JP2015122180A - 可撓性ヒータ - Google Patents

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靖彦 大谷
敏昭 鷲本
Toshiaki Washimoto
敏昭 鷲本
光明 佐伯
Mitsuaki Saeki
光明 佐伯
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Abstract

【課題】非常に幅広い温度領域内の所定の温度に安定的に加熱することができ、ヒータ線の過昇温による溶融や断線を防止することができ、成形用金型や押出機の加熱に好適に使用できる可撓性ヒータを提供する。
【解決手段】金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた高伝熱性シート11と、高伝熱性シート11の一方の面11aに対して近接又は接触した状態に配されるヒータ線20とよりなり、高伝熱性シート11の他方の面11bを加熱対象物に向けて用いる可撓性ヒータ1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性ヒータに関し、より詳しくは金型や樹脂流路、押出機等の加熱ヒータとして好適に用いられる可撓性ヒータに関するものである。
熱可塑性樹脂の押出成形や射出成形においては、成形金型や樹脂流路、押出機等を加熱する必要がある。このときの加熱温度は一般には350℃以下であるが、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミドイミド等の高強度スーパーエンジニアリングプラスチックの成形においては、380℃以上、時には450℃以上の非常に高い温度で加熱することが必要になっている。
成形金型や樹脂流路、押出機を加熱するためのヒータとしては種々のものが知られているが、加熱温度に応じて異なる種類のヒータを使い分けるのが一般的である。例えば、加熱温度が350℃未満の場合にはプレートヒータやアルミ鋳込みヒータが用いられ、加熱温度が350℃以上の高温である場合には真鍮鋳込みヒータやカートリッジヒータが用いられている。
高温加熱用の真鍮鋳込みヒータは、一般的な金型材料である鋼材よりも重く、アルミニウムの3倍の重量を有する真鍮を主体とし、かつ、ニクロム線等のヒータ線を鋳込んだ構造であることから25〜30mm程度の比較的大きな厚みとなり、その重量が非常に大きくなる。したがって、金型の大きさによっては、金型と同等以上の重量になって大型化し、必要なヒータ容量がその分大きくなるという問題もある。このような真鍮鋳込みヒータは、取扱性の点で難があり、金型の分解や清掃等のメンテナンス性を低下させる要因にもなる。さらに、鋳込みヒータの作製には、鋳込み工程の他に、加熱対象物の表面形状に対応するようにヒータ面を仕上げる機械加工工程を必要とするため、長時間と高コストを要するという問題がある。
カートリッジヒータは、金型に削孔して挿入する円柱状ヒータであるが、該ヒータを挿入する孔と該ヒータとの間に隙間が生じないように加工精度を向上させることは非常に困難であるため、その隙間部分で過昇温して断線し易いという問題を有している。また、金型を組み上げるボルト類とヒータの挿入孔とが干渉せず、かつ均一加熱が行なわれるようにヒータを配置する必要があるので、金型の設計自由度が低下するという問題もある。
一方、ヒータ線をガラス繊維よりなる断熱層で覆う構造を有し、フラスコ等のガラス製実験器具を主に保温するために用いられるマントルヒータが知られている(特許文献1、2)。さらに、保温対象物への着脱性を改良したマントルヒータとして、ガラス繊維等の絶縁材よりなる柔軟な芯部材と、芯部材の一方の面に耐熱糸により縫い付けられるヒータ線と、芯部材のヒータ線が縫い付けられた側に積層される柔軟な被覆部材と、ヒータ線が縫い付けられた芯部材と被覆部材との積層体を包み込む柔軟なカバー部材とからなり、ヒータ線が芯部材及びカバー部材を介して保温対象物に対向するように配置され、芯部材のヒータ線が縫い付けられていない面がヒータ面(加熱面)となるマントルヒータが提案されている(特許文献3)。しかしながら、これら従来のマントルヒータは、基本的には実験器具等の寸法が比較的小さい対象物を保温するためのものであり、対象物を積極的に加熱するものではない。
