JP2015112807A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理液などのインク以外の液体を用いず、ワイピング動作による吐出口面の清掃動作をインクを用いて効率的かつ適正に行うことができると共に、インクの消費量を大幅に抑えることが可能な記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッド11において吐出口が形成される吐出口面11aをワイピングするワイピング部材15と、ノズルに接するインクにより形成されるメニスカスの形状を調整するメニスカス調整手段と、を備える。メニスカス調整手段によってメニスカスの形状を調整することにより、吐出口面11aをワイピングするワイピング部材15に接触するインク量を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録ヘッドの吐出口から記録媒体にインクを吐出させて記録を行なうと共に、記録ヘッドにおいて吐出口が形成された面を払拭する部材を備えた記録装置および記録装置による記録方法に関する。
インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて記録を行なうインクジェット記録装置において、記録ヘッドの吐出口が形成された面(以下、吐出口面という)に紙粉、ゴミ、インク凝集物などの異物が付着することは、記録不良を発生させる原因となる。このため、吐出口面に付着した異物を除去する簡便な方法としてワイピング動作が行われている。現在では、このワイピング動作による払拭性能を向上するために様々な手法がとられている。
例えば、特許文献1、2には、吐出口面に払拭処理液や洗浄液を付与することによって吐出面を湿潤させ、ワイピングによる異物の除去効果を高めることが開示されている。
また特許文献3、4では、ヘッドへの供給するインクを加圧することによって吐出口からのインクの滲み出し、または溢れ出しを行いつつワイピング動作を行うことで、吐出口内への異物の引き込みの防止、及び吐出口面の異物の除去を行なう方法が開示されている。さらに、特許文献5では、パージ手段により、ヘッドからキャップへのインク強制排出量と、ワイピング手段によるインク吐出面の拭き取り速度を制御することが開示されている。
特開平10−138502号公報 特開2005−007635号公報 特開平3−99857号公報 特開2011−5672号公報 特開2012−111105号公報
上記のように、特許文献3ないし5に開示の記録装置では吐出性能を維持するために記録用のインクを排出しているため、インクが過剰に排出され易く、ランニングコストが低下するという問題がある。すなわち、特許文献3、4では一定の加圧動作を行なっているため、吐出口面に付着している僅かな塵埃やインク滴を除去する際にも、必要以上のインクが消費されてしまうことがある。また、特許文献5では、インクの排出量を制御することが行なわれているものの、インクをパージキャップへと排出することが前提となっているため、インクの消費は促進されてしまう。
一方、吐出口面のワイピング動作を行う際に、処理液あるいは洗浄液を使用する特許文献1および2に開示の技術にあっては、インクの消費量は抑えられるが、別途処理液を貯留・供給するシステムが必要となるため、装置の複雑化を招くという問題がある。
本発明は、処理液などのインク以外の液体を用いず、ワイピング動作による吐出口面の清掃動作をインクを用いて効率的かつ適正に行うことができると共に、インクの消費量を大幅に抑えることが可能な記録装置および記録方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち、本発明の第1の形態は、記録ヘッドに設けられた複数のノズルの各々の吐出口からインク滴を吐出して記録媒体に記録を行なう記録装置であって、前記吐出口が形成される吐出口面をワイピングするワイピング部材と、前記ノズルに接するインクにより形成されるメニスカスの形状を調整するメニスカス調整手段と、を備え、前記メニスカス調整手段によって前記メニスカスの形状を調整することにより、前記吐出口面をワイピングする前記ワイピング部材に接触するインク量を調整することを特徴とする。
本発明の第2の形態は、記録ヘッドに設けられた複数のノズルの各々の吐出口からインク滴を吐出して記録媒体に記録を行なう記録方法であって、前記ノズルに接するインクにより形成されるメニスカスの形状を調整する工程と、前記吐出口面をワイピング部材によってワイピングする工程と、を備える。
本発明によれば、ワイピング動作による吐出口面の清掃動作をインクを用いて効率的かつ適正に行うことができると共に、インクの消費量を大幅に抑えることが可能になる。また、ワイピング動作のために処理液などの吐出機構を設ける必要もなく、安価に構成することが可能となる。
