JP2004012237A - クロスファンビームによる船舶検出方法及び船舶検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クロスファンビームを使用したソーナで、ビームを海底から海面に向けて照射し、各々のビームの船舶から反射してきた音波(エコー)を時間単位で区切り、単位深度における各々のビームの受信状況をまとめ特徴を抽出して船舶の喫水、サイズ等を検出する。深度単位でデータを区切り、海面残響の受信される直前の区間までを、処理することにより海面残響を排除する。また、エコーの強弱まで検出することにより、海面残響よりも、強い船舶のエコーを抽出し海面残響と分離する。深度単位で、エコーの受信状況をまとめエコーによる面積や幅から船舶のサイズを計算し、またどの深度からエコーが出始めたかで、喫水を出し積載量を判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、クロスファンビームを使用したソーナに関し、特に、船舶の貨物等の積載状況を検出する船舶検出方法に関する。
【従来の技術】
従来よりクロスファンビームを用いたソーナにより、音波を送受波して探知範囲からの反射音の信号処理を行い、探知範囲の画像を表示する技術が知られている(特開平59−107285号公報、特開平10−132930号公報参照)。
【0002】
複数のクロスファンビームを用いたソーナは、それぞれラインアレイ構成でなり十字に交差して配置した送波素子列及び受波素子列により複数の扇型の送信ビーム(送波ファンビーム)及び受信ビーム(受波ファンビーム)でなるクロスファンビームを形成して音波の送波及び受波を行うものであり、次のような原理による。
【0003】
送波素子列から送波ファンビームを所定のθ方向にn本形成し、それぞれのビームで音波を周波数を変えて送信する。例えばθ1ビームでF1周波数の送信、θ2ビームでF2周波数の送信、…θnビームでFn周波数の送信というようにn回送信する。受波素子列では、θ方向に対し90°方向のψ方向に受波ファンビームをn本形成して反射波を受信する。例えば、ψ1ビーム、ψ2ビーム、…、ψnビームの各々で音波を受信する。ここで受信動作は各々のビームで並行して行う。受信信号は中心周波数がそれぞれF1〜Fnのn種類のバンドパスフィルタに通し、周波数F1〜Fn毎の信号に分類する。次に周波数F1〜Fn毎の信号を検波積分して、ψ1方向に周波数F1〜Fnのn本の信号、ψ2方向に周波数F1〜Fnのn本の信号、…ψn方向に周波数F1〜Fnのn本の信号からなるn×n本の信号を生成する。ここで、周波数と方向との関係はそれぞれF1=θ1、F2=θ2、F3=θ3、…、Fn=θnであるから、前記n×n本の信号はψとθの各方向からの受信信号となる。
【0004】
このソーナは、受信信号が方位毎の信号であるから船舶等に搭載して海底方向等を探知するために使用され、受信信号を表示装置に表示することにより、海底等の凸凹を示す地形等の表示装置として利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報記載のクロスファンビームを用いたソーナは、船舶等に搭載されビーム方向を船舶等から海中方向、例えば海底方向や斜め方向等に向けて、海底地形データ等を探知するために使用されており、航行する船舶やその積載状況等の検出に適用可能なものではない。
【0006】
本発明の目的は、船舶の喫水又は船舶のサイズを検出することを可能とするクロスファンビームを用いた船舶検出方法及び船舶検出装置を提供することにある。
本発明の目的は、船舶の喫水又は船舶のサイズ等を検出することにより貨物等の積載状況を検出することを可能とするクロスファンビームを用いた船舶検出方法及び船舶検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の船舶検出方法は、複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数のクロスファンビームを海底側から海面方向に照射して、航行する船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズを検出し、貨物等の積載状況を検出することを特徴とする。
【0008】
