JP2015116000A - 電動車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Kensuke Nagamura
謙介 長村
光男 平田
Mitsuo Hirata
光男 平田
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Abstract

【課題】駆動系に生じるねじれ振動を抑制するとともに、走行抵抗発生時や制動時において目標駆動力と実際の駆動力との乖離を抑制することができる電動車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】運転者の要求駆動力に基づいて目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段11と、目標駆動力を減速比で除算する除算手段12と、モータの回転速度を検出する回転速度検出手段14と、モータの回転速度に基づいて理想車両モデルの逆系を表すモデルを用いてモータトルク推定値を演算する推定値演算手段15と、モータの駆動力を制御するためのモータトルク指令値と、モータトルク推定値との偏差を小さくする補正量であって、且つ外乱トルク成分を除去した補正量を演算する補正量演算手段20と、減速比で除算された目標駆動力に補正量を加算することにより、モータトルク指令値を演算する指令値演算手段13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両の駆動力制御装置に関する。
従来の電動車両の駆動力制御装置においては、駆動系のねじれにより生じる振動(ねじれ振動)を抑制するために、運転者の要求駆動力(目標駆動力)から設定したモータトルク指令値に対して補正が行われている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、駆動系がねじれを生じない剛体であるものと仮定した理想的な車両モデルの逆系を表すモデル(逆モデル)に、モータの回転速度を与え、モータトルク推定値を演算する。そして、このモータトルク推定値と、実際にモータを追従させるためのモータトルク指令値との偏差を小さくするような補正値を演算する。この補正値をモータトルク指令値に加算することで、最終的なモータトルク指令値としている。
特開2001−28809号公報
しかしながら、従来の理想的な車両モデルには、空気抵抗等の走行抵抗トルクやブレーキ操作による制動トルクといった外乱トルクが入力されていない。このため、車両モデルから出力されるモータトルク推定値やそれに基づいて演算される補正値に、外乱トルクの影響が反映されていない。その結果、補正値によりねじれ振動を抑制することはできるものの、走行抵抗発生時や制動時において走行抵抗トルクやブレーキ操作による制動トルクも打ち消すように余計な駆動力が発生し、運転者による要求駆動力と実際の駆動力とが乖離するという問題がある。
例えば、運転者がブレーキを踏むと、車両は減速し、モータの回転速度が低下する。特許文献1では、理想車両モデルにおいてモータトルクを推定するが、このような制動時においては、モータが制動力を発生したものとしてモータトルクを推定する。これが、実際と合致していれば問題なく、正しいモータトルクを推定できるが、機械式ブレーキで制動力を発生している場合や、モータと機械式ブレーキが同時に制動力を発生し、その合力によって減速している場合、実際のモータトルクよりも負側に大きい値をモータトルク推定値として演算してしまう。その結果、トルク指令値が必要以上に大きくなるような補正が行われることになり、ブレーキを踏んでも十分な制動力が得られないという現象が生じてしまう。
これと同様のことが走行抵抗についてもいえる。車速が高いほど走行抵抗は大きくなり、減速させる方向の力を車両に与える。理想車両モデルは、それによって現れるモータ回転速度の低下分を、モータトルクが抑えられていることによって生じているものとして推定を行う。その結果、実際のモータトルクよりも小さい値がモータトルク推定値として演算され、このモータトルク推定値に基づいて補正値が演算されるため、補正値によりモータトルク指令値は増加する方向に補正されることになる。したがって、コースト走行時などにおいて思ったほど減速しないという違和感を運転者に与える。
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、駆動系に生じるねじれ振動を抑制するとともに、走行抵抗発生時や制動時において目標駆動力と実際の駆動力との乖離を抑制することができる電動車両の駆動力制御装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、電動車両の駆動系におけるモータの駆動力を制御する駆動力制御装置であって、運転者の要求駆動力に基づいて目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、目標駆動力を減速比で除算する除算手段と、モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、モータの回転速度に基づいて、理想車両モデルの逆系を表すモデルを用いてモータトルク推定値を演算する推定値演算手段と、モータの駆動力