本発明の実施形態における記録装置の外観を示す斜視図である。 記録装置の内部構成を模式的に示す図である。 制御系の概略構成を示すブロック図である。 吐出口面に対するワイピング動作を説明するための図である。 ワイピング動作制御の処理手順を示すフローチャートである。 記録ヘッドの内圧制御の処理手順を示すフローチャートである。 内圧制御時に記録ヘッド内に加わる圧力と、正圧時および負圧時のメニスカスMの例を示す図である。 メニスカス制御時の記録ヘッドの内圧の変化を示すグラフ及び、吐出口に形成されるメニスカスMの形状を示す説明断面図である。 ワイピング動作時のワイパおよびインクの状態を示す説明図である。 記録ヘッドの各吐出性能に対応したテストパターンの例を示す図である。 記録ヘッドに加える内圧の変化を示すグラフである。 吐出口に付着する異物およびメニスカスを示す説明断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における記録装置10の外観を示す斜視図であり、本実施形態における記録装置10は、インク滴を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)となっている。この記録装置10は、連続的に搬送される記録媒体に対して定位置に保持された記録ヘッドからインク滴を吐出して記録を行う、いわゆるフルライン型のインクジェット記録装置となっている。
図2は、図1に示す記録装置の内部構成を模式的に示す図である。
記録ヘッド11は、インク滴を吐出するノズルの開口部である吐出口が複数形成された吐出口面11aを有する。本実施形態では、記録媒体の搬送方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に沿って、記録媒体の幅以上の長さ範囲に吐出口が配列されており、記録ヘッド11は、いわゆる長尺ヘッドとなっている。記録ヘッド11の各ノズルに連通するインク保持部11bには、インク供給弁21を介してインク貯留室13が連結されている。インク貯留室13の上方部には大気連通口13aが形成されており、この大気連通口13aには大気連通弁26が連結されている。この大気連通弁26を開状態または閉状態とすることにより、貯留室13を介して記録ヘッド11のインク保持部11bを大気に解放した状態または大気から遮断した状態にすることができる。貯留室13には、ポンプモータ124(図3参照)によって駆動されるポンプ14が連結されており、このポンプ14の駆動によって貯留部13およびインク供給弁21を介して記録ヘッド11の内圧を種々の圧力に設定することができる。なお、ポンプPには、記録ヘッドから排出されたインクを貯留する廃液タンク31が連結されている。
記録ヘッド11には、気液分離室17およびリフィル弁24を介してインクタンク12が連結されており、インクタンク12、記録ヘッド11、および貯留室13を連結するインク供給系の流路にインクが満たされた状態で記録動作が行なわれる。インクタンク12は、記録ヘッド11の吐出口面11aより重力方向下方に配置されているため、記録ヘッド11内に水頭差を発生させるようになっている。このため、供給系の流路にインクが満たされた状態において、記録ヘッド11とインクタンク12との間には、インクタンク12の液面高さに依存してΔPtの圧力差が生じる。なお、記録ヘッド11は、ヘッドアップダウンモータ118の駆動力によって作動する周知の昇降機構(図示せず)が記録ヘッドを昇降させ得るようになっている。また、上記弁21〜26はCPU100によって制御される弁駆動回路126によって制御される。
記録ヘッド11の下方には、吐出口面11aと対向可能なキャッピング部材16が設けられている。キャッピング部材16は、記録ヘッド11の吐出口の配列方向(X方向)に沿って往復移動可能に設けられている。このキャッピング部材16の往復移動は、キャッピングモータ122(図3参照)によって駆動される周知のキャッピング部材移動機構によって行われる。キャッピング部材16は、記録ヘッド11の下降時に、吐出口面11aにおける吐出口の周囲と密接し、吐出口と外部との空気の連通をほぼ遮断するようになっている。キャッピング部材16に設けられた大気解放弁22はこの吐出口と外部との空気の連通を密閉することができる。また、記録ヘッド11の上昇時には、キャッピング部材16が記録ヘッド11の吐出口面から離間する。このとき、大気解放弁22を密閉した状態で吐出口と外部との空気の連通を遮断した場合、大気開放弁22を開状態として離間する。この吐出口面13aとキャップ部材16との距離間隔は、ヘッドアップダウンモータ118を制御することによって調整される。キャッピング部材16の底部は、流路および回復弁23を介して貯留室13に連結されており、記録ヘッド11の吐出口からキャッピング部材16に排出されたインクは貯留室13へと送られる。なお、貯留室13に送られた廃インクは、廃液タンク31へと送られ、ここに貯留される。
