JP2015117301A - 黒色チタンコアシェル粒子及びその製造方法並びに黒色チタンコアシェル粒子を用いた電気泳動素子 - Google Patents

黒色チタンコアシェル粒子及びその製造方法並びに黒色チタンコアシェル粒子を用いた電気泳動素子 Download PDF

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【課題】黒色チタンコアシェル粒子の等電点を白色チタン粒子の等電点から離すことにより、電子ペーパーの電気泳動素子のマイクロカプセルに黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)を白色チタン粒子(白色顔料)とともに収容し、この電気泳動素子を一対の電極で挟んだ状態で、これらの電極間に電圧を印加したときに、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)を白色チタン粒子(白色顔料)と速やかに分離させ、結果として電子ペーパーの表示部の画質を鮮明にする。
【解決手段】黒色チタン粒子をシリカ膜により被覆して形成された黒色チタンコアシェル粒子13は、等電点が2.0〜3.7であり、CIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)における明度指数L*値が14以下であり、5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリカ膜により被覆された黒色チタン粒子からなる黒色チタンコアシェル粒子と、この黒色チタンコアシェル粒子を製造する方法と、この黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いて作製された電子ペーパー用の電気泳動素子に関するものである。
従来、互いに対向配置された一対の電極間に少なくとも1種の電気泳動粒子を含む電気泳動層(マイクロカプセルとバインダとで構成されたマイクロカプセル含有層)が設けられ、表示を切替える際に、電気泳動粒子に起因する容量成分と電気泳動粒子以外の部位に起因する容量成分との間で、電界の付与に伴う電荷の蓄積速度に差があることを利用して、電気泳動粒子以外の部位に起因する容量成分に電荷が蓄積されないようなパターンで、一対の電極間に電圧を印加する電気泳動表示装置の駆動方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この電気泳動表示装置の駆動方法では、電気泳動粒子が酸化チタン粒子とチタンブラック粒子とを含む。また酸化チタン粒子が白色チタン粒子として用いられ、チタンブラック粒子が黒色チタン粒子として用いられる。更に酸化チタン粒子の表面が酸化けい素や酸化アルミニウムにより被覆される。
このように構成された電気泳動表示装置の駆動方法では、低電圧駆動が可能であり、かつコントラストの高い表示を可能にするように電気泳動表示装置を制御できる。また、電気泳動粒子に含まれる酸化チタン粒子とチタンブラック粒子は、電界に対する応答性が高く、また反射率の差が大きいことから、電気泳動表示装置におけるコントラストの高い表示を可能にする。
一方、形状係数が0.9〜1.0である略球状の緻密なシリカのカプセルで内包された一般式TiOx(但し、Xは2未満の正の実数)で表される導電性チタン化合物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この導電性チタン化合物では、略球状の緻密なシリカのカプセルの平均粒径が0.1〜5μmであり、略球状の緻密なシリカのカプセルの膜厚が5〜100Åである。このように構成された導電性チタン化合物は、硫酸チタニル液を170℃以上の温度下であって、この温度の飽和水蒸気圧以上の圧力下に保持して硫酸チタニルを加水分解して、略球状の含水二酸化チタンを得た後、焼成し、得られた二酸化チタンの表面に緻密なシリカを被覆し、次いで500〜1200℃の温度で還元することにより製造される。
このように製造された導電性チタン化合物は、球状のシリカカプセルで内包され、その粒子形状が真球状に近く、粒度分布巾が狭く、また凝集が少なく、しかも、微細な粉末になり難いため、化粧料の滑材などに特に有用である。また形状係数が0.9〜1.0である含水二酸化チタン又は二酸化チタンの表面に緻密なシリカを被覆した後に還元するので、球状のシリカカプセルで内包された導電性チタン化合物を経済的に製造できる。
特開2009−205003号公報(請求項1及び11、段落[0007]、[0013]、[0034]、[0036]) 特開平7−089721号公報(請求項1〜4、段落[0018])
しかし、上記従来の特許文献1に示された電気泳動表示装置の駆動方法では、酸化けい素で被覆される酸化チタン粒子が白色チタン粒子として用いられる粒子であるため、その等電点が小さくなって、酸化チタン粒子(白色チタン粒子)の等電点がチタンブラック粒子(黒色チタン粒子)の等電点に近付いてしまう。このため、白色チタン粒子(白色顔料)及び黒色チタン粒子(黒色顔料)を収容したマイクロカプセルを一対の電極で挟んだ状態で、これらの電極間に電圧を印加したときに、白色チタン粒子(白色顔料)と黒色チタン粒子(黒色顔料)とが十分に分離されずに混ざり合ってしまい、電子ペーパーの表示部の画質が不鮮明になる不具合があった。また、上記従来の特許文献2に示された導電性チタン化合物では、白色チタン(含水二酸化チタン又は二酸化チタン)粒子の表面に緻密なシリカを被覆した後に、この白色チタン粒子を還元して黒色チタン粒子を生成しているため、このシリカで被覆された黒色チタン粒子の緻密性や絶縁性が低下してしまう問題点があった。これは、還元ガスがシリカ膜を透過して内部の白色チタン粒子を還元するときに、内部のチタン粒子が収縮すると、チタン粒子とシリカ膜との間に隙間が発生することにより、黒色チタン粒子の緻密性が低下してしまい、内部のチタン粒子が膨張すると、チタン粒子がシリカ膜を押し広げてシリカ膜にクラックが生じ、黒色チタン粒子同士が導通することにより、黒色チタン粒子の絶縁性が低下してしまうからであると考えられる。
