JP2015116544A - 遠心機及び遠心機用スイングロータ - Google Patents

遠心機及び遠心機用スイングロータ Download PDF

Info

Publication number
JP2015116544A
JP2015116544A JP2013262360A JP2013262360A JP2015116544A JP 2015116544 A JP2015116544 A JP 2015116544A JP 2013262360 A JP2013262360 A JP 2013262360A JP 2013262360 A JP2013262360 A JP 2013262360A JP 2015116544 A JP2015116544 A JP 2015116544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating shaft
container
hole
shaft
centrifuge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013262360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6331379B2 (ja
Inventor
佐藤 淳
Atsushi Sato
佐藤  淳
建一 根本
Kenichi Nemoto
建一 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP2013262360A priority Critical patent/JP6331379B2/ja
Publication of JP2015116544A publication Critical patent/JP2015116544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6331379B2 publication Critical patent/JP6331379B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B04CENTRIFUGAL APPARATUS OR MACHINES FOR CARRYING-OUT PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES
    • B04BCENTRIFUGES
    • B04B5/00Other centrifuges
    • B04B5/04Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers
    • B04B5/0407Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles
    • B04B5/0414Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles comprising test tubes
    • B04B5/0421Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles comprising test tubes pivotably mounted

Landscapes

  • Centrifugal Separators (AREA)

Abstract

【課題】遠心機において回動軸への遠心負荷荷重を低減させる。【解決手段】試料容器30をスイングさせて遠心運転を行う遠心機において、試料容器はバケット52とバケットを密封する蓋部(33〜38)を有し、バケットにはスイング時にロータボディに着座する着座面54cが形成され、蓋部の上側に延びる中空部32には横方向に延びる回動軸40が設けられる。回動軸は貫通穴35に挿入され、回動軸の上側には回動軸を付勢する弾性部材36が設けられる。中空部の容器部側の端部には、円盤部33の上面より回動軸に近くなるように形成された着座面が形成され、回動軸が遠心力により撓んだ際に着座させるようにして、回動軸の遠心荷重による破損を防ぐようにした。【選択図】 図5