市販のマントルヒータの中にはカタログ値として保温・加熱温度が高温のものも見受けられるが、マントルヒータは構造的にヒータ面と加熱対象物との接触が不十分になりやすいことから、ヒータ温度が局所的に上昇する過昇温が起こって、ガラス繊維や耐熱糸の溶融が発生したり、更にはヒータ線の周囲に熱が籠ってヒータ線の溶断が発生したりして、ヒータとして機能しなくなるという問題や、接触不良等に起因してヒータ面における加熱対象物への伝熱面積が小さくなり、加熱対象物を効率良く加熱できないという問題がある。
実公昭35−21080号公報 実開昭51−115654号公報 特開平10−064668号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、軽量、低コストで、取扱性が良く、加熱対象物を非常に幅広い温度領域内の所定の温度以上に安定的にかつ効率良く加熱することができ、ヒータ線の過昇温による溶融や断線を防止することができ、例えば成形金型や押出機、樹脂流路等の加熱に好適に使用できる可撓性ヒータを提供する点にある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、マントルヒータのように、ヒータ線から発生した熱を外部に極力逃がさないようにしてヒータ面に伝える考え方ではなく、ヒータ線の発熱を効率良く伝える高伝熱性シートを用いることにより、加熱対象物を高効率で所定温度に加熱することができ、加えてヒータ線の過昇温による溶融や断線を防止することができ、加熱対象物を広い温度領域の中の所定の温度に安定的にかつ効率良く加熱でき、軽量で取扱性の良いヒータが低コストで得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、前述の課題解決のために、金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた高伝熱性シートと、高伝熱性シートの一方の面に対して近接又は接触した状態に配されるヒータ線とよりなり、高伝熱性シートの他方の面を加熱対象物に向けて用いる可撓性ヒータを構成した。
ヒータ線は、耐熱性細線により高伝熱性シートに縫い付けられていることが好ましい。
また、ヒータ線に対して第1の高伝熱性シートと反対の側に設けられ、金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた第2の高伝熱性シートをさらに備えていることが好ましい。
このとき、第1の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の織布とし、第2の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の不織布とすることがより好ましい。また、不織布よりなる第2の高伝熱性シートを、織布よりなる第1の高伝熱性シートよりも厚みの大きなシートとすることがさらに好ましい。
また、第1、第2の高伝熱性シートを共に耐熱・良熱伝導性繊維の不織布とすることが好ましい。
また、単又は複数の高伝熱性シートとヒータ線との間に介在させる耐熱・絶縁性素材よりなる絶縁性シートをさらに備えていることが好ましい。
また、ヒータ線及び単又は複数の高伝熱性シートよりも加熱対象物に向ける側と反対の側に設けられる断熱シートをさらに備えていることが好ましい。
以上にしてなる本願発明に係る可撓性ヒータは、金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた高伝熱性シートと、高伝熱性シートの一方の面に対して近接又は接触した状態に配されるヒータ線とよりなり、高伝熱性シートの他方の面を加熱対象物に向けて用いるように構成したので、ヒータ線の熱が高伝熱性シートに効率よく伝熱され、加熱対象物を所定温度以上に確実に加熱できると共に、過昇温やヒータ線周囲に熱が籠ることによる断線や溶融等の問題が生じることを防止できる。さらに、高伝熱性シート等の可撓性により、加熱対象物の形状に応じて変形し、効率よく熱を伝えることができる。