を制御するためのモータトルク指令値と、モータトルク推定値との偏差を小さくする補正量であって、且つ外乱トルク成分を除去した補正量を演算する補正量演算手段と、除算手段により減速比で除算された目標駆動力に補正量を加算することにより、モータトルク指令値を演算する指令値演算手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、駆動系に生じるねじれ振動を抑制するとともに、走行抵抗発生時や制動時において目標駆動力と実際の駆動力との乖離を抑制することができる電動車両の駆動力制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る駆動力制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る駆動系に生じるねじれ振動を説明するための概略図である。 図3(a)は、本発明の実施の形態の比較例に係る一定駆動力走行時の駆動軸トルクの変化を示すグラフである。図3(b)は、本発明の実施の形態の比較例に係る一定駆動力走行時の車速の変化を示すグラフである。 図4(a)は、本発明の実施の形態に係る一定駆動力走行時の駆動軸トルクの変化を示すグラフである。図4(b)は、本発明の実施の形態に係る一定駆動力走行時の車速の変化を示すグラフである。 図5(a)は、本発明の実施の形態の比較例に係るアクセルオフ後にブレーキオンした場合の駆動軸トルクの変化を示すグラフである。図5(b)は、本発明の実施の形態の比較例に係るアクセルオフ後にブレーキオンした場合の車速の変化を示すグラフである。 図6(a)は、本発明の実施の形態に係るアクセルオフ後にブレーキオンした場合の駆動軸トルクの変化を示すグラフである。図6(b)は、本発明の実施の形態に係るアクセルオフ後にブレーキオンした場合の車速の変化を示すグラフである。 図7(a)及び図7(b)のそれぞれは、本発明の実施の形態に係るハイパスフィルタのカットオフ周波数を振った際の性能を表すグラフである。 本発明の実施の形態に係るアクセルオフ後にブレーキオンした場合の駆動軸トルクの変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例に係る駆動力制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る駆動力制御装置の構成の他の一例を示すブロック図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
本発明の実施の形態に係る電動車両の駆動力制御装置は、電気自動車(EV)等の電動車両に搭載可能である。本発明の実施の形態に係る電動車両の駆動力制御装置は、図1に示すように、目標駆動力設定手段11、除算手段12、指令値演算手段13、推定値演算手段15及び補正量演算手段20を備える。指令値演算手段13には制御対象であるプラント30が接続されている。
プラント30は、電動車両の駆動系であり、図2に示すように、モータ31と、モータ31に出力軸32及び駆動軸33を介して連結された車輪34を有する。モータ31の回転は、図1に示した指令値演算手段13により演算されるモータトルク指令値Tにより制御される。電動車両の駆動系において、モータ31を回転させたときに、駆動軸33のねじれにより振動(ねじれ振動)が生じる。図2では、駆動軸33のねじれをばね形状で模式的に示している。このねじれ振動を抑制するために、指令値演算手段13がモータトルク指令値Tを演算する際に補正が行われる。
図1に示した目標駆動力設定手段11は、運転者のアクセルペダル操作に対応する要求駆動力Trに基づいて目標駆動力T [Nm]を設定する。目標駆動力T は除算手段12に入力される。
除算手段12は、目標駆動力設定手段11により設定された目標駆動力T を減速機(図示省略)の減速比Nで除算する。除算後の目標駆動力は、換言すれば補正前のモータトルク指令値(第1のモータトルク指令値)であり、指令値演算手段13に入力される。
指令値演算手段13は、除算手段12により演算された第1のモータトルク指令値に、補正量演算手段20により演算された補正量を加算することにより、車両を駆動するモータの最終的なモータトルク指令値(第2のモータトルク指令値)T[Nm]を演算する。モータトルク指令値Tはプラント30に入力され、モータトルク指令値Tに一致又追従するようにモータトルクを発生させてモータ31を回転させる。また、運転者のブレーキ操作によるブレーキ操作による制動トルクF[N]もプラント30に入力される。
推定値演算手段15は、プラント30内のモータ31の実際の回転速度ω[rad/s]に基づいて、理想車両モデルの逆系を表すモデル(逆モデル)を用いて、モータトルク推定値を演算する。モータ31の回転速度ωは、例えばプラント30内のモータ31の出力軸32に取り付けられた回転速度検出手段14により検出可能である。
車両モデルは、パワーユニット、パワートレーン及びモータECU遅れ等の目標特性を示すものである。そして、理想車両モデルは、車両駆動系においてバックラッシュがなく、且つ完全な剛体であると仮定した車両モデルである。ここでは理想車両モデルの逆モデルを用いる。逆モデルの伝達特性(伝達関数)Gm(s)は、例えば以下の式(1)で表すことができる。

