JP2015113199A - シート処理装置と画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理トレイに積載されたシートがグリッパによって押し出されないようにすること。【解決手段】シート処理装置は、シートが積載する処理トレイ29と、処理トレイに接近移動して、処理トレイに積載されているシートを把持し、該シートを処理トレイから搬出する方向へ移動させるグリッパ105と、処理トレイに積載されるシートの積載枚数情報に基づくシートの積載枚数が所定枚数以下のとき、処理トレイへのグリッパの接近移動速度Veを遅くする制御をする制御部と、を備えている。シートの積載枚数が所定枚数以下のとき、処理トレイへのグリッパの接近移動速度が遅くなるので、開口状態のグリッパがシートの下方に撓んだ部分を擦ることがあっても、シートを押し出すようなことがない。【選択図】図28

Description

本発明は、シートを処理するシート処理装置と、このシート処理装置を装置本体に備えた画像形成装置とに関する。
従来、シート処理装置には、画像形成装置の装置本体で画像を形成されたシートを処理トレイ(シート積載手段)に順次受け入れて積載した後、該シートの端部を整合して束状にしたり、束状にしたシート(シート束)を綴じたりするものがある(特許文献1)。そして、このシート処理装置は、グリッパ(把持手段)がシート束を把持して移動することによって、シート束を処理トレイから搬出する方向に移動させるようになっている。グリッパは、下部グリッパ部と上部グリッパ部とを有し、下部グリッパ部と上部グリッパ部とを開いた状態でシート束を受け入れて、その後、閉じて、シート束を把持するようになっている。
特開2001−130828号公報
しかし、従来のシート処理装置は、シートの積載時には退避しているグリッパでシート束を確実に把持するには、グリッパを処理トレイから離れた位置からシート束に接近移動させる必要がある。この場合、グリッパが把持するシート束の部分は、グリッパに把持され易いように、処理トレイに支持されておらず、下方に撓んでいることが多い。この場合、グリッパが固定グリッパと可動グリッパとを開いて処理トレイに接近移動すると、固定グリッパがシート束の撓んだ部分の下端を擦りながら移動することがある。
シート束のシート枚数が多い場合には、シート束が重く、下部グリッパは、シート束の撓んだ部分の下側を擦りながら移動することがあっても、シート束を移動させることが殆どなく、可動グリッパとで、シート束の所定の部分を把持することができる。
ところが、シート束のシート枚数が少ないと、シート束が軽く、下部グリッパがシート束の撓んだ部分の下側を擦りながら移動すると、シート束がグリッパに押されて追従移動することがある。このように、シート束が移動すると、グリッパは、シート束の所定の部分を把持することができないので、処理トレイからシート束を押し出してしまうことがある。この現象は、薄シートの場合、顕著に表れる。
本発明は、シートがシート積載手段に支持されていない部分が下方に撓んでいても、把持手段がシートを把持し損なうのを防止したシート処理装置と、そのシート処理装置を装置本体に備えた画像形成装置とを提供することにある。
本発明のシート処理装置は、シートを積載するシート積載手段と、前記シート積載手段に積載されたシートを把持する把持部を有し、前記把持部が、前記シート積載手段に移動して、前記シート積載手段に積載されているシートを把持し、該シートを前記シート積載手段から移動させる把持手段と、前記シート積載手段に積載されるシートの積載情報に応じて、前記把持部の移動速度を制御する制御手段と、を備えた、ことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、前記シート処理装置は、上記のシート処理装置である、ことを特徴としている。
本発明のシート処理装置は、シートの積載情報に応じて、把持部の移動速度を制御するので、把持部がシートの下方に撓んだ部分を擦ることがあっても、シートの位置をずらすことなく、シートを把持することができる。この結果、本発明のシート処理装置は、シートを押し出すようなことを防止することができる。
本発明の画像形成装置は、積載手段に積載されたシートが、把持手段によって押し出されるのを防止したシート処理装置を備えているので、押し出されて損傷を受けたシートを廃棄して再度画像形成する必要がなく、画像形成効率を高めることができる。
本発明に係わる画像形成装置の装置本体とシート処理装置を備えた画像形成装置を示す全体構成図である。 図1におけるシート処理装置の詳細図である。 図2の要部の詳細図である。 処理トレイのシート端規制部とサイド整合部の図である。 処理トレイの排紙機構の図である。(A)はスイッチバックローラ対の構成を示す説明図である。(B)はスイッチバックローラ対の可動ローラの待機状態を示す図である。(C)はスイッチバックローラ対の可動ローラがシートに当接した状態の図である。 処理トレイのアライニング部とキッカー部との図である。(A)はその全体構成を示す説明図である。(B)はシートの積載枚数が少ない状態を示す図である。(C)はシートの積載枚数が多い状態を示す図である。 処理トレイのキッカー部の説明図である。(A)は搬入ガイドと搬出ガイドの位置関係を示す図である。(B)はキッカー部の構成を示す図である。(C)はキッカー部の駆動機構を示す図である。 処理トレイにおけるサイド整合部が大サイズのシートをセンター中心整合する場合の図であり、図4を下側から見た図である。 処理トレイにおけるサイド整合部が中サイズのシートをセンター中心整合する場合の図であり、図4を下側から見た図である。 処理トレイにおけるサイド整合部が小サイズのシートをセンター中心整合する場合の図であり、図4を下側から見た図である。 処理トレイにおけるサイド整合部が大サイズのシートをオフセット整合する場合の図であり、図4を下側から見た図である。 シート束把持搬出部の全体構成を示す斜視図である。 シート束把持搬出部の平面図である。 シート束把持搬出部のガイド機構の図である。 シート束把持搬出部の駆動機構の斜視図である。 シート束把持搬出部のグリッパの動作を説明する図である。(A)はグリッパの閉口時の図である。(B)はグリッパの開口時の図である。 シート束把持搬出部のグリッパの図であり、シート束をスタックトレイに搬出したときの図である。 シート束把持搬出部の動作説明図である。(A)はシート束把持搬出部が第1待機位置に位置する状態を示す図である。(B)は、シート束の後端を整合した状態を示す図である。 シート束把持搬出部の動作説明図である。(A)はシート束把持搬出部が待機位置に位置する状態を示す図である。(B)はシート束把持搬出部がシート束をニップした状態を示す図である。(C)はシート束把持搬出部がシート束を搬出する状態を示す図である。 シート束把持搬出部の動作説明図である。(A)はシート束把持搬出部がシート束をスタックトレイ上に移送した状態を示す図である。(B)はシート束把持搬出部がシート束をスタックトレイ上に搬出する状態を示す図である。(C)はシート束把持搬出部がシート束をスタックトレイ上に積載した直後の状態を示す図である。(D)はシート束把持搬出部が第1待機位置に復帰した状態を示す図である。 トレイ排紙口周辺を示す図である。(A)は安全機構を示す図である。(B)はそのA−A矢視断面図である。 図21に示す安全機構とは、異なる安全機構の図である。 スタックトレイの昇降機構と、アームレバーとを示す図である。 スタックトレイの昇降状態を示す図である。(A)は第1搬送経路からスタックトレイにシートを積載する途中の状態を示す図である。(B)は第1搬送経路から処理トレイにシートを積載する状態の図である。(C)は処理トレイからスタックトレイ上にシート束を搬出する状態を示す図である。 画像形成装置の制御ブロック図である。 処理トレイに積載されたシートが下方に撓んでいる位置を示す図である。 グリッパが処理トレイに接近移動するときの図である。(A)は、接近移動を開始する図である。(B)は、接近移動した図である。 (A)は、グリッパの移動速度や開口間隔を示す図である。(B)は、グリッパの移動速度や開口間隔等の具体的な数値を示す表である。 処理トレイにグリッパを接近移動させるときの動作説明用のフローチャートである。 処理トレイに対するグリッパの待機位置を変更した図である。(A)は、処理トレイに対するシートの積載枚数が少ない場合の図である。(B)は、処理トレイに対するシートの積載枚数が多い場合の図である。 グリッパの開口間隔を変更した場合の図である。(A)は、処理トレイに対するシートの積載枚数が少ない場合の図である。(B)は、処理トレイに対するシートの積載枚数が多い場合の図である。
以下、本発明の実施態様に係る画像形成装置Cを説明する。本発明の主要部分は、実施の形態の最後に記載してある。また、実施の形態で取り上げる数値は、参考数値であり、本発明を限定する数値ではない。図1は本発明に係わる画像形成装置Cの装置本体Aとシート処理装置Bを備えた画像形成装置Cを示す全体構成図であり、図2はシート処理装置Bの詳細図であり、図3は図2の要部の詳細図である。
[画像形成装置Cの構成]
図1に示す画像形成装置Cは、画像形成装置Cの装置本体Aとシート処理装置Bとで構成されている。画像形成装置Cは、画像形成装置Cの装置本体Aの排紙口3にシート処理装置Bのシート搬入口23aが連結されて構成されている。画像形成装置Cは、画像形成装置Cの装置本体Aで画像形成したシートを、シート処理装置Bで綴じ処理或いは整合処理してスタックトレイ21及びサドルトレイ22に排出するようになっている。
[画像形成装置Cの装置本体Aの構成]
画像形成装置Cの装置本体Aについて図1に従って説明する。この画像形成装置Cの装置本体Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、排紙口3から排出するようになっている。
給紙部1は、複数サイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2には、感光体ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と、定着器8とが配置されている。画像形成部2は、感光体ドラム4上に、レーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着してトナー画像を形成する。そして、画像形成部2は、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8でシートを加熱定着してトナー画像を定着する。このように画像形成されたシートは排紙口3から順次搬出される。循環経路9は、定着器8から表面側に印刷したシートを、スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように、両面印刷されたシートは、スイッチバック経路10で表裏反転された後、排紙口3から搬出される。
