JP2015117944A - 水中探知装置及び水中探知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受波信号に含まれる雑音を探知対象信号と区別して除去することにより、リアルタイム且つ高精度な探知が可能な水中探知装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、航走体(1)に搭載されたソーナーシステム(12)の受波信号pから雑音成分nを除去して得られる探知対象信号sに基づいて水中探知を行う水中探知装置に関し、雑音源近傍に配置され、雑音源からの雑音を参照信号として検知する参照信号検知センサ(14)と、検知された参照信号を、参照信号検知センサとソーナーシステム間の距離及び雑音の水中伝播速度に応じた時定数で遅延処理した後に適応処理することで、探知対象信号を出力する適応フィルタ(18)とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、水上又は水中を航走する航走体に搭載され、受信信号から雑音信号を除去して得られる処理信号に基づいて水中探査を行うソーナーシステムを備える水中探知装置及び水中探知方法の技術分野に関する。
船舶などの航走体には、水中或いは水面に存在する他の船舶や障害物などの位置情報を取得して探知するために、水中探知装置を搭載することがある。この種の水中探知装置は、水中に設置された受波素子によって他の船舶等からの反射音や放射音などの音波信号を受波することによって、対象の有無及びその位置に関する情報を取得することにより探知を行う。ここで受波素子が受信する音波には、目標物からの反射音や放射音などの探知に必要な信号(探知対象信号)に加えて、各種雑音が含まれる。雑音要因としては様々が考えられるが、例えば自船のプロペラ、機器類(主機、主発、補機など)から発せられる雑音や、膜波や砕波などの雑音などの自己放射雑音がある。このような雑音はSN比を低下させ、探知性能を悪化させる要因となるため、除去する必要がある。
水中探知装置における雑音除去技術として、適応フィルタ40が知られている。図9は適応フィルタ40を用いた雑音除去の原理を説明するための模式図である。適応フィルタ40は遅延回路42と適応プロセッサ44とを有しており、受波センサによって受信される探知対象信号sに雑音信号nが混入した主信号(s+n)と、雑音信号nの発生源(雑音源)からの参照信号(雑音信号nとは別に測定される雑音信号)vが入力される。主信号(s+n)は遅延回路42によって遅延処理されることによって信号dに変換されると共に、参照信号vは適応プロセッサ44によって信号gに変換され、その差分
ε=g−n (1)
が適応プロセッサ44にフィードバックされる。適応プロセッサ44では、誤差εが自乗平均の意味で最小になるようにフィルタ係数が制御され、探知対象信号sに相当する出力εが得られる。この種の適応フィルタを用いた雑音除去技術は、例えば特許文献1に開示がなされている。
特開2004−317240号公報
上述の適応フィルタによる雑音除去を行うためには、雑音源からの参照信号を探知対象信号と分離して得られることが前提となる。しかしながら、水中から受波する音波から雑音源からの参照信号のみを探知対象信号と識別して検知することは、現実的には困難である。参照信号を探知対象信号と区別して得るための方法としては、例えば、探知対象信号をゼロにした状態で雑音源のみからの音波をバックグランドノイズとして取得することも考えられる。しかしながら、この場合は参照信号の取得タイミングと探知対象信号の取得タイミングとの間にタイムラグがあり、リアルタイムな測定を行うことができない。例えば雑音源からの雑音レベルや周波数が時間的に変動する場合には、探知精度が低下してしまう。
本願発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、受波信号に含まれる雑音を探知対象信号と区別して除去することにより、リアルタイム且つ高精度な探知が可能な水中探知装置及び水中探知方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る水中探知装置は上記課題を解決するために、水上又は水中を航走する航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行うように構成された水中探知装置であって、前記ソーナーシステムより雑音源に近い位置に設けられ、前記雑音源からの雑音を参照信号として検知する参照信号検知部と、前記参照信号検知部によって検知された参照信号を、前記ソーナーシステム及び前記雑音源間の距離及び雑音の水中伝播速度に応じた時定数で遅延処理した後に適応処理することで、前記探知対象信号を出力する適応フィルタとを備えることを特徴とする。
