以下、本発明の実施形態に係る電動機付自転車について図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1の構成を示す側面図である。電動機付自転車1は、フロントフォーク11、ヘッドパイプ12、ダウンチューブ13、シートチューブ14、シートステー15、チェーンステー16からなるフレームを有している。前輪21はフロントフォーク11に回動自在に取り付けられ、後輪22はシートステー15とチェーンステー16との交点に回動自在に取り付けられている。
ヘッドパイプ12には、ハンドルステム23が回動自在に挿通され、ハンドルステム23の上端にはハンドル24が取り付けられている。一方、シートチューブ14には、シートポスト25が嵌合されており、シートポスト25の上端にはサドル26が取り付けられている。
ペダル27は、クランク28を介してスプロケット(図示せず)に接続されている。ユーザがペダル27に踏力を加えることによりスプロケットが回転し、スプロケットが回転することによってチェーン29を介して後輪22に駆動力が伝達されるようになっている。
モータ160は、前輪21の車軸に装着され、前輪21を回転させる駆動力を発生させる。モータ160の回転は、減速機構(図示せず)によって減速され、前輪21に伝達されるように構成されている。なお、本実施形態では、車輪にモータを組み込むハブモータ式の電動機付自転車を例示しているが所謂センターマウント方式の電動機付自転車に本発明を適用することも可能である。
モータ160を駆動するための電力は、シートチューブ14に沿って着脱可能に設けられたバッテリ110から供給される。バッテリ110は、例えばリチウムイオン二次電池により構成され、充電を行うことによって繰り返し使用することが可能となっている。
フロントフォーク11の先端部には、カゴ30を支持するためのステー31が接続されている。ライト170は、ステー31の上部をカゴ30の下面に取り付けるための締結金具(図示せず)に取り付けられている。ライト170は、バッテリ110から電力の供給を受けて発光するLEDや白熱電球等の光源を含んで構成されている。なお、ライト170は、投光方向が自車両の前方に向くようにハンドル24やフロントフォーク11の適当な位置に設けられていてもよい。
ハンドル24には、操作・表示部180が設けられている。操作・表示部180は、ペダル27に加えられる踏力に対する補助駆動力の比率(以下、アシスト比率ともいう)の設定を選択するための入力操作を受け付けるモード選択ボタン185(図5参照)、ライト170を点灯および消灯させるための入力操作を受け付けるライトボタン186(図5参照)、電動機付自転車1の状態を表示する各種の表示部181〜184(図5参照)を有する。なお、操作・表示部180は、本発明の入力手段の一例である。
図2は、電動機付自転車1のハンドル24付近の構成を示す図である。なお、図2において、操作・表示部180が省略されている。ハンドル24を構成する左右のグリップ51の近傍には、リムブレーキやハブブレーキ等の機械式のブレーキ機構を有する前輪ブレーキまたは後輪ブレーキを作動させるためのブレーキレバー61と、ブレーキレバー61が操作されたことを検出するブレーキセンサ230が設けられている。
図3は、電動機付自転車1の電気系統の構成を示すブロック図である。主制御部100は、後述する各種センサからの出力信号に基づいて検出した自車両の状態およびユーザによるモード選択ボタン185(図5参照)およびライトボタン186(図5参照)に対する入力操作に応じてモータ160およびライト170の駆動を統括的に制御するとともに、検出した自車両の状態を操作・表示部180に通知する。主制御部100は、例えば単一の半導体チップにCPU(演算処理装置)、メモリ、入出力回路、タイマー回路などを含むコンピュータシステムを集積したLSI(Large Scale Integration)を含んで構成されている。
トルクセンサ200は、ペダル27に加えられた人力による入力トルクの大きさを検出し、検出した入力トルクの大きさを示すトルク検出信号S1を生成する。トルクセンサ200によって生成されたトルク検出信号S1は、主制御部100に供給される。トルクセンサ200は、例えば、クランク軸に対して機械的な接触部分を有しない、磁歪効果を利用した公知のトルクセンサを用いることが可能である。
回転数センサ210は、モータ160の回転数を検出し、検出した回転数を示す回転数検出信号S2を生成する。回転数検出信号S2から車速を算出することも可能である。回転数センサ210によって生成された回転数検出信号S2は、主制御部100に供給される。回転数センサ210は、例えば、モータ160を構成するロータの角度位置を検出するホール素子によって構成することが可能である。
ブレーキセンサ230は、ハンドル24の左右のグリップ51にそれぞれ取り付けられたブレーキレバー61が操作されたことを検出すると、ブレーキ操作検出信号S3を生成してこれを主制御部100に供給する。
主制御部100は、バッテリ110から電力を取り出してこれをモータ160に供給してモータ160を駆動することにより補助駆動力を得る力行動作と、モータ160の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回生電流として回収し、回生電流によってバッテリ110を充電する回生充電動作との切り替えを制御する。回生充電時においては、モータ160から回生電流が回収されることでモータ160が減速され、電動機付自転車1に制動力が発生する。
主制御部100は、トルクセンサ200、回転数センサ210およびブレーキセンサ230から供給される検出信号S1、S2およびS3に基づいて、力行動作時にはモータ駆動指令値C1を生成し、回生モード時には回生電流指令値C2を生成し、これらをモータ駆動部300に供給することによってモータ160の動作を制御する。
モータ駆動部300は、力行動作時においては、主制御部100から供給されるモータ駆動指令値C1によって示されるアシスト量(トルク目標値)に対応した駆動電力をバッテリ110から取り出してモータ160に供給する。一方、モータ駆動部300は、回生充電時においては、主制御部100から供給される回生電流指令値C2によって示される値の回生電流をモータ160から回収し、回収した回生電流によってバッテリ110を充電する。
ライト駆動部400は、主制御部100から供給される制御信号に基づいて駆動電力をバッテリ110から取り出してライト170に供給することによってライト170を点灯させる。
バッテリ110は、主制御部100と通信可能に接続されており、主制御部100は常時バッテリ残量を監視している。
操作・表示部180は、主制御部100と通信可能に接続されており、モード選択ボタン185およびライトボタン186(図5参照)に対する入力操作がなされたことを主制御部100に通知する一方、電動機付自転車1の状態を示す情報が主制御部100から操作・表示部180に通知される。
図4は、バッテリ110、モータ駆動部300およびモータ160の接続関係を詳細に示す図である。モータ駆動部300は、トランジスタT1〜T6を含むインバータ回路301と、トランジスタT1〜T6を個別にオンオフするためのゲート信号を生成するインバータ制御回路302と、インバータ回路301に接続されたトランジスタT7と、を含んでいる。トランジスタT7もインバータ制御回路302から供給されるゲート信号に応じてオンオフする。
各トランジスタT1〜T6は、ドレイン側にカソードが接続され、ソース側にアノードが接続されたダイオードを有するnチャネルMOSFETによって構成されている。トランジスタT1〜T6は、オフ状態においてもダイオードを介して逆方向に電流を流すことが可能となっている。一方、トランジスタT7は、ドレイン側にアノードが接続され、ソース側にカソードが接続されたダイオードを有するpチャネルMOSFETによって構成されている。トランジスタT7は、オフ状態においても、ダイオードを介して逆方向に電流を流すことが可能となっている。
本実施形態において、モータ160は、アウターロータ型のブラシレスモータであり、永久磁石を含むロータと、モータ巻線Lを有するステータと、ロータの回転位置を検出するための3つのホール素子Hと、を含んでいる。なお、本実施形態において、ホール素子Hはモータ160の回転数を検出する回転数センサ210を兼ねている。
