JP2015115134A - 非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015115134A JP2015115134A JP2013254943A JP2013254943A JP2015115134A JP 2015115134 A JP2015115134 A JP 2015115134A JP 2013254943 A JP2013254943 A JP 2013254943A JP 2013254943 A JP2013254943 A JP 2013254943A JP 2015115134 A JP2015115134 A JP 2015115134A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- lithium
- fluorine
- positive electrode
- ether compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
【課題】 生産性、酸化耐性及びポリオレフィン系セパレータへの濡れ性に優れる非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】 下記一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物及びリチウム塩を含む非水電解液。【化1】(一般式(I)中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数2〜15のアルキル基を示し、nは2〜6の整数である。)【選択図】 図1
Description
本発明は、非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン電池の分野において、安全性向上の観点から、不燃性の非水電解液に、常温溶融塩、いわゆるイオン液体を用いることが試みられている。しかしながら、イオン液体には、粘度が高く、イオン導電率が低いという欠点がある。
その欠点を克服する方法として、特許文献1では、非対称構造を有するエーテル化合物をリチウムイオンのキャリヤーとして用いた非水電解液が提案されている。また、非特許文献1では、上記エーテル化合物の片末端にフッ素原子を導入する方法が提案されている。
博士論文「新規glyme−Li塩錯体の創製とリチウム系二次電池用電解質への応用」60〜71頁、田村崇、2010年(横浜国立大学,平成22年6月30日,博士(工学),甲第1291号)
しかしながら、引用文献1に記載されているようなテトラエチレングリコール系化合物を用いた非水電解液は、酸化耐性及びポリオレフィン系セパレータへの濡れ性に劣ることが、本発明者らの検討の結果明らかとなった。また、非特許文献1には、フッ素エーテル化合物が記載されているが、フッ素原子の導入法としてウイリアムソンエーテル合成法による中間体を経由する二段階反応で合成されており、該含フッ素エーテル化合物を工業的に製造するには、工程が煩雑で、生産性に劣る可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、生産性、酸化耐性及ポリオレフィン系セパレータへの濡れ性に優れる非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、電解液として特定の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩が有益であることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、前記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物及びリチウム塩を含む非水電解液。
(1)下記一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物及びリチウム塩を含む非水電解液。
(2)前記リチウム塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiSbF6及びLiN(C2F5SO2)2からなる群より選ばれる少なくとも一種である前記(1)に記載の非水電解液。
(3)正極、負極、セパレータ、及び前記(1)又は(2)に記載の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、生産性、酸化耐性及びポリオレフィン系セパレータへの濡れ性に優れる非水電解液を提供することができる。また、本発明は、このような非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<含フッ素分岐鎖状エーテル化合物>
本実施形態の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物は、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする。
<含フッ素分岐鎖状エーテル化合物>
本実施形態の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物は、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする。
一般式(I)中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数2〜15のアルキル基を示す。nは2〜6の整数である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示すR1としては特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のフルオロアルキル基;トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基等のクロロアルキル基を挙げることができる。上記アルキル基は、シアノ基、カルボニル基又はアルケニル基で置換されていてもよい。炭素数の少ないアルキル基であると、粘度がより低く、かつ、イオン導電率がより高くなる傾向があるため、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
また、置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を示すR2は、総炭素数が2〜4であれば置換されていてもよい。ここで、総炭素数とは、R2が置換基を有する場合には、該置換基の炭素原子も含む数である。総炭素数が5以上であると、イオン導電率が不十分となる傾向がある。置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、アルキル基、アリル基、エーテル基、エステル基、カルボキシ基及びシアノ基が挙げられる。R2の主鎖を構成する炭素数は、2〜4であることが好ましく、2であることがより好ましい。
R2としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の無置換アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基等のアルキル置換アルキレン基、テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基等のフルオロアルキレン基;テトラクロロエチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、1,1−ジクロロエチレン基等のクロロアルキレン基を挙げることができる。
R2としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の無置換アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基等のアルキル置換アルキレン基、テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基等のフルオロアルキレン基;テトラクロロエチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、1,1−ジクロロエチレン基等のクロロアルキレン基を挙げることができる。
少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数2〜15のアルキル基を示すR3は、フルオロアルキル基であることが好ましく、少なくとも1つのフッ素原子を有するエチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基であることがより好ましく、少なくとも1つのフッ素原子を有するエチル基又はプロピル基であることが更に好ましい。フルオロアルキル基は、塩素原子、シアノ基、カルボニル基、アルケニル基等の置換基を有していてもよい。R3としては特に限定されないが、例えば、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基を挙げることができる。粘度をより一層低減する観点から、R3は、R1と異なる基であることが好ましい。