本発明の第1の目的は、等電点を白色チタン粒子の等電点から離すことにより、電子ペーパーの電気泳動素子のマイクロカプセルに白色チタン粒子(白色顔料)とともに黒色顔料として収容し、この電気泳動素子を一対の電極で挟んだ状態で、これらの電極間に電圧を印加したときに、白色チタン粒子(白色顔料)と速やかに分離させることができ、結果として電子ペーパーの表示部の画質を鮮明にすることができる、黒色チタンコアシェル粒子及びその製造方法並びに黒色チタンコアシェル粒子を用いた電気泳動素子を提供することにある。本発明の第2の目的は、白色チタン粒子を還元して黒色チタン粒子を生成した後に、この黒色チタン粒子をシリカ膜で被覆することにより、シリカ膜が緻密になって、シリカ膜にクラックが発生せず、結果として、黒色チタンコアシェル粒子の絶縁性を良好に保つことができる、黒色チタンコアシェル粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、黒色チタン粒子をシリカ膜により被覆して形成された黒色チタンコアシェル粒子であって、等電点が2.0〜3.7であり、CIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)における明度指数L*値が14以下であり、5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上であることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にBET比表面積が20m2/g以上であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更にコアとなる黒色チタン粒子の平均一次粒径が15nm〜100nmであることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、白色チタン粒子を還元ガスにより還元して黒色チタン粒子を得る工程と、この黒色チタン粒子を湿式粉砕して黒色チタン粒子の分散液を得る工程と、この黒色チタン粒子の分散液にシリカ膜を形成するためのシリカ源を添加する工程と、このシリカ源が添加された黒色チタン粒子の分散液にアルカリ源を添加して分散液での反応を開始する工程と、この分散液を洗浄し乾燥した後に焼成することによりシリカ膜で被覆された黒色チタン粒子である黒色チタンコアシェル粒子を得る工程とを含む黒色チタンコアシェル粒子の製造方法である。
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく発明であって、更にシリカ源が、オルトけい酸テトラエチル、オルトけい酸テトラメチル、プロピルシリケート及びブチルシリケートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第4の観点に基づく発明であって、更にアルカリ源が、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHCO3、NH4OH、(NH4)2CO3及びNH4HCO3からなる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ触媒であることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第1ないし第3の観点のいずれかに記載の黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いた電気泳動素子である。
本発明の第1の観点の黒色チタンコアシェル粒子では、この黒色チタンコアシェル粒子の等電点(2.0〜3.7)を白色チタン粒子の等電点(6.0)から離したので、電子ペーパーの電気泳動素子のマイクロカプセルに上記黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)を白色チタン粒子(白色顔料)とともに収容し、この電気泳動素子を一対の電極で挟んだ状態で、これらの電極間に電圧を印加したときに、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)と白色チタン粒子(白色顔料)とが速やかに分離する。また黒色チタンコアシェル粒子を5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上と大きいので、黒色チタンコアシェル粒子の絶縁性が良好となり、黒色チタンコアシェル粒子の等電点が高くなるのを阻止できる。更に上記黒色チタンコアシェル粒子のCIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)における明度指数L*値を14以下としたので、黒色チタンコアシェル粒子の黒色度の不足を防止できる。この結果、上記黒色チタンコアシェル粒子を用いて電子ペーパーを作製した場合、この電子ペーパーの表示部の画質を鮮明にすることができる。
本発明の第4の観点の黒色チタンコアシェル粒子の製造方法では、白色チタン粒子を還元して黒色チタン粒子を生成した後に、この黒色チタン粒子をシリカ膜で被覆して黒色チタンコアシェル粒子を製造したので、シリカ膜が、黒色チタン粒子の表面で生じるゾル−ゲル反応、即ち加水分解や重縮合などの反応によって形成される。この結果、シリカ膜が緻密になって、シリカ膜にクラックが発生しないので、黒色チタンコアシェル粒子の絶縁性を良好に保つことができる。