本態様によれば、参照信号検知部をソーナーシステムより雑音源に近い位置、すなわち、雑音源近傍に配置することによって、雑音源から発せられる雑音である参照信号を、探知対象信号から明確に分離して検知することができる。また取得した参照信号は、遅延回路でソーナーシステムまでの伝播時間を加味した遅延処理が施される。これにより、適応処理において受波信号からリアルタイムな雑音除去を行うことができるので、リアルタイム且つ高精度な探知が可能な水中探知装置を提供することができる。
前記航走体は前記雑音源を複数有しており、前記参照信号検知部は、前記複数の雑音源毎に設けられていてもよい。
この態様によれば、航走体が複数の雑音源を有する場合には、参照信号検知部を雑音源毎に設けることにより、各雑音源からの雑音を受波信号からそれぞれリアルタイムで除去できる。
前記ソーナーシステムは前記航走体の前方に搭載されており、前記雑音源は、前記航走体の後方に設けられた推進用のプロペラであってもよい。
この態様によれば、航走体の前方に搭載されたソーナーシステムから離れた後方位置に設けられた推進用のプロペラからの雑音を参照信号として検知する。参照信号検知部は、雑音源である推進用のプロペラの近傍に配置されるため、前方に搭載されているソーナーシステムの探知対象信号の影響が少ない状況において参照信号を検知できるので、探知対象信号との分離を良好にすることができる。
この場合、前記参照信号検知部は、前記プロペラに対向する位置に設けられていてもよい。
この態様によれば、参照信号検知部をプロペラに対向する位置に設けることによって、ソーナーシステムの探知対象信号を含む外部の影響が少ない状況において参照信号を精度よく検知することができる。
前記雑音源は、前記航走体の内部に搭載された機器であり、前記参照信号検知手段は、前記機器を前記航走体に固定するベース上に取り付けられていてもよい。
この態様によれば、航走体の内部に搭載された機器が雑音源である場合には、参照信号検知部を当該機器類を航走体に固定するベース上に取り付けることによって、精度よく参照信号を検知することができる。
前記航走体は前記ソーナーシステムを前方に搭載する船舶であり、前記雑音源は船首(近傍)に発生する膜波又は砕波であり、前記参照信号検知部は、前記船首近傍の水上に設置され、空気音を前記参照信号として検知してもよい。
この態様によれば、雑音源が船舶の船首近傍に発生する膜波又は砕波である場合、前方に搭載されたソーナーシステムとの距離が近いため、水上に設置された空気音を参照信号として検知する。ソーナーシステムの探知対象信号は水中を良好に伝播する一方で、水中への漏れ出しは少ないため、空気音を検知することで、探知対象信号から良好に分離された参照信号を得ることができる。
前記適応フィルタはLMSアルゴリズムを含んでおり、前記LMSアルゴリズムは、前記雑音源が過渡的に変動する場合には、前記雑音源が過渡的に変動しない場合に比べてフィルタ係数の数を増加するように設定されていてもよい。
この態様によれば、雑音源の状態に応じてフィルタ係数の数を増加するLMSアルゴリズムを含む適応フィルタを備えることにより、雑音源が過渡的に変動する場合においても、精度のよい雑音除去を行うことができる。
尚、LMSアルゴリズムに代えて、RLSアルゴリズム等の他の手法を含む適応フィルタに関しても、本発明の技術的思想を同様に適応してもよい。
本発明の一態様にかかる水中探知方法は上記課題を解決するために、水上又は水中を航走する航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知方法であって、前記ソーナーシステムより雑音源に近い位置で、前記雑音源からの雑音を参照信号として検知する参照信号検知工程と、前記検知された参照信号を、前記ソーナーシステム及び前記雑音源間の距離及び雑音の水中伝播速度に応じた時定数で遅延処理する遅延処理工程と、該遅延処理された参照信号を用いて、前記受波信号を適応処理することで、前記探知対象信号を生成する適応処理工程とを備えることを特徴とする。
