JP2015108931A - 両替機 - Google Patents

両替機 Download PDF

Info

Publication number
JP2015108931A
JP2015108931A JP2013250973A JP2013250973A JP2015108931A JP 2015108931 A JP2015108931 A JP 2015108931A JP 2013250973 A JP2013250973 A JP 2013250973A JP 2013250973 A JP2013250973 A JP 2013250973A JP 2015108931 A JP2015108931 A JP 2015108931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
money
denomination
unit
coin
withdrawal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013250973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6270443B2 (ja
Inventor
航 井原
Wataru Ihara
航 井原
一也 西野
Kazuya Nishino
一也 西野
吉田 弥生
Yayoi Yoshida
弥生 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glory Ltd filed Critical Glory Ltd
Priority to JP2013250973A priority Critical patent/JP6270443B2/ja
Priority to CN201480065712.XA priority patent/CN105793900A/zh
Priority to PCT/JP2014/081828 priority patent/WO2015083682A1/ja
Priority to EP14867150.6A priority patent/EP3079124B1/en
Publication of JP2015108931A publication Critical patent/JP2015108931A/ja
Priority to US15/172,220 priority patent/US20160284151A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6270443B2 publication Critical patent/JP6270443B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】貨幣を入金する前に出金貨幣の金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣の金種の指定を行うかを切り替えることができ、このことにより、操作者にとって融通が利くようになり利便性を向上させることができる両替機を提供する。
【解決手段】両替処理を行う両替機は、出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部24と、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを切り替える制御部22とを備えている。
【選択図】図30

Description

本発明は、両替処理を行う両替機に関する。
機体内に投入された紙幣や硬貨等の貨幣を他の金種の貨幣に交換して機体外に投出するような両替処理を行う両替機として従来から様々なタイプのものが用いられるようになっている。このような両替機として、例えば特許文献1、2に開示されるものが知られている。
特許文献1に開示される両替機によれば、両替処理において、貨幣を機体内に投入した後に、出金される貨幣の金種や金種毎の枚数等を指定することができるようになっている。一方、特許文献2には、両替処理において、貨幣の入金前に、出金される貨幣の金種や金種毎の枚数等を指定し、その後、指定された出金貨幣の内容に応じた金額の貨幣を機体内に投入するような両替機が開示されている。
特開平5−266297号公報 特許第4729339号
従来の両替機では、出金貨幣の金種を指定するタイミングが貨幣の入金前または入金後に固定されており、顧客の要望に応じてこの出金貨幣の金種を指定するタイミングを変更することができないという問題があった。また、出金貨幣の金種を指定するタイミングを変更する場合は、制御装置のプログラムを変更する必要があり、手間や費用がかかるという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、貨幣を入金する前に出金貨幣の金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣の金種の指定を行うかを切り替えることができるため、出金貨幣の金種を指定するタイミングが貨幣の入金前または入金後に固定されているような従来技術の両替機と比較して、制御装置のプログラムを変更することなく、顧客の要望に応じて臨機応変に対応することができるようになり、操作者にとって融通が利くようになり利便性を向上させることができる両替機を提供することを目的とする。
本発明の両替機は、両替処理を行う両替機であって、出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部と、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替える制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の両替機は、両替処理の種類を入力するための入力部を更に備え、前記制御部は、前記入力部により入力された両替処理の種類に基づいて、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替えるようになっていてもよい。
本発明の両替機においては、前記入力部により入力されるべき両替処理の種類は、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理であってもよい。
この場合、前記制御部は、前記入力部により入力された両替処理の種類が正両替処理のときには貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行い、一方、前記入力部により入力された両替処理の種類が逆両替処理のときには貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の両替機は、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの設定を行う設定部を更に備えていてもよい。
この場合、本発明の両替機は、両替処理の種類を入力するための入力部を更に備え、前記入力部により入力されるべき両替処理の種類は、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理であり、前記設定部は、前記入力部により入力された両替処理の種類が正両替処理のときおよび逆両替処理のときの各々に対して、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの設定を行うことができるようになっていてもよい。
本発明の両替機においては、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを、両替処理毎に選択することができるようになっていてもよい。
本発明の両替機においては、待機状態において、または両替処理の開始時に、貨幣の入金動作および前記出金貨幣金種指定部による金種の指定動作の両方を受付可能となっており、前記制御部は、貨幣の入金動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金された後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行い、一方、前記出金貨幣金種指定部による貨幣の金種の指定動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金される前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行うようになっていてもよい。
本発明の両替機においては、前記出金貨幣金種指定部による金種の指定が行われなかったときに、出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種構成、または予め設定された金種構成にて貨幣の出金が行われるようになっていてもよい。
本発明の両替機は、顧客情報を受け付ける顧客情報受付部を更に備え、前記制御部は、前期顧客情報受付部により受け付けられた顧客情報に基づいて、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの制御を行うようになっていてもよい。
本発明の両替機は、入金された紙幣を収納するとともに、機体内に収納された紙幣を出金可能な紙幣入出金ユニット、入金された硬貨を収納するとともに、機体内に収納された硬貨を出金可能な硬貨入出金ユニット、および機体内に収納された包装硬貨を出金可能な包装硬貨出金ユニットからなる群のうち少なくとも2つのユニットを備えていてもよい。
本発明の両替機は、両替処理を行う両替機であって、出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部を備え、前記出金貨幣金種指定部において、貨幣を入金する前および貨幣を入金した後の何れのときでも金種の指定を行うことができるようになっていることを特徴とする。
本発明の両替機は、貨幣以外の有価媒体を入金することができる両替機であって、入金された有価媒体を収納する有価媒体収納部と、出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部と、有価媒体を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または有価媒体を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替える制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の両替機によれば、貨幣を入金する前に出金貨幣の金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣の金種の指定を行うかを切り替えることができ、このことにより、操作者にとって融通が利くようになり利便性を向上させることができる。
