以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の内視鏡洗浄消毒装置の全体構成を示す斜視図である。
同図に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、使用済みの内視鏡10を洗浄、消毒するための装置であり、装置本体2と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続された蓋体であるトップカバー3とにより主要部が構成されている。
また、図1に示すように、装置本体2の上面の、例えば操作者が近接する前面側の両端寄りに、装置本体2の洗浄、消毒動作スタートスイッチ、及び洗浄、消毒モード選択スイッチ等の設定スイッチ類が配設されたメイン操作パネル25が設けられている。
また、装置本体2の上面であって、操作者が近接する前面に対向する背面側に、装置本体2に水道水を供給するための、図示しない水道蛇口に接続された給水ホースが接続される給水ホース接続口31が配設されている。尚、給水ホース接続口31に、水道水を濾過するメッシュフィルタが配設されていてもよい。
さらに、装置本体2の上面の略中央部に、内視鏡収納口をトップカバー3によって開閉される、内視鏡10が収納自在な洗浄消毒槽4が設けられている。洗浄消毒槽4は、槽本体50と該槽本体50の内視鏡収納口の外周縁に連続して周設されたテラス部51とにより構成されている。
また、槽本体50の槽内の面である底面50tには、槽本体50に供給された洗浄液、水、消毒液等を、図示しない接続チューブを介して内視鏡10の内部に具備された各管路に供給する循環口56が設けられている。尚、循環口56には、洗浄液等を濾過するメッシュフィルタが設けられていても良い。
洗浄消毒槽4の槽本体50には、さらに、図示しない超音波振動子と、ヒータとが配設されており、槽本体50の底面50tの略中央部に、洗浄ケース6が配設されている。この超音波振動子は、洗浄消毒槽4に貯留される洗浄水、或いは水道水に振動を与えて、内視鏡10の外表面を超音波洗浄、或いは濯ぐものである。また、ヒータは、洗浄消毒槽4内に貯留される洗浄液、水道水等を所定の温度に加温するためのものである。
洗浄ケース6には、内視鏡10の各スコープスイッチ等のボタン類等、内視鏡10に併設されている取り外し可能な部品が収容される。その結果、各ボタン類及び取り外した部品は、内視鏡10と一緒に洗浄、消毒されるようになっている。
次に、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置1の内部構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンク、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を示した図である。
図2に示すように、槽本体50は、使用後の内視鏡10が洗浄消毒される際、該内視鏡10が収納自在であり、槽本体50の槽内の面である底面50tには、槽本体50に供給された洗浄液、水、アルコール、消毒液等を槽本体50から排水する役目を果たすとともに、後述する薬液タンク100に薬液ボトル150からの薬液を注入するための注入排水口55が配設されている。
前記注入排水口55には、注入管路101が連設され電磁弁102を介して薬液タンク100に接続されるようになっている。
次に、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置1の内部構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンク、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を示した図である。
図2に示すように、本実施形態における内視鏡洗浄消毒装置は、装置本体2の内部に薬液を貯留する薬液タンク100を内設する。一方、前記槽本体50の槽内の面である底面50tに配設された注入排水口55には注入管路101が連設されている。
また、前記注入管路101には電磁弁102を介して薬液タンク100に接続され、電磁弁102が開状態の際に注入排水口55から注入された薬液が薬液タンク100内に注入されるようになっている。なお、この電磁弁102は、後述する制御部120により流路の開閉が制御される。
ここで、本実施形態における内視鏡洗浄消毒装置1において、前記注入排水口55に注入する薬の供給源としては薬液ボトル150を想定する。この薬液ボトル150は、実用液タイプの薬液が規定量入った状態で販売されているが、出荷時の注入量誤差等により、ボトル内の薬液導入量にはばらつきが生じる虞があることは上述したとおりである。
