JP2015116027A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コア付き薄型タイプにて、所望の推力を得ることができるようにするとともに、コギングの影響を低減させることが可能なリニアモータを提供すること。
【手段】 磁石と、上記磁石に対向・配置されたコイルと、を具備し、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動するリニアモータにおいて、上記磁石と上記コイルが対向している方向の厚みは上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向の幅の1/4以下であり、上記コイルの内周部に磁性材料からなるコアが内装されているもの。
【選択図】 図1
【手段】 磁石と、上記磁石に対向・配置されたコイルと、を具備し、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動するリニアモータにおいて、上記磁石と上記コイルが対向している方向の厚みは上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向の幅の1/4以下であり、上記コイルの内周部に磁性材料からなるコアが内装されているもの。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、産業用ロボットのアクチュエータに用いられるリニアモータに係り、特に、コア付き薄型タイプにて、所望の推力を得ることができ、また、コギングの影響を低減させることができるように工夫したものに関する。
例えば、産業用ロボットのアクチュエータに用いられるリニアモータには、昨今、超薄型化、小型・軽量化が要望されている。これは、超薄型、小型・軽量であれば、狭いスペースでも設置可能であるからであり、例えば、産業用ロボットに組み込んだ場合に、より高速で俊敏な動作を行わせることができるからである。
薄型のリニアモータとしては、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されたものが存在している。
薄型のリニアモータとしては、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されたものが存在している。
特許文献1に記載された「可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置」は、コアレスの電機子コイルが設置された電機子組立体と、界磁マグネットが設置されたテーブルと、から構成されていて、上記電機子コイルと上記界磁マグネットとの相互作用によって上記テーブルを移動させるものであり、薄型に構成されている。
また、特許文献2に記載された「リニアモータ用ブレーキ装置及びリニアモータの可動部の位置決め方法」に用いられるリニアモータも、コアレスのコイルが配設された固定部と、永久磁石が配設された可動部と、から構成されていて、上記コイルと永久磁石の相互作用によって上記可動部を移動させるものであり、薄型に構成されている。
一般的に、コアレスタイプのリニアモータは、推力が小さいものの、コギングが無く、薄型のリニアモータに適しているといわれており、一方、コア付きのリニアモータはコギングが大きいものの、大推力を容易に確保でき、大型のリニアモータに適しているといわれている。
上記従来の構成によると、次のような問題があった。
まず、特許文献1に記載された「可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置」は、厚みが14mm程度と薄型に構成されてはいるものの、薄型化に関して未だ不十分であるという問題があった。
また、特許文献2に記載された「リニアモータ用ブレーキ装置及びリニアモータの可動部の位置決め方法」に用いられるリニアモータは、厚み9mm程度と十分に薄いものではあるが、磁束漏れが多く、推力も十分でないという問題があった。
上記磁束漏れは、リニアモータ全体の厚みを薄くすると、ヨークの厚みを十分に確保できないことに起因する。また、コイルを厚くすることもできないので、コイルの巻き数を十分確保することが難しく、十分な推力を得ることが困難になってしまう。
まず、特許文献1に記載された「可動マグネット型リニアモータを内蔵したスライド装置」は、厚みが14mm程度と薄型に構成されてはいるものの、薄型化に関して未だ不十分であるという問題があった。
また、特許文献2に記載された「リニアモータ用ブレーキ装置及びリニアモータの可動部の位置決め方法」に用いられるリニアモータは、厚み9mm程度と十分に薄いものではあるが、磁束漏れが多く、推力も十分でないという問題があった。
上記磁束漏れは、リニアモータ全体の厚みを薄くすると、ヨークの厚みを十分に確保できないことに起因する。また、コイルを厚くすることもできないので、コイルの巻き数を十分確保することが難しく、十分な推力を得ることが困難になってしまう。
そこで、磁束効率を向上させて推力を確保するため、超薄型のリニアモータをコア付きタイプのリニアモータとすることが考えられる。つまり、コイルの内側に磁性体によるコアを設置すれば、コアによって磁束が集中され、磁束漏れが防止されるとともに、推力を大きくすることができるからである。
なお、上記コア付タイプの超薄型のリニアモータでは、磁束効率が向上されているため、磁束漏れを低減させるべく磁石の大きさを小さくしても、十分な推力を発生させることができる。
なお、上記コア付タイプの超薄型のリニアモータでは、磁束効率が向上されているため、磁束漏れを低減させるべく磁石の大きさを小さくしても、十分な推力を発生させることができる。
しかし、既に述べたように、コア付きのリニアモータではコギングが大きくなってしまう。特に、超薄型リニアモータの場合には、十分な推力を発生させることができるとはいうものの限界があるので、相対的にコギングがより重要な課題となってしまう。
本発明は、このような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、コア付き薄型タイプにて、所望の推力を得ることができ、また、コギングの影響を低減させることが可能なリニアモータを提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるリニアモータは、磁石と、上記磁石に対向・配置されたコイルと、を具備し、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動するリニアモータにおいて、上記磁石と上記コイルが対向している方向の厚みは上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向の幅の1/4以下であり、上記コイルの内周部に磁性材料からなるコアが内装されていることを特徴とするものである。
又、請求項2によるリニアモータは、請求項1記載のリニアモータにおいて、上記磁石の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向の幅が上記コイルに内装されたコア間の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に沿った隙間間隔より狭いことを特徴とするものである。
又、請求項3によるリニアモータは、請求項1又は請求項2記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするものである。
又、請求項4によるリニアモータは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置したことを特徴とするものである。
又、請求項5によるリニアモータは、請求項4記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするものである。
又、請求項6によるリニアモータは、請求項4又は請求項5記載のリニアモータにおいて、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置されている磁石の極性が単一でないことを特徴とするものである。
又、請求項7によるリニアモータは、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石の厚みが上記磁石と上記コアとの間の隙間間隔の2.4倍以下になっていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるリニアモータは、請求項1〜請求項7の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記コアは焼入れ又は焼入れ・焼き戻し処理が施されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項2によるリニアモータは、請求項1記載のリニアモータにおいて、上記磁石の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向の幅が上記コイルに内装されたコア間の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に沿った隙間間隔より狭いことを特徴とするものである。