本発明の実施の形態による両替機の外観を示す斜視図である。 図1に示す両替機において外側筐体の前面に設けられた上部扉および下部扉をそれぞれ開いたときの内部の構成を示す斜視図である。 図1および図2に示す両替機の構成の概略を示す概略構成図である。 図1等に示す両替機におけるバラ硬貨入出金装置の内部構成を示す側面図である。 図4に示すバラ硬貨入出金装置の内部構成を示す正面図である。 比較例として、従来技術のバラ硬貨入出金装置の内部構成を示す側面図である。 図4および図5に示すバラ硬貨入出金装置に設けられた硬貨投入機構の構成を示す上面図である。 図7に示す硬貨投入機構のA−A矢視による縦断面図であって、第1の硬貨供給部を傾斜させる前の状態を示す図である。 図7に示す硬貨投入機構のA−A矢視による縦断面図であって、第1の硬貨供給部を傾斜させた後の状態を示す図である。 図7に示す硬貨投入機構のB−B矢視による縦断面図である。 図7に示す硬貨投入機構のC−C矢視による縦断面図である。 図4等に示すバラ硬貨入出金装置の機能ブロック図である。 図1等に示す両替機におけるバラ紙幣入出金装置の内部構成を示す側面図である。 図1等に示す両替機における包装硬貨投出装置の内部構成を示す側面図である。 図14に示す包装硬貨投出装置における複数の収納部および昇降部の構成の詳細を示す側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置の各収納部に設けられた投出機構の構成を示す斜視図である。 図16に示す投出機構の側面図である。 図16に示す投出機構の側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置において、収納部に収納された包装硬貨を投出機構により投出する動作を示す側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置において、収納部に収納された包装硬貨を投出機構により投出する動作を示す側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置において、収納部に収納された包装硬貨を投出機構により投出する動作を示す側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置において、収納部に収納された包装硬貨を投出機構により投出する動作を示す側面図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置における複数の収納部および昇降部の構成を示す斜視図であって、収納部の扉を開いたときの状態を示す図である。 図23に示す包装硬貨投出装置における扉の構成を示す構成図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置における各収納部の収納領域の幅の大きさを調整するための第1の収納領域幅調整部材の構成を示す斜視図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置における各収納部の収納領域の幅の大きさを調整するための第2の収納領域幅調整部材の構成を示す斜視図である。 図14等に示す包装硬貨投出装置の収納部に設けられた投出機構における複数の種類の回転体の構成を示す図である。 図1等に示す両替機における他の種類の包装硬貨投出装置の内部構成を示す側面図である。 図28に示す包装硬貨投出装置の収納部に設けられた投出機構における複数の種類の回転体の構成を示す図である。 図3に示す両替機の制御装置の構成の詳細を示す機能ブロック図である。 図1等に示す両替機における出金貨幣の金種指定のタイミングの様々なパターンを示す図である。 図1等に示す両替機に設けられた左右一対の発光ダイオードの発光色および光表示のパターンと、両替機の状態との関係の一例を示す表である。 本発明の実施の形態による両替機の他の構成の概略を示す概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図33は、本実施の形態による両替機の構成を示す図である。本実施の形態に係る両替機は、金融機関等のロビーに設置され、顧客自らが操作して行う両替処理に利用されるようになっている。より詳細には、本実施の形態に係る両替機は、両替処理として、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理をそれぞれ行うことができるようになっている。なお、本実施の形態に係る両替機では、このような両替処理を行う際に、入金された貨幣から両替手数料を差し引いた金額の貨幣が出金されるような運用が行われる場合もある。また、本実施の形態に係る両替機は、入金された旧券と同一の合計金額または両替手数料が差し引かれた金額の新券が出金されたり、入金された損券と同一の合計金額または両替手数料が差し引かれた金額の正券が出金されたり、入金された流通券と同一の合計金額または両替手数料が差し引かれた金額の官封券(いわゆる新札)が出金されたりするようになっていてもよい。
〔両替機の全体構成について〕
まず、本実施の形態に係る両替機の全体構成について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態による両替機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す両替機において外側筐体の前面に設けられた上部扉および下部扉をそれぞれ開いたときの内部の構成を示す斜視図であり、図3は、図1および図2に示す両替機の構成の概略を示す概略構成図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態による両替機10は、略直方体形状の外側筐体12を有しており、この外側筐体12の内部には、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300が横方向に並ぶよう設けられている。これらのバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300はそれぞれ、他の装置から独立して外側筐体12の内部から手前側に水平方向に引き出して取り出すことができるようになっている。ここで、本実施の形態では、バラ紙幣入出金装置200により、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理ユニット50が構成されている。また、バラ硬貨入出金装置100および包装硬貨投出装置300により、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理ユニット60が構成されている。
また、両替機10の外側筐体12の前面には上部扉14および下部扉16がそれぞれ設けられている。図2に示すように、上部扉14は図1に示す閉じた状態から上方に開くことができるようになっており、また、下部扉16は図1に示す閉じた状態から側方に開くことができるようになっている。また、上部扉14の上部における左右両側には、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを光表示により外部に通知する状態通知部として発光ダイオード(LED)90、92が設けられている。このような発光ダイオード90、92の構成や作用効果については後述する。
また、図3に示すように、本実施の形態による両替機10には、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300にそれぞれ接続され、これらの各装置100、200、300の制御を行う制御装置20が設けられている。このような制御装置20による各装置100、200、300の制御方法については後述する。また、図1に示すように、両替機10の上部扉14には例えばタッチパネル等からなる操作表示部40が設けられており、このような操作表示部40は制御装置20に接続されている(図3参照)。操作表示部40は、各装置100、200、300における貨幣の処理状況や在高等に係る情報を表示するとともに、操作者がこの操作表示部40を操作することにより制御装置20に様々な指令を入力することができるようになっている。なお、両替機10においてタッチパネル等からなる操作表示部40が設けられる代わりに、モニタ等からなる表示部と、キーボードや操作キー等からなる操作部とが別々に設けられるようになっていてもよい。
また、図3に示すように、両替機10の制御装置20にはカードリーダ42、プリンタ44等が接続されている。カードリーダ42は、操作者が所有するIDカード等の読み取りを行うことにより当該操作者の認証を行うようになっている。また、プリンタ44は、各装置100、200、300における貨幣の処理状況や在高等に係る情報、あるいは操作者が行った両替処理に関する情報をレシート等に印字する印字部として機能するようになっている。このようなカードリーダ42へのカード挿入口やプリンタ44からのレシート投出口は両替機10の上部扉14等に設けられている。
また、図示していないが、両替機10の前面に小型の棚を設けるようにしてもよい。このような棚を設けることにより、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者は、かばんや現金をこの棚に仮置きすることができ、操作者は両手を使って両替機10の操作を行うことが可能となるため操作者にとっての利便性を向上させることができる。
〔バラ硬貨入出金装置の構成について〕
次に、本実施の形態の両替機10におけるバラ硬貨入出金装置100の構成について図4乃至図12を用いて説明する。ここで、図4は、図1等に示す両替機10におけるバラ硬貨入出金装置100の内部構成を示す側面図であり、図5は、図4に示すバラ硬貨入出金装置100の内部構成を示す正面図である。なお、図6は、比較例として、従来技術のバラ硬貨入出金装置100aの内部構成を示す側面図である。また、図7乃至図11は、図4および図5に示すバラ硬貨入出金装置100に設けられた硬貨投入機構110の構成を示す上面図や縦断面図である。また、図12は、図4等に示すバラ硬貨入出金装置100の機能ブロック図である。
図4および図5に示すように、バラ硬貨入出金装置100は、略直方体形状の筐体102と、筐体102の外部から内部に硬貨を投入するための硬貨投入機構110(図5参照)と、バラ硬貨入出金装置100により筐体102の内部に投入された硬貨が送られて貯留されるとともに貯留された硬貨を1枚ずつ繰り出す貯留繰出機構130とを備えている。硬貨投入機構110の構成の詳細については後述する。貯留繰出機構130は、鉛直方向に対して所定角度で傾斜しており傾斜姿勢で回転させられる回転円盤132と、この回転円盤132の表面132bとの間に硬貨を貯留する硬貨貯留空間133を形成するカバー部材134とを有している。
また、筐体102内の上部において、貯留繰出機構130から繰り出された硬貨を1枚ずつ搬送する入金搬送部120が設けられており、この入金搬送部120には、当該入金搬送部120により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、新旧等の識別を行う識別部122が設けられている。より詳細には、図12に示すように、識別部122は、真偽判別部122a、正損判別部122bおよび新旧判別部122cを有している。真偽判別部122aは、バラ硬貨入出金装置100に入金された硬貨が真貨(本物の硬貨)および偽貨(偽物の硬貨)のうち何れの種類のものであるかを判別するようになっている。また、正損判別部122bは、バラ硬貨入出金装置100に入金された硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかを判別するようになっている。なお、「損貨」とは、錆や汚れ等により表面が汚損された硬貨、一部が欠損した硬貨、変形した硬貨等のことをいう。また、新旧判別部122cは、バラ硬貨入出金装置100に入金された硬貨が現在流通している新貨および現在流通していない旧貨のうち何れの種類のものであるかを判別するようになっている。ここで、偽貨、損貨および旧貨は市場で流通させるのに適していないため、バラ硬貨入出金装置100から出金させずに当該バラ硬貨入出金装置100の機体内に収納しておくことが望ましい。
入金搬送部120には無端状ベルト120pが設けられている。無端状ベルト120pは複数のプーリに張架されており、一のプーリに取り付けられたモータにより無端状ベルト120pは図4における反時計回りの方向に循環移動させられるようになっている。また、この無端状ベルト120pには複数の突起部材(図示せず)が等間隔で設けられており、一の突起部材に硬貨が1枚引っ掛けられることにより、搬送面上で硬貨が1枚ずつ搬送させられるようになっている。
また、筐体102内において入金搬送部120の下方には複数(具体的には6つ)の収納繰出機構150が設けられている。各収納繰出機構150は、識別部122による硬貨の識別結果に基づいて、入金搬送部120に設けられた選別部124によりシュート126を介して当該入金搬送部120から硬貨が送られて収納されるようになっている。また、入金搬送部120には、リジェクト硬貨用の選別部であるリジェクト選別部127が設けられており、識別部122の真偽判別部122aにより偽貨(偽物の硬貨)であると判別された硬貨はこのリジェクト選別部127によりリジェクト硬貨用のシュート(図示せず)を介して後述する硬貨投出口172に送られるようになっている。また、図示していないが、硬貨投出口172とは別に、リジェクト硬貨を機体外に返却するための返却部(リジェクト部)が硬貨投出口172の近傍に設けられていてもよい。この場合には、識別部122の真偽判別部122aにより偽貨であると判別された硬貨はリジェクト硬貨としてこのリジェクト選別部127によりリジェクト硬貨用のシュートを介して返却部に送られるようになる。
