JP2015109598A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】画像の領域ごとに用紙に適した色変換プロファイルを適用しつつ、色変換処理を高速に実施できる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、印刷ジョブ取得手段１７０，１８０と、インタプリット手段１８０と、ラスタライズ手段１８０と、色変換手段１８０と、制御手段１８０と、を有する。インタプリット手段は、上記印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成する。色変換手段は、上記中間データを解析して上記オブジェクトまたはラスターデータを色変換する。制御手段は、上記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、上記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは上記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御する。
【選択図】図２

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。

書籍、雑誌、パンフレットなどの小冊子を開いたときに１つの画像が左右のページに跨って印刷されていることがある。たとえば、Ａ４サイズの小冊子にＡ３サイズの画像が左右のページに跨って印刷されている場合などである。

このような画像を印刷するために、１つの画像を２ページに跨って印刷する「見開き印刷機能」と呼ばれる機能を有するプリンター、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置が知られている。

一般に、このような機能を有する画像形成装置では、プリンター記述言語で記述された印刷ジョブをネットワーク上のクライアント端末から受信し、当該印刷ジョブに含まれる印刷データを色変換してラスタライズすることによりラスターデータを生成する。そして、ビットマップ化された見開き画像を２ページに分割し、小冊子に面付けすることにより、上記機能を実現している。

色変換処理では、色変換プロファイルを参照して、用紙に印刷される画像の色が適切な色となるようにＣＭＹＫ値が調整される。色変換プロファイルは、異なるデバイス間あるいは異なる記録媒体間における色表示を合せるために使用されるテーブルを有する。また、文字、線画、写真のいずれかの属性を有するオブジェクトを色変換してラスタライズすることにより、上記オブジェクトをラスタライズして生成されたラスターデータを色変換するよりも高速に色変換を実行できる。

ところが、小冊子の表紙がコート紙で本身が普通紙である場合など、表紙と本身で紙種や坪量が異なる場合、同じ色変換プロファイルを使用して印刷すると、コート紙に印刷された画像と普通紙に印刷された画像で色合いや光沢が異なることがある。一般に、このような不具合に対処するため、異なる紙種や坪量の用紙でも色合いや光沢が同じになるように、コート紙および普通紙のそれぞれの用紙に適した色変換プロファイルが適用される。

しかしながら、１つの画像を見開きで印刷する場合は、当該１つの画像を色変換してラスタライズした後に、ビットマップ化された見開き画像を２ページに分割し、分割された画像を左右のページに面付けして印刷することになる。このため、左右のページが各々コート紙および普通紙である場合に、色変換処理に適用できるのはコート紙用の色変換プロファイルか普通紙用の色変換プロファイルのいずれかとなる。その結果、各々の用紙に適した色変換プロファイルを適用できないという問題が生じる。

これに対して、コート紙用の色変換プロファイルで色変換してラスタライズすることに加えて、普通紙用の色変換プロファイルで色変換してラスタライズして、生成された２つの見開き画像から必要な領域を切り出して左右のページに面付けする方法が考えられる。しかし、この方法ではラスタライズ処理を２回実施することになるため、ラスターデータの生成に時間がかかり、効率が悪いという問題がある。

これに関連して、下記特許文献１には、オブジェクトをラスタライズして生成されたラスターデータの画素ごとに色変換処理などの画像処理を実施する印刷制御プログラムが開示されている。しかし、特許文献１の印刷制御プログラムでは、全ての画素について無条件で画素ごとに色変換するので、各々の画素に対して適切な色変換プロファイルで色変換できる利点があるものの、とくに画像が大きい場合は処理時間が長くなるという問題がある。

特開２００８−２１１５１０号公報

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、画像の領域ごとに用紙に適した色変換プロファイルを適用しつつ、色変換処理を高速に実施できる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することである。

本発明の上記目的は、下記によって達成される。

（１）印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得手段と、前記印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成するインタプリット手段と、前記オブジェクトをラスタライズしてラスターデータを生成するラスタライズ手段と、前記中間データを解析して前記オブジェクトまたは前記ラスターデータを色変換する色変換手段と、制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御する、画像処理装置。

（２）前記制御手段は、前記オブジェクトを色変換してラスタライズする場合に、前記位置に基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする上記（１）に記載の画像処理装置。

（３）前記制御手段は、前記ラスターデータによって表現される各々の画素がどのようなオブジェクトであるかについての情報を記憶するタグビットを有し、前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されるラスターデータを色変換する場合に、ラスタライズ後に色変換する旨の情報を前記画素の位置に対応するタグビットに設定することを特徴とする上記（１）に記載の画像処理装置。

（４）前記制御手段は、ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されているタグビットに対応する前記画素の位置に基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする上記（３）に記載の画像処理装置。

（５）前記印刷ジョブは、印刷設定情報を含み、前記制御手段は、前記位置と前記印刷設定情報とに基づいて前記オブジェクトが印刷される位置の用紙の状態を判断し、当該用紙の状態に基づいて、前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御することを特徴とする上記（１）〜（４）のいずれか１つに記載の画像処理装置。

（６）前記印刷設定情報は、印刷に使用される用紙の紙種および坪量に関する情報を含むことを特徴とする上記（５）に記載の画像処理装置。

（７）前記制御手段は、冊子状に面付けしたときに隣り合う左右のページに１つの画像が印刷される見開きページを前記印刷データが含み、かつ当該見開きページの左右のページに対する最適な色変換プロファイルが互いに異なる場合において、前記印刷データに含まれる各々のオブジェクトについて、当該オブジェクトが印刷される位置および前記オブジェクトのサイズに基づいて、前記オブジェクトが見開きページの左右のページを跨いで印刷されるか否かを判断し、前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨がないで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトを色変換してラスタライズする一方で、前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨いで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するように制御することを特徴とする上記（６）に記載の画像処理装置。