又、請求項3によるリニアモータは、請求項1又は請求項2記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするものである。
又、請求項4によるリニアモータは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置したことを特徴とするものである。
又、請求項5によるリニアモータは、請求項4記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするものである。
又、請求項6によるリニアモータは、請求項4又は請求項5記載のリニアモータにおいて、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置されている磁石の極性が単一でないことを特徴とするものである。
又、請求項7によるリニアモータは、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石の厚みが上記磁石と上記コアとの間の隙間間隔の2.4倍以下になっていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるリニアモータは、請求項1〜請求項7の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記コアは焼入れ又は焼入れ・焼き戻し処理が施されたものであることを特徴とするものである。
以上述べたように本願発明の請求項1によるリニアモータによると、磁石と、上記磁石に対向・配置されたコイルと、を具備し、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動するリニアモータにおいて、上記磁石と上記コイルが対向している方向の厚みは上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向の幅の1/4以下であり、上記コイルの内周部に磁性材料からなるコアが内装されているので、磁束効率を高めて、上記コア内を磁束密度が高い状態にすることができ、これにより、高い推力を得つつ、上記リニアモータを薄型化することができる。また、上記リニアモータの薄型化により上記磁石の横断面積や厚さが小さくなることで、磁束漏れを低減させることができる。また、上記リニアモータが設置される装置についてもコンパクト化することができる。
又、請求項2によるリニアモータによると、請求項1記載のリニアモータにおいて、上記磁石の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向の幅が上記コイルに内装されたコア間の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に沿った隙間間隔より狭いので、上記磁石の進行方向前後の吸引力が相殺され、コギングを低減させることができる。
又、請求項3によるリニアモータによると、請求項1又は請求項2記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したので、更にコギングを低減させることができる。
又、請求項4によるリニアモータによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置したので、上記磁石の配置の自由度を高めることができる。
又、請求項5によるリニアモータによると、請求項4記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したので、推力をほとんど低下させることなく、コギングを低減させることができる。
又、請求項6によるリニアモータによると、請求項4又は請求項5記載のリニアモータにおいて、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置されている磁石の極性が単一でないので、より安定な磁気回路が形成され、磁束効率を高めて推力を増加させることができるとともに、より磁束漏れを防止することができる。
又、請求項7によるリニアモータによると、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石の厚みが上記磁石と上記コアとの間の隙間間隔の2.4倍以下になっているので、更にコギングを小さくすることができるとともに、磁束漏れも防止できる。
又、請求項8によるリニアモータによると、請求項1〜請求項7の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記コアは焼入れ又は焼入れ・焼き戻し処理が施されたものであるので、上記コアの比透磁率を低減させ、上記コイルに電流を流す際の応答遅れを低減させることができる。
又、請求項2によるリニアモータによると、請求項1記載のリニアモータにおいて、上記磁石の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向の幅が上記コイルに内装されたコア間の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に沿った隙間間隔より狭いので、上記磁石の進行方向前後の吸引力が相殺され、コギングを低減させることができる。
又、請求項3によるリニアモータによると、請求項1又は請求項2記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したので、更にコギングを低減させることができる。
又、請求項4によるリニアモータによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置したので、上記磁石の配置の自由度を高めることができる。
又、請求項5によるリニアモータによると、請求項4記載のリニアモータにおいて、上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したので、推力をほとんど低下させることなく、コギングを低減させることができる。
又、請求項6によるリニアモータによると、請求項4又は請求項5記載のリニアモータにおいて、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置されている磁石の極性が単一でないので、より安定な磁気回路が形成され、磁束効率を高めて推力を増加させることができるとともに、より磁束漏れを防止することができる。
又、請求項7によるリニアモータによると、請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記磁石の厚みが上記磁石と上記コアとの間の隙間間隔の2.4倍以下になっているので、更にコギングを小さくすることができるとともに、磁束漏れも防止できる。
又、請求項8によるリニアモータによると、請求項1〜請求項7の何れかに記載のリニアモータにおいて、上記コアは焼入れ又は焼入れ・焼き戻し処理が施されたものであるので、上記コアの比透磁率を低減させ、上記コイルに電流を流す際の応答遅れを低減させることができる。
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態によるリニアモータ1は、図1に示すように、ベース部3とスライダ部5とから構成される。
第1の実施の形態によるリニアモータ1は、図1に示すように、ベース部3とスライダ部5とから構成される。
図2にも示すように、上記ベース部3には、まず、磁性材料(例えば、鉄)製のベースプレート7がある。このベースプレート7の上記スライダ部5と対向する側には、コイル基板9が設置されている。このコイル基板9には、後述するコイル15に接続される図示しない配線が設けられている。また、上記コイル基板9には複数(例えば、4個)の貫通孔11が穿孔されており、これら複数の貫通孔11のそれぞれには、磁性材料(例えば、鉄)製のコア13が貫通・配置されていて、上記ベースプレート7上に固定されている。また、上記コア13のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図2中左右方向)の幅(w1)は、例えば、5mmに設定されている。
また、上記それぞれのコア13の外周側には、既に述べたコイル15が設置されている。また、図1(a)、図2に示すように、上記コア13は長円の横断面形状を成しているとともに、コイル15は長円リング状の横断面形状を成している。
上記貫通孔11や上記コア13及び上記コイル15は、図2中左右方向に、等間隔で4個×1列に配置されている。上記コア13のピッチ(p1)は、例えば、12mmに設定されており、隣接する上記コア13、13間の隙間間隔(g1)は、例えば、7mmに設定されている。また、上記コイル15は、図2中左側から右側に向かってW相用のコイル15、V相用のコイル15、U相用のコイル15、の順に繰り返し配置されている。また、上記コイル15には交流電流が流され、W相用の上記コイル15の交流電流とV相用の上記コイル15の交流電流、V相用の上記コイル15の交流電流とU相用の上記コイル15の交流電流、U相用の上記コイル15の交流電流とW相用の上記コイル15の交流電流とは、それぞれ120°位相がずれている。
