JP2015115234A - 枠体および発光装置 - Google Patents

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【課題】チップサイズの縮小化を図ること、もしくは有機EL素子における発光面積の増大を図ることを可能とする枠体および当該枠体を用いた発光装置を提供する。【解決手段】枠体11は、第1ガラス基板13と、第1ガラス基板13に対向されて配置され、第1ガラス基板13へ向けて突出する周壁部16が設けられ、周壁部16の突出端16aが第1ガラス基板13の周辺部13cに宛がわれてガラスフリット接合により第1ガラス基板13と接合される第2ガラス基板14と、を備える。突出端16aと周辺部13cとのいずれか一方には、突出端16aと周辺部13cとのいずれか他方へ向けて突出する突起構造17が設けられ、突出端16aと周辺部13cとのいずれか他方には、突起構造17の表面形状に沿って凹む凹み構造15が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスフリット接合により接合される枠体、およびそこに有機EL素子が設けられた発光装置に関する。
従来、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下では、有機EL素子ともいう)を、第1ガラス基板と第2ガラス基板とで形成した枠体の内方に設けて発光装置を構成することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。その有機EL素子は、透光性基板(透明基板)とした第1ガラス基板の一表面側に、透明電極からなり陽極となる第1電極、有機EL層、および反射性能を有し陰極となる第2電極を積層して構成されている。上記した発光装置では、第1ガラス基板上の有機EL素子(積層した第1電極、有機EL層、電極)を取り囲むスペーサを介在させて、第1ガラス基板に第2ガラス基板を対向させ、そのスペーサの両端に全周に亘ってガラスフリットを設けている。そして、発光装置では、スペーサの両端に設けたガラスフリットを溶融させることで、当該スペーサの各端部に第1ガラス基板および第2ガラス基板を接合させる。これにより、発光装置では、有機EL素子(第1電極、有機EL層、電極)を、ガラスフリット接合によりスペーサを介して接合された第1ガラス基板と第2ガラス基板とからなる枠体の内方で、気密状態としている。
この発光装置では、有機EL素子の第1電極(陽極)と第2電極(陰極)との間に電圧を印加すると、有機EL層がエネルギーを光として放出(発光)する。発光装置では、有機EL層から放出(発光)された光の一部が直接第1電極へと向かいかつ他部が第2電極で反射された後に第1電極へと向かうことで、その第1電極および第1ガラス基板(透光性基板)を通して光を枠体の外部に出射する。また、この発光装置では、枠体により有機EL素子(第1電極、有機EL層、電極)を気密状態としていることから、それらが水分や酸素の影響により寿命が短くなることを防止することができる。
しかしながら、上記した従来の発光装置では、枠体における気密状態を確実なものとするために、各ガラス基板とスペーサとの間でガラスフリットにより形成された各接合部における密閉性を確実なものとする、すなわち十分な封止性能を確保する必要がある。このため、この枠体(発光装置)では、ガラスフリットによる接合部の封止距離を十分なものとする必要がある。これにより、従来の枠体(発光装置)では、有機EL素子の大きさ寸法を等しいものとすると、全体のサイズ(チップサイズ)の減少が阻害されてしまう。また、従来の枠体(発光装置)では、全体のサイズ(チップサイズ)を等しいものとすると、有機EL素子の大きさ寸法の増大を図ること、すなわち有機EL素子における発光面積の増大を図ることが阻害されてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、チップサイズの縮小化を図ること、もしくは有機EL素子における発光面積の増大を図ることを可能とする枠体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の枠体は、第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板に対向されて配置され、前記第1ガラス基板へ向けて突出する周壁部が設けられ、前記周壁部の突出端が前記第1ガラス基板の周辺部に宛がわれてガラスフリット接合により前記第1ガラス基板と接合される第2ガラス基板と、を備え、前記突出端と前記周辺部とのいずれか一方には、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方へ向けて突出する突起構造が設けられ、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方には、前記突起構造の表面形状に沿って凹む凹み構造が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る枠体では、チップサイズの縮小化を図ること、もしくは有機EL素子における発光面積の増大を図ることを可能とすることができる。
枠体の一実施例としての枠体11を用いた発光装置の一実施例としての発光装置10を断面で示す説明図である。 枠体11(発光装置10)において、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とが接合されていない状態を断面で示す説明図である。 枠体11(発光装置10)において、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とが接合されていない状態を、模式的な斜視図で示す説明図である。 枠体11(発光装置10)としての第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを接合すべくレーザ光Lを照射する様子を示す図1と同様の説明図である。 従来の発光装置50(その枠体11)を図1と同様の断面で示す説明図である。 従来の発光装置50の枠体11としての第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを接合すべくレーザ光Lを照射する様子を示す図4と同様の説明図である。 変形例としての枠体11A(発光装置10A)を図1と同様の断面で示す説明図である。 他の変形例としての枠体11B(発光装置10B)を図1と同様の断面で示す説明図である。
以下に、本発明に係る枠体およびそれを用いた発光装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る発光装置およびそのための枠体の一実施例としての発光装置10およびそのための枠体11の構成を、図1から図4を用いて説明する。なお、図3では、第1ガラス基板13の凹み構造15と第2ガラス基板14の突起構造17との構成および位置関係の理解を容易なものとすべく、陽極引出配線34および陰極引出配線35を省略しかつ有機EL素子12を直方体形状に単純化して示している。
発光装置10は、枠体11に有機EL素子12が設けられて構成されている。その枠体11は、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを備える。
その第1ガラス基板13は、少なくとも有機EL素子12から放出される光の透過を許す材料で形成されている。このような材料としては、例えば、ソーダガラス基板、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板等を用いることができる。第1ガラス基板13は、本実施例では直方体形状を呈する板状(図3参照)とされており、一表面13a側に有機EL素子12が配設され、有機EL素子12から放出される光を他表面13b側から出射させる。なお、第1ガラス基板13は、少なくとも有機EL素子12から放出される光を透過させる材料で形成されていればよく、プラスチック基板を用いるものであってよい。このプラスチック基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエーテルサルフォン(PES)基板、ポリカーボネート(PC)基板等を用いることができる。
この第1ガラス基板13では、一表面13aにおける周辺部13cに凹み構造15が設けられている。その周辺部13cは、本実施例では、第1ガラス基板13が直方体形状を呈するので、正面視して矩形状を呈する一表面13aに倣う矩形状を描いている。周辺部13cは、一表面13aにおいて、第2ガラス基板14の後述する周壁部16(その突出端16a)に対応された箇所となる。すなわち、周辺部13cは、後述するように第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを接合すべく対向させた際、一表面13aにおいて第2ガラス基板14の周壁部16(その突出端16a)が対向される箇所となる(図1等参照)。