nは2〜6の整数を示すが、nが0又は1であると、不燃性の効果が得られ難い傾向がある。また、nが6を超えると含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の粘度が高くなる傾向があり、該含フッ素分岐鎖状エーテル化合物を用いて調製した非水電解液の電極への浸透性が低下する傾向があり、低イオン導電率となりレート特性が低下する傾向がある。
一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物において、R1がメチル基であり、R2がエチレン基であり、nが3であり、かつ、R3がトリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基及びオクタフルオロペンチル基からなる群より選ばれる基であると、粘度をより低減し易い。
本発明に係る含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の粘度は、25℃において15mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがより好ましい。含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の粘度は、例えば、E型粘度計(東機産業株式会社製、コーンプレート型粘度計)を用いて測定することができる。
一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物として具体的には、下記化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物は、下記一般式(II)で表されるビニルエーテル化合物と、下記一般式(III)で表される含フッ素アルコール化合物との付加反応によって得ることができる。式中、R1、R2、R3及びnは、一般式(I)中のR1、R2、R3及びnと同義である。
一般式(III)で表される含フッ素アルコール化合物として具体的には、下記化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(II)で表されるビニルエーテル化合物と、一般式(III)で表される含フッ素アルコール化合物との付加反応は特に制限はないが、酸性触媒を用いて行うことができる。酸性触媒としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、燐酸、硼酸等の無機酸、2−エチルヘキシルホスフェート等の酸性燐酸エステル類、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、三フッ化硼素、アルミニウム塩化物等のルイス酸などが挙げられ、特に塩酸、2−エチルヘキシルホスフェートが好ましい。酸性触媒は単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
酸性触媒の使用量は、含フッ素アルコール化合物1モルに対して0.1モル%以上が好ましく、0.2モル%以上がより好ましく、0.4モル%以上が更に好ましい。酸性触媒の使用量が0.1モル%以上の場合には、付加反応率を高くできる傾向がある。
酸性触媒の使用量は、含フッ素アルコール化合物1モルに対して0.1モル%以上が好ましく、0.2モル%以上がより好ましく、0.4モル%以上が更に好ましい。酸性触媒の使用量が0.1モル%以上の場合には、付加反応率を高くできる傾向がある。
一般式(II)で表されるビニルエーテル化合物と、一般式(III)で表される含フッ素アルコール化合物との付加反応における化合物の配合割合は特に制限されないが、沸点の低いどちらか一方を過剰に配合する方が、後に未反応物を加熱及び/又は減圧留去によって容易に取り除ける点で都合がよい。例えば、含フッ素アルコール化合物の方がビニルエーテル化合物よりも沸点が低ければ、含フッ素アルコール化合物の方を過剰にして配合すればよい。その場合、より低沸点の化合物の使用量はより高沸点の化合物(反応相手)のモル数に対して1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.5倍以上が更に好ましい。より低沸点の化合物の使用量が1.1倍未満の場合は、反応相手の反応率が十分に高められない傾向がある。
一般式(II)で表されるビニルエーテル化合物と、一般式(III)で表される含フッ素アルコール化合物との付加反応の温度は特に制限されないが、−20〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましく、20〜30℃が更に好ましい。反応温度が−20℃以上であると反応が進み易く、100℃以下であると副反応を抑制し易い。反応時間は特に制限されないが、1〜72時間が好ましく、5〜48時間がより好ましく、10〜24時間が更に好ましい。上記付加反応は、反応溶媒を使用して行うこともできるが、反応は無溶媒でも進行するので特段使用する必要はない。
上記付加反応により得られる含フッ素分岐鎖状エーテル化合物は、必要に応じて精製して用いることができる。精製方法としては特に限定されないが、例えば、酸性触媒を吸着剤で除去し、ろ別した後、未反応物を加熱及び/又は減圧留去によって除去することにより、精製する方法、又は反応目的物を減圧蒸留によって回収することにより、精製する方法などが挙げられる。吸着剤としては、例えば、協和化学工業株式会社製キョーワード500SH、和光純薬工業株式会社製のハイドロタルサイト類等を用いることができる。
上記付加反応により得られる含フッ素分岐鎖状エーテル化合物は、必要に応じて精製して用いることができる。精製方法としては特に限定されないが、例えば、酸性触媒を吸着剤で除去し、ろ別した後、未反応物を加熱及び/又は減圧留去によって除去することにより、精製する方法、又は反応目的物を減圧蒸留によって回収することにより、精製する方法などが挙げられる。吸着剤としては、例えば、協和化学工業株式会社製キョーワード500SH、和光純薬工業株式会社製のハイドロタルサイト類等を用いることができる。
<非水電解液>
本実施形態の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物にリチウム塩を溶解させることにより、リチウム電池の電解液として機能する。すなわち、本実施形態の非水電解液は、リチウム塩及び上記含フッ素分岐鎖状エーテル化合物を含むことを特徴とする。
リチウム塩としては、リチウムイオン二次電池用非水電解液の電解質として公知のリチウム塩を使用することができ、例えば、無機リチウム塩、含フッ素有機リチウム塩及びオキサラトボレート塩が挙げられる。
本実施形態の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物にリチウム塩を溶解させることにより、リチウム電池の電解液として機能する。すなわち、本実施形態の非水電解液は、リチウム塩及び上記含フッ素分岐鎖状エーテル化合物を含むことを特徴とする。
リチウム塩としては、リチウムイオン二次電池用非水電解液の電解質として公知のリチウム塩を使用することができ、例えば、無機リチウム塩、含フッ素有機リチウム塩及びオキサラトボレート塩が挙げられる。
無機リチウム塩としては、例えば、LiN(FSO2)2等のフルオロスルホン酸塩;LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩などが挙げられる。
含フッ素有機リチウム塩としては、例えば、LiCF3SO3等のトリフルオロメタンスルホン酸塩等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(FSO2)2(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、LiN(CF3SO2)2(リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド)、LiN(CF3CF2SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF5(CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF3)3]、Li[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF2CF3)3]等のフルオロアルキルフルオロリン酸塩などが挙げられる。
オキサラトボレート塩としては、例えば、リチウムビス(オキサラト)ボレート及びリチウムジフルオロオキサラトボレートが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
リチウム塩としては、特に下記一般式(IV)で表される化合物を用いることが好ましい。
一般式(IV)で表される化合物のなかでは、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドがより好ましい。
本発明に用いられる一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩の錯体は、両者を混合することにより得ることができる。