（８）前記制御手段は、前記左右のページのうちのどちらに印刷されるかに基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする上記（７）に記載の画像処理装置。

（９）印刷ジョブを取得する段階と、前記印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成する段階と、判断する段階と、を有し、前記判断する段階では、前記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを判断する、画像処理方法。

（１０）前記オブジェクトを色変換してラスタライズする段階をさらに有し、前記位置に基づいて、色変換プロファイルが選択されることを特徴とする上記（９）に記載の画像処理方法。

（１１）前記オブジェクトをラスタライズしてラスターデータを生成する段階をさらに有し、前記ラスターデータの画素の位置に対応するタグビットに、ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されることを特徴とする上記（９）に記載の画像処理方法。

（１２）前記ラスターデータを色変換する段階をさらに有し、前記ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されているタグビットに対応する前記画素の位置に基づいて、色変換プロファイルが選択されることを特徴とする上記（１１）に記載の画像処理方法。

（１３）前記判断する段階では、冊子状に面付けしたときに隣り合う左右のページに１つの画像が印刷される見開きページを前記印刷データが含み、かつ当該見開きページの左右のページに対する最適な色変換プロファイルが互いに異なる場合において、前記印刷データに含まれる各々のオブジェクトについて、当該オブジェクトが印刷される位置および前記オブジェクトのサイズに基づいて、前記オブジェクトが見開きページの左右のページを跨いで印刷されるか否かを判断し、前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨がないで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトを色変換してラスタライズすると判断し、前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨いで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換すると判断することを特徴とする上記（９）〜（１２）のいずれか１つに記載の画像処理方法。

（１４）画像処理装置に上記（９）〜（１３）のいずれか１つに記載の画像処理方法を実行させるように構成される、画像処理プログラム。

（１５）上記１４に記載の画像処理プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

本発明によれば、オブジェクトごとに色変換できる領域についてはオブジェクトごとに色変換し、オブジェクトごとに色変換できない残りの領域については画素ごとに色変換する。したがって、用紙に適した色変換プロファイルを適用しつつ、色変換処理を高速に実施できる。

本発明の一実施形態の画像処理装置の一例を示す正面図である。 図１に示すクライアント端末の概略構成図である。 本発明の一実施形態の見開き印刷機能について説明するための図である。 本発明の一実施形態の小冊子面付けについて説明するための図である。 図１に示す画像形成装置の概略構成図である。 図５に示すプリンターコントローラーの概略構成図である。 本発明の一実施形態における画像処理方法の処理手順の概略を説明するためのメインフローチャートである。 本発明の一実施形態のタグビットの一例を示す図である。 本発明の一実施形態の画像処理方法におけるインタプリット処理を説明するためのサブルーチンフローチャートである。 本発明の一実施形態において紙種に応じて色変換プロファイルを適用することについて説明するための模式図である。 本発明の一実施形態における画像処理方法におけるラスタライズ処理を説明するためのサブルーチンフローチャートである。 本発明の一実施形態における色変換プロファイルの適用例を示す図である。 本発明の一実施形態のタグビットに色変換未を設定した領域を例示する図である。 本発明の一実施形態の画像処理方法におけるラスタライズ後の色変換処理を説明するためのサブルーチンフローチャートである。 本発明の一実施形態のラスタライズ後の色変換処理でコート紙用の色変換プロファイルを適用した領域を例示する図である。 本発明の一実施形態のラスタライズ後の色変換処理で普通紙用の色変換プロファイルを適用した領域を例示する図である。

以下、添付した図面を参照して本発明の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムの実施形態を説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。

（実施形態）
図１は本発明の一実施形態における画像形成システムの概略構成図であり、図２は図１に示すクライアント端末の概略構成図である。また。図３は本実施形態の見開き印刷機能について説明するための図であり、図４は本実施形態の小冊子面付けについて説明するための図である。また、図５は図１に示す画像形成装置の概略構成図であり、図６は図５に示すプリンターコントローラーの概略構成図である。

図１に示すように、本実施形態の画像形成システムＡは、クライアント端末１００および画像形成装置２００を有する。クライアント端末１００と画像形成装置２００とはネットワーク３００を介して相互に通信可能に接続されている。なお、図１では、２台のクライアント端末１００と１台の画像形成装置２００がネットワーク３００を介して接続されている場合について説明しているが、クライアント端末１００と画像形成装置２００の台数は、上記の場合に限定されない。

クライアント端末１００は、たとえばパーソナルコンピューター、ワークステーション、携帯情報端末などでありうる。画像形成装置２００は、たとえばプリンター、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの機器の機能を兼ね備えた複合機などでありうる。ネットワーク３００は、イーサネット（登録商標）、トークンリング、ＦＤＤＩなどの規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したＬＡＮ、あるいはＬＡＮ同士を専用線で接続したＷＡＮなどを含む。

クライアント端末１００は、印刷ジョブを生成して、画像形成装置２００に送信する。印刷ジョブは、画像形成装置２００によって印刷される画像データを含む。図２に示すように、クライアント端末１００は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１０、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）２０、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３０、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４０、ネットワークＩ／Ｆ（ＩｎｔｅｒＦａｃｅ）５０、操作部６０および表示部７０を有する。これらの各構成要素は、内部バス８０を介して相互に通信可能に接続されている。

ＣＰＵ１０は、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）１上でアプリケーションプログラム２およびプリンタードライバー３を実行して、印刷ジョブを生成し、画像形成装置２００に送信する。アプリケーションプログラム２およびプリンタードライバー３は、大容量の記憶装置であるハードディスクドライブＨＤＤ２０に予め格納されており、ＣＰＵ１０が実行する際に揮発性の記憶装置であるＲＡＭ３０に転送される。ＲＯＭ４０は、ＣＰＵ１０がソフトウェアプログラムを実行する際に参照する各種パラメーターやデータを記憶している。

プリンタードライバー３は、アプリケーションプログラム２の指示に基づいて、印刷ジョブを生成する。本実施形態では、アプリケーションプログラム２は、たとえば文書作成ソフトウェアである。

