JP2015109122A - 光情報記録媒体及びそれを用いた再生方法、記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びそれを用いた再生方法、記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ランドグルーブ方式においてウォブルにアドレス情報を効率的に配置でき,かつウォブル干渉の影響が少ないADIPシステムを実現するための光情報記録媒体を提供する。【手段】半径方向に隣接したランドトラックとグルーブトラックの境界が成すトラック側壁の形状は,正弦波のキャリア信号と,第1の高調波ウォブル信号と,第2の高調波ウォブル信号と,の合成信号によって決定され,第1の高調波信号は,キャリア信号に対して同相の関係を成し,第2の高調波信号は,キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,第1の高調波信号は,ランドトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転し,第2の高調波信号は,グルーブトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転するようにした。【選択図】 図16

Description

本発明は、光を用いて情報を記録する媒体及びそれを用いた再生方法、記録方法に関わる。
以下における説明中の用語の一部は、Blu-ray Disc(BD)で使用される表現を用いている。これらは、BD以外のシステムでは、別の呼称が用いられる可能性がある。しかし、当業者であれば容易に読み替えることができることである。
光ディスクの記録容量の拡大は、光源の短波長化と対物レンズの開口数(NA)の増大に加えてディスク1枚当たりの記録層数を増やすことにより実現されてきた。BDでは青色半導体レーザと、NAが0.85という高NA対物レンズを用いて2層で50GBの記録容量を実現している。更に、2010年には、記録層の数を3乃至4に増やすと同時に面記録容量も高めることにより100GB以上の記録容量を有するBD XLの実用化に至った。
記録再生光の波長の短波長化や対物レンズの高NA化は限界に近い状況にあるものの、非特許文献1に解説されているランドグルーブ効果を用いることによりランドとグルーブに記録してトラックピッチを狭め、面記録容量を更に増大させる方式が考えられる。以後、このランドグルーブ効果を用いた方式をランドグルーブ方式と呼ぶこととする。実際に、ランドグルーブ方式を応用した光ディスクシステムとして、DVD−RAMが知られている。
ランドグルーブ方式を用いた記録型光ディスクシステムを構築する際には、アドレス情報をディスク上に形成する方法が解決すべき基本的課題の一つとなる。記録型光ディスクの多くでは、ディスク基板上に螺旋状に形成された案内溝(グルーブ)若しくはランドに沿って情報が記録される。グルーブを一定周期で蛇行(ウォブル)させておき、記録または再生時に、このウォブルを検出することで回転速度に同期したクロックを得ることができる。更に、ウォブルに変調を加えることにより、アドレスやディスクに関する補助的な情報をグルーブに物理形状として記録している。グルーブに記録されたアドレス情報(ADIP:address in pre-groove)を検出することにより、ディスク上の所望の位置に情報を記録することを可能としている。
ランドグルーブ方式においてウォブルにアドレス情報を配置する方法として種々の先行技術がある。
(1)特許文献1には,複数のランドトラックとグルーブトラックを有する情報記録媒体であって、前記ランドトラックないしグルーブトラックは、前記ランドトラックないしグルーブトラックのいずれかの円周方向に少なくとも一つ配置されたセグメントと、前記セグメント毎に配置されたアドレス情報領域と、前記アドレス情報領域に設けられ、前記ランドトラックまたはグルーブトラックの位置情報を示すアドレス情報が記録された第1のアドレス情報領域と第2のアドレス情報領域と、前記セグメント毎に配置されたマーク形成領域とを備え、当該マーク形成領域の前記ランドトラックまたはグルーブトラックには、前記ランドトラックおよびグルーブトラックに関して、前記第1のアドレス情報領域と前記第2のアドレス情報領域のいずれが有効であるかを示す選択信号を形成するための、2つの第1のウォブルマーク、第1のウォブルマークと第2のウォブルマーク、2つの第2のウォブルマークおよび第2のウォブルマークと第1のウォブルマークのいずれかの組み合わせにより構成される一対のウォブルマークが、隣接トラック方向に交互に記録されたことを特徴とする情報記録媒体が記載されている。
(2)特許文献2には,グルーブトラックの両側壁のうち何れか一側壁にはウォブルクロック信号を用いて物理的識別情報を示すグルーブアドレス情報を位相変調し、他側壁にはウォブルクロック信号とは所定の角度だけ位相のシフトされたウォブルクロック信号を用いてランドアドレス情報を位相変調して記録することによって、90°位相差を有する隣接トラック間のウォブル信号を用いて変調されたアドレス情報がQPSK信号となるように記録するPIDアドレッシング方法が記載されている。
(3)特許文献3には,正弦波のキャリア信号に対して偶数次の高調波信号を付加し、当該高調波信号の極性を変化させることによって変調されたアドレス情報が、ウォブルに含まれている光ディスクが記載されている。ウォブル情報検出方法では、このような光ディスクからウォブル信号を検出してアドレス情報を復調する際に、偶数次の高調波信号及びデータクロックを生成し、再生したウォブル信号に対して生成した偶数次の高調波信号を乗算し、乗算して得られた信号をデータクロック毎に積算し、データクロックの終了エッジでの積算値に基づきデジタル情報の符号を判断している。
US2004/0174792 US2005/0105425 US2004/0174800
Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 32 (1993) pp. 5324-5328