画像読取装置11は、プラテンガラス12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは、画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部14に転送されて、レーザ発光器5に画像信号として送られる。また、原稿送り装置15は、スタックトレイ16に収容した原稿シートをプラテンガラス12に給送するフィーダ装置である。
画像形成装置Cの装置本体Aには、画像形成装置の装置本体の制御部150(図25)が設けられている。画像形成装置Cの装置本体Aのコントロールパネル18(図1、図25)から画像形成条件、例えば、シートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などの印刷条件が設定される。一方、画像形成装置Cの装置本体Aには、スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積される。データ貯蔵部17から画像データは、バッファメモリ19に転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるようになっている。
コントロールパネル18からは上述の片面/両面印刷、拡大/縮小印刷、モノクロ/カラー印刷などの画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」、「綴じ仕上げモード」、「整合モード」などが選定される。
[シート処理装置Bの構成]
シート処理装置Bは、画像形成装置Cの装置本体Aの排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(i)このシートをスタックトレイ21に収容する(前述の「プリントアウトモード」)ようになっている。また、シート処理装置Bは、(ii)排紙口3からのシートを束状に部揃えしてシート束を綴じた後、スタックトレイ(第1スタックトレイ)21に収納するようになっている(前述の「綴じ仕上げモード」)。
シート処理装置Bのケーシング(外装カバー)20には、シート搬入口23aが設けられ、このシート搬入口23aは、画像形成装置Cの装置本体Aの排紙口3に連結されている。そして、ケーシング20内には、シート搬入口23aからのシートを部揃え集積して綴じ仕上げする第1処理部BX1が設けられている。第1処理部BX1とシート搬入口23aとの間には第1搬送経路K1が設けられ、シート搬入口23aからのシートを第1処理部BX1に案内するようになっている。
第1搬送経路K1には、処理トレイ29より上流側に「バッファ経路K3」が設けられている。このバッファ経路K3は、処理トレイ29上に部揃え集積したシート束に綴じ処理等の後処理を施す際、この後処理動作中にシート搬入口23aに送られた後続シートを一時的に滞留するようになっている。このため、第1搬送経路K1には、処理トレイ29に至る経路上流側に図1に示すようにケーシング20の鉛直方向にバッファ経路K3が分岐して配置されている。そして、バッファ経路K3は、第1搬送経路K1からのスイッチバックシートを滞留できるようになっている。したがって、バッファ経路K3は、処理トレイ29に部揃え集積したシート束に後処理(後述の端綴じ処理)を施す際に、シート搬入口23aに送られてくる後続シートを一時的に滞留できるようになっている。バッファ経路K3のシートは、処理トレイ29の処理されたシート束が搬出された後、処理トレイ29に移送されるようになっている。
第1搬送経路K1は、ケーシング20で構成される装置ハウジングの上部に略々水平方向に配置され、この第1搬送経路K1の下流側に第1処理部BX1が、その下流側にスタックトレイ21が配置されている。
第1搬送経路K1には、経路出口端に排紙ローラ対25と排紙口25xが設けられ、この排紙口25xには、排紙センサS2が配置されている。排紙センサS2は、この第1搬送経路K1を通過するシートを検出してジャム検出とシートの通過枚数をカウントするようになっている。そして、この排紙口25xの下流側に段差を形成して処理トレイ29が配置されている。
[第1処理部BX1の構成]
第1処理部BX1(図2、図3)は、第1搬送経路K1に配置された処理トレイ29と、この処理トレイ29に配置された端綴じステープラユニット31と、アライニング部51とで構成されている。
[処理トレイ29の構造]
搬送されてきたシートが積載される積載手段としての処理トレイ29は、合成樹脂プレートなどで形成され、シートを積載支持するシート支持面29aを備えている。このシート支持面29aは、排紙口25xの下流側に段差を形成して配置され、排紙口25xからのシートを積載するようになっている。シート支持面29aは、シートの排紙方向長さより短い長さに形成され、排紙口25xからのシートの後端部を支持するようになっている。この場合、シートの先端部は、スタックトレイ21の最上位のシートの上に支持(ブリッジ支持)されるようになっている。
処理トレイ29には、シート端規制部32が設けられている。シート端規制部32は、排紙口25xからのシート後端を受け止めて整合するようになっている。
そして、図3の処理トレイ29の上方には、処理トレイ29上に搬入したシートをシート端規制部32に移送するスイッチバックローラ対26(可動ローラ26a、従動ローラ26b)と、アライニング部51と、サイド整合部34とが配置されている。以下各構成について説明する。
[シート端規制部32の構成]
処理トレイ29には、搬入されたシートの後端を位置決めするシート端規制部32が配置されている。図4に示すシート端規制部32を構成する各ストッパ32A,32B,32Cは、シートの後端縁を受け止めて規制するシート端面規制面32aと、最上位のシートの上面を位置規制するシート上面規制面32bとで形成されている。このシート端規制部32は、処理トレイ29の後端縁に配置され、後述するスイッチバックローラ対26とアライニング部51で移送されるシートの後端縁を受け止めて規制して、予め設定されている後処理位置(綴じ位置;以下同様)にシートを位置決めする。このときシート上面規制面32bは、後端がカールしたシートの反り返り面を規制し、シート端面規制面32aでシート端縁を位置規制するようになっている。
シート端面規制面32aとシート上面規制面32bは、樹脂、金属板などで一体に形成されており、この両規制面は個別の部材で形成することも可能である。板ばね32sは、シート後端のカールを矯正するために固定ストッパ32A、左可動ストッパ32C、右可動ストッパ32Bに取り付けられている。
このようにシート左右端部に位置する左可動ストッパ32Cと、右可動ストッパ32Bは、シートサイズに応じて位置移動するようになっている。このため処理トレイ29の底面壁には、左スライド部材38bと右スライド部材38aがシート幅方向に移動可能に嵌合支持されている。そして、この左右のスライド部材38b,38aには、右可動ストッパ32Bと左可動ストッパ32Cが固定されている。この左右のスライド部材38b,38aは、後述するようにシートサイドを整合する左サイド整合板34L、右サイド整合板34Rに連動するように連結されている。
シート端規制部32の各ストッパ32A,32B,32Cは、少なくともシート上面規制面32bがシート積載方向に上下動可能に構成されている。これは、後述するシート束把持搬出部100で処理トレイ29上のシート束を処理トレイ29から搬出する際に、シート束把持搬出部100でトレイ29上のシート束を上方に持ち上げることがある。このため、シート束の上方移動に追従して、シート上面規制面32bが上方移動できるようにしてある。
このため図4に示すように、固定ストッパ32Aは処理トレイ29の底壁に揺動可能に軸支持され、付勢バネ33で図示下方に付勢支持されている。また、左右可動ストッパ32C,32Bは、左右のスライド部材38b,38aにそれぞれ弾性変形可能(符号32αで示す部位)に取り付けられている。
[スイッチバックローラ対(シート移送手段)26の構成]
処理トレイ29(図3)には、排紙口25xから搬入されたシートをシート端規制部32に案内するスイッチバックローラ対26が配置されている。スイッチバックローラ対26は、排紙口25xから処理トレイ29に搬出されたシートをシート端規制部32に移送するローラ、ベルトなどの摩擦回転体で構成される。
スイッチバックローラ対26は、図5に示すように処理トレイ29の上方に配置され、処理トレイ29上の最上位のシートPを正逆方向に搬送するようになっている。そして、このスイッチバックローラ対26の可動ローラ26aは、処理トレイ29上のシートと接する作動位置(図5(C))と、このシートの上方に離間した待機位置(図5(B))との間で上下動するように昇降支持アーム28に軸支持されている。つまり、昇降支持アーム28は、装置フレーム(不図示)に揺動回転軸28aで揺動可能に軸支持され、この揺動回転軸28aにはピニオン28pを介して昇降モータMYが連結されている。なお、昇降支持アーム28には、不図示のポジションセンサが配置されている。ポジションセンサは、昇降支持アーム28の位置を検出して、可動ローラ26aが待機位置と作動位置との間で昇降できるようにしている。
昇降支持アーム28に軸支持された可動側の可動ローラ26aは、図示しない正逆転モータによって、正逆転して、処理トレイ29上に搬入されたシートを排紙方向及びその反対方向に正逆搬送するようになっている。そこで、可動ローラ26aのローラ回転軸26zは、図5(A)に示すように昇降支持アーム28に形成した長溝28uに軸承され、シート積載方向(図5(A)上下方向)に上下動可能に軸支持されている。そして、可動側の可動ローラ26aには、紙面接触センサSsが設けられている。板ばね28zは、ローラ回転軸26zを常時下方に付勢しており、可動ローラ26aが下降する際に軸が浮き上がって紙面接触センサSsの誤作動を防止するようになっている。
[紙面接触センサSs]
昇降支持アーム28には、長溝28uに沿って上下動する可動ローラ26aのローラ回転軸26zを位置検出する紙面接触センサSsが設けられている。紙面接触センサSsは、可動ローラ26aが処理トレイ上の最上位のシートに当接した接触圧で長溝28u内を移動(上方移動)するローラ回転軸26zの位置を検出するようになっている。このため、昇降支持アーム28には、揺動回転軸28aと異なる位置に回転中心o1を有するセンサレバー30が設けられ、このセンサレバー30の先端部にローラ回転軸26zが軸連結されている。そして、センサレバー30の後端部に形成されたセンサフラグ30fが紙面接触センサSsに検出されるようになっている。紙面接触センサSsは、フォトセンサである。このような可動ローラ26aは、昇降モータMYで昇降支持アーム28を上下揺動することによって、処理トレイ上方の待機位置(図5(B))と、処理トレイ上に搬入されたシートと接する作動位置(図5(C))との間で上下動することとなる。そして、昇降支持アーム28に配置された紙面接触センサSsが、処理トレイ29上に搬入されたシートにスイッチバックローラ対26の可動ローラ26aが当接するのを検出することとなる。
[制御部165の構成]