また、ヒータ線を耐熱性細線により高伝熱性シートに縫い付けることにより、ヒータ線を高伝熱性シートに対して近接/接触状態に簡易に配置できると共に、耐熱性細線で拘束されたヒータ線には若干の移動余地があるため、高伝熱性シートを加熱対象物の形状に応じて変形させる際、その変形力がヒータ線に直接付加されることを防止でき、ヒータ線へのストレスを緩和できる。また、ヒータ線が耐熱性細線で高伝熱性シートに縫い付けられていることにより、本発明の可撓性ヒータの製造が容易になるという利点がある。
また、金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた第2の高伝熱性シートを、ヒータ線に対して第1の高伝熱性シートと反対の側に設けることにより、加熱対象物とは反対側へ放射されるヒータ線の熱についても、まず第2の高伝熱性シートに伝熱し、該第2の高伝熱性シートから第1の高伝熱性シートに伝わり、第1の高伝熱性シートを通して加熱対象物に伝わることになり、したがってヒータ線の熱をより効果的に加熱対象物に伝達させることができる。また、加熱対象物とは反対側へ放射される熱が内部に籠ってしまうこともなくなり、ヒータ線の断線等をより確実に防止できる。
また、加熱対象物側に配される第1の高伝熱性シートを伝熱性の良好な織布とし、加熱対象物とは反対側に配される第2の高伝熱性シートを内部に空気を含んで厚み方向への伝熱性が比較的低い不織布とすることにより、背面側への熱移動よりも加熱対象物側への熱移動が促進されると同時に、背面側も伝熱性がやや低いが良熱伝導性の不織布であることから、少なくとも該不織布の表面上を効率よく伝熱でき、熱を籠らせることなく加熱対象物側の織布へ熱を伝達することができるので、加熱対象物をより効率よく加熱できる。
また、不織布よりなる第2の高伝熱性シートの厚みを織布よりなる第1の高伝熱性シートの厚みよりも大きくすることにより、背面側への断熱効果を高め、背面側外部への熱の逃げを防止しつつ、溜まった熱はそのまま溜まることなく第1の高伝熱性シートに効率よく伝熱され、第1の高伝熱性シートを通じて加熱対象物を効率よく加熱することができる。
また、第1及び第2の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の不織布とすることにより、ヒータ線の各高伝熱性シートへの接触性が向上するとともに、加熱対象物表面に凹凸、曲面、段差等がある場合に、第1の高伝熱性シートの加熱対象物表面への接触が良好になり、熱の伝達効率を高めることができる。
また、単又は複数の高伝熱性シートとヒータ線との間に、耐熱・絶縁性素材よりなる絶縁性シートを介在させることにより、高伝熱性シートとヒータ線との間の短絡を未然に防止し、可撓性ヒータの安全性を高めることができる。すなわち、高伝熱性シートには目に見えないほどの細い金属繊維等が飛び出している場合が多いが、この金属繊維がヒータ線の絶縁被膜を貫通して短絡を起こす虞があるが、それを未然に無くすことができる。
また、ヒータ線及び単又は複数の高伝熱性シートよりも背面側に、断熱シートを設けることにより、背面側への熱の逃げを防止し、高伝熱性シートを通じて効率よく加熱対象物を加熱でき、また、高伝熱性シートを通じて熱が加熱対象物に効率良く伝わるので、断熱シート側に熱が過剰に籠ることを防止できる。
本発明の第1実施形態の可撓性ヒータの構成を模式的に示す一部を切り欠いた斜視図である。 図1に示す可撓性ヒータの断面図である。 本発明の第2実施形態の可撓性ヒータの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態の可撓性ヒータの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態の可撓性ヒータの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施形態の可撓性ヒータの構成を模式的に示す断面図である。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の図1〜図6の実施形態において、図示下側を加熱対象物側とし、上側を背面側とすることがある。
図1は、本発明の第1実施形態に係る可撓性ヒータ1の全体構成を模式的に示す、一部を切り欠いた斜視図である。図2(a)は図1に示す可撓性ヒータ1の断面図であり、図2(b)は図2(a)に示す断面図を分解して示している。
