JP2015111492A - 導体膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PET、PEN等の耐熱性が低い基材を使用する場合でも、基材に熱影響を与えず、体積抵抗率の小さい導体膜を製造する方法の提供。【解決手段】基材を準備する工程と、前記基材上に、水素化銅微粒子または銅微粒子を含む導電インクの塗膜を形成する工程と、前記塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する工程と、前記焼成膜をレーザー光の照射により300〜500℃で加熱する工程とを備える導体膜の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、導体膜の製造方法に関する。
例えば、プリント配線等の回路パターンを有する導体付き基材の製造方法としては、銀、銅等の金属微粒子を分散させた分散液からなる導電インクを、基材上にインクジェット印刷法により印刷し、加熱して導体を形成する方法が知られている。特に、銅を主成分とする導電インクは、コストの点で、銀微粒子よりも有利であり広く用いられるようになっている。
導体を形成する方法においては、金属粒子どうしの焼結を促進し、耐薬品性や耐候性が充分で、体積抵抗率の小さい導体を得るために、高温で加熱することが必要である。一方で、基材としてPET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの高分子フィルムを用いて印刷により導体を形成することも行われており、この場合には、基材の耐熱性の点から、加熱は200℃以下の低温で行う必要がある。
このような焼結を促進する加熱方法として、特許文献1には、パルス光源を用いた光照射により加熱する方法が開示されている。特許文献2には、レーザー等を用いて表面を加熱する方法が開示されている。
しかし、特許文献1、2の方法では、材料である銀、銅、鉄、亜鉛、チタン等のナノ粒子の特性とパルス照射、レーザー照射の条件やその組合せが最適化されておらず、これらの方法で水素化銅微粒子または銅微粒子を含有する導電インクの加熱を行う場合には、加熱温度を制御することが困難であり、銅微粒子間で十分な融着が進まず、得られる導体の体積抵抗率の低減が不充分であるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決すべくなされたものであり、PET、PEN等の耐熱性が低い基材を使用する場合でも、基材に熱影響を与えず、体積抵抗率の小さい導体膜を製造する方法を提供する。
本発明の導体膜の製造方法は、基材を準備する工程と、前記基材上に、平均一次粒子径が5〜100nmの、水素化銅微粒子または銅微粒子を含む導電インクの塗膜を形成する工程と、前記塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する工程と、前記焼成膜をレーザー光の照射により300〜500℃で加熱する工程とを備えるこ
とを特徴とする。
とを特徴とする。
本発明の導体膜の製造方法によれば、平均一次粒子径が5〜100nm以下の、水素化銅微粒子または銅微粒子を含む導電インクにより形成した塗膜を100〜200℃で加熱して形成された焼成膜部分のみを、レーザー照射により高温で加熱して導体膜を形成できるので、PET、PEN等の耐熱性が低い基材を使用する場合でも、基材に熱影響を与えず、体積抵抗率の小さい導体膜が得られる。
<導体膜の製造方法>
本発明は、導体膜の製造方法であり、基材を準備する工程と、前記基材上に導電インクの塗膜を形成する工程と、前記塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する工程と、前記焼成膜をレーザー照射により300〜500℃で加熱する工程とを備える。本発明の製造法における、各工程について説明する。
本発明は、導体膜の製造方法であり、基材を準備する工程と、前記基材上に導電インクの塗膜を形成する工程と、前記塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する工程と、前記焼成膜をレーザー照射により300〜500℃で加熱する工程とを備える。本発明の製造法における、各工程について説明する。
本実施形態において、導電インクの塗膜を形成する工程(以下、塗布工程ともいう。)について説明する。
本実施形態の塗布工程において、導体インクを塗布する方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロールコート、エアナイフコート、ブレードコート、バーコート、グラビアコート、ダイコート、スプレーコート、スライドコート等の方法が挙げられる。なかでも、インクジェット印刷が特に好ましい。
本実施形態の塗布工程において、導体インクを塗布する方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロールコート、エアナイフコート、ブレードコート、バーコート、グラビアコート、ダイコート、スプレーコート、スライドコート等の方法が挙げられる。なかでも、インクジェット印刷が特に好ましい。