バッテリ110の正極側(ハイサイド側)に接続されたトランジスタT1、T3、T5と、バッテリ110の負極側(ローサイド側)に接続されたトランジスタT2、T4、T6との各接続点u、v、wは、モータ160を構成する3つのモータ巻線Lにそれぞれ接続されている。
インバータ制御回路302は、力行動作時には3つのホール素子Hからそれぞれ出力される検知信号によってロータの角度位置を検出し、検出したロータの角度位置に応じてトランジスタT1〜T6を一定の順序でオンさせる。これにより、モータ巻線Lに流れる電流の向きが順次切り替わりロータが回転する。インバータ制御回路302は、力行動作時においては、主制御部100から供給されるモータ駆動指令値C1によって示されるアシスト量(トルク目標値)が得られるようにトランジスタT1〜T6のオンデューティを調整する。また、インバータ制御回路302は、力行動作時にはトランジスタT7をオフさせることによりモータ160からバッテリ110に向かう方向の電流を遮断する。バッテリ110からモータ160に向かう方向の電流はトランジスタT7に付随するダイオードを介して流れる。
一方、インバータ制御回路302は、回生充電動作時にはハイサイド側のトランジスタT1、T3およびT5を全てオフ状態に維持しつつローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6を互いに同一のタイミングでオンオフするようにPWM制御し、且つトランジスタT7をオンさせる。上記PWM制御において、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6がオン状態とされている期間においてはモータ巻線Lに短絡電流が流れてモータ巻線Lにエネルギーが蓄えられ、これによってモータ160が減速して回生制動による制動力が発生する。その後、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6がオフ状態とされるとモータ巻線Lに電圧が誘起される。かかる誘起電圧がバッテリ電圧を超えると、各トランジスタに付随するダイオードおよびトランジスタT7を介してバッテリ110に向けて回生電流が流れ、モータ巻線Lに蓄えられたエネルギーが放出されるとともにバッテリ110が充電される。インバータ制御回路302は、回生モード時においては、主制御部100から供給される回生電流指令値C2によって示される電流値の回生電流が得られるようにローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティを調整する。
図5(a)は、操作・表示部180の構成を示す平面図、図5(b)は操作・表示部180の電気系統の構成を示すブロック図である。
操作・表示部180には、自車両の状態を表示するための複数の表示部181〜184が設けられている。また、操作・表示部180には、アシスト比率の設定を選択するための入力操作を受け付けるモード選択ボタン185と、ライト170を点灯および消灯させるための入力操作を受け付けるライトボタン186とが設けられている。モード選択ボタン185およびライトボタン186が押下されると、表示制御部187を介してこれらのボタンが押下されたことが主制御部100に通知される。
主制御部100は、モード選択ボタン185が押下されると、アシスト比率を切り替える。本実施形態においては、アシスト比率の設定が互いに異なる3つのアシストモード(エコ、標準、パワー)が予め定められている。「パワー」は、アシスト比率が最も大きいモードであり、「エコ」は、アシスト比率が最も小さいモードであり、「標準」は、「パワー」と「エコ」の中間のアシスト比率となっている。これら3つのアシストモードのいずれかが、モード選択ボタン185を押下する毎に順次選択されるようになっている。主制御部100は、上記3つのアシストモードの各々について車速や踏力に応じた補助駆動力が得られるように作成されたマップを自身のメモリ内に保持している。主制御部100は、選択されたアシストモードに応じたマップを参照してモータ駆動指令値C1を生成し、これをモータ駆動部300に供給する。
主制御部100は、ライトボタン186が押下されると、ライト170の点灯および消灯を切り替える。すなわち、主制御部100は、ライトボタン186が押下される毎にライトの点灯および消灯を切り替えるべくライト駆動部400を制御する。
バッテリ残量表示部181は、バッテリ110に蓄積された電荷の残量(以下、バッテリ残量と称する)を表示する表示部である。バッテリ残量表示部181は、一列に並んで配置された5つの発光部を含んでいる。主制御部100はバッテリ残量を常時監視している。表示制御部187は、バッテリ残量を示す情報を主制御部100から受信すると、当該情報によって示されるバッテリ残量に応じた数だけ発光部を点灯させる。
アシストモード表示部182は、モード選択ボタン185の操作によって選択されたアシストモードを表示する表示部である。アシストモード表示部182は、上記3つのアシストモード(エコ、標準、パワー)に対応する3つの発光部を有する。表示制御部187は、現在選択されているアシストモードを示す情報を主制御部100から受信すると、当該選択されているアシストモードに対応する発光部を点灯させる。
ライト点灯表示部183は、ライト170の駆動状態を表示する発光部を含んでいる。表示制御部187は、ライト170が点灯していることを示す情報を主制御部100から受信すると、ライト点灯表示部183における発光部を点灯させ、ライト170が点灯していることを示す情報を受信しない場合には、ライト点灯表示部183における発光部を消灯させる。
状態表示部184は、自車両の状態を表示する単一の発光部を含んでいる。表示制御部187は、自車両の状態を示す情報を主制御部100から受信すると、当該情報によって示される状態に対応した態様で状態表示部184における発光部を点灯させる。本実施形態において、状態表示部184を構成する発光部は、赤、緑、青の3つのLEDチップが1つのパッケージ内に収容された所謂3色LEDによって構成されており、自車両が呈する複数の状態を、発光色によって識別表示する。
本実施形態に係る電動機付自転車1は、回生充電動作に移行するための移行条件が満たされた場合に回生充電動作に移行し得る。また、本実施形態に係る電動機付自転車1においては、移行条件が満たされた場合に、回生充電を行うか否かの設定(以下において、回生充電可否設定ともいう)をユーザによる設定入力に基づいて行うことが可能となっている。主制御部100は、移行条件が満たされた場合において、回生充電可否設定により回生充電を行うことが許可されている場合に回生充電を行う。
主制御部100は、例えば、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1と回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たす場合(すなわち、所定の走行状態のとき)に移行条件が満たされたものと判定する。主制御部100は、移行条件が満たされたものと判定した場合には、回生充電可否設定により回生充電を行うことが許可されている場合に回生充電を行う。一方、主制御部100は、移行条件が満たされたものと判定した場合であっても、回生充電可否設定により回生充電を行うことが不許可とされている場合には回生充電を行わない。
主制御部100は、例えば、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり且つ回転数検出信号S2の信号値が増加している場合に移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、下り坂走行中を想定したものである。他の例として、主制御部100は、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり、且つ回転数検出信号S2の信号値が所定値よりも大きい場合に移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、惰性走行中を想定したものである。また、トルク検出信号S1と回転数検出信号S2のいずれか一方の信号値に基づいて移行条件が満たされたか否かを判定してもよい。
