JP2015113324A - クロメノン化合物の製造方法 - Google Patents

クロメノン化合物の製造方法 Download PDF

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JP2015113324A JP2013258109A JP2013258109A JP2015113324A JP 2015113324 A JP2015113324 A JP 2015113324A JP 2013258109 A JP2013258109 A JP 2013258109A JP 2013258109 A JP2013258109 A JP 2013258109A JP 2015113324 A JP2015113324 A JP 2015113324A
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結依 田中
雄二 藤原
Yuji Fujiwara
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Abstract

【課題】高収率で、大量合成が可能な式(8)で表される化合物の製造方法を提供する。【解決手段】式(6)で表される化合物に対して、式(7)で表される化合物を反応させ、さらに得られた化合物に対して塩基存在下でヨウ素を反応させることを特徴とする、式(8)で表される化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートおよびその誘導体の効率的な製造方法の提供に関する。
セマフォリンは、神経成長円錐を退縮させ軸索の伸長を抑制する因子として同定された内因性の蛋白質であり、これまでに約20種の分子種が知られているが、最もよく研究されているものがクラス3型と呼ばれるサブファミリーの遺伝子群である。これらの遺伝子がコードする蛋白質はインビトロで強い神経突起伸長抑制活性、成長円錐退縮活性を有していることが知られている。中でも最もよく研究されているのがセマフォリン3A(Sema3A)(非特許文献1および2)であり、この蛋白質は10pMという低濃度で短期間のうちに培養神経細胞の成長円錐退縮を誘発する。
セマフォリン3Aの機能を阻害する物質としては、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF−3059株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号:FERM BP−7663)培養物から得られる一連のキサントン化合物(特許文献1または2)および前記キサントン化合物を化学的に修飾した誘導体(特許文献3)が知られており、当該化合物および誘導体はインビボで神経再生促進作用を有する。さらに、前記キサントン化合物が、虚血時の細胞死(アポトーシス)、例えば網膜神経細胞死や脳における神経細胞死を抑制し、虚血障害に有効な治療剤または予防剤として優れた効果を示すことが報告されている(特許文献4)。
かかる状況下、上述のキサントン化合物およびその誘導体の活性には大変興味が持たれており、該キサントン化合物における全合成の方法が知られている(特許文献5および非特許文献3)。
前記キサントン化合物の1つとして、下記の式(11)で表される化合物である「ビナキサントン(Vinaxanthone)」は、強いセマフォリン3A阻害活性を有していることが知られており、その全合成の鍵中間体として式(9―A)で表される化合物「メチル 3−ヨード−7−メトキシ−4−オキソ−6−メトキシ−4H−クロメン−5−カルボキシラート」が知られている(特許文献5)。
Figure 2015113324
非特許文献3において、上記化合物(9−A)に対応する式(9)で表される化合物「tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート」の製造方法が、以下のスキームで開示されている。
Figure 2015113324

本スキームの製造方法においては、式(12)で表される化合物「tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート」とN,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール(MeNCH(OMe))をジメトキシエタン中で反応させて式(13)で表される化合物「tert−ブチル (E)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−3−ヒドロキシ−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート」を製造する工程(第1工程)、および前述で得られた化合物(13)とヨウ素を反応させることによりクロメノン骨格を形成し、式(9)で表される「tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート」を製造する工程(第2工程)を含むことを特徴としている。
しかしながら上記の方法では、第1工程での製造の際、反応時間の経過とともに、副生成物である後述の式(14)で表される化合物「tert−ブチル 7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート」が増加し(HPLC面積百分率13.3%、合成例1)、これが続く第2工程で反応せずに残留し、収率低下の原因となるだけでなく、所望の生成物の精製を困難にするという問題があることが分かった。
Figure 2015113324

実際、非特許文献4においては、上記2工程合わせての式(9)で表される化合物の製造が行われており、その収率は60%と低く、また本明細書の比較例1においては上記2工程合わせての収率は70%であった。さらに、副生成物である式(14)で表される化合物を除去するためには、通常の再結晶では除去ができず、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いて除去する必要があり、大量合成に適さないことが分かった。そのため、tert−ブチル 7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートを生成させない式(9)で表される化合物の製造方法が望まれていた。
国際公開第02/09756号 国際公開第03/062243号 国際公開第03/062440号 国際公開第2005/053678号 特開2008−13530号公報
Cell,1993,75,p217 Cell,1993,75,p1389 Angew.Chem.Int.Ed.2013,52,3421−3424 Angew.Chem.Int.Ed.2013,52,3421−3424,Supporting Information
本発明は、前述の式(9)で表される化合物に対応する一般式(8):
Figure 2015113324