Description

本発明は、医学、薬学、遺伝子工学、バイオ等の分野において試料を分離するための遠心機に関し、特にスイング式のロータを有する遠心機及び遠心機用の試料容器に回動軸構造の改良に関するものである。
遠心機は、内部に試料を充填した複数の試料容器を収容可能なロータと、ロータ室内でロータを回転駆動するモータ等の駆動手段を備え、ロータを高速で回転させて遠心力を作用させることにより試料容器内の試料を遠心分離するものである。遠心機用ロータはアングルロータとスイングロータに大別できる。アングルロータの場合、内部に試料を充填した複数の試料容器を収容穴に収容し、収容穴開口部上方に風損低減及び万一試料容器が破損、変形したときの試料及び容器破片の飛散防止のための蓋がロータに締結される。収容穴は駆動軸に対し一定の固定角で形成されており、遠心力の大きさによらず収容穴と駆動軸の相対角度は常に固定である。
これに対しスイングロータは、有底部を備えたバケットの内部に試料を充填した試料容器を収容してバケット内部を覆う蓋で密閉し、バケットまたは蓋に設けられた棒状または凸形状を有した回動軸をロータに設けられた回動軸用係合溝に係合させて、ロータにバケットを揺動可能に設置して遠心分離する構造である。ロータが静止している時はバケットの中心軸とモータの駆動軸は平行(θ=0°)であるが回転速度が上昇するに従い揺動可能に設置されたバケットに遠心力が作用し回動軸を中心に回転しθ>0°となり、バケットを水平に足らしめる遠心力を発生させる回転速度でほぼ水平(θ≒90°)となる。その後、遠心運転が終わって回転速度が減少するに従いθは減少し、停止時にはθ=0°となる。このようにスイングロータは遠心運転中の遠心力の大きさによりバケットの中心軸と駆動軸の相対角度が変化する。また、スイングロータの遠心運転中のバケットの遠心荷重を保持する形態には主に2種類ある。1つはロータまたはバケットに設けた回動軸の凸部を対向する凹み部で受け、バケットの遠心力による荷重を凸部または凹み部のみで保持する形態と、もう1つはロータまたはバケットに設けた回動軸で水平までバケットをスイングし、そこから回動軸を撓ませてロータの壁面にバケットを着座させ、バケットの遠心力による荷重をロータボディで保持する形態である。後者の形態としては、特許文献1の技術が知られている。
特許公開2002−86016号公報
特許文献1のようなロータまたはバケットに設けた回動軸で水平までバケットをスイングし、そこから回動軸を撓ませてロータにバケットを着座させ、バケットの遠心力による荷重をロータボディで保持する形態では、従来は回動軸が自重による遠心力やバケットの荷重を受けて折損しないように回動軸自体の強度を確保するため断面係数を大きくせざるを得ず、構造が大きくなる問題があった。また、100,000×g以上の遠心加速度を生じるようなスイングロータに使用する回動軸は、強度を確保する都合上、安価で比重の小さいアルミ合金では耐えられないことが多い。更に遠心加速度が大きくなる程従来の考えの回動軸自体の剛性で折損を防止することには限界があった。回動軸として従来は高価だが比重の小さく比強度の高いチタン、又は、安価だが比重の大きいステンレス鋼を使うことが多かったが、チタンを使用すると材料自体が高価である。さらに、アルミ合金やステンレス鋼に比べてチタンは難削材であり製造原価が上昇してしまい、顧客への販売価格を高く設定せざるを得ず購入者に費用負担を強いることになる。
回動軸にステンレス鋼を使用する場合、例えばアルミ合金やチタン合金と同一形状で製作しても比重が約2〜3倍あるため重くなってしまい、自重による遠心荷重に耐えられるようにするためにはやはり剛性を上げざるを得ず、構造が大きくなってしまうため結果としてロータへの負荷荷重が大きくなるという問題があった。ロータへの負荷荷重が大きくなると、その負荷荷重に耐えられるようにロータボディも強度のある材料を使用したり強固に設計する必要があり、結果として全体的に高価な製品となってしまう。また、本来回動軸はロータにバケットを着座させるためにバネ性を有さなければならないが、断面係数を大きくすると剛性が上がるため撓み量は減少してしまい、スムーズにスイングさせるという必要な役目を果たさなくなる問題があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、繰り返し使用しても回動軸が折損しないように構成するとともに、回動軸の軽量化を図ってロータボディへの負荷荷重を低減させることによりロータボディおよび回動軸の長寿命化、低コスト化を図った遠心機及び遠心機用スイングロータを提供することにある。
本発明の他の目的は、意図的に回動軸自体の剛性を小さくしてスイングロータの軽量化を行うようにした遠心機及び遠心機用スイングロータを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本来であれば折損してしまう位に回動軸の剛性を小さくして撓ませながら、回動軸の中央付近を着座面に着座させることで遠心運転時の回動軸の変形量を制御し、回動軸の折損を防止するようにした遠心機及び遠心機用スイングロータを提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、スイング用の回動軸を有する試料容器と、軸方向上側から下側に貫通する貫通孔と、回動軸を回動可能に保持する支持部と、貫通孔の中心軸と垂直方向であって径方向外側に形成される切り欠き部を有するロータボディを有し、回動軸にて装着された試料容器を、ロータボディの回転によってスイングさせて切り欠き部に当接させた状態で遠心運転を行う遠心機において、試料容器は、試料を収容する容器部と容器部を密封する蓋部を有し、容器部にはスイング時に切り欠き部に着座する着座面が形成され、蓋部には容器部の長手方向と垂直方向に延びる回動軸が設けられ、蓋部には容器部の開口部を覆うための円盤部と円盤部の上方に一体に形成される中空部を有し、中空部には長手方向と垂直方向に貫通する長穴状の貫通穴が形成され、貫通穴に回動軸が挿入され、回動軸の上側には軸方向に付勢する弾性部材が配置され、中空部内から弾性部材が脱落しないようにストッパが設けられ、中空部の容器部側の端部に、円盤部の上面より回動軸に近くなるように形成され、回動軸が遠心力により撓んだ際に当接する着座面を設けるように構成した。着座面は、円盤部の上面であって中空部の内側に形成されたフラットな底面又は底面の中央付近に形成される凸部として形成する。このように着座面を形成することにより、意図的に回動軸自体の剛性を小さくして回動軸の軽量化を行い、本来であれば折損してしまう位剛性を小さくして撓ませても着座面に着座させることで回動軸の折損を防止することができる。また、使用される材料の塑性域で使用しても前述したように回動軸と着座面の距離を適切に設置し変形量を制御することで、耐力以上の部分で繰り返し使用しても回動軸が折損せずに使用可能となったので、従来では構成することが困難であった材料の使用や形状で回動軸の折損防止とバネ性を両立し、安全性の高い遠心機を提供可能となった。さらに、回動軸に必要以上の荷重が負荷されないため、回動軸の高寿命化が可能となった。
本発明の他の特徴によれば、貫通穴は、回動軸が長手方向に移動可能な様に長手方向に所定の長さを有するように構成する。回動軸は、遠心力により長手方向に平行に移動又は変形し、変形の際に回動軸の両端部と着座面の3点にて遠心荷重が支持されることになる。弾性部材は積層された複数枚の皿バネであって、ストッパは中空部の軸方向に対して垂直方向に螺合されるネジとすると良い。このように構成することにより回動軸は、中空部に備えた矩形またはオーバル状の開口部稜線に平行に滑りながら移動し、円盤部に設けられた回動軸用の着座面まで移動可能となるので、回動軸をロータボディもしくはバケットに係合させながら滑らせて移動させることができ、試料に不要な振動を与えないことを可能となり、超高速回転域における遠心荷重による回動軸自体の破損を効果的に防止することができる。