一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物のモル数をA、リチウム塩のモル数をBとすると、混合モル比率A/Bは、0.5≦(A/B)≦2であることが好ましく、0.7≦(A/B)≦1.4が更に好ましく、1が更に好ましい。この比率が0.5未満であると高粘度となり、セパレータ及び電極への含浸性が低下し、電池の性能が十分に発揮できない可能性が有る。この比率が2を超えると、錯体を形成しない含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の存在確立が増加し、酸化耐性が低下する傾向がある。
一般式(I)で表される含フッ素分岐鎖状エーテル化合物のモル数をA、リチウム塩のモル数をBとすると、混合モル比率A/Bは、0.5≦(A/B)≦2であることが好ましく、0.7≦(A/B)≦1.4が更に好ましく、1が更に好ましい。この比率が0.5未満であると高粘度となり、セパレータ及び電極への含浸性が低下し、電池の性能が十分に発揮できない可能性が有る。この比率が2を超えると、錯体を形成しない含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の存在確立が増加し、酸化耐性が低下する傾向がある。
上記錯体の製造において、反応温度や時間は特に限定はない。一般的には、攪拌下、用いる含フッ素分岐鎖状エーテル化合物の沸点以下の温度で、含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩を混合し、数分〜数時間で反応は完結するため、本発明においても適宜反応時間、反応温度を調整すればよい。
なお、反応が完了して混合物が得られたことの確認は、粘度確認により行うことができる。一定時間後に粘度の変化がないことによって確認できる。
上記錯体は、粘度が200000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがより好ましい。粘度の下限値は特に制限はないが、実用的な観点から1mPa・s以上である。ここで粘度は、粘弾性測定装置(ANTON Paar GmbH製「Physica MCR301」)を用いて30℃で測定したものとする。粘度は、含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩との混合比率を調整する等で達成できる。
なお、反応が完了して混合物が得られたことの確認は、粘度確認により行うことができる。一定時間後に粘度の変化がないことによって確認できる。
上記錯体は、粘度が200000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがより好ましい。粘度の下限値は特に制限はないが、実用的な観点から1mPa・s以上である。ここで粘度は、粘弾性測定装置(ANTON Paar GmbH製「Physica MCR301」)を用いて30℃で測定したものとする。粘度は、含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩との混合比率を調整する等で達成できる。
前記含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩との錯体に対し、粘度を下げる目的で有機溶媒を添加して用いてもよい。
上記有機溶媒としては、含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩との錯体を溶解可能であるとともに、リチウムイオン二次電池の作動電圧範囲で安定なものであれば、特に制限はない。
有機溶媒の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリン−2−オン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類又はこれらの各種有機溶媒の一部含フッ素物、例えばフルオロエチレンカーボネート、また、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラプロピルエーテル等の含フッ素エーテル類等が挙げられる。
これらの非水系有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記有機溶媒としては、含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩との錯体を溶解可能であるとともに、リチウムイオン二次電池の作動電圧範囲で安定なものであれば、特に制限はない。
有機溶媒の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリン−2−オン等のラクトン類、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類又はこれらの各種有機溶媒の一部含フッ素物、例えばフルオロエチレンカーボネート、また、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラプロピルエーテル等の含フッ素エーテル類等が挙げられる。
これらの非水系有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、既述の本発明の非水電解液を用いてなることを特徴とし、例えば、負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、本発明の非水電解液を注入することにより得ることができる。
<リチウムイオン二次電池の正極>
正極は、通常、正極活物質層を設けた正極集電体である。
正極集電体の材料には制限はないが、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。
正極集電体は任意の形態のものでよい。例えば、正極集電体が金属材料の場合は、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が挙げられる。正極集電体が炭素材料の場合は、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。これらのうち、金属薄膜が好ましい。なお、薄膜はメッシュ状でもよい。薄膜の厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。薄膜がこの範囲よりも薄いと、正極集電体として必要な強度が不足する場合がある。逆に、薄膜がこの範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる場合がある。
正極は、通常、正極活物質層を設けた正極集電体である。
正極集電体の材料には制限はないが、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。
正極集電体は任意の形態のものでよい。例えば、正極集電体が金属材料の場合は、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が挙げられる。正極集電体が炭素材料の場合は、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。これらのうち、金属薄膜が好ましい。なお、薄膜はメッシュ状でもよい。薄膜の厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。薄膜がこの範囲よりも薄いと、正極集電体として必要な強度が不足する場合がある。逆に、薄膜がこの範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる場合がある。
正極活物質層は、正極活物質及び結着材並びに必要に応じて正極用導電材等を含有する。
正極活物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、リチウム含有複合金属酸化物、オリビン型リチウム塩、カルコゲン化合物、二酸化マンガン、V2O5、MoS2、TiS、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ−2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物又は該金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。ここで、異種元素としては、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、B等が挙げられ、Mn、Al、Co、Ni、Mg等が好ましい。異種元素は1種でもよく、2種以上でもよい。