グルーブのみに記録する方式の場合、ウォブルはグルーブの両側の側壁を同じ形状に整形すればよい。ランドのみに記録する場合も同じである。以下においては、グルーブを記録域とした場合、これをグルーブトラックと呼称し、同様に、ランドを記録域とした場合、これをランドトラックと呼称することとする。よって、ランドグルーブ方式の場合、ランドトラックとグルーブトラックが存在する。ランドグルーブ方式では、互いに隣接するランドトラックとグルーブトラックが同一側壁を共用している。このため、ランド及びグルーブトラックのそれぞれに独立したアドレスを割り振ろうとすると、グルーブ又はランドの両側の側壁形状を同じにできない区間を生じる。即ち、このような区間ではグルーブ又はランドの幅が変化するために、記録された信号の振幅がトラック幅の変動に伴い変調されるという悪影響が観測される。また、当該区間では、ウォブル信号の振幅も変動するという悪影響も同時に受ける。以下では、これらの現象をウォブル干渉と呼称する。当該技術分野において、ウォブル干渉なる用語が他の事象を指す可能性があるが、本明細書中では上記の意味で使用する。
なお、以下においては、グルーブとランドを区別する必要がない場合には単にトラックと呼ぶこととする。
特許文献1に記載の技術では,上記のウォブル干渉の影響を回避するため,ランドに有効なアドレス情報領域とグルーブに有効なアドレス情報領域が半径方向において隣接しないように同一トラック内で交互に配置している。しかしながら,ランドトラック及びグルーブトラックの各トラック長のうち1/2しかアドレス情報領域として利用することができず,アドレス情報を効率的に配置することができないという課題がある。
更に特許文献1に記載の技術では,アドレス情報を検出する際の情報“0”と“1”の判別は,グルーブにおいては,一周期の正弦波のウォブル信号波形と,それとは位相が180度反転した正弦波のウォブル信号波形とを識別することによりなされるのに対して,ランドにおいては,一周期の正弦波のウォブル信号波形とゼロ信号波形とを比較することにより行われる。このため,ランドにおいては,ウォブル検出信号のS/N比が,グルーブに対して原理的に約1/2に低下してしまうという課題もある。
特許文献2に記載の技術では,グルーブトラックの一側壁と他側壁のウォブル信号の位相関係を直交させることによりアドレス情報を効率的に配置できるようにしている。しかしながら,特許文献2に記載の技術では,ウォブル干渉の影響を強く受けるという課題がある。
特許文献2に記載の技術では,トラックの一側壁と他の一側壁が90度の位相差を持ってウォブルされているため,常にトラックの一側壁と他の一側壁の形状が異なる。そのため,ウォブルに付与されるアドレス情報のパターンによらず常にトラック幅が変調されているので、ウォブル干渉が発生することになる。
加えて,特許文献2に記載の技術では、ウォブルの変調手段としてBPSK(binary phase shift keying)を用いているので、互いに隣接するグルーブ側壁の形状が一致していない箇所では大きなウォブル干渉を生じるという課題がある。
特許文献3に記載の技術では,正弦波のキャリア信号に対して付加する高調波信号の振幅を小さくすることにより,同等のキャリア信号振幅が得られる条件においてウォブル干渉の影響を低減することができる。例えば,高調波信号の振幅をキャリア信号の1/4とした場合,ウォブル干渉の影響を,ウォブルの変調手段としてBPSKを用いる場合と比較して1/4に抑えることが可能である。
しかしながら,特許文献3に記載の技術では,ランドトラック及びグルーブトラックの両方にアドレス情報を配置する方法は開示されていない。
本発明の目的は,アドレス情報を効率的に配置する上記特許文献2に対し、ウォブル干渉を低減させるADIPシステムを実現するための情報記録媒体、並びにそれを用いた再生方法及び記録方法を提供することにある。
本発明では,上記課題を解決するために,半径方向に隣接したランドトラックとグルーブトラックの境界が成すトラック側壁の形状は,正弦波のキャリア信号と,第1の高調波ウォブル信号と,第2の高調波ウォブル信号と,の合成信号によって決定され,第1の高調波信号は,キャリア信号に対して同相の関係を成し,第2の高調波信号は,キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,第1の高調波信号は,ランドトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転し,第2の高調波信号は,グルーブトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転するようにした。
本発明に拠れば、トラックの幅が,隣接する2つのトラックのアドレス情報ビットが等しい区間で一定となるため、ウォブル干渉の影響を抑圧することができる。また,アドレス情報の配置効率の高いADIPシステムを構築することが可能となる。その結果、信頼性の高いADIP形成方法及び同方法によりADIPを形成された光情報記録媒体及び同光情報記録媒体に対する情報記録再生方法を提供することが可能となる。
本発明の情報記録媒体におけるトラック形状を模式的に示した図。 ランドグルーブ方式に於ける記録マークの配置を説明する図。 本発明に基づいた光ディスクの説明図。 データの構成とウォブル波形生成過程を説明する図。 位相変調ウォブル部及び位相変調ユニットの構成を説明する図。 STW変調ウォブル部及びSTW変調ユニットの構成を説明する図。 PSTW及びNSTW波形の例を示した図。 MSKマークの説明図。 シンクコードウォブル部の構成を説明する図。 シンクコードユニットの構成を説明する図。 グルーブトラックにおける高調波信号成分によるトラック形状を示した図。 高調波成分を示した図。 記録領域をゾーンに分割した場合の模式図。 記録領域をゾーンに分割した場合のデータの構成とウォブル波形生成過程を説明する図。 線記録密度一定で記録した場合のRUB配置の模式図。 本発明を実施した一例を示す図。 記録及び再生動作の説明図。 ADIPデコーダの構成例の説明図。 光ディスク装置の構成例の説明図。 キャリア信号成分によるトラック形状を示した図。 ランドトラックにおける高調波信号成分によるトラック形状を示した図。 STW復調器の構成を示したブロック図。
<ランドグルーブ方式>
はじめに、改めてランドグルーブ方式について説明する。図2は、ランドグルーブ方式に於ける記録マーク16の配置を説明した図である。ディスク基板11の上には、図2に示したような、底が平坦な溝、即ちグルーブ14が形成されている。グルーブは、等ピッチの螺旋で形成されている。前述のように、グルーブはウォブルされている。等ピッチの螺旋グルーブによって分断された基板表面をランド15と呼称する。尚、ランド及びグルーブの定義様式は、種々存在するが、本明細書中では、光の入射面から見て凹である領域をグルーブ、凸である領域をランドと定義する。ランド及びグルーブの上には記録層12が形成されていて、光スポット13によって記録マーク16の記録及び再生が行われる。尚、ランド及びグルーブそれぞれに沿って記録マーク列が形成されるので記録領域であるという意を表してそれぞれランドトラック、グルーブトラックとも呼称する。尚、簡単のために図示していないものの記録層の上にはカバー層が設けられる。