可撓性ヒータ1は、シート状の耐熱性絶縁芯部材10(以下、単に「芯部材10」と称す。)と、芯部材10の一方の面10aに図1に示すような波状の所定パターンに配されるヒータ線20と、芯部材10の面10aとは反対側の面10bに重ねられる第1の高伝熱性シート11と、芯部材10のヒータ線20が配される面10aに、ヒータ線20を挟み込んだ状態で重ねられる断熱シート12と、これらを内側に収納する耐熱被覆部材22とを備えている。
このような可撓性ヒータ1は、ヒータ線20が芯部材10を介して第1の高伝熱性シート11の一方の面11aに近接した状態となり、ヒータ線20から発生する熱が芯部材10を介して第1の高伝熱性シート11に伝達され、加熱対象物に向けて加熱するように構成されている。
芯部材10は、耐熱性及び電気絶縁性を有する素材よりなるシート部材である。芯部材10は、さらに可撓性や熱伝導性を有することが好ましい。芯部材10としては、例えば、無機質繊維よりなる織布及び不織布を使用できる。織布としては、例えば、クロス、耐熱性樹脂を被覆又は含浸したクロス等が挙げられる。不織布としては、湿式抄造、乾式抄造、ケミカルボンド、レジンボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、フェルト等が挙げられる。これらの中でも、伝熱性等を考慮すると織布が好ましく、可撓性等を考慮すると不織布が好ましい。
織布又は不織布を構成する無機質繊維としては、耐熱性及び電気絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維、ミルドガラス、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ワラストナイト(珪酸カルシウム繊維)、二酸化チタン繊維等の無機質繊維が挙げられる。これらの中でも、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ガラス繊維等が好ましい。特に好ましい芯部材10としては、アルミナクロス、ガラスクロス等が挙げられる。芯部材10の厚みは、ヒータ線20の種類、可撓性ヒータ1の設計ヒータ容量、加熱対象物等に応じて適宜選択される。
芯部材10の一方の面10aに配されるヒータ線20は、金属線32と、金属線32の周囲を取り囲んで被覆する絶縁被膜33とを有している。このようなヒータ線20を用いることにより、可撓性ヒータ1の安定的な動作性や温度制御性等を確保することができる。ヒータ線20としては、従来から用いられる種々のヒータ線の中から、可撓性ヒータ1に設定されるヒータ容量、設定加熱温度等に応じて適宜選択される。
金属線32を構成する金属材料としては、導通により安定的に発熱するものであれば特に限定されず、例えば、ニクロム線、カンタル線、パイロマックス(登録商標)線、Ni−Cr合金線、Ni−Cr−Fe合金線、Fe−Cr−Al合金線等が挙げられる。さらに、樹脂材料に導電性材料を混入した糸状の発熱体を金属線32の代わりに使用しても良い。
本実施形態では、線状の形態を有するヒータ線20を用いているが、これに限定されず、コイル状の形態を有するヒータ線を用いても良い。また、本実施形態では絶縁被膜33を有するヒータ線20を用いているが、これに限定されず、本実施形態のように絶縁性の部材10、12で挟み込まれる形態においては、絶縁被膜を有しないヒータ線を用いてもよい。
ヒータ線20は、耐熱性細線21により芯部材10の面10aに縫い付けられている。より具体的には、図2(a)に示すように、耐熱性細線21が芯部材10を加熱対象物側に貫通し、第1の高伝熱性シート11の表層部を通って、芯部材10を背面側に貫通して面10aに戻るように縫い付けることにより、ヒータ線20が芯部材10の面10aに固定されると共に、芯部材10と第1の高伝熱性シート11とが一体的に縫い付けられる。
芯部材10の面10a上に縫い付けられたヒータ線20には若干の移動余地があるので、可撓性ヒータ1を加熱対象物の形状に応じて変形させる際の変形力がヒータ線20に直接付加されにくくなり、ヒータ線20へのストレスを緩和でき、ヒータ線20の長期耐用性等を向上させることができる。