このときの塗布パターンは、基材の全面に塗布することも、パターン状や模様状に塗布することもできる。塗布方法や使用目的、用途に応じて、水素化銅微粒子または銅微粒子の粒径や分散剤、溶媒およびその他配合物の種類を適宜選択できる。また、分散液の粘度や水素化銅微粒子または銅微粒子の固形分としての濃度についても同様に適宜選択できる。
インクジェット印刷を用いる場合には、導電インクの吐出口であるノズルと、基材との相対的な位置を変化させること等により所望のパターンを基材上に描くことができ、形成する導電インクの塗膜の厚さや幅を調整できる。
インクジェット印刷の場合、所望のパターンの導体膜の形成が容易な点から、インク吐出孔の孔径を0.5〜100μmとし、基材上に付着した導電インクの直径が1〜100μmとなるようにすることが好ましい。
(基材)
基材としては、無アルカリガラス、石英ガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイアガラスなどのガラス類、Al2O3、MgO、BeO、ZrO2、Y2O3、CaO、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)等の無機材料、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の有機材料、その有機材料に直径数nmの無機粒子が分散された複合材料で形成される基板、シリコンウエハ、金属板等を使用できる。用途に応じてこれらの材料から適宜選択できる。電子部材用途においては、成形が容易であり、耐薬品性等の化学的特性に優れるPET、PENが特に好ましい。なお、その大きさについて制限はなく、形状も円盤状、カード状、シート状などいずれの形状であってもよく、基材の表面も平面である必要はなく、凹凸または曲面を有するものでもよい。
基材としては、無アルカリガラス、石英ガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイアガラスなどのガラス類、Al2O3、MgO、BeO、ZrO2、Y2O3、CaO、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)等の無機材料、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の有機材料、その有機材料に直径数nmの無機粒子が分散された複合材料で形成される基板、シリコンウエハ、金属板等を使用できる。用途に応じてこれらの材料から適宜選択できる。電子部材用途においては、成形が容易であり、耐薬品性等の化学的特性に優れるPET、PENが特に好ましい。なお、その大きさについて制限はなく、形状も円盤状、カード状、シート状などいずれの形状であってもよく、基材の表面も平面である必要はなく、凹凸または曲面を有するものでもよい。
前記基材上には、前記基材表面の平面性の改善、接着力の向上および金属銅含有膜の変質防止などの目的で、下地層が設けられていてもよい。該下地層としては、例えば、高分子材料、熱硬化性または光・電子線硬化樹脂、カップリング材などの表面改質剤により形成された下地層等が挙げられる。該下地層は、基材と導体膜の密着性を向上させるものや、親液性、撥液性を持つものが好ましく、具体的には、熱硬化性または光・電子線硬化性樹脂に、必要に応じてカップリング剤等の表面改質剤およびコロイダルシリカ等を用いて形成した層が好ましい。
(導電インク)
本発明に用いる導電インクは、水素化銅微粒子または銅微粒子を含有し、後述する製造方法により得られる水素化銅微粒子分散液または銅微粒子分散液を用いて製造された導電インクを使用できる。
<水素化銅微粒子分散液の製造方法>
本発明に用いる導電インクは、水素化銅微粒子または銅微粒子を含有し、後述する製造方法により得られる水素化銅微粒子分散液または銅微粒子分散液を用いて製造された導電インクを使用できる。
<水素化銅微粒子分散液の製造方法>
実施形態の水素化銅微粒子を含有する分散液は、溶媒(A)中でアルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する方法により得ることが好ましい。
溶媒(A)は、SP値が8〜12の溶媒が好ましい。SP値が8〜12であれば、溶媒(A)と水との相溶性が低く、反応系中に水が混入することを抑制できる。これにより、溶媒(A)中に溶解したヒドリド系還元剤が水と反応して不活性化することを抑制できる。
溶媒(A)のSP値は、8.5〜9.5がより好ましい。
溶媒(A)のSP値は、8.5〜9.5がより好ましい。