昇降モータMYを制御する制御部165(図25)は、次のように構成されている。制御部165は、後述する制御CPU161に組み込まれており、昇降支持アーム28を待機位置と作動位置とに昇降させる制御をするようになっている。制御部165は、昇降支持アーム28に配置されているポジションセンサ(不図示)で待機位置に静止されている。そして、制御部165は、排紙口25xから搬出されるシートの先端を排紙センサS2が検出し、シートの先端が排紙センサS2の直下を通過してから所定時間後に、昇降モータMYを図5(A)の反時計方向に回転させる。すると、昇降支持アーム28は、揺動回転軸28aを中心に図5(A)の反時計方向に回転する。これによって可動ローラ26aのローラ回転軸26zは、長溝28uで支持されているので昇降支持アーム28と略々同一の速度で待機位置(図5(B))から作動位置(図5(C))に降下する。このとき、可動ローラ26aに連結されているセンサレバー30も、昇降支持アーム28と同一速度で同一方向に移動(下降)する。
制御部165は、昇降支持アーム28の下降速度(昇降モータMYの回転速度)Vaを、可動側の可動ローラ26aが長溝28u内を自重で落下する速度(自由落下速度)Vrより等しいかそれより遅く(Va≦Vr)なるように設定してある。これは、長溝28u内を自由落下する可動ローラ26aより昇降支持アーム28の下降速度Vaを速くすると可動ローラ26aが不安定となりリバウンドなどで紙面接触センサSsが誤作動するのを防止するためである。つまり可動ローラ26aの落下する速度Vrを昇降支持アーム28の速度で制限して緩やかに下降させることによって紙面接触センサSsのチャタリングなどの誤検出を防止している。
次に、可動ローラ26aの周面が処理トレイ29上の最上位のシートの上に当接するとスイッチバックローラ対26の可動ローラ26aは、最上位のシートの上に静止するが、昇降支持アーム28は同一方向に揺動して降下し続ける。このとき、センサレバー30が、中央の回転中心o1を中心に反時計方向(図5(C)の矢示方向)に揺動する。すると、紙面接触センサSsが、センサレバー30を検知して「ON」になる。紙面接触センサSsの検知信号で昇降モータMYが停止する。この結果、可動ローラ26aは、処理トレイ29上に積載されているシートの集積量の大小に関係なく、常に一定の圧接力(例えば自重)Ptで最上位のシートに当接する(図5(C)参照)。
このスイッチバックローラ対26の作動位置への降下と相前後して制御部165は、正逆転モータ(不図示)を駆動して可動ローラ26aを正逆転させる。すると、排紙口25xから処理トレイ29の最上位のシートの上に搬入されたシートは、一定の搬送力を受けて、排紙方向及び排紙反対方向に移送される。なお、可動ローラ26aは、シートを排紙口25xから排紙方向に搬送するとき、時計方向に回転し、シートの後端を処理トレイ29に引き込む。そして、可動ローラ26aは、シートの後端が排紙口25xを通過した後、逆転し、シート端規制部32側にスイッチバック搬送する。このシート搬送の過程でシートと可動ローラ26aは、処理トレイ上のシートの積載枚数に拘わらず一定の押圧力で最上位のシートに接触し、予め、設定された所定の搬送力をシートに付与することになる。
[アライニング部51]
図6(A)に示すように、処理トレイ29上には、スイッチバックローラ対26と共にシートをシート端規制部32に移送するアライニング部51が備えられている。このアライニング部51は、排紙口25xの直下に配置されて、処理トレイ29に搬入されたシートの後端を掻き込んでシート端規制部32に向けて移送する、例えば、整合回転体としての摩擦回転体52を有している。
摩擦回転体52は、ゴム製、スポンジ(多孔性発泡体)製のローラ、ベルトなどの回転体であり、処理トレイ29上の最上位のシートに接触して、その摩擦力でシートを所定方向に移送するようになっている。摩擦回転体52は、処理トレイ29上に集積されたシートの積載枚数に応じて上下動するようになっている。このため、装置フレーム(不図示)に揺動回転軸53で回動自在に軸支持した昇降支持アーム54には、摩擦回転体(ローラ)52が軸受け支持されている。この揺動回転軸53には、駆動ピニオン53pが取付けられ、この駆動ピニオン53pには、ステッピングモータMCが連結されている。そして、駆動ピニオン53pと揺動回転軸53との間にはトルクリミッタ(不図示)が内蔵されている。したがって、昇降支持アーム54に取り付けられた摩擦回転体52は、処理トレイ29上の最上位のシートに当接すると、その反力でトルクリミッタが空転し、常に一定の圧力で最上位のシートに接触するようになっている。
このため、昇降支持アーム54は、摩擦回転体52が処理トレイ29上に集積されたシートの積載枚数の大小に拘わらずその最上位のシートの上に接触した位置に停止する。昇降支持アーム54は、最上位のシートの上に停止した後、図示しないトルクリミッタが空転して所定の押圧力を摩擦回転体52に付加する。なお、揺動回転軸53には、遊動プーリが軸支持され、このプーリに図示しない駆動モータが連結されている。そして、この駆動モータの回転力をプーリからベルトなどで摩擦回転体52に伝達している。したがって、摩擦回転体52は、図6(B)(C)に示す作動位置で図6の反時計方向に回転して、処理トレイ29上に搬入されたシートをシート端規制部32に向けて移送するようになっている。
昇降支持アーム54には、摩擦回転体52の上流側に搬入ガイド54aが設けられ、下流側に向いた搬出ガイド54bが回転自在に取り付けられている。そして、搬入ガイド54aは、摩擦回転体52にシートの後端を案内するガイド形状に形成されている。搬出ガイド54bは、摩擦回転体52とシート端規制部32との間に位置して、シートの後端をシート端規制部32に案内するガイド形状に形成されている。
[搬入ガイド54a]
搬入ガイド54aは、図6(A)に示すように、昇降支持アーム54に一体に形成され、摩擦回転体52の周面方向にシートの後端を案内するように、シート搬入側が高く摩擦回転体側が低くなるように傾斜したテーパ面54a1が形成されている。したがって、スイッチバックローラ対26でシート端規制部32に向けて送られたシートの後端がカールして反り上がっていても、シートの後端は、テーパ面54a1に沿って摩擦回転体52に案内されることになる。また、搬入ガイド54aは、昇降支持アーム54に一体形成されているため処理トレイ上のシートの積載枚数に応じて上方に持ち上げられることとなる。摩擦回転体52の径を小さくて摩擦回転体52を小型にすると、後端がカールしたシートが、摩擦回転体52に巻き込まれてジャムするおそれがある。そこで、搬入ガイド54aでシートの後端を案内する際に、シートの積載枚数に応じてテーパ面54a1とローラ周面との角度関係が変化してジャムを引き起こす。このような問題を解決するために摩擦回転体52と搬入ガイド54aとを一体化してシートの積載枚数に応じて上下動するように構成してある。
[搬出ガイド54b]
搬出ガイド54bは摩擦回転体52で送られたシートの後端側を上方からガイドしてシート端規制部32に案内するガイド面54b1を備えている。この搬出ガイド54bは、摩擦回転体52と同軸的に昇降支持アーム54に回転自在に設けられている。従って処理トレイ上のシートの積載枚数に応じて上方に繰り上がることができる。
但し、搬入ガイド54aは、処理トレイ29に近づく方向への回転を規制されている。このため、搬入ガイド54aは、図7(A)に示すように、搬入ガイド54aと最上位のシートとの間隔(L1)は、搬出ガイド54bと最上位のシートとの間隔(L2)より、大きく(L1>L2)設定されている。
[キッカー部55の構成]
搬入ガイド54aは、その上流側に配置されたキッカー部55と協働して排紙口25xからのシートを摩擦回転体52に案内するようになっている。このキッカー部55について説明する。排紙口25xと処理トレイ29との間には段差が形成されている。このため、排紙口25xからスイッチバックローラ対26で送られたシートの後端は、処理トレイ29上に落下する。そこで、排紙口25xには、キッカー部55が設けられている。
キッカー部55は、図6(A)に示すように回転軸56で装置フレームに取付けられた基端揺動レバー55aと、キックレバー55b等で構成されている。基端揺動レバー55aの回転軸56には駆動モータMKが歯車で連結されている。また、基端揺動レバー55aの先端には、キックレバー55bが回動可能に軸連結されている。そして、図7(B)及び(C)に示すように回転軸56は、駆動モータMKによって回転するようになっており、回転軸56に歯車、ベルトを介してキックレバー55bの軸支点55b1が連結されている。図7(B)の破線位置(待機位置)のキッカー部55の基端揺動レバー55aは、駆動モータMKが図7において反時計方向に回転すると、矢示a方向(反時計方向)に揺動する。このとき、キックレバー55bは、回転軸56と歯車、ベルト連結されているため、図7の矢印b方向(時計方向)に回転する。したがって、駆動モータMKが図7において、反時計方向に回転することによって、キッカー部55は、図7(B)の破線の状態から実線状態に回動して、排紙口25xから排出されるシート後端を下方の処理トレイ29上に押圧する。
制御CPU161(図25)は、排紙口25xの排紙センサS2をシートの後端が通過した検知信号で、シートの後端が排紙ローラ対25を通過するタイミングに合わせて、駆動モータMKに通電し、キッカー部55で、シートの後端をトレイ上に蹴落とす。キッカー部55で落下させたシートは、スイッチバックローラ対26の可動ローラ26aによって、シート端規制部32側に搬送され、搬入ガイド54aに案内されて、摩擦回転体52に送り込まれる。
[左サイド整合板34L、右サイド整合板34Rの構成]
処理トレイ29にはシートを幅寄せ整合する左右のサイド整合板34L,34Rが配置されている(図4、図8、図9、図10、図11)。サイド整合部34は、排紙口25xから処理トレイ29に搬入されたシート同士を、シートのセンター(幅中心)CLを基準に位置合わせするセンター基準と、シートの左右一方の側縁を基準に位置合わせするサイド基準のいずれかが採用される。図4に示す斜視図及び図8乃至図11に示す動作状態図に基づいて説明する。
サイド整合部34は、図4に示すように、処理トレイ29上のシートの左側縁に当接する左サイド整合板34Lと、シートの右側縁に当接する右サイド整合板34Rとで構成されている。この左右のサイド整合板34L,34Rは、それぞれ処理トレイ29のシート支持面29aに形成されている整合板溝29b(図4参照)に嵌合支持され、シートの幅方向に位置移動可能になっている。シートの幅方向とは、処理トレイ29上をシートが移動する方向に対して直交する方向のことである。そして、処理トレイ29の底部には図8に示すように整合板溝29b(図4)に沿って1対のプーリ35が配置され、この1対のプーリ35にベルト36が架け渡してある。このベルト36に左右のサイド整合板34L,34Rが固定されている。また、プーリ35の一方にはシフトモータMZ1、MZ2が連結してある。