本態様は、上述の水中探知装置(上記各種態様を含む)によって好適に実施することができる。
本発明によれば、参照信号検知部をソーナーシステムより雑音源に近い位置、すなわち、雑音源近傍に配置することによって、雑音源から発せられる雑音である参照信号を、探知対象信号から明確に分離して検知することができる。また取得した参照信号は、遅延回路でソーナーシステムまでの伝播時間を加味した遅延処理が施される。これにより、適応処理において受波信号からリアルタイムな雑音除去を行うことができるので、リアルタイム且つ高精度な探知が可能な水中探知装置を提供することができる。
図1は本実施形態に係る水中探知装置を搭載した船舶の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る水中探知装置の基本構成を模式的に示す図である。 適応フィルタの内部構成を概略的に示す図である。 適応プロセッサの内部構成の一例を示す回路図である。 適応プロセッサの処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る水中探知装置の基本構成を示す模式図である。 第3実施形態に係る水中探知装置の基本構成を示す模式図である。 第4実施形態における適応フィルタの内部構成を示す回路図である。 適応フィルタを用いた雑音除去の原理を説明するための模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本実施形態に係る水中探知装置10を搭載した船舶1の概略構成を示す図である。船舶1は水上を航走する航走体の一例であり、これに代えて水中を航走する潜水艇などの航走体についても、本発明を適用可能であることは言うまでもない。船舶1の後方船底には推進用のプロペラ2が設けられており、船内に搭載されたエンジンやモータなどの動力源(図1では後述の機器類に含まれる)によって回転駆動されることによって、船舶1の航走が実現される。
また船舶1には、水中探知用のソーナーシステム12が搭載されている。ソーナーシステム12は、探知対象から発せられる音波信号を受波することにより、探知対象の有無及びその位置を特定するパッシブ方式のソーナーシステムであるが、能動的にソーナービームを照射することにより検知対象からの反射波を受波することで探知を行うアクティブ方式であってもよい。
ソーナーシステム12は検知対象からの音波信号を受波することにより探知を行うが、一般的に、受波信号には探知に必要な検知対象からの探知対象信号sに加えて、少なからず余分な雑音成分nが含まれる。探知対象信号sにおける雑音成分nの比率は、いわゆるS/N比と称されており、精度のよい探知を行うためには、受波信号(s+n)から雑音信号nを除去して、S/N比を改善することが有効である。雑音源としては様々な内外要因が考えられるが、本実施形態では特に、船舶1が自ら放射する自己放射雑音に対するS/N比の改善を図る。図1では、自己放射雑音源として、プロペラ2、船内1に搭載された機器類(例えば、エンジン、タービンなど)4、船首6近傍で発生する膜波、砕波が例示されている。
(第1実施形態)
図2は第1実施形態に係る水中探知装置10の基本構成を模式的に示す図である。第1実施形態では、自己放射雑音源であるプロペラ2から発せられる雑音を受波信号から除去する態様について説明する。
上述したようにプロペラ2は後方船底に設置されているので、雑音の確実な検知を可能とするために、プロペラ2からの雑音を参照信号vとして検知するための参照信号検知センサ14が、プロペラ2の近傍、図2では特に、参照信号検知センサ14はプロペラ2に対向する位置に設けられている。また、参照信号検知センサ14はソーナーシステム12から離れた位置に設けられているため、ソーナーシステム12の受波信号(s+n)が混入することが防止でき、雑音を精度よく検知することができるように構成されている。
尚、参照信号検知センサ14は、例えば圧力センサ、振動センサ、歪センサなどの雑音を検知可能なセンサであればよく、雑音源の種類によって適宜選択するとよい。
参照信号検知センサ14で検知された参照信号vは、所定長さを有する信号線16を介して、ソーナーシステム12の近傍に配置された適応フィルタ18に入力される。適応フィルタ18は、当該参照信号vに基づいて雑音信号nを求め、ソーナーシステム12の受波信号(s+n)から除去することによって、ソーナーシステム12の解析用信号である探知対象信号sを出力する。