ユーザは、主制御部100の動作モードが設定モードとなっている場合に回生充電可否設定のための設定入力を行うことが可能である。主制御部100は、例えば、操作・表示部180に対して所定の入力操作がなされると、通常モードから設定モードに移行する。主制御部100の動作モードが通常モードから設定モードに移行すると、状態表示部184の発光部が黄色で点灯する。これにより、ユーザは主制御部100の動作モードが設定モードに移行されたことを認識することができる。
図6は、本実施形態に係る回生充電可否設定の内容を示す図である。主制御部100は、回生充電動作への移行可否の設定の内容を「設定1」および「設定2」として自身のメモリに記憶している。また、図6には、「設定1」および「設定2」の各々に対応する状態表示部184の表示態様も併せて示されている。ユーザは、設定モードにおいて、例えば、モード選択ボタン185を押下することにより「設定1」および「設定2」のいずれかを選択することが可能である。
「設定1」は、移行条件満足時における回生充電動作への移行を許可する設定である。「設定1」が選択されると、状態表示部184の発光部が発光色を黄色に維持したまま点滅する。「設定1」が選択された状態からモード選択ボタン185が押下されると「設定2」が選択される。
「設定2」は、移行条件満足時における回生充電動作への移行を不許可とする設定である。「設定2」が選択されると、状態表示部184の発光部が発光色を黄色に維持したまま「設定1」が選択された場合よりも長い周期で点滅する。「設定2」が選択された状態からモード選択ボタン185が押下されると「設定1」が選択された状態に戻る。
このように、設定モードにおいては、モード選択ボタン185を押下する毎に「設定1」および「設定2」のいずれかを順次選択することが可能である。また、状態表示部184を構成する発光部は、「設定1」および「設定2」のうち選択された設定に対応した態様で発光するので、ユーザは、現在選択されている設定を認識することが可能である。なお、状態表示部184における発光態様は、上記したものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、状態表示部184における発光色で選択された設定を表示してもよい。また、状態表示部184に代えてバッテリ残量表示部181において、選択された設定を表示してもよい
本実施形態においては、3つのアシストモード(「エコ」、「標準」、「パワー」)の各々について共通の回生充電可否設定がなされる。例えば、回生充電可否設定として「設定1」が選択された場合には、「エコ」、「標準」、「パワー」の各々について、「設定1」が適用される。なお、アシストモード毎に回生充電可否設定を行えるように構成してもよい。
図7は、回生充電可否設定が行われる際に、主制御部100において実行される回生充電可否設定処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。電源投入時において、主制御部100の動作モードは、通常モードとされている。通常モードにおいて、主制御部100は、モータ160およびライト170の駆動制御を行う。
ステップS11において主制御部100は、動作モードを設定モードに移行させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、例えば、モード選択ボタン185およびライトボタン186の双方を10秒以上継続して押下する操作を検出すると設定モードに移行し、処理をステップS12に移行する。なお、動作モードを設定モードに移行させるための入力操作は、上記したものに限定されるものではない。
ステップS12において主制御部100は、動作モードが設定モードに移行したことを操作・表示部180の表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる通知を受信すると、状態表示部184の発光部を例えば黄色で点灯させる。これにより、ユーザは、回生充電可否設定のための設定入力を行うことが可能な状態にあることを認識することができる。
ステップS13において主制御部100は、上記した「設定1」または「設定2」の選択入力を受け付ける。ユーザは、モード選択ボタン185を押下することにより、「設定1」および「設定2」のいずれかを選択することが可能である。状態表示部184の発光部は、「設定1」が選択されている場合には比較的短い周期で点滅し、「設定2」が選択されている場合には比較的長い周期で点滅するので、ユーザは、いずれの設定が選択されているのかを認識することができる。
ステップS14において主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出すると処理をステップS15に移行し、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出しない場合には処理をステップS13に戻す。
ステップS15において主制御部100は、「設定1」および「設定2」のうち、ステップS13において選択された設定を自身のメモリに記憶したのち、設定モードを終了させる。
図8は、電動機付自転車1が回生充電動作に移行する際に主制御部100において実行される回生充電移行処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。
ステップS21において主制御部100は、回生充電動作に移行するための移行条件が満たされたか否かを判定する。主制御部100は、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1および回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たしていることを検出すると(すなわち、下り坂走行や惰性走行等の所定の走行状態を検出すると)移行条件が満たされたものと判定して処理をステップS22に移行する。
ステップS22において主制御部100は、自身のメモリに記憶している回生充電可否設定を読み出す。
ステップS23において主制御部100は、回生充電を行うことが回生充電可否設定において許可されているか否かを判定する。主制御部100は、回生充電可否設定において回生充電を行うことが許可されているものと判定した場合には、処理をステップS24に移行する。一方、主制御部100は、回生充電可否設定において回生充電を行うことが不許可とされているものと判定した場合には、処理をステップS21に戻す。
ステップS24において主制御部100は、回生電流指令値C2をモータ駆動部300に供給することによってモータ160の動作状態を回生充電動作に移行する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1によれば、例えば下り坂走行時や惰性走行時等の所定の走行状態のときに回生充電動作に移行し得るが、実際に回生充電を行うか否かについては、ユーザ自身が選択することが可能である。例えば、下り坂走行時や惰性走行時に車両に回生充電に伴う制動力が作用して減速してしまうことを回避したい場合には「設定2」を選択すればよく、下り坂等を利用して積極的に回生充電を行いたい場合には「設定1」を選択すればよい。このように、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1よれば、回生充電の移行可否に関してユーザの意思を反映させることができる。
また、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1によれば、回生充電可否設定は通常モードとは異なる設定モードにおいて行われる。これにより、設定モードを設けない場合と比較して、乗車時の操作の煩雑さを低減することができ、誤操作を抑制することが可能である。また、操作・表示部180に回生充電可否設定や回生電流設定における設定入力を行うための専用のボタンを設けなくてもよいので、操作・表示部180の構造を従来と同程度の大きさ及び複雑さとすることができる。
なお、本実施形態においては、トルク検出信号S1および回転数検出信号S2が所定の条件を満たすことを回生充電動作に移行するための移行条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、ブレーキセンサ230からブレーキ操作検出信号S3が出力されたこと(すなわち、ブレーキ操作がなされたこと)を移行条件としてもよい。また、バッテリ残量が所定レベル以下となったことを移行条件としてもよい。