左サイド整合板34Lと右サイド整合板34Rは、それぞれのシフトモータMZ1,MZ2の駆動でシート幅方向(図の左右)に移動する。そこで、左右のシフトモータMZ1,MZ2が、同期して反対方向に同一量回転駆動することによって、処理トレイ29上に搬入されたシートをセンター基準で整合することができる。図8は、大サイズのシートを幅整合する状態を示し、図9は、中サイズのシートを幅整合する状態を示している。また、図10は、小サイズのシートを幅整合する状態を示している。一方、処理トレイ29上にセンター基準で整合したシート束は、左右のシフトモータMZ1,MZ2を同一方向に同一量回転駆動することによってシートをオフセットすることが可能となる。図11は、大サイズのシートをオフセット移動する場合を示した図である。このように大サイズのシートを所定量オフセットするのは後処理位置がシートコーナに偏っている場合、ステープラユニット31を装置側方に移動する必要があり、装置の大型化をもたらす。そこで、処理トレイ29上に集積されたシート束を所定量オフセットすることによってコーナ綴じなどの後処理を可能とする。これによって装置の小型コンパクト化が達成される。
[左右サイド整合板34L,34Rと可動ストッパ32C,32Bの連動機構]
左右サイド整合板34L,34Rは、シート端規制部32と次のように連動している。シート端規制部32(図4)は、固定ストッパ32Aと、右可動ストッパ32Bと、左可動ストッパ32Cとを備えている。左右の可動ストッパ32C,32Bは、処理トレイ29にシート幅方向に移動可能に嵌合支持された左右のスライド部材38b,38aに連結されている。
左右の可動ストッパ32C,32Bは、左右サイド整合板34L,34Rに図8に示すように連結スプリング37a,37bで連結されている。つまり、右可動ストッパ32Bを備えた右スライド部材38aは連結スプリング37aで連結され、左可動ストッパ32Cを備えた左スライド部材38bは連結スプリング37bで連結されている。そして、シート幅方向に左右サイド整合板34L,34RはストロークLS1間で往復動する。これに対して、左右の可動ストッパ32C,32BはストロークLS2間で従動運動する。このため左右の可動ストッパ32C,32Bには図示しない止め部材が処理トレイ29側に配置してある。
ストロークLS1,LS2はLS1>LS2に設定してあり、左右サイド整合板34L,34Rの移動に連動して左右の可動ストッパ32C,32Bは、この止め部材に突き当るまで同一量ずつ移動する。可動ストッパ32C,32Bは止め部材に突き当たった後、止め部材の位置に停止するが、左右サイド整合板34L,34Rは更に移動する。このとき、両者間を連結する連結スプリング37a,37bが伸びる(伸張する)ことになる。したがって、左右サイド整合板34L,34Rはシートサイズに応じたストロークLS1間で位置移動し、可動ストッパ32C,32BはストロークLS2間で移動する。このように、左右の可動ストッパ32C,32Bのストロークを短く設定したのはシート中央に後述するシート束把持搬出部100が配置されているためである。
以上、シート端規制部32を構成する左右の可動ストッパ32C,32Bをサイド整合部34に連動させ、この両者の移動ストロークを異ならせる場合に、図示実施形態では連結スプリング37を用いる形態について説明した。しかし、左右サイド整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32C,32Bとは滑り伝動機構或いは減速伝動機構を用いても良い。
滑り伝動機構の場合は、左右サイド整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32C,32Bとを滑り摩擦クラッチで連結し、左右の可動ストッパ32C,32Bが止め部材に突き当たった後はクラッチ板が滑り運動するように構成されている。減速伝動機構は左右サイド整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32C,32Bとを歯車伝動機構で連結してある。減速伝動機構の歯車比は、左右サイド整合板34L,34RがストロークLS1で移動し、可動ストッパ32C,32BがストロークLS2で移動するように設定されている。
サイド整合部34の制御について説明する。なお、上述の左右サイド整合板34L,34Rには、予め設定したホームポジションにポジションセンサが配置され、装置起動時には左右サイド整合板34L,34Rはホームポジションに位置しているものとする。制御CPU161(図25)は、画像形成装置Cの装置本体Aから画像形成されるシートのサイズ情報を受信し、この情報に基づいて制御部166は、左右サイド整合板34L,34Rを所定の待機位置に位置させる。この待機位置は、処理トレイ29に送られるシートの幅サイズから所定量離れた位置(整合可能な移動幅を形成する位置)に設定されている。そこで制御CPU161は、排紙口25xから搬出されたシートの後端が処理トレイ上に搬入される見込み時間の後(排紙センサS2からタイマ時間経過後)左右のシフトモータMZ1,MZ2を反対方向に所定量ずつ同期回転させる。すると、処理トレイ29上に搬入されたシートは、左右サイド整合板34L,34Rによって、幅寄せ整合される。
[シート束把持搬出部100の構成]
処理トレイ29には、処理済みシート束を把持して下流側のスタックトレイ21(図1、図2)に搬出するシート束把持搬出部(把持手段)100が配置されている。図12はシート束把持搬出部100のグリッパを主体にした外観斜視図である。図13はシート束把持搬出部100の平面図である。図14はガイド機構の図である。図15はシート束把持搬出部100の駆動機構を主体にした外観斜視図である。図16はシート束把持搬出部の側面図である。
シート束把持搬出部(把持手段)100は、図12及び図16に示すように、処理トレイ29の周囲に配置され、グリッパ105、キャリア部材110、グリッパ駆動部127(図16)、キャリア駆動部114等で構成されている。グリッパ105は、1対の把持部である可動グリッパ(上部グリッパ部)105a及び固定グリッパ(下部グリッパ部)105b等で構成されている。また、キャリア部材110は、グリッパ105を搭載し、処理トレイ29の基端部(後処理位置)から先端部(束搬出位置)に往復移動するようになっている。以下各構成について説明する。
[グリッパ105]
シート束把持搬出部100は、グリッパ105、キャリア部材110、グリッパ駆動部127(図16)、キャリア駆動部114等で構成されて、処理トレイ29のシート支持面29aに形成されたガイド溝29G(図13)内に配置されている。図13に示すように処理トレイ29には、処理位置とこの処理トレイ29の下流側に配置されているスタックトレイ21(図1〜図3)との間にガイド溝29Gがシート束搬出方向Jに沿って形成されている。ガイド溝29Gは、シート幅方向に距離を隔てて2つのガイド溝29G1,29G2が形成され、この右左のガイド溝29G1,29G2のそれぞれにグリッパ105が以下のように配置されている。
グリッパ105は、処理トレイ29上のシート束の後端縁をグリップして搬出するようになっている。図12及び図16に示すように、可動グリッパ105aと固定グリッパ105bは、ピボットピン(連結軸)106(図16)で互いに接近離間するように連結されている。そして、可動グリッパ105aと固定グリッパ105bとの間には付勢スプリング107(図16)が設けられている。
固定グリッパ105bは、キャリア部材110に形成した案内溝115(図16)にシート束搬出方向Jに移動可能に嵌合支持されている。この嵌合支持状態は図示省略。また、可動グリッパ105a(図16、図17)は、連結リンク機構200によって連結されている。連結リンク機構200は、固定グリッパ105bに突設した軸201に回転自在に設けられた屈曲リンク202と、屈曲リンク202の一端202aと可動グリッパ105aとを連結する連結リンク203等で構成されている。屈曲リンク202の他端202bには、屈曲リンク202の回転方向に沿った長孔204が形成されている。長孔204は、固定グリッパ105bに突設したピン205に係合している。屈曲リンク202の一端202aと連結リンク203の一端203aは、連結ピン206によって回転自在に連結されている。連結リンク203の他端203bは、可動グリッパに突設したガイドピン108に回転自在に連結されている。また、屈曲リンク202の他端202bと、キャリア部材110に内蔵した走行ベルト116に一体に設けられた三角形状の連結片116aとには、連結スプリング117が設けられている。走行ベルト116は、キャリア部材110の案内溝115に係合した案内片116bが設けられている。案内片116bは、固定グリッパ105bの案内溝128とキャリア部材110に形成された案内溝115とに係合している。
したがって、駆動モータMEによって走行ベルト116が、図16(A)において、左回転すると、固定グリッパ105bと可動グリッパ105aは、その先端ニップ部105ax,105bx同士が圧接した状態でシート束搬出方向Jに移動する(図17)。先端ニップ部105ax,105bx同士が圧接して閉じた状態は、付勢スプリング107によって保持されている。走行ベルト116が、図16(A)において、右回転すると、連結片116aと案内片116bが右に移動する。すると、連結片116aが連結スプリング117を介して屈曲リンク202を右回転させて、付勢スプリング107に抗して連結リンク203を押し上げる。この結果、可動グリッパ105aが、ピボットピン106を中心に右方向に揺動し、先端ニップ部105axは固定グリッパ105bの先端ニップ部105bxから離間して把持状態が解除される(図16(B)の状態)。さらに、走行ベルト116が右回転して、走行ベルト116に設けてある案内片116bが案内溝128の右端128aに当接する。その後、グリッパ105は、走行ベルト116の右回転にともなって、シート束搬出方向Jとは反対の右方向に移動し、待機位置で、駆動モータMEの右回転の停止によって移動を停止する。
[キャリア部材110]
グリッパ105を搭載支持するキャリア部材110について説明する。図12及び図16、図17に示すように、キャリア部材110は、グリッパ105を担持する適宜形状のフレーム部材であり、処理トレイ29に形成したガイド溝29G(図13)に沿ってシート束搬出方向Jに移動可能に支持されている。
キャリア部材110の支持構造を説明する。キャリア部材110の後端部110bは、図13に示すスライド部材119に沿って直線的に往復移動するようにスライド部材119に支持されている。また、キャリア部材110の先端部110a(図16)は、先端部110aに設けたガイドピン111が図14に示すループ案内溝29Gaに係合し、ループ案内溝29Gaに沿ってループを描いて往復動するようになっている。これによって、キャリア部材110に搭載されているグリッパ105は、処理トレイ上に突出した上部パスで待機位置から搬出位置に移動し、シート束をスタックトレイ21に搬出した後、処理トレイ内に没した下部パスで待機位置に復帰するようになっている。
[スライド部材119]