(式中の記号は後述)
で表される化合物の製造方法の第1工程において、前述の式(14)で表される化合物に対応する一般式(16):
Figure 2015113324

で表される化合物の生成を抑制し、高収率で、式(8)で表される化合物を製造する方法であって、大量合成に適用可能な方法を提供することを目的とする。
このような状況のもと、本発明者らは上記課題を解決するために、効率的かつ大量合成に適用可能な、式(8)で表される化合物の製造方法を開発すべく、鋭意検討し、中間生成物として式(1)で表される化合物を経由することにより、除去困難な副生成物の生成を抑えて上記課題を克服し、下記合成ルートの発明に至った。
Figure 2015113324
より具体的には、本発明はこれに制限されないが、式(9)で表される化合物「tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート」を効率的かつ大量に製造するために、中間生成物として後述の式(15)で表される化合物「tert−ブチル (E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート」を経由することを特徴とした、下記合成ルートの発明に至った。
Figure 2015113324
すなわち、本発明は、以下の通りである。
項1.式(1):
Figure 2015113324

[式中、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基を表し、
、R、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子、式(2):
Figure 2015113324

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される基、式(3):
Figure 2015113324

(式中、Rはメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、またはトリエチルシリル基を表す。)
で表される基、式(4):
Figure 2015113324

(式中、Rはアセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基、またはp−メトキシベンジル基を表し、
10は水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基、またはp−メトキシベンジル基を表す。)
で表される基、または式(5):
Figure 2015113324

(式中、R11はメチル基、tert−ブチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、またはトリフェニルメチル基を表す。)
で表される基を表す。
ただし、R、RおよびRがいずれも水素原子を表す場合は、Rは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、または式(2)、式(3)、式(4)および式(5)から選ばれる1つの式で表される基を表す。]
で表される化合物および/またはその薬理上許容される塩。
項2.RおよびRがそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが式(2):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基で表され、RおよびRがそれぞれ独立して式(3):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基で表され、Rが水素原子である、項1に記載の化合物および/またはその薬理上許容される塩。
項3.式(1)で表される化合物がtert−ブチル (E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートである、項1または2に記載の化合物および/またはその薬理上許容される塩。
項4.式(6):
Figure 2015113324

(式中、TBS、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物に対して、
式(7):
Figure 2015113324

(式中、RおよびRは項1と同義であり、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表される化合物を反応させることを特徴とする、式(1):
Figure 2015113324

(式中、TBS、R、R、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物の製造方法。
項5.R12、R13、R14、R15、R16およびR17がいずれもメチル基である、項4に記載の製造方法。
項6.RおよびRがそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが式(2):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基であり、RおよびRがそれぞれ独立して式(3):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基であり、Rが水素原子である、項4または5に記載の製造方法。
項7.式(6)で表される化合物がtert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートであり、式(7)で表される化合物がN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールである、項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.式(1):
Figure 2015113324

(式中、TBS、R、R、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物に対して、塩基存在下でヨウ素を反応させることを特徴とする、式(8):
Figure 2015113324

(式中、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物の製造方法。
項9.RおよびRがそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが式(2):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基であり、RおよびRがそれぞれ独立して式(3):
Figure 2015113324

(式中、Rは項1と同義である。)
で表される基であり、Rが水素原子である、項8に記載の製造方法。
項10.式(1)で表される化合物がtert−ブチル (E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートであり、式(8)で表される化合物がtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートである、項8または9に記載の製造方法。
項11.式(6):
Figure 2015113324

(式中、TBS、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物に対して、式(7):
Figure 2015113324

(式中、RおよびRは項1と同義であり、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は項4と同義である。)
で表される化合物を反応させ、さらに得られた化合物を塩基存在下でヨウ素と反応させることを特徴とする、式(8):
Figure 2015113324

