隙間が生じるように、ベース2とガイドブロック54との間に配置されている。このような構成から、ガイドブロック54が開状態から−X軸方向に移動すると、その途中で(すなわち、前記隙間分の距離を移動した直後に)、減速バネ58が第1のストッパー21とガイドブロック54とに挟まれることで収縮を始め、これにより発生する付勢力(反力)によって、ガイドブロック54が減速する。このような減速バネ58を配置することで、ガイドブロック54が第1のストッパー21に当接(衝突)する際の衝撃を和らげることができ、例えば、シャッター部51の揺れを低減することができる。特に、本実施形態のように、ガイドブロック54の移動の途中で減速バネ58を効かせることで、ガイドブロック54(シャッター部51)の反応性や移動速度の低下を極力抑えることができる。
本実施形態では、前述した支持棒23に減速バネ58の基端部が支持されている。より具体的には、支持棒23の途中にはフランジ231が配置されており、このフランジ231よりも先端側に減速バネ58が支持されている。また、減速バネ58は、付勢バネ59よりも先端側(+X軸側)に位置し、付勢バネ59よりも小径である。また、第1バネ挿入孔544の底面には、第1バネ挿入孔544よりも小径の第2バネ挿入孔545が第1バネ挿入孔544と同軸的に設けられており、この第2バネ挿入孔545に減速バネ58の先端部が挿入されている。そして、フランジ231と第2バネ挿入孔545の底面との間に挟まれる格好で減速バネ58が配置されている。これにより、減速バネ58に離脱を防止しつつ、安定した状態で配置することができるため、前述した減速機能をより確実に発揮することができる。
なお、ガイドブロック54が−X軸方向に移動した際に、支持棒23がガイドブロック54に干渉しないように、支持棒23は、第2バネ挿入孔545内に侵入できるようになっている。
また、図7に示すように、支持棒23は、その中心軸Jがレール531とZ軸方向(Z軸方向から見た平面視)で重なるように配置されている。これにより、付勢バネ59や減速バネ58の反力によって、シャッター部51にZ軸まわりの回転振動が生じることを効果的に抑制することができる。
このようなシャッター装置1は、次のようにして駆動する。
すなわち、ソレノイドアクチュエーター57に通電されていない場合は、付勢バネ59によって、ガイドブロック54が第2のストッパー22に押し付けられており、図3および図4に示す開状態に維持される。この状態では、遮蔽板130の開口131が開いているので、イオンビームIBが開口131を通過して、振動素子9に照射される。
一方、開状態の時に、ソレノイドアクチュエーター57に通電して偏心カム56を回転させると、偏心カム56によって回転体55が−X軸方向に付勢される。これにより、ガイドブロック54が第1のストッパー21に当接するまで−X軸方向に移動し、図5および図6に示す閉状態となる。この状態では、シャッター部51によって開口131が閉じられているので、イオンビームIBが振動素子9に照射されない。なお、開状態から閉状態とする時の偏心カム56の回転角は、例えば、60〜80°程度である。
ここで、減速バネ58は、シャッター部51が開口131を覆い始めた後で効き始める(収縮し始める)ようにするのが好ましく、開口131を完全に覆った後で効き始めるようにするのがより好ましい。すなわち、図3ないし図6に示すシャッター装置1について言えば、Z軸方向から見た平面視にて、−X軸方向へ移動し始めたシャッター部51の先端(−X軸方向側の端)が、開口131の+X軸側の端よりも−X軸側に位置した後に減速バネ58が収縮し始めるように構成されているのが好ましく、開口131の−X軸側の端よりも−X軸側に位置した後に減速バネ58が収縮し始めるように構成されているのがより好ましい。これにより、減速バネ58の効果を発揮させつつ、減速バネ58が効いている時間をなるべく短くすることができるので、減速バネ58によるシャッター部51の反応性や移動速度の低下を極力抑えることができる。
また、本実施形態では、偏心カム56によって回転体55を−X軸方向へ付勢することでガイドブロック54を−X軸方向に移動させている。この際、回転体55(外輪552)がZ軸まわりに回転しながら偏心カム56に付勢されるため、回転体55と偏心カム56との間の摩擦が低減され、その分、ガイドブロック54(シャッター部51)を安定して移動させることができ、さらには、その反応性や移動速度の低下を抑えることができる。