本発明の他の特徴によれば、回動軸は中央部の径が太くなった略円柱形の部材とされるので、太い径の部分が中空部内に位置することにより貫通穴から軸方向に回動軸が抜け落ちることを防止できる。また、着座面と当接する位置に平面状の面取り部が形成されるので、面取り部の大きさにより回動軸のたわみ量を調整することができ、撓んだ際の回動軸の遠心荷重を面圧で分散させて効果的に支えることが可能となる。さらに、回動軸の回動軸に対して面取り部と反対側に、弾性部材を固定させるための凸部が形成されるので、回動軸が回動軸線を中心に回転(自転)してしまうことを防止できる。貫通穴は側面視で略T字状に形成され、凸部を有する回動軸を中空部の内部に挿入させるために周方向に所定の長さを有する周方向穴を有するので、回動軸を上下反転させた状態で貫通穴に挿入した後に、回動軸の上下を戻ることにより軸方向に引き抜いても外れることを阻止できる。
本発明によれば、従来は使用材料の弾性限度以内で使用するように回動用軸の形状を決定していたものを、回動軸と着座面の距離を適切に設置し変形量を制御することで断面係数を小さくし形状を軽量化した回動軸を実現できた。また、回動軸の使用材料の削減を図り、安価材料も使用可能となるため、製造原価を抑えた遠心機を実現できた。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明に実施例に係る遠心機1の全体構成を示す縦断面図である。 本発明の実施例に係る遠心機用スイングロータの平面図であって、試料容器30を装着した状態を示す図である。 図2のA−A部の断面図である。 本発明の実施例に係る試料容器30の外観を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る試料容器30の縦断面図である。 本発明の実施例に係るロータボディ20の軸方向縦断面図であり、試料容器30の実線は回転時の状態を示し、点線は停止時の状態を示す。 本発明の実施例に係るロータボディ20に対して試料容器30が回転を開始して水平状態に到達した直後の揺動状態を示した図であって、(1)は図6のB−B部に相当する位置の部分断面図であり、(2)は(1)のC−C部の断面図である。 本発明の実施例に係るロータボディ20に対して試料容器30が遠心力によりバケットが水平状態まで揺動してロータボディ20に着座した状態を示した図であって、(1)は図6のB−B部に相当する位置の部分断面図であり、(2)は(1)のC−C部の断面図である。 本発明の実施例に係るロータボディ20と試料容器30が高速回転時における状態を示した図であって、(1)は図6のB−B部に相当する位置の部分断面図であり、(2)は(1)のC−C部の断面図である。 図4の回動軸40単体の外観形状を示す斜視図であって、(1)は斜め上から見た図であり、(2)は斜め下から見た図である。 図4の回動軸40単体を示す図であって、(1)は上面図、(2)は正面図、(3)は底面図、(4)は側面図である。 図4の蓋部31の構成部品を示す図であって、(1)は側面図、(2)は斜視図、(3)は付属部品を取り付けた後の斜視図(一部断面図)である。 中空部32に回動軸40を挿入する手順を説明するための図である。 蓋部31の構成部品を示す図であって、(1)は縦断面図であり、(2)及び(3)は回動軸40に加わる遠心荷重の強さと、その遠心荷重を支える状況を示したものである。 (1)は本実施例の第一変形例に係る構成部品の部分縦断面図であり、(2)は第二変形例に係る構成部品の部分縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書において上下方向は各図に示す方向であるとして説明する。
図1は本発明の実施例に係る遠心機1の構造を示す断面図である。遠心機1は、板金やプラスチックなどで製作される箱状の筐体11に収容され、筐体11の内部は水平なフレーム14によって上下2段の空間に仕切られている。上段の空間の内部には防護壁6が設けられ、防護壁6とドア12によってチャンバ4を画定し、図示しないドアパッキンによってチャンバ4は密閉される。チャンバ4は上面が開口している円筒状であって、その内部空間(ロータ室2)には試料容器(バケット組立体)30を揺動可能に設置したロータボディ20が収容されている。ロータボディ20は駆動軸3を回転軸として回転可能であって、分離する試料を保持しつつ高速回転するスイングロータを構成する。図1では、ロータボディ20が停止中であって試料容器30の中心軸が鉛直方向となっている状態を示している。本実施例ではロータボディ20は、例えば最高回転速度が100,000rpm以上で回転できる、いわゆる超高速遠心機と呼ばれるものである。筐体11内のフレーム14によって仕切られた下段には、駆動部9がフレーム14に取付けられており、駆動部9のハウジング8には駆動源としてのモータ7が内蔵されている。そのモータ7の垂直上方に延びる駆動軸3は、チャンバ4を貫通してロータ室2内に達し、その上端部にはロータボディ20が着脱可能に装着される。
ロータボディ20は複数の試料容器30を保持しながら高速回転をする回転体であって、ロータボディ20の回転と共に遠心力によって試料容器30が遠心力の作用方向(回転軸から見て径方向外側)にスイングして、試料容器30の中心軸が鉛直方向から水平方向に移動する。ロータボディ20は、駆動部9に含まれるモータ7によって回転されるが、モータ7の回転は図示しない制御装置によって制御される。
チャンバ4はドア12によって密閉可能に構成され、ドア12を開けた状態で、上側の開口部5を介してチャンバ4内のロータ室2内にロータボディ20を装着又は取り外しができる。チャンバ4には、図示していないがロータ室2内部を所望の低温に保つための冷却装置と、内部を所定の減圧状態に保つための真空ポンプが接続され、遠心分離運転中は制御装置の制御によってロータ室2の内部が設定された環境に保たれる。ドア12の側方(右側)には、使用者がロータの回転速度や遠心分離時間等の条件を入力すると共に、各種情報を表示する操作表示部10が配置される。操作表示部10は、例えば液晶表示装置と操作ボタンの組み合わせ、又は、タッチ式の液晶パネルで構成される。
図2は遠心機用スイングロータの上面図である。遠心機用スイングロータはロータボディ20と試料容器30により構成され、図2は試料容器30がロータボディ20の貫通孔21に挿入された状態を示している。本実施例にかかるロータボディ20は、上から見た際に略円形であって、径が100mmから300mm程度の大きさのボディに直径が20mmから50mm弱程度の6つの貫通孔21が形成され、貫通孔21のそれぞれに試料容器30が装着される。試料容器30には回動軸40が配置され、その回動軸の長手方向が円周方向に向くように試料容器30が貫通孔21内に収容される。貫通孔21は円周方向に60度ずつ隔てて均等間隔で設けられた、上側から下側に貫通する円筒状の穴であり、穴の直径は試料容器30の外径よりもわずかに大きく形成され、貫通孔21の内壁の円周方向に約180度隔てた2箇所に回動軸係合溝22が形成される。回動軸係合溝22は、試料容器30の回動軸40の両端部を保持するために形成されるもので、貫通孔21の上部開口から、軸方向下側に延びるが、下部開口にまでは到達しない。回動軸40の長さは貫通孔21の直径よりもわずかに大きく形成されるので、回動軸40の両端位置が回動軸係合溝22の位置に一致しないときには、回動軸40の両端部が貫通孔21の上端部に緩衝するため、試料容器30を貫通孔21の所定位置まで挿入することができない。回動軸40の両端部を回動軸係合溝22に沿うように試料容器30を貫通孔21の上側から下方向に挿入すると、回動軸係合溝22の下端部で回動軸40の両側が保持されることにより、試料容器30が下側に落ちないように保持される。試料容器30のスイング方向は回動軸40と垂直な平面内になるため、回動軸40はその平面となす角が90度となる。また、スイング方向を含む平面は遠心荷重がかかる方向と一致させる必要があるので、その平面は駆動軸3(図1)の回転軸(回転中心)を通ることになる。ロータボディ20の上からみた外縁形状はほぼ円形としても良いが、本実施例では質量軽減を図るためにバケット収容部24(図3参照)及び貫通孔21が形成されない箇所、即ち矢印27に示す部分において肉厚を落とすように形成している。