凹み構造15は、その周辺部13cを部分的に凹ませて形成されている。その凹み構造15は、本実施例では、矩形状を描く周辺部13cに沿って当該周辺部13cの全周に亘って設けられており(図3参照)、周辺部13cの周方向で見た形状(周方向に直交する断面形状)がV字形状とされている(図1、図2参照)。この凹み構造15は、第1ガラス基板13の突起構造17の表面形状に沿って凹むものとされている。この突起構造17の表面形状に沿うとは、凹み構造15内に突起構造17を挿入した状態において、凹み構造15の内表面が全域に亘って略等しい間隔を置いて突起構造17の外表面に対向することを言う。凹み構造15は、本実施例では、上記した挿入状態において、自らの内表面と突起構造17の外表面との間に、後述するガラスフリット22を適切に配置することを可能とする適切な大きさであって、一定の間隔を置くものとされている。このガラスフリット22を適切に配置するとは、後述するようにレーザ光L(図4参照)が照射されて溶融されたガラスフリット22により、凹み構造15(その内表面)と突起構造17(その外表面)とが適切に接合されることを言う。この凹み構造15が設けられた第1ガラス基板13の一表面13a側に第2ガラス基板14が設けられる。
その第2ガラス基板14は、少なくとも後述するガラスフリット22を溶融させるべく照射するレーザ光L(図4参照)の透過を許す材料で形成されている。そして、第2ガラス基板14は、第1ガラス基板13と熱膨張係数が同じ材料により形成されたものが好ましい。この第2ガラス基板14は、実施例では、第1ガラス基板13と等しい材料で形成されており、その第1ガラス基板13と熱膨張係数が等しくされている。第2ガラス基板14は、直方体形状を呈する板状(図3参照)とされており、本実施例では図1を正面視した際の上下方向(第2ガラス基板14の平面に直交する方向)で見て第1ガラス基板13よりも一回り小さな矩形状とされている。第2ガラス基板14では、第1ガラス基板13と対向される対向面14aに周壁部16が設けられている。
その周壁部16は、第2ガラス基板14の周辺部において対向面14aから突出されて形成されており、その周辺部の全周に亘って設けられている(図3参照)。周壁部16は、本実施例では、第2ガラス基板14が直方体形状を呈する板状とされていることから、対向面14aに直交する方向で見て長方形を描く環状を呈する(図3参照)。この周壁部16は、後述するように第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とが接合された状態において、対向面14aから第1ガラス基板13(その一表面13aの周辺部13c)へ向けて突出している。周壁部16は、後述するように第1ガラス基板13の一表面13aに設けられる有機EL素子12を、取り囲むことが可能とされている(図1等参照)。この周壁部16では、その突出端16aに突起構造17が設けられている。
その突起構造17は、周壁部16の突出端16aから突出されて形成されている。突起構造17は、本実施例では、長方形を描く環状を呈する周壁部16に沿って当該周壁部16(その突出端16a)の全周に亘って設けられており(図3参照)、周壁部16の周方向で見た形状(周方向に直交する断面形状)がV字形状とされている。この突起構造17は、上述したように、第1ガラス基板13の凹み構造15の表面形状に沿って突出している。そして、突起構造17は、本実施例では、凹み構造15内に挿入された状態において、自らの外表面と凹み構造15の内表面との間に、後述するガラスフリット22を適切に配置することを可能とする間隔を置くものとされている。
このような構成とされた第2ガラス基板14では、第1ガラス基板13と対向される対向面14aに遮光膜18が設けられている。この遮光膜18は、後述するように凹み構造15と突起構造17との間に設けたガラスフリット22を照射するレーザ光L(図4参照)が、枠体11内に設けられる有機EL素子12を照射することを防止するものである。換言すると、遮光膜18は、上記したようにガラスフリット22を照射するレーザ光Lが有機EL素子12へと至ることを防止すべく、当該レーザ光Lの一部を遮るものである(図4参照)。ガラスフリット22は、後述するように、第1ガラス基板13(その周辺部13c)と第2ガラス基板14(その周壁部16)とをガラスフリット接合するために、周辺部13cに設けられた凹み構造15と周壁部16に設けられたと突起構造17との間に設けられる。そして、ガラスフリット22は、後述するように、自らが介在される凹み構造15と突起構造17とをガラスフリット接合すべく、レーザ光L(図4参照)が照射されて溶融される。また、有機EL素子12は、後述するように、発光装置10を構成すべく枠体11における周壁部16の内方に設けられる。このため、遮光膜18は、ガラスフリット22を溶融すべく照射されるレーザ光L(図4参照)の透過を阻む材料で形成されており、より好適には当該レーザ光Lが照射されても温度が上昇することが防止された材料で形成されている。
この遮光膜18は、本実施例では、第2ガラス基板14における周壁部16に取り囲まれた受入凹所19に設けられている。その受入凹所19は、第2ガラス基板14において、その周辺部の全周に亘って設けられて環状を呈する周壁部16の内周壁面16bと、第1ガラス基板13と対向する対向面14aのうちの当該周壁部16の内側に位置する箇所と、により規定される。すなわち、受入凹所19は、第2ガラス基板14において、その対向面14aの周辺部から突出された環状の周壁部16が設けられることにより、相対的に凹んでいる箇所である。この受入凹所19は、後述するように第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とがガラスフリット接合されると、第1ガラス基板13の一表面13aと協働して、枠体11の内側に空洞箇所21を形成している。このため、遮光膜18は、本実施例では、枠体11の内側の空洞箇所21に設けられている。
遮光膜18は、本実施例では、第2ガラス基板14において対向面14aとは反対側の裏面14bからレーザ光L(図4参照)が照射されることを想定して配置位置が設定されている。その遮光膜18は、受入凹所19(空洞箇所21)において、第2ガラス基板14(その対向面14a)と周壁部16(その内周壁面16b)とにより形成される隅部19aで、その周壁部16(内周壁面16b)に沿って全周に亘って設けられている。すなわち、遮光膜18は、第2ガラス基板14の対向面14aから突出された周壁部16の突出基部の内周壁面16bに全周に亘って接するように、その対向面14aに設けられている。換言すると、遮光膜18は、受入凹所19(空洞箇所21)内の対向面14aの全面に渡って設けるのではなく、後述するように照射されるレーザ光L(図4参照)が有機EL素子12を照射することを防止する観点から、最低限必要な大きさとしている。この遮光膜18は、後述するガラスフリット22を溶融させるレーザ光L(図4参照)が照射された場合であっても、接着の効果が損なわれることのない接着材料を用いて、対向面14aと内周壁面16bとの少なくとも一方に取り付けられている。なお、遮光膜18は、上記したレーザ光Lが照射されても脱落することのないものであれば、他の方法によって取り付けられていても良く、本実施例の構成に限定されるものではない。また、遮光膜18は、上記したレーザ光Lが照射される際、当該レーザ光Lが枠体11(その周壁部16の内方)の有機EL素子12を照射することを防止すべく当該レーザ光Lの一部を遮るものであればよく、本実施例の配置位置および構成に限定されるものではない。
このような構成とされた第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とは、一表面13aと対向面14aとを対向させつつ、一表面13aの周辺部13cに周壁部16の突出端16aが宛がわれて接合されることで、枠体11を形成する。この第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とは、本実施例では、周辺部13cに設けられた凹み構造15と、周壁部16の突出端16aに設けられた突起構造17と、がガラスフリット22を用いて接合(ガラスフリット接合)されて枠体11を形成する。すなわち、枠体11は、ガラスフリット22により形成された接合部23を介して凹み構造15と突起構造17とが全周に亘って接合されることにより、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とが接合されて形成される。
