JP2015118221A - レンズシフト装置および画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズユニットをシフト駆動するためのギア効率の低下を防止する。
【解決手段】レンズユニット2をシフト方向に移動させるレンズシフト装置は、回転駆動されるピニオンギア15と、ピニオンギアのうち第1のギア領域の一部と噛み合う第1のラックギア16と、ピニオンギアのうち、該ピニオンギアの回転中心軸を含む平面Pを挟んで第1のギア領域とは反対側の第2のギア領域の一部と噛み合う第2のラックギア18と、第1のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜した第1のカム面14aを有する第1の可動部材13と、第2のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜し、かつ第1のカム面とは傾き方向が異なる第2のカム面17aを有する第2の可動部材19と、レンズユニットとともにシフト方向への移動が可能であり、第1および第2のカム面の双方に当接するカム当接部材12とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】レンズユニット2をシフト方向に移動させるレンズシフト装置は、回転駆動されるピニオンギア15と、ピニオンギアのうち第1のギア領域の一部と噛み合う第1のラックギア16と、ピニオンギアのうち、該ピニオンギアの回転中心軸を含む平面Pを挟んで第1のギア領域とは反対側の第2のギア領域の一部と噛み合う第2のラックギア18と、第1のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜した第1のカム面14aを有する第1の可動部材13と、第2のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜し、かつ第1のカム面とは傾き方向が異なる第2のカム面17aを有する第2の可動部材19と、レンズユニットとともにシフト方向への移動が可能であり、第1および第2のカム面の双方に当接するカム当接部材12とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像投射装置等に用いられるレンズユニットを移動させるレンズシフト装置に関する。
液晶プロジェクタ等の画像投射装置には、被投射面に向けて光を投射するレンズユニットをその光軸に対して直交する方向に移動(シフト)させ、画像投射装置自体を動かさずに画像の投射位置を変更可能とするレンズシフト装置が搭載されたものがある。特許文献1には、モータの回転軸に設けられたギアとレンズユニットを保持する回動可能なレンズ保持部材に設けられたギアとを噛み合わせ、モータの回転によりレンズ保持部材を回動させてレンズユニットを円弧状にシフトさせるレンズシフト装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1のレンズシフト装置のように、モータのギア(以下、モータギアという)のうちその回転中心に対して片側の部分とレンズ保持部材のギアとを噛み合わせるだけの構成では、以下のような問題がある。モータ回転時において、モータギアには、レンズ保持部材のギアを駆動する力の反作用力が加わり、この反作用力の分力が、モータギアをレンズ保持部材のギアから離れる(浮く)方向に動かす。このため、両ギアの噛み合いが不十分となり、ギア効率が低下する。これにより、例えば、モータギアからレンズ保持部材のギアへの駆動力の伝達効率が、両ギアの噛み合いが十分である場合の98〜99%に対して、70%程度まで減少する。この低下したギア効率をモータの出力の増加によって補おうとすると、消費電力が増加する。
また、モータギアがレンズ保持部材のギアから離れる方向に移動するのを防ぐため、モータギアが取り付けられたモータの出力軸の先端を押さえる部品を追加すると、該出力軸や追加した部品に過度の力が加わるおそれがある。このことは、モータギアに代えて、手動操作部材の操作によって回転駆動されるギアを用いる場合も同様である。
本発明は、モータや手動操作部材により回転駆動されるギアが取り付けられた軸を押さえる部品を設けることなく、レンズユニットをシフト駆動するためのギア効率の低下を防止できるようにしたレンズシフト装置およびこれを備えた画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としてのレンズシフト装置は、レンズユニットを該レンズユニットの光軸に対して直交するシフト方向に移動させる。該装置は、回転駆動されるピニオンギアと、ピニオンギアのうち第1のギア領域の一部と噛み合う第1のラックギアと、ピニオンギアのうち、該ピニオンギアの回転中心軸を含む平面を挟んで第1のギア領域とは反対側の第2のギア領域の一部と噛み合う第2のラックギアと、第1のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜した第1のカム面を有する第1の可動部材と、第2のラックギアとともに移動が可能であり、シフト方向に対して傾斜し、かつ第1のカム面とは傾き方向が異なる第2のカム面を有する第2の可動部材と、レンズユニットとともにシフト方向への移動が可能であり、第1および第2のカム面の双方に当接するカム当接部材とを有することを特徴とする。