図3は適応フィルタ18の内部構成を概略的に示す図である。
適応フィルタ18には、参照信号検知センサ14で検知された参照信号vが入力され、適応プロセッサ20によって雑音信号nに変換される。雑音信号nは、減算器22によってソーナーシステム12の受波信号p(=s+n)から減算されることにより、探知対象信号d(=s)が出力される。このように求められた探知対象信号dは、適応プロセッサ20にフィードバックされる。
図4は適応プロセッサ20の内部構成の一例を示す回路図であり、図5は適応プロセッサ20の処理手順を示すフローチャートである。
まず参照信号検知センサ14によって検知された参照信号v、及び、ソーナーシステム12の受波信号pを取得する(ステップS101)。参照信号vは適応フィルタ18によって適応処理が実施されることで、雑音信号nが求められる(ステップS102)。
ここでステップS102における適応処理の具体的な処理内容について、図4を参照しながら説明する。
適応プロセッサ20に入力された参照信号vは、遅延回路24によって時定数τに応じた遅延処理が実施されることにより、信号v´として出力される。ここで時定数τは、参照信号検知センサ14からソーナーシステム12までの音波伝搬時間に基づいて設定される。すなわち、参照信号検知センサ14で所定の雑音を検知するタイミングと、ソーナーシステム12にて当該雑音が検知されるタイミングとの間に生じるタイムラグに基づいて、時定数τが設定される。具体的には、水中における音波の伝搬速度と、参照信号検知センサ14とソーナーシステム12との間の距離に基づいて求められる音波伝搬時間として、時定数τを設定するとよい。
上述したように、参照信号検知手段14を雑音源の近傍に設置することによって、参照信号検知手段14とソーナーシステム12との間に雑音検知のタイムラグが生じる。本実施形態では、遅延回路24を設けることで、雑音除去時にこのようなタイムラグを加味することができるので、精度のよい雑音除去を行うことができる。すなわち、従来のような予め記憶されたバックグラウンドノイズに基づいた雑音除去に比べて、リアルタイムな雑音評価に基づいて雑音除去を行えるので、精度向上が期待できる。
本実施形態に係る水中探知装置10は、特に雑音が過渡的に変化する場合に有利性を発揮する。例えば船舶1の運転状態に応じて、プロペラ2の回転速度が過渡的に変化する場合には、当該プロペラ2によって発生する雑音レベルも変動する。従来の手法では、ある一定の条件下のバックグラウンドに基づいて雑音除去を行うため、このように雑音が過渡的に変動する場合には、雑音除去の精度が低くなってしまう。
続いて遅延回路24の出力信号v´は、L(Lは任意の自然数)個のZ変換回路26に入力され、それぞれの出力信号はLMSアルゴリズム28によって設定される係数w、w、・・・、wを用いて、次式により雑音信号nが求められる
n=v´w+v´w+v´w+v´w+・・・ (2)
ここで係数w、w、・・・、wは、LMSアルゴリズム28によって次式に基づいて、逐次算出される。
(t+1)=w(t)+2μdv (3)
尚、(3)式のμはステップサイズパラメータである。
定数Lは、雑音源の特性(本実施例ではプロペラ2の回転数など)に基づいて適宜設定されるとよい。特に、雑音信号が過渡的な信号か定常的な信号か、評価する周波数やサンプリング周波数に基づいて設定するとよいが、Lが大きくなると適応プロセッサの処理負担が増えてしまうことも考慮すべきである。プロペラ2の回転数の例でいえば、船舶1の場合、定常運転時には回転数が一定であるため、基本的にLを小さい値に設定しておき、加減速時などの過渡運転時には回転数が過渡的に変化するため、Lを大きく設定するとよい。
このように求められた雑音信号nは、ソーナーシステム12の受波信号p(=s+n)と差分を取ることにより、探知対象信号d(=s)が得られる(ステップS103)。このように求められた探知対象信号dは、ソーナーシステム12に出力されることによって解析される(ステップS104)。また探知対象信号dはLMSアルゴリズム28にフィードバックされることによって、係数w、w、・・・、wを更新すると共に(ステップS105)、時刻を1サンプル進め(ステップS106)、上記処理を繰り返す(RETURN)。
以上説明したように、雑音源であるプロペラ2の近傍に参照信号検知センサ14を設置することで、雑音源からの参照信号vを、ソーナーシステム12の受波信号pから明確に分離して検知する。また参照信号vは、ソーナーシステム12まで伝搬するために必要なタイムラグに応じた遅延処理を行う。これにより、本実施形態に係る水中探知装置10では、精度のよい雑音除去処理を行い、優れたS/N比を実現できる。