これらの中でも、前記正極活物質としては、リチウム含有複合金属酸化物が好ましい。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1−yO2、LixCoyM1−yOz、LixNi1−yMyOz、LixMn2O4及びLixMn2−yMyO4(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、V及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である。)が挙げられる。ここで、リチウムのモル比を示すx値は、充放電により増減する。また、オリビン型リチウム塩としては、例えば、LiFePO4が挙げられる。カルコゲン化合物としては、例えば、二硫化チタン及び二硫化モリブデンが挙げられる。正極活物質は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。
正極活物質としては、安全性の観点から、LixMn2O4又はLixMn2−yMyO4で表されるリチウムマンガン酸化物を含むことが好ましい。
正極活物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、リチウム含有複合金属酸化物、オリビン型リチウム塩、カルコゲン化合物、二酸化マンガン、V2O5、MoS2、TiS、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ−2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物又は該金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。ここで、異種元素としては、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、B等が挙げられ、Mn、Al、Co、Ni、Mg等が好ましい。異種元素は1種でもよく、2種以上でもよい。
これらの中でも、前記正極活物質としては、リチウム含有複合金属酸化物が好ましい。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1−yO2、LixCoyM1−yOz、LixNi1−yMyOz、LixMn2O4及びLixMn2−yMyO4(前記各式中、MはNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、V及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である。)が挙げられる。ここで、リチウムのモル比を示すx値は、充放電により増減する。また、オリビン型リチウム塩としては、例えば、LiFePO4が挙げられる。カルコゲン化合物としては、例えば、二硫化チタン及び二硫化モリブデンが挙げられる。正極活物質は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。
正極活物質としては、安全性の観点から、LixMn2O4又はLixMn2−yMyO4で表されるリチウムマンガン酸化物を含むことが好ましい。
リチウム遷移金属酸化物の粒子の平均粒子径(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子のメジアン径d50)は、次の範囲で調整可能である。範囲の下限は、1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、上限は、30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは15μm以下である。
本発明に係わる非水電解液は、高い電位でも安定であり、前記正極活物質を含む正極の充電状態における電位が、リチウム基準で4.5V以上、5.1V以下で使用するときにより有効であり、4.6V以上、5V以下で使用するときにさらに有用である。
結着材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリレート系重合体、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、またはその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体、等のフッ素系高分子;アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。正極の安定性の観点からは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子が好ましい。スチレンブタジエンゴムやアクリレート系重合体も好適に使用できる。
結着剤の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、正極活物質の総量に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜7質量%がさらに好ましい。
結着剤の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、正極活物質の総量に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜7質量%がさらに好ましい。
正極用導電材に制限はないが、正極用導電材としては、例えば、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
前記正極用導電材を用いる場合の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、正極活物質の総量に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%が特に好ましい。
前記正極用導電材を用いる場合の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、正極活物質の総量に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%が特に好ましい。
正極板は、正極集電体に正極活物質層を設けて作製してもよいし、正極集電体となる材料上に正極活物質層を設けて正極合材とし、これを適当な手段、例えば切断、で任意の形態として作製してもよい。正極活物質層を設ける方法としては、正極活物質及び結着材並びに必要に応じて正極用導電材等を乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着する方法、または、これらの材料をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解、分散させてスラリーとし、正極集電体に塗布して乾燥する方法(塗布法)が挙げられる。
塗布法の場合は、正極活物質の充填密度を上げるために、乾燥後、ハンドプレス、ローラープレス等により正極活物質層を圧密化することが好ましい。
塗布法の場合は、正極活物質の充填密度を上げるために、乾燥後、ハンドプレス、ローラープレス等により正極活物質層を圧密化することが好ましい。
<リチウムイオン二次電池の負極>
負極は、通常、負極活物質層を設けた負極集電体である。
負極集電体の材料に制限はないが、負極集電体の材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも加工し易さとコストの点から銅が負極集電体の材料として好ましい。
負極集電体は任意の形態のものでよい。例えば、負極集電体が金属材料の場合は、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡メタル等が挙げられる。中でも好ましくは金属薄膜、より好ましくは銅箔であり、さらに好ましくは圧延法による圧延銅箔又は電解法による電解銅箔である。銅箔の厚さが25μmよりも薄い場合は、純銅よりも強度の高い銅合金(リン青銅、チタン銅、コルソン合金、Cu−Cr−Zr合金等)を用いることができる。
負極は、通常、負極活物質層を設けた負極集電体である。
負極集電体の材料に制限はないが、負極集電体の材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも加工し易さとコストの点から銅が負極集電体の材料として好ましい。
負極集電体は任意の形態のものでよい。例えば、負極集電体が金属材料の場合は、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡メタル等が挙げられる。中でも好ましくは金属薄膜、より好ましくは銅箔であり、さらに好ましくは圧延法による圧延銅箔又は電解法による電解銅箔である。銅箔の厚さが25μmよりも薄い場合は、純銅よりも強度の高い銅合金(リン青銅、チタン銅、コルソン合金、Cu−Cr−Zr合金等)を用いることができる。
負極活物質層は、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質(リチウムの挿入脱離が可能な負極活物質)及び結着材並びに必要に応じて負極用導電材等を含有する。
負極活物質としては、炭素材料、金属複合酸化物、リチウムと化合物を形成し結晶間隙に挿入されることでリチウムを吸蔵放出できる13族元素(ケイ素、ゲルマニウム、スズ等)の酸化物若しくは窒化物、リチウム金属、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、スズやケイ素等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