図3は、図2のA−A部の断面図である。図3では、ロータボディ20が停止していて、試料容器30の長手方向が鉛直方向になっている状態を示す。試料容器30は、回動軸40の両端部が回動軸係合溝22の下端部(図示せず)に当接しているために、ロータボディ20から下側に抜け落ちずに図示の位置にて保持される。この際、試料容器30は回動軸40の両端部分を除いて、ロータボディ20には一切接触していない。また、試料容器30の下端部もロータボディ20のいずれの部分にも接触しない。この状態からモータ7(図1参照)を起動してロータボディ20を回転させると、試料容器30は、回動軸40を回転軸にして、遠心力よって径方向外側にスイングする。この試料容器30のスイングは、試料容器30の長手方向が水平(真横)になるまで続くが、その際に試料容器30のスイングがロータボディ20に阻害されないように、ロータボディ20にはバケット収容部24が形成される。バケット収容部24は、ロータボディ20の下側端部を半円柱状にくり抜いた切り欠き部であって、試料容器30がスイングした際に、特定の箇所を除いて、試料容器30とロータボディ20が接触しないようにするために形成される空間である。
図4は、本発明の実施例に係る試料容器30の外観形状を示す斜視図であり、蓋部31に容器部51を装着した状態を示す。容器部51は、その内部に分離する試料を入れるチューブを収容するための容器たるバケット52を有し、バケット52は比強度の高いチタン合金等の金属の削り出しによって一体に製造される。容器部51の開口部53の下方には、径方向に広がるテーパー面54bが形成される。フランジ部54は、開口部53からテーパー面54bに対してなめらかに接続される外縁部54aと、外縁部54aと、外縁部54aの下側に形成され、ロータボディ20のバケット収容部24の側壁面(バケット受け面25)接触するために円周方向に連続する斜面たる着座面54cにより構成される。着座面54cの下方にてバケット52と接続される。テーパー面54bの形状は比較的自由であるが、本実施例では図3に示したようにフランジ部54の外縁部54aから上方の開口部53の円筒部分になめらかに接続して容器部51の強度を十分確保するようにしている。
蓋部31はバケット52の内部空間を密閉するための蓋として作用するもので、容器部51の開口部53にネジ結合又は差込み方式により装着される。蓋部31の上下方向中央付近には容器部51の蓋本体となる円盤状の円盤部33が形成される。円盤部33の上方には円筒形の部分(中空部32)が形成され、中空部32の側方には回動軸40を貫通させるための貫通穴35が設けられ、貫通穴35を介して中空部32の対向する径方向に突出する回動軸40が設けられる。貫通穴35は遠心荷重のかかる方向に延びる単なる長穴ではなくて、本実施例では側面視で略T字状の形状とされるが、その詳細形状は後述する。蓋部31は、例えばアルミニウム合金等の金属の削りだし加工により製造され、円盤部33の下方には後述する装着部34が形成される。回動軸40は、ロータボディ20に形成された回動軸係合溝22に係合されるものであって、スイング状態になる前には試料容器30の荷重を支える役割を果たす。回動軸40の上方には複数枚の皿バネ36が挿入され、皿バネ36の上部において中空部32の水平方向(横方向)に形成されるネジ穴37に止めネジ38が装着されることにより皿バネ36が脱落しないように保持される。尚、本実施例では6枚の皿バネ36が挿入されるが、皿バネ36の枚数は遠心分離の最高回転速度や容器部51の重さや中に入れられる試料の容量等を考慮して適宜設定すればよい。また、皿バネだけに限られずに圧縮スプリングやその他の弾性部材にて付勢するように構成しても良い。また、止めネジ38のほかにピンを用いても、皿バネ36の脱落を防ぐことができる。
図5は試料容器30の縦断面図である。容器部51の内部には、チューブ60の外形と一致する空間が形成され、上部にはチューブ60を出し入れするための開口部53が形成される。チューブ60は例えば合成樹脂製の略円筒状の容器であって、全長が約100mmであって開口部の直径が25mm程度であり、内部に遠心分離を行う対象たる試料61が入れられる。容器部51の開口部53には、チューブ60の開口部53を覆うことにより容器部51の内部空間を密閉状態に保つ役割を果たし、バケット52内に充填した試料61がバケット52の外に漏れ出るのを防いでいる。開口部53の内周側には雌ねじまたは密着面が形成され、蓋部31の装着部34の雄ねじ又は密着面と当接し、Oリング39などのシール部材で密閉する。このように蓋部31が容器部51に取り付けられることによりこれらが一体化して揺動できる。
試料容器30の上部には、径方向に広がるフランジ部54が形成され、フランジ部54の下側にはロータボディ20と接触するための着座面54cが形成される。テーパー面54bは、フランジ部54から上方の開口部53に至り徐々に軽が細くなるように形成されている。なお、テーパー面54bの形状は比較的に自由に形成できるが、試料容器30の遠心荷重が着座面54cによって受け止められるため、強度の点からフランジ部54とバケット52の形状を設計すると良い。円盤部33の上方には回動軸40が貫通穴35の稜線の輪郭形状に平行に移動可能とされ、止めネジ38と回動軸40間には皿バネ36が組み込まれている。皿バネ36はいわゆる弾性体であればその他のバネ形式でも良く、金属製のバネ部材や樹脂製のバネを用いても良い。
図6は、本発明の実施例に係るロータボディ20の軸方向縦断面図であり、試料容器30の実線は回転時の状態を示し、点線は停止時の状態を示す。ロータボディ20の高速回転により試料容器30は点線で示す停止時の位置から実線で示す状態に、回動軸40を中心に矢印29のようにスイングする。試料容器30は回動軸係合溝22の下側端部付近を中心に回転可能に搭載されるため、ある回転速度に達すると試料容器30が回動軸40を揺動中心としてスイングし、バケット52の長手方向が水平方向となる水平状態になる。図6は試料容器30が水平方向になった直後の低速回転時(例えば500〜1,000rpm程度)の状態を示すもので、このように水平状態になった直後の低速回転数では、試料容器30にかかる遠心荷重が小さいので、皿バネ36の働きにより試料容器30と回動軸40が接近する方向に付勢されるため、フランジ部54とバケット収容部24のバケット受け面25は互いに接触しない位置を保つ。このように回動軸40を試料容器30のボディ部分に対しての皿バネ36を用いて自由度を増加させたことにより、試料容器30が矢印29に示すように鉛直状態から水平状態にスイングする途中では、試料容器30はロータボディ20のいずれの部分にも接触しないので、スムーズにスイングすることができる。また、試料容器30が理想的な状態でなく、やや斜めに捩られた状態でスイングしていき試料容器30のボディ部の片側がバケット受け面25に先に当たるようなことがあったとしても、試料容器30は回動軸40によって拘束されることなく、遠心荷重によってテーパー面54bがバケット受け面25に良好な面接触位置に誘導されることができるので、回動軸40に対してバケット52と試料61の遠心荷重がかかることはない。
次に、図6で示すようにスイングした直後の状態からロータボディ20が更に高速にて回転し、ロータボディ20側のバケット受け面25と容器部51側の着座面54cが接触するまでの動きを図7〜図9を用いて説明する。図7はロータボディ20に対して試料容器30が回転を開始して水平状態に到達した直後の揺動状態を示した図であって、(1)は図6のB−B部に相当する位置の部分断面図であり、(2)は(1)のC−C部の断面図である。試料容器30の遠心荷重を支える回動軸40には、容器部51、蓋部31、チューブ60、及び、チューブ60内に満たされた試料の分の遠心力荷重合計F1がかかっている。ここで、回動軸40には自重分と皿バネ36分による遠心力荷重合計F2も加わっている。バケット52が水平方向に到達した直後の状態では、回動軸40はまだ撓んでおらず、皿バネ36も縮んでいない。この際のロータボディ20の壁面(バケット受け面25付近)とバケット52は隙間がある程度存在する状態であって接触していない。この状態から更に回転速度が上昇し遠心加速度が増加すると図8の状態になる。
