JP2015120153A - 内部冷却式発電機コイルの研磨クリーニング - Google Patents

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Abstract

【課題】中空導体の母材に損傷を与えることなく、内部冷却式発電機コイルの腐食の付着物又は生成物を除去することができる、効率的で精密な表面処理を提供する。【解決手段】内部冷却式であり複数の中空導体を含む発電機コイルを研磨クリーニングする方法であって、発電機コイルの冷却通路を、分散された研磨粒子を含むせん断硬化媒体で満たし、その際、冷却通路は、各々の中空導体により形成されており、分散された研磨粒子をマトリックス位置に位置固定するために、せん断硬化媒体に液圧を加え、冷却通路の内壁から腐食の付着物又は生成物を除去するために、冷却通路内でせん断硬化媒体に流れを与え、腐食の付着物又は生成物が除去された後でせん断硬化媒体から液圧を放圧し、冷却通路から外へせん断硬化媒体をフラッシングする。【選択図】図1

Description

本発明は、内部冷却式発電機コイルの研磨クリーニングに関する。
精密な表面処理は、内部冷却式発電機コイルの絶え間ない試みである。内部冷却式発電機コイルは、複数の中空導体と、複数の内実導体と、絶縁システムとを備える。内部冷却式発電機コイルの冷却通路は、中空導体により形成されている。
発電機の運転中、腐食の付着物又は生成物は、中空導体の内壁に溜まる。溜まった腐食の付着物又は生成物は、流体冷媒の動的流れ損失を増加させ、中空導体から流体冷媒への熱伝導を妨げる。流体冷媒による熱除去の減少により、中空導体の内壁から溜まった腐食の付着物又は生成物を除去するために、発電機コイルに保守が要求される。
内部冷却式発電機コイル内の各々の中空導体の横断面が小さいために、溜まった腐食の付着物又は生成物は除去しにくい。内部冷却式発電機コイル内の各々の中空導体の横断面の直径は、0.5mm〜2mmの範囲にある。
腐食の付着物又は生成物を除去するための中空導体の母材の機械加工のような機械的な方法は、中空導体の横断面が小さいので、内部冷却式発電機コイルには適していない。機械加工による方法は、中空導体の母材に損傷を与えることもある。発電機内のコイルの形状は、その端部でインボリュート曲線を有し、これもまた、機械工具による機械的な除去を不可能にしている。
化学的なクリーニング方法では、腐食の付着物又は生成物を除去するために酸が用いられる。この方法は、大抵、中空導体の母材に損傷を与え、酸をフラッシングした後に化学作用が続くので、結果として中空導体の圧力境界の故障が生じ得る。
中空導体の母材に損傷を与えることなく、内部冷却式発電機コイルの腐食の付着物又は生成物を除去することができる、効率的で精密な表面処理を提供する。
この課題は、独立請求項に記載の特徴により解決される。従属請求項は、実施の形態を特定している。
この課題は、分散された研磨粒子を含むせん断硬化流体媒体の供給により解決される。せん断硬化流体媒体は、腐食の付着物又は生成物を除去し、マイクロレベル以下で冷却通路の内側を研磨する。小さくて複雑に入り組んだ通路は、提案された方法を用いてクリーニングされる。
1つの形態によれば、内部冷却式発電機コイルは、複数の中空導体を備える。内部冷却式発電機コイルの冷却通路は、中空導体により形成されている。各々の中空導体は、小さな横断面を有する。例えば、中空導体の横断面の直径は、産業的実施において0.5mm〜2mmである。
発電機の運転中、腐食の付着物又は生成物は、中空導体の内壁に溜まる。溜まった腐食の付着物又は生成物は、流体冷媒の動的流れ損失を増加させ、中空導体から流体冷媒への熱伝導を妨げる。流体冷媒による熱除去の減少により、中空導体の内壁から腐食の付着物又は生成物を除去するために、発電機コイルに保守が要求される。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、発電機コイルの冷却通路に満たされている。研磨粒子は、せん断硬化媒体に分散されている。
