JP2023020763A - シート処理装置 - Google Patents

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淳哉 中嶋
Junya Nakajima
翔 青木
Sho Aoki
守 久保
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雄介 三井
Yusuke Mitsui
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Abstract

【課題】シートの後端落としを適切に行う。【解決手段】掻き込み部240は、処理前ローラ211と搬送ベルト212との処理前ニップ部211aの上方に位置する第1位置と、排出ローラ230と排出ベルト260との排出ニップ部よりも所定方向上流側で、処理トレイ220に載置されたシートの上面に当接する第2位置との間で回動軸242を中心に回動する。掻き込み部240は、シートの後端が処理前ローラ211を通過した後に第1位置から第2位置に移動して、該シートを処理トレイ220に向けて落とす。回動軸242は、排出ニップ部よりも所定方向下流側に配置されている。【選択図】図27

Description

本発明は、シートに対してステープルなどの所定の処理を施すシート処理装置に関する。
シート処理装置では、搬送パスから搬送されたシートを処理トレイに載置し、処理トレイ上のシートに対してステープルなどの処理を行い、処理トレイから積載トレイにシートを排出する。このようなシート処理装置として、処理トレイに載置されたシートを搬送して、シートの後端を後端規制板に突き当てる搬送手段を備えたものが従来から知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の構成の場合、搬送コロが処理トレイに対して接近及び退避するように回動可能となっており、シートが搬送パスから処理トレイに排出された後に搬送コロが処理トレイ上のシートに当接してシートを後端規制板に向けて搬送する。
特開2011-79622号公報
ここで、搬送パスのシート搬送方向下流端にある搬送回転体対にシートの後端が残ることを防止するために、シートが搬送回転体対を通過した後にシートの後端を処理トレイに向けて落下させる構成が知られている。
特許文献1に記載の搬送コロは、搬送パスからシートを排出する際には搬送回転体対の上方に位置するため、シートが搬送回転体対を通過したタイミングで動作させれば、シートの後端を処理トレイに向けて落下させる落下部材として機能し得る。
しかしながら特許文献1に記載の搬送コロは、搬送コロが処理トレイ上のシートと当接する位置よりもシート搬送方向上流側にある回動軸を中心に回動する構成としている。したがって、シートを処理トレイに落とすための回動半径を確保しようとした場合、搬送回転体対を通過したシートに搬送コロが接触する位置が搬送回転体対から離れてしまい、シートの後端が搬送回転体対に残ってしまう後端残りを十分に抑制できない可能性がある。
また、仮に搬送コロの回動半径が短い場合、搬送コロの回動軌跡が大きく湾曲した形状となり、シートの後端を落とす動作がシートを巻き込むような状態で行われことになり、シートのジャムが発生し易くなる可能性がある。
本発明のシート処理装置は、シートを処理前ニップ部で挟持して所定方向に搬送する搬送回転体対と、前記搬送回転体対により搬送されたシートを載置可能な処理トレイと、シートの前記所定方向上流端が前記搬送回転体対を通過した後に該シートの前記所定方向上流端に接触して、該シートの前記所定方向上流端を前記処理トレイに落下させる落下部材と、前記処理トレイに載置されたシートに所定の処理を施す処理手段と、前記処理トレイに載置されたシートを排出ニップ部で挟持して前記所定方向下流側に排出可能な排出回転体対と、前記落下部材を、前記搬送回転体対の前記処理前ニップ部の上方に位置する第1位置と、前記排出ニップ部よりも前記所定方向上流側で、前記処理トレイに載置されたシートの上面に当接する第2位置との間で第1回動軸を中心に回動させる第1回動手段と、を備え、前記第1回動手段は、前記搬送回転体対によりシートを搬送しているときには前記落下部材を前記第1位置に位置させ、該シートの前記所定方向上流端が前記搬送回転体対を通過した後に前記落下部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させて、該シートを前記処理トレイに向けて落とし、前記第1回動軸は、前記排出ニップ部よりも前記所定方向下流側に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、シートの後端落としを適切に行える。
実施形態に係る画像形成システムの概略構成断面図。 実施形態に係るシート処理装置の概略構成斜視図。 実施形態に係るシート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係る掻き込みベルトと排出ベルトとのシートのニップ位置の、(a)第1例を、(b)第2例を、(c)第3例を、それぞれ示す模式図。 実施形態に係る掻き込みベルトの支持構成の別例を示す模式図で、(a)処理トレイ上のシートが少ない状態を、(b)処理トレイ上のシートが多くなった状態を示す図。 実施形態に係る駆動構成の一部を示す斜視図。 実施形態に係る処理前ローラの、(a)ニップ圧がかかっている状態を、(b)ニップ圧が解除された状態を、それぞれ示す第1駆動構成の側面図。 実施形態に係る駆動構成の一部を示す斜視図。 実施形態に係る掻き込みベルト及び後端落とし部材の駆動構成を示す斜視図。 実施形態に係る排出ローラの動作を示す斜視図で、(a)排出ローラが退避位置にある状態を、(b)排出ローラが接触位置にある状態をそれぞれ示す図。 実施形態に係る掻き込みベルト及び後端落とし部材の動作を示す斜視図で、(a)掻き込みベルト及び後端落とし部材が第1位置にある状態を、(b)掻き込みベルト及び後端落とし部材が第2位置にある状態をそれぞれ示す図。 実施形態に係る掻き込みベルト及び後端落とし部材の動作を示す斜視図で、(a)掻き込みベルト及び後端落とし部材が第2位置にある状態を、(b)掻き込みベルト及び後端落とし部材が第2位置から第1位置に戻った状態をそれぞれ示す図。 実施形態の排出ローラの支持構成の別例を説明するための図。 実施形態に係るシート処理装置の各モータと各構成との対応関係を示す表。 実施形態に係るシート処理装置の制御構成を示すブロック図。 実施形態に係るシート処理装置の制御フローの一例を示すフローチャート。 実施形態に係るストレート排出モードで、シートの先端が処理前ローラに到達した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るストレート排出モードで、シートの先端が処理前ローラを通過した後の状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るストレート排出モードで、シートが排出ローラと排出ベルトとでニップされた状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るストレート排出モードで、シートが積載トレイに排出された状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシフトモード(生産性優先)で、シートの先端が処理前ローラに到達した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシフトモード(生産性優先)で、シートの先端が処理前ローラを通過した後の状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシフトモード(生産性優先)で、シートをシフトしている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシフトモード(生産性優先)で、シートのシフトが完了した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシフトモード(生産性優先)で、シートが積載トレイに排出された状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートの先端が処理前ローラに到達した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートの後端が処理前ローラを通過した後の状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートを掻き込みベルト及び排出ローラと排出ベルトでニップした状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートを後端規制部材に突き当てた状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートをシフトしている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートのシフトが完了した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るラージシートに対するシフトモード(整列性優先)で、シートが積載トレイに排出された状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、シートの先端が処理前ローラに到達した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、シートを後端規制部材に突き当てた状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、シートの幅方向側端部を規制している状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、シートの後端を押えて次のシートを受け入れ可能な状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、2枚目のシートを後端規制部材に突き当てた状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、2枚のシートの幅方向側端部を規制している状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、複数のシートにステープル処理を施している状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、ステープル処理を施したシート束を掻き込みベルト及び排出ローラと排出ベルトとでニップしている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るステープルモードで、ステープル処理を施したシート束が積載トレイに排出された状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシートの排出動作において、シートを排出ローラと排出ベルトでニップしている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシートの排出動作において、積載トレイの下降が開始する状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシートの排出動作において、シートの後端がシート押さえベルトに下方に案内されている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシートの排出動作において、積載トレイが上昇した状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。 実施形態に係るシートの排出動作において、積載トレイに積載されたシートの後端をシート押さえベルトで押さえている状態を示す、シート処理装置を、(a)上側から見た模式図、(b)側方から見た模式図。
実施形態について、図1ないし図46を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムの概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成システム]
図1は、本実施形態の画像形成システムの概略構成を示す断面図である。画像形成システム1000は、画像形成装置100、パンチユニット150、シート処理装置200を有する。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などであり、用紙やプラスチックシートなどのシートに画像を形成するものである。本実施形態では、電子写真方式のプリンタとしており、トナー像が形成されたシートが、第1排出部101又は第2排出部102から排出される。なお、画像形成装置100は、インクジェット方式の画像形成装置であっても良い。
本実施形態の画像形成装置では、詳しい図示は省略するが、画像形成部103においてシートにトナー像を形成する。簡単に説明すると、感光ドラムの表面を帯電し、その表面を露光することで、感光ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置により現像剤で現像してトナー像とする。感光ドラムに形成されたトナー像は、シートに転写され、更に、定着装置で加熱、加圧されることでシートに定着される。トナー像が定着されたシートは、搬送パス104を通り、第1排出部101又は第2排出部102に送られる。