図8の状態では、ロータボディ20の回転速度が上昇して試料容器30には矢印F1の方向に強い遠心荷重がかかるため、皿バネ36による付勢力(耐荷重)を遠心加速度が上回っているため皿バネ36は撓んで試料容器30は外周側に移動し、バケット受け面25と試料容器30との隙間が縮まる。さらに高速回転になるとバケット52は遠心加速度方向(径方向外側)にさらに移動し、バケット受け面25とテーパー面54bが良好に面接触する。この面接触した状態をここでは「着座」と呼ぶことにする。この着座の際の回転数は、例えば3000rpm程度であり、面接触する範囲は、試料容器30の着座面54cの周方向に見て上側に位置する約半分程度である。またその移動量は図6で図示したロータボディ20とバケット52の隙間分(移動距離限界L)でバケット受け面25と着座面54cが接触して移動が止まりロータボディ20にてバケット52、回動軸40と皿バネ36を除いた蓋部31、チューブ60及び試料61の遠心力荷重合計F1を負担する状態になる。この状態では回動軸40に加わる力はF2だけになるが、回動軸40の曲げ剛性がF2よりも高いため、回動軸40はまだ撓んでいない。このようにロータボディ20の回転速度が高速になった場合は、試料容器30の遠心荷重は、ロータボディ20に形成されたバケット受け面25の広い領域で受け止められるので、回動軸40には試料容器30部にかかる遠心力荷重合計F1は作用しないようになる。回動軸40の自重分と皿バネ36分による遠心力荷重合計F2は、さほど大きくないので回動軸40は撓むこと無く図の状態に保持される。この状態からロータボディ20の回転速度がさらに上昇し、いわゆる超高速の速度領域に到達すると図9の状態になる。
図9はバケットがロータボディ20に着座した後に回動軸40が貫通穴35の稜線に平行に滑りながら遠心力の方向に移動して、円盤部33の上面に備えた回動軸用着座面(後述)に着座した状態を示した図である。図9において、バケット52の位置は長手方向が水平状態であり図8の状態と同じであるが、回動軸40がその自重と皿バネ36の遠心力荷重合計F2に耐え切れずに回動軸40の軸方向中央部付近が撓むことになる。本実施例の場合、回動軸40の自重は約3g(試料容器30の2%未満)であり、ロータボディ20の回転数が32,000prmで回転すると回動軸40だけの遠心荷重でも約300kgとなるため、回動軸40を両端部だけで自重だけを遠心荷重を支えるだけでも困難になってしまう。この遠心荷重に耐えるために回動軸40の強度を上げることも考えられるが、強度アップは通常重量増加を伴うのでさらに遠心荷重が増える結果になってしまう。
そこで、本実施例では回動軸40は意図的に剛性を小さくして軽量化し撓むように形状決定し、回動軸40の軸方向中央部付近を矩形またはオーバル状開口部を有する貫通穴35の稜線に平行に滑りながら移動させるように撓ませて、円盤部33の中央付近上面に回動軸40の中央付近(両端部の間付近)が接触する着座面を設けるように構成した。つまり、バケット52内部を覆う円盤部33に対して回動軸40が移動限界距離L分だけ撓むと円盤部33の中央上面に着座するように構成し、回動軸40と円盤部33の上面の着座面との隙間をゼロとした。このように回動軸40の長手方向中央付近を円盤部33に着座させることで、回動軸40を両端部と中央部の三点支持とすることができ、本来であれば折損してしまう太さ、長さ、材質の回動軸40を折損させないように継続使用することを可能とした。この構造であれば、仮に使用される材料の塑性域で使用せざるを得ない場合でも、前述したように回動軸40と回動軸の移動限界距離Lを適切に設置し変形量を制御することで、耐力以上の部分で繰り返し使用してもひずみが増加することなく回動軸40が折損せず使用できる。
図10は、回動軸40単体の外観形状を示す斜視図であって、(1)は斜め上から見た図であり、(2)は斜め下から見た図である。ここでは説明の都合上、上下左右を図の方向であると仮定して説明する。回動軸40は中央部40dの径又は幅が大きくなった略円柱形のステンレス製一体成形品であって、左右対称の形状であって、長手軸(=回動軸)に対して対称の形状とされる。回動軸40の長手方向の長さは40mm強であり、基本的な直径(軸部40bの直径)は3mm程度とするのが好ましく、試料容器30の全重量(試料61を除く)の2%未満の重量とすることが好ましい。回動軸40は左右方向の中心の接合面でもある中央部40d付近の直径が一番太く、そこから軸方向に離れるに従って回動軸40の径が徐々に細くなるようなテーパー部40aが形成される。ここで径方向とは長手軸と垂直な断面形状における径方向を指すものとして説明している。テーパー部40aから先は、直径が一定の円柱状の軸部40bが延びて、軸部40bの先端は略半球状に形成された端部40cが形成される。中央部40dとテーパー部40aは、皿バネ36たる皿バネを保持するための保持部41を形成するために形成したものであって、周方向に連続して形成された中央部40dの一部を円環状に切削することにより、皿バネ36と嵌合させることにより皿バネ36を良好に保持するための嵌合部42を形成した。嵌合部42は皿バネ36の内周側に位置するように形成される凸部となる。図10では説明の都合上、テーパー部40a、軸部40b、端部40c、中央部40dの境界を理解が容易となるように線で示しているが、回動軸40は金属の一体品にて製造されるので、明確な境界や接合面があるわけではない。
図10(2)の斜め下からの斜視図でわかるように、左右方向の中央から所定の範囲においては平面状に研削された面取り部43が形成される。この面取り部43は円盤部33やバケット52側に向くように配置される。基本形状が円柱形の回動軸40の一部を(2)のように平面に研削すると、2つの端部40c間で保持する場合の剛性が低下し、上下方向に見ると中央部40dを中心にたわみやすくなる。しかしながら、回動軸40の重量で見るとわずかではあるが軽量化できるので、回動軸40に加わる遠心荷重を低減できる。このように面取り部43の切削又は研削量、左右方向の長さを調整することで、回動軸40の軽量化を図り、曲げ剛性を調整することができる。
図11は、図4の回動軸40単体を示す図であって、(1)は上面図、(2)は正面図、(3)は底面図、(4)は側面図である。(1)において嵌合部42は皿バネ36の内周側に嵌合させて保持するために外形が円形に構成された凸部とされる。また、回動軸40の中央部40dの径を太くされた基材を切削加工又は研磨加工しているので、保持部41として所定の接触面積を有するように構成される。つまり、保持部41の部分を円環状に切削又は研磨すると、(1)に示すように外形が菱形になるような広めの平面部が露出する。(2)においては面取り部43の切削又は研削量がどの程度であるかが理解できるであろう。尚、面取り部43を設けることは必須の構成ではないので必ずしも設けなくても良いが、面取り部43を設けることにより回動軸40が遠心荷重によって撓む量を容易に調整することができる。さらに回動軸40が撓んだ際に、円盤部33の着座面に点領域ではなく、所定の長さを有する線状領域、又は(3)の点線で示すような所定の面領域たる接触部分44にて円盤部33に接触することができるので、回動軸40の遠心荷重を円盤部33によって良好に保持させることができる。尚、接触部分44はその領域の一例を示したもので、必ずしもこのような長方形の接触領域となるわけでは無い。
図12は蓋部31の構成部品を示す図であって、(1)は側面図、(2)は斜視図、(3)は付属部品を取り付けた後の斜視図(一部断面図)である。蓋部31は、蓋となる作用する部分の円盤部33と、円盤部33の上方に形成された中空部32と、下方に形成された装着部34により主に構成される。中空部32の側面には、一方の側から他方の側に貫通する側面視で略T字状の貫通穴35が形成される。貫通穴35のうち上下方向に長い長手方向穴35b部分は、回動軸40が図7〜図9で示したようにスライドするための移動空間を確保するために形成するものである。そのため貫通穴35の横方向(円周方向)の幅は回動軸40が移動する際に抵抗とならない程度の幅を確保すると良い。T字状の貫通穴35には横方向(円周方向)に広い幅を有する周方向穴35aが形成される。周方向穴35aは、中央部40d(図11参照)の径が太くなっている回動軸40を挿入するために形成される挿入口である。貫通穴35の上部付近には円周方向に連続する溝部32bが形成される。これは皿バネ36、回動軸40を取り付けるためのスペース確保と軽量化のためである。円盤部33の下側には円筒状の装着部34が設けられるが、これは容器部51の開口部53と係合する部分であって、本実施例では蓋部31を容器部51に対して、軸方向にネジ込んで装着および取り外することができる。装着部34には密着性をあげるために周方向に連続した密着部34bが形成される。
