JP2015122500A - 窒化物系発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化物系発光装置の内部効率を向上させる。
【解決手段】窒化物系発光装置は、n型半導体層と、第一のp型半導体層と、活性領域と、上記活性領域と上記第一のp型半導体層との間に配置されたAlGaInNを有するともに、少なくとも上り勾配層及び下り勾配層を有する電子ブロッキング領域と、を備える。上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって増加し、上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって減少する。上記窒化物系発光装置は、発光ダイオード、または、レーザーダイオードであっても良い。
【選択図】図3

Description

本発明は、発光装置の技術分野、特に、発光装置の光出力効率の改良に関する。
液晶表示装置用のバックライト・ユニット、自動車のヘッドランプ、あるいは、一般照明を含む幅広い応用装置にとって、発光ダイオード(LED)は重要な構成要素である。例えば、III族窒化物半導体をベースにした青色及び緑色のLEDは、これらの応用装置に幅広く使用されている。しかしながら、このようなLEDには、この技術分野で一般に「効率低下」(”efficiency droop”)と呼ばれる現象によって引き起こされる、高電流注入において性能が劣化するという悩みが依然存在する。
標準のLED構造は、電子供給層(例えば、一般のn型半導体)、ホール供給層(例えば、p型半導体)、及び、活性領域(例えば、単一または多重量子井戸を含む発光領域)を含んでいる。多重量子井戸構造は、量子井戸と量子バリヤを含んでいる。注入された電子が活性領域から漏れ出ることが、効率低下の原因の一つである可能性があると、文献で報告されている。この現象を抑制するために、窒化アルミニウム・ガリウム製の電子ブロッキング層(EBL:Electron Blocking Layer)が、通常、活性領域と、ホール供給層との間に配置される。そして、大きなエネルギ・バンドギャップを有するEBLは、活性領域から漏れる電子をできるだけ多く制限するのに好ましい。しかしながら、大きなエネルギ・バンドギャップ、つまり、アルミニウムの組成比が高いEBLは、GaNとAlGaN間の格子のミスマッチのせいで、高品質の材料で作製するのは困難である。さらに、c面での窒化物ヘテロ接合における内部分極場、特に、活性領域の最後尾の量子バリヤとEBL間の界面における内部分極場、また、EBLとホール供給層間の界面における内部分極場によって、アルミニウムの組成が大きいEBLは、バンドがひどく曲がってしまう(図1に示す通り)。そして、これらの界面における価電子帯にはスパイクが発生し、これは活性領域内にホールが効率良く注入されるのを妨げる。
したがって、ホール注入に対する内部分極場の影響を軽減し、材料の品質を改良する一方で、EBL内のアルミニウムの組成を高めることが望ましく、これによって、III族窒化物LEDの光出力が向上する。
活性領域とEBL間の界面における内部分極場の影響を軽減する手法として、EBLの組成に勾配を付け、価電子帯のスパイクを減らすことが公知である。この手法は特許文献1に記載されている。これが教示していることは、EBLの活性領域側から、アルミニウムの組成を連続的に、または、離散的に勾配を付けることによって、価電子帯のスパイクが減少し、これによって、ホール注入が改善するということである。しかしながら、この特許では、EBLは、活性領域の最後尾の量子井戸の上に直接成長させる。この特定のケースでは、価電子帯のスパイクが最後尾の量子井戸とEBL間に存在するとしても、このスパイクは量子井戸内にあり、ホールはこの量子井戸内に蓄積する。
そして、キャリヤの再結合効率に対するこのような価電子帯のスパイクの影響は限定的である。さらに、量子井戸とEBL間の成長条件(成長温度等)が異なるために、活性領域の最後尾の量子井戸の上に直接、EBLを成長させることは困難である。量子井戸に接触するこのようなEBL層を有する結果として、この量子井戸のインジウム組成が大きく影響を受けることになる。そして、EBLの活性領域側の価電子帯内のスパイクを除去するのと同時に、活性領域の最後尾の量子井戸とEBL間にバリヤ層を有することが推奨されている。電子ブロッキング層が存在するにも関わらず、LEDの活性領域内へのホール注入を改善する他の手法は、EBLのp型層側におけるEBLの組成に勾配を付けることである。この手法は特許文献2に記載されている。これが教示していることは、EBLのp型ホール供給層側から、アルミニウム組成に連続的な勾配を付けることによって、分極ドーピングを起こすことが可能で、これによって、マグネシウム・ドーピングのみを用いたときよりも、高いホール濃度が達成されるということである。選択肢として、マグネシウム・ドーピングの代わりに分極ドーピングによりホールを生成することが可能である。
特許第5083817号公報 国際公開2006/074916号公報
しかしながら、分極ドーピングによってホールを生成するためには、EBLの厚さは、この特許出願に記載されているように、一般に100nmより大きくなければならない。GaNとAlGaN間に格子のミスマッチがあるため、応力緩和による結晶品質の劣化をもたらすことなく、標準のLED構造内にこのような大きなEBLを成長させることは困難である。これが、EBLの組成にインジウムを含ませて、応力緩和を避けるのを推奨する理由である。しかしながら、EBL内にインジウムを含ませるには、商用の近紫外、青色、及び緑色のLED内に、一般のAlGaN EBLを成長させるのに通常使用される温度よりも低い温度を使用することが必要である。低いEBL成長温度を使用する結果、結晶の品質が低下して、最終的にLEDの性能に影響を及ぼすことになる。したがって、商用レベルの近紫外、青色、及び緑色のLEDを作製するに当たり、インジウムを単に含ませることは適切ではない。