また、上記の説明においては、設定モードに移行させる場合や、回生充電可否設定を行う場合における各種の入力操作を具体的に例示したが、かかる例示に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る電動機付自転車においては、後述する第1の移行条件および第2の移行条件のいずれかが満たされた場合に回生充電動作に移行され得る。また、第2の実施形態に係る電動機付自転車においては、第1の移行条件および第2の移行条件の各々について回生充電可否設定を行うことが可能である。主制御部100は、第1の移行条件または第2の移行条件が満たされた場合において、回生充電可否設定により当該移行条件満足時において回生充電を行うことが許可されている場合に回生充電を行う。
主制御部100は、例えば、ブレーキセンサ230からブレーキ操作検出信号S3が出力されているものと判定した場合(すなわち、ブレーキ操作が検出された場合)に第1の移行条件が満たされたものと判定する。主制御部100は、第1の移行条件が満たされたものと判定した場合には、回生充電可否設定により第1の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが許可されている場合に回生充電を行う。一方、主制御部100は、第1の移行条件が満たされたものと判定した場合であっても、回生充電可否設定により第1の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが不許可とされている場合には回生充電を行わない。
また、主制御部100は、例えば、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1と回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たす場合(すなわち、所定の走行状態のとき)に第2の移行条件が満たされたものと判定する。主制御部100は、第2の移行条件が満たされたものと判定した場合には、回生充電可否設定により第2の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが許可されている場合に回生充電を行う。一方、主制御部100は、第2の移行条件が満たされたものと判定した場合であっても、回生充電可否設定により第2の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが不許可とされている場合には回生充電を行わない。
主制御部100は、例えば、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり且つ回転数検出信号S2の信号値が増加している場合に第2の移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、下り坂走行中を想定したものである。他の例として、主制御部100は、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり、且つ回転数検出信号S2の信号値が所定値よりも大きい場合に第2の移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、惰性走行中を想定したものである。また、トルク検出信号S1および回転数検出信号S2のいずれか一方の信号値に基づいて第2の移行条件が満たされたか否かを判定してもよい。このように、第2の実施形態に係る電動機付自転車においては、ブレーキ操作および走行状態に応じて回生充電が行われ得る。
ユーザは、主制御部100の動作モードが設定モードとなっている場合に回生充電可否設定のための設定入力を行うことが可能である。主制御部100は、例えば、操作・表示部180に対して所定の入力操作がなされると、通常モードから設定モードに移行する。主制御部100の動作モードが通常モードから設定モードに移行すると、状態表示部184の発光部が黄色で点灯する。これにより、ユーザは主制御部100の動作モードが設定モードに移行されたことを認識することができる。ユーザは、設定モードにおいて、モード選択ボタン185およびライトボタン186を操作することにより、回生充電可否設定のための設定入力を行うことが可能である。
図9は、第2の実施形態に係る回生充電可否設定の内容を示す図である。主制御部100は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行可否の設定と、第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行可否の設定との組み合わせを「設定1」〜「設定4」として自身のメモリに記憶している。また、図9には、「設定1」〜「設定4」の各々に対応するバッテリ残量表示部181の表示態様も併せて示されている。
ユーザは、設定モードにおいて、例えば、ライトボタン186を押下することにより「設定1」〜「設定4」のいずれかを選択することが可能である。「設定1」〜「設定4」を選択することによって第1の移行条件および第2の移行条件の各々について、同時に回生充電可否設定を行うことが可能である。
「設定1」は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行を許可し、且つ第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行を許可する設定である。「設定1」が選択されると、バッテリ残量表示部181の左から2番目の発光部が点灯する。「設定1」が選択された状態からライトボタン186が押下されると「設定2」が選択される。
「設定2」は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行を許可し、且つ第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行を不許可とする設定である。「設定2」が選択されると、バッテリ残量表示部181の左から3番目の発光部が点灯する。「設定2」が選択された状態からライトボタン186が押下されると「設定3」が選択される。
「設定3」は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行を不許可とし、且つ第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行を許可する設定である。「設定3」が選択されると、バッテリ残量表示部181の左から4番目の発光部が点灯する。「設定3」が選択された状態からライトボタン186が押下されると「設定4」が選択される。
「設定4」は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行を不許可とし、且つ第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行を不許可とする設定である。「設定4」が選択されると、バッテリ残量表示部181の左から5番目の発光部が点灯する。「設定4」が選択された状態からライトボタン186が押下されると「設定1」が選択された状態に戻る。
このように、設定モードにおいては、ライトボタン186を押下する毎に「設定1」〜「設定4」のいずれかを順次選択することが可能である。また、バッテリ残量表示部181において、「設定1」〜「設定4」のうち選択された設定に対応した位置の発光部が発光するので、ユーザは、現在選択されている設定を認識することが可能である。なお、バッテリ残量表示部181における表示態様は、「設定1」〜「設定4」の選択を識別表示できるものであればよく、上記した態様に限定されるものではない。
本実施形態においては、回生充電可否設定は、3つのアシストモード(「エコ」、「標準」、「パワー」)の各々について個別に行うことが可能である。設定モードにおいて、モード選択ボタン185が押下されると、「設定1」〜「設定4」の選択が確定して当該選択結果が主制御部100のメモリに記憶されるとともに、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードが変更される。アシストモード表示部182を構成する3つの発光部のうち、回生充電可否設定の対象とされているアシストモードに対応する発光部が点灯する。これにより、ユーザは、回生充電可否設定の対象とされているアシストモードを認識することができる。
