JP2015121013A - 戸体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反りの発生を抑えたフラッシュ構造の戸体を提供する。【解決手段】 木製又は樹脂製の縦枠、横枠、表面板、縦材及び連結材と、金属製の補強材を備え、縦枠と横枠を四周枠組みした枠体の内周側に二本の縦材を設けてあり、両縦材の間に連結材を設けてあり、両縦材の連結材を設けた側の反対側に補強材を設けてあって、縦材の補強材側に長手方向にわたって溝部を形成してあり、補強材は縦材側に突出し長手方向に平行に延びる二枚のヒレ片を有していて、ヒレ片が溝部に嵌合接着してあって縦材と補強材が一体になっており、縦枠、横枠、縦材及び連結材の表裏に表面板を接着してある。【選択図】 図1

Description

本発明は、フラッシュ構造の戸体に関する。
従来、特許文献1に示すように、木製の骨組の表裏に表面板を接着して形成したフラッシュ構造の戸体がある。
特開2006−112096号公報
しかしながら、このようなフラッシュ構造の戸体においては、戸体の表裏の温度差などに起因する内部の水分の移動に伴う反りの発生を抑えることが困難であった。
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、反りの発生を抑えたフラッシュ構造の戸体を提供することを目的とする。
本発明は、木製又は樹脂製の縦枠、横枠、表面板、縦材及び連結材と、金属製の補強材を備え、縦枠と横枠を四周枠組みした枠体の内周側に二本の縦材を設けてあり、両縦材の間に連結材を設けてあり、両縦材の連結材を設けた側の反対側に補強材を設けてあって、縦材の補強材側に長手方向にわたって溝部を形成してあり、補強材は縦材側に突出し長手方向に平行に延びる二枚のヒレ片を有していて、ヒレ片が溝部に嵌合接着してあって縦材と補強材が一体になっており、縦枠、横枠、縦材及び連結材の表裏に表面板を接着してあることを特徴とする。
本発明によれば、水分の移動に影響されない金属製の補強材を設けたことにより、戸体の反りを抑えることができる。そして、補強材は縦材に並列しているから、表面板を補強材に接着しなくても、縦材に接着すれば十分な強度が得られる。よって、金属製の補強材と表面板を接着するための特別な工程は不要である。そして、縦枠、横枠、縦材及び連結材は何れも木製又は樹脂製であって、これらの相互の接合は、タッカー接合など、従来の木製又は樹脂製のフラッシュ構造の戸体と同様の手段で行えるので、効率よく戸体を生産できる。また、縦材の溝部に補強材のヒレ片を嵌合させて取り付けるので、位置決めが容易である。さらに、二枚のヒレ片を有することで、接着剤とヒレ片の接触面積が広くなるので強固に接着可能であり、また接着時の余分な接着剤が二枚のヒレ片の間にたまるので、はみ出して周囲を汚損することがない。
第一実施形態の内部構造を示す説明図である。 第一実施形態の正面図である。 第一実施形態の横断面図(図2のA−A線断面図)である。 第一実施形態の縦断面図(図2のB−B線断面図)である。 補強材部分の拡大断面図(図3のC部拡大図)である。 第二実施形態の内部構造を示す説明図である。 第二実施形態の正面図である。 第二実施形態の横断面図(図7のD−D線断面図)である。 第二実施形態の縦断面図(図7のE−E線断面図)である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この戸体の第一実施形態は、図2に示すように、開き戸として用いられるものである。なお、図2は取手などの付属品を取り付ける前の状態を示しており、図2の右側が吊元側であって、戸先側の上下方向中央部には取手を取り付けるための下孔11を形成してある。そして、図1、図3及び図4は、戸体の内部構造を示すものであり、図1は、図2において手前側の表面板3を外した状態を示し、図3及び図4は、図2のA−A線断面図及びB−B線断面図を示す。