溶媒(A)としては、例えば、シクロヘキサン(SP値8.2)、酢酸イソブチル(SP値8.3)、酢酸イソプロピル(SP値8.4)、酢酸ブチル(SP値8.5)、四塩化炭素(SP値8.6)、エチルベンゼン(SP値8.8)、キシレン(SP値8.8)、トルエン(SP値8.9)、酢酸エチル(SP値9.1)、テトラヒドロフラン(SP値9.1)、ベンゼン(SP値9.2)、クロロホルム(SP値9.3)、塩化メチレン(SP値9.7)、二硫化炭素(SP値10.0)、酢酸(SP値10.1)、ピリジン(SP値10.7)、ジメチルホルムアミド(SP値12.0)等が挙げられる。
アルキルアミン(B)は、炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミンが好ましい。
アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、生成する水素化銅微粒子の分散性が良好となる。なお、本発明では反応場が有機相であるため、水からの保護を目的として、炭素数の大きいアルキルアミンを使用する必要がない。アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。
アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、生成する水素化銅微粒子の分散性が良好となる。なお、本発明では反応場が有機相であるため、水からの保護を目的として、炭素数の大きいアルキルアミンを使用する必要がない。アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。
アルキルアミン(B)の沸点が250℃以下であれば、導電インクを用いて導体膜を形成する際に、アルキルアミン(B)が微粒子表面から脱離し、揮発して体積抵抗率の低い導体膜を形成できる。アルキルアミン(B)の沸点は、加熱時の脱離性および揮発性の点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、アルキルアミン(B)の沸点は、アルキル基の炭素数を7以上とする点から、通常は150℃以上が好ましい。
アルキルアミン(B)のアルキル基は、得られる水素化銅微粒子の分散安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。ただし、アルキルアミン(B)のアルキル基は、分岐アルキル基であってもよい。
アルキルアミン(B)のアルキル基は、得られる水素化銅微粒子の分散安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。ただし、アルキルアミン(B)のアルキル基は、分岐アルキル基であってもよい。
アルキルアミン(B)としては、n−ヘプチルアミン(アルキル基の炭素数7、沸点157℃)、n−オクチルアミン(アルキル基の炭素数8、沸点176℃)、n−ノニルアミン(アルキル基の炭素数9、沸点201℃)、1−アミノデカン(アルキル基の炭素数10、沸点220℃)、1−アミノウンデカン(アルキル基の炭素数11、沸点242℃)が好ましく、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンがより好ましい。
アルキルアミン(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキルアミン(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキルアミン(B)の添加量は、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好になる点から、溶媒(A)の1gに対して、0.2×10−3モル以上が好ましく、0.25×10−3モル以上がより好ましく、0.3×10−3モル以上が特に好ましい。また、アルキルアミン(B)の添加量が過剰であると、銅(II)塩に配位しきれなかったアルキルアミン(B)が導体膜形成時に残留し、導体膜の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。よって、アルキルアミン(B)の量の上限は、溶媒(A)の1gに対して、0.75×10−3モル以下が好ましく、0.7×10−3モル以下がより好ましく、0.6×10−3モル以下が特に好ましい。
こうして平均一次粒子径が5〜100nm、より好ましくは5〜70nm、特に好ましくは5〜35nmの水素化銅微粒子(一次粒子)が、溶媒(A)に分散された水素化銅微粒子分散液が得られる。水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、アルキルアミン(B)の添加量、およびヒドリド系還元剤の添加量により調節できる。アルキルアミン(B)の添加量を多くすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。また、ヒドリド系還元剤の添加量を少なくすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。