また、各収納繰出機構150は、当該収納繰出機構150に収納された硬貨を1枚ずつ繰り出すようになっている。より詳細には、各収納繰出機構150は、鉛直方向に対して所定角度で傾斜しており傾斜姿勢で回転させられる回転円盤152と、この回転円盤152の表面152bとの間に硬貨を収納する硬貨収納空間153を形成するカバー部材154とを有している。
また、バラ硬貨入出金装置100には、筐体102外へ硬貨を投出する硬貨投出口172が設けられており、筐体102内には、各収納繰出機構150から繰り出された硬貨を硬貨投出口172に搬送する出金搬送部170が設けられている。出金搬送部170は、各収納繰出機構150の下方に設けられ略水平方向に沿って延びる第1の出金搬送部分170aと、第1の出金搬送部分170aから送られた硬貨を硬貨投出口172に搬送する第2の出金搬送部分170bとを有している。また、出金搬送部170は、複数のプーリに張架された無端状ベルト170pから構成されている。そして、一のプーリに取り付けられたモータにより無端状ベルト170pは図4における時計回りおよび反時計回りの両方向に循環移動させられるようになっている。無端状ベルト170pには複数の突起部材(図示せず)が等間隔で設けられており、一の突起部材に硬貨が1枚以上引っ掛けられることにより、無端状ベルト170pにより硬貨が1枚以上ずつ搬送させられるようになっている。
また、筐体102内において、出金搬送部170の下方にはオーバーフロー硬貨収納部180が設けられている。オーバーフロー硬貨収納部180は、例えば筐体102に対して着脱自在に設けられた回収ボックス等から構成されている。無端状ベルト170pが図4における時計回りの方向に循環移動することにより、出金搬送部170における第1の出金搬送部分170aからオーバーフロー硬貨収納部180に硬貨が送られるようになっている。そして、オーバーフロー硬貨収納部180が回収ボックスから構成されている場合には、当該回収ボックスに硬貨が収納された後、筐体102から回収ボックスを手前側に引き出すことにより、硬貨を回収ボックスごと回収することができるようになっている。
なお、図6に示すような従来技術のバラ硬貨入出金装置100aでは、筐体102内において入金搬送部120の下方には8つの収納繰出機構150が設けられていた。これに対し、本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100では、8つの収納繰出機構150のうち装置手前側(すなわち、図6における左側)にある2つの収納繰出機構150を撤去してこの収納繰出機構150が撤去された領域にオーバーフローシュート125を設けるようにした。また、図4に示すように、入金搬送部120には、各収納繰出機構150に対応する各シュート126に送られる硬貨を選別する選別部124とは別に、オーバーフローシュート125に送られる硬貨を選別するオーバーフロー選別部123を設けるようにした。また、オーバーフローシュート125の下端部は出金搬送部170の無端状ベルト170pの上方に位置するようにした。このような構成により、入金搬送部120により搬送される硬貨のうちオーバーフロー選別部123により選別された硬貨はオーバーフローシュート125を通って出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られるようになる。
図6に示すような従来技術のバラ硬貨入出金装置100aでは、識別部122により識別された硬貨の金種に対応する収納繰出機構150が満杯状態であるときには、入金搬送部120による硬貨の搬送を停止し、この満杯状態にある収納繰出機構150から数枚の硬貨を繰り出して出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送り、この無端状ベルト170pにより当該硬貨をオーバーフロー硬貨収納部180に送るようにしていた。そして、満杯状態にある収納繰出機構150から繰り出された数枚の硬貨が全てオーバーフロー硬貨収納部180に送られると、入金搬送部120による硬貨の搬送を再開していた。しかしながら、このような従来技術のバラ硬貨入出金装置100aでは、入金搬送部120による硬貨の搬送を一旦停止させる必要があるため、硬貨の処理速度が遅くなってしまうという問題があった。
これに対して、図4に示すような本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100では、識別部122により識別された硬貨の金種に対応する収納繰出機構150が満杯状態であるときには、入金搬送部120による硬貨の搬送を停止することなく、その金種に対応する収納繰出機構150が満杯であるような硬貨をオーバーフロー選別部123により選別してオーバーフローシュート125により出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送るようになっている。そして、オーバーフローシュート125により出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られた硬貨は、当該無端状ベルト170pによりオーバーフロー硬貨収納部180に送られるようになっている。このような本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100では、識別部122により識別された硬貨の金種に対応する収納繰出機構150が満杯状態となっても、入金搬送部120による硬貨の搬送を停止することなくオーバーフロー硬貨収納部180に硬貨を送ることができるようになるため、硬貨の処理速度が低下してしまうことを防止することができるようになる。
また、バラ硬貨入出金装置100には、当該バラ硬貨入出金装置100の各構成要素の制御を行う制御部190が設けられている。このような制御部190の構成について図12を用いて説明する。図12に示すように、制御部190にはバラ硬貨入出金装置100の硬貨投入機構110、貯留繰出機構130、入金搬送部120、識別部122、収納繰出機構150、出金搬送部170等が構成されている。ここで、識別部122による硬貨の識別結果は制御部190に送られるようになっている。また、制御部190は、硬貨投入機構110、貯留繰出機構130、入金搬送部120、収納繰出機構150、出金搬送部170等にそれぞれ指令信号を送ることによりこれらの構成要素の制御を行うようになっている。
次に、上述したバラ硬貨入出金装置100における硬貨投入機構110の構成の詳細について図7乃至図11を用いて説明する。ここで、図7は、図4および図5に示すバラ硬貨入出金装置100に設けられた硬貨投入機構110の構成を示す上面図であり、図8および図9は、それぞれ、図7に示す硬貨投入機構110のA−A矢視による縦断面図であり、図10は、図7に示す硬貨投入機構110のB−B矢視による縦断面図であり、図11は、図7に示す硬貨投入機構110のC−C矢視による縦断面図である。
図7乃至図11に示すように、バラ硬貨入出金装置100の筐体102の外部から内部に硬貨を投入するための硬貨投入機構110は、筐体102の上面に設けられた硬貨投入口に投入された硬貨を受け取るとともに受け取った硬貨に含まれる例えばクリップ等の異物を排除するよう設けられた第1の硬貨供給部111と、第1の硬貨供給部111から送られた硬貨を受け取る第2の硬貨供給部115とを有している。また、第1の硬貨供給部111と第2の硬貨供給部115との間には、第1の硬貨供給部111により受けられた硬貨を第2の硬貨供給部115に送るための硬貨搬送路を形成するシュート113が設けられている。
第1の硬貨供給部111は、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを含むトレイから構成されており、硬貨投入口に投入された硬貨はこのトレイに受けられるようになっている。ここで、第2の受皿部分111bの上面は水平面に沿って設けられているのに対し、第1の受皿部分111aは、その上面が第2の受皿部分111bに向かって斜め下方に延びるよう水平面に対して傾斜して設けられている。また、図7に示すように、シュート113には第2の受皿部分111bが隣接して設けられている。このため、第1の受皿部分111aに受けられている硬貨はまず第2の受皿部分111bに送られ、この第2の受皿部分111bからシュート113に送られるようになっている。
図8および図9に示すように、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bは、水平方向に延びる軸111dを中心として一体的に回動可能となっている。より詳細には、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bは、図8に示すような、硬貨投入口に投入された硬貨を受ける硬貨受け位置と、図9に示すような、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに受けられている硬貨をシュート113に送る硬貨送り位置との間で一体的に回動するようになっている。ここで、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに何ら力が作用していないときには、これらの第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bは自重により図8に示すような硬貨受け位置に位置するようになっている。また、硬貨投入口に投入された硬貨が第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに受けられた後、操作者が手動で第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを一体的に持ち上げることにより軸111dを中心として回動させ、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを図9に示すような硬貨送り位置に移動させると、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに受けられている硬貨が自重によりシュート113に送られるようになる。なお、本実施の形態では、硬貨投入機構110は、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bが手動により軸111dを中心として回動するような態様に限定されることはない。変形例に係る硬貨投入機構110の態様として、軸111dを中心として第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを回動させる駆動モータ(図示せず)が設けられていてもよい。また、別の形態として、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに受けられている硬貨を操作者が手でシュート113に送るようにしてもよい。
本実施の形態では、第1の受皿部分111aにおける第2の受皿部分111b側の端縁部が第2の受皿部分111bにおける第1の受皿部分111a側の端縁部よりもわずかに高くなるよう、第1の受皿部分111aと第2の受皿部分111bとの間には段差が設けられている。このことにより、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを図9に示すような硬貨送り位置に移動させたときに、まず第2の受皿部分111bに受けられている硬貨がシュート113に送られ、その後第1の受皿部分111aに受けられている硬貨が第2の受皿部分111bを経てシュート113に送られるようになる。このことにより、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bにそれぞれ受けられている硬貨が一度にシュート113に送られてしまい硬貨の詰まり等のトラブルが発生してしまうことを防止することができるようになる。
また、図7に示すように、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bの各々には、異物排除用の穴111cが複数設けられている。各穴111cのサイズは、バラ硬貨入出金装置100により処理されるべき硬貨の大きさよりも小さくなっている。また、図8や図9に示すように、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bの下方には、穴111cを通過した異物を受け取るための異物受取部112が設けられている。