また、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成部103、搬送パス104、第1排出部101及び第2排出部102を備えた画像形成装置本体110と、画像形成装置本体110の上方に配置された画像読取部120を備える。画像読取部120は、原稿上の画像を読み取り、読み取った画像信号を画像形成装置本体110に送る。画像形成装置本体110は、画像形成部103が配置された第1筐体部111と、搬送パス104の一部、第1排出部101及び第2排出部102が配置された第2筐体部112とを有し、第2筐体部112は第1筐体部111の上方に設けられている。画像読取部120は、第2筐体部112の上方に設けられている。
本実施形態では、このように構成することでは、第1筐体部111、第2筐体部112及び画像読取部120により囲まれた胴内空間130を有する。そして、第1排出部101又は第2排出部102から胴内空間130にシートを排出する構成としている。また、この胴内空間130には、パンチユニット150やシート処理装置200などを着脱可能としている。本実施形態では、パンチユニット150及びシート処理装置200を装着して画像形成システム1000を構成しているが、何れか一方、或いは、他のシーと処理を行う装置を装着するようにしても良い。
パンチユニット150は、第1排出部101に接続され、第1排出部101から排出されたシートを受け入れて、該シートに対してパンチ処理を行うことが可能である。シート処理装置200は、パンチユニット150のシート排出部に接続され、パンチユニット150から排出されたシートを受け入れる。そして、詳しくは後述するが、該シートに対してステープルなどの所定の処理を施すことが可能である。なお、パンチユニット150でパンチ処理を行わずにシート処理装置200にシートを受け渡すことが可能であり、シート処理装置200においても所定の処理を施さずにシートを排出することが可能である。なお、第2排出部102から排出されたシートは、パンチユニット150及びシート処理装置200の上方のシート載置面160に排出される。
胴内空間130には、図1の左右方向に沿ってレール131が配置されており、レール131に沿って矢印α1、α2方向にパンチユニット150及びシート処理装置200を着脱可能となっている。なお、パンチユニット150を省略してシート処理装置200を直接、第1排出部101に接続することもできる。また、このようにパンチユニット150及びシート処理装置200を着脱可能とすることで、シートのジャム処理を可能としている。
例えば、シートが第1排出部101でジャムした場合には、パンチユニット150及びシート処理装置200を矢印α1方向に引き出して第1排出部101を露出させる。また、パンチユニット150でシートのジャムが発生した場合には、シート処理装置200のみを矢印α1方向に引き出してパンチユニット150を露出させる。パンチユニット150やシート処理装置200を画像形成装置100に装着する際には、それぞれ矢印α2方向に押し込む。このように本実施形態では、シート処理装置200を画像形成装置100の胴内空間130に配置するため、シート処理装置200を小型化することが要求される。
[シート処理装置]
本実施形態のシート処理装置200の構成について、図2ないし図15を用いて説明する。まず、シート処理装置200の全体構成について、図2及び図3(a)、(b)を用いて説明する。
[シート処理装置の全体構成]
シート処理装置200は、搬送パス210、処理トレイ220、排出ローラ(ニップ部材)230、掻き込み部240、後端落とし部材250、排出ベルト(束出しベルト)260、整合部270、戻し部材280、後端規制部材290、積載トレイ300、立ち面310、シート押さえベルト320などを有する。画像形成装置100又はパンチユニット150から受け取ったシートは、搬送パス210に搬送される。
搬送パス210から搬送されたシートは、シートを処理するモードに応じて、積載トレイ300に直接排出されるか、処理トレイ220に載置される。なお、積載トレイ300への直接排出とは、処理トレイ220上でステープル処理を実行可能な位置まで逆搬送することなくシートを積載トレイ300に排出することである。言い換えれば、シート処理装置200は、ステープルユニット400によってステープル処理が施されたシートを積載トレイ300に排出するモードと、ステープルユニット400によるステープル処理を行わずにシートを積載トレイ300に排出するモードを有する。本実施形態では、処理トレイ220に載置しないで、整合部270によりシートの整合を可能としている。また、処理トレイ220でもシートの整合が可能であり、処理トレイ220に載置されたシートに対してステープルユニット400によりステープルを可能としている。また、処理トレイ220に載置されたシート又はシート束は、排出ベルト260などにより積載トレイ300に排出可能となっている。以下、各部の構成について詳しく説明する。
[搬送パス]
搬送パス210は、シートを所定方向に搬送する経路であり、搬送パス210には、第1回転体としての処理前ローラ211、第2回転体としての搬送ベルト212、第3回転体としての上流ローラ213、ローレットベルト214が配置されている。これらは、それぞれシートの搬送方向(所定方向、図3(a)の矢印β方向(左右方向))に交差するシートの幅方向(図3(a)の矢印γ方向(上下方向))に離間するように一対配置されている。
搬送ベルト212は、シート処理装置200に受け入れたシートの下面を支持するように、搬送パス210の所定方向全域に配置された無端状のベルトである。搬送ベルト212は、一対のローラ212a、212bに掛け渡されており、一方のローラ212aが駆動されることで回転する。搬送ベルト212の所定方向上流端部には、上流ローラ213が配置されており、搬送パス210の入口で上流ローラ213と搬送ベルト212とでシートを挟持して(ニップして)、該シートを搬送する。
搬送ベルト212の所定方向下流端部には、処理前ローラ211が配置されており、処理前ローラ211と搬送ベルト212とでシートを挟持搬送可能な処理前ニップ部211aを形成する。そして、処理前ニップ部211aでシートを挟持して所定方向に搬送し、搬送パス210からシートを排出する。本実施形態では、処理前ローラ211と搬送ベルト212とが搬送回転体対及び搬送手段を構成する。後述するように、処理前ローラ211は、搬送ベルト212に対する当接圧(ニップ圧)を変更可能である。
処理前ローラ211は、搬送ベルト212と同様に回転駆動されるが、搬送ベルト212が回転駆動されるため、回転駆動されずに搬送ベルト212に従動回転する構成であっても良い。また、本実施形態では、複数のローラと搬送ベルトとで搬送パス210を構成しているが、搬送パスは、搬送ベルトの上方に複数の球体を任意方向に回転可能に配置した構成としても良い。この構成の場合、詳しくは後述するように、処理前ローラ211のニップ圧を小さくするなどのニップ圧の調整を行うことなく、搬送パスにシートがある状態でもシートのシフトを行うことが可能となる。
ローレットベルト214は、回転軸が搬送ベルト212を張架する下流側のローラ212aと同軸上に配置されており、ローラ212aと共に回転可能である。このようなローレットベルト214は、搬送ベルト212の所定方向下流端よりも下流側に突出するように設けられており、処理前ローラ211と搬送ベルト212とでシートを排出する際に、シートの後端(所定方向上流端)が処理前ニップ部211aに残りにくくするものである。
[処理トレイ]
処理トレイ220は、搬送パス210のシート搬送方向下流側で、且つ、搬送パス210の鉛直方向下方に配置されている。また、処理トレイ220は、所定方向上流側が下流側よりも低くなるように水平面に対して傾斜している。処理トレイ220は、搬送パス210から搬送されたシートを載置可能であり、複数のシートを重ねて積載可能であり、処理トレイ220上で整合部270によりシートの幅方向の整合や幅方向への移動(シートのシフト)が行われる。また、処理トレイ220の所定方向上流端には、処理トレイ220に載置されたシートの所定方向上流端(後端)を規制する規制手段及び処理側規制手段としての後端規制部材290が配置されている。
また、処理トレイ220の所定方向上流側には、処理手段としてのステープルユニット400が配置されている。ステープルユニット400は、処理トレイ220で幅方向の整合、後端の規制が行われたシート束に対して、所定の処理としてのステープル処理を行う。ステープルユニット400は、シート束に対するステープル位置を変更可能であり、ステープル位置に応じて移動する。なお、所定の処理は、ステープル以外に、パンチなどの他の処理であっても良い。処理トレイ220に載置されたシート又はシート束は、後述するように、排出ローラ230、掻き込み部240、排出ベルト260により積載トレイ300に排出される。
[排出ベルト]
排出ベルト260は、排出ローラ230との間でシートを挟持して搬送する排出回転体対及び排出手段を構成する。排出ベルト260は、少なくとも2つの張架ローラ261、262により張架されている。即ち、本実施形態では、排出ベルト260は、2つの張架ローラ261、262により張架されているが、排出ベルト260を張架する張架ローラは3つ以上であっても良い。また、本実施形態では、排出ベルト260は、シートの幅方向に関して離間した位置に3つ配置されている。これら3つの排出ベルト260のうち、中央の排出ベルト260は、後述する掻き込み部240との間でシートを挟持可能な位置に、両側の排出ベルト260は、それぞれ排出ローラ230との間でシートを挟持可能な位置に、それぞれ配置されている。
排出ベルト260は、所定方向に沿って配置されており、張架ローラ261が回転駆動されることで回転し、処理トレイ220上のシート又はシート束を積載トレイ300に向けて搬送する。即ち、張架ローラ261が排出ベルト260を駆動する駆動ローラである。なお、処理トレイ220上のシート又はシート束を積載トレイ300に向けて搬送可能であれば、排出ベルトに代えて排出ローラなどの他の回転体としても良い。
[掻き込み部]
移送手段、処理側搬送手段及び落下部材としての掻き込み部240は、処理トレイ220に載置されたシートを後端規制部材290に向けて移送する。掻き込み部240は、処理前ローラ211と搬送ベルト212とでシートをニップする処理前ニップ部211aの鉛直方向上方に位置する第1位置と、処理トレイ220に載置されたシートの上面に当接して該シートを後端規制部材290に向けて移送可能な第2位置との間で移動可能である。
掻き込み部240は、第2位置において、処理トレイ220に載置されたシートを排出ベルト260との間で挟持する。掻き込み部240が排出ベルト260との間でシートを挟持する位置は、後述する排出ローラ230が排出ベルト260との間でシートを挟持する位置よりも所定方向上流側である。即ち、掻き込み部240は、第2位置において、所定方向に関して処理前ローラ211と、後述する排出ローラ230と排出ベルト260とでシートをニップする位置(排出ニップ部)の間に位置する。
このような掻き込み部240は、正逆両方向に回転駆動され、上述のように処理トレイ220上のシートを後端規制部材290に向けて、即ち、所定方向上流側に搬送可能であると共に、排出ベルト260と共に、処理トレイ220に載置されたシートを所定方向下流側に搬送可能である。即ち、掻き込み部240は、後述するように掻き込みベルト240aを備え、掻き込みベルト240aを正逆両方向に回転駆動可能である。そして、第2位置において、処理トレイ220上のシートと当接し、この状態で掻き込みベルト240aを正方向に回転することで、該シートを後端規制部材290に向けて搬送する。一方、掻き込みベルト240aを逆方向に回転することで、処理トレイ220上のシート又はシート束を積載トレイ300に向けて搬送する。
処理トレイ220に載置されたシート又はシート束は、後述する排出ローラ230と排出ベルト260により挟持されて積載トレイ300に排出されるが、排出ローラ230と排出ベルト260による搬送だけでは、特にシート束を確実に排出できない可能性がある。従来、後端規制部材290をシート束を排出する側に移動させることでシート束の排出をアシストしていたが、本実施形態では、このような構成を採用しておらず、後端規制部材290はシート束を排出する方向には移動しない。そこで、本実施形態では、シート束の排出をアシストするために、掻き込み部240により処理トレイ220に載置されたシート束を積載トレイ300に向けて搬送するようにしている。
特に、本実施形態では、掻き込み部240が、第2位置において、所定方向に関して処理前ローラ211と排出ニップ部との間に位置するため、処理トレイ220上のシートに対してより駆動を伝達し易い。即ち、処理トレイ220上のシートは、所定方向下流側が処理トレイ220から積載トレイ300に向けて垂れ下がっている。したがって、シートが排出ニップ部でニップされている状態では、排出ニップ部よりも所定方向下流側が垂れ下がり、上流側が浮き上がるようになる。そこで、本実施形態では、処理トレイ220上のシートの排出ニップ部よりも上流側の浮き上がる部分を、掻き込み部240に押さえつけるようにすることで、掻き込み部240の駆動を効率よくシートに伝達でき、シート排出のアシストを効率よく行える。