得られる水素化銅微粒子分散液における固形分としての水素化銅微粒子の濃度は、分散液全体を100質量%として、1〜6質量%が好ましく、2.5〜4.5質量%がより好ましい。水素化銅微粒子分散液の前記固形分濃度が1質量%未満であると、濃縮工程に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。水素化銅微粒子分散液の固形分濃度が6質量%を超えると、分散液中の水素化銅微粒子の分散安定性が悪化するおそれがある。
<銅微粒子分散液の製造方法>
銅微粒子分散液は、前記水素化銅微粒子分散液の製造方法で得られた水素化銅微粒子分散液を不活性雰囲気中で60℃以上の温度で加熱処理することで製造できる。
加熱温度は、加熱処理時間(温度が低いと時間がかかる)と得られる銅微粒子の分散粒径(温度が高すぎると凝集してしまう)の観点から、80〜100℃が好ましい。
銅微粒子分散液は、前記水素化銅微粒子分散液の製造方法で得られた水素化銅微粒子分散液を不活性雰囲気中で60℃以上の温度で加熱処理することで製造できる。
加熱温度は、加熱処理時間(温度が低いと時間がかかる)と得られる銅微粒子の分散粒径(温度が高すぎると凝集してしまう)の観点から、80〜100℃が好ましい。
このように、平均一次粒子径が5〜100nm、より好ましくは5〜70nm、特に好ましくは5〜35nmの銅微粒子(一次粒子)が、溶媒(A)に分散された銅微粒子分散液が得られる。銅微粒子の平均一次粒子径は上記した水素化銅微粒子分散液を製造する場合と同様に調節できる。
得られる銅微粒子分散液における固形分としての銅微粒子の濃度は、分散液全体を100質量%として、1〜6質量%が好ましく、2.5〜4.5質量%がより好ましい。銅微粒子分散液の前記固形分濃度が1質量%未満であると、濃縮工程に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。水素化銅微粒子分散液の固形分濃度が6質量%を超えると、分散液中の銅微粒子の分散安定性が悪化するおそれがある。
本発明に用いる導電インクは前記した製造方法により得られる水素化銅微粒子分散液または銅微粒子分散液の固形分濃度、粘度を調整する、溶媒(A)を溶媒(C)に置換し、固形分濃度、粘度を調整すること等により得られる。
溶媒(C)としては、非水溶性の有機溶媒を使用する。非水溶性とは、室温(20℃)における水100gへの溶解量が0.5g以下であることを意味する。溶媒(C)は、アルキルアミン(B)との親和性の点から、極性の小さい有機溶媒が好ましい。また、溶媒(C)は、導体膜を形成する際の加熱によって熱分解を起こさないものが好ましい。
溶媒(C)としては、例えば、デカン(水に不溶。)、ドデカン(水に不溶。)、テトラデカン(水に不溶。)、デセン(水に不溶。)、ドデセン(水に不溶。)、テトラデセン(水に不溶。)、ジペンテン(水100gへの溶解量0.001g(20℃)。)、α−テルピネオール(水100gへの溶解量0.5g(20℃)。)、メシチレン(水に不溶。)等が挙げられる。なかでも、インクの乾燥性の制御、塗布性の制御が容易である点から、α−テルピネオール、デカン、ドデカン、テトラデカンが好ましい。
溶媒(C)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒(C)としては、例えば、デカン(水に不溶。)、ドデカン(水に不溶。)、テトラデカン(水に不溶。)、デセン(水に不溶。)、ドデセン(水に不溶。)、テトラデセン(水に不溶。)、ジペンテン(水100gへの溶解量0.001g(20℃)。)、α−テルピネオール(水100gへの溶解量0.5g(20℃)。)、メシチレン(水に不溶。)等が挙げられる。なかでも、インクの乾燥性の制御、塗布性の制御が容易である点から、α−テルピネオール、デカン、ドデカン、テトラデカンが好ましい。
溶媒(C)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水素化銅微粒子分散液または銅微粒子分散液の溶媒(A)を溶媒(C)に置換する方法としては、公知の溶媒置換方法を採用でき、例えば、溶媒(A)を減圧濃縮しつつ、溶媒(C)を添加する方法が挙げられる。
本発明に用いる導電インクは、前記した水素化銅微粒子または銅微粒子、アルキルアミンおよび溶媒以外に、シランカップリング剤やその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、消泡剤、湿潤分散剤、レベリング剤、乾き防止剤、レオロジーコントロール剤、密着性付与剤が挙げられる。
本発明に用いる導電インク(100質量%)の固形分濃度は、要求される粘度によっても異なるが、15〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。導電インクの固形分濃度が前記範囲の15質量%以上であれば、充分な厚さを有する導体膜を形成しやすい。導電インクの固形分濃度が前記範囲の70質量%以下であれば、粘度、表面張力等のインク特性の制御が容易であり、導体膜の形成が容易になる。