本発明実施形態の黒色チタンコアシェル粒子を用いて作製された電気泳動素子を含む電子ペーパーの要部を示す模式図である。 図1のA矢視図である。 実施例1、実施例2及び比較例1〜3の黒色チタンコアシェル粒子等の分散液においてオルトけい酸テトラエチル(TEOS)の濃度を変えpHを変化させたときのゼータ電位の変化を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。黒色チタンコアシェル粒子は、コアとなる黒色チタン粒子と、この黒色チタン粒子を被覆するシェルとなるシリカ膜とを有する。黒色チタン粒子は、化学式:TiNXY(但し、X=0.2〜1.4,Y=0.1〜1.8)、又は化学式:TiW2W-1(但し、W=1〜10)で表され、黒色を呈する。ここで、上記化学式:TiNXYにおいて、Xを0.2〜1.4の範囲内に限定したのは、0.2未満では還元割合が低いことから黒色度が不十分であり、1.4を超えると黄色味を呈してくるため黒色顔料として所定の色調が得られないからである。また、上記化学式:TiNXYにおいて、Yを0.1〜1.8の範囲内に限定したのは、この範囲外では黒色顔料として所定の色調が得られないからである。更に、上記化学式:TiW2W-1において、Wを1〜10の範囲内に限定したのは、1未満の化合物は一般的に存在せず、10を超えると黒色顔料として所定の色調が得られないからである。なお、上記化学式:TiNXYの酸素と窒素の質量比(O/N)は、0.2〜6の範囲であることが好ましい。また、白色チタン粒子の等電点は、6.0である。
一方、上記黒色チタンコアシェル粒子の等電点は、2.0〜3.7、好ましくは2.0〜3.3である。この黒色チタンコアシェル粒子の等電点とは、この黒色チタンコアシェル粒子が分散した分散液の水素イオン濃度(pH)を変化させたときに、1個の黒色チタンコアシェル粒子において電荷が全体としてゼロになり、分散液に電圧を印加しても黒色チタンコアシェル粒子が移動しない水素イオン濃度(pH)をいう。換言すれば、黒色チタンコアシェル粒子のような無機酸化物粒子は、水素イオン濃度(pH)が変わるとゼータ電位が大きく変化し、ある特定の水素イオン濃度(pH)で表面電位(ゼータ電位)がゼロとなり、電気泳動を全く示さない等電点を持つ。なお、ゼータ電位とは、分散液中で、ある極性の電荷を持つ黒色チタンコアシェル粒子の周りに、反対極性の電荷を持つイオンが引き寄せられて形成された電気的二重構造である電気二重層に、液体流動が起こり始めるスベリ面の電位として定義される。このゼータ電位は、例えばMalvern社製のゼータ電位計(型式:ゼータサイザーナノZS90)を用いて次のように測定される。黒色チタンコアシェル粒子の分散液を容器に入れて一対の電極で挟み、これらの電極に所定の電圧を印加して分散液中の黒色チタンコアシェル粒子が移動する速度を測定し、これらの移動速度から単位電場当たりの移動度(電気泳動移動度)を算出し、この電気泳動移動度をHenryの式(帯電した球状コロイド粒子の電気泳動移動度と粒子のゼータ電位とを結び付ける近似式)にて換算することにより、ゼータ電位が求められる。ここで、黒色チタンコアシェル粒子の等電点を2.0〜3.7の範囲内に限定したのは、2.0未満では黒色度が低下し黒色顔料として所定の色調が得られず、また分散液がゲル化してしまい、3.7を超えると白色チタン粒子の等電点に近くなり、黒色チタンコアシェル粒子を電気泳動素子の黒色顔料として用いた場合であって一対の電極間に電圧を印加したときに、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)と白色チタン粒子(白色顔料)とが十分に分離せずに混ざり合い、電子ペーパーの表示部が不鮮明になってしまうからである。
一方、黒色チタンコアシェル粒子のCIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)における明度指数L*値は、14以下、好ましくは7〜13である。上記CIE 1976 L***色空間は、国際照明委員会(CIE)が1976年にCIEXYZ表色系を変換し、表色系内の一定距離がどの色の領域でもほぼ知覚的に等歩度の差をもつように定めた色空間である。また明度指数L* 値、a*値及びb*値は、CIE 1976 L***色空間内の直交座標系で定められる量であり、次の式(1)〜式(3)で表される。
*=116(Y/Y01/3 −16 ……(1)
*=500[(X/X01/3 −(Y/Y01/3] ……(2)
*=200[(Y/Y01/3 −(Z/Z01/3] ……(3)
但し、X/X0,Y/Y0,Z/Z0>0.008856であり、X,Y,Zは物体色の三刺激値である。また、X0,Y0,Z0は物体色を照明する光源の三刺激値であり、Y0=100に基準化されている。また黒色チタンコアシェル粒子の明度指数L*値は、例えば日本電色工業社製の分光色差計(型式:SE2000)を用いて求める。ここで、黒色チタンコアシェル粒子の明度指数L*値を14以下に限定したのは、14を超えると黒色度が不足して黒色顔料として所定の色調が得られないからである。
また、黒色チタンコアシェル粒子は、5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上、好ましくは1×106Ω・cm以上であって1×1015Ω・cm以下である。この体積抵抗率は、例えば、三菱化学社製の低抵抗率計ロレスタ-GP(型式:UV−3101PC)を用いて、四端子四探針法により測定される。この四端子四探針法とは、試料(圧粉体)の表面に4本の針状電極を所定の間隔をあけて一直線上に置き、外側の2本の針状電極間に一定の電流を流し、内側の2本の針状電極間に生じる電位差を測定することにより体積抵抗率を求める方法である。ここで、黒色チタンコアシェル粒子の圧粉体の状態での体積抵抗率を1.5×105Ω・cm以上に限定したのは、1.5×105Ω・cm未満では黒色チタン粒子がシリカ膜で完全に被覆されておらず、黒色チタン粒子の一部が露出した状態になり、結果として等電点が高くなってしまうからである。また、黒色チタンコアシェル粒子の圧粉体の状態での体積抵抗率の好ましい範囲を1×106Ω・cm以上であって1×1015Ω・cm以下に限定したのは、1×1015Ω・cmを超えると体積抵抗率が高くなっても等電点が低くならないからである。