<CAVフォーマット>
次に、実施例の説明を行う。図3に本発明に基づいた光ディスクの説明図を示す。グルーブは、光ディスク1上に、等ピッチの螺旋を描くように形成されている。但し、図中では、簡単のためにグルーブの描画を省略している。グルーブトラック及びランドトラックは、1周を8つのセグメント2で構成している。各セグメントには0から7までの番号が付与されている。また、セグメントには、グルーブトラックからなるグルーブセグメント3とランドトラックからなるランドセグメント4がある。また、各セグメントが占める角度は等しい。
各グルーブセグメントは、同一のフォーマットを有する。あるグルーブセグメントのウォブル形状は、このフォーマットとウォブルに記録される情報によって決定される。これらのことは、ランドセグメントに於いても同様である。グルーブを構成する2つの側壁の形状は、電子線描画などを用いることにより独立して制御可能であるのでグルーブの代わりにランドの形状を任意に制御することも可能である。但し、隣接するランドとグルーブは同一側壁を共用するので両者を完全に独立して形成することはできないのでグルーブセグメントとランドセグメントでは、後述するように物理的な構成には若干の相違がある。また、1セグメントに含まれるウォブルの周期は、全て同一である。よって、周の長さが異なっても1トラックに含まれるウォブルの周期も同一である。セグメントの数は8であるから、変調部を除けばウォブルの位相は半径方向で揃っているので、変調されていない区間では隣接トラック間でのウォブル干渉は起こらない。このように、トラックの周の長さが異なっても1トラックに含まれるウォブルの周期が同一であるようなウォブルフォーマットのことを等角度フォーマットと呼称する事とする。
ユーザデータは、記録領域中の所望の位置に記録する必要があり、その際に各グルーブセグメント及びランドセグメントを位置目標として用いる。よって、これらはユニークに判別される必要がある。即ち、光学的な手法で読み出し可能な形状などを用いてアドレスを付与する必要がある。一般的なアドレスの構成要素を列挙すると、記録層番号(記録層が複数ある場合)、ゾーン番号(ゾーンが存在する場合)、セグメント番号、ランドグルーブ判別符号(トラックエラー信号の符号のみで判別する場合は不要)、トラック番号が挙げられる。また、これらと共に補助情報も記録される。補助情報の内容は、当該ディスク固有の情報などで、複数のセグメントの補助情報記録領域を用いて記録されている。以上の情報は、必要に応じた符号化処理を成された後にウォブル波形の変調としてディスク表面に形状として記される。
図3に示した構成のディスクを例に図4を参照しながら、上記手順によるウォブル波形データの準備過程を以下に説明する。図3に示した構成のディスクでは、ゾーンを設定していないのでウォブルに記録するデータとその情報量は、配列順に以下の通りである。尚、以下に於いてADIPデータ、或いは、単にデータという呼称は、特に断らない限り、または、文脈上明らかな場合を除き、ウォブルに記録する以下のような内容のデータを指すものとする。記録層番号101(4ビット)、セグメント番号102(4ビット)、トラック番号103(19ビット)、ランドグルーブ判別ビット104(1ビット)、補助情報105(8ビット)。ここで、トラック番号は、ランドトラックとその外周側に隣接するグルーブトラックには同じ値を割り当てている。また、ランドトラックのトラック番号と内周側に隣接するグルーブトラック番号の差は、1である。ランドグルーブ判別ビットの値は、ランドトラックに0を、グルーブトラックに1を割り当てている。よって、ランドグルーブ判別ビットをトラック番号の最下位ビットと看做すと、互いに隣接するトラック番号同士のバイナリ値の差は1となる。そして、ランドグルーブ判別ビットをトラック番号の最下位ビットと看做した上で、これをグレイコード変換したものをグレイコード化トラック番号106と呼ぶ。ここで、各データは、隣接トラックの該当するデータとハミング距離の差が小さいことが予想される項目順に配列している。即ち、記録層番号及びセグメント番号は、隣接するトラックと同じ値を有する(ハミング距離0)。互いに隣接するトラック間のグレイコード化トラック番号のハミング距離は、1である。補助情報は、任意のバイナリ値をとるのでハミング距離は、互いに隣接するトラック間のこの項目のハミング距離は、0から8となる。
次に、ウォブルの変調波形を決定する。ここで、隣接トラック間でハミング距離が0である項目に関しては、ウォブル干渉が発生する可能性がないので符号の判別が容易な2値位相変調(BPSK: binary phase-shift keying)を用いる。即ち、位相変調区間107に割り当てられる。一方、隣接トラック間でハミング距離が1以上である項目に関しては、ウォブル干渉が起こるのでSTW変調区間108に割り当てる。後述するように、STW変調区間で用いるSTW(saw-tooth wave)は、ウォブル干渉を起こす条件に於いてもその程度がBPSKなどよりも著しく小さいという性質を有する。最後に、実際に形成するウォブル波形を決定する。1つのセグメントに対応するウォブル波形の先頭には、セグメントの開始を明示するためのシンクコードウォブル109を生成する。次いで、位相変調区間に対応して生成した位相変調ウォブル部110をシンクコードウォブルの後に付加する。
そして、STW変調区間に対応して生成したウォブル波形を上記までに生成した波形に付加する。前述のように、ランドとグルーブは同一側壁を共有しているのでランドセグメントとグルーブセグメントで異なるデータを保持する区間に関しては、図4(d)のようにそれぞれに専用領域、STW変調ウォブル部111を設けている。対象としているセグメントがランドセグメントである場合、位相変調ウォブル部の直後にあるランドSTW変調ウォブル部111にSTW変調区間に対応して生成したウォブル波形を付加する。
