JP2015116872A - ハイブリッド車両の暖機装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レイアウトの変更やコストの増加を招くことなく、低温時において速やかにバッテリを暖機することができ、ひいては燃費を向上させることのできるハイブリッド車両の暖機装置を提供すること。
【解決手段】エンジン(2)と電動機(3)とを駆動源とする車両(1)において、バッテリ(11)及びインバータ(10)を経由して冷媒が循環する冷却回路(40)と、バッテリ(11)の温度が所定温度以下である場合に、電動機(3)を回転させつつインバータ(10)を三相短絡状態とし、冷却回路(40)の冷媒を循環させることでバッテリ(11)の暖機を行う暖機制御部(50)と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン(2)と電動機(3)とを駆動源とする車両(1)において、バッテリ(11)及びインバータ(10)を経由して冷媒が循環する冷却回路(40)と、バッテリ(11)の温度が所定温度以下である場合に、電動機(3)を回転させつつインバータ(10)を三相短絡状態とし、冷却回路(40)の冷媒を循環させることでバッテリ(11)の暖機を行う暖機制御部(50)と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド車両の暖機装置に係り、詳しくは走行用のバッテリを暖機する技術に関する。
近年、環境問題等を考慮して、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド電気自動車の開発が進んでいる。このようなハイブリッド車両には、大容量のバッテリが搭載されているが、バッテリは適切な温度範囲になければ大幅に効率が低下したり、製品の寿命を縮めることになる。また、ハイブリッドシステムの使用範囲が制限され、燃費改善効果が得られない。
そこで、低温時にはバッテリを暖機する必要があり、例えば特許文献1では、エンジン近傍及びバッテリ近傍に冷媒が循環する循環経路を形成し、車両始動直後にエンジンの暖機とともにバッテリの暖機を行っている。
しかしながら、エンジンとバッテリは通常離れてレイアウトされており、特許文献1のように、エンジンの熱を利用してバッテリを暖機するよう循環経路を形成するには、バッテリや循環経路のレイアウトが複雑化するという問題がある。また、循環経路が長くなることにより、冷媒の熱容量が増大し、熱エネルギの分散も増大することから、エンジン自体の暖機時間が長期化し、燃費の悪化や空調機能の低下等、効率の悪化を招くという問題が生じる。さらには、部品点数が増加し、コスト増加を招くという問題もある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、レイアウトの変更やコストの増加を招くことなく、低温時において速やかにバッテリを暖機することができ、ひいては燃費を向上させることのできるハイブリッド車両の暖機装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、第1の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、車両の駆動源であるエンジンと、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、前記電動機を駆動するための電力の供給及び当該電動機により発電された電力の蓄電が可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で電力を変換するインバータと、前記バッテリ及び前記インバータを経由して冷媒が循環する冷却回路と、前記バッテリの温度が所定温度以下である場合に、前記電動機を回転させつつ前記インバータを三相短絡状態とし、前記冷却回路の冷媒を循環させることで前記バッテリの暖機を行う暖機制御部と、を備える。
また、第2の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置では、前記第1の発明において、前記電動機は、永久磁石と三相コイルとを有しており、前記インバータは、前記三相コイルと接続された各相一対のスイッチング素子を有する三相ブリッジ回路であり、前記暖機制御部は、前記インバータの各相一方のスイッチング素子をオンとし、他方のスイッチング素子をオフとすることで三相短絡状態とする。
また、第3の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1及び第2の発明において、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却する熱交換器と、当該熱交換器を迂回するバイパス通路と、を含む。