図12(3)は、蓋部31に回動軸40、複数の皿バネ36、ネジ穴37に螺合された止めネジ38が装着した状態を示す図である。皿バネ36は、円盤状のばねを皿のように膨らみ持たせたものであって、小さなたわみで大きな荷重や衝撃を受けることができる弾性体であり、回動軸40が止めネジ38から離れる方向に付勢する。ここで図13を用いて蓋部31の組み立ての際の回動軸40の装着方法を説明する。図13において(1)は回動軸40と貫通穴35の大きさの関係を示す図である。貫通穴35は側面視であり、回動軸40も側面視(図11(4)と同じ)である。側面視でT字状の貫通穴38のうちの鉛直部分(長穴状の貫通穴)に加えて、鉛直部分の上部に連結さえる水平方向に長い貫通穴が形成される。ここで、この(1)からわかるように回動軸40は、上方向に延びる凸部たる嵌合部42が形成されるので、そのままの状態で貫通穴35に回動軸40を挿入しようとしてもはいらない。そこで、本実施例では(2)に示すように回動軸40を上下逆向きになるように反転させて貫通穴35に挿入する。この際、凸部たる嵌合部42がT字状の貫通穴35の縦穴の部分に対応するため、回動軸40の中央部40dが貫通穴35の内部、即ち中空部32の内部に位置づけることができる。その状態で再び回動軸40を上下逆向きになるように回転させると、(3)の位置に回動軸40を位置づけることができる。その後、中空部32の上側端部から6枚の皿バネを挿入(または、貫通穴35から皿バネを挿入)した後に止めネジ38をネジ穴37から横方向にねじ込むことにより皿バネ36が中空部32から外側に抜けないように保持することができる。この止めネジ38で固定した後の状態を示すのが図12(3)の状態である。この図から理解できるように止めネジ38と回動軸40は交差する方向に配置すると好ましく、好ましくは止めネジ38と回動軸40の軸方向はバケット中心軸を基準に90度隔てるように配置される。
次に図14を用いて蓋部31の詳細形状を説明する。蓋部31は、バケット52の開口部を覆う蓋としての機能を果たす円盤部33から上方に延びる中空部32を有し、中空部32の端部は閉鎖された底面たる着座面32cとなっている。ここで、本実施例では着座面32cは、円盤部33の外周側主要面の上部よりも高さH1だけ高くなるように構成される。このように着座面32cを高くするための理由を(2)(3)の模式図で説明する。図14(2)は回動軸40に加わる遠心荷重の強さと、その遠心荷重を支える支点22a、22bを示したものである。試料容器30はロータボディ20の貫通孔21内に配置され、回動軸40が回動軸係合溝22に案内されてその溝の下側端部(支点22a、22bに相当)にて保持される。ロータボディ20が停止している際には回動軸40には容器部51とその内部に収容される試料61の重量が加わるが、図8のようにバケット52が水平にスイングして着座面54cがバケット側のバケット受け面25と接触するため、回動軸40には容器部51とその内部に収容される試料61の遠心荷重はかからなくなる。このようにバケット52が水平にスイングした状態の回動軸40を模式的に示すのが図14(2)であり、回動軸40にはバケット52等の遠心荷重がほとんどかからなくなるため、回動軸40自体の自重及び皿バネ36の遠心荷重だけが回動軸40に加わることになる。しかし、着座面54cがバケット受け面25と接触した直後はロータボディ20の回転速度が低いため遠心荷重が小さく、回動軸40は変形しない。
ロータボディ20の回転速度が上昇すると図9に示したように回動軸40に加わる遠心力荷重合計F2がさらに増大するため回動軸40が撓むことになる。この状態を示す模式図が図14(3)である。この撓む状態が大きくなると回動軸40自体が破損する恐れがある。そこで本実施例では回動軸40の長手方向にみてほぼ中央付近に、回動軸40のたわみを支えるための保持部を設けるようにした。この保持部として本実施例では着座面32cを利用するものであり、回動軸40がある程度撓んだ後に中央の底面側が着座面32cに着座するために、回動軸40を支点22a、22bに加えて着座面32cの三点にて支持することができる。この結果、二点支持だけで保持させる場合に比べて回動軸40を細く軽量に構成することができ、この結果試料容器の30の全体の重さの軽減を実現できる。また、(3)の保持部58の高さH1(これは図11(1)のH1のこと)を調整することにより、回動軸40の最大許容撓み量S1を設定することができるので、遠心分離運転のたびに繰り返しうける曲げ応力を受けて使用しても回動軸40が折損せずに使用可能となり、かつロータボディ20への負荷荷重を低減することができるので、ロータボディ20および回動軸40の長寿命化、低コスト化を図ることができた。
次に図15を用いて本発明の実施例の変形例を説明する。図15(1)は、基本的には図14(1)の蓋部31の構成と同じであるが、中空部32に形成された貫通穴135の端部135cが、底面132cよりも下側に到達して状態を示している。この状態が発生するのは貫通穴135の製造過程に関係するものであり、側面視で略T字状の貫通穴135を形成するに当たり、中空部32の側面から試料容器30の中心軸に対して直角方向にドリルやエンドミル等を用いて穿孔するためである。回動軸40の移動範囲を確保する穿孔を行うために図示しないエンドミル等の端部が底面132cよりも下側に到達してしまう場合があり得る。しかしながら仮に図15(1)のように端部135cが底面132cよりも下側に到達した状態になっても、回動軸40の接触する中央部分付近のくぼみの幅d1が、回動軸40の面取り部43の幅d(図11(3)参照)よりも十分小さいならば、幅d1の外側の面にて回動軸40が底面132cに接触することになるので、特に問題は生じない。
図15(2)は、基本的なアイディアは図14(1)の蓋部31と同じであるが、中空部32の内側の底面132cの中央部に隆起する着座面となる凸面239を設けるようにした。この凸面239の高さは、フランジ状の円盤部33の上面に対してH3だけ高くなるように構成した。凸面239の上面は、回動軸40の遠心力による撓みを支えるために必要十分な面積を有するようにすれば良く、回動軸40の面取り部43の幅dとほぼ同じ程度の直径か、やや広い幅d2分の凸面239を形成するようにすると良い。凸面239の高さH3は回動軸40の撓み具合を考慮して、最適な量を設定すれば良い。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば回動軸40の形状は上述の実施例のような円柱形の形状だけに限らず、長手方向と垂直な断面形状が略四角形又は楕円形の形状であって、回動軸係合溝22に係合する部分だけが半球状に形成されたものであっても良い。また、回動軸40の長手方向の長さを50mm以上として、基本的な直径(軸部40bの直径)は4mm以下とし、試料容器30の全重量(試料61を除く)の1%未満の重量とするように構成しても良い。
1 遠心機 2 ロータ室
3 駆動軸 4 チャンバ
5 開口部 6 防護壁
7 モータ 8 ハウジング
9 駆動部 10 操作表示部
11 筐体 12 ドア
14 フレーム 20 ロータボディ
20a 駆動軸穴 21 貫通孔
22 回動軸係合溝 22a、22b 支点
24 バケット収容部 25 バケット受け面
30 試料容器(バケット組立体) 31 蓋部
32 中空部 32b 溝部
32c 着座面 33 円盤部
34 装着部 34b 密着部
35 貫通穴 35a 周方向穴
35b 長手方向穴 36 皿バネ
37 ネジ穴 38 止めネジ
39 Oリング 40 回動軸
40a テーパー部 40b 軸部
40c 端部 40d 中央部
41 保持部 42 嵌合部
43 面取り部 44 接触部分
51 容器部 52 バケット
53 開口部 54 フランジ部
54a 外縁部 54b テーパー面
54c 着座面 58 保持部
60 チューブ 61 試料
132c 底面 135 貫通穴
135c 端部 239 凸面
F1 バケット、蓋、試料容器、試料の遠心力荷重合計
F2 回動軸と皿バネの遠心力荷重合計
L 回動軸の移動限界距離
S1 回動軸の最大許容撓み量
H1〜H3 回動軸用の保持部の高さ