また、掻き込み部240は、第2位置において、処理トレイ220に載置されたシート又はシート束を排出ベルト260との間で挟持している。即ち、シート又はシート束を挟んで排出ベルト260と対向する位置で、掻き込み部240によりシートの上面を押圧する。このため、排出ベルト260によるシート又はシート束の搬送力を高めることができる。更に、掻き込み部240をできるだけ排出ニップ部に近い位置でシートに当接するようにすれば、掻き込み部240によるアシストをより長い時間行うことができる。
掻き込み部240は、移送ベルトとしての掻き込みベルト240a、掻き込みベルト240aを張架する少なくとも2つのコロ240b、240cとを有する。即ち、本実施形態では、掻き込みベルト240aは、2つのコロ240b、240cにより張架されているが、掻き込みベルト240aを張架するコロは3つ以上であっても良い。掻き込み部240は、第2位置において2つのコロ240b、240cにより張架された掻き込みベルト240aの張架面が処理トレイ220に載置されたシートに当接可能である。即ち、掻き込み部240は、広い接触面積で処理トレイ220上のシートと当接可能であり、これにより、シートに対して搬送方向への駆動を伝達し易くしている。言い換えれば、シートと接触する面が増加、安定することにより、搬送効率が向上するので接触圧を下げることができる。この結果、シート搬送時のダメージ発生を低減できる。
ここで、本実施形態において、掻き込みベルト240aと排出ベルト260との接触位置の関係は、図4(a)のようにしている。即ち、掻き込みベルト240aは、第2位置において、2つの張架ローラ261、262の間で排出ベルト260が張架された部分とシートを挟持するようにしている。但し、掻き込みベルト240aと排出ベルト260との接触位置の関係は、図4(b)、(c)のようにしても良い。
即ち、図4(b)に示すように、掻き込みベルト240aは、第2位置において、2つの張架ローラ261、262のうちの所定方向上流側の張架ローラ262と、排出ベルト260を介してシートを挟持するようにしても良い。また、図4(c)に示すように、掻き込みベルト240aは、第2位置において、2つのコロ240b、240cの間で掻き込みベルト240aが張架された部分が、2つの張架ローラ261、262のうちの所定方向上流側の張架ローラ262と、排出ベルト260を介してシートを挟持するようにしても良い。
なお、掻き込み部240は、ベルト以外にローラなどの他の回転体であっても良い。例えば、ローラの場合、ローラが2つの張架ローラ261、262の間で排出ベルト260が張架された部分とシートを挟持するようにしても良いし、ローラが2つの張架ローラ261、262のうちの所定方向上流側の張架ローラ262と、排出ベルト260を介してシートを挟持するようにしても良い。但し、掻き込み部240は、処理トレイ220上のシートとの接触面積を確保する上では、本実施形態のようにベルトにより構成することが好ましい。
このような掻き込み部240は、移動手段及び第1回動手段としての掻き込み回動機構241により、第1位置と第2位置との間で第1回動軸としての回動軸242を中心に回動させられる。言い換えれば、掻き込み部240は、第1位置と第2位置との間で昇降可能である。掻き込み回動機構241は、掻き込み部240を支持する第1支持部材としての掻き込みアーム243と、掻き込みアーム243を回動可能に支持する回動軸242と、を備え、掻き込みアーム243の先端に支持された掻き込み部240を回動軸242を中心に回動可能である。
ここで、掻き込み部240は、上下方向に沿って移動することが好ましく、掻き込み部240を第1位置と第2位置との間で移動させる機構を直動機構とすることが考えられる。但し、直動機構を採用した場合、例えば、上下方向にモータや直動用の軸を配置するなどして、装置が上下方向に大型化してしまう虞がある。上述のように、本実施形態のシート処理装置200は、画像形成装置100の胴内空間130に配置するため、上下方向の寸法が大きくなることは好ましくない。したがって、本実施形態では、掻き込み部240を回動軸242を中心に回動させる掻き込み回動機構241を採用している。なお、上下方向の寸法を確保できるシート処理装置であれば、掻き込み部240を昇降させる機構として直動機構を採用しても良い。また、この回動軸242と掻き込み部240との距離をできるだけ大きくし、回動半径を大きくすることで、できるだけ上下方向に沿った方向で掻き込み部240を移動可能としている。
回動軸242は、接触位置において排出ローラ230が排出ベルト260との間でシートをニップする排出ニップ部よりも所定方向下流側に配置されている。これにより、掻き込み部240の回動軌跡(回動半径)を大きくでき、直動動作に近い動きが可能になる。また、掻き込み部240は、第1位置において、処理前ローラ211と搬送ベルト212とでシートをニップする処理前ニップ部211aよりも鉛直方向上方に位置し、回動軸242は、第1位置における掻き込み部240よりも鉛直方向上方に位置する。
後述するように、排出ローラ230の回動軸232は、排出ニップ部よりも所定方向上流側に配置されており、回動方向は、処理前ニップ部211aから搬送されるシートとの関係で図3(b)の反時計方向とすることが好ましい。一方、掻き込み部240の回動軸242は、上述のように回動半径を大きくすることが要求されると共に、第2位置は、排出ニップ部よりも所定方向上流側とすることが好ましい。このような観点から、本実施形態では、回動軸242を排出ニップ部よりも所定方向下流側に配置し、掻き込み部240の回動方向を排出ローラ230の回動方向と逆側、即ち、図3(b)の矢印R1方向(時計方向)としている。そして、互いの回転軌跡が幅方向から見て重複するようにしている。
即ち、掻き込み部240を支持する掻き込みアーム243の回動軌跡は、回動軸242よりも排出ローラ230の回動軸232側(第2回動軸側)にある。一方、後述する排出ローラ230を支持する排出アーム233の回動軌跡は、回動軸232よりも掻き込み部240の回動軸242側(第1回動軸側)にある。そして、掻き込みアーム243の回動軌跡は、シートの搬送方向に交差するシートの幅方向から見た場合に、排出アーム233の回動軌跡の一部と重複している。このために、本実施形態では、排出ローラ230と掻き込み部240とが幅方向に関してずれた位置に配置している。具体的には、2つの排出ローラ230を幅方向両側に、1つの掻き込み部240を2つの排出ローラ230の間に配置するようにしている。このように構成することで、掻き込み部240の回動半径を大きくできると共に、掻き込み部240を排出ニップ部よりも所定方向上流側で処理トレイ220上のシートと接触可能としている。
本実施形態では、上述のように、掻き込み部240の回動半径を大きくすべく、回動軸242を図1に示すシート処理装置200の排出口201の上方に配置している。シート処理装置200の排出口201には、ステープルユニット400に指などが入らないように、庇部202を設けている。特に、本実施形態では、低コスト化のために処理トレイ220の長さを短くしているため、ステープルユニット400に指などが届きやすいが、庇部202を設けることで、排出口201から指などがステープルユニット400に届かないようにしている。仮に、このような庇部202を設けなかった場合、指などの侵入を検知してステープルユニット400の動作を自動的に停止するなどの安全スイッチなどを設ける必要があり、コストが高くなる。
このような理由により、排出口201の上方には庇部202を設けているが、本実施形態では、この庇部202を設けることで、掻き込み部240の回動軸242を排出口201の近傍に設けることが可能となっている。これにより、回動軸242を処理トレイ220の上方で移動する掻き込み部240から離すことができ、掻き込み部240の回動半径を大きくして、掻き込み部240の移動方向をできるだけ直線方向に沿った方向としている。
掻き込み部240をできるだけ直線方向に沿った方向に移動させるのは、掻き込み部240が第1位置と第2位置とにある状態で、掻き込みベルト240aの張架面の角度の変化を少なくするためである。即ち、第2位置では、掻き込みベルト240aとシートとの接触面積を確保するために、掻き込みベルト240aの張架面が処理トレイ220のシート載置面又は処理トレイ220上のシートの上面と略平行となるように構成されている。なお、略平行とは、例えば、張架面のシート上面に対する角度が±5°以内である。掻き込み部240の回動半径が小さいと、掻き込み部240を第1位置に移動させた際に、掻き込みベルト240aの張架面が立ち上がるような状態となり、第1位置における掻き込み部240の上下方向の寸法が大きくなってしまう。そうすると、この寸法分の空間を確保するために装置が大型化してしまう。そこで、本実施形態では、掻き込み部240の回動半径を大きくするようにしている。
なお、処理トレイ220に載置されるシートの枚数が増えると、掻き込みベルト240aがシートと接触する位置が上昇する。このため、掻き込みベルト240aの張架面の角度が変更しない機構の場合、シートの積載量によって掻き込みベルト240aとシートとの接触面積が変わってしまう。このため、掻き込みベルト240aの角度を変更可能な機構を追加しても良い。例えば、図5(a)、(b)に示すように、掻き込みベルト240aを張架するコロ240b、240cをアーム240dにより連結し、所定方向上流側のコロ240cに回動軸240eを設けることで、掻き込みアーム243に対して掻き込みベルト240aが回動軸240eを中心に回動可能とする。そして、所定方向下流側のコロ240bがシートに向けて付勢されるように、圧縮バネかねじりバネを設けることで、シートの表面に追従して掻き込みベルト240aの張架面の角度が変わるようにする。これにより、処理トレイ220上のシートの積載量に拘わらず、掻き込みベルト240aの張架面を広い接触面積でシートの上面に接触可能となる。
また、本実施形態の場合、掻き込み部240は、処理前ローラ211から搬送されるシートの後端(所定方向上流端)を処理トレイ220に向けて落とす落下部材としても機能する。即ち、掻き込み回動機構241は、処理前ローラ211と搬送ベルト212によりシートを搬送しているときには掻き込み部240を第1位置に位置させる。一方、掻き込み回動機構241は、該シートの所定方向上流端(後端)が処理前ローラ211と搬送ベルト212の処理前ニップ部211aを通過した後に掻き込み部240を第1位置から第2位置に移動させて、該シートを処理トレイ220に向けて落とす。これにより、シートの後端が処理前ニップ部211aに残ることを抑制している。なお、掻き込み部240の第1位置から第2位置への移動開始タイミングはシート搬送方向上流端がニップ部211aを通過する前でもよく、シート搬送方向上流端がニップ部211aを通過した後に第2位置への移動が完了してシートを処理トレイ220に落とすことができればよい。また、後述する後端落とし部材240の移動タイミングについても同様である。
特に、本実施形態では、処理前ローラ211と搬送ベルト212によりシートを搬送しているときには掻き込み部240を第1位置に位置させている。即ち、掻き込み部240は、処理前ニップ部211aの上方で待機している。このため、処理前ニップ部211aを通過したシートの後端部の上面に掻き込み部240を当接させ、更に下方に押す動作を行い易く、より確実にシートの後端を処理トレイ220に落とすことができる。また、シートの後端落としても機能する掻き込み部240は、上述のように2つのコロ240b、240cにより張架された掻き込みベルト240aを有する。そして、本実施形態では、シートの後端を落とす際に掻き込みベルト240aの張架面をシートの上面に当接させるようにしている。このため、例えば、掻き込み部がローラである場合よりもシートとの接触面積を確保でき、シートの後端落としをより確実に行える。
[後端落とし部材]
上述の掻き込み部240は、シートの幅方向中央に位置し、この掻き込み部240のみではシートの後端を十分に落とせない可能性がある。このため、本実施形態では、上流端落とし部材としての後端落とし部材250を更に備えている。後端落とし部材250は、掻き込み部240の両側に一対設けられている。即ち、一対の後端落とし部材250は、シートの搬送方向に交差するシートの幅方向に関して掻き込み部240の両側に配置され、掻き込み部240と連動して上下方向に移動することで、シートの所定方向上流端が処理前ニップ部211aを通過した後に、該シートの所定方向上流側(シート搬送方向上流側)の上面に当接して、シートの上流端部(後端部)を処理トレイ220に向けて落とすように動作する。