キャッピング部材16の一端部には、記録ヘッド11の吐出口面11aをワイピングするためのワイピング部材15が設けられている。このワイピング部材15は、記録ヘッド11bの最上昇位置から所定距離だけ下降し、かつキャッピング部材16と吐出口面11aとが離間した状態において、キャッピング部材16をX方向へと移動させることにより、吐出口面11aに接触させることができる。これにより、吐出口面11aに付着している不要なインクや塵埃などの異物を除去する。なお、ワイピング部材15は、図4(b)、図9(a)、(b)、および図12(a)、(b)に示すように湾曲可能なゴムやスポンジなどの弾性部材によって構成されることが望ましい。
図3に記録装置10に内蔵される制御系の概略構成を示すブロック図を示す。ホスト装置200から送信された記録データやコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、記録装置10の記録データの受信、記録動作、記録媒体Sのハンドリング等、全般的な制御を司る演算処理装置である。
CPU100の処理動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、後述の制御フローチャートなどに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。また、CPU100は、作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。記録ヘッド11の吐出口面を清掃するワイピング動作や吐出口内のインクをリフレッシュさせる回復動作時に、CPU100は出力ポート114、モータ駆動部116を介してポンプモータ124の駆動を制御し、ポンプ14によるインクの加圧、吸引等の制御を行う。なお、上記CPU100およびポンプ14により、記録ヘッド11の内圧(インク保持部11bの内圧)を制御し、記録ヘッド11の各吐出口から吐出可能なインクにより形成されるメニスカスMの形状を変化させるメニスカス変化手段が構成されている。
上記構成において、インクタンク12内に貯蔵されているインクを記録ヘッド11のインク保持部11bへとインクを供給する場合には、インク供給弁21およびリフィル弁24を開状態とし、他の弁21、22、23、25、26を閉状態とする。ここで、ポンプ14を駆動して貯留部13内に負圧を発生させると、貯留部13内に負圧が発生し、インク供給弁21を介して記録ヘッド11の内圧が負圧となる。その結果、インクタンク12内のインクが流路、リフィル弁24および記液分離室17を経て記録ヘッド11のインク保持部11b内に流入し、流入したインクが各ノズルに供給されて記録ヘッド11は記録動作可能となる。
一方、ノズルにおけるインクの非吐出状態が一定時間以上継続すると、ノズル内のインクの増粘やノズル内への塵埃の侵入などが生じ、これがノズルのインク吐出不良を招く可能性がある。従って、非吐出状態が一定時間以上継続した場合には、記録ヘッド11のノズル内のインクをリフレッシュさせるべく、ノズル内のインクを強制的に吸引排出させる吸引回復動作を行う。吸引回復動作時には、回復弁23、24を開状態とし、他の弁21〜22および25〜26を全て閉状態とする。ここで、昇降機構によって記録ヘッド11をキャッピング部材16に密着させた後、ポンプ14を駆動して貯留室13内に負圧を発生させる。貯留室13の負圧によって吐出口面11aに密着しているワイピング部材16内が負圧となり、その負圧によってノズル内のインクが吐出口からキャッピング部材16へと強制的に吸引排出される。さらに、キャッピング部材16内に排出されたインクは、流路および回復弁23、貯留部13へと流入した後、ポンプ14によって廃液タンク31へと排出される。
また、記録動作時に記録ヘッド11の吐出口からインク滴が吐出される際には、記録に寄与する主液滴の他に記録に寄与しない微小なインク滴が発生し、これが吐出口の周辺や吐出口面に付着することがある。また吐出口面や吐出口の周囲には、紙粉や塵埃などの異物も付着することがあり、これらが吐出口からのインクの吐出性能(吐出量や吐出方向の精度)を低下させる。このため、吐出口面に付着した異物を、キャップ部材16と共に移動するワイピング部材15によって除去することが行なわれる。以下、このワイピング部材15による異物除去動作をワイピング動作という。
図4は、吐出面のワイピング動作の概略を示す図である。