また、緩衝化剤を混ぜて使用する2剤タイプであれば緩衝化剤を混ぜる作業精度の影響も避けられず、さらに、薬液タンク100までの注入経路への薬液残留、ボトル自体の残留、薬液タンクの形状誤差、後述する水位センサの高さ誤差、内視鏡洗浄消毒装置自体の傾斜等、薬液タンク100内に注入される薬液量にばらつきを発生させる要因が数多く存在することも上述したとおりである。
上述した点を鑑みつつ本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置においては、薬液タンク100における規定満導入量に対応する薬液導入量として薬液ボトル150の6本分の導入量を想定する。したがって、以下に示す本実施形態における薬液注入工程は、係る点を前提として説明する。
図2に戻って、薬液タンク100には、タンク内に注入された薬液103の水位を検出するための水位センサユニット110が設けられている。
前記水位センサユニット110は、薬液タンク100内において可動可能に配設され薬液103の液面の水位を検出する第2のセンサ111と、当該第2のセンサ111を駆動するモータ112と、薬液タンク100内において固定されたゼロ水位センサ113と、同じく薬液タンク100内において固定された第1のセンサ114と、これら各センサの基準電位となるGNDセンサ115と、を有して構成される。
ここで、前記ゼロ水位センサ113,第1のセンサ114,GNDセンサ115は、いずれも薬液タンク100内において上面に延設された電極式の固定水位センサであり、ゼロ水位センサ113は薬液タンク100内における薬液103のゼロ水位を検出する。そして、ゼロ水位に基づいて基準点を設定する。
また、第1のセンサ114は、薬液タンク100に注入された薬液103の導入量が所定の導入量に達したことを検知する。すなわち、第1のセンサ114は、薬液タンク100内において上述した諸々の誤差を考慮の上で予め決められた量であって、薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に達したことを判定できる。
具体的には、薬液103の液面103aから基準点までの距離が所定の距離まで達したことを検知するセンサである。薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に対応する所定の高さに第1のセンサ114が配置されるようになっている。
なお、当該第1のセンサ114は、後述する制御部120および検知部121等と共に、薬液103の薬液導入量を判定する第1の判定部を構成する。
なお、前記第1のセンサ114は、薬液の液面から基準点までの距離を検知するセンサに限定されるものではなく、薬液の導入量を検知できればよい。
前記第2のセンサ111は、モータ112の駆動制御により薬液タンク100において可動可能であり、かつ、薬液の液面から基準点までの距離を認識できるようになっている。また、第2のセンサ111は、注入排水口55に対する薬液注入工程開始前の初期状態においては、薬液タンク100内において薬液の液面から基準点までの距離が十分に上方位置(上部)に配置されるが、本実施形態においては、この位置を基準点(Z=0)とする。
なお、当該第2のセンサ111は、後述する制御部120および記憶部122と共に、薬液103の液面103aの状態を判定する第2の判定部を構成する。
また、第2のセンサ111は、その先端部は図8の(b)に示すように鉛直方向に対して略直角となる平面形状を呈するようになっている。
一方で内視鏡洗浄消毒装置1は、前記各水位センサからの信号を検知する検知部121と、前記各センサ、モータ112および検知部121を制御すると共に前記電磁弁102の開閉を制御する制御部120と、を有する。
また、内視鏡洗浄装置1は、検知部121で検知した所定の信号に係る情報(たとえば、第2のセンサ111の停止位置の座標情報)を記憶する記憶部122を更に備えてもよい。ここで前記制御部120は、前記記憶部122も制御する。
なお、制御部120は、前記第1のセンサ114または第2のセンサ111と共に、薬液103の液面103aから基準点までの状態を判定する第1の判定部または第2の判定部を構成する。
次に、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程について図2に加え図3〜図7を用いて説明する。
図3〜図6は、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図であり、それぞれ、図3は、第2のセンサが薬液面を検知した際の様子を示した図、図4は、図3の状態の後、第2のセンサがタンク上部位置に退避した状態の様子を示した図、図5は薬液が所定量注入し終わった際の第2のセンサの様子を示した図、図6は、図5の状態の後、所定量以上の薬液を注入した際の第2のセンサの様子を示した図である。