このような一対の後端落とし部材250は、それぞれ板状の部材で、掻き込み部240と同様に、回動軸242に回動可能に支持されている。そして、掻き込み回動機構241により掻き込み部240と共に、上下方向に回動する。掻き込み部240が第1位置にある場合、一対の後端落とし部材250の先端は、掻き込み部240と同様に処理前ニップ部211aよりも上方に位置する。また、掻き込み部240が第2位置にある場合、一対の後端落とし部材250は、シートと当接する面(先端部の下面)が掻き込み部240のシートと当接する面よりも上方に位置する。そして、後端落とし部材250の先端部の下面は、処理トレイ220に載置されたシートがカールしている場合にはカールしている部分の上面に、シート束が排出される際にシート束の後端が持ち上がった場合にはこの持ち上がった部分の上面に当接する。なお、後端落とし部材250が、第2位置において、シート又はシート束を挟んで排出ベルト260と対向するように配置されている場合には、掻き込み部240と同様に、処理トレイ220に載置されたシート又はシート束の上面に当接するようにしても良い。このように、後端落とし部材250が排出ベルト260との間でシートを挟む位置にある場合には、第2位置において、掻き込み部240の幅方向両側で後端落とし部材250によりシート又はシート束の上面を押えているため、シート又はシート束をより確実に排出ベルト260に向けて押圧することができ、シート又はシート束の搬送をより確実に行える。なお、一対の後端落とし部材250の先端部は、第2位置において処理トレイ220上のシートの上面を略平行となるように折り曲げられた折り曲げ部251としている。一対の後端落とし部材250の回動軌跡は、掻き込み部240及び掻き込みアーム243と同様である。
[戻し部材]
戻し部材280は、上述のように掻き込み部240により後端規制部材290に向けて搬送されたシートを更に後端規制部材290に向けて搬送し、シートの後端を後端規制部材290に当接させて、シートの後端位置を規制するものである。このような戻し部材280は、ローレットベルト281により構成され、ローレットベルト281を回転駆動することで、掻き込み部240により所定方向上流側に搬送されたシートを更に掻き込んで、後端を後端規制部材290に当接させる。戻し部材280は、シートに当接可能な当接位置と、当接位置から上方に退避した退避位置に移動可能であり、詳しくは後述するように、シートを後端規制部材290に向けて搬送する場合には当接位置に、処理トレイ220上のシートを積載トレイ300に向けて搬送する際には退避位置に、それぞれ移動する。
[排出ローラ]
排出ローラ230は、排出ベルト260と共に排出回転体対及び排出手段を構成する。上側排出回転体としての排出ローラ230は、処理トレイ220に載置されたシートの上面に接触する接触位置と、接触位置から上方に退避した退避位置とに移動可能であり、接触位置で排出ベルト260との間でシートを挟持する。即ち、排出ローラ230は、接触位置で排出ベルト260との間でシートをニップするニップ部材として機能する。排出ローラ230は、シートの幅方向に離間して2つ配置されており、上述のように、それぞれの排出ローラ230が接触位置で、対応する排出ベルト260との間でシートを挟持可能としている。
また、本実施形態の場合、排出ローラ230は、幅方向に離間して2つ配置されている。即ち、排出ローラ230は、一対の後端落とし部材250のうち、片側の後端落とし部材250と掻き込み部240との間、及び、他側の後端落とし部材250と掻き込み部240との間のそれぞれに、1つずつ配置されている。これら2つの排出ローラ230は、接触位置で幅方向両側の排出ベルト260とそれぞれシート又はシート束を挟持する。そして、排出ベルト260が回転することで、排出ローラ230と排出ベルト260とで挟持したシート又はシート束を搬送する。このように幅方向に離間した位置で排出ローラ230と排出ベルト260とでシート又はシート束を挟持搬送すれば、シート又はシート束搬送時にスキューが発生しにくい。また、この際、幅方向中央の排出ベルト260と掻き込み部240とでシート又はシート束を挟持し、シート又はシート束の排出をアシストするようにしているため、シート又はシート束排出時に幅方向の3個所で搬送力をシートに伝達することができ、スキューを抑制しつつ、より確実にシート又はシート束の排出を行える。
排出ローラ230は、排出ベルト260の回転に従動して回転する従動ローラであるが、駆動するようにしても良い。即ち、本実施形態では、排出ローラ230を従動回転体、排出ベルト260を駆動回転としている。また、排出ローラ230は、接触位置で排出ベルト260との間でシートを挟持可能なニップ部材として機能するが、このニップ部材は、ローラに代えてベルトなどの他の回転体であっても良いし、レバー部材のように回転せずにシートと当接する当接部材であっても良い。
排出ローラ230は、接触位置で、排出ベルト260を張架する張架ローラ261、252のうち、下流側の張架ローラ261と排出ベルト260を介して対向するように配置されている。これにより、接触位置において、排出ローラ230と張架ローラ261との間で排出ベルト260を介してシートを挟持可能とし、シートより確実に挟持搬送できるようにしている。
排出ローラ230は、第2回動手段としての排出ローラ回動機構231により、第2回動軸としての回動軸232を中心に接触位置と退避位置との間で回動可能となっている。言い換えれば、排出ローラ230は、接触位置と退避位置との間で昇降可能である。排出ローラ回動機構231は、排出ローラ230を支持する第2支持部材としての排出アーム233と、排出アーム233を回動可能に支持する回動軸232と、を備える。そして、排出アーム233の先端に支持された排出ローラ230を回動軸232を中心に回動可能である。排出ローラ回動機構231の詳しい構成については後述する。
回動軸232は、接触位置において排出ローラ230が排出ベルト260との間でシートをニップする排出ニップ部よりも所定方向上流側に配置されている。また、排出ローラ230は、退避位置において、処理前ローラ211と搬送ベルト212とでシートをニップする処理前ニップ部211aよりも鉛直方向上方に位置し、回動軸232は、退避位置における排出ローラ230よりも鉛直方向上方に位置する。
排出ローラ230は、回動軸232及び処理前ニップ部211aとの位置関係を上述のように規定しているため、退避位置にある状態では、処理前ニップ部211aを通過したシートが積載トレイ300に向かうことを許容する。一方、排出ローラ230は、回動軸232を中心に図3(b)の矢印R2方向(反時計方向)に回動することで、退避位置から接触位置に向けて下方に移動する。この際、処理前ニップ部211aを通過したシートが通る経路に排出アーム233が侵入し、該シートを下方に案内する役割も有する。具体的には、処理前ニップ部211aを通過したシートを排出アーム233により案内する場合には、排出ローラ230が、上下方向に関して接触位置と退避位置との間の位置であるガイド位置に停止する。そして、排出ローラ230がガイド位置から更に下方の接触位置に移動することで、該シートを排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持可能となる。
[整合部]
整合手段としての整合部270は、一対の整合板271を有する。一対の整合板271は、搬送パス210のシート搬送方向下流端部(所定方向下流端部)よりも更に下流側に配置され、シート搬送方向に交差するシートの幅方向に移動してシートの幅方向端縁に当接することでシートの幅方向の整合を行う。本実施形態では、処理トレイ220に載置されるシートの幅方向両側にそれぞれ配置され、それぞれ幅方向に移動可能である。また、一対の整合板271の構成は同じである。
また、一対の整合板271は、第1当接部272と第2当接部273を有する。第1当接部272は、搬送パス210のシート搬送方向下流端部よりも更に下流側で、搬送パス210から処理トレイ220側に垂れ下がったシートの幅方向端縁に当接可能である。即ち、第1当接部272は、搬送パス210を搬送されるシートの先端(所定方向下流端)が処理前ニップ部211aを通過し、後端が処理前ニップ部211aを通過していない状態で、搬送パス210から処理前ニップ部211aに垂れ下がった状態で、シートの幅方向端縁と当接可能な位置に設けられている。なお、本実施形態では第1当接部272は搬送パス210のシート搬送方向下流側端部よりも更に下流側に配置されていることを示したが、第1当接部272を搬送パス210のシート搬送方向下流側端部よりも更に下流側だけでなく、処理前ニップ部211aよりもシート搬送方向上流側に延設して、処理前ニップ部211aを跨いだ状態でシート幅方向端縁に当接するようにしてもよい。
第2当接部273は、第1当接部272の下方から第1当接部272よりもシート搬送方向下流に亙って配置され、処理トレイ220に載置されたシートのシート搬送方向下流端が、処理トレイ220のシート搬送方向下流端よりも積載トレイ300側(積載トレイ側)に突出した状態で、シートの幅方向端縁に当接可能である。即ち、第2当接部273は、処理トレイ220に載置された状態のシートの幅方向端縁に当接可能な位置に設けられている。処理トレイ220は、通常、載置されるシートよりも短く、処理トレイ220に載置され、上述のように後端が規制されたシートであっても、シートの先端が積載トレイ300側に垂れ下がった状態となる。第2当接部273は、このような状態のシートの幅方向端縁に当接可能な位置に形成されている。
また、第2当接部273は、詳しくは、後述するが、搬送パス210から処理トレイ220側に垂れ下がったシートの幅方向端縁にも、第1当接部272と共に当接可能である。上述したように、排出ローラ230は、退避位置からガイド位置に回動する。排出ローラ230及び排出アーム233は、詳しくは後述するように、搬送パス210から排出されるシートにタイミングを合わせてガイド位置に向けて回動を開始し、搬送パス210から排出途中のシートの先端や上面に当接して、シートを下方に案内するガイド手段としての役目も有する。そして、このようにシートが排出ローラ230及び排出アーム233により下方に案内されることで、シートの幅方向端縁が第1当接部272及び第2当接部273に当接する。
ここで、第1当接部272は第2当接部273の鉛直方向上方に位置する。また、一対の整合板271は、上述の後端落とし部材250と干渉しないように切り欠かれた切欠部274を有する。即ち、一対の整合板271は、所定方向に沿って長い第2当接部273と、第2当接部273の所定方向上流側部分から上方に延出するように形成された第1当接部272と、第2当接部273の所定方向下流側部分の上方に形成された切欠部274とを有する。上述のように、後端落とし部材250は、排出ニップ部よりも所定方向下流側の回動軸242を中心に回動するため、一対の整合板271の所定方向下流側部分を切り欠いて、後端落とし部材250との干渉を防止している。
一方、上述のように、搬送パス210から垂れ下がったシートの幅方向端縁と当接可能なように、第1当接部272を第2当接部273の所定方向上流側部分の上方に設けている。更に、搬送パス210から垂れ下がったシートの幅方向端縁が第2当接部273と当接可能となるように、第2当接部273を切欠部274の下方にも存在するように形成している。
詳しくは後述するように、搬送パス210から垂れ下がったシートの幅方向端縁に当接させる場合には、処理前ローラ211のニップ圧をほぼ0として、シートが搬送パス210にある状態でも、一対の整合板271によりシートの整合、或いは、シートの幅方向への移動(シフト)を可能としている。また、第2当接部273は、上述のように搬送パス210から垂れ下がったシートの幅方向端縁と第1当接部272と共に当接し、シートの整合、或いは、シートの幅方向の移動を可能としている。更に、第2当接部273は、処理トレイ220に載置されたシートの幅方向端縁に当接可能なように、処理トレイ220のシート載置面に沿って幅方向に移動可能であると共に、所定方向に関して第1当接部272よりも長く形成し、処理トレイ220上のシートの幅方向端縁との接触面積が大きくなるようにしている。
[積載トレイ]
積載トレイ300は、上述のように、排出ローラ230及び排出ベルト260により排出されたシートが積載される。積載トレイ300は、処理トレイ220の所定方向下流側で、且つ、鉛直方向下方に昇降可能に設けられている。また、積載トレイ300は、所定方向上流側が下流側よりも低くなるように水平面に対して傾斜している。このような積載トレイ300は、例えば、上下方向に配置されたレールに沿って上下方向に移動可能に支持されており、昇降手段としての昇降モータMT9(図14)の駆動により昇降する。
積載トレイ300の所定方向上流端には、積載トレイ300に積載されたシート又はシート束の所定方向上流端(後端)を規制する積載側規制手段としての立ち面310が設けられている。また、処理トレイ220の所定方向下流端には、少なくとも一部が、立ち面310よりも所定方向下流側に、且つ、処理トレイ220のシート載置面よりも下方にそれぞれ突出するように設けられた無端ベルトとしてのシート押さえベルト320が設けられている。シート押さえベルト320は、上述の戻し部材280と同様のローレットベルトである。
積載トレイ300は、昇降モータMT9により第1積載位置と、第1積載位置よりも下方の第2積載位置との間で昇降可能である。第1積載位置は、積載トレイ上のシートがシート押さえベルト320に接触可能な位置である。また、第2積載位置は、シートを積載トレイ300に排出する際に下降していた積載トレイ300の動作が上昇に切り替わる位置である。