なお、第1の実施の形態の場合は、上記コア13とコイル15は4個づつ設置されているが、その個数は、上記スライダ部5の移動量に応じて適宜増減されるものである。
また、上記コイル15は、W相用、V相用、U相用があるので、上記コア13とコイル15を増減させる場合には、3の倍数の数だけ増減させることが最も好ましい。
また、上記コイル15は、W相用、V相用、U相用があるので、上記コア13とコイル15を増減させる場合には、3の倍数の数だけ増減させることが最も好ましい。
また、上記スライダ部5は、図示しないリニアガイドによってガイドされ、図1中左右方向に移動可能となっている。
また、図3に示すように、上記スライダ部5には、磁性材料(例えば、鉄)製のスライダープレート17がある。このスライダープレート17の上記ベース部3と対向する側には、複数の永久磁石19が設置されている。これら永久磁石19は、その横断面形状が長方形を成している。また、上記永久磁石19も、スライダ部5の移動方向(図3中左右方向)に、等間隔で4個×1列に配置されている。また、上記永久磁石19は、スライダ部5の移動方向(図3中左右方向)に直交する方向に対して平行に設置されている。
また、図3に示すように、上記スライダ部5には、磁性材料(例えば、鉄)製のスライダープレート17がある。このスライダープレート17の上記ベース部3と対向する側には、複数の永久磁石19が設置されている。これら永久磁石19は、その横断面形状が長方形を成している。また、上記永久磁石19も、スライダ部5の移動方向(図3中左右方向)に、等間隔で4個×1列に配置されている。また、上記永久磁石19は、スライダ部5の移動方向(図3中左右方向)に直交する方向に対して平行に設置されている。
また、図1(c)に示すように、上記永久磁石19の磁化方向は、スライダ部5の移動方向に直交する方向(図1(c)中上下方向)に指向されており、且つ、隣接する永久磁石19、19の磁化方向は相互に逆向きになるように設定されている。また、隣接する上記永久磁石19、19のピッチ(p2)は、隣接する上記コイル15、15のピッチ(p1)の、例えば、3/4、すなわち、9mmに設定されている。
上記永久磁石19、19のピッチ(p2)と上記コイル15、15のピッチ(p1)との比率は、次のような理由により設定されている。前記したように、スライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に隣接する上記永久磁石19、19は、図1(c)中上下方向に向かう磁極が交互に反転するように配置されているため、上記磁極の向きの変化は上記永久磁石19の2つ分で1周期(360°)となる。
一方、上記コイル15には交流電流が流され、W相用のコイル15の交流電流とV相用のコイル15の交流電流、V相用のコイル15の交流電流とU相用のコイル15の交流電流、U相用のコイル15の交流電流とW相用のコイル15の交流電流とは、それぞれ120°ずつ位相がずれているので、上記コイル15の交流電流の位相は、3つのコイル15で1周期(360°)となる。
そのため、上記永久磁石19の磁極の周期と上記コイル15の交流電流の周期を一致させるように、上記コイル15、15のピッチ(p1)に対する上記永久磁石19、19のピッチ(p2)を決定すると、例えば、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)は上記コイル15、15のピッチ(p1)の3/2(180°/120°)となる。
一方、上記コイル15には交流電流が流され、W相用のコイル15の交流電流とV相用のコイル15の交流電流、V相用のコイル15の交流電流とU相用のコイル15の交流電流、U相用のコイル15の交流電流とW相用のコイル15の交流電流とは、それぞれ120°ずつ位相がずれているので、上記コイル15の交流電流の位相は、3つのコイル15で1周期(360°)となる。
そのため、上記永久磁石19の磁極の周期と上記コイル15の交流電流の周期を一致させるように、上記コイル15、15のピッチ(p1)に対する上記永久磁石19、19のピッチ(p2)を決定すると、例えば、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)は上記コイル15、15のピッチ(p1)の3/2(180°/120°)となる。
しかし、このように上記コイル15、15のピッチ(p1)と上記永久磁石19、19のピッチ(p2)を決定した場合、上記コイル15、15のピッチ(p1)が小さ過ぎてしまう場合がある。(例えば、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)が9mmの場合は、上記コイル15、15のピッチ(p1)は6mmとなる。)
そのため、上記コイル15、15のピッチ(p1)を隣接する上記コイル15、15の交流電流の位相差を1周期分(360°)ずらしたうえで(±360°−(±120°)=±240°)、上記永久磁石19の磁極の周期と上記コイル15の交流電流の周期が一致するように、上記コイル15、15のピッチ(p1)に対する上記永久磁石19、19のピッチ(p2)を決定するようにしている。
この場合、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)は上記コイル15、15のピッチ(p1)の3/4(180°/240°)となる。例えば、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)が9mmの場合は、上記コイル15、15のピッチ(p1)は12mmとなる。
そのため、上記コイル15、15のピッチ(p1)を隣接する上記コイル15、15の交流電流の位相差を1周期分(360°)ずらしたうえで(±360°−(±120°)=±240°)、上記永久磁石19の磁極の周期と上記コイル15の交流電流の周期が一致するように、上記コイル15、15のピッチ(p1)に対する上記永久磁石19、19のピッチ(p2)を決定するようにしている。
この場合、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)は上記コイル15、15のピッチ(p1)の3/4(180°/240°)となる。例えば、上記永久磁石19、19のピッチ(p2)が9mmの場合は、上記コイル15、15のピッチ(p1)は12mmとなる。
また、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)が、隣接する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の隙間間隔(g1)より狭く設定されている。
ちなみに、この第1の実施の形態の場合には、上記コア13のスライダ部5の移動方向(図2中左右方向)の幅(w1)は、5mmに設定されており、隣接する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に沿った方向の隙間間隔(g1)は7mmに設定されている。また、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に沿った方向の幅(w2)が6mmに設定されているとともに、スライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に直交する方向の幅(w4)は12mmに設定されている。
ちなみに、この第1の実施の形態の場合には、上記コア13のスライダ部5の移動方向(図2中左右方向)の幅(w1)は、5mmに設定されており、隣接する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に沿った方向の隙間間隔(g1)は7mmに設定されている。また、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に沿った方向の幅(w2)が6mmに設定されているとともに、スライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)に直交する方向の幅(w4)は12mmに設定されている。
また、上記リニアモータ1は、図1(b)、図1(c)に示すように、低背であり、薄型に構成されている。すなわち、上記リニアモータ1は、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)が、上記スライダ部5が移動する方向に直交する方向(図1(a)中上下方向)の幅(w3)の1/4以下となるように設定されている。この第1の実施の形態の場合は、例えば、上記リニアモータ1の上記スライダ部5が移動する方向に直交する方向(図1(a)中上下方向)の幅(w3)は48mmであり、上記リニアモータ1の上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)は9.3mmであり、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)が、上記スライダ部5が移動する方向に直交する方向(図1(a)中上下方向)の幅(w3)の1/4以下となっている。
次に、第1の実施の形態による作用について説明する。