なお、画像情報に応じた光の変調を行う光変調素子と、光変調素子からの光を被投射面に投射するレンズユニットと、レンズユニットを該レンズユニットの光軸に対して直交するシフト方向に移動させる上記レンズシフト装置とを有する画像投射装置も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、ピニオンギアの回転駆動時に、該ピニオンギアが、第1および第2のラックギアからそれぞれ受ける反作用力に起因して第1および第2のラックギアから離れる方向に移動することを抑制または防止することができる。このため、ピニオンギアと第1および第2のラックギアとの十分な噛み合いを維持することができ、ギア効率の低下を防止することができる。したがって、モータによってピニオンギアを回転駆動する場合に、ギア効率の低下を補うようにモータ出力を増加させる必要がないので、消費電力を抑えることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1であるレンズシフト装置の構成を、レンズユニット2の光軸方向から見て示している。本実施例のレンズシフト装置は、レンズユニット2をその光軸に対して直交する方向のうち垂直方向(以下、シフト方向という)に移動(シフト)させる。
レンズユニット2は、不図示の複数のレンズと、これらレンズを収容するレンズ鏡筒(図中の太い円の部分)とにより構成され、レンズ保持部材11によって保持されている。このレンズ保持部材11には、カム当接部材としてのカムフォロアピン12が設けられている。以下の説明において、レンズユニット2、レンズ保持部材11およびカムフォロアピン12をまとめて、シフトユニットともいう。
第1の可動部材13と第2の可動部材19は、光軸方向に重なるように配置され、それぞれ光軸方向に対して直交する方向のうち水平方向に移動可能である。第1の可動部材13には、水平方向に延びる第1のラックギア16が一体に設けられている。また、第1の可動部材13には、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜した第1のカム面17aを内面に有する第1のカム溝部17が形成されている。第2の可動部材19には、水平方向に延びる第2のラックギア18が一体に設けられている。さらに、第2の可動部材19には、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜し、かつ第1のカム面17a(第1のカム溝部17)とは異なる方向に傾斜した第2のカム面14aを内面に有する第2のカム溝部14が形成されている。
各ラックギアと各可動部材とは、一体の部品として製作されてもよいし、ビスや接着によって接合される別部品として製作されてもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
第1のカム面17aと第2のカム面14aのシフト方向に対する傾き角度は、レンズユニット2の重量やピニオンギア15と第1および第2のラックギア16,18とのギア比に応じて、30°から60°の範囲で形成するのが好ましい。ただし、この傾き角度の範囲は例に過ぎず、この範囲外の傾き角度としてもよい。
第1および第2のカム溝部17,14は、光軸方向視において、それぞれの一部(1箇所)で他方のカム溝部と交差しており、この交差部に、レンズ保持部材11に設けられたカムフォロアピン12が挿入されている。つまり、第1および第2のカム面17a,14aの交差部にて、カムフォロアピン12がこれら第1および第2のカム面17a,14aの双方に当接(係合)している。
モータ20の出力軸(回転軸)20aには、ピニオンギア15が取り付けられている。ピニオンギア15のうち、その回転中心軸(モータ20の出力軸20aの中心軸)を含む平面Pを挟んで下側の領域を第1のギア領域とし、上側の領域(第1のギア領域とは反対側の領域)を第2のギア領域とする。このとき、第1のラックギア16は第1のギア領域の一部と噛み合い、第2のラックギア18は第2のギア領域の一部と噛み合っている。特に本実施例では、第1および第2のラックギア16,18が、ピニオンギア15における回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っている。これにより、第1および第2のラックギア16,18は、互いに対向して(互いに平行であり)、水平方向に延びている。