なお、開状態から閉状態とするときにソレノイドアクチュエーター57の駆動により発生する推力は、付勢バネ59および減速バネ58の反力の総和よりも大きくなるように設計し、開状態から閉状態への切り替えが阻害されることがないようにする。ここで、偏心カム56は、開状態を基準として、そこから回転角度が大きくなるに連れて、ガイドブロック54を押す推力が大きくなるように設計されている。本実施形態では、ガイドブロック54が移動を開始してからしばらくは、付勢バネ59の反力だけが加わるが、途中からは、付勢バネ59の反力に加えて、減速バネ58の反力が加わるため、上述のように、推力が徐々に大きくなるような偏心カム56の設計とすることで、確実に、開状態から閉状態とすることができる。具体的には、軸Jzと、側面561と回転体55との接点と、中心Oとからなる角をクサビ角θとすると、偏心カム56は、開状態を基準として、回転角が大きくなるに連れて、クサビ角θが狭くなるように構成されている(図3および図5参照)。クサビ角θが狭くなるに連れて、回転体55を−X軸方向に付勢する付勢力が増すため、このような偏心カム56を用いることで、上述した効果を確実に発揮することができる。
また、ソレノイドアクチュエーター57として、自己保持型のソレノイドアクチュエーターを用いる場合、閉状態とした後、内蔵された永久磁石の働きによって、無通電状態でも閉状態を維持することもできる。
以上、シャッター装置1の構成について詳細に説明した。
このような構成を有する32個のシャッター装置1には、リンク52のシャッター保持部523の長さが異なる4種類のシャッター装置1が含まれている。すなわち、32個のシャッター装置1は、図2に示すように、シャッター保持部523の長さが最も短い8つの第1のシャッター装置11と、第1のシャッター装置11よりもシャッター保持部523の長さが長い8つの第2のシャッター装置12と、第2のシャッター装置12よりもシャッター保持部523の長さが長い8つの第3のシャッター装置13と、シャッター保持部523の長さが最も長い8つの第4のシャッター装置14と、で構成されている。
以下、これら、第1〜第4のシャッター装置11〜14の配置について説明するが、前述したように、第1のシャッター装置群1Aと、第2のシャッター装置群1Bとが同様の構成であるため、以下では、第1のシャッター装置群1Aについて代表して説明し、第2のシャッター装置群1Bについては、その説明を省略する。
図2に示すように、第1のシャッター装置群1Aには、第1〜第4のシャッター装置11〜14がそれぞれ4つずつ配置されている。そして、Y軸方向に沿って、第1のシャッター装置11、第2のシャッター装置12、第3のシャッター装置13、第4のシャッター装置14がこの順で繰り返し配置されている。また、第1のシャッター装置群1Aに含まれる全てのシャッター装置1は、シャッター部51の先端がY軸方向に揃うように配置されている。なお、シャッター部51の配設ピッチ(中心間距離)としては、特に限定されないが、例えば、1mm〜2mm程度とされる。
このような配置とすることで、図8に示すように、各シャッター装置1の機構部1’(直動ガイド53、ガイドブロック54、回転体55、偏心カム56、ソレノイドアクチュエーター57、減速バネ58、付勢バネ59の集合体)を規則的にX軸方向およびY軸方向にそれぞれ分散させて配置することができる。
具体的には、X軸方向に関して言えば、第1〜第4のシャッター装置11〜14のシャッター保持部523の長さが異なっていることから、第1のシャッター装置11の機構部11’(1’)と、第2のシャッター装置12の機構部12’(1’)と、第3のシャッター装置13の機構部13’(1’)と、第4のシャッター装置14の機構部14’(1’)と、がX軸方向にずれて配置されている。一方、Y軸方向に関して言えば、隣り合う第1のシャッター装置11の間に、3つのシャッター装置1(12、13、14)が位置しているため、4つの第1のシャッター装置11の機構部11’(1’)は、互いに、Y軸方向に十分に離間して配置されている。第2、第3、第4のシャッター装置12、13、14についても同様である。