Gm(s)=Js/(0.001s+1) …(1)

ここで、J[Nms]はモータ軸換算総合イナーシャ(慣性モーメント)であり、Nは減速比であり、sはラプラス演算子である。即ち、推定値演算手段15はモータ31の回転速度ωに対して微分を行う微分器である。モータトルク推定値は補正量演算手段20に入力される。
補正量演算手段20は、指令値演算手段13により演算されてフィードバックされたモータトルク指令値Tと、推定値演算手段15により演算されたモータトルク推定値とに基づいて、第1のモータトルク指令値に対する補正量を演算する。
補正量演算手段20により演算される補正量は、上述したような駆動系に生じるねじれ振動を抑制することを主としたものであり、モータトルク指令値Tとモータトルク推定値との偏差が0又は小さくなるように求められる。この補正量は、それに含まれている雑音(ノイズ)及び外乱トルク成分が除去されて演算される。本発明の実施の形態においては、外乱トルク成分とは、空気抵抗等の走行抵抗トルク成分と、ブレーキ操作による制動トルク成分を意味する。
補正量演算手段20は、偏差演算手段16、乗算手段17、雑音除去手段18及び外乱除去手段19を有する。偏差演算手段16は、指令値演算手段13により演算された最終的なモータトルク指令値Tから、推定値演算手段15により演算されたモータトルク推定値を減算することにより、モータトルク指令値Tとモータトルク推定値との偏差を演算する。モータトルク指令値Tとモータトルク推定値との偏差は、乗算手段17に入力される。
乗算手段17は、偏差演算手段16により演算された偏差に比例ゲインK(例えばK=2)を乗算することにより、駆動系に生じるねじれ振動を抑制するための補正量(第1の補正量)を演算する。比例ゲインKの値は適宜設定可能である。第1の補正量は、モータトルク指令値Tとモータトルク推定値との偏差を0とするか又は小さくするものである。第1の補正量は雑音除去手段18に入力される。
雑音除去手段18としては、例えばローパスフィルタが使用可能である。雑音除去手段18は、乗算手段17により演算された第1の補正量に対して動的な補正処理を行い、第1の補正量に含まれている、モータトルク推定値を演算したときの雑音(ノイズ)を除去する。理想車両モデルの逆系は微分器であり、微分器に入力するモータ回転速度信号に含まれる量子化誤差や、センサの電気信号処理回路で生じる雑音の影響が微分器の計算結果に表れやすい。雑音除去手段18は、雑音を減衰させることによって、適切な補正量を演算することができる。
雑音除去手段18の伝達特性(伝達関数)Gl(s)は、例えば以下の式(2)で表すことができる。

Gl(s)=ω/(s+ω) …(2)

ここで、ω[rad/秒]はカットオフ周波数であり、sはラプラス演算子である。カットオフ周波数ωはプラント30の反共振周波数に対応して適宜設定可能である。雑音除去手段18により雑音が除去された第1の補正量は外乱除去手段19に入力される。
なお、推定値演算手段15により演算されたモータトルク推定値に直接、雑音除去手段18を適用して雑音を除去する方法が考えられるが、その場合、偏差演算手段16が雑音除去手段18によって遅れが生じたモータトルク推定値と、遅れが生じていないモータトルク指令値の偏差を演算することになり、時間的なずれが生じる。ここでは、偏差演算手段16によりモータトルク指令値とモータトルク推定値との偏差を演算した後に、雑音除去手段18を適用しているため、モータトルク指令値とモータトルク推定値とに時間的な遅れは発生せず、精度よく補正を行うことができる。
外乱除去手段19は、雑音除去手段18により雑音が除去された第1の補正量に対して動的な補正処理を行い、第1の補正量に含まれている外乱トルク成分を除去する。外乱除去手段19は、ハイパスフィルタ(HPF)により第1の補正量の高域側を通過させ、低域側を遮断して、第1の補正量に含まれている外乱トルク成分を除去することにより最終的な補正量(第2の補正量)を演算する。
ハイパスフィルタは、以下の式(3)、(4)で表すような伝達関数Gh1(s)、Gh2(s)をそれぞれ用いることができる。

Gh1(s)=s/(s+ωHPF) …(3)

Gh2(s)=s/(s+ωHPF …(4)