モータ20が回転し、ピニオンギア15が回転駆動されると、第1および第2のラックギア16,18およびこれらが一体に設けられた第1および第2の可動部材13,19は、水平方向における互いに反対側に移動する。これにより、第1および第2の可動部材13,19に設けられた第1および第2のカム面14a,17aの双方に当接しているカムフォロアピン12を含むシフトユニットがシフト方向に移動する。
なお、シフトユニットがシフト方向のうち上側に移動する際には、第1および第2のカム面14a,17aの交差部の上昇によってカムフォロアピン12が押し上げられるように駆動される。一方、シフトユニットがシフト方向のうち下側に移動する際には、シフトユニットに作用する重力によって第1および第2のカム面14a,17aの交差部の下降に追従するようにカムフォロアピン12が下降する。
このようにピニオンギア15からの駆動力が第1および第2のラックギア16,18に伝達されることによりシフトユニットをシフト方向に移動させることができる。このとき、図5に示すように、ピニオンギア15が駆動力A1を与える第1のラックギア16から受ける反作用力B1の分力C1はピニオンギア15を押し上げる方向、すなわちピニオンギア15を第1のラックギア16から離す(浮かせる)方向に作用する。また、ピニオンギア15が駆動力A2を与える第2のラックギア18から受ける反作用力B2の分力C2はピニオンギア15を押し下げる方向、すなわちピニオンギア15を第2のラックギア18から離す(浮かせる)方向に作用する。
第1および第2のラックギア16,18が設けられている第1および第2の可動部材14,17は、第1および第2のカム面14a,17aにおいてシフトユニットの重量を半分ずつ支えているため、駆動力A1と駆動力A2の大きさは互いに等しい。この結果、反作用力B1と反作用力B2の大きさも互いに等しいので、ピニオンギア15を押し上げる力C1と押し下げる力C2は、互いに向きが反対であり、かつ互いに大きさが等しい。このため、押し上げる力C1と押し下げる力C2は互いに相殺し合い、ピニオンギア15およびモータ20にはこれらを垂直方向に移動させようとする力が作用しない。したがって、ピニオンギア15が第1および第2のラックギア16,18に対して離れる(浮く)方向に移動することが防止され、常にこれらの十分な噛み合いによる高いギア効率を確保することができる。これにより、ピニオンギア15と第1および第2のラックギア16,18とが離れないようにする目的のみの部品を追加する必要をなくすることができる。
以下、本実施例の構成および作用効果を、具体的な数値を用いて説明する。ここでは、レンズユニット2の重量を550gとし、レンズ保持部材11の重量を100gとする。レンズユニット2のシフト方向への可動量(シフト量)を15mmとする。
ピニオンギア15の歯がモータ20のトルクや受ける荷重によって欠けることがないような強度の確保と、コンパクトなレンズシフト装置を構成するためのピニオンギア15の小径化とを考慮して、ピニオンギア15の径をφ9.5mmとし、歯数を16とする。
第1および第2のラックギア16,18の長さは、ピニオンギア15が約0.87回転することで約26mm移動することと余裕量とを考慮して30mmとする。
第1および第2のカム面14a,17aのシフト方向に対する傾き角度は第1および第2のラックギア16,18の移動量とシフト量との関係から60°(水平方向に対しては30°)とする。各カム面の光軸方向での幅は、カム面自体の強度を確保するため、3mmとする。カムフォロアピン12の径は、シフトユニットの重量で折れない強度を確保するため、φ5mmとする。
この構成では、ピニオンギア15が約0.87回転すると各ラックギアが水平方向に約26mm移動するため、各カムも水平方向に約26mm移動する。各カムが水平方向に約26mm移動すると、水平方向に対する各カム面の傾き角度が30°であるため、カムフォロアピン12を含むシフトユニットが15mmシフト方向に移動する。この際、図5を用いて説明したようにピニオンギア15が各ラックギアから離れる方向に移動することが防止されるので、そのような移動があると70%程度まで減少するギア効率を、98〜99%という十分なギア効率とすることができる。
さらに、本実施例と図6に示す比較例とを対比する。図6には、ピニオンギア65のうち回転中心軸(モータの出力軸60a)を水平方向において挟んで互いに反対側の部分と噛み合うように設けられた第1および第2のラックギア66,67を有する比較例としてのレンズシフト装置を示している。レンズユニット2はレンズ保持部材61によって保持されており、該レンズ保持部材61に第1のラックギア66がシフト方向に延びるように直接設けられている。第2のラックギア67は、単独でシフト方向に移動可能な部材として設けられている。