金属複合酸化物は、リチウムを吸蔵放出可能であれば特に制限されないが、金属成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、充放電特性、特に高速放電特性の観点から好ましい。チタン及び/又はリチウムを含有している金属複合酸化物としては、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)が挙げられる。
負極活物質としては、炭素材料、金属複合酸化物、リチウムと化合物を形成し結晶間隙に挿入されることでリチウムを吸蔵放出できる13族元素(ケイ素、ゲルマニウム、スズ等)の酸化物若しくは窒化物、リチウム金属、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、スズやケイ素等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
金属複合酸化物は、リチウムを吸蔵放出可能であれば特に制限されないが、金属成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、充放電特性、特に高速放電特性の観点から好ましい。チタン及び/又はリチウムを含有している金属複合酸化物としては、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)が挙げられる。
炭素材料としては、非晶質炭素、天然黒鉛、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法又は湿式のスプレイ法等で被膜を形成した複合炭素材料、エポキシやフェノール等の樹脂材料又は石油・石炭由来のピッチ系材料を焼成して得られる人造黒鉛、非晶質炭素材料等が挙げられる。
安全性の点からは、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いるのが好ましい。
負極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、チタン酸リチウムの含有量は、安全性とサイクル特性を向上できる観点から、負極活物質の総量中、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。
また、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、チタン酸リチウムのレーザー回折法によって求められる平均粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.2〜5μmであることがさらに好ましい。
チタン酸リチウムの平均粒子径とは、以下の方法により求められる値をいう。
純水中に1質量%となるようにチタン酸リチウムを投入し、超音波で15分間分散し、その後、レーザー回折法により測定される体積基準の累積分布が50%となる粒子径である。
安全性の点からは、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いるのが好ましい。
負極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、チタン酸リチウムの含有量は、安全性とサイクル特性を向上できる観点から、負極活物質の総量中、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましい。
また、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いる場合、チタン酸リチウムのレーザー回折法によって求められる平均粒子径は、0.1〜50μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.2〜5μmであることがさらに好ましい。
チタン酸リチウムの平均粒子径とは、以下の方法により求められる値をいう。
純水中に1質量%となるようにチタン酸リチウムを投入し、超音波で15分間分散し、その後、レーザー回折法により測定される体積基準の累積分布が50%となる粒子径である。
負極活物質を結着する結着材としては、電解液や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限はない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリレート系重合体、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、又はその水素添加物;エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子;アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよい。ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子、スチレンブタジエンゴム、アクリレート系重合体が好ましい。
結着剤の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、負極活物質の総量に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%がさらに好ましい。
結着剤の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、負極活物質の総量に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%がさらに好ましい。
負極用導電材としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
前記負極用導電材を用いる場合の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、負極活物質の総量に対して、1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
前記負極用導電材を用いる場合の含有量は、充放電特性及びサイクル特性の観点から、負極活物質の総量に対して、1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
負極板は、負極集電体に負極活物質層を設けて作製してもよいし、負極集電体となる材料上に負極活物質層を設けて負極合材とし、これを適当な手段、例えば切断、で任意の形態として作製してもよい。負極活物質層を設ける方法としては、負極活物質及び結着材並びに必要に応じて負極用導電材等をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解、分散させてスラリーとし、負極集電体に塗布して乾燥する方法が挙げられる。負極活物質の充填密度を上げるために、乾燥後、ハンドプレス、ローラープレス等により負極活物質層を圧密化することが好ましい。
<リチウムイオン二次電池のセパレータ>
セパレータは、公知の各種セパレータを用いることができる。具体例としては、紙セパレータ、樹脂セパレータ、ガラス繊維製セパレータ等が挙げられる。電池特性に優れる観点からは樹脂セパレータが好ましい。
前記樹脂セパレータは、両極間を電子的に絶縁する所定の機械的強度を有し、イオン透過度が大きく、かつ、正極に接する側における酸化性と負極側における還元性への耐性を兼ね備える樹脂が用いられる。このような樹脂としては、ポリオレフィン系が好ましい。具体的には、非水系電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、例えばポリプロピレン及びポリエチレンの少なくとも一つを材質として含む多孔性フィルムを用いるのが好ましい。樹脂セパレータの形態としては、薄膜形状で、孔径が0.01〜1μm、厚みが15〜50μmの多孔性フィルム等が好適に用いられる。また、樹脂セパレータの空孔率は、30〜50%が好ましく、35〜45%がより好ましい。なお、樹脂セパレータ(厚みが15〜50μmの樹脂セパレータ)は、1枚のセパレータで構成してもよく、2枚以上のセパレータを重ねて構成してもよい。
セパレータは、公知の各種セパレータを用いることができる。具体例としては、紙セパレータ、樹脂セパレータ、ガラス繊維製セパレータ等が挙げられる。電池特性に優れる観点からは樹脂セパレータが好ましい。