詳しくは後述するが、積載トレイ300は、シート又はシート束の排出時に昇降し、積載トレイ300上のシート又はシート束の後端側の上面をシート押さえベルト320に接触する。これにより、処理トレイ220上のシート又はシート束の後端がシート押さえベルト320により押さえられ、その後にシート又はシート束が排出されても、既に積載トレイ300上に積載されているシート又はシート束がずれることを抑制できる。
シート押さえベルト320は、このように積載トレイ300上のシート又はシート束の後端を押える機能以外に、回転駆動されることで、積載トレイ300上のシート又はシート束を立ち面310に向けて搬送し、シート又はシート束の後端を立ち面310に突き当てることで、シート又はシート束の後端の整合を行う。このようなシート押さえベルト320は、駆動回転体としての排出ベルト260を駆動する張架ローラ261と同軸上に配置されている。即ち、張架ローラ261の駆動軸261a上にシート押さえベルト320を駆動するローラも設けられており、排出ベルト260及びシート押さえベルト320は、同期して回転する。
[シート処理装置の駆動構成]
次に、シート処理装置200の各部の駆動構成500について、図6ないし図14を用いて説明する。図6は、駆動構成500のうち、処理前ローラ211のニップ圧の可変、搬送ベルト212などの駆動、排出ローラ230の昇降を行うための構成を示している。搬送モータMT1は、伝達ベルト501を介して搬送ベルト212を駆動するローラ212aの駆動軸502に駆動を伝達する。駆動軸502上にはローレットベルト214を駆動するローラも設けられているため、搬送モータMT1によりローレットベルト214も回転駆動される。
また、搬送モータMT1の駆動は、不図示の伝達機構を介して処理前ローラ211及び戻し部材280に伝達される。したがって、搬送モータMT1により、処理前ローラ211、搬送ベルト212、ローレットベルト214及び戻し部材280が同期して回転駆動される。
昇降モータMT3は、排出ローラ230の回動軸232に接続されており、昇降モータMT3が駆動されることで、排出ローラ230が上述のように接触位置と退避位置との間で昇降する。また、本実施形態の場合、昇降モータMT3の駆動により処理前ローラ211のニップ圧の変更を行えるようにしている。即ち、昇降モータMT3は、第1回転体としての処理前ローラ211と第2回転体としての搬送ベルト212によりシートを挟持するニップ圧を調整可能なニップ圧調整手段しても機能する。
図7(a)、(b)にこの構成を示す。処理前ローラ211は、ローラ保持部511に保持され、ローラ保持部511は上下方向に移動可能に、即ち、搬送ベルト212のローラ212aに掛け渡された部分に対して遠近動する方向に移動可能である。ローラ保持部511は付勢手段としてのねじりバネ512により処理前ローラ211を搬送ベルト212に押し付ける方向に付勢されている。また、ねじりバネ512は、排出ローラ230の回動軸232に支持されており、回動軸232と共に回動する。
具体的には、ねじりバネ512の一端がローラ保持部511に当接しており、回動軸232を挟んだねじりバネ512の他端側の一部が排出ローラ230を支持する排出アーム233に設けられた突出部233aに当接している。これにより、ねじりバネ512がローラ保持部511と突出部233aとの間で弾性的に突っ張った状態で配置される。回動軸232と共に排出アーム233が回動すると、突出部233aと当接しているねじりバネ512の他端側の一部の位置が変わり、ねじりバネ512が回動軸232を中心に回動軸232と共に回動する。これにより、ねじりバネ512によるローラ保持部511を付勢する力が変化し、処理前ローラ211にニップ圧を変更できる。
図7(a)は、排出ローラ230が退避位置に位置している状態を示している。この状態では、ローラ保持部511がねじりバネ512に付勢されており、処理前ローラ211が所定のニップ圧(第1の圧力)で搬送ベルト212に当接している。一方、図7(b)は、排出ローラ230が接触位置に向けて下降している状態を示している。昇降モータMT3の駆動により回動軸232が排出ローラ230を接触位置に向けて下降させる方向に回動すると、これと共にねじりバネ512も回動する。すると、ローラ保持部511に対するねじりバネ512による付勢が解除され、処理前ローラ211の搬送ベルト212に対するニップ圧がほぼ0(第1の圧力よりも小さい第2の圧力)となる。言い換えれば、処理前ローラ211は自重により搬送ベルト212に当接している状態となる。
このように本実施形態では、昇降モータMT3を駆動して排出ローラ230を昇降させる動作を行うことに伴って、処理前ローラ211の搬送ベルト212に対するニップ圧を変更可能としている。したがって、後述するように、搬送パス210にシートの一部が残った状態で整合部270による整合動作を行う際には、排出ローラ230を下降させることで処理前ローラ211のニップ圧をほぼ0にすることができる。処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0であれば、処理前ローラ211と搬送ベルト212との間でシートが挟持されていても、シートを幅方向に移動可能である。
なお、図6に示すように、回動軸232の端部にはフラグ513が設けられており、このフラグ513をニップ部材HP位置検知センサSN2で検知可能としている。ニップ部材HP位置検知センサSN2は、発光部と受光部とを備えたフォトインタラプタであり、フラグ513が発光部と受光部との間に位置すると、排出ローラ(ニップ部材)230が退避位置、即ち、ホームポジションに位置することを検知する。
図8に示すように、昇降モータMT3は、伝達ベルト514及び電磁クラッチCL1を介して掻き込み部240及び後端落とし部材250の回動軸242に接続されている。即ち、排出ローラ230の回動軸232に設けられたプーリ515と、電磁クラッチCL1とギアなどにより駆動連結されたプーリ516とには、伝達ベルト514が掛け渡されている。電磁クラッチCL1は回動軸242に接続されている。図9及び図10(a)などに示すように、電磁クラッチCL1と回動軸242との接続は、電磁クラッチCL1に設けられた昇降レバー517と、回動軸242に突設された突起部518との係合により行う。
即ち、昇降レバー517は電磁クラッチCL1の出力軸に固定されており、出力軸が回転することで、回動軸242の回動中心を中心として揺動する。突起部518が昇降レバー517の下方で、昇降レバー517と係合可能な位置に設けられている。したがって、昇降レバー517が揺動すると突起部518と係合し、突起部518が設けられた回動軸242が回動する。本実施形態では、後述するように、引っ張りばね252により掻き込みアーム243及び後端落とし部材250が上方に付勢されているため、突起部518も上方に位置する昇降レバー517に突き当たるように付勢されている。したがって、電磁クラッチCL1がON状態で、昇降モータMT3が正方向に駆動した場合には、昇降レバー517と突起部518との係合により、掻き込み部240及び後端落とし部材250の下方に移動する。一方、昇降モータMT3が逆方向に駆動した場合には、昇降レバー517が上方に揺動するが、引っ張りばね252により突起部518が昇降レバー517に追従して上方に移動することになる。即ち、昇降モータMT3を逆方向に駆動することで、掻き込み部240及び後端落とし部材250の上方への移動が可能となる。
以上、まとめると、電磁クラッチCL1がONの状態では、プーリ516からの駆動が回動軸242側に接続されるため、昇降モータMT3の駆動により回動軸242が回動し、掻き込み部240及び後端落とし部材250が昇降する。一方、電磁クラッチCL1がOFFの場合、プーリ516と回動軸242との間の駆動伝達が切断されるため、昇降モータMT3が駆動しても回動軸242が回動せず、この場合には、排出ローラ230のみが昇降する。
なお、後端落とし部材250には、引っ張りばね252が設けられている。引っ張りばね252は、一端が後端落とし部材250の先端側に、他端が不図示の装置上面のフレームに接続されており、後端落とし部材250を上方に、即ち、第1位置に向けて付勢している。したがって、後端落とし部材250は、上方向に付勢されている。
ここで、図9に示すように、回動軸242は、後述する掻き込みベルト240aを駆動するための駆動軸244の周囲に、駆動軸244に対して相対回転可能に配置されている。駆動軸244は電磁クラッチCL1とは接続されておらず、回動軸242は駆動軸244とは別に回転可能である。また、回動軸242は、後端落とし部材250の基端部が固定された第1部分242aと、掻き込み部240の掻き込みアーム243の基端部が固定された第2部分242bとを有し、第1部分242aと第2部分242bとは互いに連結されて共に回転可能となっている。したがって、掻き込みアーム243は、後端落とし部材250が引っ張りばね252の付勢力により上方に移動した場合には、後端落とし部材250と共に上方に移動する。
例えば、掻き込み部240及び後端落とし部材250を第2位置に移動させた後、電磁クラッチCL1をOFFにすれば、後端落とし部材250及び掻き込み部240が引っ張りばね252により素早く第1位置に向けて上昇する。即ち、昇降モータMT3を駆動しなくても、電磁クラッチCL1がOFFにするだけで、掻き込み部240及び後端落とし部材250を上方に移動させることができる。例えば、次のシートの受け入れのためには、電磁クラッチCL1をOFFにして引っ張りバネ252の付勢力により上方向に移動した方が、昇降モータMT3の駆動により移動させるよりも早い。したがって、本実施形態の場合、処理トレイ220への次のシートの受け入れを素早く行え、生産性を高めることができる。
ここで、図10(a)ないし図12(b)を用いて、排出ローラ230と、掻き込み部240及び後端落とし部材250の昇降動作について説明する。まず、図10(a)及び図11(a)は、排出ローラ230が退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250が第1位置に位置している状態である。図10(a)の状態から、電磁クラッチCL1をOFFにしたまま昇降モータMT3を駆動すると、図10(b)に示すように、排出ローラ230のみが退避位置から接触位置に向けて下降する。
一方、図11(a)の状態から、電磁クラッチCL1をONにし、昇降モータMT3を駆動すると、図11(b)に示すように、排出ローラ230が接触位置に向けて下降すると共に、掻き込み部240及び後端落とし部材250も第2位置に向けて下降する。次に、排出ローラ230が接触位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250が第2位置にある図12(a)の状態から、電磁クラッチCL1をOFFにすると、図12(b)に示すように、排出ローラ230が接触位置に位置したまま、引っ張りばね252により掻き込み部240及び後端落とし部材250が上方に移動する。このように本実施形態では、電磁クラッチCL1のONとOFFのタイミングを制御することで、排出ローラ230と、掻き込み部240及び後端落とし部材250の昇降タイミングをずらすことができる。
なお、図13に示すように、排出ローラ230の排出アーム233Aを途中に回動軸233Bを設けて、回動軸233Bよりも先端側を回動可能とすると共に、この先端側をばねにより下方に向けて付勢するようにしても良い。この場合、掻き込み部240及び後端落とし部材250が排出ローラ230より後から下降しても、処理トレイ220上のシートに掻き込み部240及び後端落とし部材250が接触可能である。
即ち、排出ローラ230が接触位置にある状態で、電磁クラッチCL1をONにし、更に昇降モータMT3を駆動すると、排出ローラ230が接触位置から下側に移動することになる。図13に示すような構成とすれば、排出ローラ230が更に下方に移動しようとした場合、排出アーム233Aの先端側が回動軸233Bを中心に回動することで、排出ローラ230の移動を許容することができる。したがって、掻き込み部240及び後端落とし部材250が排出ローラ230より後から下降しても、掻き込み部240及び後端落とし部材250が処理トレイ220上のシートに接触可能な位置まで下降可能となる。
図8に示すように、搬送モータMT2は、伝達ベルト520を介して掻き込みベルト240aを駆動するための駆動軸244に駆動伝達可能となっている。駆動軸244の掻き込みアーム243に挟まれた位置には、プーリ521が設けられており、このプーリ521と、掻き込みベルト240aを張架するコロ240c(図9)との間には駆動ベルト522が掛け渡されている。搬送モータMT2が駆動されると、伝達ベルト520を介して駆動軸244が回転し、駆動軸244に設けられたプーリ521及び駆動ベルト522を介してコロ240cが回転駆動する。そして、コロ240cにより張架された掻き込みベルト240aが回転駆動する。上述のように、駆動軸244は回動軸242と相対回転可能となっているため、搬送モータMT2の駆動により駆動軸244が回動軸242に対して空転する。
また、駆動軸244と、排出ベルト260を回転駆動する張架ローラ261とは、駆動伝達部523により連結されている。駆動伝達部523は、駆動軸244に設けられたプーリ523a、第1中間プーリ523b、プーリ523aと第1中間プーリ523bに掛け渡された第1伝達ベルト523c、第1中間プーリ523bと一体に回転する第2中間プーリ523d、電磁クラッチCL2、電磁クラッチCL2にギアなどにより駆動接続されたプーリ523e、第2中間プーリ523dとプーリ523eに掛け渡された第2伝達ベルト523f、電磁クラッチCL2に駆動接続された駆動軸523gを備える。駆動軸523gには、張架ローラ261が設けられている。