従来のLEDの上記欠点に鑑みて、本発明の目的は、高効率のLEDを提供することによって上記問題に対処することであり、EBLが高いアルミニウムの組成比を有し、これによって、ホールの注入効率を犠牲にすることなく、電子の漏れが軽減される。
上記目的を達成するために本発明の一の局面による窒化物系発光装置は、多重量子井戸活性領域と、電子ブロッキング層とを含み、上記電子ブロッキング層のアルミニウム組成が、上記電子ブロッキング層の両側で勾配が付けられている。
本発明の一つの局面では、上記窒化物系発光装置は(Al、In、Ga)N材料系で作製される。
本発明の他の局面では、上記電子ブロッキング層は、例えば、AlxGa1-xN、または、InxAlyGa1-x-yNでも良い。
本発明は、活性領域から注入電子が漏れるのを軽減することによって、半導体LEDの内部効率を向上させる。
基準LEDのバンド構造を示す。 本発明の実施形態による発光装置の断面図である。 本発明の実施形態によるものであって、図2に示す電子ブロッキング領域の断面図である。 本発明の実施形態によるものであって、図2に示す他の電子ブロッキング領域の断面図である。 基準LEDのバンド構造、及び、本発明の実施形態によるものであって、図4に示す電子ブロッキング領域の第一例を示す。 基準発光装置のIV特性、及び、本発明の実施形態によるものであって、図4に示す電子ブロッキング領域を有する発光装置のIV特性をグラフで示す。 基準発光装置の内部量子効率、及び、本発明の実施形態による、図4に示す電子ブロッキング領域を有する発光装置の内部量子効率をグラフで示す。 本発明の実施形態による電子ブロッキング領域内の最大アルミニウム組成比の異なる値に対する、50A/cmの電流密度における正規化された内部量子効率を示す。 本発明の実施形態による電子ブロッキング領域の上り勾配層の異なる厚さに対する、50A/cmの電流密度における正規化された内部量子効率をグラフで示す。 本発明の実施形態による電子ブロッキング領域の上り勾配層、及び、下り勾配層の異なる厚さに対する、50A/cmの電流密度における正規化された内部量子効率をグラフで示す。 本発明の実施形態によるものであって、図8Aに示す電子ブロッキング領域のためのバンド構造を示す。 本発明の実施形態による電子ブロッキング領域の上り勾配層、及び、中間層の異なる厚さに対する、50A/cmの電流密度における動作電圧をグラフで示す。 本発明の実施形態によるものであって、図2に示す他の電子ブロッキング領域の断面図である。 本発明の実施形態によるものであって、図2に示す他の電子ブロッキング領域の断面図である。 本発明の実施形態によるものであって、図2に示す他の電子ブロッキング領域の断面図である。 本発明の実施形態による発光ダイオードの断面図である。 本発明の実施形態による発光ダイオードの平面図である。 本発明の実施形態による発光ダイオードのバンド図である。
本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明の装置は、技術分野で公知である任意の適切な手段で、かつ、任意の適切な基板上に成長させて良く、限定されないが、c面、a面、m面、r面、及び、他の面等のサファイア、(111)面及び(100)面等のシリコン、c面、a面、m面、r面、及び、他の面等のGAN、または、様々な面を有するSiCを含んでいる。c面サファイアから0.35度、または、c面GaNから2度傾斜したようなオフアングル基板を使用しても良い。基板の面は平坦、または、パターンを形成しても良い。
本発明の実施形態を、図2を参照して説明する。図2は(Al、In、Ga)N材料系で作製された発光ダイオードの概略を示し、サファイア基板201、サファイア基板201上に配置されたn型(Al、In、Ga)N層202、n型層202上に配置された発光領域203、発光領域203上に配置された(Al、In、Ga)N電子ブロッキング層204、及び、第一のp型(Al、In、Ga)N層205を含んで良い。
ここで使用しているように、発光装置の発光領域は、多数と少数の電子的キャリヤ(例えば、ホールと電子)が再結合して光を生成する領域を指す。一般に、活性領域は量子井構造を含むことが可能で、量子井戸の総数は少なくとも1個、より好ましくは2個以上、より好ましくは6個以上で、かつ、好ましくは20個以下、より好ましくは14個以下であり、上記量子井戸層は(Al、In、Ga)N材料系で作製される。
電子ブロッキング層204はアンドープとされてもよいが、p型としてマグネシウムをドープするのが好ましい。
一般に、本発明の一局面はIII族窒化物系発光装置である。実施形態では、上記装置は、n型半導体層と、第一のp型半導体層と、活性領域と、上記活性領域と上記第一のp型半導体層との間に配置されたAlGaInNを有するとともに、少なくとも上り勾配層ならびに下り勾配層を有する電子ブロッキング領域と、を備える。上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって増加し、上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって減少する。上記窒化物系発光装置は、発光ダイオード、または、レーザーダイオードであっても良い。
この発明の第一実施形態によるものであって、図3に示す3層を有する電子ブロッキング層204の一例では、上り勾配層301、上記上り勾配層301上に配置された中間層302、及び、上記中間層302上に配置された下り勾配層303を含んで良い。中間層302が存在するので、大量生産による上記電子ブロッキング領域の最大アルミニウム組成は安定している。