そのガラスフリット22は、溶融されて固化することで第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを接合させる(所謂溶着)ものである。ガラスフリット22では、熱膨張係数を、接合(ガラスフリット接合)する第1ガラス基板13および第2ガラス基板14の熱膨張係数に揃えることができる材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、コバールガラスを挙げることができる。ここで、熱膨張係数を揃えるとは、双方の熱膨張係数を完全に一致させることに限定されるものではなく略等しい値であることも含むものであり、双方の熱膨張係数の差異をできるだけ小さくなるように材料を選択することを趣旨としている。
このガラスフリット22は、本実施例では、第1ガラス基板13の周辺部13cの凹み構造15の内表面、あるいは第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aの突起構造17の外表面に全周に亘り予め設けられる。ガラスフリット22は、凹み構造15の内表面あるいは突起構造17の外表面に塗布され、その後に乾燥および焼成されることにより、当該内表面あるいは当該外表面に設けられる。このガラスフリット22は、図2に示す例では、第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aの突起構造17の外表面に設けられている。この第2ガラス基板14と第1ガラス基板13とが後述するようにガラスフリット22を用いて接合(ガラスフリット接合)されて形成された枠体11では、周壁部16の内方に有機EL素子12が設けられることで発光装置10を構成する。
その有機EL素子12は、第1ガラス基板13の一表面13a側に配置されて設けられており、第1ガラス基板13側から陽極31(第1電極)と有機EL層32と陰極33(第2電極)とが積層されて構成されている。すなわち、有機EL素子12では、陽極31が第1ガラス基板13の一表面13aに積層されており、当該陽極31から見て第1ガラス基板13側とは反対側で、有機EL層32を介して陰極33が陽極31と対向している。
その有機EL素子12では、陽極31が少なくとも有機EL層32から放出される光の透過を許す(透光性を有する)材料で形成(透明電極とする)される。また、有機EL素子12では、陰極33が少なくとも有機EL層32から放出される光を反射する(反射性を有する)材料で形成(有機EL層32からの光を反射する電極とする)される。そして、有機EL層32は、陽極31と陰極33との間に電圧が印加されると、エネルギーを光として放出(発光)する。その放出された光は、一部が直接陽極31へと向かい、かつ他部が陰極33で反射された後に陽極31へと向かうことで、その陽極31を通して外部に出射する。このため、有機EL素子12では、陽極31側から光を取り出す、すなわち陽極31側から光を出射させる構成とされている。そして、有機EL素子12では、有機EL層32における陽極31と陰極33との間に位置する箇所、すなわち積層された方向で見て陽極31と有機EL層32と陰極33とが重複している箇所が、発光部として機能する。
なお、有機EL素子12では、陽極31と陰極33との配置を逆にし、陰極33を透明電極とするとともに、陽極31を有機EL素子12からの光を反射する電極としてもよい。その場合には、有機EL素子12では、陰極33側から光を取り出す、すなわち陰極33側から光を出射させる。この場合であっても、有機EL素子12では、有機EL層32において、陽極31と陰極33との間に位置する領域が発光部として機能する。
その陽極31は、有機EL層32(その後述する発光層)中にホール(正孔)を注入するための電極である。陽極31は、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましい。また、陽極31は、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなり過ぎないように、仕事関数が4eV以上6eV以下のものを用いるのが好ましい。陽極31の電極材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化スズ、酸化亜鉛、IZO(Indium Zinc Oxide)、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子を挙げることができる。また、陽極31の電極材料としては、例えば、任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブ等の導電性光透過性材料を挙げることができる。このような陽極31は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法等によって、薄膜として第1ガラス基板13の一表面13a側に形成することができる。
その陽極31上に設けられる有機EL層32は、当該陽極31側から順に、ホール輸送層、発光層および電子輸送層を備える。この有機EL層32では、陽極31と陰極33との間に電圧が印加されることでそれぞれからホール(正孔)と電子とが注入され、その注入されたホールと電子とがそれぞれホール輸送層または電子輸送層を通過して発光層で結合する。そして、有機EL層32では、結合によるエネルギーで発光層の発光材料が励起され、その励起状態から再び基底状態に戻る際に光を発生する。これにより、有機EL層32では、陽極31と陰極33との間に電圧が印加されることで、エネルギーを光として放出(発光)する。
そのホール輸送層は、ホール輸送性を有する化合物の群から選定した材料を用いて形成することができる。このような化合物としては、例えば、4,4'−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4',4"−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNB等のアリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができる。このような材料からなるホール輸送層は、蒸着法、転写法等の乾式プロセスによって形成(成膜)したり、スピンコート法、ダイコート法およびグラビア印刷法等の湿式プロセスによって形(成膜)成したりすることができる。
ここで、有機EL層32では、必要に応じて、陽極31とホール輸送層との間にホール注入層を設けてもよい。そのホール注入層は、ホール注入性の有機材料、金属酸化物、いわゆるアクセプタ系の有機材料あるいは無機材料、p−ドープ層などを用いて形成することができる。ホール注入性の有機材料とは、ホール輸送性を有し、また仕事関数が5.0〜6.0eV程度であり、陽極31との強固な密着性を示す材料などがその例であり、例えば、CuPc、スターバーストアミン等である。ホール注入性の金属酸化物とは、例えば、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム、チタン、アルミニウムのいずれかを含有する金属酸化物である。また、1種の金属のみの酸化物ではなく、例えば、インジウムとスズ、インジウムと亜鉛、アルミニウムとガリウム、ガリウムと亜鉛、チタンとニオブなど、上記のいずれかの金属を含有する複数の金属の酸化物であってもよい。このような材料からなるホール注入層は、蒸着法、転写法等の乾式プロセスによって形成(成膜)したり、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などの湿式プロセスによって形成(成膜)したりすることができる。
発光層は、有機EL素子用の材料として知られる任意の材料を用いて形成することができる。そのような材料としては、例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体および各種蛍光色素等を挙げることができる。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、上記した化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。このような材料からなる発光層は、蒸着法、転写法等の乾式プロセスによって形成(成膜)したり、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法等の湿式プロセスによって形成(成膜)したりすることができる。