ヒータ線20を縫い付ける耐熱性細線21とは、耐熱性繊維よりなる糸を意味する。耐熱性繊維としては特に限定されないが、例えば、ガラス糸、石英糸、シリカ糸、アルミナ糸、これらの糸にテフロン樹脂やシリコーン樹脂等のコーティングを施した糸等の無機材料糸、アラミド糸、ザイロン(商標名、東洋紡(株)製)糸等の樹脂糸、ナスロン(商標名、日本精線(株)製)等の金属糸等が挙げられる。さらに、充填材の混入により耐熱性を強化した樹脂材料を紡糸して得られる糸を用いることもできる。これらの中から、可撓性ヒータ1の設定加熱温度等に応じて選択すればよい。
本実施形態では、ヒータ線20は耐熱性細線21により縫い付けられているが、これに限定されず、例えば、ヒータ線20を耐熱性接着剤により接着したり、ヒータ線20に対応する回路を面10aに印刷したりしてもよい。
ヒータ線20の両末端には、コネクタ等の電源接続治具(不図示)が接続されている。電源接続治具は、耐熱被覆部材22の内部に収容されていてもよく、耐熱被覆部材22の所定位置に開けられた孔から可撓性ヒータ1の外部に導出されていてもよい。この電源接続治具と電源(不図示)とをケーブル等(不図示)で結線し、電源から電圧を印加し、電源接続治具を介してヒータ線20に電力が供給することにより、ヒータ線20が発熱する。
本実施形態では、ヒータ線20と第1の高伝熱性シート11との間に、耐熱・絶縁性素材よりなる芯部材10を介在させているので、第1の高伝熱性シート11とヒータ線20との間の短絡を未然に防止し、可撓性ヒータ1の安全性を高めることができる。例えば、金属線32と絶縁被膜33とよりなるヒータ線20を用いた場合でも、第1の高伝熱性シート11表面に目に見えないほどの細かい金属繊維の突起が存在し、該突起が絶縁被膜33を貫通して第1の高伝熱性シート11との間で短絡を起こす虞を未然に無くしている。
第1の高伝熱性シート11は、耐熱・良熱伝導性繊維から構成される織布、不織布等である。織布の形態としては特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織等で織られたクロス等が挙げられる。不織布の形態も特に限定されず、例えば、湿式抄造、乾式抄造、ケミカルボンド、レジンボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、フェルト等が挙げられる。これらの中から、加熱対象物の表面形状等に合わせて、所定の可撓性を有するものを適宜選択すればよい。前記の織布や不織布を構成する耐熱・良熱伝導性繊維としては特に限定されないが、炭素繊維、グラファイト繊維や、アルミニウム繊維、ステンレス繊維、鉄系合金繊維等の金属繊維が挙げられる。
第1の高伝熱性シート11の厚みは特に限定されず、可撓性ヒータ1の設計容量、加熱対象物等に応じて適宜選択されるが、ヒータ面の温度を均一にすること等を考慮すると、厚みを大きくすることが好ましい。
尚、ヒータ線20として、金属線と、金属線を被覆するセラミックフェルトと、該セラミックフェルトを被覆するように設けられ、耐熱性樹脂ワニス(シリコーンワニス等)を含浸させた無機質繊維(ガラス繊維、アルミナ繊維等)編組とよりなるヒータ線(有明マテリアル(株)製)のように、二重又は三重以上の絶縁被膜や強固な絶縁被膜を有するヒータ線を用いる場合、上述した金属繊維による短絡を防止できるので、芯部材10を用いることなく、高伝熱性シート11の表面にヒータ線20を直接配することができる。これにより、加熱対象物を一層高効率で加熱することができる。
断熱シート12は、ヒータ線20から発生する熱を背面側から外部に逃がさずに、反対側の第1の高伝熱性シート11への熱移動を促進する機能を有する。より具体的には、断熱性材料から構成される織布や不織布であり、断熱性材料としては特に限定されず、例えば、ガラスウール、ロックウール等が挙げられる。断熱シート12は可撓性を有するように構成されることが望ましい。本発明では、ヒータ線20から発生した熱が第1の高伝熱性シート11に高効率で伝達され、背面側への熱損失が少ないので、断熱シート12を用いなくてもよい。
耐熱被覆部材22は、上記した各部材をその内部に収納して保持する収容体30と、収容体30の各部材収納後の開口を閉塞する蓋体31とよりなる。収容体30及び蓋体31は、いずれも、耐熱性、断熱性及び可撓性を有し、導電性を有さない各種材料で構成されることが好ましい。