式(3)、(4)において、sはラプラス演算子であり、ωHPF[rad/秒]はカットオフ周波数である。カットオフ周波数ωHPFを大きくするほど、より広い周波数帯域の外乱トルク成分を除去することができるが、ねじれ振動の抑制効果(振動抑制性能)は逆に低下するというトレードオフの関係がある。このため、外乱トルク成分の除去と、振動抑制性能とが両立するような値に設定することが好ましい。
ハイパスフィルタのカットオフ周波数ωHPFは、例えば0.3Hzとすることで、ねじれ振動の周波数(例えば10Hz近辺)を通過させつつ、ねじれ振動の周波数に対して相対的に周波数が小さい外乱トルク成分を遮断することができる。ハイパスフィルタを通過したねじれ振動成分についてはそれを打ち消すための補正量が演算される。一方、外乱トルク成分はハイパスフィルタで遮断されるので、外乱トルク成分を打ち消す分の補正は行われない。
指令値演算手段13は、除算手段12により演算された第1のモータトルク指令値に、外乱除去手段19により外乱トルク成分を除去した補正量を加算することにより第2のモータトルク指令値T[Nm]を演算する。
図3(a)に、ハイパスフィルタを用いない点のみが本発明の実施の形態に係る構成と異なる比較例において、一定の目標駆動力を与え続けたときの目標駆動力及び実際の駆動力を示し、図3(b)には同じ条件での車速のシミュレーション結果を示す。図3(a)及び図3(b)に示すように、時間が経過して車速が増加するにつれて空気抵抗等の走行抵抗が増加するが、ハイパスフィルタがない場合にはこの走行抵抗を打ち消すように駆動力が余計に増大するため、目標駆動力と実際の駆動力との乖離が大きくなることが分かる。
これに対して、図4(a)に、本発明の実施の形態に係るハイパスフィルタを用いた構成において、一定の目標駆動力を与え続けたときの目標駆動力及び実際の駆動力を示し、図4(b)には同じ条件での車速のシミュレーション結果を示す。本発明の実施の形態によれば、補正量から走行抵抗成分が除去されているので、図4(a)及び図4(b)に示すように時間が経過して車速が増加しても、目標駆動力と実際の駆動力との乖離が小さく、目標駆動力に対して実際の駆動力が追従していることが分かる。
また、上り坂の場合でも、本来であれば走行抵抗により自然に減速するはずであるのに、比較例のようにハイパスフィルタがない場合には、減速しないように駆動力が増加する。このように、これに対して、本発明の実施の形態によれば、ハイパスフィルタを用いて補正量から走行抵抗トルク成分が除去されているので、上り坂に入れば自然に減速することができる。
図5(a)に、ハイパスフィルタを用いない点のみが本発明の実施の形態に係る構成と異なる比較例において、6秒時点でアクセルオフし、10秒時点でブレーキオンしたときの目標駆動力及び実際の駆動力を示し、図5(b)には同じ条件での車速のシミュレーション結果を示す。比較例のようにハイパスフィルタがない場合には、減速するためにブレーキを踏んだとき、減速しないようにモータトルクが増加する。このため、図5(a)及び図5(b)に示すように、10秒時点でブレーキがオンした後は、目標駆動力と実際の駆動力との乖離が大きくなり、運転者が意図した減速が得られない。
これに対して、図6(a)に、本発明の実施の形態に係るハイパスフィルタを用いた構成において、6秒時点でアクセルオフし、10秒時点でブレーキオンしたときの目標駆動力及び実際の駆動力を示し、図6(b)には同じ条件での車速のシミュレーション結果を示す。本発明の実施の形態によれば、図6(a)及び図6(b)に示すように、10秒時点でブレーキがオンした後も目標駆動力と実際の駆動力との乖離が比較例と比べて小さく、目標駆動力に対して実際の駆動力が追従できていることが分かる。
図7(a)及び図7(b)は、式(3)、(4)のそれぞれの伝達関数のハイパスフィルタにおいて、カットオフ周波数ωHPFを振った際の性能を示す。Td1は0秒時点でアクセルを踏んだ直後、Td2は6秒時点でアクセルオフした直後、Td3は10秒時点でブレーキオンした直後における目標駆動力と実際の駆動力との乖離(差分)の最大値である。Td3については10倍した値を示す。Td1、Td2は駆動系に生じるねじれ振動に起因する差分であり、Td3は制動トルクに起因する差分である。図7(a)及び図7(b)から、カットオフ周波数ωHPFを大きくすると、Td3が小さくなるが、Td1、Td2は大きくなることが分かる。
図8は、本発明の実施の形態に係る構成において、式(4)に示す伝達関数のハイパスフィルタを用いて、カットオフ周波数ωHPFを2rad/sとした場合であって、6秒時点でアクセルオフし、10秒時点でブレーキオンしたときの目標駆動力及び実際の駆動力を示す。図8の点線の円で囲んだ3つの領域における目標駆動力と実際の駆動力との乖離(差分)の最大値Td1、Td2、Td3が、図7(a)及び図7(b)に示したTd1、Td2、Td3に対応する。
ハイパスフィルタのカットオフ周波数ωHPFは、ねじれ振動周波数(10Hz程度)よりも小さい値とすれば、ねじれ振動周波数と同程度の周波数となる、ねじれ振動を抑制するための補正量を減衰させずに通過させることができる。一方、機械式ブレーキによる制動力や走行抵抗の外乱トルク成分には、ねじれ振動周波数よりも小さい周波数成分が多く含まれている。よって、ハイパスフィルタのカットオフ周波数ωHPFを、ねじれ振動周波数(10Hz程度)よりも小さく、且つ、外乱トルク成分を十分減衰させる程度の値に設定することが好ましい。一般的な車両駆動系で調整を行ったところ、ハイパスフィルタのカットオフ周波数ωHPFは0.3Hz程度が適当であった。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、推定値演算手段15が理想車両モデルの逆モデルを用いてモータトルク推定値を演算し、補正量演算手段20がモータトルク推定値とモータトルク指令値との偏差を0又は小さくするような補正量を演算することにより、駆動系に生じるねじれ振動を抑制することができる。更には、外乱除去手段19が、補正量に含まれている外乱トルク成分を除去することにより、特定が難しい外乱トルク(外的速度変化要因)に起因するトルク変動を抑制することができ、目標駆動力と実際の駆動力との乖離を抑制することができる。
また、雑音除去手段18が、推定値演算手段15によりモータトルク推定値を演算した際の雑音成分を補正量から除去することにより、駆動力制御の安定化を図ることができる。
また、雑音除去手段18がローパスフィルタであり、外乱除去手段19がハイパスフィルタであることにより、簡易な構成で雑音及び外乱トルク成分をそれぞれ除去することができる。
なお、図1に示した構成では、乗算手段17が雑音除去手段18の前段に設けられていたが、図9に示すように、乗算手段17が雑音除去手段18と外乱除去手段19との間に設けられていてもよい。この場合でも図1に示した構成と同様の効果を得ることができる。即ち、雑音除去手段18が、偏差演算手段16により演算された偏差に含まれている雑音を除去する。乗算手段17が、雑音除去手段18により雑音が除去された偏差に比例ゲインKを乗算する。外乱除去手段19が、雑音除去手段18により比例ゲインKが乗算された偏差に含まれている外乱トルク成分を除去することで、最終的な補正量が演算される。
或いは、図10に示すように、乗算手段17が外乱除去手段19の後段に設けられていてもよい。この場合でも図1に示した構成と同様の効果を得ることができる。即ち、雑音除去手段18が、偏差演算手段16により演算された偏差に含まれている雑音を除去する。外乱除去手段19が、雑音除去手段18により雑音が除去された偏差に含まれている外乱トルク成分を除去する。乗算手段17が、外乱除去手段19により外乱トルク成分が除去された偏差に比例ゲインKを乗算することで、最終的な補正量が演算される。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、図1に示した雑音除去手段18及び外乱除去手段19は直列結合であるので、雑音除去手段18及び外乱除去手段19の順序を入れ替えて設けてもよい。即ち、外乱除去手段19が偏差に含まれている外乱トルク成分を除去した後、雑音除去手段18が偏差に含まれている雑音を除去してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
11…目標駆動力設定手段
12…除算手段
13…指令値演算手段
14…回転速度検出手段
15…推定値演算手段
16…偏差演算手段
17…乗算手段
18…雑音除去手段
19…外乱除去手段
20…補正量演算手段
30…プラント
31…モータ
32…出力軸
33…駆動軸
34…車輪