スライド部材119は、図13に示すように処理トレイ29の底部に配置されたガイドレール121に、ガイド溝29Gと同一方向(図13の上下端方向)に所定のストロークを往復動可能に嵌合支持されている。このスライド部材119には、駆動回転軸125が設けられている。図13に示す駆動回転軸125には、キャリア部材110の後端部110bが軸連結されている。キャリア部材110は、その後端部110bの駆動回転軸125でシート束搬出方向Jに所定ストロークで往復動するようにスライド部材119に連結され、同時にその先端部110aはこの駆動回転軸125を中心に揺動可能になっている。なお、スライド部材119は、駆動アーム(クランク部材)126(図16)が連結されており、駆動アーム126によって所定のストローク、往復移動するようになっている。また、駆動回転軸125(図13、図16)には、走行ベルト116の駆動プーリ130bが連結され、グリッパ駆動部127(図16)が連結されている。
[ループ案内溝29Ga]
ガイド溝29G(図13)の左右側壁には互いに対向するループ案内溝29Ga(図13、図14)が形成されている。このループ案内溝29Gaには、キャリア部材110の先端部110a(図13、図16)に設けられたガイドピン111(図13、図15、図16)が嵌合支持されている。このループ案内溝29Ga(図14)は、処理トレイ29のシート支持面29aに沿った上部走行パス113aと下部走行パス113bとでループ状に形成された無端溝である。そして、ガイドピン111は、待機位置から搬出位置に上部走行パス113aに沿って移動(往路)し、搬出位置から待機位置に下部走行パス113bに沿って移動(復路)するようになっている。
スライド部材119とループ案内溝29Gaに支持されたキャリア部材110は、図14に示すように待機位置からスタックトレイ21側(左側)に移動するときガイドピン111が上部走行パス113aに案内されるため、略々水平姿勢に維持されて移動する。また、キャリア部材110は、スタックトレイ21から図14の右側の待機位置に復帰するとき、ガイドピン111が下部走行パス113bに案内されるため、傾斜した姿勢で移動する。
また、図14に示すようにループ案内溝29Gaには、グリッパ105の可動グリッパ105aに設けられたガイドピン108(図12、図16)を案内するループ溝112が形成されている。このループ溝112に沿って可動グリッパ105aと固定グリッパ105bが移動する。
キャリア部材110に搭載されたグリッパ105は、キャリア部材110のガイドピン111が上部走行パス113aに案内されてシート束搬出方向に移動するときには、処理トレイ29の上方に突出した作動姿勢となる。そして、グリッパ105は、ガイドピン111が下部走行パス113bに案内されて待機位置に移動するときには、ガイド溝内に没入した待機姿勢となるようになっている。この状態は図15乃至図17に従って後述する。
このように構成されたキャリア部材110には、図16に示すようにシート束搬出方向前後に1対のプーリ130a,130bが設けられ、このプーリ間に走行ベルト116(図13も参照)が架け渡してある。そして、一方の駆動プーリ130bは、駆動回転軸125に軸支持されている。駆動回転軸125の回転でグリッパ105は、キャリア部材110と重畳する基端格納位置(図18(A)の状態)と、キャリア部材110からシート束搬出方向に突出した先端搬出位置(図20(A)の状態)との間を往復移動するようになっている。
[グリッパ105の搭載構造]
キャリア部材110は、処理トレイ29の底部に配置され、その上部にグリッパ105が搭載されている。グリッパ105は、前述したように固定グリッパ105bの上部に可動グリッパ105aがピボットピン106(図16、図17)で連結されて構成されている。固定グリッパ105bは、キャリア部材110にシート束搬出方向に位置移動可能に支持されている。図16に示す符号115は、キャリア部材110に形成されたスライド案内溝である。この案内溝115には、固定グリッパ105bが嵌合支持されている。この嵌合支持状態は図示省略。また、可動グリッパ105aは、ピボットピン106で固定グリッパ105bに揺動可能に支持されている。キャリア部材110とグリッパ105は、図15及び図16に示すように、それぞれキャリア駆動部114とグリッパ駆動部127とを備えている。
[キャリア駆動部114]
キャリア部材110は、図13に示すように、駆動回転軸125でスライド部材119に連結(結合)されている。図16に概略的に示すようにスライド部材119には軸ピン122が一体形成され、この軸ピン122に駆動アーム126が嵌合されている。駆動アーム126は、クランク部材であり、装置フレームに軸承された揺動中心軸131を中心に揺動するように駆動モータMHに連結されている。そして、駆動アーム126と軸ピン122は長孔122aで連結されている。したがって、駆動モータMHで駆動アーム126を所定角度前後動(図16で左右方向に揺動)すると、スライド部材119は、所定ストローク、前後に往復移動する。駆動アーム126の前後動でキャリア部材110の後端部110bは直線軌跡で前後動し、先端部110aはループ案内溝29Gaに沿ってループ軌跡で前後動することになる。このように、キャリア部材110は、処理トレイ29に沿ってこのキャリア部材110をシート束搬出方向に位置移動するキャリア駆動部114を備えている。
[グリッパ駆動部127]
図16の概略図において、グリッパ105を構成する固定グリッパ105bと可動グリッパ105aは、互いにピボットピン106で連結されている。そして、固定グリッパ105bはキャリア部材110にスライド案内溝115に沿ってシート束搬出方向に前後動可能に支持されている。この嵌合支持状態は図示省略。キャリア部材110に設けられた走行ベルト116には、その駆動プーリ130bに駆動モータMEが連結されている。駆動モータMEは、左右回転可能なモータである。駆動モータMEが左回転すると走行ベルト116は図16において左回転(循環)する。走行ベルト116の回転に従動して可動グリッパ105a、固定グリッパ105bは、スライド案内溝115に沿って待機位置から搬出位置に移動する。
駆動モータMEを右回転させると図16(B)に示すように可動グリッパ105a、固定グリッパ105bは、搬出位置から待機位置に戻る。これと共に走行ベルト116が待機位置からその後方側にさらに回転すると、連結スプリング117は駆動プーリ130bに倣って右方向に移動する。すると、走行ベルト116は、連結片116aと連結スプリング117とを介して、屈曲リンク202を図16において右回転させる。この結果、可動グリッパ105aは、ピボットピン106を中心に右方向に回転し、先端のニップ部105axは上方に拡開される(図16(B)参照)。このようにグリッパ105は、キャリア部材110に沿ってグリッパ105をシート束搬出方向に位置移動させるグリッパ駆動部127を備えている。なお、グリッパ駆動部127は、キャリア部材110と一体に移動するようになっている。
[グリッパ105の動作]
グリッパ105の動作を説明する。グリッパ105は、「第1待機位置Gp1」、「第2待機位置Gp2」、「ニップ位置Gp3」、「束搬出位置Gp4」、「ニップ解除位置Gp5」、「第1待機位置Gp1」の順に移動するように制御される。グリッパ105の制御部167は、後述する。
[第1待機位置Gp1]
後述する制御部167(図25)は、シート処理装置Bの起動時の「イニシャル動作」(後述する)でグリッパ105を図18(A)に示す第1待機位置Gp1に移動させる。この第1待機位置Gp1で、グリッパ105は、処理トレイ29のガイド溝29G(図13)内に没入した待機姿勢となる。グリッパ105がこの待機姿勢のとき、処理トレイ29上に搬入されたシートPの後端部分Pbは、図18(B)に示すようにシート端規制部32(図3)に突き当て整合されている。したがって、グリッパ105が待機姿勢になっている間に、排紙口25xから処理トレイ29上に部揃え集積されて束状になったシートは、端綴じステープラユニット31(図1)によって、後端部を綴じられる。
[グリッパ105の後退動作]
制御部167(図25)は、画像形成装置Cの装置本体Aからのジョブ終了信号を受けると、グリッパ105を後方側の第2待機位置Gp2に向けて後退させる。制御部167は、駆動アーム126の駆動モータMHを所定量右回転させる。グリッパ105が第2待機位置Gp2に向けて後退する過程で、キャリア部材110のガイドピン111は、ループ案内溝29Ga(図14)の下部走行パス113bから上部走行パス131aに移行する。
[第2待機位置Gp2]
制御部167は、駆動アーム126(図16、図17)の駆動モータMHを所定量右回転させた後、停止させる。そして、制御部167は、キャリア部材110に設けられた駆動プーリ130bの駆動モータMEを右回転(図16(A)(B))させる。すると、可動グリッパ105aは、図18(A)のニップ姿勢(閉口姿勢)から図19(A)のニップ解除姿勢(開口姿勢)に移行する。この状態でグリッパ105は第2待機位置Gp2に位置付けられる。
[ニップ動作]
制御部167は、駆動アーム126(図16、図17)の駆動モータMHを左回転させて、キャリア部材110をシート束搬出方向に移動する。この駆動制御と同時に制御部167はキャリア部材110の駆動プーリ130bを右回転(図16(A)(B))させる。
次に、制御部167は、駆動アーム126の駆動モータMHの左回転を継続するのと同時にキャリア部材110の駆動プーリ130bを左回転(図16(A)(B))させる。すると、図16(A)(B)で説明したように、走行ベルト116の移動で連結スプリング117が緩んで可動グリッパ105aは付勢スプリング107によって固定グリッパ105bに圧接される。これによって、可動グリッパ105aと固定グリッパ105bとで処理トレイ69上のシート束の後端部をニップ(把持)する。この状態を図19(B)に示す。
[束搬出位置移動]
制御部167は、キャリア部材110の駆動プーリ130b(図16(A)(B))を停止し、駆動アーム126の駆動モータMHの左回転を継続する。すると、グリッパ105にニップされたシート束Pは、処理トレイ29に沿って図19(B)の状態から図19(C)の状態に移送される。シート束が、図19(C)に示す搬出位置に移送された状態で、制御部167は、キャリア部材110の駆動プーリ130bを左回転させる。すると、走行ベルト116に連結された固定・可動グリッパ105a、105bは、図20(A)の状態に、キャリア部材110からスタックトレイ21(図1、図2)の上方に突出する。これによって、シート束の後端はスタックトレイ21上に搬出され、その先端はトレイ上の最上位のシート束の上に突出される。
[ニップ解除状態]
次に、制御部167は、駆動アーム126の駆動モータMHを一時的に停止する。すると、キャリア部材110は、ループ案内溝29Gaを落下する。そして、グリッパ105は、図20(B)の状態にトレイ上の最上位のシートの上に落下する。そこで、制御部167は、駆動アーム126(図16(A)(B))の駆動モータMHを右回転させる。すると、キャリア部材110は、ループ案内溝29Gaの下部走行パス113bに沿って第1待機位置Gp1側に復帰する。このときグリッパ105にニップされていたシート束は、スタックトレイ21の側壁に阻止されてニップを解除される(図20(C))。