また、図7は、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明するフローチャートであり、以下、当該フローチャートに沿って薬液注入工程を説明する。
図7に示すように、薬液ボトル150内の薬液を前記注入排水口55および注入管路101等を介して薬液タンク100に注入する薬液注入工程が開始されると(ステップS1)、制御部120は、まず電磁弁102を制御して開状態に設定する(ステップS2)。これにより、注入排水口55と薬液タンク100とが連通された状態になり、薬液ボトル150から薬液を薬液タンク100に注入することが可能となる。
その後制御部120は、モータ112を制御して第2の判定部を構成する可動式水位センサ111を薬液タンク100の上部である基準点(Z=0)の位置に配置する(ステップS3)。
次に制御部120は、第1の判定部を構成する検知部121を制御して、同じく第1の判定部を構成する固定式センサである第1のセンサ114を起動し薬液の導入量が所定の量に達したことを検知するために、薬液103の液面103aから基準点までの距離が所定の距離(Z0)に到達したか否かを判定する(ステップS4)。
ここで、所定の距離(Z0)は、上述したように本実施形態においては、薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に対応する所定の高さである。すなわち、前記ステップS4の判定がなされるのは、6本目の薬液ボトル150からの注入が行われているときである。
前記ステップS4において、前記第1の判定部(制御部120、検知部121および第1のセンサ114を含む)が、薬液103の液面103aから基準点までの距離が所定の距離(Z0)に到達したと判定すると、制御部120は、モータ112および検知部121を制御して第2のセンサ111の連続的駆動による液面103aの検知判定工程を開始する(ステップS5)。
以下、前記ステップS5における連続的駆動検知判定工程について、図3〜図5を用いて説明する。
ステップS5においては、制御部120は、まずモータ112を制御して第2のセンサ111を基準点(Z=0)の位置から移動させる(ステップS5−1)。そして、下降する第2のセンサ111が液面103aに接触したことを検知部121が検知すると、制御部120は、モータ112を制御して第2のセンサ111の下降動作を停止させる(ステップS5−2)。更に、記憶部122に対して、当該停止した位置から基準点までの距離を記憶させともよい(ステップS5−3)。このときの第2のセンサ111が薬液の液面を検知した際の様子を図3に示す。
その後制御部120は、モータ112を制御して第2のセンサ111を移動せしめ、薬液タンク100上部である基準点(Z=0)の位置の位置まで退避させる(ステップS5−4)。このときの第2のセンサ111がタンク上部位置に退避した状態の様子を図4に示す。
そして、第2のセンサ111が基準点(Z=0)の位置に戻ると、制御部120は、再び前記ステップS5−1〜ステップS5−4の動作を繰り返すよう、各部を制御する。ここで、制御部120は、前記ステップS5−1〜ステップS5−4の動作を極めて短い周期で繰り返すようモータ112、第2のセンサ111および検知部121を制御する。このとき、制御部120は、記憶部122を制御してもよい。
ここで、前記ステップS5−1〜ステップS5−4が極めて短い周期で繰り返される間にも薬液タンク100には薬液103が注入され続けており液面103aも上昇しているため、ステップS5−2において第2のセンサ111の下降が停止され、かつ、ステップS5−3においてそのZ方向座標が記憶される位置も、ステップS5−1〜ステップS5−4が繰り返される間に変動(上昇)することとなる。
そして第2の判定部を構成する制御部120は、繰り返される前記ステップS5−1〜ステップS5−4における前記ステップS5−3において薬液の液面から基準点までの距離の変動値を監視することにより、液面高さ変位の安定度を判定する(ステップS6)。
以下、このステップS6における、液面高さ変位の安定度判定工程について具体的に説明する。
なお上述したように、本第1の本実施形態においては、可動式水位センサ111、制御部120、検知部121および記憶部122等により、薬液103の液面103aの状態を判定する第2の判定部を構成する。そして、当該ステップS6においては、前記第2の判定部が以下に示す判定動作を行う。
