JP2015110926A - ロータ回転治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ回転治具6は、軸線Oに対して直角であってかつ軸線Oを中心とした環状の第一の面240が形成され、軸線Oに対して径方向へ突出する環状部24を有するロータと、第一の面240と軸線Oが延びる軸線O方向で対向する第二の面521が形成された対向部52を有するステータと、を備える回転機械の前記ロータを該ステータに対して軸線Oを中心に回転させるロータ回転治具6において、第一の面240に取付けられるピン7と、第二の面521に固定され、前記ロータの周方向にピン7を押圧する押圧手段8と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明の第一の態様に係るロータ回転治具は、軸線に対して直角であってかつ前記軸線を中心とした環状の第一の面が形成され、前記軸線に対して径方向へ突出する環状部を有するロータと、前記第一の面と前記ロータの軸線方向で対向する第二の面が形成された対向部を有するステータと、を備える回転機械の前記ロータを該ステータに対して前記軸線を中心に回転させるロータ回転治具において、前記第一の面に取り付けられるピンと、前記第二の面に固定され、前記ロータの周方向に前記ピンを押圧する押圧手段と、を備える。
そして、互いに近接した位置にピンと押圧手段とを設置できる。加えて、ロータ回転治具をピンと押圧手段とによって簡易に構成している。そのため、ロータ回転治具自体を小さくすることができる。
さらに、近接した位置にピンと押圧手段とを設置することで、押圧手段がピンを押圧するために必要なストローク量を小さくできる。また、ロータを回転させる回転角度の微小なコントロールも容易になり、任意の回転角度で回転させることができる。これにより、ロータを据え付ける場合等のように、ロータ同士を固定するボルトの位置合わせ等が容易になる。
さらに、押圧手段を座とアクチュエータとに分けて構成していることで、それぞれを個別に取り換えることができ、故障した場合等の交換作業の負担を軽減できる。
また、アクチュエータの本体部に対する取り付け位置を調整することができ、ピンに対する位置を容易に調整できる。即ち、ピンを押圧しやすい位置となるようにピンに対して近づけるようアクチュエータの位置を調整することができる。したがって、押圧手段であるアクチュエータによってピンを精度良く押圧することができ、ロータを回転させる回転角度の微調整を容易に行うことができる。
なお、ここでいうピンの受け面とは、ピンの受け面とアクチュエータとが、ピンが押圧される方向に対して垂直な方向に摺動するように形成されたものであればよい。
また、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが押圧する力を、ピンに精度高く伝達することできる。そのため、アクチュエータによってピンを押圧する力の調整が容易となる。これにより、ロータを回転させる回転角度の調整をより精度高く容易に行うことができる。
さらに、アクチュエータは第二の面に固定された状態であるので、アクチュエータによるピンの押圧方向はある一点におけるロータの周方向若しくは接線方向の一定方向である。そして、受け面を有するピンが押圧される向きは一定であるが、ピンの挿入部がロータの第一の穴に対して摺動回転するので、ロータが回転しても、ピンの受け面をアクチュエータの押圧部に対して向けた状態で維持し続けることができる。ピンの受け面をアクチュエータに対して向けた状態を維持したまま押せるので、ロータをスムーズに回転させることができる。そのため、受け面を常にアクチュエータに対向するよう配置して移動させることができる。そして、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが受け面を押圧する位置が中心からずれたとしても、ピンの軸線から外れなければ、ピンを押し続けて安定してロータを回転させることができる。
また、ピンの挿入部は第一の穴に対して回転摺動する大きさであるため、第一の穴が形成される環状部の第一の面に対して容易にピンを着脱させることができる。これにより、アクチュエータによって押圧して、ロータを回転させた場合でも、ピンを取り外して他の第一の穴に挿入することが容易となる。これにより、ピンを第一の穴に対して取り付けたり取り外したりすることで、ロータを連続して任意の角度だけ回転させることができる。
また、アクチュエータによって押圧されるピンが、押圧されている途中で、第一の穴に挿入されてしまい、ピンの軸線に沿って受け面がずれてしまうことを防止できる。