本実施形態において、芯部材10、第1の高伝熱性シート11、断熱シート12及び耐熱被覆部材22といった各部材の厚みは、設計される容量、ヒータ線20の種類等に応じて適宜変更できる。また、ヒータ面の温度均一性等を考慮すると、第1の高伝熱性シート11の厚みを大きくすることが好ましい。
図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る可撓性ヒータ2の構成を模式的に示す断面図である。図3(b)は、図3(a)に示す可撓性ヒータ2の分解図である。
本実施形態の可撓性ヒータ2は、芯部材10のヒータ線20を配した面10aと断熱シート12との間に、面10aの方から順に芯部材10と同様の絶縁性シート13及び第2の高伝熱性シート14を介在させたことを特徴とし、それ以外の構成及び変形例は第1実施形態の可撓性ヒータ1と共通している。
このように、ヒータ線20を、芯部材10及び絶縁性シート13を介して第1、第2の高伝熱性シート11、14で挟み込んだ構造とすることにより、ヒータ線20から発生する熱のうち、背面側に放射された熱が第2の高伝熱性シート14によって加熱対象物側の第1の高伝熱性シート11に戻され、加熱対象物を効率よく加熱することができる。すなわち、第2の高伝熱性シート14が第1の高伝熱性シート11への熱流路となり、熱が内部に籠ることなく加熱対象物に放射されるので、過昇温の発生が防止される。
本実施形態において、第1の高伝熱性シート11を伝熱性が良好な織布とし、第2の高伝熱性シート14を厚み方向への伝熱性が比較的低い不織布とすることが好ましい。これによって、背面側への熱移動よりも加熱対象物側への熱移動が勝り、背面側への熱が第2の高伝熱性シート14の表面上を伝わって第1の高伝熱性シート11の方へ戻り、背面側に熱を籠らせることなく、加熱対象物をより効率良く加熱できる。
尚、不織布よりなる第2の高伝熱性シート14の厚みを、織布よりなる第1の高伝熱性シート11の厚みよりも大きくすることが好ましい。これにより、背面側に放射された熱が第2の高伝熱性シート14により確実に断熱されて拾われ、その表面上を伝わって第1の高伝熱性シート11に伝わるので、背面側から外部への熱の逃げ及び熱の籠りを顕著に防止しつつ、加熱対象物を一層効率良く加熱することができる。
また、第1、第2の高伝熱性シート11、14を共に不織布とする場合には、第1の高伝熱性シート11の可撓性、変形性等が高まることから、ヒータ線20の芯部材10を介した第1の高伝熱性シート11への近接性が高まって第1の高伝熱性シート11への伝熱性が向上するとともに、加熱対象物表面に凹凸、曲面、段差等がある場合でも、第1の高伝熱性シート11の加熱対象物表面への接触が更に良好になり、可撓性ヒータ2の加熱対象物に対する伝熱性を一層高めることができる。尚、ヒータ線20を二重又は三重以上の絶縁被膜或いは強固な絶縁被膜を有するものとし、芯部材10や絶縁シート13を省略できることは、上記第1実施形態と同様である。
図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る可撓性ヒータ3の構成を模式的に示す断面図である。図4(b)は、図4(a)に示す可撓性ヒータ3の分解図である。
本実施形態の可撓性ヒータ3は、上記第2実施形態の可撓性ヒータ2における第2の高伝熱性シート14を不織布よりなる第2の高伝熱性シート15とし、且つ断熱シート12を省略したものである。第2の高伝熱性シート15は、上述した通り内部に空気を含むことにより、厚み方向(背面側)への熱移動が抑制され、表面を熱が効率良く伝わることから、ヒータ線20から発生する熱を第1の高伝熱性シート11ひいては加熱対象物に高効率で伝達でき、断熱シート12を省略できる。尚、ヒータ線20を二重又は三重以上の絶縁被膜或いは強固な絶縁被膜を有するものとし、芯部材10や絶縁シート13を省略できることは、上記第1実施形態と同様である。
図5(a)は、本発明の第4実施形態に係る可撓性ヒータ4の構成を模式的に示す断面図である。図5(b)は、図5(a)に示す可撓性ヒータ4の分解図である。