これらに図示のとおり、戸体の内部構造としては、まず、左右の縦枠1と上下の横枠2を四周枠組みして枠体10を形成してあり、以下の構造はすべてこの枠体10の内周側に設けてある。なお、縦枠1、横枠2及びその内周側の部材は、補強材6を除いてすべて木製の角材であって、見込幅が等しい。上側の横枠2の下には、横枠2に沿って横材71を設けてあり、横材71の下側に間隔を空けて補助横材72を設けてあって、横材71と補助横材72の間に、左右二本の補助連結材73を設けてある。また、同様に下側の横枠2の上にも、横枠2に沿って横材71を設けてあり、横材71の上側に間隔を空けて補助横材72を設けてあって、横材71と補助横材72の間に、左右二本の補助連結材73を設けてある。そして、上下の補助横材72の間に、左右二本の縦材4を設けてあり、両縦材4の間に左右に延びる連結材5を設けてある。連結材5は七本設けてあり、上下に等間隔に配置してある。また、両縦材4の連結材5を設けた側の反対側(左側の縦材4の左側及び右側の縦材4の右側)に、縦材4に沿って補強材6を接合してある。補強材6は、アルミ製で断面矩形の中空形材である。さらに、両補強材6の縦材4を接合した側の反対側に、補強材6に沿って補助縦材8を接合してある。ここで、縦材4、連結材5、補強材6及び補助縦材8は、右側(戸体の吊元側)に片寄らせて配置してあり、右側の補助縦材8は、右側の縦枠1に当接している。一方、左側の補助縦材8と、左側の縦枠1の間は間隔が空いており、両者の間に、上下四本の補助連結材74を設けてある。なお、補強材6以外の木製の部材同士の当接部においては、タッカーにより両部材を接合してある。
次に、縦材4、補強材6及び補助縦材8の接合について詳述する。図5(図3のC部拡大図)に示すように、縦材4の補強材6側の面(左側の縦材4の左側面及び右側の縦材4の右側面)には、長手方向(上下方向)にわたって断面凹形の溝部41を形成してある。また、補助縦材8の補強材6側の面(左側の補助縦材8の右側面及び右側の補助縦材8の左側面)にも、長手方向(上下方向)にわたって断面凹形の溝部81を形成してある。さらに、補強材6の縦材4側の面と補助縦材8側の面(左右両面)に、それぞれ縦材4側及び補助縦材8側に突出し、長手方向(上下方向)に平行に延びる二枚のヒレ片61を形成してある。ここで、補強材6の見込幅は、縦材4及び補助縦材8の見込幅より短く、二枚のヒレ片61の見込幅(外寸)は、縦材4及び補助縦材8の溝部41,81の幅と略等しくなっている。そして、これらの接合に当たっては、縦材4の溝部41及び補助縦材8の溝部81にそれぞれ接着剤を充填し、補強材6の左右のヒレ片61をそれぞれ縦材4の溝部41と補助縦材8の溝部81に嵌合させることで、縦材4、補強材6及び補助縦材8が接着され一体になる。
最後に、このように構成した枠体10及びその内周側の骨組構造に対して、表裏両面に表面板3を取り付けて、戸体が完成する。表面板3は木製の平板であって、接着剤により接合する。この際、枠体10及びその内周側の木製の部材(縦材4、補助縦材8、横材71、補助横材72、連結材5及び補助連結材73,74)の見付面に、水系(酢酸ビニル系など)の接着剤を、ローラーによってワンストロークで塗布し、表面板3を貼り付ける。なお、補強材6の見込幅が縦材4及び補助縦材8の見込幅より短いので、補強材6と表面板3の間に空間12が形成される。
このように構成した戸体の第一実施形態によれば、水分の移動に影響されない金属製の補強材6を設けたことにより、戸体の反りを抑えることができる。そして、補強材6は縦材4に並列し、縦材4と補助縦材8とで挟まれているから、表面板3を補強材6に接着しなくても、縦材4及び補助縦材8に接着すれば十分な強度が得られる。よって、金属製の補強材6と表面板3を接着するための特別な工程は不要であり、従来の木製のフラッシュ構造の戸体と同様の工程、すなわち、内部の骨組構造の見付面に、接着剤をローラーによってワンストロークで塗布して表面板3を貼り付けることにより、効率よく戸体を生産できる。この際、補強材6の見込幅が縦材4及び補助縦材8の見込幅より短いので、ローラーで接着剤を塗布する際に補強材6が障害になることはない。また、金属製の補強材6は木製の部材よりも熱伝導率が高いが、補強材6の見込幅が縦材4及び補助縦材8の見込幅より短いことにより、補強材6と表面板3の間に空間12ができるので、断熱性が低下することはない。さらに、補強材6と表面板3の間の空間12に接着時の余分な接着剤がたまるので、はみ出して周囲を汚損することがない。また、金属製の補強材6を木製の縦材4及び補助縦材8と一体にしてあるので、他の部材と接合する際には、縦材4及び補助縦材8部分にタッカーで針を打ち込めばよく、他の部位と同様に、従来の木製のフラッシュ構造の戸体に用いられた接合手段を用いることができるので、生産効率が高い。さらに、縦材4の溝部41及び補助縦材8の溝部81に補強材6のヒレ片61を嵌合させて取り付けるので、位置決めが容易であり、特に見込方向に正確に位置決めされるので、補強材6と表面板3の間の空間12が確実に形成される。また、二枚のヒレ片61を有することで、接着剤とヒレ片61の接触面積が広くなるので強固に接着可能であり、さらに接着時の余分な接着剤が二枚のヒレ片61の間にたまるので、はみ出して周囲を汚損することがない。また、縦材4、連結材5、補強材6及び補助縦材8を戸体の吊元側に片寄らせて配置してあり、戸体が戸先側に垂れ下がるように変形して施錠機構部や丁番などの機能部品に影響することを防いでいる。