いまここで、第2の判定部を構成する制御部120の制御下に前記ステップS5−1〜ステップS5−4が極めて短い周期で繰り返される間に、前記ステップS5−2において下降する第2のセンサ111が液面103aに接触してその下降動作が停止されるタイミングを「接触タイミング」とし、繰り返される前記ステップS5−1〜ステップS5−4のある周期における「接触タイミング」を第1の時刻(t1)とし、次の周期における「接触タイミング」を第2の時刻(t2)とする。
また、前記第1の時刻(t1)における液面103aから基準点までの距離(Zt1)、前記第2の時刻(t2)における液面103aから基準点までの距離(Zt2)とするとき、制御部120等の第2の判定部は、第1の時刻(t1)での距離(Zt1)と第2の時刻(t2)の距離(Zt2)の相違が所定の変動量ΔZ以下、または変動率ζ以下になったか否かを確認する(ステップS6)。
なお、距離(Zt1)と距離(Zt2)は、制御部120が記憶部122に記憶されている、第1の時刻(t1)または第2の時刻(t2)における液面103aから規準点までの距離を読み出して確認するようになっている。
そして第2の判定部は、次式に示すように、前記変動量または変動率が所定値(所定率)に収まったことを以って薬液タンク100内の液面103aの変動が安定した、すなわち、最後の薬液ボトル150の注入が終了したと判断する。なお、図5は、薬液が所定量注入し終わった際の可動式水位センサの様子を示す。
変動量:ΔZ≧|Zt2−Zt1|
変動率:ζ≧|( Zt2−Zt1)/Zt1|
なお、ステップS6において、前記変動量または変動率が所定値(所定率)に収まらず液面103aの変位が安定しない場合(ステップS6における“No”判定)は、液面高さ(Z方向座標)がオーバーフローするような異常値を示さない限り(ステップS7)、未だ最後の薬液ボトル150の注入途中であると判断し、ステップS6の判定工程を繰り返す。
そして制御部120は第2の判定部として、ステップS6において最後の薬液ボトル150の注入が終了したと判定した後、前記電磁弁102を閉じて薬液注入工程を終了する(ステップS8)。
一方、図6に示すように、第2の判定部が液面からの距離がオーバーフローするような異常値(ZOF)(本実施形態の場合は、6本分の薬液ボトル150の薬液導入量では届かない水位に対応する値)を検出した場合(ステップS7)、制御部120は、誤って7本目の薬液ボトル150からの薬液が注入されていると判断し、強制的に電磁弁102を閉じるようになっている。
なお、本実施形態においては、液面103aの変動が安定したことを、上述したように、液面の変動量または変動率を監視することで判定したが、これに限らず、たとえば、液面から基準点までの距離が3回連続で同じ値を示すことをもって液面変動の安定とみなすよう制御しても良い。
また、第2のセンサ111の先端部の形状は、本実施形態においては図8(b)に示すように鉛直方向に対して略直角となる平面形状を呈するものとしたが、同図8(a)に示すように、先端部が尖ったテーパー形状としてもよく、さらに、先端に向けて階段状に断面積が小さくなる形状を呈してもよい。
当該第2のセンサ111は、上述したように高速で液面への接触を繰り返すので、先端部を細くすることで接触時の液面に対する衝撃の度合いを軽減することができ、液面の波立ちを抑制することができる。
以上説明したように本第1の実施形態によれば、最後の薬液ボトルの溶液を入れ終えたことを検知し、注入管路から薬液タンクに薬液を注入することを停止できる内視鏡洗浄消毒装置を提供することができる。
また、薬液ボトル自体にも薬液が残らないため、ユーザーが個別に廃棄する手間が削減されるという効果を奏する。
さらに、薬液タンクおよび薬液ボトルにおける上述した諸々の形状誤差、または、ユーザーの作業ばらつき等を吸収することができる。
さらに、ユーザーが注入を止めるタイミングに煩わされることがないという効果を奏する。
(第2実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
本第2の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、第1の実施形態における内視鏡洗浄消毒装置と同様に、使用済みの内視鏡10を洗浄、消毒するための装置であるが、水位センサユニットの構成を異にするものである。その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
図9は、第2の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンク、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を示した図であり、図10は、本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図である。