この例では、上記電子ブロッキング領域204の3層301、302、及び、303は、限定はされないが、AlxInyGa1-x-yNを含み、0<x≦1かつ0≦y<1である。特に、広いバンドギャップを維持するために、In組成は、例えば、0≦y<0.05と小さいほど好ましく、このような場合、ほぼAl組成xには上記層のバンドギャプが対応する。さらに、この例では、上記電子ブロッキング領域204の3層301、302、及び、303はすべて同じ厚さを有する。しかしながら、上記3層301、302、及び、303は異なる厚さを有しても良い。
上記電子ブロッキング領域204の各層の組成を、この発明の第一実施形態にしたがって、図3及び図3のアルミニウム組成プロフィール304を参照して説明する。
上記上り勾配層301はAlxInyGa1-x-yNで作製され、上記上り勾配層301のアルミニウム組成比xは、成長方向に沿って、上記発光領域203と、上記電子ブロッキング領域204の上り勾配層301との間の界面における最小値から、上記上り勾配層301と、上記電子ブロッキング層204の中間層302との間の界面における最大値まで、直線的に変化する。
上記中間層302はAlxInyGa1-x-yNで作製され、上記中間層302のアルミニウム組成比は、一定か、または、ほぼ一定である。本発明の第一実施形態では、上記中間層302のアルミニウム組成比の値は、上記上り勾配層301の最大アルミニウム組成比の値と同じである。
そして、上記下り勾配層303はAlxInyGa1-x-yNで作製され、上記下り勾配層303のアルミニウム組成比xは、成長方向に沿って、上記中間層302と、上記電子ブロキッキング領域204の下り勾配層303との間の界面における最大値から、上記電子ブロッキング層204の下り勾配層303と、上記第一のp型(Al、In、Ga)N層205との間の界面における最小値まで、直線的に変化する。本発明のこの第一の実施形態では、上記下り勾配層303の最大アルミニウム組成比の値は、上記中間層302のアルミニウム組成比の値と同じである。
各層におけるアルミニウム組成の組成変化をさらに図示するために、図3は、上記電子ブロッキング領域204内のアルミニウム組成プロフィールも示している。
本発明の第二の実施形態では、上記電子ブロッキング領域204の中間層302は厚さ0nm、つまり、上記電子ブロッキング領域は、2つの層301と303しか有していない。上記電子ブロッキング領域204の2つの層301と302内のアルミニウム組成は、第一の実施形態で説明したのと同じである。上記電子ブロッキング領域構造204と、上記第二の実施形態の各アルミニウム組成プロフィール401を図4に示す。
上記電子ブロッキング領域204の各層内のこのような組成プロフィールは、電導帯のプロフィールと価電子帯のプロフィールに影響を及ぼす。図5は、図2に類似した基準LEDのシミュレーション結果と、(電子ブロッキング領域204はAlxGa1-xNの単一層で形成されているのだが、)この第二の実施形態で説明して図4に示す電子ブロッキング層を有するLED構造のシミュレーション結果とを比較している。この例では、基準LEDの電子ブロッキング領域におけるアルミニウム組成比は0.22と一定で、上記電子ブロッキング領域の厚さは18nmである。また、この例では、この発明の範囲を限定することはないが、この発明に係るLEDの上記電子ブロッキング領域204の上り勾配層301におけるアルミニウム組成比は、0から0・3まで直線的に傾斜し、上記電子ブロッキング領域の下り勾配層303におけるアルミニウム組成比は、0.3から0まで直線的に傾斜している。両層の厚さは9nmで、この発明に係るLEDの上記電子ブロッキング領域の全厚は18nmである。図5に示すシミュレーション結果に対して、上記基準LEDと、この発明に係るLED双方の他の構造パラメータについては、例えば、上記第一のp型層205は、3.00×1019cm-3のp型ドーパント濃度を有する80nmのGaNで作製され、上記電子ブロッキング領域204は1.00×1019cm-3のp型ドーパント濃度を有し、上記活性領域203は、4nm厚のGaNバリヤ層によって分割された、8個の3.5nm厚のIn0.15Ga0.85N量子井戸を備えている。この特定の例では、上記基準LEDからの出射波長と、この発明に係るLEDからの出射波長は、およそ450nmである。
特に、図5の下部を参照する。図5の下部は、標準LEDの価電子帯503とホールフェルミ準位504、ならびに、この第二の実施形態(図4に示す)によるLED構造の価電子帯507とホールフェルミ準位508を示す。標準LEDの上記電子ブロッキング層204に関連する価電子帯503は、活性領域203の最後尾のGaNバリヤと、上記電子ブロッキング層204との間の界面、ならびに、電子ブロッキング層204と、上記LEDの第一のp型GaN層205との間の界面において、夫々、2個のスパイク509と510を示している。これら2個のスパイクは、AlGaN電子ブロッキング層と、上記GaN層との間の分極場(”polarisation field”)における差異によって引き起こされる。
efficiency droop により効率低下が見える電流密度に対応する50A/cm2の同様の注入電流では、高いアルミニウム組成にもかかわらず、この第二の実施形態(図4に示す)によるLED構造の電子ブロッキング領域204の価電子帯プロフィール507には、上記の基準LED構造が示すようなスパイクが見えない。そして、この実施形態によるLEDの電子ブロッキング層のアルミニウム組成比は0.3に達し、基準LEDの電子ブロッキング層内のアルミニウム組成比は0.22であるが、ホール注入はこれらのスパイクの存在によって制限されることはなく、また、この第二の実施形態によるLED構造の動作電圧は、上記基準LEDの動作電圧と同様である。これは、両LED構造のIV特性に関するシミュレーション結果を示す図6Aに図示されている。