なお、上記した水素化銅微粒子分散液または銅微粒子分散液から得られる導電インクは、その製造方法のため還元剤およびアルキルアミンが含まれるが、製造される導体膜中にこれらの成分が残留しても残留分が少ないため差支えない。還元剤由来の成分やアルキルアミン由来の炭素が導体膜中に存在していれば導体膜の製造のための材料を推定できる。例えば、還元剤としてNaBH4を使用した場合には、導体膜中に、ホウ素、ナトリウムおよび炭素が含まれることになる。
本発明に用いる導電インクの20℃での粘度は、5〜60mPa・sが好ましく、8〜40mPa・sがより好ましい。導電インクの粘度が5mPa・s以上であれば、インクジェット印刷を用いる場合にも精度良くインクを吐出できる。導電インクの粘度が60mPa・s以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
本発明に用いる導電インクの表面張力は、20〜45dyn/cmが好ましく、25〜40dyn/cmがより好ましい。導電インクの表面張力が20dyn/cm以上であれば、精度良くインクを吐出できる。導電インクの表面張力が前記範囲の45dyn/cm以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
なお、本明細書において、導電インクの粘度は、B型粘度計(東機産業社製、装置名:TVB35L)で測定した値である。表面張力は表面張力計(協和界面科学社製、装置名:DY−500)により測定した値である。
なお、本明細書において、導電インクの粘度は、B型粘度計(東機産業社製、装置名:TVB35L)で測定した値である。表面張力は表面張力計(協和界面科学社製、装置名:DY−500)により測定した値である。
本発明に用いる導電インクとしては、非水溶性の有機溶媒に、沸点が250℃以下で炭素数7以上のアルキル基を有するアルキルアミンと、一次粒子径が5〜80nmの水素化銅微粒子または銅微粒子が分散した導電インクであり、20℃での粘度は8〜40mPa・s、表面張力は25〜40dyn/cmであることが特に好ましい。
塗布工程の後、塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する。ここで焼成膜は、該加熱により保護剤や溶媒等の塗膜に含まれる化合物を分解および/または気化させた膜を意味する。加熱方法としては、オーブン、ホットプレートによる加熱、IR加熱、フラッシュランプ加熱、レーザー加熱、μ波プラズマ加熱等を用いた方法が挙げられる。該加熱は、形成する導体膜の酸化を抑制しやすい点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
加熱温度は基材の種類などに応じて適宜設定できるが、PETやPEN等のプラスチック基材に影響を与えない100〜200℃が好ましい。また、前記した水素化銅微粒子または銅微粒子を含有する導電インクを用いて、焼成膜の光吸収率を300〜1000nmの波長で40%以上とするために、窒素雰囲気下または真空下で加熱することが好ましい。
焼成膜による、レーザー照射過程において照射されるレーザー光の光吸収率は40%以上が好ましい。焼成膜の光吸収率は、300〜1000nmの波長で40%以上がより好ましい。後述するレーザーの照射エネルギーが焼成膜に吸収され、短時間で300℃以上の温度に昇温し加熱できるためである。光吸収率が40%未満であるとレーザーの照射エネルギーの大半が反射されてしまうために短時間で昇温ができず、光吸収率が5%以下であるとレーザー照射による昇温が難しくなる。
加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定できる。前記した水素化銅微粒子または銅微粒子を含む導電インクを用いる場合、溶媒(C)、銅(II)塩から遊離した酸、微粒子表面から脱離したアルキルアミン(B)等を揮発させて光吸収率が上記した範囲となる焼成膜を形成できる時間とすればよく、10分〜48時間程度が適当である。
(レーザー加熱工程)
該加熱で形成した焼成膜の全領域または一部領域に、レーザー光を照射して300〜500℃となるように加熱する(以下、レーザー加熱工程ともいう。)。レーザー発振器で発振したレーザー光をレンズ集光し、照射径を適宜設定して焼成膜にレーザー光を照射しながら、レーザー搭載部または基材を移動させて基材上にパターンを描く。レーザー光は焼成膜に吸収され、発生する熱で分散剤等の有機化合物が分解および/または気化するとともに水素化銅微粒子の還元および隣接する銅微粒子の融着が起き、結果、焼成膜のレーザー照射部の体積抵抗率が低減できる。銅微粒子は基材との界面においても物理的、化学的効果によって接着すると考えられる。レーザー光照射による加熱方法は、焼成膜のみを加熱できるという利点を有し、基材に熱ダメージを与えることなく導体膜を形成できる。すなわち、レーザー照射による局所的かつ短時間の加熱では、銅微粒子の温度上昇が極めて高速であるため、熱伝達による銅微粒子の周囲の温度上昇はわずかであり、仮に基材が比較的耐熱性のない高分子フィルムにより形成されていたとしても、高分子フィルム全体が溶けることなく導電膜を形成できる。