(式中、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
で表される化合物の製造方法。
項12.式(6)で表される化合物がtert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートであり、式(7)で表される化合物がN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールであり、式(8)で表される化合物がtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートである、項11に記載の製造方法。
本発明によれば、式(6)で表される化合物および式(7)で表される化合物を、適切な溶媒中で反応させることにより、式(16)で表される化合物の副生を伴わず、選択的に式(1)で表される化合物を得ることが可能となる。本発明によれば、式(1)で表される化合物を塩基存在下でヨウ素と反応させ、該化合物が消失した後に酸を加え、減圧濃縮後、副生成物が製造されないため、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて単離精製することなく、再結晶することで、式(8)で表される化合物を効率よく、大量に製造することが可能となる。式(8)で表される化合物は、セマフォリン3A阻害活性を有するキサントン化合物の製造における鍵中間体であり、本発明によってキサントン化合物への高収率かつ高純度の製造が可能となる。
特に、本発明によれば、tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートをN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールと、適切な溶媒中で反応させることにより、tert−ブチル 7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートの副生を伴わず、選択的にtert−ブチル (E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエートを得ることが可能となり、さらに塩基存在下でヨウ素と反応させ、該化合物が消失した後に酸を加え、減圧濃縮後、再結晶することでtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートを効率よく、大量に製造することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いる式(6)で表される化合物は特に限定されず、任意の公知の方法により製造して本発明に用いることができる。例えば、非特許文献3に記載されている方法が挙げられる。
Figure 2015113324

(式中、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
本明細書において、各定義の好ましい態様は、他の定義の好ましい態様と組み合わせてもよく、上記項1〜項12に記載される対応する定義に組み込んでもよい。
本明細書において、式(1)で表される化合物は、幾何異性体であり、式(1)としてはE体を示しているが、E体には限定されず、Z体およびそれらの混合物も含まれる。
Figure 2015113324

(式中、R、R、R、R、RおよびRは項1と同義である。)
本明細書において、「薬理上許容される塩」は、医薬的または獣医薬的に許容される塩である。そのような塩としては、例えば、無機酸塩、有機酸塩が挙げられる。無機酸塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硫酸水素塩等が挙げられ、有機酸塩としては、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
本明細書において、「炭素数1〜4のアルキル基」は、直鎖状または分枝鎖状のいずれであってもよい。具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基(本明細書において、イソプロピル基または2−メチル−1−エチル基とも称する)、1−ブチル基、2−ブチル基(本明細書において、イソブチル基または2−メチル−1−プロピル基とも称する)、3−ブチル基(本明細書において、3−メチル−1−プロピル基とも称する)、tert−ブチル基(本明細書において、t−ブチル基または2−メチル−2−プロピル基とも称する)等が挙げられる。好ましい「炭素数1〜4のアルキル基」は、メチル基またはtert−ブチル基である。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書において、「TBS」は、tert−ブチルジメチルシリル基を表し、式(17)で表される基である。
Figure 2015113324
本明細書において、「R」及び「R」は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基である。好ましくはそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。より好ましくはいずれもメチル基である。
本明細書において、「R」、「R」、「R」及び「R」は、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子、または式(2)、式(3)、式(4)および式(5)から選ばれる1つの式で表される基である。
本明細書において、「R」は、好ましくは式(2)で表される基である。より好ましくはtert−ブチルオキシカルボキシル基である。
Figure 2015113324

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
本明細書において、「R」は、好ましくは式(3)で表される化合物である。より好ましくはピバロイルオキシ基である。
本明細書において、「R」は、好ましくは式(3)で表される化合物である。より好ましくはメトキシメチルオキシ基である。
Figure 2015113324