本実施形態では、第1の実施形態における水位センサユニット110において、前記第1のセンサ114およびゼロ水位センサ113を削除し、全ての水位検知および導入量検知を可動式水位センサ211が担うことを特徴とする。
図9に示すように、薬液タンク200には、タンク内に注入された薬液103の水位を検出するための水位センサユニット210が設けられている。
本実施形態においては、前記水位センサユニット210は、薬液タンク200内において可動可能に配設され薬液103の液面の水位を検出するとともに導入量を検知する役目を果たす可動式水位センサ211と、当該可動式水位センサ211を駆動するモータ212と、前記センサの基準電位となるGNDセンサ215と、を有して構成される。
本実施形態において前記可動式水位センサ211は、制御部220の制御下に、図9に示すように薬液注入工程前の初期位置においてはゼロ水位の高さに設定される。そして当該可動式水位センサ211は、検知部221と共に、薬液タンク200内における薬液103のゼロ水位を検出する役目を果たす。
また、可動式水位センサ211は、制御部220の制御下に、検知部221と共に、薬液タンク200に注入された薬液103の導入量が所定の導入量に達したことを検知する役目を果たす。
すなわち、本実施形態において前記可動式水位センサ211は、図9に示す位置においてゼロ水位を検出すると、制御部220の制御下に、薬液タンク200内において上述した諸々の誤差を考慮の上で予め決められた量であって、薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に対応する所定の高さまで上昇する(図10参照)。
その後、可動式水位センサ211は、薬液103の導入により水位が上昇する際、当該導入量が所定の導入量に達したことを検知する。
ここで、可動式水位センサ211が、薬液103の導入量が所定の導入量に達したことを検知すると、制御部220は、第1の実施形態における上記図7におけるステップS5と同様に、モータ212および検知部221を制御して可動式水位センサ211の連続的駆動による液面103aの検知判定工程を開始する。
その後の当該連続的駆動検知判定工程については上述した第1の実施形態と同様なので、ここでの詳しい説明は省略する。
このように本実施形態において前記可動式水位センサ211は、制御部220および検知部221等と共に、薬液103の薬液導入量を判定する第1の判定部を構成すると共に、前記制御部220等と共に、薬液103の液面103aの状態を判定する第2の判定部を構成する。
以上説明したように本第2の実施形態によると、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第1の実施形態に比してより簡素化された構成により、上記同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
本第3の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、第1の実施形態における内視鏡洗浄消毒装置と同様に、使用済みの内視鏡10を洗浄、消毒するための装置であるが、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を異にするものである。その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
図11は、本発明の第3の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンク、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を示した図である。
図11に示すように、本第3の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置においても、第1の実施形態と同様に、槽本体50には、薬液タンク300に薬液ボトル150からの薬液を注入するための注入排水口55が配設され、当該注入排水口55には、注入管路101が連設され電磁弁102を介して薬液タンク300に接続されるようになっている。
また、本第3の実施形態において、薬液タンク300には、タンク内に注入された薬液103の水位を検出するための水位センサユニット310が設けられている。
本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における前記水位センサユニット310は、薬液タンク300内に設置された浮き312と、薬液タンク300内において前記浮き312を上下方向に案内するガイド部313と、薬液タンク300内における前記浮き312の位置を非接触にて検出する光検知式センサ311と、を有して構成される。