また、第4の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1から第3のいずれかの発明において、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却する熱交換器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、前記暖機制御部は、前記バッテリの温度が所定温度以下である場合に、前記電動機を回転させつつ前記インバータを三相短絡状態とし、前記ポンプにより前記冷却回路の冷媒を冷却時とは逆方向に循環させて、前記熱交換器を経ずに前記インバータから前記バッテリに冷媒を送ることで、前記バッテリの暖機を行う。
また、第4の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1から第3のいずれかの発明において、前記冷却回路は、前記冷媒を冷却する熱交換器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、前記暖機制御部は、前記バッテリの温度が所定温度以下である場合に、前記電動機を回転させつつ前記インバータを三相短絡状態とし、前記ポンプにより前記冷却回路の冷媒を冷却時とは逆方向に循環させて、前記熱交換器を経ずに前記インバータから前記バッテリに冷媒を送ることで、前記バッテリの暖機を行う。
また、第5の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1から第4のいずれかの発明において、前記冷却回路は、前記電動機を経由する通路を含んでいる。
また、第6の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1から第5のいずれかの発明において、前記暖機制御部は、前記エンジンがアイドリング状態であり、前記電動機も正常に稼動しているときに、前記バッテリの暖機を行う。
また、第6の発明に係るハイブリッド車両の暖機装置は、前記第1から第5のいずれかの発明において、前記暖機制御部は、前記エンジンがアイドリング状態であり、前記電動機も正常に稼動しているときに、前記バッテリの暖機を行う。
上記手段を用いる本発明によれば、レイアウトの変更やコストの増加を招くことなく、低温時において速やかにバッテリを暖機することができ、ひいては燃費を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両の暖機装置の概略構成図であり、同図に基づき説明する。
ハイブリッド車両1はいわゆるパラレル型ハイブリッドのトラックとして構成されており、以下の説明では、単に車両とも称する。
図1は本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両の暖機装置の概略構成図であり、同図に基づき説明する。
ハイブリッド車両1はいわゆるパラレル型ハイブリッドのトラックとして構成されており、以下の説明では、単に車両とも称する。
車両1には走行用の動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)2、及び発電機としても作動可能なモータ3(電動機)が搭載されている。エンジン2の出力軸にはクラッチ4が連結され、クラッチ4にはモータ3の回転軸を介して変速機5の入力側が連結されている。変速機5の出力側にはプロペラシャフト6を介して差動装置7が連結され、差動装置7には駆動軸8を介して左右の駆動輪9が連結されている。
モータ3は、具体的には永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機であり、インバータ10を介してバッテリ11と接続されている。
インバータ10は、具体的には図2に示すように、前記モータ3の三相コイルと接続された一相につき一対のスイッチング素子12a〜12f(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を備えた三相ブリッジ回路により直流電流と三相交流電流との変換を行ったり、供給する電力の電圧の変換を行ったりする電力変換器である。つまり、当該インバータ10は、バッテリ11からの直流電力を三相交流電力に変換してモータ3に供給可能であるとともに、モータ3からの三相交流電力を整流してバッテリ11へ供給可能である。
インバータ10は、具体的には図2に示すように、前記モータ3の三相コイルと接続された一相につき一対のスイッチング素子12a〜12f(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を備えた三相ブリッジ回路により直流電流と三相交流電流との変換を行ったり、供給する電力の電圧の変換を行ったりする電力変換器である。つまり、当該インバータ10は、バッテリ11からの直流電力を三相交流電力に変換してモータ3に供給可能であるとともに、モータ3からの三相交流電力を整流してバッテリ11へ供給可能である。