[復帰状態]
次に、制御部167は、駆動アーム126の駆動モータMHの右回転を継続してキャリア部材110を束搬出位置Gp4から第1待機位置Gp1に復帰させる。すると、グリッパ105は、図20(D)の状態に処理トレイ29のガイド溝29G内に没した状態に復帰する。
[トレイ排紙口の安全機構]
処理トレイ29には、スタックトレイ21にシート束を搬出する出口端のトレイ排紙口29xには、以下の安全機構135が配置されている。図21において、安全機構135は、トレイ排紙口29xに配置された異物検出部137と、異物検出部137からの検出情報に基づいてステープラユニット31が作動しないようにする制御部等で構成されている。異物検出部137は、トレイ排紙口29xを開閉する遮蔽部材133と、この遮蔽部材133の位置を検出する位置検知センサStで構成されている。
[異物検出部137の遮蔽部材133]
遮蔽部材133は、処理トレイ29のトレイ排紙口29xに配置され、処理トレイ29のシート支持面29aの上方に形成されたトレイ排紙口29xを開閉するようになっている。遮蔽部材133は、処理トレイ29のシート支持面29a上の最上位のシートに当接するシャッタ板であり、その自重で常時最上位のシートの上に当接してトレイ排紙口29xを遮蔽するようになっている。トレイ排紙口29xに遮蔽部材133を設けたのは、処理トレイ29上に異物、例えば事務用具などが後処理部に進入、或いは使用者が不用意に指を侵入させるのを防止するためである。
遮蔽部材133は、処理トレイ29上へのシート集積、或いは処理したシート束をスタックトレイ21に搬出するシート束搬出の妨げとならないように昇降可能にケーシング20に取り付けられている。遮蔽部材133は、処理トレイ29上に集積するシートが詰まったとき、或いはステープラユニット31に針詰まり等が発生したとき、使用者が上方に移動させると、トレイ排紙口29xが開口されて、ジャム処理、針詰まり処理等を行えるようになっている。
[異物検出部137の位置検知センサSt]
位置検知センサStは、遮蔽部材133の開閉状態を検知するようになっている。遮蔽部材133にセンサフラグ134が設けられている。ケーシング20には、センサフラグ134を検知するセンサアクチュエータSeを有するセンサ138(図示のものはマイクロスイッチ)が配置されている。センサ138の検知信号は、制御部168に転送され、ステープラユニット31が作動しないようになっている。
遮蔽部材133は、処理トレイ29上のシートの積載枚数に応じてその高さ位置が異なり、シートの積載枚数が少ないときには低い位置に、また、積載枚数が多いときには高い位置に、高さに応じて昇降する。センサ138が、遮蔽部材133の一定の高さ位置を検出してステープラユニット31の作動を許容又は作動しないように構成すると次の問題が生ずる。すなわち、処理トレイ29上に積載するシートの積載高さを高く設定すると、これに伴ってセンサ138で検出する遮蔽部材133の高さ位置も高い位置に設定しなければならない。仮に、処理トレイ29上に積載するシートの積載高さを低い位置に設定すると正常動作時にステープラユニット31が作動しないことになる。このため、処理トレイ29上に数枚程度のシートが積載された状態で遮蔽部材133を持ち上げる誤操作がされたとき、センサ138が遮蔽部材133を検出しないでステープラユニット31が作動するという問題が生じる。
この問題を解決するため安全機構135は、次の2つのいずれかの方法を採用している。(i)センサ138の検出位置を、積載するシート束の厚みに応じて高さ調整をする。(ii)センサ138で複数の高さ位置を検出して、積載するシートの束厚さに応じてステープラユニット31を作動させるか否かを判別する。
(i)センサ138の検出位置を積載するシート束厚さに応じて高さ調整する実施の形態。図21に示すようにセンサ138を構成するマイクロスイッチを、ケーシング20にシート積載方向に沿って上下動可能にガイドレール(不図示)などで支持させる。マイクロスイッチを搭載したセンサブラケット140にはラック歯車141が設けられ、このラック歯車141にはステッピングモータMTに連結されたピニオン142が歯合している。この構成において、ステッピングモータMTを回転動させると、センサ138がシートの積載高さ方向に昇降して、センサ138のアクチュエータSeによる、遮蔽部材133に突設されているセンサフラグ134の検出高さ位置を調節することができる。
(ii)センサ138で複数の高さ位置を検出する実施の形態。図22に示すように、遮蔽部材133には、高い順に、第1フラグ134a、第2フラグ134b、第3フラグ134cが順に突設されている。制御部168は、複数のフラグ134a〜134cを検出するセンサ138からの信号に基づいて、ステープラユニット31を作動させるか否か判別する。
[制御部168]
制御部168(図25)は、制御CPU160に組み込まれている。安全機構135の構成(i)における制御部168は、画像形成装置Cの装置本体Aから処理トレイ29に集積されるシートの枚数を例えば画像テータから取得する。そして、制御部168は、不図示の演算回路によって、予め設定されている標準シート厚とシートの枚数とから処理トレイ29に集積されるシート束厚さを算出させる。制御部168は、シート束厚さに応じてセンサ(マイクロスイッチ)138の高さ位置を設定する。ステッピングモータMTに、設定する高さ位置に応じた電源パルスを供給する。すると、センサ138の高さ位置が変わる。センサ138のアクチュエータSeは、処理トレイ29上に部揃え集積されるシート束の厚さに応じた高さ位置で、遮蔽部材133のフラグ134を検知する。
これによって、遮蔽部材133が処理トレイ29に集積されるシート束の厚さ以上に持ち上げられたときそのフラグ134をセンサ138が検知することになる。この場合、センサ138の高さ位置は、部揃え集積されるシート束の厚さより若干高いに設定されている。そして、制御部168は、センサ138が遮蔽部材133のフラグ134を検出したとき、ステープラユニット31が作動しないようにする。
安全機構135の構成(ii)における制御部168は、第1フラグ134aをセンサ138が検出したとき、処理トレイ29上に積載されているシート束の束厚さと予め設定されている各フラグ134a〜134cの高さ位置を比較する。そして、制御部168は、フラグの高さ位置が高いときには「異常」と判断してステープラユニット31が作動しないようにする。このため、制御部168は、処理トレイ29に搬出されるシートの枚数を検出する計数カウンタと、そのカウント数からシート束厚さを算出する演算回路不図示)を備えている。そして、制御部168は、第1フラグ134aをセンサ138が検出したとき、予め設定されている第1フラグ134aの高さ位置と処理トレイ29上に積載されているシート束の束厚さとを比較して、ステープラユニット31を作動させるか否かを判別する。次いで第2フラグ134bをセンサ138が検出したとき、予め設定されている第2フラグの高さ位置と処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さとを比較して「異常か否かを」判別する。同様に、第3フラグ134cについて「異常か否かを」判別する。
「異常判別」は、処理トレイ上に積載されているシート束の厚さと、予め設定されているフラグの検出位置(高さ位置)とを比較して、遮蔽部材133が処理トレイ29の最上位のシートの上方に持ち上げられた状態のことを言う。また、第1、第2、第3フラグ134a,134b,134cの検出結果を不図示の記憶回路に記憶し、センサ138からの信号が第1フラグの信号であるか、第2、第3フラグの信号であるかを識別するようになっている。
このようにすることによって、制御部168は、初期状態からセンサ138が1回目の検知信号を発したときには、処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さと第1フラグ134aの高さ位置とを比較して判別する。制御部168は、2回目の検知信号のときにはシート束の束厚さと第2フラグ134bの高さ位置とを比較して判別する。制御部168は、3回目の検知信号のときも同様にして判別する。これによって、制御部168は、処理トレイ29上に集積されたシート束の厚さに応じて段階的に遮蔽部材133の開閉状態を検出して「異常」判別することができる。
[スタックトレイ21の昇降機構]
スタックトレイ21を図23に基づいて説明をする。スタックトレイ21は、シートの積載高さに応じて昇降するようになっている。スタックトレイ21はシートを積載するトレイ状に形成され、ケーシング20の側壁から装置外部に突出している。トレイ基端部21aは、図23に示すように上下の2個所にガイドコロ20rが設けられている。ガイドコロ20rは、ケーシング20に設けた昇降ガイド20uに嵌合支持されている。
スタックトレイ21の底部には、昇降モータMSが搭載されている。昇降モータMSは、減速機構を介して駆動ピニオン21pが連結されている。ケーシング20には、ラック歯車20hがシート積載方向(図23の上下方向)に向いて配置され、このラック歯車20hに駆動ピニオン21pが歯合している。昇降モータMSは、正逆転可能なモータである。昇降モータMSの駆動軸には回転量を検出するエンコーダ(不図示)が設けられている。ケーシング20には、積載された最上位のシートの高さ位置を検出するレベルセンサSrが設けられている。
[レベルセンサSr]
レベルセンサSrは、図23に示すようにアームレバー58と、アームレバー58の位置を検出するセンサS21と、アームレバー58に連結された作動ソレノイドSL2とで構成されている。昇降制御部164(図25)は、排紙指示信号で作動ソレノイドSL2を作動させて、アームレバー58を上下動するようになっている。排紙指示信号は、排紙センサS2(図22)のシート後端通過信号から、シートがスタックトレイ21に到達する見込み時間の経過後のタイミングで昇降制御部164から発せられる。また、昇降制御部164(図25)は、グリッパ105の作動信号からシート束の後端が、スタックトレイ21に到達した見込み時間の経過後のタイミングでスタックトレイ21を昇降させるようになっている。
したがって、スタックトレイ21は、昇降モータMSが正逆回転することによってシート積載方向(図23の上下方向)に昇降する。そして、スタックトレイ21の高さ位置を、スタックトレイ21にシート束が積載されているときにはシート束の最上位のシートの位置を、レベルセンサSrで検出する。その検出結果に基づいて昇降モータMSが、昇降制御部164の制御によって、正逆方向に回転駆動する。この昇降モータMSの回転量はエンコーダで検出される。スタックトレイ21のシート積載面21bが、スタックトレイ21にシート束が積載されているときにはシート束の最上位のシートがトレイ排紙口29xよりやや低い位置に到達すると、スタックトレイ21は、昇降を停止する。
[昇降制御部164]
昇降モータMSを制御する昇降制御部164(図25)は次のように構成されている。排紙口25xからシートをスタックトレイ21上に移送する制御モードを説明する。排紙口25xからシートは「ストレート排紙モード」、「ブリッジ搬出モード」及び「処理束搬出モード」で搬出される。この搬出モードは、例えば、画像形成装置Cの装置本体Aの処理モード設定時に選定される。