リニアモータ1は、複数のコイル15に3相交流電流(正弦波電流、U相、V相、W相)を流すと、コイル15の内周側にあるコア13が電磁石となる。上記コイル15のうちW相用のコイル15にはW相の交流(U相基準に120°位相進み)が流され、上記コイル15のうちV相用のコイル15にはV相の交流(U相基準に120°位相遅れ)が流され、上記コイル15のうちU相用のコイル15にはU相の交流が流されるため、上記コア13の磁化の向きと大きさが所定の周期で変化するとともに、隣接した上記コア13、13どうしの磁化の向きと大きさには所定のずれが生ずる。これにより、上記コア13とスライダ部5の永久磁石19とが吸引又は反発され、図1(c)中左右方向にスライダ部5を移動させる推力が発生する。
リニアモータ1は、複数のコイル15に3相交流電流(正弦波電流、U相、V相、W相)を流すと、コイル15の内周側にあるコア13が電磁石となる。上記コイル15のうちW相用のコイル15にはW相の交流(U相基準に120°位相進み)が流され、上記コイル15のうちV相用のコイル15にはV相の交流(U相基準に120°位相遅れ)が流され、上記コイル15のうちU相用のコイル15にはU相の交流が流されるため、上記コア13の磁化の向きと大きさが所定の周期で変化するとともに、隣接した上記コア13、13どうしの磁化の向きと大きさには所定のずれが生ずる。これにより、上記コア13とスライダ部5の永久磁石19とが吸引又は反発され、図1(c)中左右方向にスライダ部5を移動させる推力が発生する。
また、上記リニアモータ1においては、磁束の流れは、以下のように還流される。
例えば、まず、スライダ部5の図1(c)中最も左側の永久磁石19のN極から出た磁束は、狭いエアーギャップを挟んで対向しているベース部3のコア13に入り鉄製のベースプレート7へ侵入し、右に隣接するコア13(図1(c)中左から2番目のコア13)へ侵入し、再びエアーギャップを挟んで対向している図1(c)中左から2番目の永久磁石19のS極へ入り、さらに、この図1(c)中左から2番目の永久磁石19の上側のN極からスライダープレート17を介して上記図1(c)中最も左側の永久磁石19のS極へ還流する。
例えば、まず、スライダ部5の図1(c)中最も左側の永久磁石19のN極から出た磁束は、狭いエアーギャップを挟んで対向しているベース部3のコア13に入り鉄製のベースプレート7へ侵入し、右に隣接するコア13(図1(c)中左から2番目のコア13)へ侵入し、再びエアーギャップを挟んで対向している図1(c)中左から2番目の永久磁石19のS極へ入り、さらに、この図1(c)中左から2番目の永久磁石19の上側のN極からスライダープレート17を介して上記図1(c)中最も左側の永久磁石19のS極へ還流する。
すなわち、ある永久磁石19の磁束は、まず、この永久磁石19と対向するコア13に向かう。次に、ベースプレート7を介して上記コア13に隣接するコア13内に入る。そして、この隣接するコア13に入った磁束は、対向する永久磁石19に向かい、スライダープレート17を介して、元の上記永久磁石19に戻っていく。
このように、超薄型の上記リニアモータ1において、上記コイル15の内側に高い透磁率をもつ磁性材料製のコア13を配することで、高い磁束効率を得ることができ、漏れ磁束を少なくできるだけでなく、上記コア13内を高い磁束密度にすることができ、高い推力が得られる。
このように、超薄型の上記リニアモータ1において、上記コイル15の内側に高い透磁率をもつ磁性材料製のコア13を配することで、高い磁束効率を得ることができ、漏れ磁束を少なくできるだけでなく、上記コア13内を高い磁束密度にすることができ、高い推力が得られる。
ところが、スライダ部5が移動すると、上記永久磁石19と上記コア13との間の距離が変動してしまい、これにより吸引力も変動することになる。このような吸引力の変動により生じるスライダ部5の移動方向の変動力がコギングである。
上記リニアモータ1は薄型に構成されているため、コイル15の巻き数をあまり多くできず、小さな推力しか得られないため、コギングが大きいと駆動することができないことや、位置決め制御が不安定になることが懸念される。
上記リニアモータ1は薄型に構成されているため、コイル15の巻き数をあまり多くできず、小さな推力しか得られないため、コギングが大きいと駆動することができないことや、位置決め制御が不安定になることが懸念される。
そこで、この第1の実施の形態においては、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)を、対向する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の隙間間隔(g1)より狭く設定しており、それによって、コギングを低減させるようにしている。以下、のコギングの低減について詳細に説明する。
吸引力の発生は磁束密度の急変領域で大きくなるため、上記永久磁石19と上記コア13が接近しようとする時又は離間しようとする時に、最も大きい吸引力が発生する。したがって、永久磁石19がコア13に接近しようとするときに同時に他のコア13から離間するような配置にすれば、永久磁石19の前後の吸引力が相殺されてコギングを小さくすることができる。
そこで、この第1の実施の形態の場合には、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)を、隣接する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の隙間間隔(g1)より狭く設定し、上記永久磁石19がスライダ部5の移動方向側のコア13に接近すると同時に、スライダ部5の反移動方向側のコア13から離間するようにしている。それによって、上記永久磁石19の前後の吸引力が相殺されて、コギングが低減されることになる。
そこで、この第1の実施の形態の場合には、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)を、隣接する上記コア13、13のスライダ部5の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の隙間間隔(g1)より狭く設定し、上記永久磁石19がスライダ部5の移動方向側のコア13に接近すると同時に、スライダ部5の反移動方向側のコア13から離間するようにしている。それによって、上記永久磁石19の前後の吸引力が相殺されて、コギングが低減されることになる。
本実施の形態によるリニアモータ1について、上記永久磁石19の移動方向に沿った方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)を様々な値に変更しながらコギングを測定した。その測定データを図4に示す。
なお、この測定に使用したリニアモータ1は、上記永久磁石19のピッチ(p2)は9mm、上記コア13のピッチ(p1)が12mm、上記コア13の幅(w1)が5mm、隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)が7mm、にそれぞれ設定されている。図4に示す測定データから明らかなように、上記永久磁石19の幅(w2)を、隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)である7mmより狭く設定したときには、前述したように、上記永久磁石19前後の吸引力が相殺されるために、コギングが低減している。
なお、この測定に使用したリニアモータ1は、上記永久磁石19のピッチ(p2)は9mm、上記コア13のピッチ(p1)が12mm、上記コア13の幅(w1)が5mm、隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)が7mm、にそれぞれ設定されている。図4に示す測定データから明らかなように、上記永久磁石19の幅(w2)を、隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)である7mmより狭く設定したときには、前述したように、上記永久磁石19前後の吸引力が相殺されるために、コギングが低減している。
次に、第1の実施の形態による効果について説明する。
まず、第1の実施の形態によるリニアモータ1によると、コア付き薄型タイプにて、所望の推力を得ることができる。これは、コア付きとすることにより、コア13内の磁束密度を高めて高い磁束効率を得ることができるからである。
また、図1(b)、図1(c)に示すように、永久磁石19とコイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)が全体の幅(w3)の1/4以下になるような薄型に構成されているので、上記リニアモータ1ひいては上記リニアモータ1が設置される装置の薄型化、軽量・小型化を図ることができる。
まず、第1の実施の形態によるリニアモータ1によると、コア付き薄型タイプにて、所望の推力を得ることができる。これは、コア付きとすることにより、コア13内の磁束密度を高めて高い磁束効率を得ることができるからである。
また、図1(b)、図1(c)に示すように、永久磁石19とコイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)が全体の幅(w3)の1/4以下になるような薄型に構成されているので、上記リニアモータ1ひいては上記リニアモータ1が設置される装置の薄型化、軽量・小型化を図ることができる。