実際に電子線描画装置などでウォブルを形成するには、グルーブまたはランドのどちらか一方の形状を描画することになる。仮に、グルーブを描画するものとする。また、トラック番号はディスクの内周から外周に向かって増大しているものとする。この時、シンクコードウォブル部109、位相変調ウォブル部110を描画する場合は,上で作成したデータの内、当該グルーブセグメントのウォブル波形データを参照して両側の側壁形状を描画する。STW変調ウォブル部111では、ディスク内周側の側壁を描画する際には、当該グルーブセグメントに対応するウォブル波形データ及び1つ内側のランドセグメントに対応するウォブル波形データを参照し、外周側の側壁を描画する際には,当該グルーブセグメントに対応するウォブル波形データ及び1つ外側のランドセグメントに対応するウォブル波形データを参照する。
次に、各ウォブル部の構成について述べる。始めに、位相変調ウォブル部の構成を図5に基づき説明する。位相変調ウォブル部は、保持する情報量8ビットに対応して8個の位相変調ユニット120から構成される。位相変調ユニットは、1ビットのデータを担う。位相変調ユニットの長さは、57ウォブル周期である。尚、ウォブル波形が意味を有し得る最小の長さは1周期(但し、ウォブルの長さの単位は、弧の長さではなく角度である)であるので、以下に於いては1ウォブル周期を単にウォブルと呼称する。また、今後定義する各種ウォブルの波形もウォブル単位で定義され、例えば、キャリアウォブルのように種類を表す接頭語を付けて呼称する(長さは当然、暗示的に1ウォブルである)。
位相変調ユニット120の構成を説明する。位相変調ユニットは、位相シンク121から開始する。これは、位相変調ユニットの開始を表す長さ9ウォブルの波形である。即ち、πウォブル123が3ウォブル連続した後、キャリアウォブル124が3ウォブル連続し、その後にπウォブルが3ウォブル連続する。ここで、キャリアウォブル124は、当該ディスクから再生されるウォブル信号のキャリアに対応する波形で正弦波である。即ち、キャリアウォブル以外の種類のウォブルの周波数と位相の基準となる。また、後述するように位相変調ユニットの特定箇所に使用することによりビット0を表す役割も持つ。尚、πウォブル123の波形は、キャリアウォブルと位相がπラジアン異なる正弦波である。
位相シンクの後には、キャリアウォブルが36ウォブル連続する部分がある。これは、十分に長いキャリアウォブルを用意することによりウォブルの主要な役割の一つである安定したクロック生成を保証するためのものである。
上記のキャリアウォブルが連続する部分に続く6ウォブルは、当該位相変調ユニットが表すデータを保持する部分である位相変調データ部122である。即ち、この部分の波形が全てキャリアウォブルである場合、当該位相変調ユニットが保持するデータは0である。一方、この部分の波形が全てπウォブル123である場合、当該位相変調ユニットが保持するデータは1である。位相変調データ部に続く、6ウォブルのキャリアウォブルで位相変調ユニットは終端される。
次に、図6を参照しながらSTW変調ウォブル部の構成を説明する。STW変調ウォブル部は、28個のSTW変調ユニットから構成される。1つのSTW変調ユニットがデータの1ビットを保持する。
STW変調ユニット131の構成を説明する。STW変調ユニットは、位相シンク121から開始する。これは、位相変調ユニットの開始を表すのに使用されているのと同じものである。即ち、πウォブル123が3ウォブル連続した後、キャリアウォブル124が3ウォブル連続し、その後にπウォブルが3ウォブル連続する。位相シンクの後には、キャリアウォブルが6ウォブル連続する。この後に続く36ウォブルは、当該STW変調ユニットが表すデータを保持する部分であるSTW変調データ部130である。STW変調データ部には,当該トラック及び1つ隣のトラックが保持すべきデータビットに応じて異なる波形が用いられる。
この部分の波形は,キャリアウォブルの整数倍の周波数を有する正弦波(高調波ウォブル)をキャリアウォブルに加算または減算したものであり,キャリアウォブルは数1で与えられる。
キャリアウォブル:
Figure 2015109122
また,この波形を図7(a)に示す。
一方,高調波ウォブルは,ランドにおいては数2及び3,グルーブにおいては数4及び5でそれぞれ与えられる。
高調波ウォブル(ランドトラック):
Figure 2015109122
Figure 2015109122
高調波ウォブル(グルーブトラック):
Figure 2015109122
Figure 2015109122
ここで、係数a0及びbnは、所望の波形に合わせて決定する。
ランドトラックにおいては,STW変調データ部における高調波ウォブルの波形が全て式2である場合、当該STW変調ユニットが保持するデータは1である。一方、この部分の波形が全て式3である場合、当該STW変調ユニットが保持するデータは0である。同様に,グルーブトラックにおいては,STW変調データ部における高調波の波形が全て数4である場合、当該STW変調ユニットが保持するデータは1であり,この部分の波形が全て数5である場合、当該STW変調ユニットが保持するデータは0である。
復調の容易性を考慮して各係数を定めた場合の一例を数6,7,8及び9に示す。また、これらの波形を図7(b)〜(e)にそれぞれ示す。
ランド:
Figure 2015109122
Figure 2015109122
グルーブ:
Figure 2015109122
Figure 2015109122
ここで、A及びωwは、それぞれキャリアウォブル信号の振幅及び角周波数である。数6,7,8及び9の波形は,それぞれ数2及び3,数4及び5において,b2=1/4,bn=0(n≧3)として得られたものである。すなわち,キャリアウォブルの3倍以上の周波数を有する高調波成分を省略し,2倍の周波数を有する正弦波の極性を変化させることでデータを保持している。2倍の周波数を有する正弦波の振幅はキャリアウォブルの振幅の1/4としている(b2=1/4)。これは,互いにトレードオフの関係にあるアドレス復調の信頼性とウォブル干渉の抑制との両立を考慮して決定されたものである。
<トラック形状,ウォブル波形>
次に,STW変調データ部のトラック形状について説明する。図1は,本発明を適用した光ディスク媒体におけるランドトラック及びグルーブトラックの形状の一例を模式的に示した図である。図の横方向はトラックの接線方向,縦方向はディスクの半径方向に対応している。分かりやすさのため,ウォブルの振幅が強調して描かれている。