印刷ジョブは、印刷データおよびジョブチケットを含む。印刷データは、用紙に印刷するための少なくとも１ページの画像データを含み、印刷データの各ページは、少なくとも１つの描画オブジェクト（以下、オブジェクトを称する）を含む。なお、印刷ジョブは、ネットワークＩ／Ｆ５０を介して画像形成装置２００に送信される。

ジョブチケットは、画像を印刷する際の出力方法に関する指示情報であり、印刷する各ページに関する印刷設定情報を含む。印刷設定情報は、たとえばページ番号、ページサイズ（主走査方向サイズおよび副走査方向サイズ）、ページ解像度、紙種、フィニッシングに関する情報などをページごとに含む。また、本実施形態では、印刷設定情報は、小冊子面付けで印刷するための設定および見開き印刷設定を含む。見開き印刷設定は、本実施形態の見開き印刷機能を有効にするか否かを設定する。見開き印刷設定をオンにすると、見開き印刷機能が有効になり、見開き印刷設定をオフにすると、見開き印刷機能が無効になる。

たとえば、図３に示すように、見開き印刷機能を使用すると、冊子を開いたときに１つの画像を左右のページに跨って印刷することができる。図３に示す例では、ショッピングモールのフロアマップが左右のページに跨って印刷されている。

図４に示すように、印刷データがＡ４サイズの表表紙（Ｐ１）と、同じくＡ４サイズの裏表紙（Ｐ８）と、Ａ３サイズの本身（Ｐ２〜Ｐ７）の画像データからなる場合、Ａ３サイズの本身はラスタライズ処理の後に各々Ａ４サイズ２ページの見開き画像に分割される。そして、Ａ４サイズの表表紙、裏表紙および本身の合計８ページの印刷画像が小冊子面付けされて印刷される。このように、小冊子面付けすることにより、ユーザーは、小冊子の表表紙を開いたときに、Ａ４サイズのＰ２とＰ３に跨って印刷されたＡ３サイズの画像を見ることができる。同様に、Ｐ３をめくるとＰ４とＰ５に跨って印刷されたＡ３サイズの画像を見ることができる。

印刷データは、データファイルおよびレイアウトファイルを含む。データファイルとしては、ＰＳ（ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ（登録商標））、ＰＤＦ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｏｒｍａｔ）、ＰＣＬ（Ｐｒｉｎｔｅｒ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｌａｎｇｕａｇｅ）、およびＸＰＳ（ＸＭＬ Ｐａｐｅｒ Ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ）などのページ記述言語で記述されたファイルが使用される。また、レイアウトファイルには、ＰＳで記述されたオブジェクトが定義されている。

ＨＤＤ２０は、上記アプリケーションプログラム２およびプリンタードライバー３に加えて、各種のプログラムおよびパラメーターを格納する。また、ＲＡＭ３０は、上記アプリケーションプログラム２およびプリンタードライバー３を実行する際にＣＰＵ１０が演算した演算結果などを保存する。

ネットワークＩ／Ｆ５０は、ネットワーク３００を経由して画像形成装置２００に接続し、クライアント端末１００と画像形成装置２００との間においてデータの送受信を実行する。

操作部６０は、ユーザー入力を受け付けて、ＣＰＵ１０に伝達する。操作部６０は、たとえばキーボード、マウスなどのポインティングデバイスを有し、ユーザーからの文字、各種設定、各種指示を受け付ける。

表示部７０は、ユーザー入力の受け付け画面、プレビュー画面、処理結果などの各種情報を表示する。表示部７０は、たとえば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレなどを備える。

次に、図５を参照して、本実施形態の画像形成装置２００について説明する。画像形成装置２００は、ＡＤＦ１１０、画像読取部１２０、画像処理部１３０、画像形成部１４０、操作部１５０、表示部１６０、ネットワークＩ／Ｆ１７０およびプリンターコントローラー（以下、「コントローラー」と称する）１８０を有する。コントローラー１８０は、画像処理装置として機能する。これらの構成要素は、配線１９０によって電気的に接続されている。

ＡＤＦ１１０は、原稿台の原稿用紙を自動的に画像読取部１２０へ供給する。原稿台には単数もしくは複数枚の原稿用紙を載置することができ、原稿用紙は、原稿台から自動的に画像読取部１２０へ１枚ずつ供給される。

画像読取部１２０は、原稿を光学的に読取り、画像データ信号を生成する。画像読取部１２０は、光源、光学系、イメージセンサー、およびアナログ・ディジタル変換回路を有する。画像読取部１２０において、光源は、（Ｒ，Ｇ，Ｂ）各色の光を原稿に順次照射する。光学系は、複数のミラーおよび結像レンズを有しており、原稿からの反射光は光学系のミラーおよび結像レンズを通じてイメージセンサーに結像される。イメージセンサーは、（Ｒ，Ｇ，Ｂ）各色に対応する反射光をラインごとに読取り、原稿からの反射光強度に応じて電気信号を生成する。生成された電気信号は、アナログ・ディジタル変換回路において、アナログ信号からディジタル信号に変換され画像データとして、画像処理部１３０に伝達される。

画像処理部１３０は、画像読取部１２０で生成された画像データに対して各種の画像処理を実施する。当該画像処理としては、たとえば、シェーディング補正、γ補正、ライン間補正、色ずれ補正、拡大・縮小処理などが挙げられる。画像処理部１３０で画像処理された画像データは印刷画像データとして画像形成部１４０に伝達される。