また、本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、前記光検知式センサ311からの信号を検知する検知部321と、当該光検知式センサ311および前記検知部321を制御すると共に前記電磁弁102の開閉を制御する制御部320を有する。
さらに本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、検知部321で検知した所定に信号に係る情報(たとえば、光検知式センサ311の位置情報)を記憶する記憶部322を更に備える。
また、当該内視鏡洗浄消毒装置は、前記制御部320の制御下に所定の警告表示を行う表示部323を備える。
前記水位センサユニット310における前記浮き312は、薬液タンク300内に注入された薬液103上に浮揚するよう設置され、前記ガイド部313に案内され、薬液103の導入量に応じて薬液タンク300内を上下方向に移動する。
前記ガイド部313は、薬液タンク300の底面より立設され、前記薬液103の水位変動に応じて薬液タンク300内を上下方向の移動する前記浮き312を、上下方向に移動自在に案内する。
前記光検知式センサ311は、いわゆるレーザ距離計により構成され、薬液タンク300の上面における前記浮き312の上面に対向する位置に固定され、図示しない発信部および受信部を備えると共に前記検知部321に接続される。
また、光検知式センサ311は、前記制御部320の制御下に図示しない駆動部に駆動されて前記浮き312の上面に対して所定のレーザ光を照射し、反射光を連続的に検出することで当該浮き312の位置(薬液タンク300内の高さ)を検出するようになっている。
さらに、光検知式センサ311は、薬液タンク300内における薬液103のゼロ水位を検出可能とすると共に、制御部320の制御下に、ゼロ水位に基づいて基準点を設定する。
本実施形態において前記光検知式センサ311は、薬液タンク300に注入された薬液103の導入量が所定の導入量に達したことを検知するようになっている。
すなわち、前記光検知式センサ311は、浮き312の位置(薬液タンク300内の高さ)を検出することにより、薬液タンク300内において上述した諸々の誤差を考慮の上で予め決められた量であって、薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に達したことを検知するようになっている。
このように、光検知式センサ311は、制御部320および検知部321等と共に、薬液103の薬液導入量を判定する第1の判定部を構成する。
さらに光検知式センサ311は、制御部320および記憶部322と共に、薬液103の液面103aの状態を判定する第2の判定部を構成する。
次に、本第1の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程について図11に加え図12〜図13を用いて説明する。
図12は、第3の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図であり、図13は、第3の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図であって規定量注入した際の様子を示した図である。
図11に示すように、薬液ボトル150内の薬液を前記注入排水口55および注入管路101等を介して薬液タンク100に注入する薬液注入工程が開始されると、制御部320は、まず電磁弁102を制御して開状態に設定する。これにより、注入排水口55と薬液タンク100とが連通された状態になり、薬液ボトル150から薬液103を薬液タンク100に注入することが可能となる。
その後、薬液103が薬液タンク300に注入されると、薬液103の水位上昇に伴い浮き312がガイド部313に案内されて上昇する。
一方、光検知式センサ311は、制御部320の制御下に浮き312に対してレーザ光を照射し、当該浮き312の位置(薬液タンク300内の高さ)を連続的に計測する。
この後、図12に示すように、薬液103が薬液タンク300における所定の高さ(本実施形態においては上述したように、当該所定の高さは薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に対応する高さ)に達すると、前記光検知式センサ311および検知部321がこれを検知する。
このとき、制御部320は、表示部323を制御して、ユーザに対する所定の警告、たとえば、「現在注入している薬液ボトルが最後のボトルである旨」を表示せしめる。
一方、光検知式センサ311および検知部321が、薬液103の導入量が上記所定の導入量に達したことを検知すると、制御部320は、第1の実施形態における上記図7におけるステップS5と同様に、光検知式センサ311および検知部321を制御して光検知式センサ311の連続的位置計測による液面103aの検知判定工程を開始する。
