JP2015119608A - 車両用回転電機 - Google Patents

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裕也 園山
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Abstract

【課題】導電バスバー構造体の樹脂部への熱によるダメージの影響を減少でき、導電バスバー構造体の接続部に良好な溶接を実施することが可能である電力変換装置を備えた車両用回転電機を提供する。
【解決手段】界磁モジュール24と、電力半導体モジュール23と、導電バスバーがインサートモールドされた樹脂成形体でなる導電バスバー構造体31とを有する電力変換装置3を備え、電力半導体モジュールを回転機の回転軸の回りに配置された車両用回転電機において、電力半導体モジュール23の端子部およびこの端子部と接合される電動バスバー構造体31の端子部の先端を突起形状に形成したものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、電力変換装置が回転電機本体に搭載された車両用回転電機に関するものである。
従来の車両用制御装置一体型回転電機は、スイッチング素子をモールディングして作製された電力半導体モジュール(パワーモジュール)を回転電機の中心軸周りに配置した電力変換装置が回転電機のリヤ側に配置されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の電力変換装置には、電力半導体モジュールの主端子であるP、N端子(入力端子)及びAC端子(交流入出力端子)が、電力半導体モジュールの側面から横方向に延在し、電力半導体モジュールに隣接した導電バスバー構造体にアーク溶接やろう付けによって接続されたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、車両用回転電機において、電力半導体モジュールの側面に延在する端子をネジ締結によって接続されたものがあった(例えば、特許文献3参照)。
特開2011-239542号公報 特許第4391959号公報 特開2011-188560号公報
従来の電力変換装置においては、導電バスバーが樹脂によってインサートモールドされた構造体(導電バスバー構造体)の端子部分をアーク溶接により溶接する際に被溶接部が発熱し、樹脂への熱影響が懸念される。また、導電バスバー構造体のモールド樹脂部の溶融を懸念し、発熱を抑えた溶接を実施すると、溶接強度が弱くなり、十分な接合を保てなくなる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、導電バスバー構造体の樹脂部への熱によるダメージの影響を減少でき、導電バスバー構造体の接続部に良好な溶接を実施することが可能である電力変換装置を備えた車両用回転電機を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用回転電機においては、固定子巻線を有する固定子の内側に配置された回転子の回転子巻線に界磁電流を供給する半導体素子を有した界磁モジュールと、固定子巻線に固定子電流を供給する半導体素子の入出力用の主端子と駆動用の信号端子とを有する電力半導体モジュールと、電源または負荷と主端子とを接続する端子部を有する導電バスバーがインサートモールドされた樹脂成形体でなる導電バスバー構造体とを有する電力変換装置を備え、電力半導体モジュールを回転電機の回転軸の周りに配置した車両用回転電機において、電力半導体モジュールの端子部および電力半導体モジュールの端子部の接合される導電バスバー構造体の端子部の先端を突起形状に形成したものである。
本発明に係る車両用回転電機における電力変換装置によれば、導電バスバーの端子部の先端を突起形状に形成することで、導電バスバー構造体の樹脂部への熱によるダメージの
影響を受けにくく、強い溶接が容易に実施可能である。
本発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなる。
本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機における電力変換装置を制御基板に取り付ける前の状態をリヤ側から見た図である。 本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機における電力半導体モジュールの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機を図2における矢印A方向から見た電力変換装置における電力半導体モジュールと導電バスバー構造体との溶接部を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳述する。なお、各図中、同一符号は、同一又は相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機を示す断面図、図2は本発明の実施の形態1に係る車両用回転電機における電力変換装置をリヤ側から見た図(制御基板図示せず)である。