さらに、図5の上部を参照する。図5の上部は、上記標準LEDの価電子帯501とホールフェルミ準位502、ならびに、この第二の実施形態(図4に示す)によるLED構造の価電子帯505とホールフェルミ準位506を示す。上記電子ブロッキング領域内のアルミニウム組成比の最大値は、上記基準LEDよりも、図4の実施形態のほうが大きいので、伝導帯505内の電子のエネルギ・バリヤは、上記標準LED501よりも大きい。結果的に、電子漏れは軽減され、内部量子効率(IQE:Internal Quantum Efficiency)は向上する。これは図6Bに示す。図6Bは上記標準LEDのIQEのシミュレーション結果と、この第二の実施形態で説明しているLEDのIQEのシミュレーション結果とを表している。本発明の第二の実施形態で説明しているLED構造のIQEは、約1A・cm-2より大きな電流密度のとき、上記標準LED構造より高く、また、効率低下(”efficiency droop”)が小さいことも示している。
図4に示すように、この第二の実施形態における特定の構造を用いて本発明を説明したが、本発明の主旨または範囲を逸脱することなく、この構造の変形例が可能であることは、当業者には明らかである。
例えば、電子ブロッキング領域204の上り勾配AlxInyGa1-x-yN層301の最小アルミニウム組成比の値を0と異ならせ、かつ、下り勾配層303の最小値と異ならせることが可能であり、これも0と異ならせることが可能である。同様に、上り勾配層301のアルミニウム組成比の最大値を、下り勾配層303の最大アルミニウム組成比の値と異ならせることが可能である。
電子ブロッキング領域204の上り勾配AlxInyGa1-x-yN層301のアルミニウム組成比の最小値は、限定はされないが、0≦x<1で良く、より好ましくは、0≦x≦0.1、より好ましくは、x=0である。同様に、電子ブロッキング領域401の下り勾配AlxInyGa1-x-yN層303のアルミニウム組成比の最小値は、限定はされないが、0≦x<1で良く、より好ましくは、0≦x≦0.1、より好ましくは、x=0である。
電子ブロッキング領域204の上り勾配AlxInyGa1-x-yN層301のアルミニウム組成比の最大値は、限定はされないが、0<x≦1で良く、より好ましくは、0.2≦x≦0.5、より好ましくは、0.28≦x≦0.4である。同様に、電子ブロッキング領域204の下り勾配AlxInyGa1-x-yN層303のアルミニウム組成比の最大値は、限定はされないが、0<x≦1で良く、より好ましくは、0.2≦x≦0.5、より好ましくは、0.28≦x≦0.4である。図7は、第二の実施形態(図4)の例で説明しているLEDの、電流密度50A/cm2(最大アルミニウム組成比0.4でのIQE値に正規化されている)におけるIQEのシミュレーション結果を、電子ブロッキング領域204の上り勾配層及び下り勾配層内のアルミニウム組成比の最大値の関数として示している。IQE、及び、結果としてのLED出力は、上記電子ブロッキング領域の最大アルミニウム組成比が増加するとき増加する。特に、最大アルミニウム組成比が0.3に達すると、IQE値は飽和し始め、そして、この特定例では、0.4より大きな最大アルミニウム組成比において飽和に達する。そして、最大効率を実現するために(つまり、図7において、少なくとも80%の正規化IQEを実現すること)、上記電子ブロッキング領域204の上り勾配及び下り勾配AlxInyGa1-x-yN層のアルミニウム組成比の最大値が、例えば、0.28≦x≦0.4であることが望ましい。さらに一般的には、上記電子ブロッキング領域の最大アルミニウム組成比が0.2より低ければ、深刻な電子漏れを防止するのに十分な高さのエネルギ・バリヤを提供できず、また、0.5より高い値であれば、上記電子ブロッキング領域の結晶品質を劣化させることなく実験的に実現するのは困難であるが、これは、GaNとAlxGa1-xN(x>0.5)間の格子ミスマッチが大きいためである。また、上記電子ブロッキング領域内のアルミニウム組成比の値が0.5より大きいと、マグネシウム・ドーピングの活性エネルギを大幅に低下させるかも知れず、これにより、動作電圧が大きく上昇することになる。
この特定例で説明している上記電子ブロッキング領域のアルミニウム組成値の好適な範囲は、標準の青色発光の窒化物系LED構造に匹敵するが、スペクトルの紫外領域で出射し、例えば、AlGaN基板、または、AlGaNホール供給層を使用するLED構造、及び、スペクトルの緑領域で出射し、青色LEDと比較してIn含有量が高い井戸層を使用するLED構造等の他のLED構造では、これらの範囲は異なる可能性があることは、当業者には明らかである。
第二の実施形態の例では、上り勾配層301の厚さは、上記電子ブロッキング領域204の下り勾配層303の厚さに等しいが、上り勾配層301の厚さを、下り勾配層303の厚さと異ならせることは可能である。電子ブロッキング領域204の2層の各厚さがIQEに与える効果を図8を参照して説明する。この特定例では、最小アルミニウム組成比は0に設定され、最大アルミニウム比は0.30に設定されている。上記電子ブロッキング領域のアルミニウム組成プロフィールを、図8の上部に示す。この例では、上記電子ブロッキング層の全厚a+bは18nmに設定され、「a」は上り勾配層301の厚さ、「b」は下り勾配層303の厚さである。電子ブロッキング領域204の上り勾配層301の厚さが増加すると、シミュレーション結果は、上記LEDの内部量子効率が向上することを示す。これは、上り勾配層301の厚さ(図8の厚さa)が増加すると、上記電子ブロッキング領域によって提供される電子のエネルギ・バリヤが増加し、電子漏れが減少するからである。特に、a=bのとき、IQEは飽和し始める。そして、最大効率を実現するには、a≧bであることが好ましい。