Claims (9)

  1. スイング用の回動軸を有する試料容器と、
    軸方向上側から下側に貫通する貫通孔と、前記回動軸を回動可能に保持する支持部と、前記貫通孔の中心軸と垂直方向であって径方向外側に形成される切り欠き部を有するロータボディを有し、
    前記回動軸にて装着された前記試料容器を、前記ロータボディの回転によってスイングさせて前記切り欠き部に当接させた状態で遠心運転を行う遠心機において、
    前記試料容器は、試料を収容する容器部と前記容器部を密封する蓋部を有し、前記容器部にはスイング時に前記切り欠き部に着座する着座面が形成され、前記蓋部には容器部の長手方向と垂直方向に延びる回動軸が設けられ、
    前記蓋部には、前記容器部の開口部を覆うための円盤部と、前記円盤部の上方に一体に形成される中空部を有し、
    前記中空部には前記長手方向と垂直方向に貫通する長穴状の貫通穴が形成され、
    前記貫通穴に前記回動軸が挿入され、前記回動軸の上側には軸方向に付勢する弾性部材が配置され、
    前記中空部内から前記弾性部材が脱落しないようにストッパが設けられ、
    前記中空部の前記容器部側の端部に、前記円盤部の上面より前記回動軸に近くなるように形成され、前記回動軸が遠心力により撓んだ際に当接する着座面を設けたことを特徴とする遠心機。
  2. 前記着座面は、前記円盤部の上面であって前記中空部の内側に形成された凸部であることを特徴とする請求項1に記載の遠心機。
  3. 前記貫通穴は、前記回動軸が前記長手方向に移動可能な様に前記長手方向に所定の長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心機。
  4. 前記回動軸は、遠心力により前記長手方向に平行に移動又は変形し、前記変形の際に前記回動軸の両端部と前記着座面の3点にて遠心荷重が支持されることを特徴とする請求項3に記載の遠心機。
  5. 前記弾性部材は積層された複数枚の皿バネであって、前記ストッパは前記中空部の軸方向に対して垂直方向に螺合されるネジであることを特徴とする請求項4に記載の遠心機。
  6. 前記回動軸は中央部の径が太くなった略円柱形の部材であって、前記着座面と当接する位置に平面状の面取り部が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遠心機。
  7. 前記回動軸の回動軸に対して前記面取り部と反対側に、前記弾性部材を固定させるための凸部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の遠心機。
  8. 前記貫通穴は側面視で略T字状に形成され、前記凸部を有する前記回動軸を前記中空部の内部に挿入させるために周方向に所定の長さを有する周方向穴を有することを特徴とする請求項7に記載の遠心機。
  9. ロータボディと、
    試料を収容する容器部と前記容器部を密封する蓋部を有し、前記容器部にはスイング時に前記ロータボディの切り欠き部に着座する着座面が形成され、前記蓋部には容器部の長手方向と垂直方向に延びる回動軸が設けられた試料容器と、を有する遠心機用スイングロータにおいて、
    前記蓋部に、前記容器部の開口部を覆うための円盤部と、前記円盤部の上方に一体に形成される中空部を設け、
    前記中空部には前記長手方向と垂直方向に貫通するものであって前記回動軸を貫通させる長穴状の貫通穴と、前記回動軸の上側に配置され前記回動軸を軸方向に付勢する弾性部材と、前記中空部内から前記弾性部材が脱落しないようにするストッパを設け、
    前記中空部の前記容器部側の端部に、前記回動軸が遠心力により撓んだ際に当接する面であって前記円盤部の上面より前記回動軸に近くなるように形成された着座面を有することを特徴とする遠心機用スイングロータ。
JP2013262360A 2013-12-19 2013-12-19 遠心機及び遠心機用スイングロータ Active JP6331379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013262360A JP6331379B2 (ja) 2013-12-19 2013-12-19 遠心機及び遠心機用スイングロータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013262360A JP6331379B2 (ja) 2013-12-19 2013-12-19 遠心機及び遠心機用スイングロータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015116544A true JP2015116544A (ja) 2015-06-25
JP6331379B2 JP6331379B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=53529796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013262360A Active JP6331379B2 (ja) 2013-12-19 2013-12-19 遠心機及び遠心機用スイングロータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6331379B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166906A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 日立工機株式会社 遠心機及び遠心機用スイングロータ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4833059A (ja) * 1971-05-19 1973-05-07
JPS5762652U (ja) * 1980-09-30 1982-04-14
JP2002086016A (ja) * 2000-09-18 2002-03-26 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機及びそのロータ
JP2011083723A (ja) * 2009-10-16 2011-04-28 Hitachi Koki Co Ltd スイングロータ及び遠心分離機
JP2011147908A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機及び遠心分離機用スイングロータ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4833059A (ja) * 1971-05-19 1973-05-07
JPS5762652U (ja) * 1980-09-30 1982-04-14
JP2002086016A (ja) * 2000-09-18 2002-03-26 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機及びそのロータ
JP2011083723A (ja) * 2009-10-16 2011-04-28 Hitachi Koki Co Ltd スイングロータ及び遠心分離機
JP2011147908A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機及び遠心分離機用スイングロータ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015166906A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 日立工機株式会社 遠心機及び遠心機用スイングロータ
US10046335B2 (en) 2014-04-30 2018-08-14 Hitachi Koki Co., Ltd. Centrifuge for pivoting the rotating shafts of the sample container and swing rotor for centrifuge