画像形成部１４０は、電子写真プロセス、静電記録方式などで画像を形成し、形成された画像を記録媒体としての用紙に定着する。具体的には、画像形成部１４０は、ＨＤＤ１８２およびＲＡＭ１８３（図６を参照）に記憶された印刷画像データに基づいて、レーザ、ＬＥＤなどの発光素子で感光体に光を当てて静電潜像を形成する。そして、感光体を帯電させ、上記静電潜像にトナーを付着させたのち用紙に転写する。当該用紙は、用紙供給部（不図示）によって給紙され、用紙搬送部（不図示）によって画像形成部１４０に搬送される。転写された上記用紙は、搬送ベルトで定着器（不図示）に搬送され、上記用紙に転写されたトナーを加熱および加圧することにより溶着する。トナーが溶着されて画像が形成された上記用紙は、排紙トレーによって画像形成装置２００の外部に排出される。

操作部１５０は、ユーザー入力を受け付けて、コントローラー１８０に伝達する。操作部１５０は、たとえばテンキー、タッチパネルなどの入力デバイスを有し、ユーザーからの各種設定、各種指示を受け付ける。

表示部１６０は、ユーザー入力の受け付け画面、処理結果などの各種情報を表示する。表示部１６０は、たとえば液晶ディスプレイなどを備える。液晶ディスプレイとタッチパネルは、タッチパネルディスプレイとして一体的に形成される。

ネットワークＩ／Ｆ１７０は、ネットワーク３００を経由してクライアント端末１００に接続し、画像形成装置２００とクライアント端末１００との間においてデータの送受信を実行する。本実施形態では、ネットワークＩ／Ｆ１７０は、印刷ジョブ取得手段として、ＣＰＵ１８１の指令を受けて印刷ジョブを受信する。

図６に示すように、コントローラー１８０は、ＣＰＵ１８１、ＨＤＤ１８２、ＲＡＭ１８３、ＲＯＭ１８４およびビデオＩ／Ｆ１８５を有し、これらの構成要素は内部バス１８６によって電気的に相互に接続されている。コントローラー１８０は、印刷ジョブ取得手段、インタプリット手段、ラスタライズ手段、色変換手段および制御手段として機能する。

ＣＰＵ１８１は、画像形成装置２００を動作させるためのプログラム（以下、画像処理プログラム５と称する）をＯＳ４上で実行する。ＣＰＵ１８１は、ネットワークＩ／Ｆ１７０が印刷ジョブを受信するように指示し、取得した印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成する。本実施形態では、オブジェクトに関する情報には、たとえば、オブジェクトの属性（文字、線画および画像）、配置（位置、サイズなど）、色に関する情報が含まれる。

また、ＣＰＵ１８１は、ラスタライズプログラム６を実行することにより、オブジェクトをラスタライズしてラスターデータを生成する。なお、本実施形態では、ラスタライズプログラム６としては、たとえばＣＰＳＩ（Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｂｌｅ ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ Ｉｎｔｅｒｐｒｅｔｅｒ）、ＡＰＰＥ（Ａｄｏｂｅ ＰＤＦ Ｐｒｉｎｔ Ｅｎｇｉｎｅ）などを使用できる。

また、ＣＰＵ１８１は、色変換プログラム７を実行することにより、色変換プロファイル８を参照して上記オブジェクトまたはラスターデータを色変換する。色変換プロファイル８は、異なるデバイス間あるいは異なる記録媒体間における色表示を合せるために使用されるテーブルであり、大容量の記憶装置であるハードディスクドライブＨＤＤ１８２に記憶されている。

ＯＳ４、画像処理プログラム５、ラスタライズプログラム６および色変換プログラム７は、ＨＤＤ１８２に予め格納されており、ＣＰＵ１８１が実行する際に揮発性の記憶装置であるＲＡＭ１８３に転送される。また、ＲＯＭ１８４は、ＣＰＵ１８１が各種ソフトウェアプログラムを実行する際に参照する各種パラメーターやデータを記憶する。

本実施形態では、ＣＰＵ１８１は、上記オブジェクトが印刷される位置における最適な色変換プロファイル８を選択する。そして、上記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは上記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御する。色変換されたラスターデータは、画像形成部１４０によって印刷可能な印刷画像データとしてＨＤＤ１８２またはＲＡＭ１８３に保存される。また、色変換処理が１ページ分完了するごとに画像形成部１４０に送信される。

以下、図７および図８を参照して、以上のように構成される本実施形態の画像処理装置の画像処理方法の処理手順について説明する。図７は本実施形態における画像処理方法の処理手順の概略を説明するためのメインフローチャートであり、図８は本実施形態のタグビットの一例を示す図である。

図７に示すように、まず、データを受信する（ステップＳ１０１）。画像形成装置２００のコントローラー１８０は、ネットワークＩ／Ｆ１７０を通じて、クライアント端末１００からのデータを受信する。

そして、印刷ジョブであるか否かを判断する（ステップＳ１０２）。コントローラー１８０は、受信した上記データが印刷ジョブであるか否かを判断する。上記データが印刷ジョブではない場合（ステップＳ１０２：ＮＯ）、本実施形態の画像処理方法の処理を終了する（エンド）。一方、上記データが印刷ジョブである場合（ステップＳ１０２：ＹＥＳ）、インタプリット処理に移行する（ステップＳ１０３）。

インタプリット処理では、クライアント端末１００から受信した印刷ジョブに含まれるＰＤＬ（Ｐｒｉｎｔｅｒ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ Ｌａｎｇｕａｇｅ：プリンター記述言語）が解析される。そして、印刷データのページ上に文字、線画および画像のオブジェクトがどのように配置されているか、またどのような色が設定されているかなどが解析され、中間データが生成される。

たとえば、文字であれば、ＰＤＬで指定されたフォント情報、文字コードからどのような形の文字かが解析され、指定されたサイズでフォントが描画されるように中間データが生成される。また、色に対しては、印刷に適した色で描画されるようにＰＤＬで指定された色に対して、色変換プロファイル適用後の色が中間データに埋め込まれる。このように、本実施形態では、コントローラー１８０は、印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成する。インタプリット処理の詳細については、図９および図１０を参照して後述する。