該加熱で形成した焼成膜の全領域または一部領域に、レーザー光を照射して300〜500℃となるように加熱する(以下、レーザー加熱工程ともいう。)。レーザー発振器で発振したレーザー光をレンズ集光し、照射径を適宜設定して焼成膜にレーザー光を照射しながら、レーザー搭載部または基材を移動させて基材上にパターンを描く。レーザー光は焼成膜に吸収され、発生する熱で分散剤等の有機化合物が分解および/または気化するとともに水素化銅微粒子の還元および隣接する銅微粒子の融着が起き、結果、焼成膜のレーザー照射部の体積抵抗率が低減できる。銅微粒子は基材との界面においても物理的、化学的効果によって接着すると考えられる。レーザー光照射による加熱方法は、焼成膜のみを加熱できるという利点を有し、基材に熱ダメージを与えることなく導体膜を形成できる。すなわち、レーザー照射による局所的かつ短時間の加熱では、銅微粒子の温度上昇が極めて高速であるため、熱伝達による銅微粒子の周囲の温度上昇はわずかであり、仮に基材が比較的耐熱性のない高分子フィルムにより形成されていたとしても、高分子フィルム全体が溶けることなく導電膜を形成できる。
レーザー光の波長は、使用する分散剤、添加剤および溶媒などの種類や配合量等に応じ、焼成膜による光吸収率が40%以上となる範囲で任意に選択できるが、コストおよび装置のメンテナンスの容易な点から、350〜900nmが好ましい。代表的なレーザーとしては、GaN、GaAsAl、InGaAsP系などの半導体レーザー、ArF、KrF、XeClなどのエキシマレーザー、ローダミンなどの色素レーザー、He−Ne、He−Cd、CO2、Arイオンなどの気体レーザー、自由電子レーザー、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザーなどの固体レーザーなどが挙げられる。また、これらのレーザーの第二高調波、第三高調波などの高次高調波を利用してもよく、紫外域、可視光域、赤外域のいずれの波長のレーザー光を使用できる。さらに、連続波の照射でも、パルス波の照射でもよい。一般的に半導体レーザーは赤外域波長の連続レーザー光の照射に適するため好ましい。
レーザー光の照射径、走査速度、出力等の印加エネルギーに係る各条件は、形成される導体膜の酸化や焼成膜のアブレーション、ピーニングが起こらない範囲で適宜設定できる。レーザーの照射径(ビーム径)は描画するパターンや模様にあわせて適宜設定できるが、10μm〜10mmが好適である。走査速度は、その他のパラメータや必要精度、製造能力等に応じて適宜設定できる。
レーザー照射を行う雰囲気は、形成される導体膜の酸化を抑制するため、不活性ガス雰囲気が好ましい。具体的には、窒素ガス含有雰囲気下において、赤外域の波長の連続波レーザー光を、1〜500mm/秒の走査速度で、1〜140Wの出力範囲で照射することが好ましい。このとき、銅微粒子を緻密に焼結させ体積抵抗率を充分に低減させるために、レーザー光を照射した部分の温度が300〜500℃、より好ましくは300〜400℃となるようレーザー照射条件を調整する。
加熱時間は、加熱温度に応じて、銅微粒子を緻密に焼結させ体積抵抗率を充分に低減させて導体膜が形成できる時間を設定すればよい。
焼成膜を前記した温度で加熱するためには、レーザー光の出力は5〜100Wがより好ましく、5〜50Wがさらに好ましい。走査速度は0.3〜20mm/秒がより好ましい。このようなレーザー加熱工程により焼成膜が300〜500℃の高温で加熱されるため体積抵抗率10Ω・cm以下の導体膜を形成できる。
焼成膜を前記した温度で加熱するためには、レーザー光の出力は5〜100Wがより好ましく、5〜50Wがさらに好ましい。走査速度は0.3〜20mm/秒がより好ましい。このようなレーザー加熱工程により焼成膜が300〜500℃の高温で加熱されるため体積抵抗率10Ω・cm以下の導体膜を形成できる。
上記したレーザー加熱工程により、基材への熱影響を最小限とし、特に低耐熱性基材であるPET、PEN等のプラスチックを用いた場合にも、焼成膜のみを高温で加熱できる。また、レーザー照射により300℃以上で加熱するため、充分に体積抵抗率を低減させた導体膜を形成できる。
本実施形態において、製造される導体膜の厚さは、0.3〜2.0μmが好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。例1、2は実施例であり、例3は比較例である。実施例および比較例における微粒子の同定、微粒子の平均粒子径の測定、導体膜の厚さの測定、導体膜の体積抵抗率の測定の各方法を、それぞれ以下に示す。
[微粒子の同定]
微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、装置名:RINT2500)を使用して行った。
微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、装置名:RINT2500)を使用して行った。