このように構成された車両1は、エンジン2又はモータ3で発生させた駆動力を変速機5で変速された後、駆動輪9に伝達されることで走行する。また、例えば車両1の減速時や降坂路での走行時には、駆動輪9側からの逆駆動によりモータ3が発電機として作動する。そしてモータ3が発生した負側の駆動力は制動力として駆動輪9側に伝達されると共に、モータ3が発電した交流電力がインバータ10で直流電力に変換されてバッテリ11に充電される。
また車両1は、エンジン2を冷却するためのエンジン冷却回路20、モータ3を冷却するためのモータ冷却回路30、インバータ10及びバッテリ11を冷却するための電源冷却回路40(冷却回路)を備えている。
エンジン冷却回路20は、冷媒としてエンジン冷却水を使用する。そして、エンジン冷却回路20には、エンジン2と、エンジン冷却水を循環させるエンジン冷却ポンプ21、外気との熱交換によりエンジン冷却水を冷却するエンジンラジエータ22、エンジン冷却水を貯えるエンジン冷却水タンク23等が設けられている。
エンジン冷却回路20は、冷媒としてエンジン冷却水を使用する。そして、エンジン冷却回路20には、エンジン2と、エンジン冷却水を循環させるエンジン冷却ポンプ21、外気との熱交換によりエンジン冷却水を冷却するエンジンラジエータ22、エンジン冷却水を貯えるエンジン冷却水タンク23等が設けられている。
モータ冷却回路30は、冷媒としてモータ冷却水を使用する。そして、モータ冷却回路30には、モータ3と、モータ冷却水を循環させるモータ冷却ポンプ31、外気との熱交換によりモータ冷却水を冷却するモータラジエータ32、モータ冷却水を貯えるモータ冷却水タンク33等が設けられている。
エンジンラジエータ22及びモータラジエータ32はそれぞれエンジンルームの前方に配置されており、エンジン2により駆動される冷却ファン2aの回転により当該エンジンラジエータ22及びモータラジエータ32に走行風が引き込まれ、外気と各冷却水との熱交換が促進される。
電源冷却回路40は、冷媒として電源冷却水を使用する。そして、電源冷却回路40には、インバータ10、バッテリ11、電源冷却ポンプ41、電源ラジエータ42、電源冷却水タンク43、及びチラー44が設けられている。
詳しくは、電源冷却ポンプ41は、電源冷却回路40上のバッテリ11とインバータ10との間に設けられており、回転することで電源冷却水を循環させるものである。当該電源冷却ポンプ41はインバータ10及びバッテリ11の冷却時においては、バッテリ11から電源ラジエータ42、電源冷却水タンク43、及びチラー44を経由してインバータ10へと向かう方向に電源冷却水を循環させる。以下、このインバータ10及びバッテリ11の冷却時における電源冷却水の流れ方向に基づき、電源冷却回路40における上流側、及び下流側を規定する。
詳しくは、電源冷却ポンプ41は、電源冷却回路40上のバッテリ11とインバータ10との間に設けられており、回転することで電源冷却水を循環させるものである。当該電源冷却ポンプ41はインバータ10及びバッテリ11の冷却時においては、バッテリ11から電源ラジエータ42、電源冷却水タンク43、及びチラー44を経由してインバータ10へと向かう方向に電源冷却水を循環させる。以下、このインバータ10及びバッテリ11の冷却時における電源冷却水の流れ方向に基づき、電源冷却回路40における上流側、及び下流側を規定する。
電源ラジエータ42は、電源冷却回路40上においてインバータ10の下流側に設けられ、外気との熱交換により電源冷却水を冷却する熱交換器である。電源ラジエータ42の近傍には電動ファン45が配設されており、当該電動ファン45の駆動により外気が電源ラジエータ42を通過する。
電源冷却水タンク43は、電源冷却回路40上において電源ラジエータ42の下流側に設けられ、電源冷却水を貯えるものである。
チラー44は、電源冷却回路40上において電源冷却水タンク43の下流側に設けられ、電源冷却水と他の冷媒との熱交換を行う熱交換器である。当該他の冷媒は、電源冷却水より低温となる冷媒であり、例えば車両1の車室空調用の空調回路46を循環する空調冷媒である。そして、電源冷却回路40上において当該チラー44の下流側にバッテリ11が設けられている。
チラー44は、電源冷却回路40上において電源冷却水タンク43の下流側に設けられ、電源冷却水と他の冷媒との熱交換を行う熱交換器である。当該他の冷媒は、電源冷却水より低温となる冷媒であり、例えば車両1の車室空調用の空調回路46を循環する空調冷媒である。そして、電源冷却回路40上において当該チラー44の下流側にバッテリ11が設けられている。
このように構成された電源冷却回路40は、インバータ10及びバッテリ11の冷却時には、電源冷却ポンプ41が駆動することでバッテリ11及びインバータ10の熱を吸収した電源冷却水が電源ラジエータ42に送られる。電源ラジエータ42では、電源冷却水と電動ファン45により送風された外気との熱交換が行われることで、電源冷却水が冷却される。