例えば、アシストモード「エコ」について「設定1」〜「設定4」のいずれかが選択された後、モード選択ボタン185が押下されると、「エコ」についての「設定1」〜「設定4」の選択が確定し、当該選択結果が主制御部100のメモリに記憶されるとともに、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードが「標準」に変更される。「標準」について「設定1」〜「設定4」のいずれかが選択された後、モード選択ボタン185が押下されると、「標準」についての「設定1」〜「設定4」の選択が確定し、当該選択結果が主制御部100のメモリに記憶されるとともに、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードが「パワー」に変更される。「パワー」について「設定1」〜「設定4」のいずれかが選択された後、モード選択ボタン185が押下されると、「パワー」についての「設定1」〜「設定4」の選択が確定し、当該選択結果が主制御部100のメモリに記憶されるとともに、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードが「エコ」に変更される。
図10は、回生充電可否設定が行われる際に、主制御部100において実行される回生充電可否設定処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。電源投入時において、主制御部100の動作モードは、通常モードとされている。通常モードにおいて、主制御部100は、モータ160およびライト170の駆動制御を行う。
ステップS31において主制御部100は、動作モードを設定モードに移行させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、例えば、モード選択ボタン185およびライトボタン186の双方を10秒以上継続して押下する操作を検出すると設定モードに移行し、処理をステップS32に移行する。
ステップS32において主制御部100は、動作モードが設定モードに移行したことを表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる通知を受信すると、状態表示部184の発光部を例えば黄色で点灯させる。これにより、ユーザは、回生充電可否設定のための設定入力を行うことが可能な状態にあることを認識することができる。
ステップS33において主制御部100は、上記した「設定1」〜「設定4」の選択入力を受け付ける。設定モード移行時においては、3つのアシストモードのうち例えば「エコ」が回生充電可否設定の対象とされる。回生充電可否設定の対象とされたアシストモードは、アシストモード表示部182において表示される。ユーザは、ライトボタン186を押下することにより、回生充電可否設定の対象とされているアシストモードについて、「設定1」〜「設定4」のいずれかを選択することが可能である。バッテリ残量表示部181は、「設定1」〜「設定4」のうち選択された設定に応じた態様で発光するので、ユーザは、いずれの設定が選択されているのかを認識することができる。
ステップS34において主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出すると処理をステップS35に移行し、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出しない場合には処理をステップS36に移行する。
ステップS35において主制御部100は、「設定1」〜「設定4」のうち、ステップS33において選択された設定を自身のメモリに記憶したのち、設定モードを終了させる。
ステップS36において主制御部100は、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードを変更させる入力操作(すなわち、モード選択ボタン185の押下)がなされたか否かを判定する。主制御部100は、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードを変更させる入力操作がなされたものと判定した場合、処理をステップS37に移行する。
ステップS37において主制御部100は、「設定1」〜「設定4」のうち、ステップS33において選択された設定を自身のメモリに記憶する。
ステップS38において、主制御部100は、回生充電可否設定の対象とされるアシストモードを変更する。新たに回生充電可否設定の対象とされたアシストモードは、アシストモード表示部182において表示される。主制御部100は、ステップS38の処理が終了すると、処理をステップS33に戻す。これにより、新たに回生充電可否設定の対象とされたアシストモードについて、「設定1」〜「設定4」のいずれかを選択することが可能となる。
図11は、設定モードにおいて設定された回生充電可否設定の一例を示す図である。図11に示す例では、アシストモード「エコ」について「設定1」が設定されている。すなわち、アシストモード「エコ」が選択されている状態での走行中に第1の移行条件が満たされた場合(ブレーキ操作がなされた場合)および第2の移行条件が満たされた場合(下り坂走行や惰性走行等の所定の走行状態の場合)における回生充電動作への移行が許可される。
また、図11に示す例では、アシストモード「標準」について「設定2」が設定されている。すなわち、アシストモード「標準」が選択されている状態での走行中に第1の移行条件が満たされた場合における回生充電動作への移行が許可される一方、第2の移行条件が満たされた場合における回生充電動作への移行が不許可とされる。
また、図11に示す例では、アシストモード「パワー」について「設定4」が設定されている。すなわち、「パワー」が選択されている状態での走行中に第1の移行条件が満たされた場合および第2の移行条件が満たされた場合における回生充電動作への移行が不許可とされる。
図12は、第2の実施形態に係る電動機付自転車が回生充電動作に移行する際に主制御部100において実行される回生充電移行処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。
ステップS41において主制御部100は、第1の移行条件が満たされたか否かを判定する。主制御部100は、ブレーキセンサ230からブレーキ操作検出信号S3が出力されたことを検出すると(すなわち、ブレーキレバー61が操作されたことを検出すると)第1の移行条件が満たされたものと判定して処理をステップS42に移行する。一方、主制御部100は、ブレーキセンサ230からブレーキ操作検出信号S3が出力されたことを検出しない場合には処理をステップS44に移行する。
ステップS42において主制御部100は、自身のメモリに記憶している回生充電可否設定を読み出す。ステップS43において主制御部100は、現在選択されているアシストモードにおいて第1の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが回生充電可否設定において許可されているか否かを判定する。主制御部100は、回生充電を行うことが許可されているものと判定した場合には、処理をステップS47に移行する。一方、主制御部100は、回生充電を行うことが不許可とされているものと判定した場合には、処理をステップS41に戻す。
例えば、アシストモードが「標準」である場合、「標準」に対応する回生充電可否設定として「設定1」または「設定2」が設定されている場合には、第1の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが許可されているものと判定され、処理はステップS47に移行される。一方、「標準」に対応する回生充電可否設定として「設定3」または「設定4」が設定されている場合には、第1の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが不許可とされているものと判定され、処理はステップS41に戻される。