次に、ラスタライズ処理を実行する（ステップＳ１０４）。ラスタライズ処理では、画像形成部１４０の解像度に合わせて中間データのビットマップ変換が実行される。中間データには、ページのどの位置にどのような形、サイズおよび色で描画すればよいのか、インタプリットでの解析結果が埋め込まれており、画像形成部１４０の解像度に合わせて中間データをビットマップ化しラスターデータが出力される。また、ビットマップ化する際、ラスターデータで表現される各々の画素がどのようなオブジェクトであるかについての情報が画素ごとにタグビット（ＴａｇＢｉｔ）へ記録され、ラスターデータと一緒に出力される。図８に本実施形態のタグビットの一例を示す。

図８に示すように、タグビットのｂｉｔ７およびｂｉｔ６の２ビットは、属性情報であり、描画するオブジェクトが文字、線画、画像のうちのどれであるかを示す。属性情報が「００」のとき画像を示し、「０１」のとき線画を示し、「１１」のとき文字を示す。なお、「１０」は予備を示す。

また、ｂｉｔ５は、描画データ有無を示す。ｂｉｔ５が「０」のとき描画データ無であり、「１」のとき描画データ有である。

また、ｂｉｔ４は、本実施形態の色変換情報を示す。ｂｉｔ４が「０」であるとき色変換が済んでいることを示し、「１」であるとき色変換が未だ済んでいないことを示す。

また、ｂｉｔ３は、オーバープリント領域であるか否かを示す。ｂｉｔ３が「０」であるときオーバープリント領域ではないことを示し、「１」であるときオーバープリント領域であることを示す。

また、ｂｉｔ２〜ｂｉｔ０の３ビットは、色空間情報を示す。「００１」はグレースケールを、「０１０」はＲＧＢ色空間を、「０１１」はＣＭＹＫ色空間を、「１００」はＳｅｐａｒａｔｉｏｎ／ＤｅｖｉｃｅＮを、「１０１」はＣＩＥ色空間を、「０００」、「１１０」および「１１１」は予備を示す。

本実施形態では、コントローラー１８０は、上記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、当該オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいはラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを判断する。そして、コントローラー１８０は、当該判断の結果に基づいて、上記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは上記オブジェクトを色変換せずにラスタライズする。

上記ステップＳ１０４において色変換せずにラスタライズした場合、ラスタライズ後の色変換処理を実行する（ステップＳ１０５）。ラスタライズ処理（Ｓ１０４）の詳細については図１１、図１２Ａおよび図１２Ｂを参照して後述する。また、ラスタライズ後の色変換処理（Ｓ１０５）の詳細については、図１３、図１４Ａおよび図１４Ｂを参照して後述する。

次に、色変換後のラスターデータを画像形成部へ送信する（ステップＳ１０６）。コントローラー１８０は、１ページ分の色変換後のラスターデータを画像形成部１４０へ送信する。そして、全ページ分終了したか否かを判断する（ステップＳ１０７）。全ページ分終了した場合（ステップＳ１０７：ＹＥＳ）、画像処理方法の処理を終了する（エンド）。一方、全ページ分終了していない場合（ステップＳ１０７：ＮＯ）、ステップＳ１０５の処理に戻る。

以上の図７のフローチャートに示す本実施形態の画像処理方法では、印刷ジョブが取得されて当該印刷ジョブの印刷データが解析され、中間データが生成される。そして、オブジェクトが印刷される位置に基づいて、当該オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは当該オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかが判断される。

以下、図９および図１０を参照して、本実施形態の画像処理方法におけるインタプリット処理（ステップＳ１０３）についてさらに詳しく説明する。図９は本実施形態の画像処理方法におけるインタプリット処理を説明するためのサブルーチンフローチャートであり、図１０は本実施形態において紙種に応じて色変換プロファイルを適用することについて説明するための模式図である。

図９に示すように、まず、見開き印刷機能が有効であるか否かを判断する（ステップＳ２０１）。具体的には、コントローラー１８０は、ジョブチケットに含まれる印刷設定情報の見開き印刷設定が「オン」であるか、あるいは「オフ」であるかを確認する。見開き印刷設定が「オフ」である、すなわち、見開き印刷機能が有効ではない場合（ステップＳ２０１：ＮＯ）、面付け先の色変換プロファイルを取得する（ステップＳ２０９）。コントローラー１８０は、印刷設定情報の紙種情報を参照して、面付け先の用紙に適した色変換プロファイルを取得する。

次に、色変換プロファイルを中間データに出力する（ステップＳ２１０）。コントローラー１８０は、ステップＳ２０９で取得した色変換プロファイルを適用した後の色を中間データに埋め込むことにより指定する。そして、全オブジェクトについてＰＤＬ解析が終了しているか否かを確認する（ステップＳ２１１）。全オブジェクトについてＰＤＬ解析が終了している場合（ステップＳ２１１：ＹＥＳ）、インタプリット処理を終了し、メインルーチンに戻る（リターン）。一方、全オブジェクトについてＰＤＬ解析が終了していない場合（ステップＳ２１１：ＮＯ）、ステップＳ２０１の処理に戻る。

一方、見開き印刷設定が「オン」である、すなわち、見開き印刷機能が有効である場合（ステップＳ２０１：ＹＥＳ）、見開きページか否かを判断する（ステップＳ２０２）。コントローラー１８０は、現在処理しているページが見開きページか否かを確認する。見開きページではない場合（ステップＳ２０２：ＮＯ）、ステップＳ２０９の処理に移行する。ステップＳ２０９〜Ｓ２１１の処理は、上述したとおりであるので説明を省略する。

一方、見開きページである場合（ステップＳ２０２：ＹＥＳ）、色変換プロファイルが見開き左右で異なるか否かを判断する（ステップＳ２０３）。コントローラー１８０は、見開きページの左側領域および右側領域の面付け先に対して異なる色変換プロファイルを適用する必要があるか否かを判断する。