本発明の船舶検出方法は、複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数の送波ファンビームを海底から海面方向に照射して音波を送信し、複数の受波ファンビーム毎に音波を受信し、受信信号を所定レベルで検出することにより方位毎のエコーデータとし、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとし、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、航行する船舶の喫水又は喫水線を検出し、貨物等の積載状況を検出することを特徴とし、前記貨物等の積載状況の検出は、船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズと積載量との関連データに基づいて行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の船舶検出方法は、複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数の送波ファンビームを海底から海面方向に照射して音波を送信し、受波ファンビーム毎に音波を受信し、受信信号を所定レベルで検出することにより方位毎のエコーデータとし、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとし、深度毎の2次元データに基づいて航行する船舶の海面下の立体形状を検出し、当該船舶の船舶重量のデータに基づいて貨物等の積載状況を検出することを特徴とする。
【0010】
本発明の船舶検出装置は、複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出装置において、ビーム毎の受信信号を所定レベルで検出して方位毎のエコーデータとするレベル検出回路と、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとする配列処理回路と、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて航行する船舶の喫水又は喫水線を検出し、検出した喫水又は喫水線から貨物等の積載状況を検出する目標処理回路と、を有することを特徴とし、前記貨物等の積載状況の検出は、船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズと積載量との関連データに基づいて行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の船舶検出装置は、複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出装置において、ビーム毎の受信信号を所定レベルで検出して方位毎のエコーデータとするレベル検出回路と、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとする配列処理回路と、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、航行する船舶の海面下の立体形状を検出し、検出した船舶の立体形状と当該船舶の重量データに基づいて貨物等の積載状況を検出する目標処理回路と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のクロスファンビームによる船舶検出方法及び船舶検出装置の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の船舶検出システムの概念図である。本実施の形態の船舶検出システムは、船舶の航行箇所等の水底にクロスファンビームを用いたソーナを固定、配置して船舶の海面下のサイズ及び喫水等を検出する構成を備える。つまり、水底にソーナの送受波器であるそれぞれがリニアアレイ構成でなる送波素子列4と受波素子列5を互いに90°の関係に交叉させ、複数のクロスファンビームが海面方向に形成されるように水平に配置する。
【0013】
図2は、本実施の形態のクロスファンビームによる船舶検出装置の構成を示す図である。図3、図4は、クロスファンビームによるそれぞれ送波及び受波の動作を示す図である。
本実施の形態は、送信部Aは、送信制御回路1、ビームシフト回路2、電力増幅回路3、送波器(送波素子列)4を備える。また、受信部Bは、受波器(受波素子列)5、受信回路6、指向性合成回路7、受信ビーム出力回路8を備える。また、信号処理部Cは、レベル検出回路9、配列処理回路10、目標処理回路11、深度計12を備える。各部の機能は以下のとおりである。
【0014】
送信制御回路1は、複数の送波ファンビームで送信する複数の周波数F1〜Fnの送信信号の信号波形101を生成して出力する機能を有する。送信波形は図3に示すように、エンベロープがパルス状の送信期間のバースト信号である。送信期間には周波数F1〜Fnの信号が複数の送波ファンビームの方向(θ1〜θn)に対応して順次切り替わり出力される。
【0015】
