JP2015118887A - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
直交加速部1は、導入されるイオンビームの進行方向(X軸方向)と平行に配置された平板状の押し出し電極11と、イオンピームを挟んで押し出し電極11に対向して配置された引き出し電極12と、押し出し電極11及び引き出し電極12により引き出されたイオンを加速する加速領域を形成する複数の加速電極13(13a、13b)と、を含む。このうち、引き出し電極12と加速領域の最終段の加速電極13bとは、イオンが通過する開口部に導電性のグリッドが張設されたグリッド電極である(非特許文献1参照)。
a)イオンビームの光軸と平行に配置された押し出し電極と、
b)イオンビームを挟んで該押し出し電極と対向して配置されたグリッド電極である引き出し電極と、
c)前記押し出し電極及び前記引き出し電極との間に形成された電場によって該引き出し電極のグリッドを通過したイオンを、前記イオンビームの光軸と直交する方向に加速するための加速電場を形成する円環状又は円筒状である複数の加速電極と、
d)イオンに対し加速方向と直交する方向に収束作用を生じさせるべく、前記複数の加速電極の中心軸上のポテンシャル分布の下り勾配がイオンの進行方向に漸増する電場が前記加速電場の少なくとも一部で形成されるように定められた電圧を、前記複数の加速電極のそれぞれに印加する電圧印加部と、
を備えることを特徴としている。
そこで、本発明に係る飛行時間型質量分析装置において、好ましくは、加速電場におけるイオンを加速方向と直交する方向に収束する作用を調整するために、前記複数の加速電極のそれぞれに印加する電圧を変更するように前記電圧印加部を制御する制御部をさらに備える構成とするとよい。
イオン源4において生成された各種イオンは、イオンガイド5により収束されつつX軸方向に直交加速部1に導入される。イオンが直交加速部1に導入される際には該直交加速部1には加速電場は形成されておらず、十分な量のイオンが直交加速部1に導入された時点で、直交加速電源部7から押し出し電極11、引き出し電極12、及び複数の加速電極13にそれぞれ所定電圧が印加されることで、引き出し電場及び加速電場が形成される。この引き出し電場の作用によってイオンは引き出し領域から加速領域に送られ、さらに加速電場の作用によってイオンはZ軸方向に運動エネルギを付与されて、TOF分析器2の飛行空間21へ送り込まれる。
(1/r){∂/∂r(r∂φ/∂r)}+∂2φ/∂Z2=0 …(1)
ここでrは円柱座標の半径方向の位置、Zは中心軸C1上の位置である。
∂2φ/∂Z2=0である場合、(1)式は、
(1/r){∂/∂r(r∂φ/∂r)}=0 …(2)
となる。これはZには依存しないので、中心軸C1上のいずれの位置でも半径方向のポテンシャル分布が同じであることを意味する。そのため、加速電場を通過するイオンに対して、その半径方向rには力が作用しない。つまり、加速電場ではイオンを収束させたり発散させたりする力は生じない。
(1/r){∂/∂r(r∂φ/∂r)}=−∂2φ/∂Z2>0 …(3)
となり、半径方向rの成分は常に正になる。
半径方向rにおける力が中心方向に作用することは以下の式からも明らかである。即ち、ラプラス方程式から、
(1/r){∂/∂r(r∂φ/∂r)}=c(>0) …(4)
とおき、系の対称性からr=0において∂φ/∂r=0となることを考慮して(4)式を積分していくと次の(5)式が得られる。
∂φ/∂r=c’r …(5)
半径方向の電場はE(r)=−∂φ/∂rであるので(6)式が求まる。
E(r)=−c’r …(6)
この(6)式から、半径方向には中心に向かう力がかかることが示される。なお、非特許文献2に示されている(20)式の2次までの近似からも同等の式が得られる。
以上のように、このときの加速電場は、半径方向rに中心軸C1から離れた位置に存在するイオンに対して、常に中心軸Zに向かって押すような力が作用する電場となる。それ故に、加速電場で加速されるイオンは全体としてX軸方向、つまりドリフト方向に収束されることになる。
なお、グリッド電極における正確なシミュレーションは複雑であるため、このシミュレーションでは、グリッド電極を等電位面を規定する役割のみの厚みのない境界で以て置換している。そのため、グリッド電極による発散レンズ作用は考慮していない。
加速電場が一様である従来の電圧条件の下では、図6(b)に示すように、初期のドリフト方向への30[mm]幅のイオンパケットは、60[cm]飛行した時点で大きく発散していることが分かる。このようにイオンが発散すると検出器のイオン検出面に到達し得ないイオンの割合がかなり大きくなるため、大きな感度低下は免れ得ない。また、発散したイオンをできるだけ多く取り込むためには、イオン検出面が大きな検出器が必要になり、検出器のコスト増加も大きい。
11…押し出し電極
12…引き出し電極
13…加速電極
2…TOF分析器
21…飛行空間
22…反射器
3…検出器
4…イオン源
5…イオンガイド
6…データ処理部
7…直交加速電源部
8…制御部
81…モード切替部
9…入力部
Claims (3)
- 導入されたイオンをそのイオンビームの光軸と直交する方向に加速する直交加速部を具備する直交加速方式の飛行時間型質量分析装置において、前記直交加速部は、
a)イオンビームの光軸と平行に配置された押し出し電極と、
b)イオンビームを挟んで該押し出し電極と対向して配置されたグリッド電極である引き出し電極と、
c)前記押し出し電極及び前記引き出し電極との間に形成された電場によって該引き出し電極のグリッドを通過したイオンを、前記イオンビームの光軸と直交する方向に加速するための加速電場を形成する円環状又は円筒状である複数の加速電極と、
d)イオンに対し加速方向と直交する方向に収束作用を生じさせるべく、前記複数の加速電極の中心軸上のポテンシャル分布の下り勾配がイオンの進行方向に漸増する電場が前記加速電場の少なくとも一部で形成されるように定められた電圧を、前記複数の加速電極のそれぞれに印加する電圧印加部と、
を備えることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。 - 請求項1に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
加速電場におけるイオンを加速方向と直交する方向に収束する作用を調整するために、前記複数の加速電極のそれぞれに印加する電圧を変更するように前記電圧印加部を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。 - 請求項2に記載の飛行時間型質量分析装置であって、
質量分解能を優先させる高分解能測定モードと感度を優先させる高感度測定モードとを切り替え可能であり、前記制御部は、高感度測定モードが指定されたときに、複数の加速電極の中心軸上のポテンシャル分布の下り勾配がイオンの進行方向に漸増する電場が前記加速電場の少なくとも一部で形成されるような電圧を複数の加速電極のそれぞれに印加し、高分解能測定モードが指定されたときには、前記ポテンシャル分布の電位勾配が一様である電場となるような電圧を複数の加速電極のそれぞれに印加することを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
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2013
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