前記樹脂セパレータは、両極間を電子的に絶縁する所定の機械的強度を有し、イオン透過度が大きく、かつ、正極に接する側における酸化性と負極側における還元性への耐性を兼ね備える樹脂が用いられる。このような樹脂としては、ポリオレフィン系が好ましい。具体的には、非水系電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、例えばポリプロピレン及びポリエチレンの少なくとも一つを材質として含む多孔性フィルムを用いるのが好ましい。樹脂セパレータの形態としては、薄膜形状で、孔径が0.01〜1μm、厚みが15〜50μmの多孔性フィルム等が好適に用いられる。また、樹脂セパレータの空孔率は、30〜50%が好ましく、35〜45%がより好ましい。なお、樹脂セパレータ(厚みが15〜50μmの樹脂セパレータ)は、1枚のセパレータで構成してもよく、2枚以上のセパレータを重ねて構成してもよい。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は、特に限定されないが、通常、正極および負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりし、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は、特に限定されないが、通常、正極および負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりし、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
(合成例1)
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)の合成]
2,2,2−トリフルオロエタノール(東京化成工業株式会社製)36.0g(0.36モル)と2−エチルヘキシルホスフェート(東京化成工業株式会社製、酸当量重量245)0.735g(0.03モル)を混合し水浴にて保温し、撹拌下トリエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)57.1g(0.30モル)を30分間で滴下後、室温(25℃)で24時間静置し反応させた。
次いで、ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製、キョーワード500SH)5.88gを添加し、20回転/分(rpm)の回転条件、室温で24時間処理した後、ろ過によりろ液を得た。80℃で30分間減圧処理して未反応物を留去し、モレキュラーシーブス4A(和光純薬工業株式会社製)により脱水処理した。続いて減圧蒸留を行い、下記式の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.4%であった。
(合成例1)
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)の合成]
2,2,2−トリフルオロエタノール(東京化成工業株式会社製)36.0g(0.36モル)と2−エチルヘキシルホスフェート(東京化成工業株式会社製、酸当量重量245)0.735g(0.03モル)を混合し水浴にて保温し、撹拌下トリエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)57.1g(0.30モル)を30分間で滴下後、室温(25℃)で24時間静置し反応させた。
次いで、ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製、キョーワード500SH)5.88gを添加し、20回転/分(rpm)の回転条件、室温で24時間処理した後、ろ過によりろ液を得た。80℃で30分間減圧処理して未反応物を留去し、モレキュラーシーブス4A(和光純薬工業株式会社製)により脱水処理した。続いて減圧蒸留を行い、下記式の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.4%であった。
(合成例2)
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)の合成]
トリエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)57.1g(0.30モル)の代りにジエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)43.9g(0.30モル)を用いる以外は合成例1と同様にして下記式の本発明の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.7%であった。
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)の合成]
トリエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)57.1g(0.30モル)の代りにジエチレングリコールメチルビニルエーテル(丸善石油化学株式会社製)43.9g(0.30モル)を用いる以外は合成例1と同様にして下記式の本発明の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.7%であった。
(合成例3)
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)の合成]
2,2,2−トリフルオロエタノール(東京化成工業株式会社製)54.0g(0.36モル)の代りに2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)2.5g(0.02モル)を用いる以外は合成例2と同様にして下記式の本発明の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.4%であった。
[含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)の合成]
2,2,2−トリフルオロエタノール(東京化成工業株式会社製)54.0g(0.36モル)の代りに2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)2.5g(0.02モル)を用いる以外は合成例2と同様にして下記式の本発明の含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)を得た。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.4%であった。
(精製例1)
[直鎖状エーテル化合物の精製]
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)を合成例1と同じく、脱水処理及び減圧蒸留により精製を行った。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.9%であった。
[直鎖状エーテル化合物の精製]
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)を合成例1と同じく、脱水処理及び減圧蒸留により精製を行った。ガスクロマトグラフィにより純度を確認したところ、99.9%であった。
(実施例1)
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)8.71g(0.030mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)5.61g(0.030mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(1)を得た。
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)8.71g(0.030mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)5.61g(0.030mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(1)を得た。
(実施例2)
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)5.81g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(キシダ化学株式会社製)5.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(2)を得た。
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)5.81g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(キシダ化学株式会社製)5.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(2)を得た。
(実施例3)
合成例2で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)4.92g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)3.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(3)を得た。
合成例2で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(2)4.92g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)3.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(3)を得た。