電子輸送層は、電子輸送性を有する化合物の群から選定した材料を用いて形成することができる。このような化合物としては、例えば、Alq3等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物等を挙げることができる。このような材料からなる電子輸送層は、蒸着法、転写法等の乾式プロセスによって形成(成膜)したり、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法等の湿式プロセスによって形成(成膜)したりすることができる。
ここで、有機EL層32では、必要に応じて、陰極33と電子輸送層との間に電子注入層を設けてもよい。その電子注入層は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウム等の金属フッ化物、塩化ナトリウムや塩化マグネシウム等の金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、シリコン等の各種金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物など、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化シリコン、窒化ホウ素等の絶縁物となるものや、SiO2やSiO等の珪素化合物、炭素化合物等を用いて形成することができる。このような材料からなる電子注入層は、真空蒸着法やスパッタ法等により、薄膜状に形成(成膜)することができる。
なお、この有機EL層32は、本実施例の積層構造に限定されるものではなく、例えば、発光層の単層構造や、ホール輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層との積層構造や、ホール輸送層と発光層との積層構造や、発光層と電子輸送層との積層構造等でもよい。また、発光層は、単層構造でもよく、多層構造でもよい。その発光層は、例えば、所望の発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよい。同様に、発光層は、所望の発光色が白色の場合には、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。
陰極33は、有機EL層32(その発光層)中に電子を注入するための電極である。その陰極33は、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましい。また、陰極33は、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように、仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。このような陰極33の電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、金、銅、クロム、モリブデン、パラジウム、錫等を挙げることができる。また、陰極33の電極材料としては、これらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を挙げることができる。さらに、陰極33の電極材料としては、金属の導電材料、金属酸化物等、およびこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる極薄膜とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。なお、その酸化アルミニウムからなる極薄膜とは、例えば、トンネル注入により電子を流すことが可能な1nm以下の薄膜をいう。このような陰極33は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法等によって、有機EL層32上に形成することができる。ここで、有機EL素子12を、陰極33側から光を取り出す構成、すなわち陰極33側から光を出射させる構成とする場合には、例えば、陰極33をITOやIZO等を用いて形成すればよい。
本実施例では、第1ガラス基板13の一表面13aに陽極引出配線34と陰極引出配線35とが設けられる。その陽極引出配線34は、一端が有機EL素子12の陽極31と電気的に接続され、他端(34a)が第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とがガラスフリット接合されて形成された枠体11における周壁部16の外側に位置されている。その陽極引出配線34の他端は、発光装置10の外部から有機EL素子12の陽極31に電力を供給する端子としての陽極側外部接続電極34aを構成する。その陽極側外部接続電極34aは、枠体11における周壁部16の外側、すなわち第2ガラス基板14が第1ガラス基板13よりも一回り小さく設定されていることにより形成された段差箇所に位置されている。
この陽極引出配線34は、本実施例では、陽極31と同じ材料で形成している。そして、陽極引出配線34は、第1ガラス基板13の一表面13aに陽極31を形成する際に、当該陽極31と同一厚さで同時に形成している。このとき、陽極引出配線34は、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに設けられた凹み構造15(その内表面)においても一表面13a上と等しい厚さ寸法で設けられる。このように、陽極31と陽極引出配線34とは、同一の材料により同一厚さで同時に形成されているので、異種材料により別々に形成する場合と比較して、製造プロセスの簡略化や材料コストの低減等による低コスト化を図ることができる。
陰極引出配線35は、一端が有機EL素子12の陰極33と電気的に接続され、他端(35a)が後述するように第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とがガラスフリット接合されて形成された枠体11における周壁部16の外側に位置されている。その陽極引出配線34の他端は、発光装置10の外部から有機EL素子12の陰極33に電力を供給する端子としての陰極側外部接続電極35aを構成する。その陰極側外部接続電極35aは、枠体11における周壁部16の外側、すなわち第2ガラス基板14が第1ガラス基板13よりも一回り小さく設定されていることにより形成された段差箇所に位置されている。
また、陰極引出配線35は、本実施例では、陰極33と同じ材料で形成している。そして、陰極引出配線35は、有機EL素子12の有機EL層32に陰極33を形成する際に、当該陰極33と同一厚さで同時に第1ガラス基板13の一表面13aに形成している。このとき、陰極引出配線35は、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに設けられた凹み構造15(その内表面)においても一表面13a上と等しい厚さ寸法で設けられる。このように、陰極33と陰極引出配線35とは、同一の材料により同一厚さで同時に形成されているので、異種材料により別々に形成する場合と比較して、製造プロセスの簡略化や材料コストの低減等による低コスト化を図ることができる。
なお、陽極引出配線34および陰極引出配線35では、他端の陽極側外部接続電極34aおよび陰極側外部接続電極35aを、陽極31と同じ透光性を有する材料(先の例ではITO膜、IZO膜等)で透明導電膜として形成してもよい。また、陽極側外部接続電極34aおよび陰極側外部接続電極35aは、発光装置10の外部から陽極31と陰極33との間に電圧を印加することを可能とするものであれば、材料は特に限定するものではなく、陽極31と異なる材料により形成してもよい。そして、陽極側外部接続電極34aおよび陰極側外部接続電極35aは、単層構造に限定されるものではなく、多層構造としてもよい。
この発光装置10は次のように製造される。先ず、第1ガラス基板13の一表面13a上に有機EL素子12を形成する有機EL素子形成工程を行う。この有機EL素子形成工程では、陽極引出配線34(その他端の陽極側外部接続電極34a)および陰極引出配線35(その他端の陰極側外部接続電極35a)も併せて形成する。有機EL素子形成工程では、先ず、一表面13a上に陽極31(第1電極)と陽極引出配線34と陽極側外部接続電極34aとを形成し、その陽極31(第1電極)上に有機EL層32(本実施例では、ホール輸送層、発光層および電子輸送層)を形成する。その後、有機EL素子形成工程では、有機EL層32上に陰極33(第2電極)を形成するとともに、一表面13a上に陰極引出配線35と陰極側外部接続電極35aとを形成する。この各部の形成は、各々上述した方法により行うことができる。これにより、第1ガラス基板13の一表面13a上に有機EL素子12を形成することができる(図2参照)。