したがって、搬送モータMT2が駆動すると、第1伝達ベルト523c、第2伝達ベルト523fが回転する。そして、電磁クラッチCL2がONの場合には、搬送モータMT2の駆動が駆動軸523gに伝達され、張架ローラ261が回転し、排出ベルト260が回転駆動される。一方、電磁クラッチCL2がOFFの時には、搬送モータMT2が駆動されていても駆動軸523gには駆動が伝達されず、排出ベルト260は回転しない。
また、本実施形態では、シート押さえベルト320を駆動するローラ321にも駆動軸523gが接続されている。即ち、ローラ321は駆動軸523g上に設けられ、駆動軸523gが回転することで、張架ローラ261と共に回転する。したがって、電磁クラッチCL2がONで搬送モータMT2が駆動されると、ローラ321が回転し、シート押さえベルト320も回転駆動される。一方、電磁クラッチCL2がOFFの場合、搬送モータMT2が駆動されても、シート押さえベルト320は回転しない。
図14に各モータと各構成との関係を示す。図14に示す列は、左側から番号、モータの名称、モータにより駆動する駆動部品との間のクラッチの有無、駆動部品、動作、正転時のクラッチの状態及び動作方向、逆転時のクラッチの状態及び動作方向、備考を示している。図14中、搬送モータMT1、MT2、昇降モータMT3については上述した通りである。図14からも明らかなように、搬送モータMT1は、搬送ベルト212を駆動するローラ(搬送ローラ)212a、処理前ローラ211、戻し部材280の駆動を行っている。即ち、本実施形態では、搬送ベルト212、処理前ローラ211、戻し部材280の駆動源を同一としている。
また、搬送モータMT2は、掻き込みベルト240aを駆動するための駆動軸244、排出ベルト260を駆動する張架ローラ261、シート押さえベルト320を駆動するための駆動軸523gの駆動を行っている。即ち、本実施形態では、掻き込みベルト240a、排出ベルト260、シート押さえベルト320の駆動源を同一としている。更に、昇降モータMT3は、排出ローラ(ニップ部材)230の昇降、処理前ローラ211のニップ圧の変更、掻き込み部240及び後端落とし部材250の昇降を行っている。即ち、本実施形態では、排出ローラ230の昇降、掻き込み部240及び後端落とし部材250の昇降、更には処理前ローラ211のニップ圧の変更を同一の駆動源で行っている。
本実施形態では、これ以外にも、戻し部材280を昇降させるための昇降モータMT4、前側の整合板271を幅方向に移動させるための整合板移動モータMT5、後側の整合板271を幅方向に移動させるための整合板移動モータMT6、ステープル位置を変えるためにステープルユニット400を移動させるSTP移動モータMT7、ステープルユニット400を駆動してシート束にステープルするためのSTPクリンチモータMT8、積載トレイ300を昇降させる昇降モータMT9を備える。
[シート処理装置の制御構成]
シート処理装置200の制御構成について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、シート処理装置200が有する各モータやクラッチなどの駆動構成と、各センサを示すブロック図である。これら各センサの信号は、制御手段としての制御部203に入力され、各駆動構成は制御部203により制御される。制御部203は、画像形成装置100が有する制御部と通信可能に接続されており、シート処理装置200全体の制御を行う。
このような制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
図15に示す各モータ、クラッチなどは上述した通りである。一方、各センサについては、図3(b)を参照しつつ説明する。まず、入口センサSN1は、搬送パス210に設けられ、搬送パス210に搬送されたシートの先端を検知する。ニップ部材HP位置検知センサSN2は、上述のように、回動軸232の周囲に設けられ、排出ローラ(ニップ部材)230が退避位置(ホームポジション)にあることを検知する。掻き込み部HP位置検知センサSN3は、回動軸242の周囲に設けられ、掻き込み部240及び後端落とし部材250が第1位置(ホームポジション)にあることを検知する。ローレットベルトHP位置検知センサSN4は、戻し部材280が処理トレイ220から退避した位置(ホームポジション)を検知する。
フロント整合板HP位置検知センサSN5、リア整合板HP位置検知センサSN6は、それぞれ前側の整合板271と後側の整合板271とが処理トレイ220に載置されたシートから幅方向に離間した位置(ホームポジション)にあることを検知する。ステープラHP位置検知センサSN7は、ステープルユニット400がホームポジションにあることを検知する。積載トレイHP位置検知センサSN8は、積載トレイ300のホームポジション位置を検知する。積載トレイ下限位置検知センサSN9は、積載トレイ300の下限位置を検知する。処理トレイシート有無検知センサSN10は、処理トレイ220上のシートの有無を検知する。制御部203は、これら各センサの信号に基づいて、後述するような各制御を行う。
次に、図16を用いて、本実施形態の各モードの制御の流れについて説明する。本実施形態では、シート処理装置200に送られたシートを、所定の処理を施さずにそのまま積載トレイ300に排出するストレート排出モードと、シート処理装置200に送られたシートを幅方向に移動(シフト動作)させて積載トレイ300に排出するシフトモードと、シート処理装置200に送られたシートに対して、所定の処理としてのステープルを行って積載トレイ300に排出するステープルモードとがある。これら各モードは、ユーザにより選択される。
また、シフトモードには、シートの搬送方向(所定方向)の長さが所定長さよりも長いラージサイズのシートにシフト動作を行う場合と、ラージサイズよりも所定方向の長さが所定長さ以下のスモールサイズにシフト動作を行う場合とがある。所定長さは、例えば、A4サイズの用紙を縦方向(長手方向が搬送方向となる方向)に送る、所謂A4縦のサイズである。また、シフトモードにおいて、生産性を優先する生産性優先モードと、シートの整列性を優先する整列性優先モードとを選択して実行可能である。
第1モードとしての生産性優先モードは、搬送パス210から処理トレイ側に垂れ下がった状態で、整合部270によりシートの幅方向の整合を行うモードである。第2モードとしての整列性優先モードは、処理トレイ220に載置された状態で、ステープルユニット400によるステープル処理を行わないシートに対して、整合部270によりシートの幅方向の整合を行うモードである。この点の詳しい説明は後述する。
制御が開始されると、制御部203は、排出モードがストレート排出モード、シフトモード、ステープルモードの何れが選択されているかを判断する(S1)。ストレート排出モードが選択されている場合には、シート処理装置200に送られたシートを、所定の処理を施さずにそのまま積載トレイ300に1枚ずつ排出する(S2)。
S1において、シフトモードが選択されている場合には、シートサイズがラージサイズであるかスモールサイズであるかを判断する(S3)。スモールサイズである場合には、生産性優先であるか否かを判断する(S4)。生産性優先であれば、搬送パス210から排出されるシートを、処理トレイ220でシフト動作せずに、搬送パス210の一部が残った状態でシフト動作を行って積載トレイ300に排出する(S5)。S4で生産性優先でない場合、搬送パス210から排出されたシートを処理トレイ220に掻き込んで、処理トレイ220上でシフト動作を行って積載トレイ300に排出する(S6)。S3でラージサイズである場合にも、S6に進む。
S1において、ステープルモードが選択されている場合には、搬送パス210から排出されたシートを処理トレイ220に掻き込み整合して、処理トレイ220上にシート束を形成する(S7)。そして、シート束に対してステープル処理を行う(S8)。その後、シート束を積載トレイ300に排出する(S9)。
上述の各モードにおけるシート処理装置200の動作について、図17ないし図41を用いて説明する。
[ストレート排出モード]
図17ないし図20を用いて、ストレート排出モードについて説明する。図17(a)、(b)に示すように、搬送パス210にシートSが搬送された状態では、排出ローラ230は退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250は第1位置にそれぞれ位置している。次に、図18(a)、(b)に示すように、搬送パス210の所定方向下流端に位置する処理前ローラ211と搬送ベルト212の処理前ニップ部211aからシートSが所定方向に排出される。この状態でも、排出ローラ230は退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250は第1位置にそれぞれ位置している。
シートSが処理前ニップ部211aから所定量搬送されると、図19(a)、(b)に示すように、排出ローラ230が接触位置に下降し、排出ローラ230と排出ベルト260との間でシートSを挟持する。この際、シートSの後端は処理前ニップ部211aを通過していない。したがって、シートSは排出ローラ230と排出ベルト260との間の排出ニップ部230aと処理前ニップ部211aとで挟持された状態となる。但し、上述したように、排出ローラ230が接触位置に下降すると、処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0となる。したがって、シートSは、主として排出ローラ230と排出ベルト260とで挟持搬送され、図20(a)、(b)に示すように、処理前ローラ211に積載されることなく、積載トレイ300に直接排出される。
[シフトモード(生産性優先)]
図21ないし図25を用いて、シフトモードのうち生産性優先モードについて説明する。図21(a)、(b)に示すように、搬送パス210にシートSが搬送された状態では、排出ローラ230は退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250は第1位置にそれぞれ位置している。次に、図22(a)、(b)に示すように、シートSのシート搬送方向下流端(先端)が処理前ローラ211と搬送ベルト212との処理前ニップ部211aを通過し、且つ、該シートSのシート搬送方向上流端(後端)が第3回転体しての上流ローラ213と搬送ベルト212とのニップ部を通過した後に、処理前ローラ211のニップ圧を第1の圧力から第2の圧力に変更する。即ち、ニップ圧をほぼ0とする。なお、第1の圧力から第2の圧力への変更開始タイミングはシート搬送方向上流端が上流ローラ213と搬送ベルト212とのニップ部を通過する前でもよく、シート搬送方向上流端が上流ローラ213と搬送ベルト212とのニップ部を通過した後に第2の圧力への変更が完了するようにしてもよい。
本実施形態では、シートSの後端が搬送パス210上の入口センサSN1を抜けたら、排出ローラ230の下降を開始してガイド位置に向けて移動する。これにより、処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0となる。また、シートSの後端が搬送パス210上の入口センサSN1を抜けたら、前後の整合板271をそれぞれシートSの幅方向端縁に向けて移動を開始する。この状態では、シートSが搬送パス210から処理トレイ220側に垂れ下がった状態であり、この垂れ下がった部分の幅方向端縁が整合板271の第1当接部272と当接し、幅方向の整合が行われる。この際、処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0なので、整合板271によりシートの整合が円滑に行われる。即ち、整合部270が搬送パス210から垂れ下がったシートの幅方向の整合を行う際には、処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0に調整されている。
次いで、シートSが更に搬送されると、図23(a)、(b)に示すように、ガイド位置に移動した(移動中の)排出ローラ230の排出アーム233にシートSの先端が下方に向けて案内される。そして、シートSの先端が排出ベルト260の所定方向下流端を通過するタイミングで、シートSの上面が排出ローラ230に押される。なお、この際のシートSの搬送は、処理前ローラ211のニップ圧がほぼ0なので、搬送ベルト212により行われる。シートSが自重により搬送ベルト212に乗った状態であり、シートSと搬送ベルト212との接触面積はある程度確保されているため、搬送ベルト212によりシートSを所定方向下流側に搬送可能である。