上記の例では、電子ブロッキング領域の全厚はa+b=18nmなどであるが、他の厚さも可能である。電子ブロッキング領域204の上り勾配層301の厚さが、IQEに与える効果を図9Aに示す。電子ブロッキング領域204の下り勾配層303のb=0nm、及び、b=2nmという2つの異なった値の厚さに対するIQEを計算した。そのシミュレーション結果は、上り勾配層301の厚さが増加すると、IQEは増加して、上り勾配層301の厚さが約40−60nmのとき飽和に達することを示している。それで、電子ブロッキング領域204の上り勾配層301の厚さは100nm以下であることが好ましく、さらに好ましいのは、50nm以下である。
さらに、図9Aのシミュレーション結果は、上記電子ブロッキング領域の第一のp型層205側のアルミニウム組成に勾配を付けることによって、IQEがより優れたものになることを示している(図9Aにおいて、b=2nmでのIQE値はb=0nmのときより高い)。図9Bでは、下り勾配層303の厚さがb=0nm及びb=2nmのときの、上記電子ブロッキング領域の価電子帯とホールフェルミ準位の計算結果を、それぞれ、黒色、及び、灰色の線で示す。上記電子ブロッキング領域のホール供給層側で、アルミニウム組成に勾配を付けたとき(つまり、b=2nmのとき)、価電子帯内のスパイクはホールフェルミ準位(図9Bの灰色曲線)に達しない、つまり、ホールはこのエネルギートラップ(”energy trap”)では補足されない。そして、ホール注入効率は向上し、結果的に、IQEが向上する。要するに、この第二の実施形態では、電子ブロッキング領域204の下り勾配層303は1nm以上の厚さを有することが好ましく、2nm以上の厚さを有することはさらに好ましい。
第二の実施形態の例と同様に、第一の実施形態で説明し図3に示す電子ブロッキング領域204の3層の厚さは、異なる値を有することが可能である。上記電子ブロッキング領域の3層の各厚さが、IQEに与える効果を図10を参照し説明する。この特定例では、最小アルミニウム組成比は0に設定され、最大アルミニウム比は0.3に設定されている。上記電子ブロッキング領域のアルミニウム組成プロフィールを、図10の上部に示す。この例では、上記電子ブロッキング層の全厚a+b+cは18nmに設定され、「a」は上り勾配層301の厚さ、「b」は中間層302の厚さ、及び、「c」は下り勾配層303の厚さである。また、下り勾配層303の厚さもc=2nmに設定されている。図10のグラフは、上り勾配層と中間層の異なる厚さに対する、電流密度50A/cm2での動作電圧を示している。電子ブロッキング領域204の上り勾配層301(下り勾配層303)の厚さが増加(減少)すると、動作電圧は減少する。特に、a≧bのとき、上記動作電圧は、Al0.22Ga0.78Nで作製された標準の18nm厚の電子ブロッキング層を有する基準LEDの動作電圧と同様になる。同グラフでは、aとbの任意の値に対して、活性層側とP層側の両方にAlの組成比の傾斜領域を持つ電流ブロッキング層を有するLEDの動作電圧は、0.3という同じアルミニウム比を有する標準のAl0.3Ga0.7N電子ブロッキング層を備えた基準LEDの動作電圧より低くなっている。
そこで、これらの結果を鑑みると、電子ブロッキング領域204の3層の厚さは、a=0nmとc=0nm以外の任意の値を取ることが可能であるが、上り勾配層301の厚さは、a≧bのように、中間層302の厚さより、実用的に大きいことが好ましい。さらに(第二の実施形態の結果を鑑みて)、上り勾配層301の厚さも、a≧cのように、下り勾配層303の厚さより実用的に大きいことが好ましい。さらに、上り勾配層301の厚さは100nmより小さいことが好ましく、50nmより小さいことがさらに好ましい。下り勾配303の厚さは実用的に1nm以上であり、2nm以上であることがより好ましい。
電子ブロッキング領域204の3層の厚さがa≧bかつa≧cなどであると、アルミニウム組成比が高い場合、つまり、x>0.2に対して、上記電子ブロッキング領域の成長特性に非常に有利になる。実際、この場合、0.2より高いアルミニウム組成比を有する電子ブロッキング層の部分は、上記電子ブロッキング領域の全厚の半分より小さい。そして、電子に対するエネルギ・バリヤが高いだけでなく、すべての厚さに対して0.2より高い一定のアルミニウム組成比を有する標準の電子ブロッキング層に比べて、上記電子ブロッキング層の結晶品質は向上し、電子漏れは軽減される。
この例では、上り勾配層301と下り勾配層303のアルミニウム組成比の最小値は0に設定し、上り勾配層301と下り勾配層303のアルミニウム組成比の最大値は0.3に設定したが、他のアルミニウム組成比を用いることが可能である。図3に示す電子ブロッキング領域204の上り勾配AlxInyGa1-x-yN層301のアルミニウム組成比の最小値は、限定はされないが、0≦x<1で良く、より好ましくは、0≦x≦0.1、より好ましくは、x=0である。同様に、図3に示す電子ブロッキング領域204の下り勾配AlxInyGa1-x-yN層303のアルミニウム組成比の最小値は、限定はされないが、0≦x<1で良く、より好ましくは、0≦x≦0.1、より好ましくは、x=0である。
図3に示す電子ブロッキング領域204の上り勾配AlxInyGa1-x-yN層301のアルミニウム組成比の最大値は、限定はされないが、0<x≦1で良く、より好ましくは、0.2≦x≦0.5、より好ましくは、0.28≦x≦0.4である。同様に、図3に示す電子ブロッキング領域204の下り勾配AlxInyGa1-x-yN層303のアルミニウム組成比の最大値は、限定はされないが、0<x≦1で良く、より好ましくは、0.2≦x≦0.5、より好ましくは、0.28≦x≦0.4である。