この有機EL素子形成工程の後、そこで形成された第1ガラス基板13上の有機EL素子12を第2ガラス基板14で気密状態とする気密封止工程を行う。この気密封止工程では、先ず有機EL素子12が形成された第1ガラス基板13を、低露点(例えば、露点−86℃)に管理されたドライ窒素雰囲気のグローブボックス内に大気に曝すことなく移動させる。続いて、気密封止工程では、グローブボックス内において、その第1ガラス基板13の一表面13aに対向面14aを対向させるように当該第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを対向させる(図2参照)。このとき、その第1ガラス基板13の一表面13aに設けた有機EL素子12を周壁部16の内方すなわち受入凹所19内に位置させつつ、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aを宛がう。そして、その第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに設けた凹み構造15内に、第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aに設けた突起構造17を挿入する。すると、凹み構造15と突起構造17とが上述した関係性に設定されているとともに、その突起構造17の外表面にはガラスフリット22が設けられていることから、その凹み構造15と突起構造17とがガラスフリット22を介して適切に嵌り合う。これにより、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とは、ガラスフリット22を介して凹み構造15と突起構造17とを嵌め合わせた状態で積層される(図4等参照)。
続いて、気密封止工程では、積層された第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とを加圧して固定する。その後、気密封止工程では、嵌め合わせた凹み構造15と突起構造17との間に位置するガラスフリット22に、図4に示すように、レーザ照射装置24を用いてレーザ光Lを照射する。このレーザ照射装置24は、照射によりガラスフリット22を溶融することができる光を発するものを光源としており、本実施例では一例としてYAGレーザを光源としている。本実施例の気密封止工程では、第2ガラス基板14の裏面14b側から、積層方向に直交する方向におけるガラスフリット22すなわちそれが設けられた突起構造17と一致する位置で、レーザ照射装置24を用いてレーザ光Lを照射する。
このため、レーザ光Lは、裏面14b側から第2ガラス基板14内に入射し、その周壁部16を透過して突出端16aに設けた突起構造17に至り、その突起構造17を透過して当該突起構造17に設けたガラスフリット22へと至る。これにより、ガラスフリット22は、突起構造17と凹み構造15との間で溶融されて固化することにより、接合部23を形成する。その接合部23は、突起構造17と凹み構造15とを接合(所謂溶着)させる。この気密封止工程では、ガラスフリット22が長方形を描く環状を呈する突起構造17の外表面に全周に亘って設けられていることから、当該ガラスフリット22へのレーザ光Lの照射を全周に亘って行う。
この状態において、陽極引出配線34は、凹み構造15(その内表面)に設けられることにより、周壁部16の内側(空洞箇所21(受入凹所19))から、周壁部16の外側(枠体11の外側)へと至るものとされている。同様に、陰極引出配線35は、凹み構造15(その内表面)に設けられることにより、周壁部16の内側(空洞箇所21(受入凹所19))から、周壁部16の外側(枠体11の外側)へと至るものとされている。すなわち、陽極引出配線34および陰極引出配線35は、その一部を凹み構造15(その内表面)に設けることにより、枠体11の内方(空洞箇所21)から外方へと引き出されている。
ここで、そのレーザ光Lは、所定の広がり角を有するものとされている。このため、レーザ光Lの一部(二点鎖線で示す符号Lp参照)は、周壁部16よりも内側へ向かおうとする。ところが、第2ガラス基板14(その受入凹所19)に遮光膜18が設けられていることから、そのレーザ光Lの一部(Lp)は遮光膜18により遮られる。このため、レーザ光Lは、遮光膜18により、第1ガラス基板13の一表面13aに設けられた有機EL素子12を照射することが防止されている。
これにより、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とは、凹み構造15と突起構造17とが全周に亘って接合部23(ガラスフリット22)により接合されて、すなわちガラスフリット接合されて、枠体11を形成する。これにより、枠体11では、第1ガラス基板13の一表面13a上に設けられた有機EL素子12が、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14との間であって周壁部16の内方すなわち空洞箇所21(受入凹所19)内で気密状態とされる。これにより、枠体11の内方に有機EL素子12が気密状態とされて設けられた発光装置10が製造される。すなわち、この発光装置10では、空洞箇所21(受入凹所19)に気密状態で有機EL素子12が設けられて構成されている。
なお、本実施例の発光装置10の製造方法では、有機EL素子形成工程において、陽極引出配線34(その他端の陽極側外部接続電極34a)および陰極引出配線35(その他端の陰極側外部接続電極35a)も併せて形成している。しかしながら、有機EL素子形成工程では、有機EL素子12のみを形成するものとしてよい。その場合、当該有機EL素子形成工程の後に、陽極引出配線34および陰極引出配線35を形成する引出配線形成工程や、陽極側外部接続電極34aおよび陰極側外部接続電極35aを形成する外部接続電極形成工程を行うものとすればよい。
次に、第1ガラス基板と第2ガラス基板とで構成される枠体の内方に有機EL素子が気密状態とされて設けられて構成される発光装置の従来の技術の課題について、図5および図6を用いて説明する。その図5は、従来の発光装置50の構成を概略的に示す図1と同様の説明図である。図6は、従来の発光装置50を製造する際の気密封止工程の様子を示す図4と同様の説明図である。なお、従来の技術の課題は、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とに凹み構造15と突起構造17と遮光膜18とを設けていないものすると、発光装置10でも同様の問題点が生じるものである。このため、発光装置50では、基本的に発光装置10と同様の構成とし、等しい構成の個所には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
上述したように、この発光装置50では、図5に示すように、第2ガラス基板14の受入凹所19(空洞箇所21)に遮光膜18(図1等参照)が設けられていない。これに伴って、発光装置50では、周壁部16の内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d1が、発光装置10における同様の間隔d2(図1参照)よりも大きなものとされている。これについては後に説明する。
また、上述したように、発光装置50では、第1ガラス基板13の周辺部13cに凹み構造15が設けられておらず、かつ第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aに突起構造17が設けられていない。すなわち、発光装置50では、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cが、当該一表面13aにおける他の箇所と等しい平坦面を形成すべく平坦とされている。また、発光装置50では、第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aが、平坦とされて周辺部13cと面で接触することが可能とされている。これに伴って、発光装置50では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d3(周壁部16が伸びる方向(周方向)に直交する方向で見た厚さ寸法)が、発光装置10における同様の幅寸法d4(図1参照)よりも大きなものとされている。これについては後に説明する。発光装置50では、その平坦な突出端16aにガラスフリット22が設けられている。