図8および図9に示すように、シュート113は、硬貨搬送路の底面を構成する第1のガイド部113aと、硬貨搬送路の上面を構成する第2のガイド部113bとを有しており、第1の硬貨供給部111からシュート113に送られた硬貨は、これらの第1のガイド部113aと第2のガイド部113bとの間の領域を通るように搬送されて第2の硬貨供給部115に送られるようになっている。ここで、図8および図9に示すように、硬貨搬送路の底面を構成する第1のガイド部113aは、第1の硬貨供給部111から第2の硬貨供給部115に向かって斜め下方に延びるよう水平面に対して傾斜している。このため、第1の硬貨供給部111からシュート113に送られた硬貨は自重により第2の硬貨供給部115に送られるようになる。また、図8および図9に示すように、第2のガイド部113bの近傍には、第1のガイド部113aとの間で間隔を空けて包装硬貨搬送規制部113cが設けられている。ここで、第1のガイド部113aと包装硬貨搬送規制部113cとの間の距離は、バラ硬貨入出金装置100により処理されるべき硬貨の直径よりも小さくなっており、第1の硬貨供給部111からシュート113に送られた硬貨は立位状態ではなく倒れた状態で第1のガイド部113a上で自重により滑りながら第2のガイド部113bに向かって移動するようになっている。このような包装硬貨搬送規制部113cが設けられていることにより、操作者がバラ硬貨入出金装置100の硬貨投入口に誤って包装硬貨を投入してしまった場合でも、このような包装硬貨は第1のガイド部113aと包装硬貨搬送規制部113cとの間の隙間を通過することができずこの包装硬貨搬送規制部113cで引っ掛かってしまうため、包装硬貨が後述する第2の硬貨供給部115に送られてしまうことを防止することができる。包装硬貨が包装硬貨搬送規制部113cで引っ掛かった場合には、操作者は硬貨投入口に手を入れることによりこの包装硬貨を取り出すことができるようになる。
図8および図9に示すように、シュート113には、第1の硬貨供給部111から第2の硬貨供給部115への硬貨の搬送を選択的に阻止するためのシャッタ114が開閉自在に設けられている。このようなシャッタ114は、図8に示すような、シュート113の第1のガイド部113aと第2のガイド部113bとの間に位置し硬貨搬送路を塞ぐような閉止位置と、図9に示すような、硬貨搬送路から退避して第2のガイド部113bの上方に位置するような開放位置との間で移動するようになっている。シャッタ114が図8に示すような閉止位置に位置するときには、第1の硬貨供給部111からシュート113に送られた硬貨は当該シャッタ114により遮られて第2の硬貨供給部115には送られないようになる。このようなシャッタ114の開閉動作は制御部190により制御されるようになっている。また、シュート113におけるシャッタ114の近傍には、硬貨の通過を検知する硬貨通過検知センサ113p(図12参照)が設けられている。
図11に示すように、第2の硬貨供給部115は、複数のプーリ115bに張架された搬送ベルト115aを有しており、シュート113から第2の硬貨供給部115に送られた硬貨は搬送ベルト115a上で受けられるようになっている。また、複数のプーリ115bのうちある一つのプーリ115bには駆動モータ(図示せず)が接続されており、この駆動モータにより当該駆動モータに接続されたプーリ115bが回転駆動されることにより、搬送ベルト115aは図11における時計回りおよび反時計回りの両方向に循環移動することができるようになっている。ここで、搬送ベルト115aが図11における時計回りの方向に循環移動することにより、シュート113から第2の硬貨供給部115に送られた硬貨は当該搬送ベルト115a上で図11における右側に搬送され、図11の矢印に示すように搬送ベルト115aの端部から落下して貯留繰出機構130に送られるようになる。このように、第2の硬貨供給部115は、第1の硬貨供給部111から送られた硬貨に力を作用させることにより、硬貨繰出部としての貯留繰出機構130に当該硬貨を送るようになっている。なお、第1の硬貨供給部111から送られた硬貨に力を作用させることにより貯留繰出機構130に送るような第2の硬貨供給部115は、搬送ベルト115aを有するものに限定されることはない。第1の硬貨供給部111から送られた硬貨に力を作用させることにより貯留繰出機構130に送ることができるものであれば、搬送ベルト115a以外の構成のものを第2の硬貨供給部115として用いてもよい。
また、図11に示すように、搬送ベルト115aにおける貯留繰出機構130側(すなわち、図11における右側)の端部の上方には、第2の硬貨供給部115から貯留繰出機構130への硬貨の搬送量を制限するための硬貨搬送量制限部材116が設けられている。硬貨搬送量制限部材116は例えば板状のウレタンゴム等の弾性体(具体的には、可撓性を有する材料からなるもの)からなり、硬貨搬送量制限部材116の下端部は搬送ベルト115aの上面からわずかに上方に離間するようになっている。このような硬貨搬送量制限部材116が搬送ベルト115aの上方に設けられていることにより、搬送ベルト115a上にある多量の硬貨が一度に当該搬送ベルト115aの端部からなだれ落ちてしまい貯留繰出機構130に送られてしまうことを防止することができる。また、硬貨搬送量制限部材116は軸116aを中心として図11における実線に示す位置と二点鎖線で示す位置との間で揺動することができるようになっている。このことにより、搬送ベルト115aにより当該搬送ベルト115a上に受けられた硬貨を貯留繰出機構130に送る際に、第2の硬貨供給部115の側壁と硬貨搬送量制限部材116との間に硬貨が引っ掛かってしまい当該硬貨が搬送ベルト115aから落下しなかった場合でも、硬貨搬送量制限部材116を揺動させることにより、第2の硬貨供給部115の側壁と硬貨搬送量制限部材116との間に引っ掛かってしまっている硬貨を当該硬貨搬送量制限部材116から離間させて搬送ベルト115a上に受けさせるか、または貯留繰出機構130側へ硬貨を落とすことができるようになる。なお、このような硬貨搬送量制限部材116の揺動はバラ硬貨入出金装置100の制御部190により制御されるようになっている。
図12に示すように、第1の硬貨供給部111には、当該第1の硬貨供給部111の第1の受皿部分111aや第2の受皿部分111bに受けられている硬貨を検知するための第1残留検知部117が設けられている。また、第2の硬貨供給部115には、当該第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115a上に受けられている硬貨を検知するための第2残留検知部118が設けられている。このような第1残留検知部117や第2残留検知部118が設けられていることにより、硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨投入機構110により貯留繰出機構130に送った後に第1の硬貨供給部111や第2の硬貨供給部115に硬貨が残留してしまった場合でも、第1残留検知部117や第2残留検知部118によりこのような残留硬貨を検知することができるようになる。また、第2の硬貨供給部115には、当該第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115a上に受けられている硬貨が満杯状態であるときにこのことを検知する硬貨収納状態検知部119が設けられている。また、第2の硬貨供給部115から硬貨が送られる貯留繰出機構130にも、当該貯留繰出機構130に収納されている硬貨が満杯状態であるときにこのことを検知する硬貨収納状態検知部138が設けられている。
バラ硬貨入出金装置100に設けられた制御部190は、硬貨投入機構110に対して以下のような制御を行うようになっている。具体的には、貯留繰出機構130に収納されている硬貨が満杯状態であることが硬貨収納状態検知部138により検知されていないときに、第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115aが図11における時計回りの方向に循環移動するよう駆動され、第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115a上に受けられている硬貨が貯留繰出機構130に送られるようになっている。一方、貯留繰出機構130に収納されている硬貨が満杯状態であることが硬貨収納状態検知部138により検知されたときには、第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115aが停止させられる。制御部190によりこのような搬送ベルト115aの制御を行うことによって、バラ硬貨入出金装置100の硬貨投入口に大量の硬貨が投入された場合でも、搬送ベルト115aが上述したような間欠運転を行うことにより、貯留繰出機構130に大量の硬貨が一度に送られることが防止される。このようにして、貯留繰出機構130に収納されている硬貨が満杯状態であるときに当該貯留繰出機構130に更に硬貨が送られることがなくなるため、貯留繰出機構130で硬貨があふれてしまい詰まり等のトラブルが生じることを防止することができるようになる。
また、制御部190は、第1の硬貨供給部111から第2の硬貨供給部115に送られた硬貨を貯留繰出機構130に送った後、搬送ベルト115aを貯留繰出機構130への硬貨の送り方向とは逆方向(すなわち、図11における反時計回りの方向)に所定時間だけ循環移動させるよう当該搬送ベルト115aの駆動を制御するようになっている。また、制御部190は、搬送ベルト115aが貯留繰出機構130への硬貨の送り方向とは逆方向に循環移動するときに、硬貨搬送量制限部材116に接触している硬貨を当該硬貨搬送量制限部材116から離間させるよう、軸116aを中心としてこの硬貨搬送量制限部材116を揺動させるようになっている。このことにより、搬送ベルト115aにより当該搬送ベルト115a上に受けられている硬貨を貯留繰出機構130に送る際に第2の硬貨供給部115の側壁と硬貨搬送量制限部材116との間に硬貨が引っ掛かってしまい当該硬貨が搬送ベルト115aから落下しなかった場合でも、硬貨搬送量制限部材116を揺動させることによりこの硬貨搬送量制限部材116に引っ掛かってしまっている硬貨を当該硬貨搬送量制限部材116から離間させて搬送ベルト115a上に受けさせるか、または貯留繰出機構130側へ硬貨を落とすことができるようになる。
また、制御部190は、搬送ベルト115aが貯留繰出機構130への送り方向とは逆方向に所定時間だけ循環移動した後、当該搬送ベルト115aを貯留繰出機構130への硬貨の送り方向(図11における時計回りの方向)に再び循環移動させるようになっている。このことにより、硬貨搬送量制限部材116から離間して搬送ベルト115a上に受けられた硬貨を貯留繰出機構130に送ることができるようになる。
また、制御部190は、第2の硬貨供給部115に受けられている硬貨が満杯状態であることが硬貨収納状態検知部119により検知されると、シャッタ114を閉じて第1の硬貨供給部111から第2の硬貨供給部115への硬貨の搬送を阻止するようになっている。このことにより、第2の硬貨供給部115に受けられている硬貨が満杯状態であるときには、シャッタ114が閉止位置に移動することによりシュート113から第2の硬貨供給部115に硬貨が送られないようになるため、第2の硬貨供給部115から硬貨があふれてしまい詰まり等のエラーが発生することを防止することができるようになる。また、制御部190は、第1の硬貨供給部111に硬貨が受けられていることが第1残留検知部117により検知される場合にはシャッタ114を開くようになっている。このことにより、硬貨投入口に投入された硬貨を硬貨投入機構110により貯留繰出機構130に送った後に第1の硬貨供給部111の第1の受皿部分111aや第2の受皿部分111bに硬貨が残留してしまった場合でも、第1の硬貨供給部111からシュート113を介して第2の硬貨供給部115に硬貨を送ることができるようになる。