一方、黒色チタンコアシェル粒子のBET比表面積は、20m2/g以上であることが好ましく、20m2/g以上であって100m2/g以下であることが更に好ましい。上記BET比表面積は、例えば柴田科学社製の比表面積測定装置(型式:SA1100)を用いて、黒色チタンコアシェル粒子の表面に、吸着占有面積の分かったガス分子(例えば、窒素ガス等)を吸着させ、その吸着量から求められる。但し、黒色チタンコアシェル粒子の表面に吸着したガス分子が1層目の吸着から多層吸着に移行する過程の情報に対して、BETの式(一定温度で吸着平衡状態であるとき、吸着平衡圧とこの圧力での吸着量との関係を示す式)を適用することにより、1層だけのガス分子の量が測定され、正確な比表面積を測定できるようになっている。ここで、黒色チタンコアシェル粒子のBET比表面積の好ましい範囲を20m2/g以上に限定したのは、20m2/g未満ではシリカ膜による黒色チタン粒子の被覆が不十分となり、黒色チタンコアシェル粒子を電気泳動素子の黒色顔料として用いた場合であって一対の電極間に電圧を印加したときに、黒色チタンコアシェル粒子の移動速度が遅くなり電子ペーパーの表示部の応答性が低下してしまうからである。また、黒色チタンコアシェル粒子のBET比表面積の更に好ましい範囲を20m2/g以上であって100m2/g以下に限定したのは、100m2/gを超えるとBET比表面積が大きくなっても電子ペーパーの表示部の応答性が殆ど向上しないからである。
一方、コアとなる黒色チタン粒子の平均一次粒径は、15nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、20nm〜90nmの範囲内であることが更に好ましい。上記黒色チタン粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した粒径であり、体積基準の平均一次粒径である。ここで、黒色チタン粒子の平均一次粒径の好ましい範囲を15nm〜100nmに限定したのは、15nm未満では粒子が細か過ぎて凝集が起こり易く、電子ペーパーの表示部の画質が不鮮明になり、100nmを超えると粒子が大き過ぎて電子ペーパーの表示部の応答性が低くなるからである。なお、黒色チタンコアシェル粒子のシリカ膜の厚さは、3nm〜12nmの範囲内であることが好ましい。このシリカ膜の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)により撮影した画像から測定される。ここで、黒色チタンコアシェル粒子のシリカ膜の厚さの好ましい範囲を3nm〜12nmに限定したのは、3nm未満では被覆が十分でないため電子ペーパーの表示部の画質が鮮明にならず、12nmを超えるとシェル(シリカ膜)により光散乱が起こり易くなり電子ペーパーの表示部の画質が不鮮明になるからである。
上記のように黒色チタンコアシェル粒子のBET比表面積を規定したけれども、黒色チタンコアシェル粒子の平均粒径を規定せずに、黒色チタン粒子の平均一次粒径を規定したのは、次の理由に基づく。
(1)黒色チタンコアシェル粒子は一次粒子とこの一次粒子が凝集した二次粒子を含み、分析方法や粉砕方法によって平均粒径が大きく異なってしまい安定しないこと。
(2)粒子の平均粒径はBET比表面積と相関関係があり、黒色チタンコアシェル粒子のような一次粒子及び二次粒子を含む粒子は、平均粒径ではなく、比較的測定の容易なBET比表面積で規定することが多いこと。
(3)黒色チタンコアシェル粒子に含まれる黒色チタン粒子の一次粒径は、電子顕微鏡で測定でき、これにより本発明の黒色チタン粒子を含むか否かを特定できること。
このように構成された黒色チタンコアシェル粒子の製造方法を説明する。先ず白色チタン粒子(TiO2)を還元ガスにより還元して黒色チタン粒子を得る。ここで、還元ガスとしてアンモニアガスを用いると、化学式:TiNXY(但し、X=0.2〜1.4,Y=0.1〜1.8)で表される黒色チタンが生成され、還元ガスとして水素ガスを用いると、化学式:TiW2W-1(但し、W=1〜10)で表される黒色チタンが生成される。上記白色チタン粒子(TiO2)還元率は、反応温度を高くしたり、アンモニアガス流量を上げたり、或いは反応時間を延ばすことにより、コントロール可能であり、還元率が高くなると、粉末の黒色度が向上する。即ち、L*値が低くなる。この黒色チタン粒子を湿式粉砕して黒色チタン粒子の分散液を得る。この湿式粉砕は、水中に分散させた黒色チタン粒子をビーズミルにより平均一次粒径が15nm〜100nmの範囲内になるまで粉砕することにより行われる。次いで上記黒色チタン粒子の分散液に、この分散液の濃度を調整するためのアルコールを添加した後、シリカ膜を形成するためのシリカ源を添加する。ここで、アルコールとしては、エチルアルコールやプロピルアルコールを用いることが好ましく、シリカ源としては、オルトけい酸テトラエチル(TEOS)、オルトけい酸テトラメチル、プロピルシリケート及びブチルシリケートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。特にオルトけい酸テトラエチル(TEOS)又はオルトけい酸テトラメチルのいずれか一方又は双方を用いることが更に望ましい。
次にシリカ源が添加された黒色チタン粒子の分散液にアルカリ源を添加して分散液での反応を開始する。ここで、アルカリ源は、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHCO3、NH4OH、(NH4)2CO3及びNH4HCO3からなる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ触媒である。更に上記分散液を洗浄し乾燥した後に焼成する。上記分散液の洗浄は、この分散液から不純物を除去するために、分散液を遠心分離器にかけたり、或いは分散液をイオン交換樹脂製のフィルタに通すことにより行われる。また上記焼成は、不活性ガス雰囲気中で100〜400℃に1〜10時間保持する処理であって、この焼成によりシリカ膜で被覆された黒色チタン粒子である黒色チタンコアシェル粒子が得られる。ここで、焼成温度を100〜400℃の範囲内に限定したのは、100℃未満では重縮合反応が進行せずシリカ膜の形成が不十分となり、400℃を超えると黒色チタンの粒成長によりシリカ膜が割れてしまうからである。また、焼成時間を1〜10時間の範囲内に限定したのは、1時間未満ではシリカ膜の形成が不十分となり、10時間を超えると黒色チタンの粒成長によりシリカ膜が割れてしまうからである。このように製造された黒色チタンコアシェル粒子では、シリカ膜が、黒色チタン粒子の表面で生じるゾル−ゲル反応、即ち加水分解や重縮合などの反応によって形成されるので、シリカ膜が緻密になって、シリカ膜にクラックが発生しない。この結果、黒色チタンコアシェル粒子の絶縁性を良好に保つことができる。