このように、本実施形態によれば、各シャッター装置1の機構部1’を規則的にX軸方向およびY軸方向にそれぞれ分散させて配置することができるため、各機構部1’を配置するためのスペースを十分に確保することができ、各シャッター装置1のシャッター部51を狭ピッチで配置することができる。言い換えると、シャッター部51を狭ピッチで配置しても、各シャッター装置1の機構部1’を配置するスペースを十分に確保することができる。そのため、例えば、同じ大きさのシャッター装置集合体10であれば、より多くのシャッター装置1を配置することができ、同じ数のシャッター装置1を有するシャッター装置集合体10であれば、その小型化を図ることができる。
ここで、本実施形態のベース2は、複数に分割されており、これらが、枠状のフレーム8に着脱可能に固定されている。具体的には、ベース2は、図2に示すように、Y軸方向に延在する第1のベース(第1支持部)2A、第2のベース(第2支持部)2B、第3のベース(第3支持部)2Cおよび第4のベース(第4支持部)2Dを有し、これら第1〜第4のベース2A〜2DがX軸方向に並んで、ネジ止め等によってフレーム8に取り付けられている。また、第1〜第4のベース2A〜2Dは、互いにX軸方向に離間して配置されている。
これら第1〜第4のベース2A〜2Dのうち、第1のベース2Aは、各第1のシャッター装置11を支持し、第2のベース2Bは、各第2のシャッター装置12を支持し、第3のベース2Cは、各第3のシャッター装置13を支持し、第4のベース2Dは、各第4のシャッター装置14を支持している。このように、第1〜第4のシャッター装置11〜14を、それぞれ、異なるベース2に固定することで、メンテナンス性が向上する。例えば、第1のベース2Aをフレーム8から取り外せば、それとともに、4つの第1のシャッター装置11が取り外される。取り外した状態では、4つのシャッター部51が互いに広く離間しているため、すなわち、隣り合う第1のシャッター装置11のシャッター部51の間に、第2、第3、第4のシャッター装置のシャッター部51が存在していないため、例えば、シャッター部51の交換を簡単に行うことができる。第2、第3、第4のベース2B、2C、2Dについても、順に行うことで、全てのシャッター部51を簡単に交換することができる。
特に、前述したように、第1〜第4のベース2A〜2Dが、互いにX軸方向に離間して配置されているため、各ベース2A〜2Dを取り外し易い。また、熱膨張による干渉を防ぐことができるため、例えば、各機構部1’に不要な応力が加わってしまうことを低減することができる。
このようなベース2(2A〜2D)は、例えば、耐エッチング性に優れる炭素、チタン等を構成材料として構成されている。また、ベース2は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、マンガン、アルミニウム、マグネシウム等の各種金属、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金または金属間化合物、さらには、これらの金属の酸化物、窒化物、炭化物等で構成された本体の表面に、耐エッチング性に優れるDLC(ダイアモンドライクカーボン)膜を形成した構成とすることもできる。
ベース2をこのような構成とすることにより、イオンビームIBによるベース2の損傷を効果的に抑制することができる。なお、ベース2がイオンビームIBと接触せず、ベース2に耐エッチング性が要求されない場合には、ベース2は、例えば、前述した金属材料等により構成されていてもよい。
冷却手段4は、フレーム8の下側に設けられている。この冷却手段4は、各シャッター装置1のソレノイドアクチュエーター57を冷却するために設置されている。ソレノイドアクチュエーター57は、一般的に、昇温によって駆動効率(動作速度)が変動することが知られており、このような駆動効率の変動が生じると、偏心カム56の回転速度が変化して、ガイドブロック54(シャッター部51)の反応性や移動速度を一定に保つことが困難となる。特に、周波数調整装置100では、イオンガン120からの熱(通常、250°程度)によって、ソレノイドアクチュエーター57が熱的に苛酷な環境に曝されるため、冷却手段4を設けることで、上述したような問題を解消(緩和)し、ガイドブロック54(シャッター部51)の反応性や移動速度を一定に保つことができる。