図1において、回転電機1は、回転電機本体2と、回転電機本体2に配置された電力変換装置3とを有する機電一体型回転電機とされている。この例では、回転電機1は交流発電電動機(モータジェネレータ)である。
回転電機本体2は、筒状の固定子4と固定子4の内側に対向配置され、固定子4に対して回転可能な回転子5と、固定子4及び回転子5を支持するケース(支持体)6とを有している。
ケース6は、回転子5の軸線方向において固定子4を挟むフロントブラケット7及びリヤブラケット8と、フロントブラケット7及びリヤブラケット8間を締め付ける複数の締結ボルト9とを有している。フロントブラケット7及びリヤブラケット8は金属製である。固定子4は、フロントブラケット7及びリヤブラケット8のそれぞれに固定された筒状の固定子鉄心10と、固定子鉄心10に設けられた固定子巻線(電機子巻線)11とを有している。
回転子5は、回転子5の軸線上に配置された回転軸12と、回転軸12の中間部に固定された回転子鉄心13と、回転子鉄心13に設けられた回転子巻線(界磁巻線)14とを有している。
回転軸12は、フロントブラケット7及びリヤブラケット8を貫通している。また、回転軸12は、フロントブラケット7及びリヤブラケット8のそれぞれに軸受15を介して回転自在に支持されている。
回転子鉄心13の外周部は、固定子4の内周部に対向している。回転子鉄心13には、回転子5と一体に回転される送風用の冷却ファン16が設けられている。
回転軸12のフロントブラケット7側の端部には、プーリ17が固定されている。プーリ17には、エンジンの回転軸と連動する伝達ベルト(図示せず)が巻き掛けられている。
また、回転軸12のリヤブラケット8側には、回転軸12の回転位置に応じた信号を発生する回転位置検出センサ18と、回転子巻線14に電気的に接続された複数のスリップリング19が設けられている。スリップリング19は、回転軸12の外周部を囲む環状の導電性部材である。
スリップリング19には、回転子5に磁界を発生させるための界磁電流をスリップリング19に供給するための導電性のブラシ20がそれぞれ接触している。リヤブラケット8には、各スリップリング19に対して接離する方向へブラシ20を案内するブラシホルダ21が設けられている。ブラシホルダ21には、各スリップリング19に接触する方向へ各ブラシ20を個別に付勢する押圧ばね22が設けられている。各ブラシ20は、押圧ばね22の付勢力により、スリップリング19に押し付けられる。回転子5が回転されるときには、スリップリング19がブラシ20に対して摺動される。
電力変換装置3は、リヤブラケット8に支持され、絶縁樹脂で形成されたカバー39で覆われている。
電力変換装置3は、固定子巻線11に電気的に接続されて固定子電流を固定子巻線11に供給する電力半導体モジュール23と、図示しないバッテリ(直流電源)から電力を調整して界磁電流として回転子巻線14に供給する界磁モジュール24と、それらモジュールが配置される冷却フィン34を有したヒートシンク29と、それらモジュールが接続される導電バスバー構造体31、電力半導体モジュール23および界磁モジュール24のそれぞれを制御する制御基板25を有している。電力半導体モジュール23は、図2に示すように、符号を省略しているものも含めて、同じ形態のものが、左部に2個、右部に2個、下部に2個の計6個が配置されている。
界磁モジュール24は、界磁電流を通電する半導体素子をモールディングして作製され、バッテリ端子24aとアース端子24bと界磁巻線接続端子24cと信号端子24dとを有し、搭載部となるヒートシンク29の片面に搭載され固定されている。
電力半導体モジュール23は、界磁モジュール24と同様にヒートシンク29に固定されている。
また、電力半導体モジュール23は、固定子電流を通電する2つのスイッチング素子となる半導体素子を直列に接続した素子対をモールディングして製作され、主端子となるP端子23a、N端子23b、固定子巻線と接続され交流入出力を行うAC端子23cと、信号端子23dとを有する。信号端子23dは、直列接続される一方の半導体素子のソースと他方の半導体素子のドレインとの接点に接続される端子、および各半導体素子のゲート電極に接続される端子である。
電力半導体モジュール23を制御するための制御基板25が電力半導体モジュール23のヒートシンク29と反対側の平面部の上方に配置されており、制御基板25には、電力半導体モジュール23の信号端子23d、界磁モジュールの信号端子24d、回転位置検出センサ18の信号端子18a、外部接続用コネクタ27の信号端子などが電気的に接続されている。
なお、導電バスバー構造体31は各電力半導体モジュール23が接続される電力入出力ターミナル26と、N端子23bが接続されるNターミナル28と、AC端子23cが接続されるACターミナル33等の導電バスバーをモールディングして製作されている。電力入出力ターミナル26は、図2に示すように、ターミナル26a、ターミナル26bの2つの部品(ターミナル)が接合されてインサートされた樹脂成形品となっている。
次に、電力変換装置3の動作について説明する。
制御基板25では、回転位置検出センサ18からの回転子5の回転位置信号と、外部接続用コネクタ27を通じて外部機器(例えばエンジン制御ユニット等)からの信号情報に基づいて、界磁モジュール24及び電力半導体モジュール23を制御する。