1つの形態によれば、液圧がせん断硬化媒体に加えられる。液圧は、分散した研磨粒子をマトリックス位置に位置固定する。マトリックス位置は、せん断硬化媒体中の粒子の半規則的な配置であり、これは、冷却通路に対する界面で研磨作用を提供する。せん断硬化媒体のせん断硬化は、加えられる液圧の1つの関数である。加えられる液圧は、研磨粒子をマトリックス位置に位置固定し、圧力を維持するために中空導体の能力を上回らない。加えられる液体圧力は、例えば100psi〜1000psiの範囲、又は200psi〜800psiの範囲、又は300psi〜600psiの範囲にあってよい。
1つの形態によれば、冷却通路内でせん断硬化媒体に流れが与えられている。流れは、せん断硬化媒体にせん断硬化力を加える。腐食の付着物又は生成物は、せん断硬化力及びせん断硬化媒体に位置固定された研磨粒子により冷却通路の内壁から除去される。
1つの形態によれば、腐食の付着物又は生成物の除去が完了した後で、せん断硬化媒体から液圧が放圧される。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、せん断硬化媒体から液圧が放圧された後で、冷却通路の外へフラッシングされる。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、粘弾性の研磨媒体であってよい。この媒体は、主に、軌道上の作業動作の加えられたひずみにおいて弾性固体として働き、媒体を主に弾性変形させるひずみ速度を惹起するために軌道上の又は別の相対的な作業動作を加える。
1つの形態によれば、粘弾性の研磨媒体は、粘度を増加させる剛化剤で充填され、研磨粒子を含むレオペチックポリマーであってよい。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、半固体のポリマー組成物であってよい。
1つの態様によれば、研磨粒子は、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素、又は砂、又はダイヤモンド、又は研磨鋼など、又はそれらの組み合わせのような、一般的に使用される産業用研磨粒子であってよい。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、発電機コイルの冷却通路を完全に満たすので、冷却通路全体が、クリーニング中にクリーニングされる。
1つの形態によれば、単一方向の流れを有する一方向パスクリーニングとして冷却通路内に流れが与えられてよい。
1つの形態によれば、クリーニングに用いられる1つのヘッダが、発電機コイルの1つの端部に取り付けられていて、一方向パスクリーニングにおいて高圧フレキシブルチューブを介して液圧ポンプに接続されている。
1つの形態によれば、交互の流れを有する双方向パスクリーニングとして冷却通路内に流れが与えられてよい。
1つの形態によれば、クリーニングに用いられる1つのヘッドが、発電機コイルの各々の端部に取り付けられていて、双方向パスクリーニングにおいて高圧フレキシブルチューブを介して液圧ポンプにそれぞれ接続されている。ヘッダは、クリーニング後に取り外される。交互の流れの周波数は、例えば1000Hz〜10000Hzの範囲、又は1200Hz〜8000Hzの範囲、又は1400Hz〜6000Hzの範囲にあってよい。
1つの形態によれば、せん断硬化媒体は、高速で冷却通路内を通過するので、せん断硬化力は増加し、研磨粒子は堅固に位置固定されている。通過速度は、例えば1m/s〜10m/sの範囲、又は2m/s〜9m/sの範囲、又は3m/s〜7m/sの範囲にあってよい。
1つの形態によれば、発電機コイルは、冷却水、又は冷却空気、又は水素などのような冷媒により冷却される。
前述及び後述された本発明の様々な思想及び形態は、明示された組み合わせだけではなく他の組み合わせでも使用できる。明細書を解釈及び理解されると、当業者により変更が成される。
内部冷却式発電機コイルの横断面を示す図である。 一方向パスクリーニングを行う装置を示す図である。 双方向パスクリーニングを行う装置を示す図である。 流体冷媒とともに中空導体の縦断面を示す図である。 付着物とともに中空導体の縦断面を示す図である。 せん断硬化流体媒体とともに中空導体の縦断面を示す図である。 中空導体の内部におけるせん断硬化力とともにせん断硬化流体媒体を示す図である。 取り除かれた付着物とともに一方向パスクリーニングを示す図である。 取り除かれた付着物とともに双方向パスクリーニングを示す図である。 中空導体から外へせん断硬化流体媒体をフラッシングするためのフラッシング媒体の流れを示す図である。