図8に示すように、冷却手段4は、フレーム8の下側に配置され、内部に流路411が形成されている本体部41を有し、この流路411内に冷却水Wを循環させることで、ソレノイドアクチュエーター57を冷却するように構成されている。このような構成によれば、冷却手段4の構成が簡単なものとなる。なお、冷却手段4は、ソレノイドアクチュエーター57の温度(周囲の温度)に関係なく、冷却水Wを一定の速度で流路411内を循環させてもよいが、例えば、ソレノイドアクチュエーター57の温度を検知しながら、その温度が所定温度範囲内に維持されるように、冷却水Wの速度を変化させてもよい。これにより、ガイドブロック54(シャッター部51)の反応性や移動速度をより一定に保つことができる。なお、冷却手段4としては、ソレノイドアクチュエーター57を冷却することができれば、特に限定されず、例えば、冷却ガスをソレノイドアクチュエーター57に吹き付けるような構成となっていてもよい。
駆動制御部3は、各シャッター装置1のソレノイドアクチュエーター57を独立して駆動する。また、駆動制御部3は、各シャッター装置1のガイドブロック54の開状態から閉状態となる際の移動速度が等しくなるように、各シャッター装置1のソレノイドアクチュエーター57に印加する電流値を調整している。例えば、同じ大きさの電流を各ソレノイドアクチュエーター57に印加しても、レール531とスライダー532との間の摺動抵抗や、シャッター部51、リンク52、ガイドブロック54および回転体55の重量や、減速バネ58および付勢バネ59のバネ定数等の個体差によって、シャッター装置1毎に、開状態から閉状態とする際のシャッター部51の移動速度(言い換えると、開状態から閉状態とするのにかかる時間T)が異なる場合がある。シャッター装置1毎に移動速度(時間T)が異なっていると、各振動素子9の周波数調整の精度(誤差)にバラつきが生じ、周波数調整の歩留まりが悪くなるおそれがある。
そこで、駆動制御部3は、時間Tが各シャッター装置1間でほぼ一定となるように、ソレノイドアクチュエーター57毎に印加する電流値Aを定めている。これにより、各振動素子9の周波数調整の精度(誤差)のバラつきが無くなり、周波数調整の歩留まりが高くなる。なお、経年劣化(例えば、シャッター部51の劣化による質量減、直動ガイド53の摺動抵抗の増加等)によって、各シャッター装置1における時間Tが変化するため、電流値Aの調整は、定期的に行うことが好ましい。
なお、駆動制御部3が行う、各シャッター装置1のガイドブロック54の開状態から閉状態となる際の移動速度の調整は、上記の電流値の調整に限定されず、電圧値制御またはシャッター移動時間(オフセット)制御により行ってもよい。
以上、周波数調整装置100について説明した。このような周波数調整装置100によれば、次のような効果を発揮することができる。
まず、シャッター部51を偏心カム56の回転運動によってX軸方向に移動させているため、起動トルク(推力)が安定して、シャッター部51の動作が安定する。したがって、前述した時間Tのずれが少なく、振動素子9の周波数を優れた制度で調整することができる。また、シャッター部51が安定して移動するため、振動も少なく、例えば、シャッター部51が隣のシャッター部51にぶつかることもないため、シャッター部51の破損を防止することができる。また、例えば、リニア型のソレノイドアクチュエーターのような直動運動でシャッター部51を動かす場合と比較して、装置の小型化を図ることができる。
また、シャッター部51をX軸方向に直動的に案内(誘導)する手段として、直動ガイド53を用いているため、シャッター部51をより精度よくX軸方向に直動的に案内することができる。そのため、シャッター部51のY軸方向への位置ずれが低減され、開口131を確実に覆うことができる。また、隣のシャッター部51にぶつかることもないため、シャッター部51の破損を防止することができる。したがって、閉状態の開口131からイオンビームIBが漏れることを防止でき、振動素子9が不本意にエッチングされてしまうのを防止できる。その結果、振動素子9の周波数を優れた制度で調整することができる。特に、直動ガイド53として、ボール533の転がり運動を利用した直動ベアリングを採用したことで、直動ガイド53の摺動抵抗をより効果的に低減することができ、シャッター部51の反応性および移動速度を高めることができる。また、経時的な摩耗劣化を抑えることができるので、長期的に、より速く、精度よく、シャッター部51をX軸方向に案内することができる。
また、本実施形態では、シャッター部51を動かす駆動手段としてソレノイドアクチュエーター57を用いている。これにより、駆動手段の構成が簡単なものとなる。また、ソレノイドアクチュエーター57は、反応性が高いため、振動素子9の周波数をより精度よく調整することができる。