図23(a)、(b)に示すように、排出ローラ230によりシートSの幅方向先端側を下方に押すことで、シートSの先端側の幅方向端縁が整合板271の第2当接部273と対向する。また、シートSの後端は処理前ニップ部211aを通過していない。生産性優先モードでは、この状態で、一対の整合板271の第1当接部272及び第2当接部273をシートの幅方向端縁に当接させ、所望の方向にシートSをシフトさせる。即ち、本実施形態の生産性優先モードでは、シートSを処理トレイ220に載置せずに、搬送パス210から垂れ下がった状態で、一対の整合板271の所定方向に離間した2個所の当接部である第1当接部272及び第2当接部273をシートSの幅方向端縁に当接させる。この際、第1当接部272は、シートSLの搬送パス210から垂れ下がって湾曲した部分に当接し、第2当接部273は、シートSLの先端側に当接する。そして、一対の整合板271を所望の方向に移動させることで、シートSを幅方向に移動させる。
シートSの幅方向への移動(シフト動作)が完了したら、図24(a)、(b)に示すように、排出ローラ230をガイド位置から接触位置まで下降させ、シートSを排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持する。そして、主として排出ローラ230と排出ベルト260によりシートSを搬送し、図25(a)、(b)に示すように、シートSを積載トレイ300に排出する。
このような生産性優先モードの場合、シートSを処理トレイ220に載置する動作がないため、シートSのシフト動作を処理トレイ220上で行う場合よりも速く行うことができる。また、シフト動作の際に、シートSが垂れ下がり湾曲した状態で整合板271を当接させるため、シートSがより剛性の高い状態でシートの整合及びシフト動作を行え、シートに撓みが発生しにくい状態で整合及びシフト動作を行える。
また、本実施形態では、排出ローラ230をガイド位置に移動することによりシートSの先端側を押し下げて、より確実に整合板271の第2当接部273に当接可能としている。シートSの所定方向に離間した2個所の幅方向端縁と整合板271が当接することで、より安定した状態でシートSのシフト動作を行うことができる。即ち、シフト動作時にシートがスキューすることを抑制しつつシートを幅方向に移動できる。
なお、生産性優先モードは、スモールサイズのシートに対して好ましく適用可能であるが、ラージサイズのシートに対して実行しても良い。また、例えば、シートの所定方向の長さ短い場合などには、第1当接部272のみをシートの幅方向端縁に当接させてシフト動作を行っても良い。
[シフトモード(整列性優先)]
図26ないし図32を用いて、シフトモードのうち整列性優先モードについて説明する。なお、整列性優先モードはスモールサイズのシートに対して行っても良いが、ここでは、ラージサイズのシートに対して行う場合について説明する。図26(a)、(b)に示すように、搬送パス210にシートSLが搬送された状態では、排出ローラ230は退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250は第1位置にそれぞれ位置している。
図27(a)、(b)に示すように、シートSLの後端が処理前ニップ部211aを通過すると、排出ローラ230、掻き込み部240及び後端落とし部材250が下降を開始する。なお、排出ローラ230、掻き込み部240及び後端落とし部材250の下降開始タイミングは、シートSLの後端が処理前ニップ部211aを通過する前であっても良い。何れにしても、掻き込み部240及び後端落とし部材250によりシートSLの後端を処理トレイ220に向けて落とす際に、シートSLの後端が処理前ニップ部211aを通過するタイミングであれば良い。
図28(a)、(b)に示すように、排出ローラ230が接触位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250が第2位置に下降する。これにより、搬送パス210から排出されたシートSLは、排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持されると共に、掻き込み部240及び後端落とし部材250により後端が処理トレイ220に向けて落とされて、処理トレイ220上に載置される。この際、シートSLは掻き込み部240の掻き込みベルト240aと排出ベルト260との間でも挟持される。
次いで、図29(a)、(b)に示すように、掻き込みベルト240aと排出ベルト260とをそれぞれ逆方向に回転させて、処理トレイ220上に載置されたシートSLを後端規制部材290に向けて搬送する。この際、戻し部材280が下降し、戻し部材280のローレットベルト281がシートSLの後端側上面に当接する。そして、ローレットベルト281を回転させることで更にシートSLを搬送し、シートSLの後端を後端規制部材290に突き当てる。これにより、シートSLの所定方向の整合が行われる。
次に、図30(a)、(b)に示すように、排出ローラ230を退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250を第1位置にそれぞれ上昇させると共に、戻し部材280を上昇させ、これら各部材をシートSLの上面から退避させる。この状態で、前後の整合板271を幅方向に移動させてシートSLの幅方向の整合及びシフト動作を行う。この際、シートSLは処理トレイ220上に載置されているため、整合板271の第2当接部273に当接する。第2当接部273は、第1当接部272の下方から第1当接部272よりも所定方向下流側に亙って配置されており、所定方向に関して比較的広い範囲でシートSLの幅方向端縁と当接する。また、第2当接部273は、処理トレイ220に載置されたシートSLの先端が、処理トレイ220の所定方向下流端よりも積載トレイ300側に突出した状態で、シートSLの幅方向端縁と当接する。
シートSLのシフト動作が完了したら、図31(a)、(b)に示すように、排出ローラ230を接触位置に下降させて、シートSLを排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持する。そして、排出ベルト260を正方向に回転させることで、図32(a)、(b)に示すように、シートSLを処理トレイ220から積載トレイ300に排出する。
このように整列性優先モードでは、シートSLを処理トレイ220上で整合及びシフト動作を行うため、シートSLの整列性を生産性優先モードよりも良好にできる。特に、整列性優先モードでは、シートSLを処理トレイ220に載置し、シートSLの後端を後端規制部材290に突き当て、更に、第2当接部273の所定方向全域をシートSLの幅方向端縁に当接させてシフト動作を行っている。第2当接部273の所定方向全域の長さは、生産性優先モードでシートと当接する第1当接部272と第2当接部の一部を合わせた長さよりも長く、整列性優先モードでは広い範囲で整合板271をシートの幅方向端縁に当接可能である。
また、生産性優先モードでシートが搬送パス210から垂れ下がった状態でシフト動作を行っているのに対して、整列性優先モードでは、処理トレイ220に載置された状態でシフト動作を行っているため、シートのシフト動作を安定した状態で行える。更に、シートSLの先端は処理トレイ220よりも積載トレイ300側に突出しているため、シートSLは先端側が積載トレイ300に垂れ下がって湾曲した状態である。したがって、シートSLが湾曲していない状態よりも剛性が高い状態でシートSLのシフト動作を行える。このような理由により、整列性優先モードでは、シートSLの整列性を生産性優先モードに比べて良好にできる。
但し、整列性優先モードでは、シートを一旦、処理トレイ220上に載置する動作があるため、生産性優先モードに比べて処理に時間がかかってしまう。しかしながら、ラージサイズのシートの場合、画像形成装置100内の処理でも時間がかかる。このため、ラージサイズのシートに対して整列性優先モードを実行した場合、画像形成装置100の生産性に適した生産性でシフト動作を行え、更に、シートの整列性を良好にできる。なお、ラージサイズのシートであっても、上述したような生産性優先モードを実行するようにしても良い。
[ステープルモード]
図33ないし図41を用いて、ステープルモードついて説明する。図33(a)、(b)に示すように、搬送パス210に1枚目のシートS1が搬送された状態では、排出ローラ230は退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250は第1位置にそれぞれ位置している。シートS1の後端が処理前ニップ部211aを通過すると、上述の図27と同様に、排出ローラ230、掻き込み部240及び後端落とし部材250が下降を開始し、図28と同様に、排出ローラ230が接触位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250が第2位置に下降する。即ち、搬送パス210から排出されたシートS1を処理トレイ220に載置し、シートS1を排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持すると共に、掻き込み部240の掻き込みベルト240aと排出ベルト260との間でも挟持する。なお、排出ローラ230、掻き込み部240及び後端落とし部材250の下降開始タイミングは、シートS1の後端が処理前ニップ部211aを通過する前であっても良い。
次いで、図34(a)、(b)に示すように、掻き込みベルト240aと排出ベルト260とをそれぞれ逆方向に回転させて、処理トレイ220上に載置されたシートS1を後端規制部材290に向けて搬送する。この際、戻し部材280が下降し、戻し部材280のローレットベルト281がシートS1の後端側上面に当接する。そして、ローレットベルト281を回転させることで更にシートS1を搬送し、シートS1の後端を後端規制部材290に突き当てる。これにより、シートS1の所定方向の整合が行われる。
次に、図35(a)、(b)に示すように、排出ローラ230を退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250を第1位置にそれぞれ上昇させると共に、戻し部材280を上昇させ、これら各部材をシートS1の上面から退避させる。この状態で、前後の整合板271を幅方向に移動させてシートS1の幅方向の整合を行う。この際、シートS1は処理トレイ220上に載置されているため、整合板271の第2当接部273に当接する。ここまでは、整列性優先モードと同様である。
次に、図36(a)、(b)に示すように、2枚目のシートに備えるべく、戻し部材280を下降させて、ローレットベルト281と処理トレイ220との間にシートS1の後端を挟持する。これにより、処理トレイ220上に2枚目のシートが搬送されても、1枚目のシートS1がずれることを抑制できる。この状態で、上述の1枚目のシートS1を処理トレイ220に載置した場合と同様に、搬送パス210から排出された2枚目のシートS2を処理トレイ220に載置されたシートS1上に載置する。
そして、図37(a)、(b)に示すように、掻き込みベルト240aと排出ベルト260とをそれぞれ逆方向に回転させて、処理トレイ220上に載置された1枚目のシートS2を後端規制部材290に向けて搬送する。この際、戻し部材280が一旦上昇し、シートS2の後端が戻し部材280に到達するタイミングで下降する。そして、戻し部材280のローレットベルト281がシートS2の後端側上面に当接する。ローレットベルト281を回転させることで更にシートS2を搬送し、シートS2の後端を後端規制部材290に突き当てる。これにより、シートS2の所定方向の整合が行われる。処理トレイ220上に載置されるシートが2枚目以降の場合には、排出ベルト260を回転させずに掻き込みベルト240aのみを逆方向に回転させて、1枚目と同様に、シートの後端を後端規制部材290に突き当てる。なお、1枚目のシートの後端を後端規制部材290に突き当てる場合にも、排出ベルト260を回転させずに掻き込みベルト240aのみを逆方向に回転させるようにしても良い。
次に、図38(a)、(b)に示すように、排出ローラ230を退避位置に、掻き込み部240及び後端落とし部材250を第1位置にそれぞれ上昇させると共に、戻し部材280を上昇させ、これら各部材をシートS2の上面から退避させる。この状態で、前後の整合板271を幅方向に移動させてシートS2の幅方向の整合を行う。このようにシートを処理トレイ220に載置し、処理トレイ220上でシートの整合を行う動作を、入力されたジョブ情報に基づく枚数分行い、処理トレイ220上にシート束STを形成する。
シート束STを形成したら、図39(a)、(b)に示すように、ステープルユニット400を駆動して、シート束STに対しステープル処理を行う。ステープル処理を行ったら、図40(a)、(b)に示すように、前後の整合板271をシート束STの幅方向端縁から退避させると共に、排出ローラ230を接触位置に、掻き込み部240を第2位置にそれぞれ下降させる。これにより、シート束STが排出ローラ230及び掻き込みベルト240aと、排出ベルト260との間で挟持される。そして、排出ベルト260及び掻き込みベルト240aを駆動することで、図41(a)、(b)に示すように、シート束STが処理トレイ220から積載トレイ300に排出される。
このように本実施形態では、シート束STの排出を、排出ローラ230と排出ベルト260による搬送に加えて、掻き込みベルト240aを駆動することで行っている。特に、掻き込みベルト240aはベルトの張架面がシート束STの上面に接触するようにしているため、シート束STの搬送力が高い。したがって、シート束STの処理トレイ220からの排出をより確実に行うことができる。