エンジンの始動時には、バッテリ(図示せず、以下同様)からの直流電力が電力半導体モジュール23及び界磁モジュール24のそれぞれに供給される。界磁モジュール24では、制御基板25の制御により、バッテリからの直流電力を界磁電流に調整する動作が行われる。界磁モジュール24からの界磁電流は、ブラシ20及びスリップリング19を介して回転子巻線14に供給される。これにより、回転子5には、直流磁界が発生する。
一方、電力半導体モジュール23は、制御基板25の制御により、スイッチング動作が行われる。これにより、バッテリからの直流電力が交流電力に変換される。電力半導体モジュール23で変換された交流電力は、固定子巻線11に供給される。これにより、固定子4には回転磁界が発生し、回転子5が回転される。回転子5の回転により、プーリ17が回転され、エンジン(図示せず)が始動される。
エンジンの始動後には、エンジンからの回転動力がプーリ17に伝達される。これにより、回転子5が回転され、固定子巻線11に交流電力が誘起される。このとき、電力半導体モジュール23では、制御基板25の制御により、スイッチング動作が行われる。これにより、固定子巻線11に誘起された交流電力が直流電力に変換される。この後、電力半導体モジュール23からの直流電力は、図示していないバッテリに充電される。
次に、本実施の形態1における電力半導体モジュール23と導電バスバー構造体31との配線構造について、図3を用いて説明する。図3は、電力半導体モジュール23の断面図である。
電力半導体モジュール23の端子部であるP端子23aは、電力半導体モジュール23の側面から横方向(図3において上方向)に延在しており、電力半導体モジュール搭載面32と平行な方向に突出するとともに、上記搭載面32に垂直な方向(図3において左方向)に曲げられた形状となっている。なお、電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cについても同様に形成されている。
次に、本実施の形態1における電力半導体モジュール23と導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33との継ぎ手部について、図4を用いて説明する。図4は、図2における矢印A方向から見た継ぎ手部(溶接部)の形状図である。
電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cと導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33の端子の部形状は、図4のように突起形状(凸状)に形成されている。これら両端子の先端部を重ねて、TIG溶接で接合される継ぎ手部(溶接部)構成している。
この本実施の形態1によれば、電力半導体モジュール23の端子と導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33について、端子先端の突起部を溶接部(継ぎ手部)としているため、溶接部の溶接範囲が少なくてよいので、溶接時の発熱による導電バスバー構造体のモールド樹脂に与えるダメージを抑える事ができる。
また、図4に示す本発明の実施の形態における電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cと導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33の端子部先端は、導電バスバー構造体31の樹脂モールドより突出した位置に成形する。
この本実施の形態によれば、溶接部が樹脂モールドより離れた位置にあり、溶接時の電極が周りの樹脂モールドより離れた位置での溶接が可能となり、容易に溶接が実施可能となる。
また、図4に示す本発明の実施の形態における電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cの先端と導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33の先端の形状については、電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cの先端と導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33の先端の幅Wは、電力半導体モジュール23のN端子23b、AC端子23cの厚さD1と導電バスバー構造体31のNターミナル28、ACターミナル33の厚さD2の和とおおよそ等しくする。なお、寸法符号W、D1、D2は、AC端子23c、ACターミナル33について付しているが、N端子23b、Nターミナル28についても同様である。
この本実施の形態によれば、TIG溶接後の溶接形状が均等な球形状となり、強い溶接強度を得られる。
また、図4に示す本発明の実施の形態における導電バスバー構造体31は、2部品以上のターミナルをインサートされた樹脂成形品であり、バスバー同士の接合部は2箇所以上の接合とする。