特に、本実施形態では、ソレノイドアクチュエーター57の駆動によって、開状態から閉状態としている。前述したように、ソレノイドアクチュエーター57は、反応性が高く。また、その反応性もほぼ一定であるため、より短時間で、かつ、決まった時間で開状態から閉状態に切り替えることができる。そのため、振動素子9が所定の共振周波数となった際に、イオンビームIBを素早くかつ所定時間で遮断することができ、すなわち、開口131を閉状態とする命令を出した時刻と、開口131が実際に閉状態となった時刻との時間差をより短くかつ一定にすることができ、振動素子9の周波数をより精度よく調整することができる。
また、本実施形態では、付勢バネ59によって、閉状態から開状態としている。これにより、シャッター装置1の省電力駆動を実現することができる。すなわち、例えば、閉状態から開状態とする場合も、ソレノイドアクチュエーター57の駆動力を用いる場合と比較して、省電力で開状態と閉状態とを切り替えることができる。加えて、ソレノイドアクチュエーター57の駆動時間を短くすることができる分、ソレノイドアクチュエーター57の発熱を低減でき、前述したような問題(昇温による駆動能力の低下)を低減することができる。
ただし、本実施形態とは逆に、付勢バネ59で開状態から閉状態とし、ソレノイドアクチュエーター57で閉状態から開状態としてもよい。
また、本実施形態では、減速バネ58を設けているため、ガイドブロック54が第1のストッパー21に当接(衝突)する際の衝撃を和らげることができる。そのため、シャッター部51の揺れを低減することができ、開口131をより確実に塞ぐことができる。すなわち、シャッター部51が揺れることによって、閉状態にもかかわらず、開口131に隙間が生じてしまうことを防止することができる。特に、前述したように、減速バネ58が、シャッター部51が開口131を覆い始めた後で効き始める(収縮し始める)ことで、シャッター部51の反応性や移動速度の低下を極力抑えることができる。なお、このような減速バネ58は、省略してもよく、その場合は、第1のストッパー21のガイドブロック54と当接する箇所に、ゴム材、発泡体等のような比較的柔らかい弾性層(衝撃緩和層)を配置することが好ましい。
2.周波数調整方法
次に、周波数調整装置100を用いた振動素子9の周波数調整方法について簡単に説明する。
周波数調整装置100による振動素子9の周波数調整は、1つのシャッター装置1の直上に1つの振動素子9が位置するように、複数の振動素子9をステージ140に載置した状態でチャンバー110内に配置し、チャンバー110内を減圧状態とした状態にて行われる。また、周波数調整装置100による振動素子9の周波数調整は、各振動素子9の共振周波数を連続的に検知しながら行われ、この検知結果は、リアルタイムに駆動制御部3に送信される。
まず、各シャッター装置1を駆動させて、各開口131を閉状態とする。次に、イオンガン120をONとし、イオンビームIBを上方に向けて発射する。そして、イオンビームIBが安定するまで、各開口131を閉状態としたまま放置する。次に、各シャッター装置1を駆動させて、各開口131を開状態とする。各開口131を開状態とすると、開口131を通過してイオンビームIBが各振動素子9に照射され、振動素子9の一部、より具体的には電極の一部が除去され、これに伴う振動素子9の質量の減少によって、振動素子9の共振周波数が徐々に上昇する。次に、共振周波数が所定の周波数となった振動素子9から順に、速やかに、それに対応するシャッター装置1を駆動させて開口131を閉状態とする。以上の工程によって、振動素子9の共振周波数の調整が終了する。
なお、前述したように、開口131を閉状態とする命令を出した時刻と、開口131が実際に閉状態となった時刻とに僅かながら時間差が生じる。そのため、この時間差を考慮して、開口131を閉状態とするタイミングを補正してもよい。すなわち、所定の周波数よりも僅かに低い段階で、閉状態とする命令を出してもよい。
以上、本発明の周波数調整装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、イオンビームによって振動素子の質量を減少させることにより振動素子の共振周波数を変更する方法について説明したが、質量調整部の構成としては、これに限定されず、例えば蒸着によって金属粒子を振動素子に付着させ、振動素子の質量を増加させることにより、振動素子の共振周波数を変更してもよい。