そして、電子ブロッキング領域204の中間層302のアルミニウム組成比は、限定はされないが、0<x≦1で良く、より好ましくは、0.2≦x≦0.5、より好ましくは、0.28≦x≦0.4である。
さらに、図3における電子ブロッキング領域204の中間層302は、アルミニウム組成が異なるその厚さ内に一つ以上の区画を有していても良い。
本発明の第三の実施形態では、図11及び図12に示すように、電子ブロッキング領域204の上り勾配層301及び下り勾配層303のアルミニウム組成プロフィールを非線形にすることが可能である。より具体的には、上り勾配層301及び/または下り勾配層のアルミニウム組成の勾配は、アルミニウム組成が増加するにつれて大きくなる。その勾配形状は、幾何級数的、対数的、または、多項式的にすることが可能である。この構造は、結晶品質が低く、Al組成が高い領域をさらに小さくすることが可能であるという利点を有する。
本発明の第四の実施形態では、電子ブロッキング領域204の上り勾配層及び下り勾配層内のアルミニウム組成プロフィールは非単調、つまり、上り勾配層301(下り勾配層303)のアルミニウム組成は、上り勾配(下り勾配)層の厚さ内の一つ以上の区画において、異なった勾配で増加(減少)することが可能である。上記電子ブロッキング領域内のそのようなアルミニウム組成プロフィール1101の一例を図13に示す。上り勾配層内のアルミニウム組成は、上り勾配層の第一の区画1102よりも、第二の区画1103においてより速く増加している。非単調の変形例として、階段状の勾配も可能である。
図14Aと図14Bは、それぞれ、窒化物系発光装置1の実施形態の断面図、及び、平面図を示す。図14Bに示すI-I線に沿った断面図は図14Aに対応する。図15はバンド・エネルギ図であり、n型窒化物系層10から第一のp型GaN層18までのバンドギャップ・エネルギEgの大きさを概略的に示す。
図14Aにおいて、基板の上面は突起3Aと、相対的な凹領域3B(平坦領域)を有する。基板3の上面には、AlNバッファ層5、アンドープGaN層7、nドープGaN層9、超格子層12、MQL発光層14、上り勾配層16Aと下り勾配層16Cを有するp型電子ブロッキング領域16、及び、第一のp型GaN層18(ホール供給層)が、この順で積み重ねられ、メサ部(”mesa part”)30を形成している。メサ部30の外側では、n型GaN層9の上面の一部が露出し、その上に、n側電極21が設けられている。第一のp型GaN層18上には、p側透明電極23と、p側電極25が設けられている。上記窒化物系発光装置1の上面は、p側電極25とn側電極21の面を除いて、透明保護膜27で覆われている。
n型ドーパントはSiで、n型GaN層9内のn型ドーピング濃度は1×1019cm-3である。n型GaN層9の厚さは5nmである。
超格子層12は、交互に積み重ねられた20対の広バンドギャップ層12Aと、狭バンドギャップ層12Bを含んでいる。広バンドギャップ層は、厚さ1.75nmのGaNを含み、狭バンドギャップ層は、厚さ1.75nmのIn0.08Ga0.92Nを含んでいる。広バンドギャップ層12Aと狭バンドギャップ層12Bはn型ドープである。
MQW発光層14は、交互に積み重ねられた8対のInxGa1-xN井戸14WとGaNバリヤ14Bを含んでいる。インジウム組成xは出射波長が450nmとなるように決定される。井戸14Wの厚さは4nmで、バリヤ14Bの厚さは5nmである。井戸14Wとバリヤ14Bはアンドープである。
電子ブロッキング領域16は、9nmの上り勾配層16Aと、9nmの下り勾配層16Cを含んでいる、しかし、層16Aと16Cの厚さの比率は、図8、図9、及び、図10のシミュレーション結果に応じて変えることが可能である。電子ブロッキング領域16では、上り勾配層16AのAlxGa1-xNにおける設計された開始組成Xは0ではなく0.0165であるが、これは、主として、マスフロー・コントローラを用いてAl源を制御するからである。同じ理由で、下り勾配層16Cにおける設計された最終組成Xも0.0165である。このように、電子ブロッキング層16は一種の非単調構造を有している。上り勾配層16Aと下り勾配層16Cの界面におけるAlxGa1-xNの設計された最大組成Xは0.3である、しかし、実際の組成は、図15の点線で示すものと見なす。上記点線でしめす構造も、凸状のアルミニウム組成を有する中間層であると解釈する。
N側電極21とp側電極25は、窒化物系発光装置1に駆動力を供給する電極である。n側電極21とp側電極25は、図2のパッド電極部を別々に含んでいるが、しかし、電流拡散用の細長い突起部(枝電極)を、n側電極21とp側電極25に接続しても良い。透明電極23は、ITO(インジウム・スズ酸化物)で作製された透明導電性膜が好ましい。
窒化物系発光装置1の寸法は、平面視で、440μm×530μmである。
例1はTO-18のステム(”stem”)上に搭載された窒化物系発光装置1であって、樹脂シールを覆うことなく光出力を測定した。環境温度25℃、駆動電流100mA(電流密度J=48A/cm2)で、光出力P1(25)=146.0mW(主波長450nm)が得られた。環境温度80℃、駆動電流100mAで、光出力P1(80)=138.8mWが得られた。P1(80)/P1(25)=95.1%なので、光出力は温度にはそれほど依存せず、例1は自己加熱による高温での動作に適している。
比較するために、比較例1を準備した。比較例1の構造は、電子ブロッキング領域16(厚さ18nm)が、厚さ18nmのp型Al0.22Ga0.78Nに置き換えられていることを除けば、例1と同じである。
比較例1もTO-18のステム上に搭載し、樹脂シールを覆うことなく光出力を測定した。環境温度25℃、駆動電流100mAで、光出力Pc(25)=138.7mW(主波長450nm)が得られた。環境温度80℃、駆動電流100mAで、光出力Pc(80)=131.8mWが得られた。このように、出力増加P1(25)/Pc(25)は105.3%であり、出力増加P1(80)/Pc(80)は105.3%である。