(式中、Rはメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、またはトリエチルシリル基を表す。)
本明細書において、「R」は、好ましくは水素原子である。
本明細書において、「R」は、炭素数1〜4のアルキル基である。好ましくはtert−ブチル基である。
本明細書において、「R」は、メチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基(本明細書において、「MOM基」とも称する)、アセチル基、ピバロイル基(本明細書において、「Piv基」とも称する)、ベンゾイル基、トリメチルシリル基またはトリエチルシリル基である。好ましくはメトキシメチル基またはピバロイル基である。
本明細書において、「R」は、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基またはp−メトキシベンジル基である。
本明細書において、「R10」は、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基またはp−メトキシベンジル基である。
本明細書において、「R11」は、メチル基、tert−ブチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基またはトリフェニルメチル基である。
本明細書において、式(1)で表される化合物は、式(6)で表される化合物および式(7)で表される化合物を反応させ、減圧濃縮することで製造することができる。
Figure 2015113324
式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物との反応は溶媒の存在下もしくは無溶媒下で行われ、それらの混合順序は限定されない。
式(7)で表される化合物の使用量は、特に限定されないが、溶媒下においては、式(6)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1〜10モル程度である。より好ましくは1.5〜5モル程度である。特に好ましくは2モル程度である。また、無溶媒下においては、式(6)で表される化合物1モルに対して、通常1〜100モル程度である。
上記反応に用いる溶媒としては、例えば、(a)脂肪族炭化水素溶媒、(b)芳香族炭化水素溶媒、(c)エーテル溶媒、(d)ニトリル溶媒、(e)塩素化炭化水素溶媒、(f)エステル溶媒、(g)非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
(a)脂肪族炭化水素溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン、石油エーテル等が挙げられ、(b)芳香族炭化水素溶媒としてはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノフルオロベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等が挙げられ、(c)エーテル溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル等が挙げられ、(d)ニトリル溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられ、(e)塩素化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等が挙げられ、(f)エステル溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル等が挙げられ、(g)非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等が挙げられる。上記反応における好ましい溶媒はトルエンまたはクロロベンゼンである。より好ましくはトルエンである。溶媒の使用量としては特に限定されないが、式(6)で表される化合物1gに対して、好ましくは1〜50gの割合である。より好ましくは10〜30gの割合である。
式(6)で表される化合物と式(7)で表される化合物との反応温度は通常、50℃〜180℃である。好ましくは75℃〜100℃である。
反応時間は特に限定されず、通常1分〜24時間の範囲である。好ましくは1〜7時間程度である。特に好ましくは2〜4時間程度である。
上記反応により得られる式(1)で表される化合物は、減圧濃縮を行い次工程に用いる。また、必要に応じて単離することも可能である。単離方法としては、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、展開溶媒としてクロロホルム/酢酸エチル溶媒を用いて行うことができる。
本明細書において、式(8)で表される化合物は、式(1)で表される化合物を、溶媒中、塩基存在下でヨウ素と反応させ、式(1)で表される化合物が消失した後に酸を加え、減圧濃縮後、再結晶により取得することが可能である。
Figure 2015113324
式(1)で表される化合物とヨウ素との反応は、溶媒と塩基の存在下で行われ、それらの混合順序は限定されない。
ヨウ素の使用量は特に限定されないが、式(1)で表される化合物1モルに対して、通常1モル以上である。好ましくは、ヨウ素は1〜10モル程度で使用する。より好ましくは2〜10モルである。特に好ましくは2〜3モルである。
本明細書において、「塩基」は塩基性化合物であればよい。具体例としては、例えば有機塩基、無機塩基、金属アルコキシド等が挙げられる。有機塩基としては、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等が挙げられ、無機塩基としては、例えば炭酸カリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられ、金属アルコキシドとしては、例えばナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。好ましくはピリジンである。
塩基の使用量としては特に限定されないが、式(1)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.1〜10モル程度である。より好ましくは0.5〜5モル程度である。特に好ましくは1モル程度である。
本明細書において、「酸」の具体例としては、例えば有機酸、ハロゲン化水素とその溶液等があげられる。有機酸としては、例えば酢酸、ギ酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。好ましい酸は酢酸である。
酸の使用量としては特に限定されないが、式(1)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.5〜10モル程度である。より好ましくは1〜7モル程度である。特に好ましくは2モル程度である。
上記反応に用いる溶媒としては、例えば、(a)脂肪族炭化水素溶媒、(b)芳香族炭化水素溶媒、(c)エーテル溶媒、(d)ニトリル溶媒、(e)塩素化炭化水素溶媒、(f)エステル溶媒、(g)非プロトン性極性溶媒、(h)ケトン溶媒等が挙げられる。
(a)〜(g)の溶媒については、具体例は前述の通りであり、(h)ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
これら溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記反応における好ましい溶媒はトルエンまたはクロロホルムである。より好ましくはトルエンである。溶媒の使用量としては特に限定されないが、式(1)で表される化合物1gに対して、好ましくは1〜50gである。より好ましくは10〜30gである。
式(1)で表される化合物とヨウ素との反応温度は通常、0℃〜100℃である。好ましくは15℃〜75℃である。
反応時間は特に限定されず、通常1分〜48時間の範囲である。好ましくは2〜24時間程度である。より好ましくは10〜24時間程度である。特に好ましくは15〜20時間程度である。
上記反応により得られる式(8)で表される化合物は、再結晶を行うことで取得することができる。再結晶に用いる溶媒としては、例えば、(a)脂肪族炭化水素溶媒、(b)芳香族炭化水素溶媒、(c)エーテル溶媒、(d)ニトリル溶媒、(e)塩素化炭化水素溶媒、(f)エステル溶媒、(g)非プロトン性極性溶媒、(h)ケトン溶媒、(i)アルコール溶媒、(j)水等が挙げられる。(a)〜(h)の溶媒については、具体例は前述の通りであり、(i)アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、n−ブタノール、tert−アミルアルコール等が挙げられる。