図1に示したウォブル形状は以下のようにして決定される。図20は,仮想的にキャリアウォブル成分のみがウォブルに付加された場合のトラック形状を示した図である。キャリア信号のウォブル波形は数1のコサイン波形で与えられる。このように,キャリアウォブルは無変調の正弦波であるため,ランドトラックとグルーブトラックとのウォブル波形は同一となる。
図21は,ランドにおいて仮想的に高調波ウォブルのみで形成されたトラックの形状を示した図である。保持すべきデータビットが”1”の場合及び”0”の場合の高調波ウォブル波形は数2及び3で与えられる。このように,ランドトラックにおける高調波ウォブル波形はキャリアウォブルと同じコサイン波形となっているため,キャリアウォブルに対して同相の関係を成している。
図11は,グルーブにおいて仮想的に高調波ウォブルのみで形成されたトラックの形状を示した図である。保持すべきデータビットが”1”の場合及び”0”の場合のウォブル波形は数4及び5で与えられる。このように,グルーブトラックにおける高調波ウォブル波形はサイン波形となっているため,キャリアウォブルに対して直交位相の関係を成している。また,その結果として,グルーブトラックにおける高調波ウォブルはランドトラックにおける高調波ウォブルと直交位相の関係を有する。
図12は,図21及び図11にそれぞれ示したランドトラック及びグルーブトラックにおける高調波ウォブルの波形を合成したトラック形状を示した図である。トラック側壁の形状は,当該トラック側壁を挟むランドトラックとグルーブトラックにおける高調波信号を合成した形状となる。前述のように,ランドトラック及びグルーブトラックにおける高調波ウォブルは互いに直交しているため,互いに干渉することなく合成することができ,またそれぞれ完全に独立して検出することが可能である。すなわち,ランドトラックにおいてはキャリアウォブルに対して同相の関係を成す高調波ウォブル成分を抽出することにより,図21におけるランドトラックを再生する場合と同等のウォブル信号が得られ,またグルーブトラックにおいてはキャリアウォブルに対して直交位相の関係を成す高調波ウォブル成分を抽出することにより,図11におけるグルーブトラックを再生する場合と同等のウォブル信号が得られる。
以上のようにして決定されたキャリアウォブル波形(図20)と高調波ウォブル波形(図12)を合成することにより,光ディスク媒体に実際に形成されるトラックの形状が得られる。
ここで,当該トラックの1つ内側のトラックと1つ外側のトラックのデータビットが一致する区間では,当該トラックの内側と外側の側壁の形状が同一となるためトラック幅が一定となりウォブル干渉を生じない。STW変調データ部にランダムなデータが配置される場合,当該トラックの1つ内側のトラックと1つ外側のトラックのデータビットが一致する確率は1/2であるから,STW変調データ部のうち,ウォブル干渉が生じる区間の割合は1/2に抑制される。これにより,特許文献2に記載された技術のように,常にトラックの一側壁と他の一側壁の形状が異なるため,常にトラック幅が変調されウォブル干渉が発生する方式と比較して,ユーザデータの再生信号に与える影響が大幅に低減される。
なお,上記の構成例では,高調波ウォブルの波形として,ランドトラック及びグルーブトラックに対してそれぞれコサイン波形及びサイン波形を用いているが,これに限られるものではなく,逆にランドトラック及びグルーブトラックに対してそれぞれサイン波形及びコサイン波形を用いても同様の効果が得られる。
数1及び2と或いは図7から明らかなようにSTWは、キャリアウォブルにキャリアウォブルの2倍の周波数の正弦波を加減算したものであるからSTW変調データ部からもキャリアを容易に抽出することができるという特徴がある。
STW変調データ部に続く、6ウォブルのキャリアウォブルでSTW変調ユニットは終端される。ここで、図16を参照しながらSTWがウォブル干渉を起こす条件に於いても、その程度がBPSKなどよりも著しく小さい理由を説明する。図16は、STW及びBPSK変調を用いたグルーブに於けるウォブル干渉の様子を説明する模式図である。図16(a)は、簡単のためにSTW変調ユニットなどの構造は簡略化して変調波形の部分のみを抜き出してある。考察の対象はグルーブトラックのランドSTW変調部111とする。また、図16の上方及び下方は、それぞれディスクの外周及び内周方であるとする。図16(a)の上側の曲線は、グルーブ外側壁151(グルーブの外周側の側壁)を表し、その近傍に記した0または1の符号は、当該グルーブの外周側に隣接するランドトラックのSTW変調ユニットが保持するデータを表す。図16(a)の下側の曲線は、グルーブ内側壁152(グルーブの内周側の側壁)を表し、その近傍に記した0または1の符号は、当該グルーブの内周側に隣接するランドトラックのSTW変調ユニットが保持するデータを表す。グルーブの形状は、グルーブ外側壁151及びグルーブ内側壁152の形状は、それぞれに対応するSTW変調ユニットが保持するデータが0の場合はNSTW、1の場合はPSTWとなっている。図16(a)の最下段の曲線は、当該グルーブの幅の変化を表している。即ち、内周側ランドと外周ランドのデータが等しい場合、グルーブ幅の変化は0である。一方、内周側ランドと外周ランドのデータが等しくない場合、グルーブ幅は数8,9から明らかなように数10に従って変化する。
Figure 2015109122
図16(b)は、図16(a)と同様の状況で変調波形に,特許文献2のようにBPSKを用いた場合のグルーブ幅変化の様子を説明する図である。位相変調ユニットなどの構造は簡略化して変調波形の部分のみを抜き出してある。グルーブトラックのランドSTW変調部に相当する部分で、STWの代わりにBPSK波形を用いたとした場合を考えている。この場合、内周側ランドと外周ランドのデータが等しくない状況下ではグルーブ幅2Acosωtで変化する。即ち、グルーブの両側側壁の形状が等しくなく、グルーブ幅変調が不可避な状況に於いてもウォブル変調にSTW変調を用いることによりグルーブ幅変調の振幅をBPSK変調を用いた場合の1/4に抑えることが可能である。尚、図16及び以上の説明に於いてはグルーブを例にして説明したが、ランド幅の変調についても状況は同様であることは明らかであるので説明は省く。尚、以下に於いては、ウォブル干渉によるトラック幅変調の振幅のことをウォブル干渉振幅と呼ぶこととする。