この発光装置50では、発光装置10と同様の有機EL素子形成工程により、第1ガラス基板13の一表面13a上に有機EL素子12を形成する。このとき、発光装置50では、発光装置10と同様に、陽極引出配線34(その他端の陽極側外部接続電極34a)および陰極引出配線35(その他端の陰極側外部接続電極35a)も併せて形成する。
その後、発光装置50では、発光装置10と同様の気密封止工程を行う。発光装置50では、この気密封止工程において、図6に示すように、第2ガラス基板14の裏面14b側から、ガラスフリット22すなわちそれが設けられた突出端16aと一致する位置で、レーザ照射装置24を用いてレーザ光Lを照射する。ここで、そのレーザ光Lは、所定の広がり角を有するものとされていることから、当該レーザ光Lの一部が周壁部16よりも内側へ向かおうとする。そして、第1ガラス基板13の一表面13aに設けられた有機EL素子12は、レーザ光Lが照射されると熱せられることにより劣化が生じてしまう(所謂熱劣化)虞がある。このため、発光装置50では、周壁部16の内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d1を、ガラスフリット22を溶融させるべく照射されるレーザ光Lを有機EL素子12に到達させないための十分な大きさとする必要がある。これにより、発光装置50では、有機EL素子12から周壁部16の内周壁面16bまでの間隔d1の増大を招いてしまう。
また、発光装置50では、上記した気密封止工程により、ガラスフリット22が、突出端16aと周辺部13cとの間で溶融されて固化することにより、その突出端16aと周辺部13cとを接合(所謂溶着)させる接合部25を形成する。ここで、接合部25では、ガラスフリット接合のための各条件が等しいものとすると、接合部25における封止距離により密閉性(封止性能)が変化する。そのガラスフリット接合のための各条件とは、ガラスフリット22の種類やレーザ光Lの出力および種類等を言う。また、封止距離は、突出端16aと周辺部13cとの間において、周壁部16の内方(受入凹所19(空洞箇所21))と外方(枠体11の外方)とを結ぶ最短距離となる。この封止距離は、発光装置50では、ガラスフリット22が設けられた突出端16a(周壁部16)の幅寸法d3となる。このため、発光装置50では、封止距離すなわち幅寸法d3を、接合部25(ガラスフリット22)により十分な密閉性能(封止性能)を確保することを可能とする大きさとする必要がある。これにより、発光装置50では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d3の増大を招いてしまう。この例では、幅寸法d3として約1mmを確保する必要がある。
このように、発光装置50(その枠体11)では、間隔d1および幅寸法d3の増大を招いてしまう。このため、発光装置50では、有機EL素子12の大きさ寸法を等しいものとすると、間隔d1を確保することと、幅寸法d3の突出端16a(周壁部16)を設けることと、のために第2ガラス基板14の大きさ寸法の増大を招いてしまう。そして、発光装置50では、第2ガラス基板14の大きさ寸法の増大に伴って、第1ガラス基板13の大きさ寸法も増大させる必要があるので、結果として全体のサイズ(チップサイズ)の増大を招いてしまう。逆に、発光装置50では、全体のサイズ(チップサイズ)を等しいものとすると、間隔d1を確保することと、幅寸法d3の突出端16a(周壁部16)を設けることと、のために有機EL素子12を設けることのできる領域が狭まってしまう。このため、発光装置50では、有機EL素子12における発光面積の低減を招いてしまい、全体のサイズ(チップサイズ)に対する発光面積の割合の減少を招いてしまう。
これに対して、本願発明に係る発光装置の一実施例としての発光装置10では、枠体11において、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに凹み構造15を設け、かつ第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aに突起構造17を設けている。その枠体11(発光装置10)では、凹み構造15と突起構造17との間に設けたガラスフリット22により、凹み構造15すなわち第1ガラス基板13と突起構造17すなわち第2ガラス基板14とをガラスフリット接合する接合部23を形成している。この接合部23では、突出端16aと周辺部13cとの間において、周壁部16の内方(受入凹所19(空洞箇所21))と外方(枠体11の外方)とを結ぶ最短距離である封止距離を、凹み構造15と突起構造17との隙間に沿うものとすることができる。その凹み構造15は周辺部13cを部分的に凹ませて形成されており、かつ突起構造17は突出端16aから突出されて形成されていることから、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を増大させることなく封止距離を大きくすることができる。このため、枠体11(発光装置10)では、発光装置50(その枠体11)のように平坦な突出端16aが周辺部13cに宛がわれる構成と比較して、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を増大させることなく、十分な封止距離を確保することができる。換言すると、枠体11(発光装置10)では、等しい封止距離を確保するものとすると、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を低減することができる。よって、枠体11(発光装置10)では、発光装置50(その突出端16a(周壁部16)の幅寸法d3)と比較して、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を小さなものとすることができる。
また、枠体11(発光装置10)では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を小さなものとすることができるので、有機EL素子12の大きさ寸法を等しいものとすると、全体のサイズ(チップサイズ)の縮小化を図ることができる。また、枠体11(発光装置10)では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を小さなものとすることができるので、全体のサイズ(チップサイズ)を等しいものとすると、有機EL素子12における発光面積の増大を図ることができる。
さらに、枠体11(発光装置10)では、周辺部13cの周方向で見た凹み構造15と突起構造17との形状(周方向に直交する断面形状)をV字形状としている。このため、枠体11(発光装置10)では、簡易な構成で封止距離を大きくすることができ、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を増大させることを防止することができる。
枠体11(発光装置10)では、周辺部13cの周方向で見た凹み構造15と突起構造17との形状(周方向に直交する断面形状)をV字形状としていることから、凹み構造15と突起構造17との隙間を適切で一定の大きさとすることを、容易なものとすることができる。このため、枠体11(発光装置10)では、当該隙間に設けたガラスフリット22による接合部23をより適切に形成することができる。これにより、枠体11(発光装置10)では、凹み構造15すなわち第1ガラス基板13と、突起構造17すなわち第2ガラス基板14と、を、より適切にガラスフリット接合することができる。
枠体11(発光装置10)では、凹み構造15(第1ガラス基板13)と突起構造17(第2ガラス基板14)とをより適切にガラスフリット接合することができるので、製造時の気密封止工程における歩留まりの向上を図ることができる。
発光装置10は、上記した効果を有する枠体11における周壁部16(受入凹所19(空洞箇所21))の内方に、有機EL素子12が設けられて構成されている。そして、発光装置10では、周壁部16(受入凹所19(空洞箇所21))の内方における密閉性能(封止性能)が十分に確保されている。このため、発光装置10では、有機EL素子12が外部から侵入する水分や酸素の影響で寿命が短くなることを防止することができ、延いては全体として寿命を長いものとすることができ、商品の信頼性を高めることができる。