次に上述の黒色チタンコアシェル粒子を用いて作製された電子ペーパーの電気泳動素子を図1及び図2に基づいて説明する。この電気泳動素子10は、複数の黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13と、複数の白色チタン粒子(白色顔料14)と、これらの粒子13,14を収容し一平面上に配列された複数のマイクロカプセル16と、複数の黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料13)及び複数の白色チタン粒子(白色顔料)14が分散されマイクロカプセル16に貯留される透明液体17と、これらの配列されたマイクロカプセル16の一方の面に対向して設けられた複数の第1電極11と、上記配列されたマイクロカプセル16の他方の面に対向して設けられた単一の第2電極12とを備える。
上記黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13の平均粒径と白色チタン粒子(白色顔料)14の平均粒径は略同一の範囲に設定される。また、上記マイクロカプセル16は、ゼラチン、アラビアゴム、ゼラチンとアラビアゴムの複合体、尿素樹脂、メタクリル酸樹脂等の各種樹脂材料により、複数個の黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13と複数個の白色チタン粒子(白色顔料)14とが電気泳動可能なスペースを有するように収容できる外径5〜50μmかつ肉厚10〜100nmの透明の球殻状に形成される。上記透明液体17としては、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13や白色チタン粒子(白色顔料)14と化学反応せずかつ絶縁性を有する水、アルコール類、セロソルブ類、エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素類等が用いられる。更に、この実施の形態では、2枚の同一形状(長方形状)の第1電極11が1個のマイクロカプセルに対向しかつ互いに電気的に絶縁された状態で配設される。上記第2電極12は、ITO(錫含有酸化インジウム)、Ag等により透明のシート状に形成される。そして、第2電極12は接地され、第1電極11は、電子ペーパーの表示部の表示内容に応じて、プラスの電圧が印加されたり、或いはマイナスの電圧が印加される。なお、この実施の形態では、2枚の第1電極を1個のマイクロカプセルに対向させかつ互いに電気的に絶縁した状態で配設したが、1枚の第1電極を1個のマイクロカプセルに対向させて設けたり、或いは4枚の第1電極を1個のマイクロカプセルに対向させかつ互いに電気的に絶縁した状態で配設してもよい。
このように作製された電子ペーパーの電気泳動素子10では、白色チタン粒子(白色顔料)の等電点(6.0)に比較的近い等電点(4.3)を有する黒色チタン粒子(黒色顔料)を、等電点が2.0と比較的低いシリカ膜で被覆することにより、等電点が2.0〜3.7と比較的低い黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13を作製したので、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13の等電点(2.0〜3.7)が白色チタン粒子(白色顔料)14の等電点(6.0)から離れる。また黒色チタン粒子の外周面を全てシリカ膜で被覆することにより、黒色チタンコアシェル粒子13を圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上と大きくなって、黒色チタンコアシェル粒子13の絶縁性が良好であるので、黒色チタンコアシェル粒子13の等電点が高くなるのを阻止できる。このため、マイクロカプセル16の透明液体17に分散した黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13の電気二重層のスベリ面の電位がマイナスとなり、白色チタン粒子(白色顔料)14の電気二重層のスベリ面の電位がプラスとなるので、電気泳動素子10の第1及び第2電極11,12間に電圧を印加して、第1電極11がマイナス極になるように電圧が印加されると、第1電極11に白色チタン粒子(白色顔料)14が速やかに引き寄せられ、第2電極12に黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13が速やかに引き寄せられ、第1電極11がプラス極になるように電圧が印加されると、第1電極11に黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13が速やかに引き寄せられ、第2電極12に白色チタン粒子(白色顔料)14が速やかに引き寄せられる。このように黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)13と白色チタン粒子(白色顔料)14とが速やかに分離されるので、応答特性が良好となる。また黒色チタンコアシェル粒子13の明度指数L*値を14以下としたので、黒色チタンコアシェル粒子13の黒色度の不足を防止できる。従って、上記黒色チタンコアシェル粒子13を用いた電子ペーパーの表示部の画質を鮮明にすることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず白色チタン粒子(TiO2)をアンモニアガス(還元ガス)により還元して黒色チタン粒子を得た。この黒色チタン粒子は、化学式:TiNXY(但し、X=0.4,Y=0.8)で表される。この黒色チタン粒子0.1モルに対して水を15モル添加して、黒色チタン粒子を水に分散させ、ビーズミルにより湿式粉砕して、平均一次粒径62nmの黒色チタン粒子の分散液を得た。