ステップS44において主制御部100は、第2の移行条件が満たされたか否かを判定する。主制御部100は、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1および回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たしていることを検出すると(すなわち、所定の走行状態を検出すると)第2の移行条件が満たされたものと判定して処理をステップS45に移行する。一方、主制御部100は、トルク検出信号S1および回転数検出信号S2が所定の条件を満たしていることを検出しない場合には、処理をステップS41に戻す。
ステップS45において主制御部100は、自身のメモリに記憶している回生充電可否設定を読み出す。ステップS46において主制御部100は、現在選択されているアシストモードにおいて第2の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが回生充電可否設定において許可されているか否かを判定する。主制御部100は、回生充電を行うことが許可されているものと判定した場合には、処理をステップS47に移行する。一方、主制御部100は、回生充電を行うことが不許可とされているものと判定した場合には、処理をステップS41に戻す。
例えば、アシストモードが「標準」である場合、「標準」に対応する回生充電可否設定として「設定1」または「設定3」が設定されている場合には、第2の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが許可されているものと判定され、処理はステップS47に移行される。一方、「標準」に対応する回生充電可否設定として「設定2」または「設定4」が設定されている場合には、第2の移行条件が満たされた場合に回生充電を行うことが不許可とされているものと判定され、処理はステップS41に戻される。
ステップS47において主制御部100は、回生電流指令値C2をモータ駆動部300に供給することによってモータ160の動作状態を回生充電動作に移行する。
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る電動機付自転車よれば、ユーザは、第1の移行条件および第2の移行条件の各々について、回生充電を行うか否かの設定をアシストモード毎に行うことが可能である。すなわち、ユーザは、どのような状況で回生充電を行い、あるいは行わないのかを任意に設定することが可能である。従って、ユーザの意思やニーズにきめ細かく対応させることができる。このように、本発明の実施形態に係る電動機付自転車よれば、回生充電の移行可否に関してユーザの意思を反映させることができる。
また、第2の実施形態に係る電動機付自転車は、第1の移行条件満足時における回生充電動作への移行可否の設定と、第2の移行条件満足時における回生充電動作への移行可否の設定の組み合わせを「設定1」〜「設定4」として記憶しており、「設定1」〜「設定4」のいずれかを選択する形式で回生充電可否設定が行われる。これにより、「設定1」〜「設定4」のいずれかを選択することにより第1の移行条件および第2の移行条件の各々について同時に回生充電可否設定を行うことが可能となる。このように、第2の実施形態に係る電動機付自転車によれば、簡便な入力操作によって複数の移行条件の各々について回生充電可否設定を行うことが可能である。
また、回生充電可否設定を行う際には、上記したようにバッテリ残量表示部181、アシストモード表示部182および状態表示部184において回生充電可否設定に係る各種の表示がなされるので、ユーザはこれらの表示を確認することにより、適切に回生充電可否設定を行うことができる。
なお、上記の実施形態においては、複数のアシストモード(「エコ」、「標準」、「パワー」)の各々について回生充電可否設定を個別に行うこととしたが、複数のアシストモードの各々について共通の回生充電可否設定を行うようにしてもよい。例えば、回生充電可否設定として「設定1」を選択した場合には、「エコ」、「標準」、「パワー」の各アシストモードについて「設定1」を適用するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、ブレーキ操作がなされたことを第1の移行条件とし、所定の走行状態を検出したことを第2の移行条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、バッテリ残量が所定レベル以下となったことを移行条件としてもよい。
また、上記の説明においては、設定モードに移行させる場合や、回生充電可否設定を行う場合における各種の入力操作を具体的に例示したが、かかる例示に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態および第2の実施形態に係る電動機付自転車は、移行条件満足時に回生充電を行うか否かの設定(回生充電可否設定)をユーザによる設定入力に基づいて行うものであった。これに対して第3の実施形態に係る電動機付自転車は、移行条件が満たされて回生充電動作に移行した場合の回生電流の大きさの設定(以下において回生電流設定ともいう)をユーザによる設定入力に基づいて行うものである。
図13は、本実施形態に係る回生電流設定の内容を示す図である。主制御部100は、回生電流設定の内容を「設定1」および「設定2」として自身のメモリに記憶している。また、図13には、「設定1」および「設定2」の各々に対応する状態表示部184の表示態様も併せて示されている。ユーザは、設定モードにおいて、例えば、モード選択ボタン185を押下することにより「設定1」および「設定2」のいずれかを選択することが可能である。
「設定1」は、移行条件満足時に回生充電動作へ移行した場合の回生電流の大きさが「設定2」よりも大きくなる設定である。「設定1」が選択されると、状態表示部184の発光部が発光色を黄色に維持したまま点滅する。「設定1」が選択された状態からモード選択ボタン185が押下されると「設定2」が選択される。
「設定2」は、移行条件満足時に回生充電動作へ移行した場合の回生電流の大きさが「設定1」よりも小さくなる設定である。「設定2」が選択されると、状態表示部184の発光部が発光色を黄色に維持したまま「設定1」が選択された場合よりも長い周期で点滅する。「設定2」が選択された状態からモード選択ボタン185が押下されると「設定1」が選択された状態に戻る。
このように、設定モードにおいては、モード選択ボタン185を押下する毎に「設定1」および「設定2」のいずれかを順次選択することが可能である。また、状態表示部184を構成する発光部は、「設定1」および「設定2」のうち選択された設定に対応した態様で発光するので、ユーザは、現在選択されている設定を認識することが可能である。なお、状態表示部184における発光態様は、上記したものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、状態表示部184における発光色で選択された設定を表示してもよい。また、状態表示部184に代えてバッテリ残量表示部181において、選択された設定を表示してもよい。
主制御部100は、例えば、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1と回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たす場合(すなわち、所定の走行状態のとき)に移行条件が満たされたものと判定する。主制御部100は、移行条件が満たされたものと判定した場合には回生充電動作に移行する。このとき、主制御部100は、回生電流設定により「設定1」が選択されている場合には、「設定2」が選択されている場合よりも大きい回生電流にて回生充電を行うべく回生電流指令値C2を生成する。一方、主制御部100は、回生電流設定により「設定2」が選択されている場合には、「設定1」が選択されている場合よりも小さい回生電流にて回生充電を行うべく回生電流指令値C2を生成する。従って、「設定1」が選択されている場合には、「設定2」が選択されている場合と比較して、回生充電動作時における制動力は大きくなり、また、バッテリ110の充電電荷量も大きくなる。
本実施形態においては、3つのアシストモード(「エコ」、「標準」、「パワー」)の各々について共通の回生充電可否設定がなされる。例えば、回生電流設定として「設定1」が選択された場合には、「エコ」、「標準」、「パワー」の各々について、「設定1」が適用される。