なお、本第3の実施形態における連続的駆動検知判定工程における判定原理は、基本的には上述した第1の実施形態と同様なので、ここでの詳しい説明は省略する。
そして制御部320は、薬液103の液面103a変動量または変動率が所定値(所定率)に収まったことを以って薬液タンク300内の液面103aの変動が安定した、すなわち、最後の薬液ボトル150(たとえば、6本目)の注入が終了したと判定する(図13参照)。
そして制御部320は最後の薬液ボトル150の注入が終了したと判定した後、前記電磁弁102を閉じて薬液注入工程を終了する。
さらに、本実施形態においては、制御部320は、最後の薬液ボトル150の注入が終了したと判定すると表示部323を制御して、「薬液注入工程が終了した旨」を表示せしめる。
以上説明したように本第3の実施形態によると、上記第1の実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、「現在注入している薬液ボトルが最後のボトルである旨」の表示および「薬液注入工程が終了した旨」の表示をすることにより、最後の薬液ボトルを残らず消費することができる共に、余計な薬液ボトルを開封することを防止することができる、という効果を奏する。
(第4実施形態)
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
本第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、第3の実施形態の水位センサユニットにおける光検知式センサ311の代わりにレーザとフォトセンサを用いたことを特徴とする。その他の構成は第1ないし第3の実施形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
図14は、本発明の第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンク、水位センサユニットおよびその周辺部の構成を示した図である。
図14に示すように、本第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における水位センサユニット410は、薬液タンク400内に設置された浮き412と、薬液タンク400内において前記浮き412を上下方向に案内するガイド部413と、薬液タンク400内における前記浮き412の位置を非接触にて検出するレーザ411L並びにフォトセンサ411Aおよびフォトセンサ411Bと、を有して構成される。
また、本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、第3の実施形態と同様に、前記フォトセンサ411Aおよびフォトセンサ411Bからの信号を検知する検知部421と、前記レーザ411L、フォトセンサ411Aおよびフォトセンサ411B並びに検知部421を制御すると共に前記電磁弁102の開閉を制御する制御部420を有する。
さらに本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置は、検知部421で検知した所定に信号に係る情報(たとえば、上記フォトセンサ411Aおよびフォトセンサ411Bの位置情報)を記憶する記憶部422を更に備える。
また、当該内視鏡洗浄消毒装置は、前記制御部420の制御下に所定の警告表示を行う表示部423を備える。
前記水位センサユニット410における前記浮き412は、薬液タンク400内に注入された薬液103上に浮揚するよう設置され、前記ガイド部413に案内され、薬液103の導入量に応じて薬液タンク400内を上下方向に移動する。
また、水位センサユニット410は、上面に鏡面412aが形成されている。
前記ガイド部413は、薬液タンク400の底面より立設され、前記薬液103の水位変動に応じて薬液タンク400内を上下方向の移動する前記浮き412を、上下方向に移動自在に案内する。
前記レーザ411Lは、薬液タンク400の上面において、前記浮き412における鏡面412aに対して斜め上方の対向する位置に固定され、すなわち、前記鏡面412aに対して斜めにレーザ光を入射させる位置に配置される。
前記フォトセンサ411Aおよびフォトセンサ411Bは、薬液タンク400の一側方に配置されたフォトセンサであり、前記浮き412における鏡面412aにおいて反射したレーザ411Lからのレーザ光を入射するようになっている。
そして、フォトセンサ411Aは、薬液103の導入量が正常の状態の際に反射レーザー光を入射する位置に配置される。一方、フォトセンサ411Bは、薬液103の導入量が異常な状態、たとえば、誤って規定の本数分以上の薬液ボトル(本実施形態においては、たとえば7本面)からの薬液が注入された際における反射レーザ光を入射する位置に配置される。