発光装置10は、上記した効果を有する枠体11における周壁部16(受入凹所19(空洞箇所21))の内方に、有機EL素子12が設けられて構成されている。そして、発光装置10では、枠体11を構成する第2ガラス基板14に、遮光膜18が設けられている。その遮光膜18は、凹み構造15と突起構造17と間に設けられたガラスフリット22を溶融すべく照射されるレーザ光Lが、有機EL素子12を照射することを遮る。すなわち、発光装置10では、凹み構造15と突起構造17とをガラスフリット接合すべくガラスフリット22にレーザ光Lを照射しても、周壁部16よりも内側へ向かおうとする当該レーザ光Lの一部(Lp)を遮光膜18により遮ることができる。これにより、発光装置10では、有機EL素子12を周壁部16の内周壁面16bに近付けることができるので、当該内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2を小さくしつつレーザ光Lが有機EL素子12に到達することを防止することができる。よって、発光装置10では、発光装置50(その内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d1)と比較して、内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2を小さなものとすることができる。
発光装置10では、内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2を小さなものとすることができるので、有機EL素子12の大きさ寸法を等しいものとすると、全体のサイズ(チップサイズ)の縮小化を図ることができる。また、発光装置10では、内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2を小さなものとすることができるので、全体のサイズ(チップサイズ)を等しいものとすると、有機EL素子12における発光面積の増大を図ることができる。
発光装置10では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4と、内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2と、を小さなものとすることができる。このため、発光装置10では、有機EL素子12の大きさ寸法を等しいものとすると、全体のサイズ(チップサイズ)をより縮小化させることができる。また、発光装置10では、全体のサイズ(チップサイズ)を等しいものとすると、有機EL素子12における発光面積をより増大させることができる。
発光装置10では、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4と、内周壁面16bから有機EL素子12までの間隔d2と、を小さなものとすることができる。このため、発光装置10では、複数個を並べて使用する照明器具を構成した場合であっても、隣り合う発光箇所の距離を極めて狭くすることができ、点灯時の見栄えを良好なものとすることができる。
発光装置10では、第2ガラス基板14において対向面14aとは反対側の裏面14b側からレーザ光Lが照射されることを想定して、遮光膜18の配置位置を設定している。このため、発光装置10では、例えば、積層方向と直交する方向からレーザ光Lが照射されることを想定した場合と比較して、遮光膜18の大きさ寸法を小さなものとしつつレーザ光Lが有機EL素子12に到達することを防止することができる。これにより、発光装置10では、より効率良く遮光膜18を設けることができる。
発光装置10では、第2ガラス基板14において、周壁部16に取り囲まれた受入凹所19(空洞箇所21)に遮光膜18を設けている。このため、発光装置10では、遮光膜18を設けることを容易なものとすることができ、凹み構造15と突起構造17と間に設けられたガラスフリット22を溶融すべく照射されるレーザ光Lを遮ることをより確実なものとすることができる。
発光装置10では、第2ガラス基板14(その対向面14a)と周壁部16(その内周壁面16b)とにより形成される受入凹所19の隅部19aに遮光膜18を設けている。このため、発光装置10では、第2ガラス基板14の裏面14b側からガラスフリット22(突起構造17)と一致する位置で照射されたレーザ光Lの一部、すなわち周壁部16よりも内側へ向かうものを遮光膜18で遮ることを容易なものとすることができる。これにより、発光装置10では、凹み構造15と突起構造17と間に設けられたガラスフリット22を溶融すべく照射されるレーザ光Lが、有機EL素子12に到達することをより確実に防止することができる。
発光装置10では、遮光膜18を、周壁部16(内周壁面16b)に沿って全周に亘って設けている。このため、発光装置10では、受入凹所19(空洞箇所21)に設けられた有機EL素子12を確実に封止しつつ、当該有機EL素子12が熱劣化することを防止することができる。
発光装置10では、第2ガラス基板14(その対向面14a)と周壁部16(その内周壁面16b)とにより形成される受入凹所19の隅部19aに、周壁部16(内周壁面16b)に沿って全周に亘って遮光膜18を設けている。このため、発光装置10では、遮光膜18を、ガラスフリット22を溶融させるべく照射されるレーザ光Lが有機EL素子12を照射することを防止する観点から、最低限必要な大きさとしている。これにより、発光装置10では、受入凹所19(空洞箇所21)内の対向面14aの全面に渡って設けることなくレーザ光Lが有機EL素子12を照射することを防止することができ、効率良く遮光膜18を設けることができる。
発光装置10では、凹み構造15および突起構造17を、周壁部16(内周壁面16b)および周辺部13cに沿って全周に亘って設けている。このため、発光装置10では、受入凹所19(空洞箇所21)に設けられた有機EL素子12を確実に封止しつつ、全体のサイズ(チップサイズ)を縮小化させること、あるいは有機EL素子12における発光面積を増大させることができる。
発光装置10(枠体11)では、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14とガラスフリット22との熱膨張係数を揃えてあるので、第1ガラス基板13と第2ガラス基板14との接合信頼性を高めることができる。
発光装置10(枠体11)では、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに凹み構造15を設け、かつ第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aに突起構造17を設けている。また、発光装置10(枠体11)では、凹み構造15(その内表面)に、陽極引出配線34の一部と陰極引出配線35の一部とを設けることにより、陽極引出配線34および陰極引出配線35を枠体11の内方(空洞箇所21)から外方へと引き出している。このため、発光装置10(枠体11)では、陽極引出配線34および陰極引出配線35を断線させることなく、凹み構造15と突起構造17とを設けることができ、その凹み構造15と突起構造17とをガラスフリット接合させることができる。これにより、発光装置10(枠体11)では、陽極引出配線34および陰極引出配線35を適切かつ容易に設けることを可能としつつ、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4の増大を招くことなく封止距離を確保することができる。
したがって、本発明に係る実施例の枠体(発光装置)としての枠体11(発光装置10)では、チップサイズの縮小化を図ること、もしくは有機EL素子12における発光面積の増大を図ることを可能とすることができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る発光装置のための枠体の一例としての枠体11について説明したが、第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板に対向されて配置され、前記第1ガラス基板へ向けて突出する周壁部が設けられ、前記周壁部の突出端が前記第1ガラス基板の周辺部に宛がわれてガラスフリット接合により前記第1ガラス基板と接合される第2ガラス基板と、を備え、前記突出端と前記周辺部とのいずれか一方には、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方へ向けて突出する突起構造が設けられ、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方には、前記突起構造の表面形状に沿って凹む凹み構造が設けられている枠体であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。