次に、このような構成からなる硬貨投入機構110の動作について説明する。操作者がバラ硬貨の入金処理開始の指令をバラ硬貨入出金装置100の制御部190に入力すると、当該制御部190はシュート113に設けられたシャッタ114を開く。また、制御部190は第2の硬貨供給部115の搬送ベルト115aを図11における時計回りの方向に循環移動させる。そして、操作者が筐体102の上面に設けられた硬貨投入口に硬貨を投入すると、第1の硬貨供給部111の第1の受皿部分111aや第2の受皿部分111bに硬貨が受けられる。この際に、硬貨に含まれる異物は異物排除用の穴111cを通って異物受取部112に送られるようになる。その後、操作者が手動で第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを一体的に持ち上げることにより軸111dを中心として回動させ、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bを図9に示すような硬貨送り位置に移動させると、第1の受皿部分111aおよび第2の受皿部分111bに受けられている硬貨が自重によりシュート113に送られ、シュート113から第2の硬貨供給部115に送られるようになる。第2の硬貨供給部115に送られた硬貨は搬送ベルト115a上に受けられ、この搬送ベルト115aが図11における時計回りの方向に循環移動することにより当該搬送ベルト115a上に受けられた硬貨はこの搬送ベルト115aの端部から図11の矢印に示すように落下して貯留繰出機構130に送られる。
シュート113に設けられた硬貨通過検知センサ113pが硬貨の通過を検知しなくなってから所定時間が経過すると、第1の硬貨供給部111の第1の受皿部分111aや第2の受皿部分111bに受けられていた硬貨は貯留繰出機構130に送られたと制御部190により判断される。この場合には、制御部190はシャッタ114を閉じて第1の硬貨供給部111から第2の硬貨供給部115への硬貨の搬送を阻止するようになる。また、この際に、制御部190は、搬送ベルト115aを貯留繰出機構130への硬貨の送り方向とは逆方向(すなわち、図11における反時計回りの方向)に所定時間だけ循環移動させるよう当該搬送ベルト115aの駆動を制御するとともに、硬貨搬送量制限部材116に接触している硬貨を当該硬貨搬送量制限部材116から離間させるようこの硬貨搬送量制限部材116を揺動させる。このことにより、第2の硬貨供給部115の側壁と硬貨搬送量制限部材116との間に引っ掛かってしまった硬貨を当該硬貨搬送量制限部材116から離間させて搬送ベルト115a上に受けさせることができるようになる。そして、制御部190は、搬送ベルト115aが貯留繰出機構130への送り方向とは逆方向に所定時間だけ循環移動した後、当該搬送ベルト115aを貯留繰出機構130への送り方向(図11における時計回りの方向)に再び循環移動させる。このことにより、硬貨搬送量制限部材116から離間して搬送ベルト115a上に受けられた硬貨が貯留繰出機構130に送られるようになる。
上述した硬貨投入機構110によれば、バラ硬貨入出金装置100の硬貨投入口に投入された硬貨を受け取るとともに、受け取った硬貨に含まれる異物を排除するよう設けられた第1の硬貨供給部111と、第1の硬貨供給部111から送られた硬貨を受け取る第2の硬貨供給部115とが設けられており、第2の硬貨供給部115は、第1の硬貨供給部111から送られた硬貨に力を作用させることにより、硬貨繰出部としての貯留繰出機構130に当該硬貨を送るようになっている。このことにより、硬貨に含まれる異物を除去することができるとともに、第1の硬貨供給部111および第2の硬貨供給部115という2段階の硬貨供給部で貯留繰出機構130に硬貨を送るようにしているため硬貨投入口に大量の硬貨が投入された場合でも硬貨の詰まり等のトラブルが生じることなく確実に貯留繰出機構130に硬貨を送ることができるようになる。
また、本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100は、入金された硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかを判別する正損判別部122b(図12参照)を備えている。前述したように、「損貨」とは、錆や汚れ等により表面が汚損された硬貨、一部が欠損した硬貨、変形した硬貨等のことをいう。また、本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100には、正損判別部122bにより損貨であると判別された硬貨を収納する損貨収納部が設けられている。より詳細には、各々が硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出すような複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を損貨収納部として使用する。この場合には、貯留繰出機構130から繰り出された硬貨が識別部122により識別されたときに正損判別部122bにより当該硬貨が損貨であると判別されると、損貨収納部として使用される収納繰出機構150に対応する選別部124により損貨が入金搬送部120からシュート126を介して当該収納繰出機構150に送られて収納されるようになる。そして、損貨収納部として使用される収納繰出機構150に収納された損貨は、出金時には当該収納繰出機構150から繰り出されないようにすることで、出金硬貨として再利用されないようにする。なお、収納繰出機構150に収納された損貨を機外に回収する場合には、当該収納繰出機構150から損貨を繰り出して回収するようにしてもよい。
なお、複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を損貨収納部として使用する代わりに、オーバーフロー硬貨収納部180を損貨収納部として使用してもよい。この場合には、貯留繰出機構130から繰り出された硬貨が識別部122により識別されたときに正損判別部122bにより当該硬貨が損貨であると判別されると、オーバーフロー選別部123により損貨が入金搬送部120からオーバーフローシュート125を介して出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られるようになる。そして、オーバーフローシュート125により出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られた損貨は、当該無端状ベルト170pが図4における時計回りの方向に循環移動することによりオーバーフロー硬貨収納部180に送られる。
また、更に別の態様では、複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を損貨収納部として使用するとともに、損貨収納部における損貨の収納量が所定容量に達することにより当該損貨収納部に収納することができない損貨をオーバーフロー硬貨収納部180に収納するようにしてもよい。
また、更に別の態様では、複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を損貨収納部として使用したときに、制御部190が、損貨収納部からの損貨の回収処理を操作者に催促する旨の情報を出力するよう制御してもよい。このような情報を出力する出力部としては、操作表示部40や発光ダイオード(LED)90、92や音声出力装置(図示なし)などを用いることができる。具体的には、出力される情報が操作表示部40に送られると、例えば「筐体の扉を開いて損貨収納部に収納された損貨を回収してください」というメッセージが操作表示部40に表示されるとともに、操作表示部40に両替機10の内部構成を示す画像が表示され、この画像において損貨収納部として使用される収納繰出機構150が異なる色等により強調表示される。また、図12に示すように、制御部190には第1の設定部196が接続されており、この第1の設定部196は、損貨収納部における損貨の収納量が所定容量に達したときに、損貨収納部から損貨の回収処理を操作者に促進する旨の情報を出力するか、または損貨収納部に収納することができない損貨をオーバーフロー硬貨収納部180に収納するかを設定するようになっている。このような第1の設定部196による設定は、操作者が操作表示部40により設定内容を制御装置20に入力することにより行われるようになっている。
また、制御部190は、上述した方法とは関係なく、所定の条件を満たしたときに、損貨収納部から損貨の回収処理を操作者に促進する旨の情報を出力するように制御してもよい。ここで、所定の条件としては以下に示すような様々なものがある。例えば、所定の条件は、損貨収納部における損貨の収納量が所定容量に達した場合であってもよい。あるいは、所定の条件は、両替機10に収納される全ての貨幣の量が所定量に達した場合であってもよい。あるいは、所定の条件は、両替機10の稼働時間が所定時間に達した場合であってもよい。
また、本実施の形態では、損貨収納部として使用される収納繰出機構150やオーバーフロー硬貨収納部180は複数の硬貨収納領域に区画されており、各硬貨収納領域に損貨が金種別に収納されるようになっていてもよい。これらの技術的特徴によれば、損貨収納部に収納された損貨を金種別に分けることが可能となるため、損貨の管理を容易にすることができるという利点がある。また、別の態様では、損貨収納部として使用される収納繰出機構150やオーバーフロー硬貨収納部180を複数の硬貨収納領域に区画することができるようになっているが、区画された各硬貨収納領域に損貨を金種別に収納するか、または損貨収納部に損貨を金種混合状態で収納するかを、制御部190に接続された第2の設定部197(図12参照)により設定するようになっていてもよい。これらの技術的特徴によれば、損貨収納部に収納された損貨を金種別に分けるか金種混合状態とするかを、使用態様に合わせて選択することが可能となるため、より柔軟に運用することができるという利点がある。
また、図12に示すように、制御部190には正損判別方法設定部198が接続されており、この正損判別方法設定部198により、正損判別部122bにおける、入金された硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかを判別する方法を変更するようになっていてもよい。具体的には、前述したように、損貨とは、錆や汚れ等により表面が汚損された硬貨、一部が欠損した硬貨、変形した硬貨等のことをいうが、この損貨の種類によって、正損判別部122bにより判別される要因が異なる。具体的には、識別部122において硬貨の表面画像が撮像され、この撮像された硬貨の表面画像と予め記憶されている基準としての正貨の表面画像とが比較されることにより、当該硬貨の汚損度合いや欠損度合いや変形度合いが検知され、当該硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかが判別される。また、硬貨の欠損については、当該硬貨の重量が識別部122において検知され、当該硬貨の重量と基準としての正貨の重量とが比較されることでも判別される。また、硬貨が変形したものであるか否かについては、当該硬貨の厚みが識別部122において検知されることにより、この硬貨の厚みの大きさに基づいて当該硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかが判別される。このように、正損判別部122bは様々な判別手法により入金された硬貨が正貨および損貨のうち何れの種類のものであるかを判別しているが、正損判別方法設定部198によりこの硬貨の判別方法を変更したり、判別の際に用いられる正貨と損貨との間の閾値を変更したりすることができるようになっていてもよい。
また、前述したように、識別部122の真偽判別部122aにより偽貨であると判別された硬貨がリジェクト硬貨として送られるような返却部(リジェクト部)が硬貨投出口172の近傍に設置されている場合には、正損判別部122bにより損貨であると判別された硬貨もこのような返却部に送るようにしてもよい。