上述のとおり、本実施形態では、上記印刷データのＰ１〜Ｐ８の画像は、小冊子面付けされる。図１０に示すように、このうちのＰ１、Ｐ２、Ｐ７およびＰ８の画像はコート紙に印刷され、Ｐ３〜Ｐ６は普通紙に印刷される。本実施形態では、面付け先の用紙の紙種や坪量に応じて最適な色変換プロファイルが用意されており、普通紙に対しては普通紙用の色変換プロファイルが適用され、コート紙に対してはコート紙用の色変換プロファイルを適用される。

色変換プロファイルが見開き左右で同じである場合（ステップＳ２０３：ＮＯ）、ステップＳ２０９の処理に移行する。コントローラー１８０は、解析しているオブジェクトの印刷位置に関わらず、印刷設定情報の紙種情報を参照して、面付け先の用紙に適した色変換プロファイルを取得する。ステップＳ２１０およびＳ２１１の処理は、上述したとおりであるので説明を省略する。

一方、色変換プロファイルが見開き左右で異なる場合（ステップＳ２０３：ＹＥＳ）、オブジェクトの印刷位置が左半分の領域内であるか否かを判断する（ステップＳ２０４）。オブジェクトの印刷位置が左半分の領域内である場合（ステップＳ２０４：ＹＥＳ）、左側領域の面付け先の色変換プロファイルを取得し（ステップＳ２０７）、ステップＳ２１０の処理に移行して中間データに色変換プロファイルを指定する。

一方、オブジェクトの印刷位置が左半分の領域内ではない場合（ステップＳ２０４：ＮＯ）、オブジェクトの印刷位置が右半分の領域内であるか否かを判断する（ステップＳ２０５）。オブジェクトの印刷位置が右半分の領域内である場合（ステップＳ２０５：ＹＥＳ）、右側領域の面付け先の色変換プロファイルを取得し（ステップＳ２０８）、ステップＳ２１０の処理に移行して中間データに色変換プロファイルを指定する。

一方、オブジェクトの印刷位置が右半分の領域内ではない場合（ステップＳ２０５：ＮＯ）、すなわち、オブジェクトが左側領域および右側領域に跨って面付けされている場合、色変換プロファイルを取得せずに（ステップＳ２０６）、ステップＳ２１０の処理に移行する。中間データに色変換プロファイルは指定されない。これは、ラスタライズ処理において、１つオブジェクトに対しては、１つの色変換プロファイルのみ適用することが可能であり、１つのオブジェクト内の特定領域ごとに異なる色変換プロファイルを適用することはできないためである。

このように図９のインタプリット処理では、オブジェクトの印刷位置が見開きページの左側領域および右側領域のいずれにあるか、あるいは左右に跨るかに応じて、異なる印刷プロファイルを指定、あるいは印刷プロファイルを指定せずに中間データが生成される。

次に、図１１、図１２Ａおよび図１２Ｂを参照して、本実施形態の画像処理方法におけるラスタライズ処理（ステップＳ１０４）についてさらに詳しく説明する。図１１は本実施形態の画像処理方法におけるラスタライズ処理を説明するためのサブルーチンフローチャートである。また、図１２Ａは本実施形態における色変換プロファイルの適用例を示す図であり、図１２Ｂは本実施形態におけるタグビットに色変換未を設定した領域を例示する図である。

図１１に示すように、まず、中間データを解析する（ステップＳ３０１）。コントローラー１８０は、１ページごとに中間データを解析し、各々のオブジェクトについて、色変換プロファイルが指定されているか否かを判断する（ステップＳ３０２）。オブジェクトに色変換プロファイルが指定されている場合（ステップＳ３０２：ＹＥＳ）、当該色変換プロファイルを適用し、当該オブジェクトを色変換してラスタライズする（ステップＳ３０３）。

より具体的には、図１２Ａに示すように、コントローラー１８０は、指定された色変換プロファイルが適用された後の色を使用し、当該オブジェクトを色変換してラスタライズする。図１２Ａに示す例では、見開きページの左側領域に全体が収まるオブジェクトに対してはコート紙用の色変換プロファイルが適用され（黒色の部分で示す）、右側領域に全体が収まるオブジェクトに対しては普通紙用の色変換プロファイルが適用される（灰色の部分で示す）。

そして、タグビットへ色変換済みを記録する（ステップＳ３０４）。コントローラー１８０は、上記オブジェクトをラスタライズして生成されたラスターデータの画素に対応するタグビットのｂｉｔ４に色変換済みを示す「０」を設定する。

一方、オブジェクトに色変換プロファイルが指定されていない場合（ステップＳ３０２：ＮＯ）、当該オブジェクトを色変換せずにラスタライズする（ステップＳ３０５）。図１２Ａに示すように、見開きページの左側領域および右側領域に跨るオブジェクト（白抜きの部分で示す）については、当該オブジェクトを色変換せずにラスタライズする。そして、タグビットへ色変換未を記録する（ステップＳ３０６）。図１２Ｂに示すように、コントローラー１８０は、上記オブジェクトをラスタライズして生成されたラスターデータの画素に対応するタグビットのｂｉｔ４に色変換未（色変換が済んでいないこと）を示す「１」を設定する。

次に、１ページ分の解析が終了したか否かを判断する（ステップＳ３０７）。１ページ分の解析が終了していない場合（ステップＳ３０７：ＮＯ）、ステップＳ３０１の処理に戻る。一方、１ページ分の解析が終了した場合（ステップＳ３０７：ＹＥＳ）、ラスターデータおよびタグビットを出力する（ステップＳ３０８）。コントローラー１８０は、１ページ分のラスターデータおよびタグビットをＨＤＤ１８２に出力する。

次に、全ページ分の解析が終了したか否かを判断する（ステップＳ３０９）。全ページ分の解析が終了していない場合（ステップＳ３０９：ＮＯ）、ステップＳ３０１の処理に戻る。一方、全ページ分の解析が終了した場合（ステップＳ３０９：ＹＥＳ）、ラスタライズ処理を終了し、メインルーチンに戻る（リターン）。