これら溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。再結晶に用いる溶媒は好ましくはトルエン、へプタン、またはアセトニトリルおよび水の混液である。より好ましくはトルエンまたはへプタンである。溶媒の使用量としては特に限定されないが、式(8)で表される化合物1gに対して、好ましくは1〜20gである。より好ましくは3〜10gである。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(以下、本明細書において「MOM体」とも称する)の消失、およびtert−ブチル 7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート(以下、本明細書において「エノン体」とも称する)、tert−ブチル (E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(以下、本明細書において「エナミン体」とも称する)、tert−ブチル (E)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)−3−ヒドロキシ−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(以下、本明細書において「脱TBS体」とも称する)、およびtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート(以下、本明細書において「ヨウ素体」とも称する)の生成は、HPLCを用いた以下の分析方法により検定した。
<分析方法>
カラム:Kinetex C18 100A (2.6μm 3.0mm×100mm)
カラム温度:40℃
溶媒A:10mM 酢酸緩衝液 (pH4.6)
溶媒B:アセトニトリル
検出波長:UV254nm
流量:0.8mL/min
B濃度(%):溶媒B(mL)/(溶媒A+溶媒B)(mL)×100
Figure 2015113324
保持時間:脱TBS体=2.8min、エノン体=3.0min、ヨウ素体=5.0min、エナミン体=6.0min、MOM体=9.0min
実施例1
合成例1
N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールとMOM体の反応
tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(100mg、199μmol、1eq)をモノクロロベンゼン(2.0g)に溶解後、85℃まで昇温した。続いてN,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール(93.3mg、783μmol、4eq)を加えた後、85℃で3時間撹拌した。
3時間撹拌後の反応溶液を、HPLCにて分析したところ、生成物比は、脱TBS体=77.5%、エナミン体=1.2%、エノン体=13.3%であった。
合成例2
N,N−ジメチルホルムアミド−ジエチルアセタールとMOM体の反応
tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(100mg, 199μmol, 1eq)をモノクロロベンゼン(2.0g)に溶解後、85℃まで昇温した。続いてN,N−ジメチルホルムアミド−ジエチルアセタール(115mg、783μmol、4eq)を加えた後、85℃で3時間撹拌した。
3時間撹拌後の反応溶液を、HPLCにて分析したところ、生成物比は、脱TBS体=56.5%、エナミン体=31.8%、エノン体=7.6%であった。
合成例3
N,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールとMOM体の反応
tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(100mg、199μmol、1eq)をモノクロロベンゼン(2.0g)に溶解後、85℃まで昇温した。続いてN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタール(159mg、783μmol、4eq)を加えた後、85℃で3時間撹拌した。
3時間撹拌後の反応溶液を、HPLCにて分析したところ、生成物比は、脱TBS体=1.0%、エナミン体=92.8%、エノン体=N.D.(検出限界以下)であった。
エナミン体H NMR(400MHz、CDCL)δ0.10(3H、s)、0.16(3H、s)、1.34(9H、s)、1.47(9H、s)、3.16(3H、s)、3.43(6H、s)、5.13(2H、s)、5.50(1H、d、J =12.0Hz)、6.71(s、1H)、7.85(1H、d、J =12.0Hz)。
Figure 2015113324
表中N.D.は「検出限界以下」を表す。
N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールを用いた場合では、エノン体が13.3%副生した(合成例1)。N,N−ジメチルホルムアミド−ジエチルアセタールを用いると、エノン体の生成量は減少したが、完全に抑制できなかった(合成例2)。置換基が最も嵩高いN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールを用いると、選択的にエナミン体が得られ、エノン体は全く生成しなかった(合成例3)。
比較例1
N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールを用いたヨウ素体の製造
tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(3.00g、5.87mmol、1eq)をモノクロロベンゼン(64.8g)に溶解後、85℃まで昇温した。続いてN,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール(2.80g、23.5mmol、4eq)を加えた後、85℃で撹拌した。HPLC分析にて原料消失を確認した後、反応溶液を減圧濃縮した。
濃縮した反応溶液に、ヨウ素(2.98g、11.7mmol、2eq)とトルエン(53.0g)を加えて25℃にて撹拌を行った。HPLC分析にて原料消失を確認した後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(53.0g)を加えて撹拌し、有機相を取り出した。この有機相を水(20.0g)で洗浄し、減圧濃縮を行った。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=20/1)にて単離精製することで、tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート 2.20gを白色固体として得た(収率 70.0%)。
なお、予備実験において再結晶によるエノン体の除去を試みたが、ほとんど効果はみられなかった。以下に、得られた結晶をHPLCにて分析した結果を示す。
Figure 2015113324
実施例2
N,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタールを用いたヨウ素体の製造
tert−ブチル 2−アセチル−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(メトキシメチルオキシ)−6−(ピバロイルオキシ)ベンゾエート(5.00g、9.79mmol、1eq)をトルエン(50.0g)に溶解後、85℃まで昇温した。続いてN,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタール(1.99g、9.79mmol、1eq)を加えた後、85℃で撹拌した。2時間半撹拌した後、室温まで冷却し、減圧濃縮を行って溶媒量の半分(25.0g)の留去を行った。留去した溶媒と同量のトルエンを加え、再び85℃まで加熱した後、N,N−ジメチルホルムアミド−ジ−tert−ブチルアセタール(1.99g, 9.79mmol、1eq)を加え、2時間保温した。反応溶液を溶媒がなくなるまで減圧濃縮を行い、この濃縮溶液にトルエンを加え、収率が100%と仮定し、全体量が生成物の20重量倍になるよう調整した。
調整した溶液30.0g(エナミン体 1.50g、2.65mmol含有と推定)にヨウ素(2.02g、7.96mmol、3eq)、ピリジン(0.21g、2.65mmol、1eq)を加え、25℃で2時間反応させた。HPLC分析にて原料消失を確認した後、酢酸(0.30mL、5.30mmol、2eq)を加え、50℃で3時間30分反応を行った後、15%チオ硫酸ナトリウム水溶液(26.7g)を加えて撹拌し、有機相を取り出した。この有機相を水(7.5g)で洗浄し、減圧濃縮を行った。
得られた粗生成物にトルエンを加えて、全体量が5.2gとなるよう調整した。この溶液にヘプタン(7.0g)を加え、5℃まで冷却して再結晶を行い、tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート1.02gを白色固体として得た(収率 72.3%)。
なお、再結晶のろ液をHPLCで測定した結果、tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートが0.034g(収率 2.4%)含まれていた。以上の結果から、反応後のtert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラートの収率は74.7%であった。
本発明は、医薬品の中間体として有用な骨格である「tert−ブチル 3−ヨード−7−(メトキシメチルオキシ)−4−オキソ−6−(ピバロイルオキシ)−4H−クロメン−5−カルボキシラート」の製造方法であって、本発明の方法を用いることにより、該化合物を高収率で、大量合成することが可能になる。