また、コア付きとすることによりコギングが懸念されるが、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図1(c)中左右方向)の幅(w2)を隣接するコア13、13の隙間間隔(g1)より狭く設定しているため、上記永久磁石19前後の吸引力が相殺され、これにより、コギングを低減させることができる。
また、永久磁石19からの磁束の流れは前述したような経路で還流される。その際、ベースプレート7、コア13、スライダープレート17は磁性材料(例えば、鉄)製であるため、ロスが少なく高い磁束効率を得ることができ、漏れ磁束を極めて少なくすることができ、その結果、コア13内を高い磁束密度にすることができ、高い推力を得ることができる。
次に、図5乃至図7を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態によるリニアモータは、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と略同様の構成を成しているが、スライダ部5に設置された複数(例えば、4つ)の永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されている。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
この第2の実施の形態によるリニアモータは、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と略同様の構成を成しているが、スライダ部5に設置された複数(例えば、4つ)の永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されている。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
次に、この第2の実施の形態による作用について説明する。
この第2の実施の形態によるリニアモータも、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と同様に駆動されるが、永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されているため、コギングがさらに低減される。これは、傾斜させることにより磁束の急峻な変化を緩やかにすることができるからである。
これは、上記永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して傾斜されると、上記永久磁石19の図5中上下方向両端がスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)の前方又は後方に移動され、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)における磁束の分布の急激な変化が分散・緩和されることに起因する。
但し、スキュー角度(θ)を大きくし過ぎると、上記永久磁石19の幅(w2)をコア13、13の隙間間隔(g1)より狭くするという構成そのものが損なわれてしまうため、スキュー角度(θ)にはおのずと限界がある。
この第2の実施の形態によるリニアモータも、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と同様に駆動されるが、永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されているため、コギングがさらに低減される。これは、傾斜させることにより磁束の急峻な変化を緩やかにすることができるからである。
これは、上記永久磁石19が、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して傾斜されると、上記永久磁石19の図5中上下方向両端がスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)の前方又は後方に移動され、スライダ部5の移動方向(図5中左右方向)における磁束の分布の急激な変化が分散・緩和されることに起因する。
但し、スキュー角度(θ)を大きくし過ぎると、上記永久磁石19の幅(w2)をコア13、13の隙間間隔(g1)より狭くするという構成そのものが損なわれてしまうため、スキュー角度(θ)にはおのずと限界がある。
そこで、スキュー角度(θ)とコギングの関係について測定を行った。その測定結果を図6に示す。測定は、上記スキュー角度(θ)を0°〜40°の範囲で変化させ、そのときのコギングを測定したものである。
図6によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていくと徐々にコギングが低下していき、スキュー角度(θ)が25°のときに、コギングが最も小さくなっている。この図6の測定結果をみると、スキュー角度(θ)が、例えば、10°〜30数°程度までであれば、所望のコギング低減効果を得ることができる。
図6によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていくと徐々にコギングが低下していき、スキュー角度(θ)が25°のときに、コギングが最も小さくなっている。この図6の測定結果をみると、スキュー角度(θ)が、例えば、10°〜30数°程度までであれば、所望のコギング低減効果を得ることができる。
また、スキュー角度(θ)と推力の関係についても測定を行った。その測定結果を図7に示す。測定は、上記スキュー角度(θ)を0°〜40°の範囲で変化させ、そのとき推力がどの程度低下するかを測定したものである。
図7によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていくと推力は低下していく。これは、次のような理由による。そもそも、この第2の実施の形態によるリニアモータにおいても、U相用のコイル15、V相用のコイル15、W相用のコイル15に3相交流電流(正弦波電流)を流すことにより、上記コイル15の内周面側にあるコア13が電磁石となり、スライダ部5の永久磁石19との間に吸引力及び反発力が生じて推力を発生させている。
その際、上記U相用のコイル15、V相用のコイル15、W相用のコイル15のそれぞれの電流の位相は、上記永久磁石19との位置関係によって最大の推力が得られるように調整されている。
ところが、スキュー角度(θ)を設けることにより、その関係が損なわれるからである。すなわち、上記永久磁石19をスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させた状態で設置すると、上記永久磁石19の図5中上下方向両端がスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)の前方又は後方に移動され、その結果、各コイル15の電流の位相が最適位相より進む又は遅れてしまうからである。
その際、上記U相用のコイル15、V相用のコイル15、W相用のコイル15のそれぞれの電流の位相は、上記永久磁石19との位置関係によって最大の推力が得られるように調整されている。
ところが、スキュー角度(θ)を設けることにより、その関係が損なわれるからである。すなわち、上記永久磁石19をスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させた状態で設置すると、上記永久磁石19の図5中上下方向両端がスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)の前方又は後方に移動され、その結果、各コイル15の電流の位相が最適位相より進む又は遅れてしまうからである。
なお、前記したコギングが最も小さくなるスキュー角度(θ)が25°のときは、推力が4N程度となっている。
例えば、スキュー角度(θ)が10°〜30数°程度であれば、それ程の推力の低下はない。
例えば、スキュー角度(θ)が10°〜30数°程度であれば、それ程の推力の低下はない。
次に、第2の実施の形態による効果について説明する。
第2の実施の形態の場合も、前述した第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏する。
また、第2の実施の形態の場合は、上記永久磁石19をスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させた状態で設置しているため、コギングがさらに低減される。
また、スキュー角度(θ)が10°〜30数°程度であれば、所望のコギング低減効果を得ることができるとともに、推力の低下が問題になることもない。
第2の実施の形態の場合も、前述した第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏する。
また、第2の実施の形態の場合は、上記永久磁石19をスライダ部5の移動方向(図5中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させた状態で設置しているため、コギングがさらに低減される。
また、スキュー角度(θ)が10°〜30数°程度であれば、所望のコギング低減効果を得ることができるとともに、推力の低下が問題になることもない。