上述したようなバラ硬貨入出金装置100によれば、市場で流通させるのに適していない損貨を機体内で自動的に正貨と分離することができるとともに、損貨をバラ硬貨入出金装置100の機体内(具体的には、損貨収納部として使用される収納繰出機構150やオーバーフロー硬貨収納部180)に収納させることにより、損貨がバラ硬貨入出金装置100の機体外に投出されてしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100は、前述したように、入金された硬貨が現在流通している新貨および現在流通していない旧貨のうち何れの種類のものであるかを判別する新旧判別部122c(図12参照)を備えている。ここで、本実施の形態のバラ硬貨入出金装置100には、新旧判別部122cにより旧貨であると判別された硬貨を収納する旧貨収納部が設けられていてもよい。より詳細には、各々が硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出すような複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を旧貨収納部として使用してもよい。この場合には、貯留繰出機構130から繰り出された硬貨が識別部122により識別されたときに新旧判別部122cにより当該硬貨が旧貨であると判別されると、旧貨収納部として使用される収納繰出機構150に対応する選別部124により旧貨が入金搬送部120からシュート126を介して当該収納繰出機構150に送られて収納されるようになる。そして、旧貨収納部として使用される収納繰出機構150に収納された旧貨は、出金時には当該収納繰出機構150から繰り出されないようにすることで、出金硬貨として再利用されないようにする。なお、収納繰出機構150に収納された旧貨を機外に回収する場合には、当該収納繰出機構150から旧貨を繰り出して回収するようにしてもよい。
なお、複数の収納繰出機構150のうち少なくとも一つの収納繰出機構150を旧貨収納部として使用する代わりに、オーバーフロー硬貨収納部180を旧貨収納部として使用してもよい。この場合には、貯留繰出機構130から繰り出された硬貨が識別部122により識別されたときに新旧判別部122cにより当該硬貨が旧貨であると判別されると、オーバーフロー選別部123により旧貨が入金搬送部120からオーバーフローシュート125を介して出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られるようになる。そして、オーバーフローシュート125により出金搬送部170の無端状ベルト170p上に送られた旧貨は、当該無端状ベルト170pが図4における時計回りの方向に循環移動することによりオーバーフロー硬貨収納部180に送られる。
上述したようなバラ硬貨入出金装置100によれば、市場で流通させるのに適していない旧貨を機体内で自動的に新貨と分離することができるとともに、旧貨をバラ硬貨入出金装置100の機体内(具体的には、旧貨収納部として使用される収納繰出機構150やオーバーフロー硬貨収納部180)に収納させることにより、旧貨がバラ硬貨入出金装置100の機体外に投出されてしまうことを防止することができるようになる。
また、正損判別部122bや新旧判別部122cが設けられたバラ硬貨入出金装置100を両替機10の一部として用いるのではなく、バラ硬貨入出金装置100単体で入出金機として用いてもよい。この場合には、入出金機として用いられるバラ硬貨入出金装置100は、正損判別部122bにより正貨であると判別された硬貨を機体内に収納するとともにこの収納された正貨を出金硬貨として使用可能とし、一方、正損判別部122bにより損貨であると判別された硬貨を機体内に収納するとともにこの収納された損貨を出金硬貨として使用不可とするようになる。また、入出金機として用いられるバラ硬貨入出金装置100は、新旧判別部122cにより新貨であると判別された硬貨を機体内に収納するとともにこの収納された新貨を出金硬貨として使用可能とし、一方、新旧判別部122cにより旧貨であると判別された硬貨を機体内に収納するとともにこの収納された旧貨を出金硬貨として使用不可とする。
〔バラ紙幣入出金装置の構成について〕
次に、本実施の形態の両替機10におけるバラ紙幣入出金装置200の構成について図13を用いて説明する。図13は、図1等に示す両替機におけるバラ紙幣入出金装置200の内部構成を示す側面図である。
図1、図2および図13に示すように、バラ紙幣入出金装置200は略直方体形状の筐体202を有しており、この筐体202の前面(図13における右側の側面)には入金部252および出金部260が設けられている。入金部252には入金部カバー252aおよび紙幣繰出機構252bが設けられており、操作者がバラ紙幣入出金装置200へ少数枚の紙幣を入金する場合には、紙幣を積層状態で入金部252にセットした後、紙幣繰出機構252bにより紙幣を1枚ずつ筐体202内に繰り出すようになっている。また、多量の紙幣を入金する場合には、カバー252aを上方に開いた状態で多量の紙幣を入金部252にセットした後、紙幣繰出機構252bにより紙幣を1枚ずつ筐体202内に繰り出すようになっている。また、バラ紙幣入出金装置200の筐体202内には搬送部264が設けられており、この搬送部264は、紙幣繰出機構252bにより筐体202内に繰り出された紙幣を1枚ずつ搬送するようになっている。搬送部264には識別部266が設けられており、紙幣繰出機構252bにより筐体202内に繰り出された紙幣は識別部266によりその金種、真偽、正損、新旧等が識別されるようになっている。
また、筐体202内において複数の収納繰出部270が設けられており、各収納繰出部270はそれぞれ搬送部264に接続されている。各収納繰出部270は、紙幣を金種別に収納するようになっている。より詳細には、識別部266による識別結果に基づいて、紙幣繰出機構252bにより筐体202内に繰り出された紙幣は搬送部264により各収納繰出部270に金種別に送られるようになっている。また、各収納繰出部270は、当該収納繰出部270に収納された紙幣を1枚ずつ搬送部264に繰り出すことができるようになっている。各収納繰出部270は、図13に示すような紙幣を1枚ずつ一対のテープ間に挟み込んだ状態で当該テープを紙幣とともに巻き取るテープリール式の収納繰出部であってもよく、あるいは、紙幣を積み重ねて収納するスタッカ式の収納繰出部(図示せず)であってもよい。
また、図13に示すように、筐体202内において、現金搬送カセット235が着脱自在に装着されるカセット装着部280が設けられている。カセット装着部280は搬送部264に接続されており、カセット装着部280に現金搬送カセット235が装着されたときに、搬送部264から現金搬送カセット235に紙幣を送ることができるとともに、現金搬送カセット235に収納された紙幣を搬送部264に繰り出すことができるようになっている。このような現金搬送カセット235を筐体202から外側に引き出すことにより、現金搬送カセット235ごと紙幣を回収することができるようになる。
また、出金部260には出金部シャッタ260aが設けられている。紙幣が出金部260に送られた後、操作者は出金部シャッタ260aを開くことにより、出金部260に集積された紙幣を取り出すことができるようになっている。または、出金完了後に自動でシャッタ260aが開くようになっていてもよい。
〔包装硬貨投出装置の構成について〕
次に、本実施の形態の両替機10における包装硬貨投出装置300の構成について図14乃至29を用いて説明する。ここで、図14は、図1等に示す両替機10における包装硬貨投出装置300の内部構成を示す側面図であり、図15は、図14に示す包装硬貨投出装置300における複数の収納部310および昇降部380の構成の詳細を示す側面図である。また、図16は、図14等に示す包装硬貨投出装置300の各収納部310に設けられた投出機構319の構成を示す斜視図であり、図17および図18は、それぞれ、図16に示す投出機構319の側面図である。また、図19乃至図22は、それぞれ、図14等に示す包装硬貨投出装置300において、収納部310に収納された包装硬貨を投出機構319により投出する動作を示す側面図である。また、図23は、図14等に示す包装硬貨投出装置300における複数の収納部310および昇降部380の構成を示す斜視図であって、収納部310の扉314を開いたときの状態を示す図であり、図24は、図23に示す包装硬貨投出装置300における扉314の構成を示す構成図であり、図25および図26は、それぞれ、図14等に示す包装硬貨投出装置300における各収納部310の収納領域の幅の大きさを調整するための各収納領域幅調整部材317、318の構成を示す斜視図である。また、図27は、図14等に示す包装硬貨投出装置300の収納部310に設けられた投出機構319における複数の種類の回転体320の構成を示す図である。また、図28は、図1等に示す両替機10における他の種類の包装硬貨投出装置300aの内部構成を示す側面図であり、図29は、図28に示す包装硬貨投出装置300aの収納部310に設けられた投出機構319aにおける複数の種類の回転体360の構成を示す図である。また、図14乃至図29において、包装硬貨投出装置300、300aにより処理される包装硬貨を参照符号Wで示す。また、図20乃至図22等では簡略化のために収納部310に収納されている包装硬貨の表示を省略している。
図14および図15に示すように、包装硬貨投出装置300は、略直方体形状の筐体302と、筐体302内において鉛直方向に沿って並ぶよう設けられた複数(例えば6つ)の収納部310と、鉛直方向に移動可能となっている昇降部380とを有している。各収納部310には、収納された包装硬貨を1本ずつ底面312における高さレベルの低い箇所に近い側から投出する投出機構319が設けられている。また、昇降部380は、各収納部310の投出機構319により投出された包装硬貨が収納される包装硬貨収納部材382、および各収納部310の投出機構319により投出された包装硬貨を検知する投出包装硬貨検知部384を有している。また、筐体302の上面には、昇降部380が上方位置(図14における実線位置)にあるときに当該昇降部380の包装硬貨収納部材382に収納された包装硬貨を取り出すための包装硬貨投出口の開閉を行うシャッタ390が設けられている。また、包装硬貨投出装置300の上部には、各収納部310に設けられた投出機構319や昇降部380の制御を行う制御部370が設けられている。このような包装硬貨投出装置300の各構成要素の詳細について以下に説明する。
図14および図19に示すように、各収納部310は、水平面に対して傾斜した底面312上に当該底面312の傾斜に沿って転がる方向(すなわち、図14および図19における左下方向)でかつ複数積み重なるよう包装硬貨を収納するようになっている。ここで、「複数積み重なるよう包装硬貨を収納する」とは、収納部310に収納する包装硬貨の数量により、底面312上に複数段に積み重なるように収納される場合もあるし、底面312上に1段(1列)に並んだ状態で収納される場合もあるし、包装硬貨が1つであってもよい。また規則正しく整列状態で収納される場合もあれば、包装硬貨の方向は揃っていながらも不規則な状態で収納される場合も含んでいる。すなわち、複数段に包装硬貨を積み重ねて収納する事も可能であるという事を表現しており、必ずしも複数段に積まれて収納されることを限定するものではないし、必ずしも整列状態で収納されることを限定するものではない。
また、水平面に対する各収納部310の底面312の傾斜角度が8〜20°の範囲内の大きさであり、包装硬貨に対する各収納部310の底面312の最大静止摩擦係数は0.01〜0.15の範囲内の大きさとなっている。このことにより、各収納部310に収納された包装硬貨のうち底面312上にある包装硬貨は、当該底面312との間で働く摩擦力により停止することなくこの底面312の傾斜に沿って自重により滑ったり転がったりして投出機構319側に寄せられるようになる。
また、各収納部310は、その間に包装硬貨の収納領域を形成するような一対の側壁を有しており、図23に示すように、一対の側壁のうち少なくとも一方の側壁は、収納部310に対する包装硬貨の出し入れを行うための開閉可能な扉314として構成されている。ここで、扉314として構成される収納部310の側壁は、例えば透明部材や半透明部材から構成される等、操作者が収納部310の内部を目視することができるような構成となっている。また、扉314が透明部材や半透明部材から構成される代わりに、当該扉314にスリットや穴等が設けられることにより、操作者が収納部310の内部を目視することができるようになっていてもよい。また、図24に示すように、扉314の下縁部には例えば2つの蝶番(ヒンジ)316が設けられており、各蝶番316により扉314は包装硬貨投出装置300の筐体302の側面に開閉自在に取り付けられている。このことにより、操作者は各収納部310に包装硬貨を補充する際に、扉314を開くことにより各収納部310に対して包装硬貨を側方から入れることができるようになっている。