ワイピング動作において、ワイピング部材15は、図4(a)に示すように、記録ヘッド11の吐出口面11aから側方へと離れた位置からキャピング部材16と共にX方向へと移動する。これにより、ワイピング部材15はその上方部が図4(b)に示すように湾曲した状態で吐出口面11aに接触しつつX方向へと移動し、最終的に図4(c)に示すように吐出口面11aの側方へと移動してワイピングしたインクを吐出口面から除去する。この時、ワイピング部材15のワイピング性能は記録ヘッド11の吐出口面11aとワイピング部材16とのZ方向(X方向およびY方向と直交する方向)における位置関係、換言すれば吐出口面11aとキャッピング部材16との距離間隔により制御される。すなわち、吐出口面11aとキャッピング部材16との距離間隔が狭いほど、ワイピング部材16は吐出口面11aに対してより強く接触することとなる。
また、本実施形態では、吐出口面11aとワイピング部材15との接触による吐出口面11aの損傷を低減しつつ、吐出口面11aに付着している異物の容易かつ適正な除去を実現するため、吐出口に形成されるメニスカスMにワイピング部材15を接触させる。すなわち、本実施形態ではワイピング部材15をインクのメニスカスMに接触させ、これを吐出口面に付着しているインクを含む異物の溶解剤として、あるいはワイピング動作時のワイピング部材15と吐出口面11aとの潤滑剤として使用する。但し、このようにインクを溶解剤あるいは潤滑剤として使用する際に、インクが過剰に消費されることはランニングコストの増大を招く。このため、本実施形態では、ワイピング動作時に、吐出口に形成されるメニスカスMの形状を調整することにより、ワイピング部材15に接触するメニスカスMのインク量を調整するような制御を行う。なお、本実施形態では、記録ヘッド11の内圧を調整可能とするポンプ14と、記録ヘッド内のインクの液面位置を調整するためのインクタンク12およびポンプ14とにより、メニスカスMの形状を調整するメニスカス調整手段が構成されている。
以下、このワイピング動作時のメニスカスMの形状を調整する制御について説明する。 図5は本実施形態においてCPU100により実行されるワイピング動作制御の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態では、ワイピング命令を受けると(ステップ1)、記録ヘッドの内圧調整を行なって(ステップ2)、各ノズルの吐出口に形成されるインクのメニスカスMの形状を調整し、その後、ワイピング部材16によるワイピング動作を行う(ステップ3)。このステップ3におけるワイピング動作では、まずヘッドアップダウンモータ118を駆動して吐出口面11aとワイピング部材16とのZ方向における位置関係を調整する。次いで、キャッピングモータ122を駆動し、キャッピング部材16と共にワイピング部材16をX方向へと移動させる。
図6は、図5におけるステップ2で実行される記録ヘッド11の内圧制御のより具体的な処理手順を示すフローチャートである。本実施形態では、記録ヘッド11の圧力制御はステップ21から24の4つのステップによって実行される。まず、ステップ21では記録ヘッド11のインク保持部11bにおける液面の高さ位置(重力方向における高さ位置)を記録ヘッドに設けた周知の液面センサ(図示せず)によって検出する。そして、その検出結果に基づいて記録ヘッド11のインク保持部11b内の液面の高さを調整する。この調整は、記録ヘッド11のインク保持部11bの内圧が目標圧に達するように調整する。次に、ステップ22では、インクタンク12におけるインクの液面の高さ位置(重力方向における高さ位置)を、インクタンク12に設けた周知の液面センサによって検出し、その検出結果に基づいて記録ヘッド11のインク保持部11b内の液面の高さを調整する。この調整は、インクタンク12の内圧が目標圧に達するように調整する。次にステップ23では、図8に示すような、吐出口に形成しようとするメニスカスMの形状に基づき、記録ヘッド11内の目標圧を次の式1に従って設定する(ステップ3)。
P=P1+P2+Pt−2γcosθ/r (式1)
ここで、−2γcosθ/rはノズルに付与する毛管力、γは表面張力、θはインクの接触角、rは吐出口の内径(半径)である。
なお、吐出口に形成しようとするメニスカスMの形状は、記録ヘッド11の各ノズルに対する回復動作を行う前の記録ヘッドの吐出性能の状態により適宜設定を行なう。最後にステップ24では、記録ヘッド11の内圧が目標圧となるように、ポンプ14、インク供給弁21、大気連通弁26、およびリフィル弁24などを制御する。これにより、メニスカスMを、必要とるす形状に整えることができる。すなわち、吐出口面11aの損傷を抑えつつ吐出口面11aに付着している異物を、ワイピング動作によって容易かつ確実に除去するために必要とされる最小限のインクがワイピング部材15に付着するような形状のメニスカスMが形成されるように目標圧を定める。