次に、シンクコードウォブル部の構成を説明する。シンクコードウォブル部は、セグメントの開始を明示し、また、光スポットの正確な角度位置を導く役割がある。そのため、他のウォブル部と異なりデータを保持しない代わりにセグメントの開始を判別し易く、かつ、光スポットの正確な角度位置を割り出し易い波形となっている。そのために、シンクコードウォブル部には、他のウォブル部には使用されていないMSK(minimum shift keying)マーク140という波形を用いている。図8に示すように、3ウォブル一組で一つのMSKマークを構成する。即ち、中央のウォブルはキャリアウォブルとは位相が反転した正弦波であるものの前後それぞれ1ウォブルは、位相が連続するものの周波数が1.5倍の正弦波となっていてキャリアウォブルと滑らかに接続している。これは、一種の2値位相変調であるものの位相が反転している中央のウォブルとキャリアウォブルは滑らかに接続しているので、この部分におけるスペクトルの広がりがBPSKなどよりも大幅に小さいために観測されるウォブル信号の振幅変動も小さいという特徴を有する。また、位相が反転している区間が1ウォブルに限定されているのでMSKマークを検出することにより位置を1ウォブル以内の精度で決定することを可能とする。MSKマークの特徴については、非特許文献1に開示されているのでこれ以上の詳細は省く。
シンクコードウォブル部は、図9に示すように4種類のシンクコードユニット(シンクコードユニット0 141、シンクコードユニット1 142、シンクコードユニット2 143、シンクコードユニット3 144)が順に並ぶことにより構成されている。各シンクコードユニットは、固有のシンクコード(MSKマーク出現パターン)を有しているので、何らかの理由で一部のシンクコードを検出できなかった場合でも検出できたシンクコードから位置を推定するのは容易である。尚、全てのシンクコードユニットの長さは57ウォブルである。
各シンクコードユニットの構成を図10に示す。全てのシンクコードユニットは、MSKマークで開始し、第1のMSKマークの中央から19ウォブル離れて第2のMSKマークの中央が出現する(MSKマークは、キャリアウォブルに対して位相反転したウォブル、即ち、中央のウォブルを判別することにより検出される)。つまり、第1のMSKマークを検出してから19ウォブルクロック経過した際に第2のMSKマークを検出した場合、シンクコードを検出したことを確定できる。尚、上記のように第1のMSKマークを検出してから第2のMSKマークを検出するまでの距離をMSKマーク間の距離と呼ぶことにする。
シンクコード同士の判別には、第2のMSKマークと第3のMSKマークの間の距離を用いる。即ち、図10に示したようにシンクコードユニット0から3のそれはそれぞれ8、10,12,14である。
<ゾーン>
上で説明した実施例では図3のようにディスクの記録領域を等角度のセグメントに分割したのみである。このようなディスクに対してユーザデータを記録する際にチャネルクロック周波数をウォブルクロック周波数の定数倍に固定して記録した場合、ディスク上の半径位置によって線記録密度が大きく異なる。例えば、記録領域の最内周及び最外周をそれぞれ24mmと58mmとすると線記録密度は最大2.4倍異なる。よって、最内周で可能な限り高い線記録密度で記録しても記録領域全体での平均線記録密度は最内周のそれよりも相当に低くなるという問題がある。
この問題を解決するひとつの方法は、図13に示すようにゾーンを設定することである。即ち、記録領域を半径方向に複数のゾーン153に分割し、ゾーン毎に収容するセグメントの数を設定する。即ち、外周のゾーンほど多くのセグメントを持つように設定し、各ゾーンの内部に於いてはチャネルクロック周波数をウォブルクロック周波数の定数倍に固定して記録を行う。この結果、線記録密度の変動幅が小さくなり平均線記録密度を高めることができる。
記録領域をゾーンに分割した場合、図14に示すようにADIPデータ構成及びウォブル変調データ生成過程もそれに合わせて変更する必要がある。即ち、ゾーンを設けていない場合と対比すると、長さ4ビットのゾーン番号154を新たに層番号の後に配置している。記録領域をゾーンに分割したのでトラック番号は、ゾーン内でのトラック番号を表現できれば十分なので19ビットから15ビットに減らしている。よって、データの長さは変化していない。ゾーン番号は、ゾーン内では一定値を保つのでこの部分に起因するウォブル干渉は起きない。このため、層番号やセグメント番号と共に位相変調区間に割り当てている。
<CLV>
上記問題を解決する別の方法として、図15に示したように線記録密度一定でユーザデータを記録する方法がある。この場合、ユーザデータの記録単位であるRUB(recording unit block)155の先頭位置は、セグメントの先頭と同期しないのでRUB毎に算出する必要がある。それには、例えば、螺旋の長さの計算式を応用して求める。
<記録再生>
図17は、光ディスク装置の内、記録及び再生に関わる主要な部分を抜粋した模式図で、これを用いて記録及び再生動作を説明する。まず、セグメントとRUB(recording unit block)が同期している場合の記録動作を説明する。ユーザデータは、記録先のアドレスと共にユーザデータエンコーダ172に入力され、エラー訂正符号生成及びインターリーブ、符号変調などの過程を経てRUBとして記録されるチャネルビット列が編成される。チャネルビット列は、記録制御装置171へ送られる。一方、光ピックアップ170は、ウォブル信号を常に出力していて、これはADIPデコーダ173へと入力されている。ADIPデコーダは、ウォブル信号からADIPデータの復調を行う。得られたデータは、常に記録制御装置へ入力され、再生されたADIPを常に監視している。即ち、現在光スポットが所在しているADIPが記録先よりも手前であり、現在のトラックを追従して行く事で記録先ADIPに到達可能であることを確認し、また、再生したADIPの値とシンクコードを監視しながら記録開始のタイミング情報を記録制御装置に伝達する。記録制御装置は、このタイミング情報を元に光スポットが記録開始位置に到達した事を検出すると光ピックアップに記録発光開始指令と波形データを伝送し記録を開始する。
図18は、ADIPデコーダの構成を説明する図である。ピックアップで検出されたウォブル信号には、直流成分及び低周波成分が含まれているのでこれらをハイパスフィルタ180で除去する。ハイパスフィルタを通過したウォブル信号は、ウォブルPLL181に入力され、ここでウォブル信号のキャリアの周波数と位相に同期したクロックを再生する。再生されたクロックは、ADIPデコーダ内でウォブルクロックにて駆動される各要素に供給される。図中では、簡単のためにクロック供給線を省略している。