Claims (3)

  1. 式(1):
    Figure 2015113324

    [式中、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基を表し、
    、R、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子、式(2):
    Figure 2015113324

    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表される基、式(3):
    Figure 2015113324

    (式中、Rはメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、またはトリエチルシリル基を表す。)
    で表される基、式(4):
    Figure 2015113324

    (式中、Rはアセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基、またはp−メトキシベンジル基を表し、
    10は水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ホルミル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、メトキシメチル基、フタロイル基、ベンジル基、またはp−メトキシベンジル基を表す。)
    で表される基、または式(5):
    Figure 2015113324

    (式中、R11はメチル基、tert−ブチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、またはトリフェニルメチル基を表す。)
    で表される基を表す。
    ただし、R、RおよびRがいずれも水素原子を表す場合は、Rは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、または式(2)、式(3)、式(4)および式(5)から選ばれる1つの式で表される基を表す。]
    で表される化合物および/またはその薬理上許容される塩。
  2. 式(6):
    Figure 2015113324

    (式中、TBS、R、R、RおよびRは請求項1と同義である。)
    で表される化合物に対して、
    式(7):
    Figure 2015113324

    (式中、RおよびRは請求項1と同義であり、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。)
    で表される化合物を反応させることを特徴とする、式(1):
    Figure 2015113324

    (式中、TBS、R、R、R、R、RおよびRは請求項1と同義である。)
    で表される化合物の製造方法。
  3. 式(1):
    Figure 2015113324

    (式中、TBS、R、R、R、R、RおよびRは請求項1と同義である。)
    で表される化合物に対して、塩基存在下でヨウ素を反応させることを特徴とする、式(8):
    Figure 2015113324

    (式中、R、R、RおよびRは請求項1と同義である。)
    で表される化合物の製造方法。
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