本発明の実施の形態を、付属の図面に関して詳説する。
特定の実施の形態が詳説されているが、当業者には、開示の全ての教示内容を鑑みて、特定の実施の形態の様々な変更や改変を成すことができることが明らかである。例えば、それぞれ異なる形態に関して説明された要素を組み合わせることができる。従って、開示された特定の配置は、単に説明するためのものであり、特許請求の範囲や明細書の範囲の限定と解するべきではなく、それには、添付の特許請求の範囲及びその全ての等価物の全範囲が与えられるべきである。用語「含む」は、他の要素又はステップの存在を排除するものではなく、単数の表現は、複数を排除するものではない。
図1は、内部冷却式発電機コイル1の横断面を示している。内部冷却式発電機コイル1は、複数の中空導体2と、複数の中実導体3と、絶縁システム4とを備える。内部冷却式発電機コイルの冷却通路は、中空導体2により形成されている。各々の中空導体2は、小さな横断面を有する。中空導体2の横断面の直径は、例えば0.5mm〜2mmである。
図2は、一方向パスクリーニングを行う装置を示している。1つのヘッダ5が、発電機コイル1の1つの端部に取り付けられている。図3は、双方向パスクリーニングを行う装置を示している。1つのヘッダ5が、発電機コイル1の各端部にそれぞれ取り付けられている。ヘッダ5は、高圧フレキシブルチューブ6により液圧ポンプ7に接続されている。
発電機の運転中、発電機コイル1は、冷却通路9内で流体冷媒8により冷却される。図4に示されているように、冷却通路9は、内壁10を備える中空導体2により形成されている。流体冷媒8は、冷却水、又は冷却空気、又は水素などであってよい。
発電機の運転中、腐食の付着物又は生成物11が、中空導体2の内壁に溜まる。これは図5に示されている。溜まった腐食の付着物又は生成物11は、流体冷媒8の動的流れ損失を増加させ、中空導体2から流体冷媒8への熱伝導を妨げる。流体冷媒8による熱除去の減少により、中空導体2の内壁から腐食の付着物又は生成物11を除去するために、発電機コイル1に保守が要求される。
1つの実施の形態によれば、中空導体2の冷却通路は、保守の間、せん断硬化媒体12で満たされており、これは図6に示されている。せん断硬化媒体12は、冷却通路内で分散された研磨粒子を含む。せん断硬化媒体12は、例えば粘弾性の研磨媒体、又は粘度を増加させる剛化剤が充填され、研磨粒子を含んでいるレオペクチックポリマー、又は例えば半固体のポリマー組成物である。
1つの実施の形態によれば、せん断硬化媒体12に液圧が加えられている。液圧は、せん断硬化媒体12内で分散された研磨粒子をマトリックス位置に位置固定する。マトリックス位置は、せん断硬化媒体中の粒子の半規則的な配置であり、これは、冷却通路に対する界面で研磨作用を提供する。せん断硬化媒体の粘度は、一部で、液圧の1つの関数である。加えられる液圧は、研磨粒子をマトリックス位置に位置固定し、圧力を維持するために中空導体の能力を上回らない。加えられる液体圧力は、例えば100psi〜1000psiの範囲、又は200psi〜800psiの範囲、又は300psi〜600psiの範囲にあってよい。
1つの実施の形態によれば、中空導体2中の冷却通路内でせん断硬化媒体12に流れが与えられている。図7に示されているように、せん断硬化力13が、与えられた流れによって、せん断硬化媒体12に加えられている。
図8は、一方向パスクリーニングの1つの実施の形態を示している。一方向パスクリーニングでは、単一方向の流れ14がせん断硬化媒体12に加えられているので、せん断硬化媒体12は、圧力下にある間、中空導体2の内側を一方向に移動する。圧力を掛けられたせん断硬化媒体12の流れ、及び位置固定された研磨粒子15は、腐食の付着物又は生成物11を擦り落とし、取り除かれた腐食の付着物又は生成物16にする。
図9は、双方向パスクリーニングの1つの実施の形態を示している。双方向パスクリーニングでは、交互の流れ17がせん断硬化媒体12に加えられているので、せん断硬化媒体12は、圧力下にある間、中空導体2の内側を交互の流れ方向に移動する。圧力を掛けられたせん断硬化媒体12の交互の流れ及び位置固定された研磨粒子15は、腐食の付着物又は生成物11を擦り落とし、取り除かれた腐食の付着物又は生成物16にする。