(実施例4)
合成例3で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)5.92g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)3.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(4)を得た。
合成例3で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(3)5.92g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)3.74g(0.020mol)を加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(4)を得た。
(実施例5)
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)2.90g(0.010mol)に、リチウム塩として、LiClO4(東京化成工業株式会社製)を1.06g(0.010mol)加えてアルゴン雰囲気下40℃で24時間攪拌し、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(関東化学株式会社製)10.63gを加えてアルゴン雰囲気下室温で3時間攪拌し、無色透明の非水電解液(5)を得た。
合成例1で合成した含フッ素分岐鎖状エーテル化合物(1)2.90g(0.010mol)に、リチウム塩として、LiClO4(東京化成工業株式会社製)を1.06g(0.010mol)加えてアルゴン雰囲気下40℃で24時間攪拌し、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(関東化学株式会社製)10.63gを加えてアルゴン雰囲気下室温で3時間攪拌し、無色透明の非水電解液(5)を得た。
(比較例1)
精製例1で精製したテトラエチレングリコールジメチルエーテル4.45g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)を3.74g(0.020mol)加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(6)を得た。
精製例1で精製したテトラエチレングリコールジメチルエーテル4.45g(0.020mol)に、リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(日本触媒株式会社製)を3.74g(0.020mol)加えてアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌し、無色透明の非水電解液(6)を得た。
<評価方法>
(酸化耐性)
実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)について酸化耐性試験として、リニアスイープボルタンメトリを測定した。作用極にグラッシーカーボン電極を、参照極としてAg/Ag+電極を、カウンター極として白金電極を使用し、Bio−logic社製ポテンショスタット/ガルバノスタットVSPを用い電位走査速度5mV/sで測定した。結果を図1、2に示した。
(酸化耐性)
実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)について酸化耐性試験として、リニアスイープボルタンメトリを測定した。作用極にグラッシーカーボン電極を、参照極としてAg/Ag+電極を、カウンター極として白金電極を使用し、Bio−logic社製ポテンショスタット/ガルバノスタットVSPを用い電位走査速度5mV/sで測定した。結果を図1、2に示した。
(セパレータ濡れ性)
ポリプロピレン系セパレータ(ポリポア株式会社(旧セルガード株式会社)製「セルガード#2300」)に実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)を滴下し、以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
「○」:セパレータが半透明状になる。
「×」:セパレータが半透明状にならない。
ポリプロピレン系セパレータ(ポリポア株式会社(旧セルガード株式会社)製「セルガード#2300」)に実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)を滴下し、以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
「○」:セパレータが半透明状になる。
「×」:セパレータが半透明状にならない。
(リチウムイオン二次電池用正極の作製)
正極活物質としてリン酸鉄リチウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)と、導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)と、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製「PVDF#1120」)と、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)を、活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=91:5:4:29(質量比)の割合で混合してペースト状にし、乾燥後に8.8mg/cm2が塗布されるようアルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウムイオン二次電池用正極電極を得た。
正極活物質としてリン酸鉄リチウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)と、導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)と、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製「PVDF#1120」)と、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)を、活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=91:5:4:29(質量比)の割合で混合してペースト状にし、乾燥後に8.8mg/cm2が塗布されるようアルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウムイオン二次電池用正極電極を得た。
(リチウムイオン二次電池用負極の作製)
負極活物質としてチタン酸リチウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)と、導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)と、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製「PVDF#1120」)と、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)を、活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=92:4:4:32(質量比)の割合で混合してペースト状にし、乾燥後に9.2mg/cm2が塗布されるようアルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウムイオン二次電池用負極電極を得た。
負極活物質としてチタン酸リチウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)と、導電性カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック」)と、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製「PVDF#1120」)と、塗工溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMP)を、活物質:導電性カーボン:バインダー樹脂:NMP=92:4:4:32(質量比)の割合で混合してペースト状にし、乾燥後に9.2mg/cm2が塗布されるようアルミ集電箔(日本蓄電器工業株式会社製「20CB」)に塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延してリチウムイオン二次電池用負極電極を得た。
(コイン型リチウムイオン二次電池の作製)