続いて、この戸体の第二実施形態について説明する。第二実施形態も、図7に示すように、開き戸として用いられるものであって、右側が吊元側であり、戸先側の上下方向中央部には取手を取り付けるための下孔11を形成してあるが、窓9を有する点が第一実施形態とは異なる。図6は、図7において手前側の表面板3を外した状態を示し、図8及び図9は、図7のD−D線断面図及びE−E線断面図を示すものであり、これらに図示のとおり、窓9部分以外の構成、すなわち、縦枠1及び横枠2(枠体10)、表面板3、縦材4、連結材5、補強材6、補助縦材8、横材71、補助横材72及び横材71と補助横材72の間の補助連結材73については、第一実施形態と略同じであり、説明を省略する。ただし、左側の縦材4、補強材6及び補助縦材8は、第一実施形態に比べて右側(戸体の吊元側)に寄っており、補助縦材8と縦枠1の間に、上下に延びる縦桟91を設けてあって、縦桟91と縦枠1の間に、上下四本の補助連結材74を設けてある。そして、縦桟91、補助縦材8及び上下の補助横材72の内周側に、ガラス製のパネル92を嵌め込んで窓9を形成してある。パネル92の四周縁部には、表裏からモール93を取り付けてパネル92を挟み込んでおり、各モール93は、縦桟91、補助縦材8及び上下の補助横材72に、それぞれ接着した上でピンネイル94を打ち込んで固定してある。
このように構成した戸体の第二実施形態も、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。そして、上記のとおり第一実施形態と第二実施形態は窓9部分以外の構成が同じであり、共通の部材を用いながら、窓がないタイプと窓があるタイプの両方の製品を提供できる。そして、パネル92を剛性の高いガラス製にすることで、パネル92部分に骨組となる部材がなくても、戸体のねじれ剛性が低下しない。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、縦枠、横枠、表面板、縦材、補助縦材、横材、補助横材、連結材及び補助連結材は、木製無垢材のほか、パーティクルボード、LVL、MDFなどの木質素材からなるものや、種々の樹脂からなるものであってもよく、これらの素材を混合して用いてもよい。ただし、同一の素材で構成すれば、その素材に適した接着剤で接合することができる。また、補強材は、アルミ以外の種々の金属からなるものであってもよい。さらに、少なくとも、縦枠、横枠、表面板、縦材、連結材及び補強材を備えていればよく、その他の構成は戸体の形状や大きさなどに応じて適宜設定できる。また、連結材は、筋交いなど、左右の縦材を連結するものであればどのような形状であってもよい。さらに、ヒレ片の表面に突起を設けることで、接着剤との接触面積を広くしてより強固に接着できるようにしてもよい。また、第二実施形態において、窓の位置、形状や大きさは自由に設定できるし、複数の窓を設けてもよい。なお、本発明の戸体は、開き戸と引き戸のどちらにも用いることができる。
1 縦枠
2 横枠
3 表面板
4 縦材
5 連結材
6 補強材
10 枠体
41 溝部
61 ヒレ片

Claims (1)

  1. 木製又は樹脂製の縦枠、横枠、表面板、縦材及び連結材と、金属製の補強材を備え、縦枠と横枠を四周枠組みした枠体の内周側に二本の縦材を設けてあり、両縦材の間に連結材を設けてあり、両縦材の連結材を設けた側の反対側に補強材を設けてあって、縦材の補強材側に長手方向にわたって溝部を形成してあり、補強材は縦材側に突出し長手方向に平行に延びる二枚のヒレ片を有していて、ヒレ片が溝部に嵌合接着してあって縦材と補強材が一体になっており、縦枠、横枠、縦材及び連結材の表裏に表面板を接着してあることを特徴とする戸体。
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