尚、本実施例ではLMSアルゴリズムに基づいた演算を行う場合について説明したが、RLSアルゴリズム等の他の手法を含む適応フィルタに関しても、上記思想を同様に適応してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態では、雑音源が船舶1の内部に搭載された機器類4(図1を参照)である点において、上記実施形態と異なっている。図6は第2実施形態に係る水中探知装置10の基本構成を示す模式図である。
雑音源である機器類4は、例えばプロペラ2の動力源(エンジン、タービン、モータなど)を含む主発や主機、或いは、各種補機等が含まれる。図6では、これらの機器類4がベース5上に固定接地されている。参照信号検知センサ14は雑音源である機器類4の近傍に設けられていれば足りるが、本実施形態では特にベース5上に固定設置されることにより、機器類4で発生する振動を参照信号vとして良好に検知可能なように構成されている。
尚、参照信号検知センサ14は雑音源からの信号を確実に検知可能な位置であれば船内外の任意の位置に取り付け可能であり、より好ましくは雑音源である機器類4自体に取り付けられてもよい。
参照信号検知センサ14は、所定長さを有する信号線16を介して適応フィルタ18に接続されている。適応フィルタ18では、上記第1実施形態と同様に、雑音源である機器類4からソーナーシステム12までの雑音伝搬時間に相当する時定数τを有する遅延回路24を有することにより、リアルタイムで精度のよい雑音除去が行われる。
尚、適応処理の内容に関しては上記第1実施形態と同様であるため、ここでは記載を省略する。
(第3実施形態)
第3実施形態では、雑音源が船舶1の船首近傍で発生する膜波又は砕波(図1を参照)によって生じる音響又は振動である点において、上記実施形態と異なっている。図7は第3実施形態に係る水中探知装置10の基本構成を示す模式図である。
本実施形態の雑音源が船首6近傍であるため、船底前方に搭載されたソーナーシステム12との距離が近い。そのため、仮に参照信号検知センサ14の設置位置を雑音源の近傍の水中とした場合、参照信号vにソーナーシステム12の探知対象信号sが混入しやすいという問題がある。そこで、図7に示すように、参照信号検知センサ14は船首6近傍の水上に設置されることにより、膜波又は砕波により生じる空気音を参照信号vとして検知するように構成されている。
水中を伝播するソーナーシステム12の探知対象信号sは、水中から空中への漏れ出しが少ない特性を有している。そこで、本実施形態では参照信号検知センサ14によって空気音を検知するように水上に設置することにより、参照信号vに探知対象信号sが混入することを抑制し、良好なS/N比のもとで精度のよい雑音除去を行うことができる。
尚、本実施形態では、適応処理の定数パラメータであるLは、雑音源が砕波である場合には周期が長いため大きい値に設定するとよい。
(第4実施形態)
上記第1乃至第3実施形態では、それぞれ船舶1が単一の雑音源を有する場合について説明したが、実際には図1に示すように、複数の雑音源が存在する。本実施形態では、k(kは2以上の自然数)個の雑音源がある場合について説明する(図1の例では、プロペラ2、機器類4、船首6近傍に発生する膜波又は砕波の3種類の雑音源が存在するため、k=3の場合に相当する)。
尚、以下の説明では、上記実施形態と同様の箇所には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略することとする。
図8は第4実施形態における適応フィルタ18の内部構成を示す回路図である。
本実施形態では、k個の雑音源の近傍にそれぞれ参照信号検知センサ14が設けられており、各センサで検知された参照信号をv、v、・・・、vで示されている。各参照信号は、適応フィルタ18に入力されると、適応プロセッサ20、20、・・・20にて適応処理されることにより、対応する雑音信号n、n、・・・、nが求められる。適応プロセッサ20、20、・・・20は、それぞれ上記実施形態における適応プロセッサ20と類似の構成を有しており、参照信号v、v、・・・、vを、それぞれ遅延回路24、24、・・・24で遅延処理して信号v´、v´、・・・、v´とする。信号v´、v´、・・・、v´は、それぞれLMSアルゴリズム28、28、・・・、28によって係数w を乗算することにより、上記(2)式に基づいて、雑音信号n、n、・・・、nが求められる。雑音信号n、n、・・・、nはk個の雑音源に対応する雑音信号に相当しており、これらを加算することで全雑音信号nが得られる。このようにして得られた全雑音信号nは、ソーナーシステム12の受波信号pとの差分をとることによって、探知対象信号dが得られる。