この比較例では、本実施例と同様に、第1および第2のラックギア66,67をピニオンギア65のうち回転中心軸を挟んで互いに反対側の部分と噛み合うように設けている。このため、ピニオンギア65が第1および第2のラックギア66,67からそれぞれ受ける反作用力によって生ずるピニオンギア65を各ラックギアから離す方向に移動させる力は互いに相殺される。しかしながら、この比較例では、ピニオンギア66による第2のラックギア67の移動がレンズユニット2のシフト方向への移動には寄与しないため、ピニオンギア65の回転駆動力の一部は単に第2のラックギア67を移動させる力として使用される。この結果、モータによってピニオンギア65を回転駆動する場合に、レンズユニット2をシフト方向に移動させるためのモータ駆動力に加えて第2のラックギア67を移動させるモータ駆動力が必要となり、モータの消費電力が増加するという問題が生じる。
また、この比較例では、ピニオンギア65と重力方向であるシフト方向に移動可能な第1のラックギア66のみでレンズユニット2およびレンズ保持部材61を移動させる。このため、レンズユニット2およびレンズ保持部材61の荷重がそのままピニオンギア65の1つの歯とこれに噛み合う第1のラックギア66の1つ歯に集中してその歯厚方向に作用し、これらの歯に要求される強度が高くなる。この結果、ピニオンギア65と第1のラックギア66の大型化や重量増加を招く。この点、本実施例では、第1および第2のラックギア16,18を水平方向(つまりは重力方向とは異なる方向)に延ばしている。このため、レンズユニット2とレンズ保持部材11の荷重はピニオンギア15と各ラックギアの歯に直接作用せず、歯の強度を比較例ほど高くする必要はない。
さらに、比較例では、第1のラックギア66によってレンズユニット2を保持したレンズ保持部材61を直接シフト方向(重力方向)に駆動する。例えば、φ9.5mmのピニオンギア65をモータによって回転駆動する場合には、550gのレンズユニット2と100gのレンズ保持部材61を駆動するために、約325g−cm以上のトルクが出せるモータが必要である。これに対して、本実施例では、シフト方向に対して傾きを持った第1および第2のカム面14a,17aを用いているため、レンズユニット2とレンズ保持部材11の荷重が各カム面によって分散され、第1および第2のラックギア16,18にかからない。そして、各カム面の傾き角度が水平方向に対して30°であるため、約163g−cm以上のトルクが出せるモータ20を用いれば済む。したがって、モータ20を小型化することができ、消費電力も少なくすることができる。
なお、本実施例では、第1および第2のラックギア16,18が、ピニオンギア15における回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っている場合について説明した。しかし、第1および第2のラックギア16,18はそれぞれ、ピニオンギア15のうち上述した第1のギア領域の一部および第2のギア領域の一部と噛み合っていればよい。つまり、第1および第2のラックギア16,18は、本実施例のように互いに対向して平行に延びる必要はなく、互いに傾いて延びるようにしてもよい。この場合でも、ピニオンギア15の回転駆動時においてピニオンギア15が第1および第2のラックギア16,18からそれぞれ受ける反作用力のうちピニオンギア5を各ラックギアから離す方向の分力の少なくとも一部を相殺することができる。したがって、ピニオンギア15が第1および第2のラックギア16,18に対して離れる(浮く)方向に移動することが抑制される。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
図2には、本発明の実施例2であるレンズシフト装置の構成を光軸方向から見て示している。本実施例において、実施例1と共通する構成要素または同一機能を有する構成要素には、実施例1と同符号を付してそれらの詳しい説明は省略する。
本実施例のレンズシフト装置の構成は、基本的には実施例1と同じである。すなわち、第1および第2のラックギア16,18はそれぞれ、モータ20により回転駆動されるピニオンギア15における回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っている。そして、モータ20が回転し、ピニオンギア15が回転駆動されると、第1および第2のラックギア16,18およびこれらが一体に設けられた第1および第2の可動部材13,19は、水平方向における互いに反対側に移動する。これにより、第1および第2の可動部材13,19に設けられた第1および第2のカム面14a,17aの双方に当接しているカムフォロアピン12を含むシフトユニットがシフト方向に移動する。そして、本実施例でも、実施例1と同様に、ピニオンギア15が第1および第2のラックギア16,18に対して離れる(浮く)方向に移動することが防止される。