図7(a)は、記録ヘッド11の各部の圧力を模式的に示す図である。記録ヘッド11の内圧の設定、つまりノズル11nの吐出口11cのメニスカスMの形状の設定は3つの圧力を用いて制御する。このうち1つ目の圧力はインクタンクによって発生する水頭圧ΔPtであり、これはメニスカスMの位置とインクタンクの液面の高さによって決定される。2つ目の圧力は、記録ヘッド11のインク保持部11bの内部の液面からノズル11nの吐出口11cに付与される水圧ΔP1である。この水圧△P1は記録ヘッド11の内部の液面の高さおよび吐出するインクの粘度から以下の式で導くことができる。
P1=ρgh (式2)
上記2つの圧力△Ptと水圧△P1は、インクタンク12と記録ヘッド11との間に設けたリフィル弁24を閉状態とし、インク供給弁21、大気連通弁26を開状態として記録ヘッド11の内部を大気連通させることで、メニスカスMに付与することができる。
3つ目の圧力は、ポンプ14の回転により付与する圧力ΔP2である。この圧力△P2は、ポンプ14によって貯留室13に蓄積した圧力を、インク供給弁21の開閉によって記録ヘッド11内に付与することが可能である。また、ポンプ14から貯留部およびインク供給弁21を介して直接的に記録ヘッド11に圧力を付与することも可能である。
上記3つの圧力の制御は、式1に従って行なう。式1はメニスカスMに加わる力とメニスカスMを保持するため表面張力を表した式である。従って、図7(b)に示すように、インクのメニスカスMを吐出口11cから突出する凸形状とする場合には、記録ヘッド11の内圧Pを正圧、すなわちP>0となるようにする。逆に、図7(c)に示すように、インクを吐出口のよりノズルの内方に引き込まれた凹形状とする場合には、記録ヘッド11の内圧Pを負圧、すなわちP<0となるようにする。
図8(a)は、本実施形態において記録ヘッド11に印加可能な複数段階の内圧を示すグラフであり、図8(b)は、図8(a)に示す各段階の内圧に応じたメニスカスMの形状を示している。
図8(b)に示すように、メニスカスMは記録ヘッド11の内圧が表面張力より高くなれば吐出口11cから前進し(凸形状となり)、低くなれば吐出口11cから後退する(凹形状となる)。このメニスカスMが吐出口11cから前進しているほど、ワイピング動作時にワイピング部材15に付着するインク量は増大し、吐出口11cから後退しているほど、ワイピング部材15に付着するインク量は減少する。また、ワイピング部材15によって、より大きなあるいはより多くの異物を除去したいときには、ワイピング部材15にメニスカスMを形成しているインクをより多く付着させることが有効である。例えば、図8(a)の(1)に示すように、記録ヘッド11の内圧を高くなるように制御し、より多くのインクをワイピング部材15に付着させてワイピング動作を行うことにより、大きなあるいは多くの異物を良好に払拭することが可能になる。また、小さな異物や吐出面11aに付着した微小な液滴などを除去する場合には、ワイピング部材15に微量のインクを付着させるだけで異物を除去できるため、記録ヘッド11の内圧を表面張力と同等もしくはそれより大きい適切な圧力に制御する。このように、本実施形態においては、吐出面11aに付着する異物の除去のし易さによって、ワイピング部材15に付着させるインクの量を制御することができ、過剰なインク消費を抑制することができる。
ここで、記録ヘッドの内圧が図8(a)の(1)、(2)、(3)に示すように正圧である場合のワイピング動作と、図8(a)の(4)に示すように負圧である場合のワイピング動作のそれぞれにおけるインクの状態を図9の模式図に示す。記録ヘッドの内圧が正圧である場合には、図8(b)の(1)、(2)に示すように、メニスカスMは吐出口11cから突出した状態にある。このため、ワイピング部材15は、その凸形状をなすインクを擦り切りながら移動し、付着した多量のインクによって異物Dを溶解させ除去して行く(図9(a)参照)。また、記録ヘッドの内圧が負圧である場合には、図8の(4)に示すように、メニスカスMは吐出口11aから後退した状態(凹形状)になる。しかし、この状態にあっても、ワイピング部材15が吐出口周辺に接触すると前記ワイピング部材15とインクとの間に新たな界面が発生するため、ワイピング部材15に沿ってインクを引き出すことができる。その結果、少量のインクで軽微のゴミや吐出面11aに付着した微小なインク滴などの異物Dを除去することが可能となる(図9(b)参照)。なお、ワイピング部材15によって吐出口11aのインクを除去した状態を図8(b)の(3)に示す。