ここで、図14は、回生充電動作時にモータ駆動回路120において行われるPWM制御におけるローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティと、回生電流との関係の一例を示す図である。図14において、モータ160の回転数(車速)が比較的高い場合が実線で示され、モータ160の回転数(車速)が比較的低い場合が破線で示され、モータ160の回転数(車速)が中程度の場合が一点鎖線で示されている。
図14に示すように、回生電流は、あるオンデューティでピークを持つ。これは、回生充電動作時において、ローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6(図4参照)のオンデューティが小さすぎるとモータ160のインダクタ(モータ巻線L)に蓄えられるエネルギーが小さくなる一方、オンデューティが大きすぎるとモータ160のインダクタ(モータ巻線L)に蓄えられたエネルギーを放出する時間が不足するためである。また、回生電流の最大値はモータ160の回転数が高い程(車速が高い程)大きくなる。図14においてラインAは、各回転数における回生電流のピークを結んだ線であり、ラインBは、ラインAよりもオンデューティが小さい領域を結んだ線である。
主制御部100は、回生電流設定において「設定1」が選択されている場合には、例えば、モータ160の回転数(車速)に応じたラインA上の点を導出して駆動回路120のローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティを回生電流指令値C2によって制御する。すなわち、「設定1」が選択されている場合には、回生電流の大きさは、当該車速において回収可能な最大の電流値に設定される。一方、主制御部100は、回生電流設定において「設定2」が選択されている場合には、モータ160の回転数(車速)に応じたラインB上の点を導出して駆動回路120のローサイド側のトランジスタT2、T4およびT6のオンデューティを回生電流指令値C2によって制御する。すなわち、「設定2」が選択されている場合には、回生電流の大きさは、「設定1」が選択されている場合よりも小さい電流値に設定される。
主制御部100は、例えば、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり且つ回転数検出信号S2の信号値が増加している場合に移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、下り坂走行中を想定したものである。他の例として、主制御部100は、トルク検出信号S1の信号値がゼロであり、且つ回転数検出信号S2の信号値が所定値よりも大きい場合に移行条件が満たされたものとして判定してもよい。これは、惰性走行中を想定したものである。また、トルク検出信号S1と回転数検出信号S2のいずれか一方の信号値に基づいて移行条件が満たされたか否かを判定してもよい。
ユーザは、主制御部100の動作モードが設定モードとなっている場合に回生充電可否設定を行うことが可能である。主制御部100は、例えば、操作・表示部180に対して所定の入力操作がなされると、通常モードから設定モードに移行する。主制御部100の動作モードが通常モードから設定モードに移行すると、状態表示部184の発光部が黄色で点灯する。これにより、ユーザは主制御部100の動作モードが設定モードに移行されたことを認識することができる。
図15は、回生電流設定が行われる際に、主制御部100において実行される回生電流設定処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。電源投入時において、主制御部100の動作モードは、通常モードとされている。通常モードにおいて、主制御部100は、モータ160およびライト170の駆動制御を行う。
ステップS51において主制御部100は、動作モードを設定モードに移行させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、例えば、モード選択ボタン185およびライトボタン186の双方を10秒以上継続して押下する操作を検出すると設定モードに移行し、処理をステップS52に移行する。なお、動作モードを設定モードに移行させるための入力操作は、上記したものに限定されるものではない。
ステップS52において主制御部100は、動作モードが設定モードに移行したことを操作・表示部180の表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる通知を受信すると、状態表示部184の発光部を例えば黄色で点灯させる。これにより、ユーザは、回生電流設定のための設定入力を行うことが可能な状態にあることを認識することができる。
ステップS53において主制御部100は、上記した「設定1」または「設定2」の選択入力を受け付ける。ユーザは、モード選択ボタン185を押下することにより、「設定1」および「設定2」のいずれかを選択することが可能である。状態表示部184の発光部は、「設定1」が選択されている場合には比較的短い周期で点滅し、「設定2」が選択されている場合には比較的長い周期で点滅するので、ユーザは、いずれの設定が選択されているのかを認識することができる。
ステップS54において主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出すると処理をステップS55に移行し、設定モードを終了させる所定の入力操作を検出しない場合には処理をステップS53に戻す。
ステップS55において主制御部100は、「設定1」および「設定2」のうち、ステップS53において選択された設定を自身のメモリに記憶したのち、設定モードを終了させる。
図16は、電動機付自転車1が回生充電動作に移行する際に主制御部100において実行される回生充電移行処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。
ステップS61において主制御部100は、回生充電動作に移行するための移行条件が満たされたか否かを判定する。主制御部100は、トルクセンサ200から供給されるトルク検出信号S1および回転数センサ210から供給される回転数検出信号S2が所定の条件を満たしていることを検出すると(すなわち、下り坂走行や惰性走行等の所定の走行状態を検出すると)移行条件が満たされたものと判定して処理をステップS62に移行する。
ステップS62において主制御部100は、自身のメモリに記憶している回生電流設定を読み出す。
ステップS63において主制御部100は、回生電流設定において、「設定1」および「設定2」のいずれが選択されているのかを判定し、「設定1」が選択されているものと判定した場合には、処理をステップS64に移行し、「設定2」が選択されているものと判定した場合には、処理をステップS65に移行する。
ステップS64において主制御部100は、「設定1」に対応する回生電流にて回生充電を行うべく回生電流指令値C2をモータ駆動部300に供給する。ステップS64において主制御部100は、「設定2」に対応する回生電流にて回生充電を行うべく回生電流指令値C2をモータ駆動部300に供給する。
以上の説明から明らかなように、第3の実施形態に係る電動機付自転車によれば、例えば下り坂走行時や惰性走行時等の所定の走行状態のときに回生充電動作に移行する。このとき、回生電流設定において、ユーザによる設定入力に基づいて選択された設定に応じた大きさの回生電流にて回生充電が行われる。例えば、下り坂走行時や惰性走行時に車両に回生充電に伴う制動力が作用して減速してしまうことを極力抑制したい場合には回生電流の大きさが相対的に小さい「設定2」を選択すればよく、下り坂等を利用して積極的に回生充電を行いたい場合には回生電流の大きさが相対的に大きい「設定1」を選択すればよい。このように、本発明の実施形態に係る電動機付自転車1よれば、回生電流の大きさに関してユーザの意思を反映させることができる。
なお、本実施形態においては、トルク検出信号S1および回転数検出信号S2が所定の条件を満たすことを回生充電動作に移行するための移行条件としたが、これに限定されるものではない。例えば、ブレーキセンサ230からブレーキ操作検出信号S3が出力されたこと(すなわち、ブレーキ操作がなされたこと)を移行条件としてもよい。また、バッテリ残量が所定レベル以下となったことを移行条件としてもよい。