次いで上記黒色チタン粒子の分散液に、濃度調整のためのアルコールとしてエタノールを12.4モル添加した後、シリカ膜を形成するためのシリカ源としてオルトけい酸テトラエチル(TEOS)を2.0×10-2モル添加した。次にオルトけい酸テトラエチル(TEOS)が添加された黒色チタン粒子の分散液にアルカリ源(反応開始剤)として水酸化ナトリウムを9.0×10-3モル添加して分散液での反応を開始した。更にこの分散液を洗浄し乾燥した後に焼成することにより、黒色チタンコアシェル粒子を得た。但し、上記分散液の洗浄は、この分散液から不純物を除去するために、分散液を遠心分離器にかけた後に、分散液をイオン交換樹脂製のフィルタに通すことにより行った。また上記焼成は、窒素ガス雰囲気中で350℃に5時間保持する処理であった。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例1とした。
<実施例2>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を3.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例1と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例2とした。
<比較例1>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例1とした。
<比較例2>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を1.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例1と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例2とした。
<比較例3>
シリカのみからなる平均一次粒径20nmのシリカ粒子を比較例3とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の黒色チタンコアシェル粒子と、比較例3のシリカ粒子とを水に分散させて、この分散液のpHを変化させたときのゼータ電位の変化をそれぞれ測定した。その結果を図3に示す。
図3から明らかなように、比較例1及び2では、ゼータ電位がゼロになる等電点がそれぞれ4.4及び4.1と大きかったのに対し、実施例1及び2では、ゼータ電位がゼロになる等電点がそれぞれ3.2及び2.4と設定範囲内(2.0〜3.7)であった。このことから、シリカ源(オルトけい酸テトラエチル(TEOS))の添加量によって黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)の等電点を適切な範囲内に変更できることが分かった。なお、比較例3のシリカ粒子では、ゼータ電位がゼロになる等電点が2.0と設定範囲内(2.0〜3.7)であったけれども、シリカ粒子は無色透明であるため、黒色顔料として使用することはできない。
<実施例3>
先ず白色チタン粒子(TiO2)をアンモニアガス(還元ガス)により還元して黒色チタン粒子を得た。この黒色チタン粒子は、化学式:TiNXY(但し、X=0.5,Y=0.7)で表される。この黒色チタン粒子0.1モルに対して水を15モル添加して、黒色チタン粒子を水に分散させ、ビーズミルにより湿式粉砕して、平均一次粒径70nmの黒色チタン粒子の分散液を得た。次いで上記黒色チタン粒子の分散液に、濃度調整のためのアルコールとしてエタノールを12.4モル添加した後、シリカ膜を形成するためのシリカ源としてオルトけい酸テトラエチル(TEOS)を2.0×10-2モル添加した。次にオルトけい酸テトラエチル(TEOS)が添加された黒色チタン粒子の分散液にアルカリ源(反応開始剤)として水酸化ナトリウムを1.2×10-3モル添加して分散液での反応を開始した。更にこの分散液を洗浄し乾燥した後に焼成することにより、黒色チタンコアシェル粒子を得た。なお、上記分散液の洗浄は、この分散液から不純物を除去するために、分散液を遠心分離器にかけた後に、分散液をイオン交換樹脂製のフィルタに通すことにより行った。また上記焼成は、窒素ガス雰囲気中で350℃に5時間保持する処理であった。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例3とした。
<実施例4>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を3.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例4とした。
<実施例5>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を4.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例5とした。
<実施例6>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を6.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例6とした。
<実施例7>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を9.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例7とした。
<実施例8>
黒色チタン粒子の平均一次粒径を15nmとし、オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を6.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例8とした。
<実施例9>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を3.0×10-2モルとし、アルカリ源(反応開始剤)としての水酸化ナトリウムをアンモニア水に替えたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例9とした。