このように本実施形態では、記録ヘッドの内圧を調整し、ワイピング部材に付着するインク量、つまりワイピング部材15に接触するメニスカスMの形状を、吐出面11aに付着する異物などの払拭のし易さ応じて、多段階に制御するようになっている。なお、吐出面11aにインクミストなどの比較的少量の液滴またはその凝固物が付着している場合には、図8(b)の(3)に示すように、メニスカスMが吐出面11aとほぼ同一面上にあるように記録ヘッドの内圧を設定することが望ましい。また、ノズルから多量のインク吐出を行った場合には、吐出口11cの周辺の吐出面11aにインク溜まりが形成されたりインクに含まれる水分からなる液滴が付着したりすることがある。しかし、これらは液体であって払拭し易いことから、図8(b)の(4)に示すように、メニスカスMが吐出面11aから凹状に後退した状態となるように記録ヘッドの内圧を設定することが望ましい。また、図8(a)の(5)は、記録動作においてインク滴を適正に吐出する上で設定される記録ヘッドの内圧(負圧)を示しており、この負圧は、前述の図8(a)の(4)に示す負圧よりも、大きな負圧(低圧)となっている。
また本実施形態において実行される多段階のワイピング動作のうち、どの段階のワイピング動作を選択するかは、例えば図10(a)〜(d)に示すようなノズルチェックパターンを、記録媒体Sに記録し、それを目視で判定するとによって決定することができる。ノズルチェックパターンは通常、縦縞のパターンであり、正常な吐出が行われている状態では、図10(d)に示すようなノズルチェックパターンが形成される。また、図10(a)に示すように、ノズルに2連続以上の不吐出が見られた場合、ノズルには、図12の(1)に示すように異物が付着している可能性がある。この場合には、図11の(1)に示すような最も高い内圧を記録ヘッドに設定して、ワイピング動作を行う。また、1ノズルのみが不吐出の場合、ノズルには、図12の(2)に示すように異物が付着している可能性がある。この場合には、図11の(1)よりも低い圧力を記録ヘッドに設定し、ワイピング動作を行なう。
さらに、ノズルからの吐出は行なわれているが、図10(c)に示すように、吐出されたインク滴の吐出方向のずれなどによって適正な記録状態が確保されていない場合、ノズルには、図12の(3)に示すように異物が付着している可能性がある。この場合には図11の(3)に示すように、メニスカスM力に近い圧力状態でワイピング動作を行う。また、図12(4)に示すようにノズルに異物が付着しておらず、図10(d)に示すように全てのノズルにおいて適正な吐出が行なわれている状況においては、図11の(4)に示すような負圧の状態でワイピング動作を行う。このように、記録ヘッドの吐出性能をユーザが判定し、その判定結果に基づいて適宜メニスカスMの形状、つまり記録ヘッドの目標内圧を設定すれば、常に必要最小限のインクを用いて適正なワイピング動作を実行させることができる。なお、この際の記録ヘッドの目標内圧の設定は、操作パネル110などを用いてユーザが行う。
以上のように、本実施形態によれば、ワイピング動作による吐出口面の清掃動作を滴量のインクを用いて効率的かつ適正に実行させることが可能になる。このため、インクの消費量を大幅に抑えることが可能になりランニングコストを低減することが可能になる。また、ワイピング動作のために、処理液などの吐出機構を新たに設ける必要もなく、安価に構成することが可能となる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、記録媒体を連続的に移動する記録媒体に対して定位置に保持された記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う、フルライン型の記録装置を例に採り説明した。しかしながら、本願発明は、フルライン型の記録装置に限定されるものではなく、他の記録方式を採用する記録装置にも適用可能である。例えば、記録媒体を間欠的に移動させると共に、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを走査させながらインク滴を吐出させて記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置にも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、吐出口のメニスカスMの形状を4段階に調整させる場合を例として挙げたが、メニスカスMの形状を2段階、または3段階、あるいは5段階以上に調整するようにすることも可能である。さらに、段階的にメニスカスMの形状を調整するものに限らず、連続的にメニスカスMの形状を調整するようにすることも可能である。これは、記録ヘッドの内圧を連続的に変化させるようにすることで実現可能である。