そして、「ストレート排紙モード」は、画像形成されたシートを処理することなく排紙口25xから直接スタックトレイ21に搬出するモードのことである。このストレート排紙モードのとき、シート搬入口23a(図1、図2)に送られたシートは、第1搬送経路K1(図21)に送られ、排紙ローラ対25、排紙センサS2を経て処理トレイ29上に搬送される。このとき、スイッチバックローラ対26の可動ローラ26aは、処理トレイ29に配置されている従動ローラ26bに圧接して排紙方向(図21、図24(A)において時計方向)に回転している。スイッチバックローラ対26は、シートを排紙口25xから処理トレイ29上に搬出し、スタックトレイ21上の最上位のシート上に集積する。
昇降制御部164(図25)は、スタックトレイ21に積載されている最上位のシートと処理トレイ29のシート支持面29aとの高低差Hを、「ストレート排紙モード」のときには第1の高さ位置H1(図24(A))に設定する。また、「ブリッジ搬出モード」のときには第2の高さ位置H2(図24(B))に設定し、「処理束搬出モード」のときには第3の高さ位置H3(図24(C))に設定する。このときの高低差Hは、第1、第2、第3の高さ位置の順に大きくなる(H1<H2<H3)ように設定される。この高さ位置の制御は、レベルセンサSr(図23)でスタックトレイ21上の最上位のシートの位置を検出し、その検知信号に基づいて、昇降モータMSが所定量回転して高低差Hを設定する。
第1の高さ位置H1は、スタックトレイ21上の最上位のシートとシート支持面29aとの高低差が殆ど無いように設定される。つまり、第1の高さ位置H1は、シート支持面29aに送られたシートがスムーズにスタックトレイ21上の最上位のシートの上に搬入されるように設定される。しかし、最上位のシートの後端がカールして迫り上がっていたり、スタックトレイ21の昇降誤差によって最上位のシートがシート支持面29aより上方に位置していたりすることがある。このため、スタックトレイ21は、スタックトレイ21上の最上位のシートがシート支持面29aより若干低くなるように高さ位置が設定される。
このような配慮と同時にスタックトレイ21をシートが積載される都度、シート1枚の厚さ分だけ下降させる制御は困難である。そこで、通常、スタックトレイ21は、排紙口25xからのシート搬出が数回繰り返されたのを上述のレベルセンサSrが検出することによって下降するように(下降可能)になっている。このため、第1の高さ位置H1は、例えば5mm〜10mmに設定されている。
第2の高さ位置H2は、スタックトレイ21上にシート束を積載する際、スタックトレイ21上の最上位のシートと、シート支持面29aとの高低差が少なくとも、スタックトレイ21に積載されるシート束の厚さ相当分か、これより若干大きく設定されている。仮に、両者に高低差が無いように設定すると、排紙口25xから搬出されるシートが、スタックトレイに積載されたシートを押して、シートの位置をずらしてしまう問題が生じる。また、スタックトレイ21は、排紙方向の先端が高くなるように傾斜している(図24(B))。このため、処理トレイ29に集積されたシート束は、シート排紙方向の先端部が上方に迫り上がった状態に湾曲する。この湾曲で束状に揃ったシートの後端縁(綴じ処理端)が不揃いになる。この結果、処理トレイ29上のシート束の後端部を綴じると、後端部が不揃いの状態になるという問題が生じる。
そこで、第2の高さ位置H2は、第1の高さ位置H1より大きい高低差に設定してある。処理トレイのシート支持面29a上に許容積載最大高さのシート束が積載された場合の湾曲による後端部の許される位置ズレ量に対応する高さ位置H2を実験で求めた。その結果、第2の高さ位置H2は、10mm〜30mm程度が好ましいことが分かり、その範囲内に設定してある。
第3の高さ位置H3は、スタックトレイ21上の最上位のシートとシート支持面29aとの高低差が、予め設定されている処理トレイ29に積載されるシートの許容積載最大高さのシート束の厚さ相当分より十分大きく設定されている。つまり、前述の処理トレイ29上の後端部が綴じられたシート束をスタックトレイ21上に搬出するとき、最上位のシートとシート支持面29aとの高低差(高さ位置H3)は、少なくとも許容積載最大高さより大きく設定されている。この場合、処理トレイ29上のシート束は、グリッパ105でグリップ(把持)して搬出するようになっている。これは、処理トレイ29のシート支持面29aから綴じてないシート束を落下させて収納すると整列状態が乱れることになる。そこで、グリッパ105は、シート束の後端部をグリップして、シート束の後端部がスタックトレイ21上の最上位のシートの上にランディングする直前でグリップを解除するようになっている。この結果、シート束を、シート束の後端の整合を保持した状態でスタックトレイ上に積載することができる。因みに、第3の高さ位置H3は、30mm〜50mmに設定されている。
なお、昇降制御部164は、「処理束搬出モード」のとき、スタックトレイ21を第2高さ位置H2から第3高さ位置H3に下降させるとき、次のような制御をする。(i)ステープラユニット31の動作完了信号、若しくはこの信号でキャリア部材110がシート搬出方向に移動開始するタイミング信号で昇降モータMSを起動して、スタックトレイ21を第2高さ位置H2から第3高さ位置H3に下降させる。(ii)ステープラユニットの動作完了信号から綴じ処理済みのシート束がスタックトレイ21に到達し、シートの後端が最上位のシートの上に落下する直前に昇降モータMSを起動して、スタックトレイを第2高さ位置H2から第3高さ位置H3に下降させる。
そして、昇降制御部164は、グリッパ105のグリップを、処理トレイ29のシート支持面29aとスタックトレイ21との間の高低差(第3高さ位置H3)をシート束の後端が落下する過程で解除するように制御する。したがって、シート束は最上位のシートの上に小さい落差で緩やかに落下して集積される。これによってスタックトレイ21上に集積されたシートの整列性を維持することが出来る。
[制御部の説明]
画像形成装置Cの制御部を図25のブロック図に基づいて説明をする。図1に示す画像形成装置Cは、画像形成装置Cの装置本体Aの画像形成装置Cの装置本体制御部150と、シート処理装置Bの後処理制御部160等を備えている。画像形成装置Cの装置本体制御部150は画像形成制御部151と給紙制御部152と入力部153を備えている。そして、この入力部153に設けられたコントロールパネル18から、使用者によって、「画像形成モード」、「後処理モード」が選択される。
「画像形成モード」は、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定するモードである。画像形成装置Cの装置本体制御部150は、この設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部151及び給紙制御部152を制御し、シートに所定の画像を形成した後、排紙口3からシートを順次搬出する。
これと同時にコントロールパネル18からの入力で後処理モードが設定される。この「後処理モード」には、「プリントアウトモード」、「綴じ仕上げモード」等のモードがある。そこで、画像形成装置Cの装置本体制御部150は、後処理制御部160に、後処理の仕上げモードと、シート枚数、部数情報と、綴じモード(1個所綴じか、複数個所綴じか)情報等のジョブ情報を転送する。これと同時に、画像形成装置Cの装置本体制御部150は、画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部160に転送する。
後処理制御部160は、指定された仕上げモードに応じてシート処理装置Bを動作させる制御CPU161と、後処理動作プログラムを記憶したROM162と、制御データを記憶するRAM163とを備えている。制御CPU161は、シート搬入口23aに送られたシートの搬送を実行するシート搬送制御部164aと、シートの集積動作を実行するシート集積動作制御部164bと、シートの綴じ処理を実行する綴じ動作制御部164cとを備えている。
シート搬送制御部164aは、第1搬送経路K1(図2)の搬入ローラ対23と排紙ローラ対25との駆動モータ(不図示)の制御回路に結線されている。また、シート搬送制御部164aは、第1搬送経路K1に配置されたシートセンサS1からの検知信号を受信するようになっている。シート集積動作制御部164bは、処理トレイ29(図3)にシートを集積するためにスイッチバックローラ対26の正逆転モータ、シート端規制部32のシフトモータの駆動回路に結線されている。綴じ動作制御部164cは、処理トレイ29(図2)の端綴じステープルユニット31に内蔵された駆動モータMDの駆動回路に結線されている。
以上の後処理制御部160は、シート処理装置Bに次の処理動作を実行させる。
[プリントアウトモード]
プリントアウトモードでは、画像形成装置Cの装置本体Aは、一連の画像をシートに形成し、そのシートを、排紙口3から順次フェースダウンで搬出し、第1搬送経路K1を経て、排紙ローラ対25に案内する。画像形成部2で画像形成されたシートは、画像形成面が上向きになっている(フェースアップ)が、定着器8から排紙口3に案内する間に表裏反転路71を通過させられて、表裏反転させられ、フェースダウンになる。シート搬送制御部164aは、排紙口25xでシートセンサS1がシートの先端を検出した信号でシートの先端が処理トレイ29のスイッチバックローラ対26に到達する見込み時間の後、可動ローラ26aを上方の待機位置から処理トレイ29上に降下させる。そして、シート搬送制御部164aは、可動ローラ26aを図2において時計方向に回転させる。処理トレイ29上に進入したシートは、スイッチバックローラ対26によって、スタックトレイ21に向けて搬出される。このようにして、順次、後続のシートをスタックトレイ21に搬出して積載する。
したがって、プリントアウトモードは、画像形成装置Cの装置本体Aで画像形成されたシートを、シート処理装置Bの第1搬送経路K1を経て、スタックトレイ21に排出し、フェースダウン状態で頁順に積載するモードである。
[シート押し出し防止制御]
ところで、図26において、グリッパ105が把持するシート束の後端部分Pbと、後端角部分Pcは、グリッパ105に把持され易いように、処理トレイ29やシート端規制部32に支持されておらず、下方に撓んでいることがある(図27(A))。この場合、グリッパ105が固定グリッパ105bと可動グリッパ105aとを開いて処理トレイ29に接近移動すると、固定グリッパ105bがシート束の撓んだ部分の下側を擦りながら移動することがある。
シート束のシート枚数が多い場合には、シート束自体が重く、固定グリッパ105bが、シート束の撓んだ部分の下側を擦りながら移動することがあっても、シート束は、固定グリッパ105bによって移動させられることが殆どない。この結果、グリッパ105は、シート束を把持することができる。