光出力の増加はシミュレーション・データのそれより小さいが、本発明の性能向上が確認された。シミュレーション・データと実際のデータ間の増加の食い違いは、実験用の電子ブロッキング領域が正確には設計されたものと同じではないなど、実験が不完全なためである。図15の点線は想定されたEgのプロフィールを示しているのに対し、設計された構造は実線のように鋭いピークを有している。しかし、上記食い違いには、他に理由があるかも知れない。
上記実施形態で説明した電子ブロッキング領域のアルミニウム組成の値及び厚さの値の好適な範囲を、標準の青色発光窒化物系LED構造の一例を用いて説明したが、スペクトルの近紫外領域(380nm)からスペクトルの緑の領域(560nm)までにおいて出射するLED構造のような、異なる波長で出射する他のLED構造にもこれらの範囲を当てはめることが可能であることは、当業者には明白である。また、スペクトルの紫外領域で出射するLEDであって、例えば、AlGaN基板、及び/または、AlGaNホール供給層を用いるLEDを本発明に使用する場合、これに応じて、アルミニウム組成の値の好適な範囲を変えなければならないかも知れないということも、当業者にとっては明白である(つまり、より高いアルミニウム組成の値を用いなければならないかも知れない)。
上記によれば、本発明の一局面はIII族窒化物系発光装置である。実施形態では、上記装置は、n型半導体層と、第一のp型半導体層と、活性領域と、上記活性領域と上記第一のp型半導体層との間に配置されたAlGaInNを有するともに、少なくとも上り勾配層ならびに下り勾配層を有する電子ブロッキング領域とを備えている。上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から、上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって増加し、上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって減少する。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の各層はAlGaNである。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層、または、上記下り勾配層のアルミニウム組成は線形に変化する。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上り勾配層、または、下り勾配層のアルミニウム組成は、指数関数的、対数的、及び多項式的のいずれかで変化する。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上り勾配層、または、下り勾配層のアルミニウム組成は非単調に変化する。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域は、上記上り勾配層と上記下り勾配層との間に、中間層を有する。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記上り勾配層と上記下り勾配層との間の上記中間層のアルミニウム組成は一定である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層の厚さは100nm以下である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層の厚さは50nm以下である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層の厚さは1nm以上である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層の厚さは2nm以上である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記上り勾配層の厚さは、上記下り勾配層の厚さより大きい。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記下り勾配層の厚さは2nm以上である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記上り勾配層と上記下り勾配層との間に中間層が配置され、上記上り勾配層の厚さは、上記中間層の厚さ以上である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の最大のアルミニウム組成比は0.2と0.5の間である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記電子ブロッキング領域の最大のアルミニウム組成比は0.28と0.4の間である。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記窒化物系発光装置は発光ダイオードである。
上記窒化物系発光装置の一実施形態では、上記窒化物系発光装置はレーザーダイオードである。
ここでは、上記説明および図面によって多くの異なる実施形態を開示している。これらの実施形態のすべての組み合わせ及びサブ組み合わせを文字で説明し、かつ、図示すると、過度に繰り返すことになり、かつ、分かりにくくなる。つまり、すべての実施形態は任意の方法での組み合わせ、及び/または、任意の組み合わせが可能であり、本明細書は、図面も含めて、ここで説明した実施形態のすべての組み合わせ及びサブ組み合わせに関する完全な説明、及び、それらを作製し、使用する方法及びプロセスに関する完全な説明を行っており、また、任意の組み合わせ、または、サブ組み合わせに関する請求範囲を支持していると解釈すべきである。