次に、図8乃至図13を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態によるリニアモータ31は、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と略同様の構成となっているが、コア13、コイル15、永久磁石19の形状や配置が異なっている。
この第3の実施の形態によるリニアモータ31は、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と略同様の構成となっているが、コア13、コイル15、永久磁石19の形状や配置が異なっている。
まず、図8(a)、図9に示すように、上記コア13はその横断面形状が円形となっており、また、上記コイル15は、その横断面形状がリング状となっている。また、図9に示すように、上記コア13及び上記コイル15は、図9中左右方向に、4個×2列で配置されている。
また、図10に示すように、上記永久磁石19は、その横断面形状が正方形となっている。また、上記永久磁石19は、図10中左右方向に、4個×2列で配置されている。
また、図10に示すように、上記永久磁石19は、その横断面形状が正方形となっている。また、上記永久磁石19は、図10中左右方向に、4個×2列で配置されている。
なお、この第3の実施の形態の場合には、図10中上下方向に配置された上記永久磁石19、19の横断面積の合計は、前述した第1の実施の形態の場合の永久磁石19の1個分の横断面積とほぼ同じになるように設定されている。
なお、上記コア13、コイル15、永久磁石19を3列以上設置する場合も考えられる、このようにスライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向(図10中上下方向)に複数の永久磁石19やコイル15、コア13を分散して任意に自由に配置できるので、配置自由度が高い。
なお、上記コア13、コイル15、永久磁石19を3列以上設置する場合も考えられる、このようにスライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向(図10中上下方向)に複数の永久磁石19やコイル15、コア13を分散して任意に自由に配置できるので、配置自由度が高い。
また、第3の実施の形態の場合は、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図10中左右方向)の配列ピッチ(p2)は、例えば、9mmに設定されている。
上記コア13の径(φ)は、例えば、5mmに設定されている。また、上記コア13のスライダ部5の移動方向(図9中左右方向)の配列ピッチ(p1)は、例えば、12mmに設定されており、スライダ部5の移動方向(図9中左右方向)に隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)は、例えば、7mmに設定されている。また、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図10中左右方向)の幅(w2)は、例えば、6.25mmに設定されている。これは、図11に示した磁石幅とコギングを示す測定結果にて最小のコギングを示す磁石幅6.25mmを選択したものである。
なお、図11は、永久磁石19の移動方向(図10中左右方向)の幅(w2)を変化させながらコギングを測定したデータを示すものである。
上記コア13の径(φ)は、例えば、5mmに設定されている。また、上記コア13のスライダ部5の移動方向(図9中左右方向)の配列ピッチ(p1)は、例えば、12mmに設定されており、スライダ部5の移動方向(図9中左右方向)に隣接する上記コア13、13の隙間間隔(g1)は、例えば、7mmに設定されている。また、上記永久磁石19のスライダ部5の移動方向(図10中左右方向)の幅(w2)は、例えば、6.25mmに設定されている。これは、図11に示した磁石幅とコギングを示す測定結果にて最小のコギングを示す磁石幅6.25mmを選択したものである。
なお、図11は、永久磁石19の移動方向(図10中左右方向)の幅(w2)を変化させながらコギングを測定したデータを示すものである。
また、上記永久磁石19の厚さ(図8(c)中上下方向大きさ、t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間の大きさ(図8(c)中上下方向大きさ、g2)の比率(t2/g2)を適切に選択すれば、上記永久磁石19から図8(c)中下側に流れていく磁束の一部がスライダープレート17側に戻っていくように設定することができる。これは、上記永久磁石19から図8(c)中下側に流れていく磁束の一部がスライダープレート17側に戻るようにすることで、図8(c)中左右方向の磁束の変化をなだらかにすることができ、それによりコギングを低減できるからである。
また、図10に示すように、隣接する上記永久磁石19、19どうしの磁化の方向が逆向きになるように設定されている。すなわち、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)においても、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向においても、隣接する上記永久磁石19、19どうしの磁化の方向が逆向きになるように設定されている。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
次に、この第3の実施の形態によるリニアモータ31の作用について説明する。
第3の実施の形態によるリニアモータ31も、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と同様の作用を奏する。
第3の実施の形態の場合も、上記永久磁石19がスライダ部5の移動方向側のコア13に接近すると同時に、スライダ部5の反移動方向側のコア13から離間するようになり、上記永久磁石19の前後の吸引力が相殺されてコギングが小さくなる。
第3の実施の形態によるリニアモータ31も、前述した第1の実施の形態によるリニアモータ1と同様の作用を奏する。
第3の実施の形態の場合も、上記永久磁石19がスライダ部5の移動方向側のコア13に接近すると同時に、スライダ部5の反移動方向側のコア13から離間するようになり、上記永久磁石19の前後の吸引力が相殺されてコギングが小さくなる。
この第3の実施の形態の場合も、永久磁石19の上記スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)の幅(w2)が、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)に隣接するコア13、13の隙間間隔(g1)である7mm以下に設定されているので、コギングが低減されている。
また、第3の実施の形態の場合は、上記永久磁石19の図8(c)中上下方向の厚さ(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との図8(c)中上下方向の隙間間隔(g2)の比率を変化させた場合のコギングの測定も行っている。
上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)を変化させながら、コギングの測定を行った結果を図12に示す。
より具体的に説明すると、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)を一定とし、上記永久磁石19の厚み(t2)を変化させることにより比率(t2/g2)を変化させ、そのときのコギングを測定した。
但し、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)についてもこれを一定に保持しており、そのめに、上記コア13とコイル15の高さ(図8(c)中上下方向の大きさ)を適宜調整している。
また、このコギングの測定は、異なる残留磁束密度(残留磁束密度1.0T、1.2T、1.4T)を持つ3種類の永久磁石19を用いて行なわれた。
より具体的に説明すると、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)を一定とし、上記永久磁石19の厚み(t2)を変化させることにより比率(t2/g2)を変化させ、そのときのコギングを測定した。
但し、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)についてもこれを一定に保持しており、そのめに、上記コア13とコイル15の高さ(図8(c)中上下方向の大きさ)を適宜調整している。
また、このコギングの測定は、異なる残留磁束密度(残留磁束密度1.0T、1.2T、1.4T)を持つ3種類の永久磁石19を用いて行なわれた。
図12によると、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)が小さいほど、コギングが小さくなっている。特に、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下のときに、コギングが小さくなっている。