また、上記の説明においては、設定モードに移行させる場合や、回生電流設定を行う場合における各種の入力操作を具体的に例示したが、かかる例示に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
また、本実施形態においては、3つのアシストモード(「エコ」、「標準」、「パワー」)の各々について共通の回生電流設定がなされる場合を例示したが、3つのアシストモードの各々について個別に回生電流設定を行うようにしてもよい。また、本実施形態においては、回生充電動作に移行するための移行条件が1つである場合を例示したが、移行条件は2つ以上であってもよく、第1の移行条件および第2の移行条件の各々について、個別に回生電流設定を行うようにしてもよい。また、上記した第2の実施形態と同様に、アシストモード毎および移行条件毎に個別に回生電流設定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、「設定1」または「設定2」を選択することで、回生電流の大きさを2段階で切り替える場合を例示したが、回生電流の大きさを3つ以上の段階で切り替えるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る回生電流設定と、上記した第1および第2の実施形態に係る回生充電可否設定とを組み合わせてもよい。例えば「設定1」に回生電流大を割り当て、「設定2」に回生電流小を割り当て、「設定3」に回生充電動作への移行の不許可を割り当ててもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る電動機付自転車においては、通常モードにおいて所定の入力操作がなされると、自己診断モードに移行し、自己診断モードにおいて所定の入力操作がなされた場合に設定モードに移行する。第4の実施形態に係る電動機付自転車が備える自己診断機能について以下に説明する。
主制御部100は、例えば、ブレーキレバー61が操作され、且つモード選択ボタン185およびライトボタン186の双方が押下された状態を10秒以上継続させる等の所定の入力操作がなされると、自己診断モードに移行して自車両の自己診断を行う。主制御部100は、自車両に異常が生じていることを検出すると、異常が生じている旨および当該異常の種類(異常の内容)を示す情報を表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる情報を受信すると状態表示部184を構成する発光部を例えば赤色で点灯させるとともに、バッテリ残量表示部181を主制御部100から通知された異常の種類(異常の内容)に応じた態様で点灯させる。
図17は、主制御部100において検出される異常の種類(異常の内容)と、バッテリ残量表示部181における表示態様との対応を例示した図である。表示制御部187は、モータ駆動部300の異常を示す情報が主制御部100から通知された場合には、バッテリ残量表示部181を構成する5つの発光部のうち一番左側の発光部を点灯させる。なお、主制御部100は、例えば、モータ駆動部300からモータ160に供給される駆動電流が、モータ駆動指令値C1に応じた大きさになっていない場合等にモータ駆動部300に異常が生じているものと判定する。
また、表示制御部187は、回転数センサ210を構成するホール素子Hに異常があることを示す情報が主制御部100から通知された場合には、バッテリ残量表示部181を構成する5つの発光部のうち左から2番目の発光部を点灯させる。主制御部100は、例えば、モータ160の停止時に回転数センサ210から回転数ゼロを示す回転数検出信号S2を適正に受信できない場合等に回転数センサ210に異常があるものと判定する。
また、表示制御部187は、トルクセンサ200に異常があることを示す情報が主制御部100から通知された場合には、バッテリ残量表示部181を構成する5つの発光部のうち左から3番目の発光部を点灯させる。主制御部100は、例えば、トルクセンサ200のキャリブレーション時にトルクセンサ200からトルク検出信号S1を適正に受信できない場合等にトルクセンサ200に異常があるものと判定する。
また、表示制御部187は、主制御部100とバッテリ110との間の通信に異常があることを示す情報が主制御部100から通知された場合には、バッテリ残量表示部181を構成する5つの発光部のうち左から4番目の発光部を点灯させる。主制御部100は、例えば、バッテリ110からバッテリ残量を示す情報を取得できない場合等にバッテリ110との間の通信に異常があるものと判定する。
また、表示制御部187は、主制御部100と操作・表示部180との間の通信に異常があることを示す情報が主制御部100から通知された場合には、バッテリ残量表示部181を構成する5つの発光部のうち一番右の発光部を点灯させる。主制御部100は、例えば、操作・表示部180との間で各種情報の送受信を適切に行うことができない場合等に操作・表示部180との間の通信に異常があるものと判定する。
このように、自車両に何らかの異常が生じた場合には、状態表示部184を構成する発光部が赤色で点灯するとともにバッテリ残量表示部181において当該異常の種類(異常の内容)に対応した箇所の発光部が点灯するので、ユーザは自車両に異常が生じていることを認識することができるだけでなく、異常が生じている箇所を特定することができる。
なお、バッテリ残量表示部181において表示される異常の種類や、バッテリ残量表示部181における表示態様は適宜変更することが可能である。また、本実施形態では、バッテリ残量表示部181における5つの発光部を用いて5種類の異常を識別表示することとしているが、2以上の発光部を同時に点灯または点滅させることにより、5種類以上の異常を識別表示させることも可能である。
自己診断モードにおいて例えばライトボタン186が押下される等の所定の入力操作がなされると、設定モードに移行する。主制御部100は、動作モードを設定モードに移行すると、その旨を表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる通知を受信すると状態表示部184を構成する発光部を例えば黄色で点灯させる。
図18は、自己診断モードと設定モードとの間の移行が行われる際に、主制御部100において実行されるモード移行処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、主制御部100のメモリに記憶されている。
ステップS71において主制御部100は、動作モードを自己診断モードに移行させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、例えば、ブレーキレバー61が操作され、且つモード選択ボタン185およびライトボタン186の双方を継続して10秒以上押下する操作を検出すると自己診断モードに移行し、処理をステップS72に移行する。
ステップS72において主制御部100は、自車両に異常が生じていることを検出すると、異常が生じている旨および当該異常の種類(異常の内容)を示す情報を表示制御部187に通知する。表示制御部187は、かかる情報を受信すると状態表示部184を構成する発光部を例えば赤色で点灯させるとともに、バッテリ残量表示部181を構成する発光部を主制御部100から通知された異常の種類(異常の内容)に応じた態様で点灯させる。
ステップS73において主制御部100は、動作モードを設定モードに移行させる所定の入力操作がなされたか否かを判定する。主制御部100は、例えば、ライトボタン186を押下する操作を検出すると、設定モードに移行して処理をステップS74に移行する。
ステップS74において主制御部100は、第1の実施形態に係る回生充電可否設定処理(図7参照)におけるステップS12以降の処理、または、第2の実施形態に係る回生充電可否設定処理(図10参照)におけるステップS32以降の処理、または、第3の実施形態に係る回生電流設定処理(図15参照)におけるステップS52以降の処理を実行する。
このように、第4の実施形態に係る電動機付自転車においては、設定モードは、自己診断モードから移行されるので、通常モードから移行される場合と比較して、誤操作によってユーザが意図しない回生充電可否設定や回生電流設定がなされるリスクを低減することが可能である。