本発明は、LEDが使用される、例えば、液晶表示装置用バックライト、自動車用ヘッドランプ、一般の照明、光記録装置用レーザ、および、他の適切な応用装置を含む様々な使用のためのLEDの製造に適用可能である。
1 窒化物系発光装置
3 基板
3A 突起
3B 凹領域
5 AlNバッファ層
7 アンドープGaN層
9 nドープGaN層
10 n型窒化物系層
12 超格子層
12A 広バンドギャップ層
12B 狭バンドギャップ層
14 MQL発光層
14B GaNバリヤ
14W InxGa1-xN井戸
16 p型電子ブロッキング領域
16A 上り勾配層
16C 下り勾配層
18 第一のp型GaN層
21 n側電極
23 透明電極
25 p側電極
27 透明保護膜
30 メサ部
201 サファイア基板
202 n型(Al、In、Ga)N層
203 発光領域
204 電子ブロッキング層(領域)
205 第一のp型層
301 上り勾配層
302 中間層
303 下り勾配層
304、401、901、1001、1101 アルミニウム組成プロフィール
501、503、505、507 価電子帯
502、504、506、508 ホールフェルミ準位
509、510 スパイク

Claims (18)

  1. n型半導体層と、
    第一のp型半導体層と、
    活性領域と、
    上記活性領域と上記第一のp型半導体層との間に配置されたAlGaInNを有するともに、少なくとも上り勾配層及び下り勾配層を有する電子ブロッキング領域と、
    を備え、
    上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって増加し、
    上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層のアルミニウム組成は、上記活性領域側から上記電子ブロッキング領域の上記第一のp型半導体層側に向かって減少することを特徴とするIII族窒化物系発光装置。
  2. 上記電子ブロッキング領域の各層はAlGaNであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系発光装置。
  3. 上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層、または、上記下り勾配層のアルミニウム組成は線形に変化することを特徴とする請求項1に記載の窒化物系発光装置。
  4. 上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層、または、上記下り勾配層のアルミニウム組成は、指数関数的、対数的、及び多項式的のいずれかで変化することを特徴とする請求項1に記載の窒化物系発光装置。
  5. 上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層、または、上記下り勾配層のアルミニウム組成は非単調に変化することを特徴とする請求項1に記載の窒化物系発光装置。
  6. 上記電子ブロッキング領域は、上記上り勾配層と上記下り勾配層との間に、中間層を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  7. 上記上り勾配層と上記下り勾配層との間の上記中間層のアルミニウム組成は一定であることを特徴とする請求項6に記載の窒化物系発光装置。
  8. 上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層の厚さは100nm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  9. 上記電子ブロッキング領域の上記上り勾配層の厚さは50nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の窒化物系発光装置。
  10. 上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層の厚さは1nm以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  11. 上記電子ブロッキング領域の上記下り勾配層の厚さは2nm以上であることを特徴とする請求項10に記載の窒化物系発光装置。
  12. 上記上り勾配層の厚さは、上記下り勾配層の厚さより大きいことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  13. 上記下り勾配層の厚さは2nm以上であることを特徴とする請求項12に記載の窒化物系発光装置。
  14. 上記上り勾配層と上記下り勾配層との間に中間層が配置され、上記上り勾配層の厚さは、上記中間層の厚さ以上であることを特徴とする請求項12に記載の窒化物系発光装置。
  15. 上記電子ブロッキング領域の最大のアルミニウム組成比は0.2と0.5の間であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  16. 上記電子ブロッキング領域の最大のアルミニウム組成比は0.28と0.4の間であることを特徴とする請求項15に記載の窒化物系発光装置。
  17. 上記窒化物系発光装置は発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
  18. 上記窒化物系発光装置はレーザーダイオードであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の窒化物系発光装置。
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