また、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが押圧する力を、ピンに精度高く伝達することできる。そのため、アクチュエータによってピンを押圧する力の調整が容易となる。これにより、ロータを回転させる回転角度の調整をより精度高く容易に行うことができる。
さらに、アクチュエータは固定された状態であるので、アクチュエータによるピンの押圧方向はある一点におけるロータの周方向若しくは接線方向の一定方向である。そして、受け面を有するピンが押圧される向きは一定であるが、ピンの挿入部がロータの穴に対して摺動回転するので、ロータが回転しても、ピンの受け面をアクチュエータの押圧部に対して向けた状態で維持し続けることができる。ピンの受け面をアクチュエータに対して向けた状態を維持したまま押せるので、ロータをスムーズに回転させることができる。そのため、受け面を常にアクチュエータに対向するよう移動させることができる。そして、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが受け面を押圧する位置が中心からずれても、ピンの軸線から外れなければ、ピンを押し続けて安定してロータを回転させることができる。
また、ピンが第一の穴に対して回転摺動する挿入部を有することで、ピンを環状部の第一の面に対して容易に着脱させることができる。これにより、アクチュエータによって押圧して、ロータを回転させた場合でも、ピンを取り外して他の第一の穴に挿入することが容易となる。これにより、ピンを第一の穴に対して取り付けたり取り外したりすることで、連続してロータを容易に回転させることができる。
また、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが押圧する力を、ピンに精度高く伝達することできる。そのため、アクチュエータによってピンを押圧する力の調整が容易となる。これにより、ロータを回転させる回転角度の調整をより精度高く容易に行うことができる。
さらに、アクチュエータは第二の面に固定された状態であるので、アクチュエータによるピンの押圧方向はある一点におけるロータの周方向若しくは接線方向の一定方向である。そして、受け面を有するピンが押圧される向きは一定であるが、ピンの挿入部がロータの穴に対して摺動回転するので、ロータが回転しても、ピンの受け面をアクチュエータの押圧部に対して向けた状態で維持し続けることができる。ピンの受け面をアクチュエータに対して向けた状態を維持したまま押せるので、ロータをスムーズに回転させることができる。そのため、受け面を常にアクチュエータに対向するよう移動させることができる。そして、アクチュエータと受け面とを面接触させて押圧することで、アクチュエータが受け面を押圧する位置が中心からずれても、ピンの軸線から外れなければ、ピンを押し続けて安定してロータを回転させることができる。
また、ピンが第一の穴に対して回転摺動する挿入部を有することで、ピンを環状部の第一の面に対して容易に着脱させることができる。これにより、アクチュエータによって押圧して、ロータを回転させた場合でも、ピンを取り外して他の第一の穴に挿入することが容易となる。これにより、ピンを第一の穴に対して取り付けたり取り外したりすることで、連続してロータを容易に回転させることができる。
まず、本実施形態のロータ回転治具が適用される回転機械について説明する。本実施形態で用いられる回転機械は、図1に示すように、ガスタービン1である。
圧縮機2は、圧縮機ケーシング21と、圧縮機ケーシング21内で軸線Oを中心に回転する圧縮機ロータ22とを備えている。
圧縮機ケーシング21は、吸気側に吸気ダクト21aが形成されている。吸気ダクト21aは、後述する軸受装置5や圧縮機ロータ22の環状部24を径方向の外側から周方向にわたって覆うように配置されている。
圧縮機ロータ22とタービンロータ42とは互いに連結されて、これらが一体となってガスタービンロータ10を構成している。
また、圧縮機ケーシング21やタービンケーシング41は後述する軸受装置5とともにガスタービン1のステータの一部を構成している。
軸受装置5は、ロータ本体23の環状部24側に配置されている。軸受装置5は、ステータの一部である。軸受装置5は、圧縮機ロータ22を回転可能に支持する軸受本体部51と、軸受本体部51を外側から覆うように配置される対向部52とを有している。