また、上記した実施例では、本発明に係る発光装置の一例としての発光装置10について説明したが、第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板に対向されて配置され、前記第1ガラス基板へ向けて突出する周壁部が設けられ、前記周壁部の突出端が前記第1ガラス基板の周辺部に宛がわれてガラスフリット接合により前記第1ガラス基板と接合される第2ガラス基板と、を備え、前記突出端と前記周辺部とのいずれか一方には、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方へ向けて突出する突起構造が設けられ、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方には、前記突起構造の表面形状に沿って凹む凹み構造が設けられている枠体と、その枠体における周辺部の内方に設けられた有機EL素子と、を備える発光装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、第1ガラス基板13の一表面13aの周辺部13cに凹み構造15を設け、かつ第2ガラス基板14の周壁部16の突出端16aに突起構造17を設けていた。しかしながら、図7に示す発光装置10A(枠体11A)のように、第1ガラス基板13Aの一表面13aの周辺部13cに突起構造17Aを設け、かつ第2ガラス基板14Aの周壁部16の突出端16aに凹み構造15Aを設けるものとしてもよい。この発光装置10Aでは、枠体11Aとしての第1ガラス基板13Aと第2ガラス基板14Aとが接合される箇所における凹凸の関係性が逆転したのみであるので、上記した発光装置10(枠体11)と同様の効果を得ることができる。なお、この枠体11A(発光装置10A)では、周辺部13cに設けられた突起構造17A(その外表面)に、陽極引出配線34と陰極引出配線35とを設ける。これにより、陽極引出配線34と陰極引出配線35とは、上記した発光装置10(枠体11)と同様に、周壁部16の内側(空洞箇所21(受入凹所19))から、周壁部16の外側(枠体11の外側)へと至るものとされる。
さらに、上記した実施例では、第1ガラス基板13に設けた凹み構造15と第2ガラス基板14に設けた突起構造17との周辺部13cの周方向で見た形状(周方向に直交する断面形状)をV字形状としていた。しかしながら、平坦な突出端16aが周辺部13cに宛がわれる構成と比較して、突出端16a(周壁部16)の幅寸法d4を増大させることなく接合部23において十分な封止距離を確保するができるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。このようなものとして、例えば、図8に示す発光装置10B(枠体11B)のように、周辺部13cの周方向で見た第1ガラス基板13Bの凹み構造15Bと第2ガラス基板14Bの突起構造17Bとの形状(周方向に直交する断面形状)をU字形状とすることができる。この発光装置10B(枠体11B)では、U字形状の凹み構造15Bと突起構造17Bとが、V字形状とした場合と同様に簡易に形成することができるので、上記した発光装置10(枠体11)と同様の効果を得ることができる。加えて、このようにU字形状とした場合であっても、図7に示す発光装置10A(枠体11A)と同様に、第1ガラス基板13Bの一表面13aの周辺部13cに突起構造(17B)を設け、かつ第2ガラス基板14Bの周壁部16の突出端16aに凹み構造(15B)を設けるものとしてもよい。
上記した実施例では、第1ガラス基板13および第2ガラス基板14の平面視形状を矩形状としていたが、その平面視形状は例えば、円形状、三角形状、五角形状、六角形状のように適宜設定すればよく、本実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、遮光膜18が、基本的に第2ガラス基板14の対向面14aに沿って設けられており、第2ガラス基板14(その対向面14a)と周壁部16(その内周壁面16b)とにより形成される隅部19aに設けられていた。しかしながら、遮光膜18は、ガラスフリット22を溶融すべく照射されるレーザ光Lを遮ることを可能とするものであればよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明の枠体およびそれを用いた発光装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10 発光装置
11 枠体
12 有機EL素子
13 第1ガラス基板
13c 周辺部
14 第2ガラス基板
16 周壁部
16a 突出端
14a 対向面
15 凹み構造
17 突起構造
18 遮光膜
19 受入凹所
19a 隅部
22 ガラスフリット
34 陽極引出配線
35 陰極引出配線
特開2005−092258号公報

Claims (10)

  1. 第1ガラス基板と、
    前記第1ガラス基板に対向されて配置され、前記第1ガラス基板へ向けて突出する周壁部が設けられ、前記周壁部の突出端が前記第1ガラス基板の周辺部に宛がわれてガラスフリット接合により前記第1ガラス基板と接合される第2ガラス基板と、を備え、
    前記突出端と前記周辺部とのいずれか一方には、前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方へ向けて突出する突起構造が設けられ、
    前記突出端と前記周辺部とのいずれか他方には、前記突起構造の表面形状に沿って凹む凹み構造が設けられていることを特徴とする枠体。
  2. 請求項1に記載の枠体と、
    前記枠体における前記周辺部の内方で前記第1ガラス基板に設けられた有機EL素子と、を備えることを特徴とする発光装置。
  3. 前記第2ガラス基板では、挿入されて互いに向き合う前記突起構造と前記凹み構造との間に設けられたガラスフリットを溶融すべく照射したレーザ光が、前記有機EL素子を照射することを遮る遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記遮光膜は、前記第2ガラス基板において前記第1ガラス基板と対向される対向面とは反対側から照射したレーザ光が、前記有機EL素子を照射することを遮るべく設けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記遮光膜は、前記周壁部に取り囲まれた受入凹所において、前記第2ガラス基板と前記周壁部とにより形成される隅部に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記遮光膜は、前記枠体の全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記突起構造および前記凹み構造は、前記周壁部の周方向で見て、V字形状を呈することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記突起構造および前記凹み構造は、前記周壁部の周方向で見て、U字形状を呈することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記突起構造および前記凹み構造は、前記枠体の全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第1ガラス基板には、前記有機EL素子の陽極と電気的に接続されて前記枠体における前記周壁部の外側に引き出された陽極引出配線と、前記有機EL素子の陰極と電気的に接続されて前記枠体における前記周壁部の外側に引き出された陰極引出配線と、が設けられ、
    前記陽極引出配線および前記陰極引出配線は、前記第1ガラス基板の前記周辺部に設けられた前記突起構造または前記凹み構造のいずれか一方の表面に設けられることで、前記周壁部の内側から外側へと至ることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の発光装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017208431A (ja) * 2016-05-18 2017-11-24 日本電気硝子株式会社 紫外線発光素子用カバーガラス及び発光装置
JP2019179175A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 京セラ株式会社 基板および基板の製造方法
JP2021064520A (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 セイコーエプソン株式会社 発光装置および電子機器

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