本実施形態の可撓性ヒータ4は、第2実施形態の可撓性ヒータ2における織布よりなる第2の高伝熱性シート14と断熱シート12との間に不織布よりなる第3の高伝熱性シート16を介在させたものである。織布よりなる第2の高伝熱性シート14が、ヒータ線20より背面側に放射された熱を溜めることなく第1の高伝熱性シート11に伝え、第3の高伝熱性シート16を設けたことで背面側への熱の逃げも防止できる。尚、ヒータ線20を二重又は三重以上の絶縁被膜或いは強固な絶縁被膜を有するものとし、芯部材10や絶縁シート13を省略できることは、上記第1実施形態と同様である。
図6(a)は、本発明の第5実施形態に係る可撓性ヒータ5の構成を模式的に示す断面図である。図6(b)は、図6(a)に示す可撓性ヒータ5の分解図である。
本実施形態の可撓性ヒータ5は、上記第1実施形態の可撓性ヒータ1における第1の高伝熱性シート11で収容体30を兼ねたものである。すなわち、耐熱被覆部材23が収容体34と蓋体31とからなり、収容体34が、耐熱・良熱伝導性繊維よりなる高伝熱性シートから構成され、収容体34の収容加熱対象物側面34aが可撓性ヒータ5のヒータ面となる。
このように、収容体34が高伝熱性シートよりなる耐熱被覆部材23を用いることにより、可撓性ヒータ1の構成を簡略化しつつ、可撓性ヒータ1と同等のヒータ容量を有し、可撓性ヒータ1と同様に加熱対象物を高効率で加熱することが可能な可撓性ヒータ5を得ることができる。尚、ヒータ線20を二重又は三重以上の絶縁被膜或いは強固な絶縁被膜を有するものとし、芯部材10や絶縁シート13を省略できることは、上記第1実施形態と同様である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、例えば、耐熱被覆部材を省略したものや、側面に断熱層を設けたり、ヒータ線を一つのシート面だけに配するのではなく、複数のシート面に配したり等、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1、2、3、4、5 可撓性ヒータ
10 耐熱性絶縁芯部材(芯部材)
11 第1の高伝熱性シート
12 断熱シート
13 絶縁性シート
14、15 第2の高伝熱性シート
16 第3の高伝熱性シート
20 ヒータ線
21 耐熱性細線
22、23 耐熱被覆部材
30 収容体
31 蓋体
32 金属線
33 絶縁被膜
34 収容体
34a 収容加熱対象物側面

Claims (8)

  1. 金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた高伝熱性シートと、
    前記高伝熱性シートの一方の面に対して近接又は接触した状態に配されるヒータ線とよりなり、
    前記高伝熱性シートの他方の面を加熱対象物に向けて用いる可撓性ヒータ。
  2. 前記ヒータ線を、耐熱性の細線により前記高伝熱性シートに縫い付けてなる請求項1記載の可撓性ヒータ。
  3. 前記ヒータ線に対して第1の前記高伝熱性シートと反対の側に、同じく金属繊維等の耐熱・良熱伝導性繊維よりなる可撓性を備えた第2の高伝熱性シートを設けてなる請求項1又は2記載の可撓性ヒータ。
  4. 前記第1の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の織布とし、前記第2の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の不織布とした請求項3記載の可撓性ヒータ。
  5. 前記不織布よりなる第2の高伝熱性シートを、前記織布よりなる第1の高伝熱性シートよりも厚みの大きなシートとした請求項4記載の可撓性ヒータ。
  6. 前記第1及び第2の高伝熱性シートを耐熱・良熱伝導性繊維の不織布とした請求項3に記載の可撓性ヒータ。
  7. 単又は複数の前記高伝熱性シートと前記ヒータ線との間に、耐熱・絶縁性素材よりなる絶縁性シートを介在させてなる請求項1〜6の何れか1項に記載の可撓性ヒータ。
  8. 前記ヒータ線及び単又は複数の前記高伝熱性シートよりも加熱対象物に向ける側と反対の側に、断熱シートを設けてなる請求項1〜7の何れか1項に記載の可撓性ヒータ。
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