しかし、シート束のシート枚数が少ないと、シート束自体が軽く、固定グリッパ105がシート束の撓んだ部分の下側を擦りながら移動すると、シート束が固定グリッパ105に押されて、追従移動することがある。このように、シート束が移動すると、グリッパ105は、シート束の所定の部分を把持することができずに、シート束を処理トレイ29から押し出すことがある(図27(B))。この現象は、シートが薄シートの場合、顕著に表れる。
また、図26のように、左サイド整合板34L及び左可動ストッパ32Cと、右サイド整合板34R及び右可動ストッパ32Bとが個々に移動するようになっており、シート束を片側に整合すると、シートの後端角部分Pcが垂れ下がることがある。このような場合、グリッパ105は、符号Pbで示す部分より把持しにくく、シート束を押し出す可能性が大きい。
そこで、本実施形態のシート処理装置Bは、シート束のシート枚数が少ない場合であっても、シート束を把持し損なうことを防止するため、処理トレイのシート積載枚数が所定枚数以下のとき、処理トレイへのグリッパの接近速度を遅くするようになっている。
なお、制御部167は、シートの積載情報が、処理トレイ29に積載されるシートの坪量が所定坪量以下の場合、グリッパ105の移動速度を通常の速度より低速にするようになっている。また、制御部167は、シートの積載情報が、処理トレイ29に積載されるシートの表面粗さが所定粗さ以上の場合、グリッパ105の移動速度を通常の速度より低速にするようになっている。
すなわち、後処理制御部160(図25)が、画像形成装置の装置本体の制御部150からシート束のシート積載枚数情報(以下、「枚数情報」と言う)を受けると、後処理制御部160の制御部167は、枚数情報が所定枚数以下か否かを判断する。制御部167は、枚数情報が所定枚数を超えているとき、駆動モータME(図16)の回転速度を速く制御し、所定枚数以下のとき遅く制御する。これによって、処理トレイ29に接近するグリッパ105の速度(Ve)が、シートの枚数が多いとき速く(600mm/s)なり、シート枚数が少ないとき遅く(450mm/s)なる。よって、固定グリッパ105bは、枚数の少ないシートの下方に撓んだ下端を擦りながら処理トレイ29に接近するが、シート束を押し出すようなことが殆どなく、シート束の押し出しを防止することができる。
以下、シート束を把持し損なうことを防止したグリッパ105の動作を、図28の動作説明用の図と、図29の動作説明用のフローチャートとに基づいて詳細に説明をする。
シート束把持搬出部100は、図28に示すように、可動グリッパ105aが固定グリッパ105bから離れてグリッパ105が開口した状態で、センサフラグ181が固定のセンサ180に検知される待機位置に待機している。グリッパ105の開口状態は、制御部167が駆動モータMEを右回転させて、グリッパをGp1(図14)の位置からGp2の位置に移動させることによって、保持することができる。センサフラグ181はキャリア部材110に設けられている。
シート束把持搬出部100が待機位置いる状態で、後処理制御部160は、ジョブを開始されて(S101)、装置本体の制御部150からシート束の枚数情報を受ける(S103)。すると、後処理制御部160の制御部167は、枚数情報が、所定枚数以下か否かを判断する(S105)。制御部167は、枚数情報が所定枚数以下と判断した場合(S105でyes)、処理トレイ29にシートの積載が完了すると(S107)、駆動モータMEを遅い回転速度で回転させる。グリッパ105は、遅い速度(450mm/s)で、処理トレイに接近する(S109)。このため、グリッパ105は、シートの撓んだ後端部分Pb或いは垂れ下がった後端角部分Pcの下端を擦って処理トレイに接近することがあっても、シート束を、処理トレイ上を押してシート束搬出方向Jへ移動させることが殆どない。したがって、グリッパ105は、シート束を挟持し損なうことなく、シート束を把持することができる(S113)。
その後、制御部167が駆動モータMEの回転を停止させ、後処理制御部160の制御部168が駆動モータMHを回転制御する。すると、シート束把持搬出部100が、シート束搬出方向Jに移動して、シート束をシート束搬出方向Jに移動させる(S115)。シート束が搬出位置まで搬送されると、制御部168は、駆動モータMHの回転を停止させ、その代り、制御部167が駆動モータMEを回転させる。すると、グリッパ105がキャリア部材110上をシート束搬出方向Jへ移動して、シート束をスタックトレイ21(図1)に搬出する(S117)。最後、制御部167,168は、シート束把持搬出部100を待機位置に戻す(S119)。後処理制御部160は、後続のジョブ処理が有るか否かを判断し(S121)、後続のジョブが有る場合には、処理S103に戻り、無ければジョブを終了する(S123)。
以上の処理において、処理S105において、枚数情報が所定枚数を超えている場合(S105でno)、制御部167は、シートの積載を終了しているので(S120)、駆動モータMEの回転を枚数情報が所定枚数以下のときよりも速く回転させる。グリッパ105は、枚数情報が所定枚数以下のときよりも速い速度(600mm/s)で、処理トレイに接近する(S109)。このとき、グリッパ105は、速い速度で処理トレイ129に接近して(S111)、シートの撓んだ後端部分Pb、後端角部分Pcの下端を擦ることがあっても、シート束は自重によって移動することが殆どない。このため、グリッパ105は、シート束を挟持し損なうことなく、シート束を把持することができる(S113)。
ところで、処理トレイ129に対するシートの積載枚数が少ないとき、処理トレイ129へのグリッパ105の接近移動速度(Ve)が遅いため、積載枚数が多いときよりも、シート束を把持してから搬出するまでの時間が長くなる。そこで、制御部167は、枚数情報が所定枚数以下のとき、駆動モータMEの回転を、グリッパがGp1(図14)の位置からGp2の位置に移動する途中で停止させるようになっている。具体的には、固定グリッパ105bと可動グリッパ105aとの開口間隔Heが、枚数情報が所定枚数以下のとき7mmであり、所定枚数を超えているとき11.4mmである。このため、処理トレイ129へのグリッパ105の接近移動速度(Ve)が遅くなった分、グリッパ105が処理トレイに接近移動を開始してからシート束を把持するまのでの時間を取り戻すことができる。
また、シートの積載枚数に関係なく、グリッパの開口間隔Heが、同じであると、シートの積載枚数が所定枚数以下のとき(図31(A))、シート束に対する可動グリッパの開口角θ1が、所定枚数を超えているときの開口角θ2よりも大きい。このため、シートの積載枚数が所定枚数以下のとき、グリッパがシート束を把持するまでの時間が長く、グリッパ105が処理トレイに接近移動を開始してからシート束を把持するまのでの時間を取り戻すことが困難である。
しかし、グリッパ105の開口間隔Heを狭くするため、グリッパは、Gp1(図14)の位置からGp2の位置に移動する途中で停止するようになっている。これに対して、シートの積載枚数が所定枚数超えたときの、グリッパ105の開口間隔Heが広いため、グリッパは、Gp1(図14)の位置からGp2の位置に移動するようになっている。このため、グリッパ105の開口間隔Heを異にしたときの、処理トレイ29とグリッパ105との間隔(De)は、枚数情報が所定枚数以下のときの方が狭くなっている。図30に示すように、積載枚数が所定枚数以下のときの間隔(De1、13.6mm)は、積載異枚数が所定枚数を超えているときの間隔(De2、22.8mm)より、狭くなる。このように、処理トレイ29とグリッパとの間隔(De)が異なることによっても、グリッパ105が処理トレイに接近移動を開始してからシート束を把持するまのでの時間を取り戻すことができる。
2:画像形成部、29:処理トレイ(シート積載手段)、100:シート束把持搬出部(把持手段)、105:グリッパ、105a:可動グリッパ(1対の把持部)、105b:固定グリッパ(1対の把持部)、160:後処理制御部、165,166:制御部(制御手段)A:画像形成装置の装置本体、B:シート処理装置、C:画像形成装置、P:シート、シート束、De:処理トレイとグリッパとの間隔、He:グリッパの開口間隔、Ve:処理トレイへのグリッパの接近移動速度。

Claims (9)

  1. シートを積載するシート積載手段と、
    前記シート積載手段に積載されたシートを把持する把持部を有し、前記把持部が、前記シート積載手段に移動して、前記シート積載手段に積載されているシートを把持し、該シートを前記シート積載手段から移動させる把持手段と、
    前記シート積載手段に積載されるシートの積載情報に応じて、前記把持部の移動速度を制御する制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記積載情報が、積載されるシートの積載枚数が所定枚数以下の場合は前記把持部の移動速度を通常の速度より低速にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記積載情報が、積載されるシートの坪量が所定坪量以下の場合は前記把持部の移動速度を通常の速度より低速にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記積載情報が、積載されるシートの表面粗さが所定粗さ以上の場合は前記把持部の移動速度を通常の速度より低速にする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記積載情報をシート処理装置に転送されるジョブ情報から判断する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記積載情報がシートの積載枚数情報であり、シートの前記積載枚数情報に応じて、前記把持部の開口間隔を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記積載情報がシートの積載枚数情報であり、シートの前記積載枚数情報の積載枚数が多いとき、少ないときよりも、前記把持部の開口間隔を広げる、
    ことを特徴とする請求項1又は6に記載のシート処理装置。
  8. 前記制御手段は、前記積載情報がシートの積載枚数情報であり、シートの前記積載枚数情報が、積載されるシートの積載枚数が所定枚数以下の場合は前記把持部の待機位置を通常の待機位置より前記シート積載手段に接近させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  9. シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって画像を形成されたシートを処理するシート処理装置と、を備え、
    前記シート処理装置が請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置である、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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