ビームシフト回路2は、順次方向(θ1〜θn)をシフトした送波ファンビームを形成するために送信波形を各送波素子に供給する複数の信号に変換し、それぞれの信号の位相を制御する機能を有する。つまり、送信制御回路1から入力した送信波形101を送波器4の各送波素子に互いに位相差をつけて振り分けることにより、それぞれθ1〜θn方向の送波ファンビームを形成する。これにより、図3に示すように送信波形101を周波数F1の信号はθ1方向、周波数F2の信号はθ2方向、…周波数Fnの信号はθn方向に送信することを可能とする。
【0016】
電力増幅器3は、ビームシフト回路2からの所定の位相差を有する複数の信号でなる送信信号102を入力し電力増幅を行って出力する。送波器4は、電力増幅した送信信号103を入力し各送波素子によりそれぞれ複数の信号を音に変換し、音波104として海面方向に送波する。
【0017】
受波器5は、海面方向に送波された音波104が船舶などで反射して戻ってきた反射波(以下「エコー」という。)を受波素子列により受波し、電気信号に変換して複数の受信信号106として出力する。受信回路6は、受波素子列から出力された微弱な受信信号106を増幅して出力する。
【0018】
指向性合成回路7は、受波素子列の各受波素子の出力を位相制御して合成する移相回路により、図4に示すようにθ方向と直交するψ方向の方位ψ1〜ψn毎の受波ファンビームを形成し、前記受波ファンビームにより受波素子列からの受信信号107を各方位ψ1〜ψnのビーム信号108として出力する。
【0019】
フィルタ8は、方位ψ1〜ψn毎のビーム信号108について、それぞれ中心周波数F1〜Fnの複数のバンドパスフィルタを通過させ、周波数F1〜Fn毎のマルチビーム信号(受信信号)109として分離して出力する。
【0020】
レベル検出回路9は、周波数F1〜Fn(θ1〜θn)毎且つ方位ψ1〜ψn毎(方位毎)の信号として分類された受信信号109のそれぞれを検波し更に積分した(検波積分した)後、所定の閾値以上の信号レベルを目標のエコーとする検出(レベル検出)を行い、レベル検出された方位毎の信号(エコーデータ)110を出力する。
【0021】
配列処理回路10は、送受波器の深度を計測する深度計12と接続され、該深度計12で計測した深度データ(水深データ)113を入力し、送受波器と海面との距離(時間)を水中の音速による計算式(時間[s]=深度[m]/音速[m/s])により計算し、前記計算結果によりレベル検出回路9からの方位毎のエコーデータ110のうち海面残響(海面からの反射音)が到達する直前までのデータを取り出し、該データを深度単位(時間単位)d1〜dnで区切り、深度d1〜dn毎の2次元データ111にデータの配列を変換して出力する。
【0022】
図5は、レベル検出回路9及び配列処理回路10の処理動作を示す図である。同図の波形例1は、周波数F1〜Fn(θ1〜θn)毎及び方位ψ1〜ψn毎の信号を検波積分した時系列な信号の1つを示している。レベル検出回路9では受信信号109の検波積分した信号を所定の閾値Thと比較することで目標のエコーを検出して方位毎のエコーデータとし、配列処理回路10では、前記方位毎のエコーデータを海面下の深度単位d1〜dnのエコーの有無を判定し、深度毎のエコーの有無の2次元データとして出力する。
【0023】
図6は、深度毎のエコーの有無のデータを3次元座標上に表した概念図である。エコーの有無のデータは、クロスファンビームに対応する3次元座標(θ軸、ψ軸及びd軸)の四角錐のデータとして表せる。
【0024】
目標処理回路11は、配列処理回路11からの深度毎のエコーの有無の2次元データに基づいて、エコー有り(単に「エコー」ともいう。)の分布(パターン)等から、エコーの連続する長さ、エコーで囲まれた面積、船舶の船首と船尾方向のサイズ(長さ方向)、船舶の横幅方向のサイズ、船底深度、着水部分の体積等の特徴を解析し、喫水や喫水線又は海面下の船舶のサイズ等から貨物等の積載量(重量)を判定する。
【0025】
図7は、船舶の船底側の外部形状と喫水、喫水線又は船舶のサイズとの関係を示す図である。喫水又は喫水線、海面下の船底外部形状、船舶の長さ方向のサイズ、船舶の横幅方向のサイズ等、海面下の船舶のサイズは、貨物等の積載量と相関があり、前記2次元データのパターンから積載量を検出することが可能である。
【0026】
特に、特定の船舶の航行(停泊)箇所を通過する船舶は、船舶の種類、船体形状等が類似することが多く、船舶の喫水又は喫水線により船舶の貨物等の積載状況を予測、判定することが可能である。また、ソーナの設置地域により、事前にソーナにより検出される情報と航行する船舶に関する各種データ、例えば、船舶の喫水又は喫水線と積載量との関連データ、船舶の海面下の立体形状と当該船舶の重量データ等をデータベースとして目標処理回路11に保持して使用することにより、貨物等の積載状況をより高い精度に検出することが可能である。