この本実施の形態によれば、導電バスバー構造体31のターミナルを2部品以上とすることで、ターミナルを容易に作製することができ、導電バスバー構造体31のインサート成形を容易に実施できる。また、バスバー同士の溶接部を2箇所以上とすることで接合部に流れる電流を減らし、発熱を抑えることができる。
また、本発明の実施の形態における電力半導体モジュール23のP端子23aと導電バスバー構造体31の電力入出力ターミナル(インサートターミナル)26の接合部の形状は、図4と同様に突起形状を形成している。これら突起形状の先端部を重ねて、TIG溶接で接合される継ぎ手部(溶接部)としている。
この本実施の形態によれば、突起部を溶接しているため、溶接時の発熱の影響が抑えられ、導電バスバー構造体31のモールド樹脂にダメージを与え難い。
また、本発明の実施の形態における導電バスバー構造体31の電力入出力ターミナル(インサートターミナル)26の接合部の溶接形状幅は、図4と同様に電力半導体モジュール23のP端子23aの厚さと導電バスバー構造体31の電力入出力ターミナル26厚さの和とおおよそ等しい。
この本実施の形態によれば、TIG溶接後の溶接箇所が球形状となり、強い溶接強度を得られ、また溶接部と導電バスバー構造体31のモールド樹脂との距離が長くなるため、モールド樹脂への熱ダメージを低減させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その発明の範囲において、実施の形態を適宜変更することができる。
1 回転電機、2 回転電機本体、3 電力変換装置、4 固定子、5 回転子、7 フロントブラケット、8 リヤブラケット、11 固定子巻線、12 回転軸、14 回転子巻線、23 電力半導体モジュール、23a P端子、23b N端子、23c AC端子、23d 信号端子、24 界磁モジュール、24a バッテリ端子、24b ア
ース端子、24c 界磁巻線接続端子、24d 信号端子、25 制御基板、26 電力入出力ターミナル、28 Nターミナル、31 導電バスバー構造体、33 ACターミナル。

Claims (6)

  1. 固定子巻線を有する固定子の内側に配置された回転子の回転子巻線に界磁電流を供給する半導体素子を有した界磁モジュールと、前記固定子巻線に固定子電流を供給する半導体素子の入出力用の主端子と駆動用の信号端子とを有する電力半導体モジュールと、電源または負荷と前記主端子とを接続する端子部を有する導電バスバーがインサートモールドされた樹脂成形体でなる導電バスバー構造体とを有する電力変換装置を備え、前記電力半導体モジュールが回転電機の回転軸の周りに配置された車両用回転電機において、前記電力半導体モジュールの端子部および前記電力半導体モジュールの端子部と接合される前記導電バスバー構造体の端子部の先端が突起形状に形成されたことを特徴とする車両用回転電機。
  2. 導電バスバー構造体の端子部の突起形状先端は、導電バスバー構造体の樹脂成形体より突出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用回転電機。
  3. 電力半導体モジュールおよび導電バスバー構造体の端子部の突起形状の幅は、前記電力半導体モジュールの端子部の厚さと前記導電バスバー構造体の端子部の厚さの和と等しく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用回転電機。
  4. 固定子巻線を有する固定子の内側に配置された回転子の回転子巻線に界磁電流を供給する半導体素子を有した界磁モジュールと、前記固定子巻線に固定子電流を供給する半導体素子の入出力用の主端子と駆動用の信号端子とを有する電力半導体モジュールと、電源または負荷と前記主端子とを接続する端子部を有する導電バスバーがインサートモールドされた樹脂成形体でなる導電バスバー構造体とを有する電力変換装置を備え、前記電力半導体モジュールを回転機の回転軸の周りに配置されるよう搭載された車両用回転電機において、前記主端子は、電源側に接続されるP端子とN端子、固定子巻線との間で交流電流の入出力を行うAC端子であり、前記電力半導体モジュールの側面から横方向に延在しており、前記電力半導体モジュールの搭載面と平行な方向に突出するとともに、前記搭載面に垂直な方向に曲げられた部位が形成され、
    前記導電バスバー構造体の端子部は、前記主端子の垂直方向に曲げられた部位と平行な方向に突出され、前記電力半導体モジュールの端子部の先端と前記導電バスバー構造体の端子部の先端との接合部が突起形状に形成されたことを特徴とする車両用回転電機。
  5. 電力半導体モジュールの端子部と導電バスバー構造体の端子部との接合部の先端は、導電バスバー構造体の樹脂成形体より突出して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用回転電機。
  6. 電力半導体モジュールの端子部の先端と導電バスバー構造体の端子部の先端の幅は、前記電力半導体モジュールの端子部の厚さと前記導電バスバー構造体の端子部の厚さの和と等しいことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用回転電機。
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