[微粒子の平均粒子径]
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:H−9000)または走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して平均粒子径を求めた。
[導体膜の厚さ]
接触式膜厚測定装置(Veeco社製、装置名:DEKTAK150)を使用して測定した。
[導体膜の体積抵抗率]
四探針式抵抗計(三菱油化社製、装置名:ロレスタGP MCP−T610)を使用して、導体膜の表面抵抗値を測定した。測定された表面抵抗値に導体膜の厚さを乗じて、体積抵抗率を求めた。
[光吸収率の測定]
紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、装置名:U−4100型)を用いて焼成膜の波長300〜1000nmにおける光透過率および光反射率を測定し、光吸収率を算出した。
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:H−9000)または走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名:S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して平均粒子径を求めた。
[導体膜の厚さ]
接触式膜厚測定装置(Veeco社製、装置名:DEKTAK150)を使用して測定した。
[導体膜の体積抵抗率]
四探針式抵抗計(三菱油化社製、装置名:ロレスタGP MCP−T610)を使用して、導体膜の表面抵抗値を測定した。測定された表面抵抗値に導体膜の厚さを乗じて、体積抵抗率を求めた。
[光吸収率の測定]
紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、装置名:U−4100型)を用いて焼成膜の波長300〜1000nmにおける光透過率および光反射率を測定し、光吸収率を算出した。
(導電インクの製造)
ガラス容器に、トルエン300gと、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物30g、およびアルキルアミンとしてn−ヘプチルアミン(沸点157℃)15gを加えて撹拌した。次いで、ヒドリド系還元剤であるNaBH4の4.5gを添加し、撹拌することによって、微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
得られた分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は4質量%であった。
ガラス容器に、トルエン300gと、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物30g、およびアルキルアミンとしてn−ヘプチルアミン(沸点157℃)15gを加えて撹拌した。次いで、ヒドリド系還元剤であるNaBH4の4.5gを添加し、撹拌することによって、微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
得られた分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は4質量%であった。
次いで、得られた水素化銅微粒子分散液を減圧濃縮し、α−テルピネオールを添加して粘度を調節し、導電インクを得た。得られた導電インクの水素化銅微粒子固形分濃度は30質量%であった。
[例1]
基材としてPETフィルムを用いた。上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.5μm、体積抵抗率は20μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率を図1に示す。図1より、波長300nm〜1000nmにおける光吸収率は40%以上であることが分かる。
前記で得られた焼成膜上を300℃以上で加熱するために、窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は7μΩ・cmであった。
基材としてPETフィルムを用いた。上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.5μm、体積抵抗率は20μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率を図1に示す。図1より、波長300nm〜1000nmにおける光吸収率は40%以上であることが分かる。
前記で得られた焼成膜上を300℃以上で加熱するために、窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は7μΩ・cmであった。
[例2]