1……シャッター装置 1’……機構部 1A……第1のシャッター装置群 1B……第2のシャッター装置群 11……第1のシャッター装置 11’……機構部 12……第2のシャッター装置 12’……機構部 13……第3のシャッター装置 13’……機構部 14……第4のシャッター装置 14’……機構部 2……ベース 2A……第1のベース 2B……第2のベース 2C……第3のベース 2D……第4のベース 21……第1のストッパー 22……第2のストッパー 23……支持棒 231……フランジ 27……切り欠き 3……駆動制御部 4……冷却手段 41……本体部 411……流路 51……シャッター部 52……リンク 521……支持部 522……連結部 523……シャッター保持部 53……直動ガイド 531……レール 532……スライダー 533……ボール 54……ガイドブロック 544……第1バネ挿入孔 545……第2バネ挿入孔 546……軸 55……回転体 551……内輪 552……外輪 553……ボール 56……偏心カム 561……側面 569……ストッパー 57……ソレノイドアクチュエーター 58……減速バネ 59……付勢バネ 8……フレーム 9……振動素子 10……シャッター装置集合体 100……周波数調整装置 110……チャンバー 120……イオンガン 130……遮蔽板 131……開口 140……ステージ IB……イオンビーム J……中心軸 Jz……軸 W……冷却水 P……ピン

Claims (11)

  1. 振動素子を載置する載置部と、
    前記振動素子の質量を調整する質量調整源と、
    シャッター装置と、
    を有し、
    前記シャッター装置は、第1軸方向に往復移動可能であって、前記載置部に載置されている前記振動素子と前記質量調整源との間に設けられているシャッター部と、
    前記第1軸方向と交わる回転軸を有し、前記シャッター部を付勢するカムと、
    前記カムを前記回転軸まわりに回転させることで前記シャッター部を前記第1軸方向に移動させる駆動手段と、
    を備え、
    前記シャッター部を移動させることで、前記質量調整源による振動素子の質量調整を許容する開状態と、前記質量調整源による振動素子の質量調整を阻止する閉状態と、を切り替えることを特徴とする周波数調整装置。
  2. 前記シャッター装置は、前記シャッター部を前記第1軸方向に誘導する直動ガイドを有し、
    前記直動ガイドは、前記第1軸方向に延在するレールと、前記レールに摺動可能に設けられているスライダーと、を備えている請求項1に記載の周波数調整装置。
  3. 前記シャッター装置は、
    前記カムと当接し、前記カムとの摩擦を低減する摩擦低減部を有している請求項2に記載の周波数調整装置。
  4. 前記摩擦低減部は、前記カムの回転軸と平行な軸まわりに回転可能な回転体を有している請求項3に記載の周波数調整装置。
  5. 前記回転体は、前記スライダーの平面視にて、少なくとも一部が前記スライダーと重なっている請求項4に記載の周波数調整装置。
  6. 前記カムは、前記回転軸とは異なる位置に中心を有する円の円周に沿って設けられている円弧状の側面を有し、前記側面が前記摩擦低減部と当接している請求項3ないし5のいずれか1項に記載の周波数調整装置。
  7. 前記駆動手段は、前記シャッター部を前記第1軸方向の一方側へ移動させて、前記開状態から前記閉状態とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の周波数調整装置。
  8. 前記開状態から前記閉状態とする際の前記シャッター部の速度を低減する減速手段を有している請求項7に記載の周波数調整装置。
  9. 前記シャッター部によって開閉される開口を有し、
    前記開状態は、前記開口が開いた状態であり、
    前記閉状態は、前記開口が前記シャッター部によって覆われている状態であり、
    前記減速手段は、前記シャッター部が前記開口を覆い始めた後に作動する請求項8に記載の周波数調整装置。
  10. 前記第1軸方向に交差する第2軸方向に配列されている複数の前記シャッター装置を有している請求項1ないし9のいずれか1項に記載の周波数調整装置。
  11. 前記質量調整部は、イオンビームを発射するイオンガンである請求項1ないし10のいずれか1項に記載の周波数調整装置。
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