また、電源ラジエータ42を通過した電源冷却水は、チラー44において当該電源冷却水より低温な他の冷媒と熱交換が行われることで、さらに冷却される。そして、十分冷却された電源冷却水が再びバッテリ11及びインバータ10に送られる。
さらに、車両1には、車両1の始動直後等でバッテリ11が低温状態にある場合に、電源冷却回路40を利用してバッテリ11の暖機を行う暖機制御部50を備えている。当該暖機制御部50は、車両1に搭載されている一つ又は複数のECU(電子コントロールユニット)からなり、インバータ10及び電源冷却回路40の電源冷却ポンプ41等の制御が可能である。
暖機制御部50には、インバータ10の温度を検知するインバータ温度センサ51及びバッテリ11の温度を検知するバッテリ温度センサ52等の各種センサが接続されている。
以下、暖機制御部50が実行するバッテリ11の暖機制御について詳しく説明する。図3にはバッテリ温度と電流制限値との関係図が示されており、図4にはインバータ温度と暖機制御終了時間との関係図が示されている。以下これらの図も参照しつつ、バッテリ11の暖機制御について説明する。
以下、暖機制御部50が実行するバッテリ11の暖機制御について詳しく説明する。図3にはバッテリ温度と電流制限値との関係図が示されており、図4にはインバータ温度と暖機制御終了時間との関係図が示されている。以下これらの図も参照しつつ、バッテリ11の暖機制御について説明する。
暖機制御部50による暖機制御は、クラッチ4を接続しエンジン2の回転によりモータ3を回転させつつ、インバータ10を三相短絡状態とすることで行う。具体的には暖機制御部50は、図2に示すインバータ10の各相一対のスイッチング素子のうち一方のスイッチング素子12d〜12fからなる素子群を全てオンとし、他方のスイッチング素子12a〜12cからなる素子群を全てオフとすることでインバータ10を三相短絡状態とする。このように三相短絡状態となったインバータ10は、オン状態のスイッチング素子12d〜12fにモータ3の回転により発電された大電流が流れるため、当該スイッチング素子12d〜12fが発熱する。
そして、暖機制御部50は電源冷却ポンプ41を駆動することで、電源冷却回路40の電源冷却水を循環させる。一方で暖機制御部50は、電動ファン45を停止させ、電源ラジエータ42での熱交換を抑える。また、暖機制御部50はチラー44での熱交換も抑えるように、空調装置を止めたり、空調冷媒をバイパスさせたりしてもよい。これにより、電源冷却水は発熱したインバータ10を通ることで加熱され、電源ラジエータ42及びチラー44での熱交換は少なく高温状態のままバッテリ11に送られて、バッテリ11の温度を上昇させることとなる。
暖機制御部50は、バッテリ温度センサ52により検出される温度が第1所定温度T1以下であるときに、上述の暖機制御を実行する。バッテリ11は通常、バッテリ温度に応じて出力可能な電流が制限されており、図3に示すように一定の温度以下で電流制限値が0となり、バッテリ11の使用が実質的に禁止される。第1所定温度T1は、この電流制限値が上昇し始める温度に設定されている。
そして、暖機制御部50は、バッテリ温度センサ52により検出される温度が第2所定温度T2以上となったとき、又はインバータ10の三相短絡開始から所定時間t経過したときに、バッテリ11の暖機制御を終了する。
当該第2所定温度T2は、図3に示すように第1所定温度T1より高く、電流制限値が十分に高い値となる任意の温度に予め設定されている。
当該第2所定温度T2は、図3に示すように第1所定温度T1より高く、電流制限値が十分に高い値となる任意の温度に予め設定されている。
また所定時間tは、インバータ温度センサ51により検出されるインバータ温度に応じて設定される。詳しくは、図4に示すように、暖機制御部50はインバータ温度が高くなるほど、所定時間tを短くし、暖機制御の終了を早める。
なお、暖機制御部50は、エンジン2及びモータ3が正常に稼働しておりハイブリッドシステムが正常である場合にのみ上記暖機制御を実行し、エンジンのアイドリングが不安定であったり、ハイブリッドシステムに絶縁箇所がある等の異常時には実行しない。
なお、暖機制御部50は、エンジン2及びモータ3が正常に稼働しておりハイブリッドシステムが正常である場合にのみ上記暖機制御を実行し、エンジンのアイドリングが不安定であったり、ハイブリッドシステムに絶縁箇所がある等の異常時には実行しない。
以上のように、暖機制御部50は、車両1始動直後や寒冷地走行等で、バッテリ11の温度が所定温度T1以下の低温状態にあるときには、モータ3を回転させつつインバータ10を三相短絡状態とし、電源冷却ポンプ41を駆動して電源冷却回路40の電源冷却水を循環させることで、バッテリ11の暖機を行う。これにより、車両始動後等にバッテリ11を早期に使用することができ、ハイブリッドシステムによる燃費改善効果を十分に得ることができる。