また、本実施例では、光軸方向視において、レンズユニット2の光軸位置AXLとカムフォロアピン12の中心12aとピニオンギア15の回転中心軸(モータ20の出力軸20a)とが、重力方向に延びる同一直線上に配置されている。これにより、レンズシフト装置の水平方向の幅を狭くすることができる。
なお、必ずしもレンズユニット2の光軸位置AXLとカムフォロアピン12の中心12aとピニオンギア15の回転中心軸とが、重力方向に延びる同一直線上に配置されている必要はない。光軸方向視において、レンズユニット2の水平方向のいずれかの位置とカムフォロアピン12の水平方向のいずれかの位置とピニオンギア15の水平方向のいずれかの位置とが重力方向に延びる同一直線上に配置されていればよい。この場合でも、例えば図1に示す配置に比べて、レンズシフト装置の水平方向の幅の削減効果は得られる。
図3には、本発明の実施例3であるレンズシフト装置の構成を光軸方向から見て示している。本実施例では、水平方向に延びる第1および第2のラックギア36,38がそれぞれ一体に設けられた第1および第2の可動部材33,39に、開口部31,35が形成されている。第1および第2の可動部材33,39は、光軸方向に重なるように配置され、それぞれ水平方向に移動可能である。
第1の可動部材33の開口部31には、その下面として、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜した第1のカム面31aが形成されている。さらに、第2の可動部材39の開口部35には、その下面として、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜し、かつ第1のカム面31aとは異なる方向に傾斜した第2のカム面35aが形成されている。第1および第2のカム面31a,35aのシフト方向に対する傾き角度は、実施例1と同様に、30°から60°の範囲で形成するのが好ましいが、この範囲外の傾き角度としてもよい。
開口部31,35は、光軸方向視において、それぞれの一部で他方の開口部と交差しており、この交差部に、レンズユニット2が挿入されている。そして、レンズユニット2の外周面を構成するレンズ鏡筒(カム当接部材)は、第1および第2のカム面31a,35aの交差部にて、これら第1および第2のカム面31a,35aの双方に当接(係合)している。
本実施例でも、第1および第2のラックギア36,38はそれぞれ、モータ20により回転駆動されるピニオンギア15における回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っている。そして、モータ20が回転し、ピニオンギア15が回転駆動されると、第1および第2のラックギア36,38およびこれらが一体に設けられた第1および第2の可動部材33,39は、水平方向における互いに反対側に移動する。これにより、第1および第2の可動部材33,39に設けられた第1および第2のカム面31a,35aの双方に当接しているレンズユニット2がシフト方向に移動する。そして、本実施例でも、実施例1と同様に、ピニオンギア15が第1および第2のラックギア36,38に対して離れる(浮く)ことが防止される。
また、本実施例では、レンズユニット2の外周面(レンズ鏡筒)を直接、第1および第2のカム面31a,35aに当接させているとともに、第1および第2のラックギア36,38とピニオンギア15をレンズユニット2に対して水平方向に並ぶように配置している。これにより、シフトレンズ2の下側に第1および第2の可動部材13,19や各ギアを配置した実施例1や実施例2に比べて、レンズシフト装置のシフト方向での高さを低くすることができる。
図4には、本発明の実施例4であるレンズシフト装置の構成を光軸方向から見て示している。
本実施例では、水平方向に延びる第1および第2のラックギア46,48がそれぞれ一体に設けられた第1および第2の可動部材43,49が光軸方向に重なるように配置されており、それぞれ水平方向に移動可能である。
第1の可動部材43の上面には、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜した第1のカム面43aが形成されている。また、第2の可動部材49の上面には、シフト方向(および水平方向)に対して傾斜し、かつ第1のカム面43aとは異なる方向に傾斜した第2のカム面49aが形成されている。第1および第2のカム面43a,49aのシフト方向に対する傾き角度は、実施例1と同様に、30°から60°の範囲で形成するのが好ましいが、この範囲外の傾き角度としてもよい。