Claims (3)

  1. 電動車両の駆動系におけるモータの駆動力を制御する駆動力制御装置であって、
    運転者の要求駆動力に基づいて目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、
    前記目標駆動力を減速比で除算する除算手段と、
    前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記モータの回転速度に基づいて、理想車両モデルの逆系を表すモデルを用いてモータトルク推定値を演算する推定値演算手段と、
    前記モータの駆動力を制御するためのモータトルク指令値と、前記モータトルク推定値との偏差を小さくする補正量であって、且つ外乱トルク成分を除去した補正量を演算する補正量演算手段と、
    前記除算手段により減速比で除算された目標駆動力に前記補正量を加算することにより、前記モータトルク指令値を演算する指令値演算手段
    とを備えることを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。
  2. 前記補正量演算手段が、
    前記モータトルク指令値と前記モータトルク推定値との偏差を演算する偏差演算手段と、
    前記偏差にゲインを乗算する乗算手段と、
    前記偏差に含まれる雑音を除去する雑音除去手段と、
    前記偏差に含まれる前記外乱トルク成分を除去する外乱除去手段
    とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電動車両の駆動力制御装置。
  3. 前記雑音除去手段がローパスフィルタであり、
    前記外乱除去手段がハイパスフィルタである
    ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両の駆動力制御装置。
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