なお、レーザ411Lおよびフォトセンサ411Aの組み合わせによるセンサ(以下、光検知式センサ411)は、前記制御部420の制御下に図示しない駆動部に駆動されて前記浮き412の鏡面412aに対して所定のレーザ光を照射し、反射光を連続的に検出することで当該浮き412の位置(薬液タンク400内の高さ)を検出するようになっている。
さらに、これら光検知式センサ411は、薬液タンク400内における薬液103のゼロ水位を検出可能とすると共に、制御部420の制御下に、ゼロ水位に基づいて基準点を設定する。
本第4の実施形態においても、上記第3の実施形態と同様に、前記光検知式センサ411は、薬液タンク400に注入された薬液103の導入量が所定の導入量に達したことを検知するようになっている。
すなわち、前記光検知式センサ411は、第3の実施形態と同様に、浮き412の位置(薬液タンク400内の高さ)を検出することにより、薬液タンク400内において上述した諸々の誤差を考慮の上で予め決められた量であって、薬液ボトル150の5本分より多くかつ6本分より少ない所定の薬液導入量に達したことを検知するようになっている。
このように、光検知式センサ411は、制御部420および検知部421等と共に、薬液103の薬液導入量を判定する第1の判定部を構成する。
さらに光検知式センサ411は、制御部420および記憶部422と共に、薬液103の液面103aの状態を判定する第2の判定部を構成する。
次に、本第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程について図14に加え図15〜図15を用いて説明する。
図15は、第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図であり、図16は、第4の実施形態の内視鏡洗浄消毒装置における薬液注入工程を説明する図であって異常時の様子を示した図である。
本第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、薬液注入工程が開始されると電磁弁102が開状態に設定され、薬液ボトル150から薬液103を薬液タンク400に注入することが可能となる。
その後、薬液103が薬液タンク400に注入されると、薬液103の水位上昇に伴い浮き412がガイド部413に案内されて上昇する。
一方、光検知式センサ411におけるレーザ411Lは、制御部420の制御下に浮き412の鏡面412aに対してレーザ光を斜めに照射し、フォトセンサ411Aと共に当該浮き412の位置(薬液タンク400内の高さ)を連続的に計測する。
この後、図15に示すように、薬液103が薬液タンク400における所定の高さに達すると、前記フォトセンサ411Aが正常範囲においてこれを検知する。
このとき、制御部420は、表示部423を制御して、第3の実施形態と同様に、ユーザに対する所定の警告、たとえば、「現在注入している薬液ボトルが最後のボトルである旨」を表示せしめる。
一方、光検知式センサ411(レーザ411Lおよびフォトセンサ411A)並びに検知部421が、薬液103の導入量が上記所定の導入量に達したことを検知すると、制御部420は、第1ないし第3の実施形態と同様に、連続的位置計測による液面103aの検知判定工程を開始する。
なお、本第4の実施形態においても連続的駆動検知判定工程における判定原理は、基本的には上述した第1および第3の実施形態と同様なので、ここでの詳しい説明は省略する。
そして制御部420は、薬液103の液面103a変動量または変動率が所定値(所定率)に収まったことを以って薬液タンク400内の液面103aの変動が安定した、すなわち、最後の薬液ボトル150(たとえば、6本目)の注入が終了したと判定する(図15参照)。
そして制御部420は最後の薬液ボトル150の注入が終了したと判定した後、前記電磁弁102を閉じて薬液注入工程を終了し、上記同様に、表示部423に「薬液注入工程が終了した旨」を表示せしめる。
一方、図16に示すように、たとえば、誤って規定の本数分以上の薬液ボトルからの薬液が注入されると、薬液タンク400内の薬液103の水位は異常に上昇し、前記浮き412における鏡面412aにおいて反射するレーザ411Lからのレーザ光は、フォトセンサ411Bにおいて検出されることとなる。
このとき、制御部420は異常が生じていると判断し、電磁弁102を強制的に閉じる異常処理を行う。
以上説明したように本第4の実施形態によると、第3の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能であることは勿論である。