【0027】
図8は、深度単位の2次元データのエコーの有無(エコー有り:■表示)のパターンの例を示す図である。同図において最も浅い深度d1で検出されるエコーは船舶の喫水線に相当し、最も深い深度で検出されるエコーは船底の先端部等に相当する。
【0028】
同図に示すように、小型船の場合は、船舶の長さ、船底面積及び船底深度が小さいため、浅い深度d2からエコーが検出されはじめ最も浅い深度d1でも連続するエコーの長さは短く、連続するエコーで囲まれる面積等も広がらない。また、同一の小型船でも貨物等の積載量の大小により連続するエコーで囲まれる面積は増減し、積載量の大小により、エコーが現れる2次元データの深度が増減する。
【0029】
また、大型船の場合は、船舶の長さ及び船底深度が大きいため、深い深度からエコーが検出されはじめ最も浅い深度d1での連続するエコーの長さは長く、連続するエコーで囲まれる面積等も大きく広がる。また、同一の大型船でも貨物等の積載量の大小により連続するエコーで囲まれる面積は増減し、積載量の大小により、エコーが現れる2次元データの深度が増減する。
【0030】
次に、本実施の形態の船舶検出方法について、フローチャートを参照して説明する。
図9は、海面下の船底外部のサイズ等を検出する船舶検出方法のフローチャートを示す図である。
【0031】
最初に、それぞれアレイ構成でなり十字に交差して配置した送波素子列及び受波素子列により複数のクロスファンビームを形成して音波の送受波を行い、反射波の受信を行う(s1)。ここで送波素子列による送信は、図2に示すように、ある方向(θ方向)に扇形の送信ビームをn本形成し、各々のビームの送信信号の周波数を変えて送信する。つまり、θ1ビームでF1周波数の送信、θ2ビームでF2周波数の送信、…θnビームでFn周波数の送信というようにn回送信する。受波素子列による受信は、図3に示すように、θ方向に対し90°方向(直交又はクロス方向)のψ方向に扇形の受信ビームをn本形成して受信する。つまり、ψ1ビームからψnビームの各々で受信する。ここで受信動作は各々のビームで並行して行う。
【0032】
次に、受信した反射波を周波数別に分離して検波積分して方位毎の受信信号として出力する(s2)。具体的には、受信した反射波を中心周波数がそれぞれF1〜Fnのn種類のバンドパスフィルタに通して、周波数F1〜Fn毎の信号に分類する。その後、周波数F1〜Fn毎の信号を検波積分して、ψ1方向に周波数F1〜Fnのn本の信号、ψ2方向に周波数F1〜Fnのn本の信号、…ψn方向に周波数F1〜Fnのn本の信号からなるn×n本の信号を生成する。ここで、周波数F1〜Fnは、図3、4に示すように送信した方向が異なり、周波数と方向との関係はそれぞれF1=θ1、F2=θ2、F3=θ3、…、Fn=θnであるから、前記n×n本の信号をψ及びθの方向(方位)からの受信信号として出力する。
【0033】
次に、方位毎の受信信号を所定のレベルの閾値で判定し、方位毎のエコーの有無の時系列データとして出力する(s3)。検波積分した受信信号は送波素子列から送波した音波による目標からのエコーが時系列に受信されたエコーデータであり、受波素子列の近くの位置のエコーから順次遠くの位置のエコーとして検出される。
【0034】
次に、深度データに基づいて時系列のエコーデータに時間ゲート(レンジゲート)をかけ、深度毎及び方位毎のエコーの有無の2次元データを作成する(s4)。受信信号の時間経過は、送波素子列及び受波素子列に対する距離に対応しており、図5に示すように受信信号を所定の時間単位(深度単位、距離単位)に区切り、各時間単位d6〜d1内で船舶からのエコーの有無を判定基準の閾値を用いて判定する。図5に示す波形例1では、判定基準を越えるエコーは深度d2区間内で検出されており、他の区間の受信信号はノイズとして扱う。方位毎の2次元データを深度別に同時に表すと図6に示すように、▲1▼送信ビーム角(周波数)、▲2▼受信ビーム角、▲3▼深度(時間)のθ軸、ψ軸及びd軸の3次元座標上のデータとなる。
【0035】
次に、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、エコーの連続するパターン又は当該パターンから航行する船舶の喫水又は喫水線、船舶の幅方向のサイズ及び船首から船尾方向のサイズ等、海面下の船舶のサイズを検出して、これらの検出データを出力する(s5)。
【0036】
また、ステップs5において、検出データから貨物等の積載状況を判断することができる。図8に示す深度単位(d1、d2、d3、…dn)に切り出した2次元データ及び図7から分かるように、大型船と小型船とは船首から船尾方向のサイズにより判定でき、同一の大きさの船舶でも早い時間(d3)からエコーが出始める船舶(喫水が大きい)か、遅い時間(d1)からエコーが出始める船舶か(喫水が小さい)かにより、又は喫水線のパターン(エコーの集合の大きさ又はエコーで囲まれる範囲)により判定可能であり、略同一の大きさの船舶で喫水が大きい場合は貨物等の搭載量が大、逆に喫水が小さいと該搭載量が小として判定することが可能である。