これは、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)が小さいほど、すなわち、上記永久磁石19の厚さ(t2)が薄いほど、または、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)が大きいほど(但し、この測定では上記永久磁石19の厚み(t2)を変化させている)、多くの磁束がスライダープレート17に戻り、図8(c)中左右方向の磁束の急峻な変動が抑えられてなだらかになることによるものである。
ここで、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)が小さくなると、上記コア13への磁束供給が減少してしまい、推力が低下する懸念がある。
そこで、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)を変化させながら、コギングと推力の比率(コギング/推力)を測定した。その結果を図13に示す。
より具体的に説明すると、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)を一定とし、上記永久磁石19の厚み(t2)を変化させることにより、比率(t2/g2)を変化させ、そのときのコギングと推力の比率(コギング/推力)を測定した。
但し、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)についてもこれを一定に保持しており、そのめに、上記コア13とコイル15の高さ(図8(c)中上下方向の大きさ)を適宜調整している。
また、このコギングの測定は、異なる残留磁束密度(残留磁束密度1.0T、1.2T、1.4T)を持つ3種類の永久磁石19を用いて行なわれた。
より具体的に説明すると、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)を一定とし、上記永久磁石19の厚み(t2)を変化させることにより、比率(t2/g2)を変化させ、そのときのコギングと推力の比率(コギング/推力)を測定した。
但し、上記永久磁石19と上記コイル15とが対向している方向(図1(c)中上下方向)の厚み(t1)についてもこれを一定に保持しており、そのめに、上記コア13とコイル15の高さ(図8(c)中上下方向の大きさ)を適宜調整している。
また、このコギングの測定は、異なる残留磁束密度(残留磁束密度1.0T、1.2T、1.4T)を持つ3種類の永久磁石19を用いて行なわれた。
図13によると、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)が小さくなるほど、すなわち、上記永久磁石19の厚み(t2)が薄いほど、または、上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)が大きいほど(但し、この測定では上記永久磁石19の厚みt2)を変化させている)、コギング/推力の値が小さくなっている。
また、図13によると、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下のときに小さな「コギング/推力」比が得られている。このとき、既に述べたように、図12によると、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下のときに同様にコギングが小さくなっている。よって、図12と図13に示された結果から、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下となっても、それほど推力の低下はないといえる。
また、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)においても、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向においても、隣接する上記永久磁石19、19どうしの磁化の方向が逆向きになるように設定されている。そのため、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向にも磁束を流すことができる。
この場合は、より安定な複数の磁気回路が構成される。これは、上記コイル15に大電流を流した場合など、上記複数の磁気回路のうちの一部の磁気回路の磁気抵抗が大きくなった場合であっても、その磁気抵抗が大きな磁気回路を避けるような経路にて安定な磁気回路が構成されるからである。
よって、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)においても、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向においても、隣接する上記永久磁石19、19どうしの磁化の方向が逆向きになるように設定することにより、更に磁束効率を高めて推力を増加させることができるとともに、より磁束漏れを防止することができる。
よって、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)においても、スライダ部5の移動方向(図10中左右方向)と直交する方向においても、隣接する上記永久磁石19、19どうしの磁化の方向が逆向きになるように設定することにより、更に磁束効率を高めて推力を増加させることができるとともに、より磁束漏れを防止することができる。
次に、第3の実施の形態による効果について説明する。
第3の実施の形態の場合も、前述した第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏する。
また、第3の実施の形態の場合には、上記永久磁石19が4個×2列で設置されているため、より推力を高めることができる。
また、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下とすることで、コギングを小さくすることができる。
第3の実施の形態の場合も、前述した第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏する。
また、第3の実施の形態の場合には、上記永久磁石19が4個×2列で設置されているため、より推力を高めることができる。
また、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下とすることで、コギングを小さくすることができる。
また、図13によると、上記永久磁石19の厚み(t2)が上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の2.4倍以下であっても、小さな「コギング/推力」比が得られているため、上記永久磁石19の厚み(t2)と上記永久磁石19と上記コア13との間の隙間間隔(g2)の比率(t2/g2)が小さくなった際に懸念される推力の低下を抑えることができる。
次に、図14乃至図16を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。
この第4の実施の形態によるリニアモータは、前述した第3の実施の形態によるリニアモータ31と略同様の構成を成しているが、スライダ部5に設置された複数(例えば、4つ)の永久磁石19が、前述した第2の実施の形態の場合のように、スライダ部5の移動方向(図14中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されている。また、上記永久磁石19は、1辺の大きさ(w2)が、例えば、6.25mmに設定されている。
なお、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
この第4の実施の形態によるリニアモータは、前述した第3の実施の形態によるリニアモータ31と略同様の構成を成しているが、スライダ部5に設置された複数(例えば、4つ)の永久磁石19が、前述した第2の実施の形態の場合のように、スライダ部5の移動方向(図14中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜された状態で設置されている。また、上記永久磁石19は、1辺の大きさ(w2)が、例えば、6.25mmに設定されている。
なお、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
この第4の実施の形態の場合も、前述した第2の実施の形態や第3の実施の形態の場合と同様の作用・効果を奏する。
ここで、図15に、上記スキュー角度(θ)を0°〜45°の範囲で変化させてコギングを測定した結果を示す。図15によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていくと徐々にコギングが低下していき、スキュー角度(θ)が35°のときに、コギングが最も小さくなっている。この図15の測定結果をみると、最大、スキュー角度(θ)が10°〜45°程度までであれば、所望のコギング低減効果を得ることができる。
ここで、図15に、上記スキュー角度(θ)を0°〜45°の範囲で変化させてコギングを測定した結果を示す。図15によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていくと徐々にコギングが低下していき、スキュー角度(θ)が35°のときに、コギングが最も小さくなっている。この図15の測定結果をみると、最大、スキュー角度(θ)が10°〜45°程度までであれば、所望のコギング低減効果を得ることができる。