尚、遅延回路24、24、・・・24における時定数は、各雑音源からソーナーシステム12までの距離に応じて個別に設定される。これにより、複数の雑音源が存在する場合であっても、各雑音源の近傍に配置された参照信号検知センサ14とソーナーシステム12とにおける雑音検知タイミングのタイムラグを考慮した、リアルタイムで精度のよい雑音除去が可能になる。
本発明は、水上又は水中を航走する航走体に搭載され、受信信号から雑音信号を除去して得られる処理信号に基づいて水中探査を行うソーナーシステムを備える水中探査装置及び方法に利用可能である。
1 船舶
2 プロペラ
4 機器類
5 ベース
6 船首
10 水中探知装置
12 ソーナーシステム
14 参照信号検知センサ
16 信号線
18 適応フィルタ
20 適応プロセッサ
22 減算器
24 遅延回路
28 LMSアルゴリズム

Claims (8)

  1. 水上又は水中を航走する航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行うように構成された水中探知装置であって、
    前記ソーナーシステムより雑音源に近い位置に設けられ、前記雑音源からの雑音を参照信号として検知する参照信号検知部と、
    前記参照信号検知部によって検知された参照信号を、前記ソーナーシステム及び前記雑音源間の距離及び雑音の水中伝播速度に応じた時定数で遅延処理した後に適応処理することで、前記探知対象信号を出力する適応フィルタと
    を備えることを特徴とする水中探知装置。
  2. 前記航走体は前記雑音源を複数有しており、
    前記参照信号検知部は、前記複数の雑音源毎に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中探知装置。
  3. 前記ソーナーシステムは前記航走体の前方に搭載されており、
    前記雑音源は、前記航走体の後方に設けられた推進用のプロペラであることを特徴とする請求項1に記載の水中探知装置。
  4. 前記参照信号検知部は、前記プロペラに対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の水中探知装置。
  5. 前記雑音源は、前記航走体の内部に搭載された機器であり、
    前記参照信号検知部は、前記機器を前記航走体に固定するためのベース上に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中探知装置。
  6. 前記航走体は前記ソーナーシステムを前方に搭載する船舶であり、
    前記雑音源は船首に発生する膜波又は砕波であり、
    前記参照信号検知部は、前記船首近傍の水上に設置され、空気音を前記参照信号として検知することを特徴とする請求項1に記載の水中探知装置。
  7. 前記適応フィルタはLMSアルゴリズムを含んでおり、
    前記LMSアルゴリズムは、前記雑音源が過渡的に変動する場合には、前記雑音源が過渡的に変動しない場合に比べてフィルタ係数の数を増加するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の水中探知装置。
  8. 水上又は水中を航走する航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知方法であって、
    前記ソーナーシステムより雑音源に近い位置で、前記雑音源からの雑音を参照信号として検知する参照信号検知工程と、
    前記検知された参照信号を、前記ソーナーシステム及び前記雑音源間の距離及び雑音の水中伝播速度に応じた時定数で遅延処理する遅延処理工程と、
    該遅延処理された参照信号を用いて、前記受波信号を適応処理することで、前記探知対象信号を生成する適応処理工程と
    を備えることを特徴とする水中探知方法。
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