また、インバータ10が三相短絡状態にあるときには、モータ3は負のトルクを発生させていることから、エンジン2の負荷が上がり、エンジン2の暖機時間も短縮することができる。または、エンジン2の暖機時間を一定とするなら、エンジン2のアイドリング回転数を低下させることで燃費の向上を図ることもできる。
当該暖機制御では、インバータ10及びバッテリ11の冷却回路40を利用していることから、装置の追加やレイアウトの変更等はなくコストの増加を招くことはない。
これらのことから本実施形態に係るハイブリッド車両の暖機装置は、レイアウトの変更やコストの増加を招くことなく、低温時において速やかにバッテリ11を暖機することができ、ひいてはハイブリッドシステムの使用機会を増加させることにより燃費を向上させることができる。
これらのことから本実施形態に係るハイブリッド車両の暖機装置は、レイアウトの変更やコストの増加を招くことなく、低温時において速やかにバッテリ11を暖機することができ、ひいてはハイブリッドシステムの使用機会を増加させることにより燃費を向上させることができる。
以上で本発明に係るハイブリッド車両の暖機装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5〜7には本実施形態の第1変形例〜第3変形例が示されており、以下各変形例について説明する。なお、図5〜7は電源冷却回路周辺部分のみを記載しており、上記実施形態と同じ構成については同符号を付し説明を省略する。
例えば、図5〜7には本実施形態の第1変形例〜第3変形例が示されており、以下各変形例について説明する。なお、図5〜7は電源冷却回路周辺部分のみを記載しており、上記実施形態と同じ構成については同符号を付し説明を省略する。
まず、図5に示す第1変形例の電源冷却回路60は、上記実施形態の電源冷却回路40にバイパス通路61及び切換弁62が追加されている。
当該バイパス通路61は、電源ラジエータ42、電源冷却水タンク43、及びチラー44を迂回するように、インバータ10下流側の電源冷却回路とバッテリ11上流側の電源冷却回路とを接続している。切換弁62は例えば三方弁であり、電源冷却水がバイパス通路61を通るように切り換えることが可能である。
当該バイパス通路61は、電源ラジエータ42、電源冷却水タンク43、及びチラー44を迂回するように、インバータ10下流側の電源冷却回路とバッテリ11上流側の電源冷却回路とを接続している。切換弁62は例えば三方弁であり、電源冷却水がバイパス通路61を通るように切り換えることが可能である。
そして、当該第1変形例における暖機制御部63は、バッテリ11を暖機する際には、切換弁62により電源冷却水がバイパス通路61を通るように切り換えた上で、インバータ10を三相短絡状態とする。
これにより、電源冷却水は発熱したインバータ10にて加熱された後、電源ラジエータ42やチラー44を経由することなく、バイパス通路61を通ってバッテリ11に送られることとなる。従って、電源冷却水は電源ラジエータ42やチラー44により無駄に熱が放出されることなく、より高温のままでバッテリ11に送られることから、より早期にバッテリ11を暖機することができる。
これにより、電源冷却水は発熱したインバータ10にて加熱された後、電源ラジエータ42やチラー44を経由することなく、バイパス通路61を通ってバッテリ11に送られることとなる。従って、電源冷却水は電源ラジエータ42やチラー44により無駄に熱が放出されることなく、より高温のままでバッテリ11に送られることから、より早期にバッテリ11を暖機することができる。
次に、図6に示す第2変形例における電源冷却回路70は、電源冷却水の循環方向を反転可能な電源冷却ポンプ71を備えている。
そして、当該第2変形例における暖機制御部72は、バッテリ11を暖機する際には、電源冷却ポンプ71により電源冷却水の循環方向を冷却時とは反転させた上で、インバータ10を三相短絡状態とする。
そして、当該第2変形例における暖機制御部72は、バッテリ11を暖機する際には、電源冷却ポンプ71により電源冷却水の循環方向を冷却時とは反転させた上で、インバータ10を三相短絡状態とする。
これによって、電源冷却水は発熱したインバータ10により加熱された後、電源ラジエータ42やチラー44を経由することなく、バッテリ11に送られることとなる。従って、電源冷却水は高温のままでバッテリ11に送られ、より早期にバッテリ11を暖機することができる。
最後に、図7に示す第3変形例における電源冷却回路80は、モータ経由通路81及び切換弁82を有している。
当該モータ経由通路81は、電源冷却ポンプ41の下流からモータ3を経由してインバータ10の上流側に接続されている。切換弁82は例えば三方弁であり、電源冷却水がモータ経由通路81を通るように切り換えることが可能である。