対向部52は、図2から図6に示すように、軸受装置5の一部であって、軸受本体部51を内部に収容して外部から覆う軸受装置5の外装部品である。対向部52は、環状部24の第一の面240と軸線O方向で対向する第二の面521が形成されている。本実施形態における対向部52は、例えば、軸線Oの径方向の外側から軸受本体部51を覆う外装部品の本体である有底円筒状部材と、軸線Oの他方側(図1紙面左方向)である環状部24側から有底円筒状部材の開口を閉塞する外装部品の一部である蓋部材とを有している。即ち、軸受本体部51を有底円筒状部材と蓋部材とによって覆うことで外装部材を構成している。そして、対向部52は、有底円筒状部材に蓋部材を固定する締結部材522を有している。対向部52は、例えば、鋳造によって製造され、表面が凹凸形状となっている。
なお、ここでいうピン7の受け面72aとは、ピン7の受け面72aとアクチュエータ82とが、ピン7が押圧される方向に対して垂直な方向に摺動するように形成されたものであればよい。
鍔部73は、挿入部71と受け部72との間に円柱形状に形成されている。鍔部73は、第一の穴240aの内径寸法D1よりも大きい外径寸法D2をなしている。
ケーシング部本体821aは、ケーシング部本体821aは、座81の本体部812と直交する方向である軸線Oに対して垂直方向に有底円筒状をなして延在している。ケーシング部本体821aは、ピン7が配置されている側に開口を向けて取り付けられている。
押圧部822bは、ロッド部822の延在方向のピン7側の先端部分で、ロッド部822が油圧によって軸線Oに対して垂直方向である水平方向に移動した場合に、ピン7の受け部72と接する部分である。押圧部822bは、ロッド部本体822aと同軸を中心とする円板状をなしている。押圧部822bは、ロッド部822の延在方向のピン7側の先端部分で、ロッド部本体822aと一体に形成されている。
上記のような実施形態のロータ回転治具6では、図2から図6に示すように、ステータの一部である軸受装置5の対向部52に押圧手段8を取り付ける。
押圧手段8の座81は、対向部52の第二の穴521aに取り付けられている締結部材522を取り付け部材83として利用することで取り付けられる。具体的には、ロータ回転治具6の座81を取り付ける位置に対応する周方向に隣接する三カ所の対向部52の第二の穴521aから、すでに取り付けられていた締結部材522であるボルトを抜き取る。その後、座81を配置後に、締結部材522であるボルトを座81の固定孔部811bに挿通させつつ、再び第二の穴521aに挿入する。これにより、締結部材522を取り付け部材83として利用して、座81を対向部52に固定している。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態のロータ回転治具6は、ピン7の形状及び押圧手段8の構成について第一実施形態と相違する。
曲面ピン700は、図8及び図9に示すように、第一実施形態と同様に、第一の面240に形成された第一の穴240aに挿入されて取り付けられている。具体的には、曲面ピン700は、第一実施形態と同様に第一の穴240aに挿入される挿入部71と、挿入部71と受け部72との間に形成される鍔部73とを有している。曲面ピン700は、受け部72についてピン7と相違し、曲面受け部720を有している。
即ち、第一変形例は、図10に示すように、受け面72aに窪み穴72cが複数形成される第一変形ピン7bであってもよい。
第一変形ピン7bは、受け面72aに複数の凹部である窪み穴72cが形成された第一変形受け部72bを有している。
窪み穴72cは、受け面72aから半球状をなして窪んで複数形成されている。
即ち、第二変形例は、図11に示すように、曲面受け面720aの代わりにV字状に凹む第二変形受け面721aが形成される第二変形受け部721を有する第二変形ピン701であってもよい。
なお、第二変形例では、第二実施形態における曲面押圧部852aも、第二変形受け面721aの形状に合わせて頂面の形状が形成された第二変形押圧部862aを用いている。
また、ステータとしては、軸受装置5に限定されるものではなく、例えば、圧縮機2の圧縮機ケーシング21や、タービン4のタービンケーシング41等を利用しても良い。
さらに、ロッド部822の移動する方向である軸線Oに対して垂直方向とは、水平方向に限定されるものではなく、軸線Oの径方向に対して直交する方向である圧縮機ロータ22の垂線方向や、軸線Oを通過して直交する方向であってもよい。即ち、圧縮機ロータ22等のロータの周方向である接線方向であればよい。なお、ここでいうロータの周方向とは、多少のずれが許容されピン7が押圧されることで、ロータを回転させることが可能な方向であればよい。