1つの実施の形態によれば、せん断硬化媒体12は、中空導体2の内側を十分な時間にわたって移動するので、付着物は、中空導体2の内壁から擦り落とされる。擦り落としの終了時に、せん断硬化媒体12は、液圧から解放され、中空導体2から排出される。図10は、せん断硬化媒体12の残留物がフラッシング媒体18により中空導体2の外側へフラッシングされることを示している。
中空導体2から外へせん断硬化媒体12がフラッシングされた後で、発電機コイル1は、十分な熱除去を提供するために、冷却媒体要素8の流れが妨げられずに機能するように復帰されている。
1 発電機コイル
2 中空導体
3 中実導体
4 絶縁システム
5 ヘッダ
6 フレキシブルチューブ
7 液圧ポンプ
8 流体冷媒
9 冷却通路
10 中空導体の内壁
11 腐食の付着物又は生成物
12 せん断硬化媒体
13 せん断硬化力
14 せん断硬化媒体の一方向流れ
15 研磨粒子
16 取り除かれた腐食の付着物又は生成物
17 せん断硬化媒体の交互の流れ
18 フラッシング媒体

Claims (15)

  1. 内部冷却式であり複数の中空導体を含む発電機コイルを研磨クリーニングする方法であって、
    前記発電機コイルの冷却通路を、分散された研磨粒子を含むせん断硬化媒体で満たし、その際、前記冷却通路は、各々の前記中空導体により形成されており、
    前記分散された研磨粒子をマトリックス位置に位置固定するために、前記せん断硬化媒体に液圧を加え、
    前記冷却通路の内壁から腐食の付着物又は生成物を除去するために、前記冷却通路内で前記せん断硬化媒体に流れを与え、
    該腐食の付着物又は生成物が除去された後で前記せん断硬化媒体から液圧を放圧し、
    前記冷却通路から外へ前記せん断硬化媒体をフラッシングする、
    ことを特徴とする、発電機コイルを研磨クリーニングする方法。
  2. 前記せん断硬化媒体は、粘弾性の研磨媒体を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記せん断硬化媒体は、粘度を増加させる剛化剤で充填されたレオペクチックポリマーを含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記せん断硬化媒体は、半固体のポリマー組成物を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記研磨粒子は、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素、又は砂、又はダイヤモンド、又は研磨鋼、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
  6. 加えられる前記液圧は、100psi〜1000psiの範囲、又は200psi〜800psiの範囲、又は300psi〜600psiの範囲にある、請求項1記載の方法。
  7. 前記せん断硬化媒体は、前記発電機コイルの前記冷却通路を完全に満たす、請求項1記載の方法。
  8. 単一方向流れを有する一方向パスとして前記冷却通路内で前記せん断硬化媒体に流れが与えられている、請求項1記載の方法。
  9. 一方向パスの前記発電機コイルの1つの端部にヘッダが取り付けられている、請求項8記載の方法。
  10. 交互の流れを有する双方向パスとして前記冷却通路内で前記せん断硬化媒体に流れが与えられている、請求項1記載の方法。
  11. 双方向パスの前記発電機コイルの各々の端部にそれぞれヘッダが取り付けられている、請求項10記載の方法。
  12. 交互の流れの周波数は、1000Hz〜10000Hzの範囲、又は1200Hz〜8000Hzの範囲、又は1400Hz〜6000Hzの範囲にある、請求項10記載の方法。
  13. 前記発電機コイルは、冷却水、又は冷却空気、又は水素により冷却されている、請求項1記載の方法。
  14. 前記せん断硬化媒体は、1m/s〜10m/sの範囲、又は2m/s〜9m/sの範囲、又は3m/s〜7m/sの範囲の速度で前記冷却通路内を通過する、請求項1記載の方法。
  15. 前記中空導体の各々の横断面の直径は、0.5mm〜2mmの範囲にある、請求項1記載の方法。
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