当該モータ経由通路81は、電源冷却ポンプ41の下流からモータ3を経由してインバータ10の上流側に接続されている。切換弁82は例えば三方弁であり、電源冷却水がモータ経由通路81を通るように切り換えることが可能である。
そして、当該第3変形例における暖機制御部83は、バッテリ11を暖機する際には、切換弁82により電源冷却水がモータ経由通路81を通るように切り換えた上で、インバータ10を三相短絡状態とする。
インバータ10が三相短絡状態となると、モータ3にも大電流が流れて初ネルすることとなる。従って、電源冷却水はモータ経由通路81を通りモータ3を経由することで加熱され、さらにインバータ10を通ることでも加熱されることとなる。これにより、より高温の電源冷却水がバッテリ11に送られることなり、より早期にバッテリ11を暖機することができる。
インバータ10が三相短絡状態となると、モータ3にも大電流が流れて初ネルすることとなる。従って、電源冷却水はモータ経由通路81を通りモータ3を経由することで加熱され、さらにインバータ10を通ることでも加熱されることとなる。これにより、より高温の電源冷却水がバッテリ11に送られることなり、より早期にバッテリ11を暖機することができる。
以上の第1〜第3の変形例は、それぞれの特徴を組み合わせてもよい。
また、上記実施形態におけるエンジン冷却回路20、モータ冷却回路30、電源冷却回路40、60、70、80に設けられる装置は上述したものに限られるものではなく、各装置の配置等もこれに限られるものではない。
また、上記実施形態におけるエンジン冷却回路20、モータ冷却回路30、電源冷却回路40、60、70、80に設けられる装置は上述したものに限られるものではなく、各装置の配置等もこれに限られるものではない。
1 車両
2 エンジン
3 モータ(電動機)
10 インバータ
11 バッテリ
40、60、70、80 電源冷却回路
41、71 電源冷却ポンプ
42 電源ラジエータ(熱交換器)
43 電源冷却水タンク
44 チラー(熱交換器)
50、63、72、83 暖機制御部
51 インバータ温度センサ
52 バッテリ温度センサ
2 エンジン
3 モータ(電動機)
10 インバータ
11 バッテリ
40、60、70、80 電源冷却回路
41、71 電源冷却ポンプ
42 電源ラジエータ(熱交換器)
43 電源冷却水タンク
44 チラー(熱交換器)
50、63、72、83 暖機制御部
51 インバータ温度センサ
52 バッテリ温度センサ
Claims (6)
- 車両の駆動源であるエンジンと、
前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、
前記電動機を駆動するための電力の供給及び当該電動機により発電された電力の蓄電が可能なバッテリと、
前記バッテリと前記電動機との間で電力を変換するインバータと、
前記バッテリ及び前記インバータを経由して冷媒が循環する冷却回路と、
前記バッテリの温度が所定温度以下である場合に、前記電動機を回転させつつ前記インバータを三相短絡状態とし、前記冷却回路の冷媒を循環させることで前記バッテリの暖機を行う暖機制御部と、を備えるハイブリッド車両の暖機装置。 - 前記電動機は、永久磁石と三相コイルとを有しており、
前記インバータは、前記三相コイルと接続された各相一対のスイッチング素子を有する三相ブリッジ回路であり、
前記暖機制御部は、前記インバータの各相一方のスイッチング素子をオンとし、他方のスイッチング素子をオフとすることで三相短絡状態とする請求項1記載のハイブリッド車両の暖機装置。 - 前記冷却回路は、前記冷媒を冷却する熱交換器と、当該熱交換器を迂回するバイパス通路と、を含む請求項1又は2記載のハイブリッド車両の暖機装置。
- 前記冷却回路は、前記冷媒を冷却する熱交換器と、前記冷媒を循環させるポンプと、を含み、
前記暖機制御部は、前記バッテリの温度が所定温度以下である場合に、前記電動機を回転させつつ前記インバータを三相短絡状態とし、前記ポンプにより前記冷却回路の冷媒を冷却時とは逆方向に循環させて、前記熱交換器を経ずに前記インバータから前記バッテリに冷媒を送ることで、前記バッテリの暖機を行う請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の暖機装置。 - 前記冷却回路は、前記電動機を経由する通路を含んでいる請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の暖機装置。
- 前記暖機制御部は、前記エンジンがアイドリング状態であり、前記電動機も正常に稼動しているときに、前記バッテリの暖機を行う請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の暖機装置。
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