Also Published As

Publication number Publication date
JP6331379B2 (ja) 2018-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6406033B2 (ja) 遠心機及び遠心機用スイングロータ
JP6332441B2 (ja) 遠心機及び遠心機用スイングロータ
US10328438B2 (en) Tube rack of a centrifugal separator having bottom rubber members
JP5707882B2 (ja) 遠心分離機用スイングロータ及び遠心分離機
JP5488807B2 (ja) 遠心分離機及び遠心分離機用スイングロータ
JP6435778B2 (ja) 遠心機用スイングロータ及び遠心機
US20130316889A1 (en) Centrifuge, rotor for centrifuge, and sample container for centrifuge
JP6331379B2 (ja) 遠心機及び遠心機用スイングロータ
JP2021102212A (ja) 遠心機用スイングロータ及び遠心機
JP6195023B2 (ja) 遠心機及び遠心機用スイングロータ
JP4941881B2 (ja) 遠心分離用ロ−タおよび遠心機
JP5224151B2 (ja) 遠心分離用ロータ及び遠心機
JP2011083723A (ja) スイングロータ及び遠心分離機
JP3200181U (ja) 遠心分離機用バケット
JP2021181047A (ja) 遠心機用ロータ及び遠心機
WO2015198984A1 (ja) 遠心機
JP7117899B2 (ja) 遠心機用ロータ及び遠心機
JP2011011130A5 (ja)
JP2003305381A (ja) 遠心分離用ロータ
JP6779124B2 (ja) 遠心機用試料容器及びそれを用いた遠心機

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160331

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6331379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250