ハイパスフィルタの出力は、MSK検出器185、BPSK復調器184、STW復調器183にも入力される。これらは、各変調方式に対応した復調器である。MSK検出器は、MSKマークの出現パターンをシンクコード検出器186へと送出する。シンクコード検出器は、パターンをシンクコードと比較して光スポットがシンクコード通過した時刻をウォブル単位で把握することができる。よって、シンクコード通過後のウォブル数をウォブルカウンタ187で計数することにより、次のセグメントの先頭にて記録開始タイミング信号を出すことができる。即ち、記録開始の2つ手前のADIPを検出した後に、一つ手前のセグメントのシンクコードで記録開始タイミング信号を生成することで所望のセグメントに記録することができる。
シンクコード検出器は、光スポットがシンクコード通過した時刻を判別器188にも同時に通知する。判別器は、通知を受けると内部のカウンターでウォブルクロックをカウントしADIPワードの構成に基づいてBPSK復調器またはSTW復調器のいずれかの適切な出力を選択した上でデータのビット値を判別する。判別結果は、リードソロモン符合復号器189へと送出され、ADIPワード分のデータが揃った段階でリードソロモン符号を復号し、ADIPデータを得る。
<STW復調器>
次に,STW復調器183の具体的な構成を図22に示す。本構成はいわゆる同期検波の方法によって入力されたウォブル信号のうちの高調波ウォブル成分を抽出してアドレス情報を得るものである。極性反転器2411は,ランドトラック再生時には入力信号をそのまま出力し,グルーブトラック再生時には入力信号の極性を反転させて出力する。ランドトラックとグルーブトラックは溝の凹凸が互いに逆であるので同一のウォブル形状から得られるウォブル信号の極性は互いに反転するが,極性反転器2411の処理によりこれらの極性が一致し,以降の処理が単純化される。バンドパスフィルタ2401は入力信号のうち1ωwの周波数成分を通過させる。すなわち入力されたウォブル信号
Figure 2015109122
のうちのキャリアウォブル信号成分
Figure 2015109122
を通過させる。また,バンドパスフィルタ2402は入力信号のうち2ωwの周波数成分を通過させる。すなわち入力されたウォブル信号、数11のうちの高調波ウォブル信号成分
Figure 2015109122
を通過させる。2逓倍器2405は,入力信号を2逓倍,すなわち周波数を2倍にして出力する。2逓倍器2405は,入力されたキャリアウォブル信号成分、数12を
Figure 2015109122
に変換して出力し,これはランド用基準信号となる。π/2位相シフタ2406は,入力信号の位相をπ/2だけシフトして出力する。π/2位相シフタ2406は,入力されたランド用基準信号、数14を
Figure 2015109122
に変換して出力し,これはグルーブ用基準信号となる。高調波ウォブル信号成分、数13は,乗算器2403によってランド用基準信号、数14と乗算され,ローパスフィルタ2407によって2ωwの周波数成分のみが抽出され,ビット判定器2409によって信号の極性を判別され,負の場合は0,正の場合は1としてランドのデータビットが出力される。同様に,高調波ウォブル信号成分、数13は,乗算器2404によってグルーブ用基準信号、数15と乗算され,ローパスフィルタ2408によって2ωwの周波数成分のみが抽出され,ビット判定器2410によって信号の極性を判別され,負の場合は0,正の場合は1としてグルーブのデータビットが出力される。
このように乗算して得られた信号をデータクロック毎に積算し、データクロックの終了エッジでの積算値に基づき、ランドトラックまたはグルーブトラックにおけるデジタル情報の符号を判断して、アドレス情報を検出する。
次に、図17を用いて再生時の動作について説明する。ホストから指定されたアドレスのデータを読み出す指令を受けると光ピックアップの位置を概ね所望の位置に移動させる。光ピックアップ170は、ウォブル信号を常に出力していて、これはADIPデコーダ173へと入力されている。ADIPデコーダは、ウォブル信号からADIPデータの復調とエラー訂正符号の復号を行う。得られたデータは、常にファームウェアによって監視されている。ファームウェアは、ADIP現在光スポットが所在しているADIPが目的のそれよりも手前であり、現在のトラックを追従して行く事で読み出すアドレスに対応するADIPに到達可能であることを確認する。
光ピックアップの再生信号出力は、チャネルPLL174に供給されチャネルビット列のチャネルクロックを再生する。光ピックアップの再生信号出力は、リードチャネル175でビット列に復号される。復号されたビット列は、ユーザデータデコーダ176でフレーム構造解析及びエラー訂正処理を経てユーザデータを得る。その際に、ユーザデータと共に記録先のアドレスも同時に得られるので、これとADIPとの対応が正しいか否かを照合することにより確実性を高める。
図19は、光ディスク装置の構成の一例を示したものである。光ディスク1は、スピンドルモータ52によって回転される。光ピックアップ170には、記録再生に用いる光源、対物レンズをはじめとする光学系などで構成されている。光ピックアップは、スライダ53によりシークを行う。シーク及びスピンドルモータの回転などはメイン回路54からの指示によって行う。メイン回路には、信号処理回路やフィードバック調節計などの専用回路及びマイクロプロセッサ、メモリなどが搭載されている。光ディスク装置全体の動作を制御するのはファームウェア55である。ファームウェアは、メイン回路中のメモリに格納されている。
1 光ディスク
2 セグメント
3 グルーブセグメント
4 ランドセグメント
11 ディスク基板
12 記録層
13 光スポット
14 グルーブ
15 ランド
16 記録マーク、
170 光ピックアップ
171 記録制御装置
172 ユーザデータエンコーダ
173 ADIPデコーダ
174 チャネルPLL
175 リードチャネル
176 ユーザデータデコーダ
180 ハイパスフィルタ
181 ウォブルPLL
182 2逓倍器
183 STW復調器
184 BPSK復調器
185 MSK検出器
186 シンクコード検出器
187 ウォブルカウンタ
188 判別器
189 リードソロモン符号復号器
2401 バンドパスフィルタ(2ω)
2402 バンドパスフィルタ(1ω)