上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、真空中、100℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.6μm、体積抵抗率は55μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率は図1と同じであった。図1より、波長300〜1000nmにおける光吸収率は40%以上であった。前記で得られた焼成膜を300℃以上で加熱するために、窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は5μΩ・cmであった。
上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、真空中、100℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.6μm、体積抵抗率は55μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率は図1と同じであった。図1より、波長300〜1000nmにおける光吸収率は40%以上であった。前記で得られた焼成膜を300℃以上で加熱するために、窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は5μΩ・cmであった。
[例3]
上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、窒素に3容量%の水素を混合した雰囲気下、120℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.5μm、体積抵抗率は15μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率を図2に示す。波長600〜1000nmにおける光吸収率は40%以下であった。前記で得られた焼成膜を窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は15μΩ・cmであった。
上記の導電インクを使用し、産業用インクジェットプリンタ(富士フィルムグラフィックシステム社製、装置名:DMP2813)により、PET基材上に長さ5cm、幅5mmとなるよう配線パターンを印刷した。印刷後のPET基材を、窒素に3容量%の水素を混合した雰囲気下、120℃で1時間加熱し、焼成膜の形成されたPET基材を得た。得られた焼成膜の厚さは0.5μm、体積抵抗率は15μΩ・cmであった。
得られた焼成膜の光吸収率を図2に示す。波長600〜1000nmにおける光吸収率は40%以下であった。前記で得られた焼成膜を窒素雰囲気下で、半導体レーザー(浜松ホトニクス社製、装置名:L10402-72、波長:808nm、ビーム径:1.75×5.58mm、照射出力:5W)を用い、走査速度1mm/秒でレーザー照射を行った。レーザー照射後の導体膜の体積抵抗率は15μΩ・cmであった。
例1、例2では、焼成膜の波長300〜1000nmにおける光吸収率は40%以上であり、この焼成膜に波長808nmのレーザー光を照射して加熱することで温度は300℃以上となり、充分に体積抵抗率が低減できたことが分かる。一方、例3では、焼成膜の波長600〜1000nmにおける光吸収率は40%以下であり、波長808nmのレーザー光を照射しても焼成膜は加熱されず、体積抵抗率が充分低減できていないことが分かる。
また、本発明の導体付き基材の製造方法によれば、PET、PEN等の耐熱性が低い基材を使用する場合でも体積抵抗率の小さい導体膜を製造でき、この導体膜が形成された基材は、信頼性の高い配線基板として好適に用いられる。
Claims (5)
- 基材を準備する工程と、
前記基材上に、平均一次粒子径が5〜100nmの、水素化銅微粒子または銅微粒子を含む導電インクの塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を100〜200℃で加熱して焼成膜を形成する工程と、
前記焼成膜をレーザー光の照射により300〜500℃で加熱する工程とを備えることを特徴とする導体膜の製造方法。 - 前記焼成膜の光吸収率は、波長300〜1000nmにおいて40〜100%である請求項1記載の導体膜の製造方法。
- 前記導体膜は、銅微粒子を連接して含む請求項1または2記載の導体膜の製造方法。
- 前記導体膜は、ホウ素、ナトリウムおよび炭素を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の導体膜の製造方法。
- 前記導電インクは、
非水溶性の有機溶媒に、沸点が250℃以下で炭素数7以上のアルキル基を有するアルキルアミンと、一次粒子径が5〜80nmの水素化銅微粒子または銅微粒子が分散し、表面張力が25〜40dyn/cm、20℃での粘度が8〜40mPa・sである請求項1〜4のいずれか1項記載の導体膜の製造方法。
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