【0037】
以上のように本実施の形態によれば、受信データを深度(時間)単位で処理し、画像データ化することにより、船舶の喫水又は喫水線、船舶のサイズを検出することが可能である。また、海面下の船舶のサイズは、その船舶の貨物等の搭載量に対応することから、船舶の喫水、喫水線のパターン、前記船舶のサイズ等から貨物等の搭載量を検出することが可能である。
【0038】
図10は、船舶の積載量を検出する場合の目標処理回路の処理内容を示す他のフローチャートである。目標処理回路11は、ソーナで検出した海面下の船舶のサイズ等から当該船舶の貨物等の重量を判定するためのデータベースを用いて積算量を算出する。
【0039】
例えば、図9のステップs5に代わる図10(a)のステップs5−1〜s6−1に示すように、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、エコーの連続するパターンから船舶の喫水線のパターンから、船首から船尾方向に直角な方向(幅方向)のサイズを検出し(s5−1)、予め保持する当該船舶の喫水線の幅方向のサイズ(間隔)と貨物等の積載量との関連データを検索して、前記サイズから前記船舶の積載量を検出する(s6−1)。この実施の形態では、喫水線の幅方向のサイズに変えて、喫水、喫水線のパターン自体、前記パターンの面積、前記パターンの長手方向のサイズ等に対する変換データを予め用意することにより同様な方法により積載量を検出することが可能である。
【0040】
また、図11(b)のステップs5−2、s6−2に示すように、海面下のエコーの有無の2次元データにより、船舶の海面下の立体形状を検出してその容積から当該海域での浮力を算出し(ステップs5−2)、予め保持する当該船舶への貨物等の無積載時の船舶重量のデータを参照して、貨物の積載量を算出する(s6−2)。
【0041】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態では、レベル検出回路9は、1つの判定レベルにより目標からのエコーの有無の2段階で判定するように構成した例を示したが、これは数段階に分割して判定するように構成することができる。
図11は、レベル検出回路9を3段階又は4段階の判定とする例を示す図である。波形例2、3のように判定基準を3段階又は4段階に分割することにより、目標処理回路11で行うエコーの特徴の判断において更に多くの情報を利用することができる。
【0042】
また、前記実施の形態では、海面残響(海面反射)を意図的に除去して船舶の喫水等を検出するように構成しているが、逆に海面反射をもデータとして取得することにより、海象状況(波、うねりの高さ大きさ、津波検出)をも検出することを可能とすることができる。
【0043】
また、前記実施の形態では送信パルスを異なる周波数単位で送信するように構成しているが、送信パルスの周波数を連続的(リニア)に変化させるように構成することが可能である。
図12は、送信パルスの周波数をリニアに変化させるようにした例を示す図である。送信パルスの周波数をリニアに増加させる場合、図2に示すフィルタの種類を増加させることができる。この場合、各フィルタの中心周波数間を分割し、分割した周波数を中心周波数とする1〜複数個のフィルタを追加すれば、周波数F1〜Fnの使用範囲を増加させずにθ方向の方位分解能を高めることが可能となる。更にビーム信号701の周波数ごとの分離にフィルタを使用する代わりにFFTを使用することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、クロスファンビームを用いたソーナを使用し、そのビームを海底側から海面方向に照射し、反射波による受信信号を深度(時間)単位でデータ化することにより、船舶の喫水、海面下の形状、サイズ等を測定することが可能である。
【0045】
また本発明によれば、海面近傍の受信データを抽出することにより、船舶の喫水、海面下の形状、サイズを検出することができるから、これから貨物等の積載状況を判断することが可能である。
【0046】
また、反射波による受信信号を深度(時間)単位で区切って処理することにより、海面残響を排除して船舶の海面下の形状、サイズ等を正確に検出することが可能である。更に、海面残響をも検出するようにすることで海洋気象状況をも検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概念図である。