なお、この第4の実施の形態の場合は、前述した第2の実施の形態の場合と異なり、上記永久磁石19の各辺の長さの差が小さいので、上記スキュー角度(θ)が大きくなっても、上記永久磁石19の幅(w2)をコア13、13の隙間間隔(g1)より狭くするという構成そのものが大きく失われてしまうことがなく、コギング低減効果が得られている。
また、この第4の実施の形態では、横断面形状が正方形の永久磁石19を用いているので、上記永久磁石19の両端どうしの距離が小さく、スライダ部5の移動方向(図14中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させても、対向するコイル15中心部との位相差が上記永久磁石19の中心と端部では僅かしか異ならない。そのため、前述した第2の実施の形態の場合に比べ、上記永久磁石19を、スライダ部5の移動方向(図14中左右方向)と直交する方向に対して、所定のスキュー角度(θ)だけ傾斜させた場合であっても、推力の低下を非常に小さくすることができる。
ここで、上記スキュー角度(θ)を0°〜45°の範囲で変化させて推力を測定した結果を、図16に示す。図16によれば、スキュー角度(θ)を0°から増加させていっても、推力の低下はあまり生じず、具体的には、上記スキュー角度(θ)が0°〜45°の範囲では、推力が4.2Nより小さくなることはない。また、コギングが最も小さくなるスキュー角度(θ)が35°のときであっても、推力は4.25N程度となっている。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
この第5の実施の形態によるリニアモータは、前述した第1〜第4の実施の形態によるリニアモータと同様の構成であるが、コア13の材料として、磁性材料である鉄鋼材料(SS400やS45Cなど)を用いている。しかし、この鉄鋼材料は比透磁率が高く(5000〜500)、コイル15のインダクタンスは上記コア13の比透磁率に比例するので、上記コア13の外周側に設置された上記コイル15のインダクタンスは大きくなってしまう。
そして、上記コイル15のインダクタンスにより、上記コイル15に所定の電流を流そうとすると、例えば、上記コイル15に上記所定の電流を流す指令を与えてから、その所定の電流が上記コイル15に流れるまでに大きな応答遅れ(例えば、比透磁率5000のとき、時定数=326msec)が生じてしまう。
この第5の実施の形態によるリニアモータは、前述した第1〜第4の実施の形態によるリニアモータと同様の構成であるが、コア13の材料として、磁性材料である鉄鋼材料(SS400やS45Cなど)を用いている。しかし、この鉄鋼材料は比透磁率が高く(5000〜500)、コイル15のインダクタンスは上記コア13の比透磁率に比例するので、上記コア13の外周側に設置された上記コイル15のインダクタンスは大きくなってしまう。
そして、上記コイル15のインダクタンスにより、上記コイル15に所定の電流を流そうとすると、例えば、上記コイル15に上記所定の電流を流す指令を与えてから、その所定の電流が上記コイル15に流れるまでに大きな応答遅れ(例えば、比透磁率5000のとき、時定数=326msec)が生じてしまう。
そこで、上記応答遅れを少なくするために、上記コア13に焼入れ又は焼入れ・焼き戻しの熱処理を施し、上記コア13の比透磁率を低減させるようにしている。
具体的には、例えば、上記コア13をS45C材料により製造し、焼入れ・焼き戻しを施す。このような熱処理によって、上記コア13の硬度をHRC45以上に硬くすることで、比透磁率が200以下になる。これにより、上記コア13のコイルインダクタンスを大幅に低減でき、上記応答遅れを少なく(時定数=13msec)することができた。
また、上記具体例では焼入れ・焼き戻しを行っているが、焼入れのみを行ってもよい。
なお、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
具体的には、例えば、上記コア13をS45C材料により製造し、焼入れ・焼き戻しを施す。このような熱処理によって、上記コア13の硬度をHRC45以上に硬くすることで、比透磁率が200以下になる。これにより、上記コア13のコイルインダクタンスを大幅に低減でき、上記応答遅れを少なく(時定数=13msec)することができた。
また、上記具体例では焼入れ・焼き戻しを行っているが、焼入れのみを行ってもよい。
なお、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示し、その説明は省略する。
なお、本発明は、前述した第1〜第5の実施の形態に限定されない。
例えば、永久磁石19の個数や形状,コア13の個数や形状には様々な場合が考えられる。
また、上記コア13、ベースプレート7、スライダープレート17が、その他の磁性材料から成る場合も考えられる。
また、スライダ部5側にコイル基板9、コア13、及び、コイル15を設置し、ベース部3側に永久磁石19を設置する場合も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
例えば、永久磁石19の個数や形状,コア13の個数や形状には様々な場合が考えられる。
また、上記コア13、ベースプレート7、スライダープレート17が、その他の磁性材料から成る場合も考えられる。
また、スライダ部5側にコイル基板9、コア13、及び、コイル15を設置し、ベース部3側に永久磁石19を設置する場合も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
本発明は、例えば、アクチュエータ用のリニアモータに係り、特に、コア付薄型タイプにて、所望の推力を得ることができるようにするとともに、コギングの影響を低減させることができるように工夫したものに関し、産業用ロボット用アクチュエータのリニアモータに好適である。
1 リニアモータ
3 ベース部
5 スライダ部
13 コア
15 コイル
19 永久磁石
3 ベース部
5 スライダ部
13 コア
15 コイル
19 永久磁石
Claims (8)
- 磁石と、上記磁石に対向・配置されたコイルと、を具備し、上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動するリニアモータにおいて、
上記磁石と上記コイルが対向している方向の厚みは上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向の幅の1/4以下であり、
上記コイルの内周部に磁性材料からなるコアが内装されていることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1記載のリニアモータにおいて、
上記磁石の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向の幅が上記コイルに内装されたコア間の上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に沿った隙間間隔より狭いことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1又は請求項2記載のリニアモータにおいて、
上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載のリニアモータにおいて、
上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置したことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項4記載のリニアモータにおいて、
上記磁石を上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に対して傾けて設置したことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項4又は請求項5記載のリニアモータにおいて、
上記磁石側と上記コイル側が相対的に移動する方向に直交する方向に2個以上配置されている磁石の極性が単一でないことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1〜請求項6の何れかに記載のリニアモータにおいて、
上記磁石の厚みが上記磁石と上記コアとの間の隙間間隔の2.4倍以下になっていることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1〜請求項7の何れかに記載のリニアモータにおいて、
上記コアは焼入れ又は焼入れ・焼き戻し処理が施されたものであることを特徴とするリニアモータ。
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-
2013
- 2013-12-11 JP JP2013255744A patent/JP2015116027A/ja active Pending
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