また、ロータ回転治具6は、ロータとして圧縮機ロータ22単体を回転させることに限定されるものではない。例えば、圧縮機ロータ22が、発電機ロータ11やタービンロータ42と環状部24のような継手部で接続されている場合、これらの他のロータと接続させたまま、全てのロータを一体として回転させてもよい。
Claims (9)
- 軸線に対して直角であってかつ前記軸線を中心とした環状の第一の面が形成され、前記軸線に対して径方向へ突出する環状部を有するロータと、
前記第一の面と前記ロータの軸線方向で対向する第二の面が形成された対向部を有するステータと、を備える回転機械の前記ロータを該ステータに対して前記軸線を中心に回転させるロータ回転治具において、
前記第一の面に取り付けられるピンと、
前記第二の面に固定され、前記ロータの周方向に前記ピンを押圧する押圧手段と、を備えるロータ回転治具。 - 前記対向部は、前記ロータを回転可能に支持する軸受装置の一部であって、前記第二の面から前記ロータの前記軸線方向に凹む第二の穴が形成され、
前記押圧手段は、前記ピンを押圧するアクチュエータと、
前記アクチュエータを前記第二の面に固定する座と、を有し、
前記座は、前記アクチュエータが固定される本体部と、
前記第二の穴を利用して前記第二の面に固定される固定部と、
を有する請求項1に記載のロータ回転治具。 - 前記固定部と前記第二の面との間に介在して前記固定部と前記第二の面とを離間して固定させ、
前記第二の面に機械加工によって形成された第一の加工面に接する間隙保持手段を備える請求項2に記載のロータ回転治具。 - 前記アクチュエータによって前記ピンが押圧された際に、前記座は、前記固定部から前記第二の面に向けて突出して、前記第二の面に機械加工によって形成された第二の加工面に、該座の形状を維持するよう接する突出部を有する請求項3に記載のロータ回転治具。
- 前記第二の穴は、前記軸線を中心として周方向に複数形成され、
前記第二の加工面は、前記第二の穴の位置よりも前記軸線の径方向外側に形成され、かつ、前記アクチュエータのストローク方向において、前記アクチュエータと前記本体部との固定位置を基準として前記ピンと反対側に形成される請求項4に記載のロータ回転治具。 - 前記ピンは、前記第一の面から前記ロータの前記軸線方向に凹んで形成された第一の穴に挿入され、前記ピンの軸線を中心として前記第一の穴に対して回転摺動する挿入部と、
前記挿入部から前記ピンの軸線方向に突出して形成される受け部と、を有し、
前記受け部は、前記ピンの前記軸線に対して平行な受け面が形成される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のロータ回転治具。 - 前記ピンは、前記第一の穴の内径寸法よりも大きい外径寸法をなし、前記挿入部と前記受け部との間に形成される鍔部を有する請求項6に記載のロータ回転治具。
- 軸線に対して直角であってかつ前記軸線を中心とした環状の第一の面が形成された前記軸線に対して径方向へ突出する環状部を有する回転機械のロータに取り付けられるピンであって、
前記第一の面から前記ロータの軸線方向に凹んで形成された第一の穴に挿入され、前記ピンの軸線を中心として前記第一の穴に対して回転摺動する挿入部と、
前記挿入部から前記ピンの軸線方向に突出して形成され、押圧手段によって押圧される受け面が形成される受け部と、を有し、
前記受け面は母線が集合することにより形成され、
前記母線は、前記ピンの前記軸線方向に垂直であって同一方向の線分であるピン。 - 軸線に対して直角であってかつ前記軸線を中心とした環状の第一の面が形成された前記軸線に対して径方向へ突出する環状部を有するロータを備える回転機械の該ロータをステータに対して前記軸線を中心に回転させるロータ回転治具において、
前記第一の面に取り付けられるピンと、
前記ロータの周方向に前記ピンを押圧する押圧手段と、を備え、
前記ピンは、前記第一の面から前記ロータの軸線方向に凹んで形成された第一の穴に挿入され、前記ピンの軸線を中心として前記第一の穴に対して回転摺動する挿入部と、
前記挿入部から前記ピンの軸線方向に突出して形成され、押圧手段によって押圧される受け面が形成される受け部と、を有し、
前記受け面は母線が集合することにより形成され、
前記母線は、前記ピンの前記軸線方向に垂直、かつ、前記押圧手段によって押圧される方向に垂直な線分であるロータ回転治具。
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