第1および第2のカム面43a,49aは、光軸方向視において、それぞれの一部で他方のカム面と交差している。そして、この交差部において、レンズユニット2の外周面を構成するレンズ鏡筒(カム当接部材)が第1および第2のカム面43a,49aの双方に当接(係合)している。
レンズユニット2とレンズシフト装置の本体の天井部42との間には、付勢部材としての第1のばね41が圧縮された状態で配置されている。第1のばね41は、その伸びようとする力を、レンズユニット(レンズ鏡筒)2を第1および第2のカム面43a,49aに押し付けるための付勢力としてレンズユニット2の上側から作用させる。また、レンズユニット2とレンズシフト装置の本体のベース部50との間には、別の付勢部材としての第2のばね45が伸張状態で配置されている。第2のばね45は、その縮もうとする力を、レンズユニット(レンズ鏡筒)2を第1および第2のカム面43a,49aに押し付けるための付勢力としてレンズユニット2の下側から作用させる。
本実施例でも、第1および第2のラックギア46,48はそれぞれ、モータ20により回転駆動されるピニオンギア15における回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っている。そして、モータ20が回転し、ピニオンギア15が回転駆動されると、第1および第2のラックギア46,48およびこれらが一体に設けられた第1および第2の可動部材43,49は、水平方向における互いに反対側に移動する。これにより、第1および第2の可動部材43,49に設けられた第1および第2のカム面43a,49aの双方に当接しているレンズユニット2がシフト方向に移動する。そして、本実施例でも、実施例1と同様に、ピニオンギア15が第1および第2のラックギア46,48に対して離れる(浮く)ことが防止される。
しかも、本実施例では、第1および第2のばね41,45の付勢力によりレンズユニット2を第1および第2のカム面43a,49aの双方に押し付けているため、レンズユニット2の第1および第2のカム面43a,49aに対するがたつきを抑えることができる。このため、レンズユニット2のシフト位置を第1および第2のカム面43a,49aによって細かく調節し易くすることができる。
本実施例でも、具体的な数値として、実施例1で説明した数値を適用することができる。例えば、レンズユニット2の重量を550gとし、レンズユニット2のシフト量を15mmとし、ピニオンギア15の径をφ9.5mmとし、その歯数を16とすることができる。また、第1および第2のラックギア46,48の長さを30mmとし、第1および第2のカム面43a,49aの水平方向に対する傾き角度を30°とすることができる。そして、この構成でも、ピニオンギヤ15が第1および第2のラックギア46,48に対して離れる方向に移動した場合に70%程度まで減少するギア効率を、98〜99%という十分なギア効率に維持することができる。
なお、第1および第2のばね41,45の弾性係数は、レンズユニット2の重量(例えば、550g)やレンズユニット2を第1および第2のカム面43a,49aに押し付けることによるモータ20の駆動負荷等を考慮して適切に決定すればよい。
また、上記各実施例では、モータ20によってピニオンギア15を回転駆動する場合について説明したが、ピニオンギヤを、ハンドルや操作リング等の手動操作部材の操作によって回転駆動されるようにしてもよい。
図7には、本発明の実施例5である画像投射装置(プロジェクタ)を示している。この画像投射装置の筐体70内には、光源ランプ71と、光変調素子72と、実施例1〜4のいずれかのレンズシフト装置とが収容されている(ただし、図には実施例1のレンズシフト装置を示している)。レンズユニット2は、画像投射装置では投射レンズとして用いられる。なお、実際には、光源ランプ71からの光を色分解して複数の光変調素子に導いたり、該複数の光変調素子からの光を色合成したりする光学系も筐体70内に収容されるが、図7ではこれらを省略している。
光変調素子72は、液晶パネルやマイクロミラーデバイス等により構成され、不図示の映像機器やパーソナルコンピュータ等から入力された画像情報に応じて光源ランプ71からの光を変調し、画像光を形成する。画像光は、レンズユニット2により不図示の被投射面に投射される。
レンズシフト装置によってレンズユニット2をシフト方向に移動させることにより、被投射面上での画像投射位置を調節することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
レンズユニットをシフト方向に移動させるためのギア効率が良好なレンズシフト装置を提供することができる。