このように、図１１のラスタライズ処理では、コントローラー１８０は、色変換プロファイルが指定されている場合、当該色変換プロファイルを適用された後の色を使用して、オブジェクトを色変換してラスタライズする。一方、色変換プロファイルが指定されていない場合、オブジェクトを色変換せずにラスタライズする。

次に、図１３、図１４Ａおよび図１４Ｂを参照して、本実施形態の画像処理方法におけるラスタライズ後の色変換処理（ステップＳ１０５）についてさらに詳しく説明する。図１３は本実施形態の画像処理方法におけるラスタライズ後の色変換処理を説明するためのサブルーチンフローチャートである。また、図１４Ａは本実施形態におけるラスタライズ後の色変換処理でコート紙用の色変換プロファイルを適用した領域を例示する図であり、図１４Ｂは本実施形態における普通紙用の色変換プロファイルを適用した領域を例示する図である。

図１３に示すように、まず、見開き印刷機能が有効であるか否かを判断する（ステップＳ４０１）。具体的には、コントローラー１８０は、印刷設定情報の見開き印刷設定が「オン」であるか「オフ」であるかを確認する。見開き印刷設定が「オフ」である、すなわち、見開き印刷機能が有効ではない場合（ステップＳ４０１：ＮＯ）、ラスタライズ後の色変換処理を終了し、メインルーチンに戻る（リターン）。

一方、見開き印刷設定が「オン」である、すなわち、見開き印刷機能が有効である場合（ステップＳ４０１：ＹＥＳ）、見開きページか否かを判断する（ステップＳ４０２）。コントローラー１８０は、現在処理しているページが見開きページか否かを確認する。見開きページではない場合（ステップＳ４０２：ＮＯ）、ラスタライズ後の色変換処理を終了し、メインルーチンに戻る（リターン）。

一方、見開きページである場合（ステップＳ４０２：ＹＥＳ）、タグビットを確認する（ステップＳ４０３）。コントローラー１８０は、上記現在処理しているページを構成する各々の画素に対応するタグビットを１つ１つ順に読み出し、色変換情報、すなわちタグビットのｂｉｔ４を確認し、ｂｉｔ４が「１」（色変換未）であるか否かを判断する（ステップＳ４０４）。注目している画素が色変換未ではない場合（ステップＳ４０４：ＮＯ）、１ページ分の画素の色変換が終了したか否かを判断する（ステップＳ４０９）。１ページ分の画素の色変換が終了していない場合（ステップＳ４０９：ＮＯ）、ステップＳ４０３の処理へ移行する。一方、１ページ分の画素の色変換が終了している場合（ステップＳ４０９：ＹＥＳ）、見開きページを分割する（ステップＳ４１０）。コントローラー１８０は、図４に示すように、小冊子面付けするためにＡ３サイズの見開きページをＡ４サイズの２ページに分割する。そして、ラスタライズ後の色変換処理を終了し、メインルーチンに戻る（リターン）。

一方、注目している画素が色変換未である場合（ステップＳ４０４：ＹＥＳ）、注目している画素を印刷する位置が見開きページの左側領域にあるか否かを判断する（ステップＳ４０５）。上記画素を印刷する位置が見開きページの左側領域にある場合（ステップＳ４０５：ＹＥＳ）、左側領域の面付け先の色変換情報を取得する（ステップＳ４０６）。そして、上記画素に対して色変換を実施する（ステップＳ４０８）。

より具体的には、図１４Ａに示すように、コントローラー１８０は、指定された色変換プロファイルを適用した後の色を使用し、上記画素を色変換してラスタライズする。図１４Ａに示す例では、見開きページの左側領域に収まる画素に対してはコート紙用の色変換プロファイルが適用される（黒色の部分で示す）。

一方、上記画素を印刷する位置が見開きページの左側領域にない場合（ステップＳ４０５：ＮＯ）、右側領域の面付け先の色変換情報を取得する（ステップＳ４０７）。図１４Ｂに示すように、コントローラー１８０は、指定された色変換プロファイルを適用した後の色を使用し、上記画素を色変換してラスタライズする。図１４Ｂに示す例では、見開きページの右側領域に収まる画素に対しては普通紙用の色変換プロファイルが適用される（灰色の部分で示す）。なお、１ページの縦および横の画素数は、通常、２の倍数で設計されるので、画素は見開きページの左側領域または右側領域に必ず収まり、左側領域および右側領域を跨ぐことはない。したがって、コントローラー１８０は、上記画素を印刷する位置が見開きページの左側領域にない場合、上記画素を印刷する位置が見開きページの右側領域にあるものと判断する。

このように、図１３に示す処理では、オブジェクトを色変換処理せずにラスタライズして生成したラスターデータの各々の画素について、見開きページの左側領域および右側領域のどちらに含まれるかに応じて、異なる色変換プロファイルを適用して色変換する。

以上のとおり、本実施形態では、コントローラー１８０は、見開きページの左側領域または右側領域に全体が収まるオブジェクトについては、上記左側領域または右側領域の面付け先に適した色変換プロファイルを適用し、色変換してラスタライズする。一方、左側領域および右側領域に跨るオブジェクトについては、当該オブジェクトを色変換せずにラスタライズする。そして、生成されたラスターデータの画素が収まる上記左側領域または右側領域の面付け先に適した色変換プロファイルを適用して当該ラスターデータを色変換する。

このような本実施形態の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムによれば、オブジェクトごとに色変換できる領域についてはオブジェクトごとに色変換し、オブジェクトごとに色変換できない残りの領域については画素ごとに色変換する。したがって、画像の領域ごとに用紙に適した色変換プロファイルを適用しつつ、色変換処理を高速に実施できる。