また、収納部310の一対の側壁のうち少なくとも一方の側壁、具体的には、扉314として構成される側壁とは反対側の側壁には、収納部310の収納領域の幅の大きさを調整するための第1の収納領域幅調整部材317や第2の収納領域幅調整部材318(図25および図26参照)が着脱自在に設けられている。ここで、収納領域幅調整部材317、318は、包装硬貨の長手方向の長さに応じて複数種類のものが準備されており、側壁に設けられる収納領域幅調整部材317、318の種類によって収納部310の収納領域の幅の大きさを変えることができるようになっている。なお、収納部310の収納領域の幅の大きさを調整するための収納領域幅調整部材は、図25および図26に示すようなものに限定されることはなく、3種類以上の収納領域幅調整部材が準備されるようになっていてもよい。本実施の形態では、包装硬貨投出装置300の各収納部310には様々な金種の包装硬貨を収納させることができるようになっているが、各収納部310に収納される包装硬貨の金種に対応して当該収納部310の側壁に取り付けられる収納領域幅調整部材317、318の種類を変えることにより、収納部310の収納領域の幅の大きさを、収納されるべき包装硬貨の金種に対応した適切な大きさとすることができるようになる。
また、包装硬貨の長手方向の長さに応じて複数種類の収納領域幅調整部材317、318が準備される代わりに、1つの収納領域幅調整部材が収納部310において移動可能となるよう設けられるようになっていてもよい。この場合には、収納部310内で収納領域幅調整部材を当該収納部310の幅方向に沿って(すなわち、図14等の紙面に直交する方向に)移動させることにより、収納部310の収納領域の幅の大きさを変更することができるようになる。このことによって、包装硬貨投出装置300において収納部310に収納される包装硬貨の金種が変更された場合でも、収納部310内で収納領域幅調整部材を移動させることにより、変更後の金種の包装硬貨が収納部310の収納領域に収納されるように当該収納領域の幅の大きさを調整することができ、収納部310に収納される包装硬貨の金種の変更に容易に対応することができるようになる。
前述したように、各収納部310には、収納された包装硬貨を1本ずつ底面312における高さレベルの低い箇所に近い側から投出する投出機構319が設けられている。このような投出機構319の構成の詳細について図16乃至図18を用いて説明する。投出機構319は、収納部310の傾斜方向に直交する方向であって水平方向に延びる(すなわち、図14や図15の紙面に直交する方向に延びる)軸心としての回転軸322を中心として図14や図15における反時計回りの方向に回転する回転体320を有している。ここで、各回転体320には、収納部310に収納された包装硬貨を1本ずつ受け入れる凹部324が少なくとも2つ(図14乃至図27に示す例では3つ)設けられている。また、投出機構319は、回転軸322を中心として回転体320を回転させる駆動部321(図16参照)と、回転体320の回転位置を検知する回転位置検知部350と、回転体320の上方に設けられ、収納部310に収納された包装硬貨が回転体320の凹部324に入らずに当該回転体320の上方を通って投出されることを防止するゲート部330とを有している。ここで、各投出機構319において、駆動部321は、収納部310から包装硬貨が回転体320により投出される方向である正転方向(すなわち、図14や図15における反時計回りの方向)および正転方向とは逆方向である逆転方向(すなわち、図14や図15における時計回りの方向)の両方向に回転体320を回転させることができるようになっている。また、駆動部321は、回転体320の回転速度を変化させることができるようになっている。
図17および図18に示すように、回転軸322を中心とした回転体320の回転方向において等間隔となるよう当該回転体320に3つの凹部324が設けられており、回転体320が図17に示すような回転位置にあるときに、収納部310に収納された複数の包装硬貨のうち底面312における高さレベルの最も低い箇所に位置する1本の包装硬貨が凹部324に受け入れられるようになっている。また、各凹部324に、当該凹部324に包装硬貨が受け入れられているか否かの検知を行う収容包装硬貨検知部329が設けられていてもよい。収容包装硬貨検知部329は例えば発光素子および受光素子を有する光センサ等からなり、凹部324に包装硬貨が受け入れられると、発光素子と受光素子との間の光軸が当該包装硬貨により遮られることによってこの包装硬貨が検知されるようになっている。
図17および図18に示すように、回転体320において、収納部310に収納される包装硬貨が接触するような外面326は、軸心としての回転軸322の中心からの距離が変化するような構成となっている。具体的には、回転体320の側断面は略多角形形状(図17および図18に示す例では略三角形形状)となっており、各凹部324は多角形形状の頂点に近い位置にそれぞれ設けられている。ここで、収納部310に大量の包装硬貨が多段に積み重ねられて収納された場合には、回転体320の外面326にも収納部310に収納された包装硬貨が接触するが、収納部310における包装硬貨の収納状態によっては、当該収納部310内で各包装硬貨が動くことができなくなり、回転体320の凹部324が空であるにもかかわらず当該凹部324に包装硬貨が送られないことがある。これに対して、回転体320の外面326が、軸心としての回転軸322の中心からの距離が変化するような構成となっていることにより、回転軸322を中心として回転体320が回転したときに外面326に接触する包装硬貨の位置も変わるようになる。このことにより、収納部310内の包装硬貨の撹拌を行って流動化させることができるようになるため、回転体320の凹部324に包装硬貨を送ることができるようになる。
また、回転体320の各凹部324は、当該回転体320の回転位置における収納部310から包装硬貨が凹部324に受け入れられるべき収納位置(すなわち、図17に示す位置)に回転体320のある一つの凹部324が位置するときに、この凹部324の内側壁(図17において参照符号324aで表示)と収納部310の底面312とが略直線上に位置するような形状となっている。このことにより、回転体320が図17に示すような回転位置にあるときに、収納部310に収納された複数の包装硬貨のうち底面312における高さレベルの最も低い箇所に位置する1本の包装硬貨がスムーズに凹部324に受け入れられるようになる。
また、図22に示すような、回転体320の回転位置における凹部324から包装硬貨が投出されるような投出位置に回転体320のある一つの凹部324が位置するときに、この凹部324に先行する他の凹部324が収納部310から包装硬貨を受け入れないよう、すなわち、先行する他の凹部324が収納部310の底面312よりも下方に位置するよう、回転体320における各凹部324の形状および位置が定められている。
また、図16に示すように、回転軸322に沿った回転体320の長手方向の長さは、投出されるべき包装硬貨における長手方向の最大長さの1/2よりも大きくなっている。このことにより、長手方向に長い包装硬貨に対してもバランスを崩すことなく、安定して収納部310に収納された包装硬貨を回転体320により確実に投出することができるようになる。
また、図16に示すように、回転体320の側方において回転軸322には歯車328が設けられており、この歯車328は回転体320と同期して回転するようになっている。また、歯車328と同軸で側方に位置する回転体の外周に等間隔で3つの被検知部材352が設けられており、歯車328の径方向外側の側方には各被検知部材352を検知する回転位置検知部350が位置固定で設けられている。このような回転位置検知部350が各被検知部材352を検知することにより回転体320の回転位置が検知されるようになっている。より詳細には、回転位置検知部350は例えば発光素子および受光素子を有する光センサ等からなり、これらの発光素子および受光素子の間に各被検知部材352が位置するようになると、発光素子と受光素子との間の光軸が当該被検知部材352により遮られることによって被検知部材352が検知されるようになっている。
本実施の形態では、回転体320として、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部324の形状が異なるような複数種類のものが準備されている。そして、各収納部310に設けられる投出機構319の回転体320は、収納部310に収納される包装硬貨の直径の大きさに対応するように交換可能となっている。より詳細には、図27に示すように、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部324の形状や寸法が異なるような5種類の回転体320が準備されている。なお、各回転体320の外形の寸法は同一となっているが、凹部324の深さ(図27において参照符号a〜aで表示)および幅の大きさ(図27において参照符号b〜bで表示)が互いに異なるようになっている。具体的には、図27(a)〜(e)で示される各回転体320において回転軸322の中心から外面326までの最大距離(すなわち、図27(a)〜(c)において二点鎖線で示すような回転体320の仮想外接円の半径の大きさ)は同一となっているが、包装硬貨の直径が14mm〜19.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部324の深さaが19.7mmであり幅の大きさbが22mmであるような図27(a)で示す回転体320が用いられ、包装硬貨の直径が19.5mm〜23.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部324の深さaが23mmであり幅の大きさbが26mmであるような図27(b)で示す回転体320が用いられ、包装硬貨の直径が23.5mm〜27.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部324の深さaが26.4mmであり幅の大きさbが30mmであるような図27(c)で示す回転体320が用いられ、包装硬貨の直径が27.5mm〜31mmの範囲内の大きさであるときには、凹部324の深さaが29.9mmであり幅の大きさbが34mmであるような図27(d)で示す回転体320が用いられ、包装硬貨の直径が31mm〜35mmの範囲内の大きさであるときには、凹部324の深さaが33.5mmであり幅の大きさbが38mmであるような図27(e)で示す回転体320が用いられる。なお、図27(d)(e)では、簡略化のために回転体320に設けられる凹部324の位置のみを線図で簡単に示しているが、実際には図27(a)〜(c)に示す回転体320と同様の構成となっている。
図27では、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部324の形状が異なるような複数種類の回転体320の構成を示したが、本実施の形態では、複数の種類の各凹部324の寸法において、包装硬貨の直径に対する凹部324の幅の大きさ(図27における参照符号b〜bで示される寸法)の比が1.0〜1.7の範囲内となっている。ここで、凹部324の幅の大きさとは、図27に示すように凹部324における対向する一対の内壁(間隔を空けて略平行に延びる一対の内壁)間の距離のことをいう。また、本実施の形態では、複数の種類の各凹部324の寸法において、包装硬貨の直径に対する凹部324の深さ(図27における参照符号a〜aで示される寸法)の比が0.8〜1.5の範囲内となっている。ここで、凹部324の深さとは、図27に示すように、回転体320の回転軸322の中心からの径方向における、凹部324の奧側の包装硬貨接触面と、回転体320の仮想外接円(図27において二点鎖線で表示)との間の最も大きな距離のことをいう。