<実施例10>
黒色チタン粒子の平均一次粒径を100nmとし、オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を3.0×10-2モルとし、アルカリ源(反応開始剤)としての水酸化ナトリウムをアンモニア水に替えたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例10とした。
<実施例11>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を3.0×10-2モルとし、アルカリ源(反応開始剤)としての水酸化ナトリウムを水酸化カリウムに替えたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例11とした。
<実施例12>
黒色チタン粒子の平均一次粒径を60nmとし、オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を1.5×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例12とした。
<実施例13>
アルカリ源(反応開始剤)として水酸化ナトリム0.6×10-3モルと濃度25%のアンモニア水1.0×10-3モルとをそれぞれ添加したこと以外は、実施例2と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例13とした。
<実施例14>
シリカ源としてオルトけい酸テトラエチル(TEOS)の代わりにオルトけい酸テトラメチルを添加したこと以外は、実施例2と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を実施例14とした。
<比較例4>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)を添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例4とした。
<比較例5>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を1.0×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例5とした。
<比較例6>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を1.0×10-2モルとし、アルカリ源(反応開始剤)としての水酸化ナトリウムを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例6とした。
<比較例7>
オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の添加量を10×10-2モルとしたこと以外は、実施例3と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例7とした。
<比較例8>
実施例3において白色チタン粒子(TiO2)をアンモニアガスにより還元して黒色チタン粒子を作製するときの反応時間を実施例3の半分とすることにより、白色チタン粒子(TiO2)の還元率の低い黒色チタン粒子を作製したこと以外は、実施例6と同様にして黒色チタンコアシェル粒子を得た。この黒色チタンコアシェル粒子を比較例8とした。ここで、実施例3の黒色チタンコアシェル粒子の還元率を100%としたとき、比較例8の黒色チタンコアシェル粒子の還元率は50%であった。
<比較試験2及び評価>
実施例1〜14、比較例2及び比較例5〜7の黒色チタンコアシェル粒子と、比較例1及び4の黒色チタン粒子について、シリカ膜の厚さ、体積抵抗率、L*値、比表面積及び等電点をそれぞれ測定するとともに、実施例1〜14、比較例2及び比較例5〜7の黒色チタンコアシェル粒子と、比較例1及び4の黒色チタン粒子とを黒色顔料として用いた電子ペーパーの電気泳動素子の応答特性をそれぞれ測定した。
黒色チタンコアシェル粒子のシリカ膜の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)により撮影した画像から測定した。また体積抵抗率は、黒色チタンコアシェル粒子を5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態で、三菱化学社製の低抵抗率計ロレスタ-GP(型式:UV3101PC)を用いて、四端子四探針法により測定した。また黒色チタンコアシェル粒子の明度指数L*値は、日本電色工業社製の分光色差計(型式:SE2000)を用いて求めた。また比表面積(BET比表面積)は、柴田科学社製の比表面積測定装置(型式:SA1100)を用いて、黒色チタンコアシェル粒子の表面に、吸着占有面積の分かったガス分子(例えば、窒素ガス等)を吸着させ、その吸着量から求めた。更に黒色チタンコアシェル粒子の等電点は、黒色チタンコアシェル粒子を水に分散し、この分散液に1N(1モル/リットル)のHCl又はNaOHを添加して分散液のpHを変化させ、Malvern社製のゼータ電位計(型式:ゼータサイザーナノZS90)を用いてゼータ電位の変化を測定し、ゼータ電位がゼロになったときのpHとした。