コイン缶(下部)に直径9mmの円形の正極を静置し、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1及び2の非水電解液(6)を滴下し含浸させ、セパレータ(ポリポア株式会社(旧セルガード株式会社)製「セルガード#2300」)を置き、ガスケットで固定し、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)を滴下後、直径14mmの円形の負極を正極と対向するように置き、スペーサーとコイン缶(上部)を置き、かしめてCR2016型(直径20mm、高さ1.6mm)のコイン型電池とした。
コイン缶(下部)に直径9mmの円形の正極を静置し、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1及び2の非水電解液(6)を滴下し含浸させ、セパレータ(ポリポア株式会社(旧セルガード株式会社)製「セルガード#2300」)を置き、ガスケットで固定し、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)及び比較例1の非水電解液(6)を滴下後、直径14mmの円形の負極を正極と対向するように置き、スペーサーとコイン缶(上部)を置き、かしめてCR2016型(直径20mm、高さ1.6mm)のコイン型電池とした。
(リチウムイオン二次電池の評価)
正極容量の0.1Cに相当する電流で2.7Vまで充電し、その後2.7Vで電流が0.01Cになるまで充電した。放電は正極容量の0.1Cに相当する電流で0.7Vまで行い、初期(初回)放電容量を測定した。上記初期測定は25℃で行った。放電容量は比較例1の結果を100とした指数で示した。また、初回効率は次の式により求めた。
初回効率(%)=初回放電容量(mAh)/初回充電容量(mAh)
尚、Cとは“電流値(A)/電池容量(Ah)”を意味する。
これ等の測定評価結果を表に示した。
正極容量の0.1Cに相当する電流で2.7Vまで充電し、その後2.7Vで電流が0.01Cになるまで充電した。放電は正極容量の0.1Cに相当する電流で0.7Vまで行い、初期(初回)放電容量を測定した。上記初期測定は25℃で行った。放電容量は比較例1の結果を100とした指数で示した。また、初回効率は次の式により求めた。
初回効率(%)=初回放電容量(mAh)/初回充電容量(mAh)
尚、Cとは“電流値(A)/電池容量(Ah)”を意味する。
これ等の測定評価結果を表に示した。
図1、2に示されるように、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)の酸化耐性は、比較例1の非水電解液(6)と比較し高い。
また表1に示したように、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)は、比較例1の非水電解液(6)と比較して十分な電池特性を発現することがわかる。
本発明の新規な含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩の錯体は、ポリオレフィン材質の汎用セパレータに対し濡れ性が良く、5V級正極を用いた場合でも酸化耐性が良く、電気化学反応が抑制され、エネルギーデバイス、特にリチウムイオン二次電池に用いる非水電解液成分として好適である。
また表1に示したように、実施例1〜5の非水電解液(1)〜(5)は、比較例1の非水電解液(6)と比較して十分な電池特性を発現することがわかる。
本発明の新規な含フッ素分岐鎖状エーテル化合物とリチウム塩の錯体は、ポリオレフィン材質の汎用セパレータに対し濡れ性が良く、5V級正極を用いた場合でも酸化耐性が良く、電気化学反応が抑制され、エネルギーデバイス、特にリチウムイオン二次電池に用いる非水電解液成分として好適である。
本発明によれば、生産性、酸化耐性及びポリオレフィン系セパレータへの濡れ性に優れる非水電解液を提供することができる。また、本発明は、このような非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。上記非水電解液は、酸化耐性に優れるため、正極の電位が高いリチウムイオン二次電池の電解液に特に適している。
Claims (3)
- 前記リチウム塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiSbF6及びLiN(C2F5SO2)2からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の非水電解液。
- 正極、負極、セパレータ、及び請求項1又は2に記載の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013254943A JP2015115134A (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013254943A JP2015115134A (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015115134A true JP2015115134A (ja) | 2015-06-22 |
Family
ID=53528773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013254943A Pending JP2015115134A (ja) | 2013-12-10 | 2013-12-10 | 非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015115134A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108690553A (zh) * | 2017-03-31 | 2018-10-23 | 琳得科株式会社 | 抗静电性有机硅压敏粘合剂组合物及保护片 |
-
2013
- 2013-12-10 JP JP2013254943A patent/JP2015115134A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108690553A (zh) * | 2017-03-31 | 2018-10-23 | 琳得科株式会社 | 抗静电性有机硅压敏粘合剂组合物及保护片 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102573627B1 (ko) | 비수 전해액용 첨가제, 비수 전해액 및 축전 디바이스 | |
KR101347015B1 (ko) | 전해질 조성물 | |
JP6673225B2 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
JP5274562B2 (ja) | リチウム二次電池用非水電解液及びリチウム二次電池 | |
KR101607024B1 (ko) | 리튬 이차전지 | |
WO2013065723A1 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
KR20180061322A (ko) | 고 에너지 리튬-이온 전지용 비수성 전해질 | |
CN106207263B (zh) | 电解液、及电池 | |
WO2014021272A1 (ja) | 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス | |
JP6380377B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP2019053984A (ja) | 非水電解液用添加剤、非水電解液、及び非水電解液電池 | |
WO2015020074A1 (ja) | 非水電解液及び該電解液を有する電気化学デバイス | |
KR20160127007A (ko) | 겔화제로서의 무기 배위 중합체 | |
WO2019054417A1 (ja) | 非水電解液用添加剤、非水電解液電池用電解液、及び非水電解液電池 | |
JP2010050021A (ja) | 電池用非水電解液及びそれを備えた非水電解液二次電池 | |
EP3171449B1 (en) | Lithium air battery comprising a polymer electrolyte | |
JP6641685B2 (ja) | 難燃性の非水電解液及びリチウムイオン二次電池 | |
JP2010277701A (ja) | 二次電池及びその製造方法 | |
JP5063448B2 (ja) | 非水電解質及び該非水電解質を含む非水電解質二次電池 | |
KR101752638B1 (ko) | 난연성을 갖는 리튬이차전지의 전해액 및 그 제조방법 | |
JP2010097802A (ja) | 電解液 | |
JP2014201599A (ja) | 重合体および二次電池 | |
JP2009187880A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP5843885B2 (ja) | 重合体およびそれを用いた二次電池 | |
KR102246730B1 (ko) | 그래프트 공중합체, 이차전지용 바인더 조성물, 이차전지용 세퍼레이터 및 전극, 이차전지 및 그래프트 공중합체의 제조 방법 |