ここで、シートの搬送力を高めるためには、排出ローラ230の排出ベルト260に対する当接圧(ニップ圧)を大きくすることが考えられる。但し、この場合には、排出ローラ230を支持する構成の強度を確保する必要があり、装置が大型化してしまう。また、排出ローラ230をシートに強く当接させた場合、裏写りが発生する虞がある。そこで、本実施形態では、排出ローラ230とは別に掻き込みベルト240aをシートに当接させて、掻き込みベルト240aによりシートの排出をアシストするようにしている。
このため、排出ローラ230のニップ圧を必要以上に高めなくてよく、装置の大型化を抑制でき、裏写りの発生も抑制できる。また、掻き込みベルト240aは処理トレイ220上のシートを後端規制部材290に向けて搬送する機能を有するものであり、シートを後端規制部材290に向けて搬送するときと、シートを排出するときとで掻き込みベルト240aの回転方向を切り換えるだけである。したがって、それぞれの機能を有する構成を別々に設ける場合よりも装置の小型化を図れる。
[シートの排出動作]
本実施形態における積載トレイ300へのシートの排出動作について、図42ないし図46を用いて説明する。まず、図42(a)、(b)に示すように、シートSは、排出ローラ230と排出ベルト260との間で挟持搬送されることで、積載トレイ300に排出される。この際、積載トレイ300は第1積載位置にある。第1積載位置は、積載トレイ300にシートが積載されていない場合にはホームポジションであり、シートが積載されている場合には、その積載量に応じて決まる位置である。
次に、積載トレイ300は、排出ローラ230と排出ベルト260により排出されたシートSの所定方向下流端(先端)が、積載トレイ300のシート載置面301又はシート載置面301に載置されたシートに接触した後に、積載トレイ300が第2積載位置に到達するように、第1積載位置から第2積載位置に下降する。本実施形態では、図43(a)、(b)に示すように、シートSの後端が排出ローラ230と排出ベルト260との間の排出ニップ部230aを通過したら、積載トレイ300が第1積載位置から第2積載位置に向けて下降を開始する。シート押さえベルト320は撓んだ状態でローラ321に掛け渡されている。よって積載トレイ300が第1積載位置にある状態でシート押さえベルト320は積載トレイ300に載置されたシートによって若干押し上げられている。この状態から積載トレイ300が第1積載位置から第2積載位置に向けて下降しても、シート押さえベルト320の撓みが解消されるまではシート押さえベルト320は積載トレイ300上のシートに接触しているため、積載トレイ300が下降開始してから所定区間はシート押えベルト320によるシート押さえ効果は持続する。
シートSが排出ニップ部230aから排出される際は、図44(a)、(b)に示すように、シート押さえベルト320が、排出ローラ230と排出ベルト260により排出されるシートSの所定方向上流端(後端)に回転しながら当接することで、該シートSの後端を積載トレイ300に向けて案内する。
上述のように、シート押さえベルト320は、ローレットベルトであり、排出ベルト260を駆動する張架ローラ261の駆動軸261a上にシート押さえベルト320を駆動するローラも設けられている。このため、シート押さえベルト320は、排出ベルト260と同期して回転する。また、シート押さえベルト320は、少なくとも一部が、立ち面310よりも所定方向下流側に、且つ、処理トレイ220のシート載置面よりも下方にそれぞれ突出するように設けられている。このため、シート押さえベルト320が回転することで、排出ニップ部230aを抜けたシートSの後端はシート押さえベルト320により掻き落とされるように積載トレイ300に案内される。即ち、図44(b)の点線及び破線で示すシートの軌跡のように、シートSの後端がシート押さえベルト320により掻き落とされる。これにより、シートSの後端が排出ニップ部230aに残りにくくしている。
次いで、シートSの所定方向上流端が、シート載置面301又はシート載置面301に載置されたシート上に排出された後に、積載トレイ300が第1積載位置に到達するように、積載トレイ300が第2積載位置から第1積載位置に上昇する。本実施形態では、図45(a)、(b)に示すように、シートSの後端が積載トレイ300に排出された後に、積載トレイ300が第2積載位置から第1積載位置に向けて上昇を開始する。このように積載トレイ300が第2積載位置から第1積載位置に上昇することで、シート押さえベルト320が、積載トレイ300に排出されたシートSの後端部の上面を押える。
次に、図46(a)、(b)に示すように、シート押さえベルト320は、第2積載位置から第1積載位置に上昇した積載トレイ300上のシートSを積載側規制手段としての立ち面310に向けて搬送する。即ち、シート押さえベルト320が回転することで、積載トレイ300上のシートSを掻き込んで、シートSの後端を立ち面310に突き当てる。このとき、シート押さえベルト320は、回転している状態でシートSの上面に当接するようにしても良いし、シートSの上面に当接した後に回転するようにしても良い。即ち、積載トレイ300が第2積載位置から第1積載位置に上昇する際に、少なくとも積載トレイ300が第1積載位置に到達する前にシート押さえベルト320の回転を開始しても良いし、積載トレイ300が第1積載位置に到達してからシート押さえベルト320の回転を開始しても良い。何れにしても、シートSの後端が立ち面310に突き当たった後のタイミングで、シート押さえベルト320の回転を停止する。
本実施形態の場合、このように積載トレイ300に排出されたシートSの上面をシート押さえベルト320により押さえるようにしている。また、このために積載トレイ300を第1積載位置と第2積載位置とに昇降可能とし、シートの排出に合わせて上述のように第1積載位置からの下降及び第2積載位置からの上昇のタイミングを制御している。そして、処理トレイ220の所定方向下流端に設けられたシート押さえベルト320により、積載トレイ300に排出されたシートの後端部上面を押えられるようにしている。
これにより、次のシートが積載トレイ300に載置されたシートS上に排出されても、シートSがずれることを抑制できる。なお、積載トレイ300の角度によっては、次のシートの先端が接触した後に、その前に排出されたシートSの後端をシート押さえベルト320により抑えるようにしても良い。即ち、積載トレイ300のシート載置面301が所定方向下流側が上方となるように水平面に対して傾斜している場合で、この角度が大きい場合には、次のシートの先端が既に載置されているシートの上面に接触してもこのシートがずれにくい。したがって、このような場合には、シートSを載置した積載トレイ300が第1積載位置に到達する前に次のシートの先端がシートSに接触するように、次のシートの排出を行っても良い。
何れにしても本実施形態では、シート押さえベルト320が積載トレイ300に排出されたシートSの後端を押える機能と、シートSの後端が排出ニップ部230aに残らないように掻き落とす機能とを有する。このため、本実施形態の場合、これらの機能を有する機構をそれぞれ別に設ける場合よりも、低コスト化が図れる。
[他の実施形態]
上述の実施形態では、シート処理装置200を画像形成装置100の胴内空間130内に配置する構成としたが、本発明のシート処理装置の構成は、例えば、画像形成装置の側面に装着される構成であっても良い。また、シート処理装置は、画像形成装置が備える制御部により制御される構成であっても良い。
200・・・シート処理装置
210・・・搬送パス
211・・・処理前ローラ
212・・・搬送ベルト
220・・・処理トレイ
230・・・排出ローラ
240・・・掻き込み部
240a・・・掻き込みベルト
250・・・後端落とし部材
260・・・排出ベルト
270・・・整合部
271・・・整合板
280・・・戻し部材
290・・・後端規制部材
300・・・積載トレイ
310・・・立ち面
320・・・シート押さえベルト
400・・・ステープルユニット

Claims (10)

  1. シートを処理前ニップ部で挟持して所定方向に搬送する搬送回転体対と、
    前記搬送回転体対により搬送されたシートを載置可能な処理トレイと、
    シートの前記所定方向上流端が前記搬送回転体対を通過した後に該シートの前記所定方向上流端に接触して、該シートの前記所定方向上流端を前記処理トレイに落下させる落下部材と、
    前記処理トレイに載置されたシートに所定の処理を施す処理手段と、
    前記処理トレイに載置されたシートを排出ニップ部で挟持して前記所定方向下流側に排出可能な排出回転体対と、
    前記落下部材を、前記搬送回転体対の前記処理前ニップ部の上方に位置する第1位置と、前記排出ニップ部よりも前記所定方向上流側で、前記処理トレイに載置されたシートの上面に当接する第2位置との間で第1回動軸を中心に回動させる第1回動手段と、を備え、
    前記第1回動手段は、前記搬送回転体対によりシートを搬送しているときには前記落下部材を前記第1位置に位置させ、該シートの前記所定方向上流端が前記搬送回転体対を通過した後に前記落下部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させて、該シートを前記処理トレイに向けて落とし、
    前記第1回動軸は、前記排出ニップ部よりも前記所定方向下流側に配置されている
    ことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記排出回転体対は、前記処理トレイに載置されたシートの上面に接触する接触位置と、前記接触位置から上方に退避した退避位置とに移動可能な上側排出回転体を有し、
    前記上側排出回転体を、前記接触位置と前記退避位置との間で第2回動軸を中心に回動させる第2回動手段を備え、
    前記第2回動軸は、前記第1回動軸よりも前記所定方向上流側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
  3. 前記第2回動軸は、前記処理前ニップよりも上方で、且つ、前記搬送回転体対よりも前記所定方向下流側に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
  4. 前記第1回動手段は、前記落下部材を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材を回動可能に支持する前記第1回動軸と、を備え、前記第1支持部材に支持された前記落下部材を前記第1回動軸を中心に回動可能であり、
    前記第2回動手段は、前記上側排出回転体を支持する第2支持部材と、前記第2支持部材を回動可能に支持する前記第2回動軸と、を備え、前記第2支持部材に支持された前記上側排出回転体を前記第2回動軸を中心に回動可能であり、
    前記第1支持部材の回動軌跡は、前記第1回動軸よりも前記第2回動軸側にあり、
    前記第2支持部材の回動軌跡は、前記第2回動軸よりも前記第1回動軸側にあり、
    前記第1支持部材の回動軌跡は、シートの搬送方向に交差するシートの幅方向から見た場合に、前記第2支持部材の回動軌跡の一部と重複している
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシート処理装置。
  5. 前記第2支持部材は、前記上側排出回転体が前記退避位置に位置する状態で、前記搬送回転体対を通過したシートをガイドする
    ことを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
  6. 前記処理トレイに載置されたシートの前記所定方向上流端を規制する規制手段を備え、
    前記落下部材は、ベルトと、前記ベルトを張架する少なくとも2つのコロとを有し、前記第2位置において前記2つのコロにより張架された前記ベルトの張架面が前記処理トレイに載置されたシートに当接して、該シートを前記規制手段に向けて搬送する
    ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のシート処理装置。
  7. 前記落下部材は、前記第2位置において前記張架面が前記処理トレイのシートの載置面と略平行となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
  8. 前記落下部材は、前記排出回転体対と共に、前記処理トレイに載置されたシートを前記所定方向下流側に搬送可能である
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシート処理装置。
  9. 前記排出回転体対は、前記処理トレイに載置されたシートの下面に接触して回転する排出ベルトを有する
    ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のシート処理装置。
  10. 前記落下部材は、前記第2位置において、前記排出ベルトとの間でシートを挟持し、
    前記排出回転体対は、前記所定方向に関して、前記落下部材と前記排出ベルトでシートを挟持する位置と、前記第1回動軸との間でシートを挟持する
    ことを特徴とする請求項9に記載のシート処理装置。
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