一方、電気泳動素子の応答特性は、上記黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いて電子ペーパーの電気泳動素子を作製し、この電気泳動素子の一対の電極に100ミリ秒毎に極性を反転させる電圧を10回印加したときの、黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)及び白色チタン粒子(白色顔料)の電極への移動速度の度合いから求めた。この移動速度が10回とも安定して100ミリ秒以下であったときを応答特性が良好であるとし、移動速度が100ミリ秒を超えかつ200ミリ秒未満の間で変化したときを応答特性がやや不安定であるとし、移動速度が200ミリ秒以上の間で変化したときを応答特性が不安定であるとした。その結果を、黒色チタン粒子の平均一次粒径、シリカ源の種類、シリカ源の濃度、及びアルカリ源(反応開始剤)の種類とともに、表1に示す。なお、表1において、比較例5のシリカ膜の厚さが不明であるとは、電子顕微鏡写真での計測が不可能であることを示す。また、表1において、比較例7の応答特性が形成不良であるとは、比較例7の黒色チタンコアシェル粒子を水に分散させたときにこの分散液がゲル化してしまい、応答特性を測定できなかったことを示す。更に、表1において、シリカ源としてオルトけい酸テトラエチル(TEOS)を用いたものを「E」とし、シリカ源としてオルトけい酸テトラメチルを用いたものを「M」とした。
Figure 2015117301
表1から明らかなように、比較例1及び4では、黒色チタン粒子の等電点が4.4及び4.5と高かったため、この黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いた電子ペーパーの電気泳動素子の応答特性が不安定となり、比較例2、5及び6では、黒色チタンコアシェル粒子の等電点が4.1、4.0及び4.1とやや高かったため、この黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いた電子ペーパーの電気泳動素子の応答特性がやや不安定となったのに対し、実施例1〜14では、黒色チタンコアシェル粒子の等電点が2.0〜3.7と低かったため、この黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いた電子ペーパーの電気泳動素子の応答特性が良好となった。ここで、比較例1及び4で、黒色チタン粒子の等電点が4.4及び4.5と高くなったのは、黒色チタン粒子がシリカ膜で被覆されておらず、黒色チタン粒子の圧粉体の状態での体積抵抗率が5.1×100Ω・cm(5Ω・cm)及び6.00×100Ω・cm(6Ω・cm)と極めて低かったためである。また比較例2、5及び6で、黒色チタンコアシェル粒子の等電点が4.1、4.0及び4.1とやや高くなったのは、黒色チタン粒子を被覆するシリカ膜の厚さが不明であるか、或いは1.23nmと薄くなり、黒色チタン粒子をシリカ膜で完全に被覆できず、黒色チタンコアシェル粒子の圧粉体の状態での体積抵抗率が9.00×104Ω・cm、8.00×104Ω・cm及び6.50×104Ω・cmとやや低かったためである。これらに対し、実施例1〜14で、黒色チタンコアシェル粒子の等電点が2.0〜3.7と低くなったのは、黒色チタン粒子を被覆するシリカ膜の厚さが2.50〜11.39nmと比較的厚くなり、黒色チタン粒子をシリカ膜で完全に被覆でき、黒色チタンコアシェル粒子の圧粉体の状態での体積抵抗率が1.50×105Ω・cm以上と高くなったためである。なお、比較例7の黒色チタンコアシェル粒子を水に分散させたときにこの分散液がゲル化してしまい、応答特性を測定できなかったのは、オルトけい酸テトラエチル(TEOS)の量が多過ぎて、黒色チタン粒子以外の箇所でもシリカが析出してしまったためである。また、比較例8では、応答特性は良好であったけれども、黒色チタンコア粒子の黒色度が不足したため、L*値が14.5と高くなり、視認性が悪くなった。
本発明の黒色チタンコアシェル粒子は、電子ペーパー用の電気泳動素子のマイクロカプセルに収容される黒色顔料(電気泳動粒子)として利用できるとともに、液晶カラーフィルタの樹脂ブラックマトリックス、フレキシブルプリント基板等における黒色度及び絶縁性を必要とする黒色膜として利用できる。
10 電気泳動素子
13 黒色チタンコアシェル粒子(黒色顔料)

Claims (7)

  1. 黒色チタン粒子をシリカ膜により被覆して形成された黒色チタンコアシェル粒子であって、
    等電点が2.0〜3.7であり、
    CIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)における明度指数L*値が14以下であり、
    5MPaの圧力で固めた圧粉体の状態での体積抵抗率が1.5×105Ω・cm以上である
    ことを特徴とする黒色チタンコアシェル粒子。
  2. BET比表面積が20m2/g以上である請求項1記載の黒色チタンコアシェル粒子。
  3. コアとなる黒色チタン粒子の平均一次粒径が15nm〜100nmである請求項1記載の黒色チタンコアシェル粒子。
  4. 白色チタン粒子を還元ガスにより還元して黒色チタン粒子を得る工程と、
    前記黒色チタン粒子を湿式粉砕して黒色チタン粒子の分散液を得る工程と、
    前記黒色チタン粒子の分散液にシリカ膜を形成するためのシリカ源を添加する工程と、
    前記シリカ源が添加された黒色チタン粒子の分散液にアルカリ源を添加して前記分散液での反応を開始する工程と、
    前記分散液を洗浄し乾燥した後に焼成することによりシリカ膜で被覆された黒色チタン粒子である黒色チタンコアシェル粒子を得る工程と
    を含む黒色チタンコアシェル粒子の製造方法。
  5. 前記シリカ源が、オルトけい酸テトラエチル、オルトけい酸テトラメチル、プロピルシリケート及びブチルシリケートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物である請求項4記載の黒色チタンコアシェル粒子の製造方法。
  6. 前記アルカリ源が、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHCO3、NH4OH、(NH4)2CO3及びNH4HCO3からなる群より選ばれた1種又は2種以上のアルカリ触媒である請求項4記載の黒色チタンコアシェル粒子の製造方法。
  7. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の黒色チタンコアシェル粒子を黒色顔料として用いた電気泳動素子。
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