以上のとおり、実施形態において、本発明の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。

たとえば、上述の実施形態では、同じページ内で異なる色変換プロファイルを適用する見開き印刷機能を例に挙げて説明したが、本発明はこのような例に限定されるものではなく、同じページ内で異なる色変換を必要とする処理に対して同様に適用できる。

また、上述の実施形態では、クライアント端末のプリンタードライバーが印刷ジョブを生成し、画像形成装置のプリンターコントローラーがネットワークＩ／Ｆを通じて当該印刷ジョブ受信する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこのような場合に限定されず、画像形成装置の画像読取部で読み取った原稿の画像データに基づいて印刷ジョブが生成される場合であっても適用することができる。

Ａ 画像形成システム、
１０ ＣＰＵ、
２０ ＨＤＤ、
３０ ＲＡＭ、
４０ ＲＯＭ、
５０ ネットワークＩ／Ｆ、
６０ 操作部、
７０ 表示部、
８０ 内部バス、
１００ クライアント端末、
１１０ ＡＤＦ、
１２０ 画像読取部、
１３０ 画像処理部、
１４０ 画像形成部、
１５０ 操作部、
１６０ 表示部、
１７０ ネットワークＩ／Ｆ、
１８０ プリンターコントローラー、
１８１ ＣＰＵ、
１８２ ＨＤＤ、
１８３ ＲＡＭ、
１８４ ＲＯＭ、
１８５ ビデオＩ／Ｆ、
１８６ 内部バス、
１９０ 配線、
２００ 画像形成装置。

Claims (15)

1. 印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得手段と、
   前記印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成するインタプリット手段と、
   前記オブジェクトをラスタライズしてラスターデータを生成するラスタライズ手段と、
   前記中間データを解析して前記オブジェクトまたは前記ラスターデータを色変換する色変換手段と、
   制御手段と、を有し、
   前記制御手段は、
   前記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、
   前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御する、画像処理装置。
2. 前記制御手段は、
   前記オブジェクトを色変換してラスタライズする場合に、
   前記位置に基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする請求項１に記載の画像処理装置。
3. 前記制御手段は、
   前記ラスターデータによって表現される各々の画素がどのようなオブジェクトであるかについての情報を記憶するタグビットを有し、
   前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されるラスターデータを色変換する場合に、
   ラスタライズ後に色変換する旨の情報を前記画素の位置に対応するタグビットに設定することを特徴とする請求項１に記載の画像処理装置。
4. 前記制御手段は、
   ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されているタグビットに対応する前記画素の位置に基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする請求項３に記載の画像処理装置。
5. 前記印刷ジョブは、印刷設定情報を含み、
   前記制御手段は、
   前記位置と前記印刷設定情報とに基づいて前記オブジェクトが印刷される位置の用紙の状態を判断し、
   当該用紙の状態に基づいて、前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを制御することを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の画像処理装置。
6. 前記印刷設定情報は、印刷に使用される用紙の紙種および坪量に関する情報を含むことを特徴とする請求項５に記載の画像処理装置。
7. 前記制御手段は、
   冊子状に面付けしたときに隣り合う左右のページに１つの画像が印刷される見開きページを前記印刷データが含み、かつ当該見開きページの左右のページに対する最適な色変換プロファイルが互いに異なる場合において、
   前記印刷データに含まれる各々のオブジェクトについて、当該オブジェクトが印刷される位置および前記オブジェクトのサイズに基づいて、前記オブジェクトが見開きページの左右のページを跨いで印刷されるか否かを判断し、
   前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨がないで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトを色変換してラスタライズする一方で、
   前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨いで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するように制御することを特徴とする請求項６に記載の画像処理装置。
8. 前記制御手段は、前記左右のページのうちのどちらに印刷されるかに基づいて、色変換プロファイルを選択することを特徴とする請求項７に記載の画像処理装置。
9. 印刷ジョブを取得する段階と、
   前記印刷ジョブの印刷データを解析して当該印刷データに含まれるオブジェクトに関する情報を取得し、当該情報に基づいて中間データを生成する段階と、
   判断する段階と、を有し、
   前記判断する段階では、
   前記オブジェクトが印刷される位置に基づいて、前記オブジェクトを色変換してラスタライズするか、あるいは前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換するかを判断する、画像処理方法。
10. 前記オブジェクトを色変換してラスタライズする段階をさらに有し、
    前記位置に基づいて、色変換プロファイルが選択されることを特徴とする請求項９に記載の画像処理方法。
11. 前記オブジェクトをラスタライズしてラスターデータを生成する段階をさらに有し、
    前記ラスターデータの画素の位置に対応するタグビットに、ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されることを特徴とする請求項９に記載の画像処理方法。
12. 前記ラスターデータを色変換する段階をさらに有し、
    前記ラスタライズ後に色変換する旨の情報が設定されているタグビットに対応する前記画素の位置に基づいて、色変換プロファイルが選択されることを特徴とする請求項１１に記載の画像処理方法。
13. 前記判断する段階では、
    冊子状に面付けしたときに隣り合う左右のページに１つの画像が印刷される見開きページを前記印刷データが含み、かつ当該見開きページの左右のページに対する最適な色変換プロファイルが互いに異なる場合において、
    前記印刷データに含まれる各々のオブジェクトについて、当該オブジェクトが印刷される位置および前記オブジェクトのサイズに基づいて、前記オブジェクトが見開きページの左右のページを跨いで印刷されるか否かを判断し、
    前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨がないで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトを色変換してラスタライズすると判断し、
    前記オブジェクトが前記見開きページの左右のページを跨いで印刷されると判断される場合は、前記オブジェクトをラスタライズした後に生成されたラスターデータを色変換すると判断することを特徴とする請求項９〜１２のいずれか１項に記載の画像処理方法。
14. 画像処理装置に請求項９〜１３のいずれか１項に記載の画像処理方法を実行させるように構成される、画像処理プログラム。
15. 請求項１４に記載の画像処理プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。