さらに、上記実施形態では、記録媒体に形成したノズルチェックパターンをユーザが目視にて確認し、その結果に基づいてユーザが記録ヘッドの内圧の設定を操作部などによって行うものとした。しかし、記録媒体へのノズルチェックパターンの記録を行った後、そのノズルチェックパターンを読取装置によって読み取り、読取った結果に基づいて自動的に記録ヘッドの内圧を調整するようにすることも可能である。
10 記録装置
11 記録ヘッド
11a 吐出口面
11c 吐出口
15 ワイピング部材
12 インクタンク
13 貯留室
14 ポンプ
M メニスカス
S 記録媒体
D 異物

Claims (13)

  1. 記録ヘッドに設けられた複数のノズルの各々の吐出口からインク滴を吐出して記録媒体に記録を行なう記録装置であって、
    前記吐出口が形成される吐出口面をワイピングするワイピング部材と、
    前記ノズルに接するインクにより形成されるメニスカスの形状を調整するメニスカス調整手段と、を備え、
    前記メニスカス調整手段によって前記メニスカスの形状を調整することにより、前記吐出口面をワイピングする前記ワイピング部材に接触するインク量を調整することを特徴とする記録装置。
  2. 前記メニスカス調整手段は、前記記録ヘッドの内圧を変化させることによって前記メニスカスの形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記メニスカス調整手段は、前記記録ヘッドの内圧を段階的に変化させることによって前記メニスカスの形状を段階的に調整することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記ノズルに生じるメニスカス力に応じて前記記録ヘッドの内圧を変化させることによって前記メニスカスの形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記メニスカス調整手段は、前記記録ヘッドの内圧を変化させ得る複数の圧力制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  6. 前記メニスカス調整手段は、前記記録ヘッドに供給されるインクの液面の高さと、前記記録ヘッドに付与する圧力と、の少なくとも一つを調整することによって前記メニスカスの形状を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  7. 前記メニスカス調整手段は、前記記録ヘッドに供給されるインクの液面の高さ、前記記録ヘッドと前記記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクとの間の水頭差、前記記録ヘッドに付与する圧力に基いて前記メニスカスの形状を定めることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッドに供給されるインクの液面の高さは、前記記録ヘッドにインクを供給するための供給系により調整されることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  9. 前記記録ヘッドに付与する圧力は、前記記録ヘッドに連結されるポンプによって調整されることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  10. 前記ワイピング部材は、前記記録ヘッドに形成される吐出口の配列方向に沿って移動することにより前記吐出口面をワイピングすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  11. 前記記録ヘッドは、連続的に搬送される記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って、使用する記録媒体の幅以上の長さに亘ってノズルを配置してなる長尺な記録ヘッドであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の記録装置。
  12. 前記記録媒体に対し、前記記録媒体のノズルの吐出性能を判定するためのノズルチェックパターンの記録を可能とすることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 記録ヘッドに設けられた複数のノズルの各々の吐出口からインク滴を吐出して記録媒体に記録を行なう記録方法であって、
    前記ノズルに接するインクにより形成されるメニスカスの形状を調整する工程と、
    前記吐出口面をワイピング部材によってワイピングする工程と、を備えることを特徴とする記録方法。
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