【図2】本実施の形態のクロスファンビームによる船舶検出装置の構成を示す図である。
【図3】クロスファンビームによるそれぞれ送信及び受信の動作を示す図である。
【図4】クロスファンビームによるそれぞれ送信及び受信の動作を示す図である。
【図5】レベル検出回路9及び配列処理回路10の処理動作を示す図である。
【図6】深度毎のエコーの有無のデータを3次元座標上に表した図である。
【図7】船舶の船底の外部形状と喫水又は喫水線との関係を示す図である。
【図8】深度単位の2次元の座標上のエコーの有無のパターンの例を示す図である。
【図9】海面下の船底外部のサイズ等を検出する船舶検出方法のフローチャートを示す図である。
【図10】船舶の積載量を検出する場合の目標処理回路の処理内容を示す他のフローチャートである。
【図11】レベル検出回路9を3段階又は4段階の判定とする例を示す図である。
【図12】送信パルスの周波数をリニアに変化させるようにした例を示す図である。
【符号の説明】
1 送信制御回路
2 ビームシフト回路
3 電力増幅回路
4 送波器(送波素子列)
5 受波器(受波素子列)
6 受信回路
7 指向性合成回路
8 バンドパスフィルタ
9 レベル検出回路
10 配列処理回路
11 目標処理回路
12 深度計
Claims (7)
- 複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数のクロスファンビームを海底側から海面方向に照射して、航行する船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズを検出し、貨物等の積載状況を検出することを特徴とする船舶検出方法。
- 複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数の送波ファンビームを海底から海面方向に照射して音波を送信し、複数の受波ファンビーム毎に音波を受信し、受信信号を所定レベルで検出することにより方位毎のエコーデータとし、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとし、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、航行する船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズを検出し、貨物等の積載状況を検出することを特徴とする船舶検出方法。
- 前記貨物等の積載状況の検出は、船舶の喫水又は喫水線と積載量との関連データに基づいて行うことを特徴とする請求項2記載の船舶検出方法。
- 複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出方法において、複数の送波ファンビームを海底から海面方向に照射して音波を送信し、複数の受波ファンビーム毎に音波を受信し、受信信号を所定レベルで検出することにより方位毎のエコーデータとし、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとし、深度毎の2次元データに基づいて航行する船舶の海面下の立体形状を検出し、当該船舶の船舶重量のデータに基づいて貨物等の積載状況を検出することを特徴とする船舶検出方法。
- 複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出装置において、ビーム毎の受信信号を所定レベルで検出して方位毎のエコーデータとするレベル検出回路と、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとする配列処理回路と、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて航行する船舶の喫水、喫水線又は船舶のサイズを検出し、検出した喫水又は喫水線から貨物等の積載状況を検出する目標処理回路と、を有することを特徴とする船舶検出装置。
- 前記貨物等の積載状況の検出は、船舶の喫水又は喫水線と積載量との関連データに基づいて行うことを特徴とする請求項5記載の船舶検出装置。
- 複数のクロスファンビームを使用したソーナによる船舶検出装置において、ビーム毎の受信信号を所定レベルで検出して方位毎のエコーデータとするレベル検出回路と、方位毎のエコーデータを深度毎の2次元データとする配列処理回路と、海面近傍を含む複数の2次元データに基づいて、航行する船舶の海面下の立体形状を検出し、検出した船舶の立体形状と当該船舶の重量データに基づいて貨物等の積載状況を検出する目標処理回路と、を有することを特徴とする船舶検出装置。
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