2403,2404 乗算器
2405 2逓倍器
2406 π/2位相シフト回路
2407,2408 ローパスフィルタ
2409,2410 ビット判定器
2411 極性切り替え回路

Claims (7)

  1. ランドトラックとグルーブトラックとの両方をユーザデータの記録領域として用い,ウォブルにアドレス情報を重畳する情報記録媒体において,
    半径方向に隣接したランドトラックとグルーブトラックの境界が成す側壁の形状は,正弦波のキャリア信号と,第1の高調波信号と,第2の高調波信号と,の合成信号によって決定され,
    前記第1の高調波信号は,前記キャリア信号に対して同相の関係を成し,
    記第2の高調波信号は,前記キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,
    前記第1の高調波信号は,前記ランドトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転し,
    前記第2の高調波信号は,前記グルーブトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転する
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  2. 前記第1の高調波信号は前記キャリア信号に対して同相の関係を成し,
    前記第2の高調波信号は前記キャリア信号に対して直交位相の関係を成す
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 前記第1の高調波信号は前記キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,
    前記第2の高調波信号は前記キャリア信号に対して同相の関係を成す
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
  4. 前記キャリア信号は、
    Figure 2015109122
    で表され、
    前記第1の高調波信号は、
    Figure 2015109122
    Figure 2015109122
    で表され、
    前記第2の高調波信号は、
    Figure 2015109122
    Figure 2015109122
    (但し、a及びbnは係数)
    で表されることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
  5. 前記キャリア信号は、
    Figure 2015109122
    で表され、
    前記第1の高調波信号は、
    Figure 2015109122
    Figure 2015109122
    で表され、
    前記第2の高調波信号は、
    Figure 2015109122
    Figure 2015109122
    で表されることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
  6. ランドトラックとグルーブトラックとの両方をユーザデータの記録領域として用い,ウォブルにアドレス情報が重畳され、
    半径方向に隣接したランドトラックとグルーブトラックの境界が成す側壁の形状は,正弦波のキャリア信号と,第1の高調波信号と,第2の高調波信号と,の合成信号によって決定され,
    前記第1の高調波信号は,前記キャリア信号に対して同相の関係を成し,
    記第2の高調波信号は,前記キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,
    前記第1の高調波信号は,前記ランドトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転し,
    前記第2の高調波信号は,前記グルーブトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転する
    情報記録媒体を用い、
    検出された前記合成信号のうちの前記キャリア信号から、前記ランドトラック用の第1の基準信号と、前記グルーブトラック用の第2の基準信号とを生成し、
    検出された前記合成信号のうちの高周波信号成分に前記第1の基準信号を乗算し、前記乗算して得られた信号に基づいて、前記ランドトラックにおけるデジタル情報の符号を判断し,
    検出された前記合成信号のうちの高周波信号成分に前記第2の基準信号を乗算し、前記乗算して得られた信号に基づいて、前記グルーブトラックにおけるデジタル情報の符号を判断し,アドレス情報を検出し、
    前記ユーザデータを再生することを特徴とする情報再生方法。
  7. ランドトラックとグルーブトラックとの両方をユーザデータの記録領域として用い,ウォブルにアドレス情報が重畳され、
    半径方向に隣接したランドトラックとグルーブトラックの境界が成す側壁の形状は,正弦波のキャリア信号と,第1の高調波信号と,第2の高調波信号と,の合成信号によって決定され,
    前記第1の高調波信号は,前記キャリア信号に対して同相の関係を成し,
    記第2の高調波信号は,前記キャリア信号に対して直交位相の関係を成し,
    前記第1の高調波信号は,前記ランドトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転し,
    前記第2の高調波信号は,前記グルーブトラックにおけるアドレス情報ビットに対応して極性が反転する
    情報記録媒体を用い、
    検出された前記合成信号のうちの前記キャリア信号から、前記ランドトラック用の第1の基準信号と、前記グルーブトラック用の第2の基準信号とを生成し、
    検出された前記合成信号のうちの高周波信号成分に前記第1の基準信号を乗算し、前記乗算して得られた信号に基づいて、前記ランドトラックにおけるデジタル情報の符号を判断し,
    検出された前記合成信号のうちの高周波信号成分に前記第2の基準信号を乗算し、前記乗算して得られた信号に基づいて、前記グルーブトラックにおけるデジタル情報の符号を判断し,アドレス情報を検出し、
    前記ユーザデータを記録することを特徴とする情報記録方法。
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