2 レンズユニット
15 ピニオンギア
13 第1の可動部材
19 第2の可動部材
14a 第1のカム面
17a 第2のカム面
16 第1のラックギア
18.第2のラックギア
15 ピニオンギア
13 第1の可動部材
19 第2の可動部材
14a 第1のカム面
17a 第2のカム面
16 第1のラックギア
18.第2のラックギア
Claims (9)
- レンズユニットを該レンズユニットの光軸に対して直交するシフト方向に移動させるレンズシフト装置であって、
回転駆動されるピニオンギアと、
前記ピニオンギアのうち第1のギア領域の一部と噛み合う第1のラックギアと、
前記ピニオンギアのうち、該ピニオンギアの回転中心軸を含む平面を挟んで前記第1のギア領域とは反対側の第2のギア領域の一部と噛み合う第2のラックギアと、
前記第1のラックギアとともに移動が可能であり、前記シフト方向に対して傾斜した第1のカム面を有する第1の可動部材と、
前記第2のラックギアとともに移動が可能であり、前記シフト方向に対して傾斜し、かつ前記第1のカム面とは傾き方向が異なる第2のカム面を有する第2の可動部材と、
前記レンズユニットとともに前記シフト方向への移動が可能であり、前記第1および第2のカム面の双方に当接するカム当接部材とを有することを特徴とするレンズシフト装置。 - 前記第1および第2のラックギアが、前記ピニオンギアにおける前記回転中心軸を挟んだ互いに反対側の部分と噛み合っていることを特徴とする請求項1に記載のレンズシフト装置。
- 前記第1および第2のラックギアが、重力方向とは異なる方向に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズシフト装置。
- 前記カム当接部材が、前記レンズユニットとは別に設けられたカムフォロアであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズシフト装置。
- 前記レンズユニットと前記カムフォロアと前記ピニオンギアとが、重力方向に延びる同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のレンズシフト装置。
- 前記カム当接部材が、前記レンズユニットの外周面を構成する部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズシフト装置。
- 前記カム当接部材を前記第1および第2のカム面に押し付ける付勢力を作用させる付勢部材を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズシフト装置。
- 前記ピニオンギヤを回転駆動するモータを有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のレンズシフト装置。
- 画像情報に応じた光の変調を行う光変調素子と、
前記光変調素子からの光を被投射面に投射するレンズユニットと、
前記レンズユニットを該レンズユニットの光軸に対して直交するシフト方向に移動させる請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズシフト装置とを有することを特徴とする画像投射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013261141A JP2015118221A (ja) | 2013-12-18 | 2013-12-18 | レンズシフト装置および画像投射装置 |
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JP2013261141A JP2015118221A (ja) | 2013-12-18 | 2013-12-18 | レンズシフト装置および画像投射装置 |
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Cited By (1)
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JP2023085191A (ja) * | 2021-12-08 | 2023-06-20 | 安克▲創▼新科技股▲フン▼有限公司 | カメラレンズ調整機構、投影モジュール及び投影装置 |
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2013
- 2013-12-18 JP JP2013261141A patent/JP2015118221A/ja active Pending
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