このように、回転体320として包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部324の形状が異なるような複数種類のものが準備されており、回転体320は、収納部310に収納される包装硬貨の直径の大きさに対応するように交換可能となっている。このため、包装硬貨投出装置300において収納部310に収納される包装硬貨の金種が変更された場合でも、収納部310に設けられた投出機構319における回転体320を、当該包装硬貨の直径に対応する凹部324が設けられたものに交換することにより、収納部310に収納される包装硬貨の金種の変更に容易に対応することができるようになる。
なお、本実施の形態では、回転体320が交換される際に、回転体320、駆動部321、および後述するゲート部330等を含む投出機構319が一体的に取り替えられるようになっていてもよい。あるいは、別の態様では、回転体320が交換される際に、回転体320は駆動部321や後述するゲート部330等を含む投出機構319の他の部材から独立して取り外されるようになっていてもよい。
また、図27(a)〜(e)に示すような複数種類の回転体320が準備されるのではなく、代わりに、凹部324の寸法を変更可能な1つの回転体320が用いられるようになっていてもよい。具体的には、回転体320の各凹部324にスペーサ等の着脱部材を着脱自在に取り付けることができるようになっており、各凹部324に着脱部材を取り付けることにより当該凹部324の幅の大きさや深さを小さくすることができるようになっていてもよい。また、別の態様の具体例では、包装硬貨との接触面が、ネジ等により移動可能な構造となっていてもよい。
ゲート部330は、回転体320の上方に設けられており、収納部310に収納された包装硬貨が回転体320の凹部324に入らずに当該回転体320の上方を通って投出されることを防止するようになっている。すなわち、図14に示すように、収納部310の上面と回転体320との間の隙間をゲート部330で塞ぐことにより、収納部310に大量の包装硬貨が収納されたときにこの収納部310の上面と回転体320との間の隙間から包装硬貨が昇降部380側に投出されてしまうことを防止することができるようになっている。
また、図17および図18に示すように、ゲート部330の上部には水平方向に延びる軸心としての揺動軸332が設けられており、当該ゲート部330は揺動軸332を中心として揺動することができるようになっている。このようなゲート部330を揺動させる機構について以下に説明する。図16に示すように、歯車328の上方には当該歯車328に噛み合うように歯車340が設けられており、この歯車340は駆動部321によって回転軸342を中心として回転するようになっている。また、歯車328および歯車340の外周にそれぞれ設けられた歯によって、歯車340が回転すると歯車328も歯車340と連れ回るようになっている。このようにして、駆動部321により歯車340、328を介して回転体320が回転させられるようになる。また、歯車340の側面にはカム344が設けられており、このカム344は回転軸342を中心として歯車340と同期して回転するようになっている。図16乃至図18に示すように、カム344はその断面が略四角形形状となっており、カム344が回転軸342を中心として回転したときにこのカム344の各頂点部分がゲート部330の側面を図17および図18における左側から断続的に押動するようになり、よって、ゲート部330は揺動軸332を中心として図17や図18における実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で揺動するようになる。なお、簡略化のために、各歯車328、340の歯の形状は図面において省略している。
このように、ゲート部330は、水平方向に延びる揺動軸332を中心として、回転体320の回転動作に連動して揺動するようになっているため、収納部310に収納された包装硬貨がゲート部330に接している場合にはこの包装硬貨がゲート部330により押動されるようになる。前述したように、収納部310に大量の包装硬貨が多段に積み重ねられて収納されているにもかかわらず、収納部310における包装硬貨の収納状態によっては、当該収納部310内で各包装硬貨が動くことができなくなり、回転体320の凹部324が空であるにもかかわらず当該凹部324に包装硬貨が送られないことがある。これに対して、本実施の形態では、ゲート部330に接している包装硬貨が当該ゲート部330により押動されることにより、収納部310内の包装硬貨の位置も変わり、収納部310内の包装硬貨の撹拌を行って流動化させることができるようになるため、回転体320の凹部324に包装硬貨を送ることができるようになる。なお、揺動軸332を中心としたゲート部330の揺動角度は例えば図17や図18に示すように7°となっている。
また、収納部310における包装硬貨の収納状態によっては、収納部310に収納された包装硬貨がゲート部330に接している場合に当該ゲート部330が揺動してもこのゲート部330により押動された包装硬貨や収納部310内の他の包装硬貨がスムーズに収納部310内で移動しない場合がある。このような現象は、収納部310の底面312とゲート部330における包装硬貨が接触する側の面との間の距離や包装硬貨の直径の大きさ等が原因となって生じることが多い。このため、このようなトラブルが生じる場合に備えて、収納部310の底面312とゲート部330における包装硬貨が接触する側の面との間の距離を変えることができるよう、ゲート部330における包装硬貨が接触する側の面には、収納部310に収納されている包装硬貨に接触可能となるような1または複数の取付部材334を着脱自在に取り付けることができるようになっている。より詳細には、図16に示すように、ゲート部330における包装硬貨が接触する側の面には、回転体320の回転軸322の延びる方向に沿って並ぶよう複数の取付穴が設けられており、これらの複数の取付穴のうちいずれか一つの取付穴に取付部材334を取り付けることができるようになっている。
このような構成からなる投出機構319により収納部310に収納された包装硬貨を投出する動作について図19乃至図22を用いて説明する。図19に示すように、回転体320の回転位置における収納部310から包装硬貨が凹部324に受け入れられるべき収納位置に回転体320のある一つの凹部324が位置するときに、収納部310に収納された複数の包装硬貨のうち底面312における高さレベルの最も低い箇所に位置する1本の包装硬貨がスムーズに凹部324に受け入れられる。そして、図19に示すような回転体320の回転位置から駆動部321により当該回転体320が図19における反時計回りの方向に回転させられると、当該回転体320は図20に示す位置、図21に示す位置を経て図22に示すような投出位置に到達し、この投出位置において回転体320の凹部324から包装硬貨が投出されて昇降部380の包装硬貨収納部材382に送られるようになる。
昇降部380は図14における矢印に示すように各収納部310に設けられた投出機構319に向き合う位置およびシャッタ390の近傍の上方位置の間で昇降することができるようになっている。そして、各収納部310に収納された包装硬貨が投出機構319により投出される際に、昇降部380はこの投出機構319に向き合う位置に移動するようになる。また、前述したように、昇降部380は、各収納部310の投出機構319により投出された包装硬貨が収納される包装硬貨収納部材382、および各収納部310の投出機構319により投出された包装硬貨を検知する投出包装硬貨検知部384を有しており、各収納部310に収納された包装硬貨が投出機構319により投出されると、投出包装硬貨検知部384によりこの包装硬貨が検知された後、包装硬貨収納部材382に収納されるようになる。投出包装硬貨検知部384は例えば発光素子および受光素子を有する光センサ等からなり、投出機構319により投出された包装硬貨が昇降部380に送られると、発光素子と受光素子との間の光軸が当該包装硬貨により遮られることによってこの包装硬貨が検知されるようになっている。
また、包装硬貨投出装置300の下部には、昇降部380を昇降させる駆動部372が設けられている。また、駆動部372には電源ハーネス374が接続されており、この電源ハーネス374により両替機10における他の装置から包装硬貨投出装置300の駆動部372に電力が供給されるようになっている。また、包装硬貨投出装置300を単体で動作させる場合には、駆動部372に電源ハーネス374を接続する代わりに図15において二点鎖線で示すような電源376を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、包装硬貨投出装置300の筐体302の前面には筐体扉304(図15参照)が設けられており、各収納部310および昇降部380はこの筐体扉304を開くことにより筐体302から一体的に水平方向に引き出すことができるようになっている。なお、筐体扉304は筐体302の前面ではなく背面に設けられるようになっていてもよい。
また、包装硬貨投出装置300の別の態様では、筐体扉304を開くことにより各収納部310および昇降部380を筐体302から一体的に引き出すのではなく、各収納部310を昇降部380とは別に筐体302から引き出すことができるようになっていてもよい。この場合には、筐体扉304を開くことにより各収納部310を筐体302から引き出す際に昇降部380は鉛直方向における各収納部310の引き出し動作を妨げない位置に避難することができるようになっている。
また、筐体扉304は筐体302の前面や背面ではなく筐体302の側面に設けられるようになっていてもよい。この場合には、筐体扉304を開くとともに、収納部310における扉314(図23参照)として構成される側壁を開くことにより、収納部310に対する包装硬貨の出し入れを行うことができるようになっている。
次に、包装硬貨投出装置300に設けられた制御部370により、各投出機構319の回転体320を回転させる駆動部321等を制御する方法について以下に説明する。
本実施の形態では、前述したように、各投出機構319において、駆動部321は、収納部310から包装硬貨が回転体320により投出される方向である正転方向(図14や図15における反時計回りの方向)および正転方向とは逆方向である逆転方向(図14や図15における時計回りの方向)の両方向に回転体320を回転させることができるようになっており、制御部370は、回転位置検知部350により検知された回転体320の回転位置および投出包装硬貨検知部384による検知情報に基づいて回転体320の回転方向を制御するようになっている。
より詳細に説明すると、制御部370は、回転体320を正転方向に回転させることによって投出機構319により収納部310から包装硬貨を投出する際に、所定本数の包装硬貨が回転体320から投出されたことが投出包装硬貨検知部384により検知されるとともに当該回転体320が第1の所定位置に位置することが回転位置検知部350により検知されたときに、回転体320を逆転方向に回転させるようになっている。ここで、第1の所定位置とは、所定本数の包装硬貨が回転体320から投出された後に回転体320のある一つの凹部324に包装硬貨が残留しているような位置のことをいい、具体的には図22に示すような位置のことをいう。その後、制御部370は、回転体320が第2の所定位置に位置することが回転位置検知部350により検知されたときに回転体320を停止させる。ここで、第2の所定位置とは、図19に示すように、包装硬貨が受け入れられている凹部324が収納部310に面するような位置のことをいう。制御部370が上述したような制御方法により駆動部321の制御を行うことにより、所定本数の包装硬貨が回転体320により収納部310から投出されたときに図22に示すようにこの回転体320の凹部324に包装硬貨が残留している場合でも、この回転体320を逆転させることにより凹部324内の包装硬貨を収納部310に戻すことができるようになる、すなわち、このように制御することで収納部310内の包装硬貨を回収する際に、一度回転体の凹部324に入って収納部310からは見えない状態となっていた包装硬貨も含めて、収納部310内の回収されるべき全ての包装硬貨を回収する事が可能となる。
また、制御部370は、回転体320を正転方向に回転させることによって投出機構319により収納部310から包装硬貨を投出する際に、回転体320が第1の所定位置(図22参照)に位置することが回転位置検知部350により一定時間検知されなかったときに、回転体320を逆転方向に回転させ、その後、回転体320が第2の所定位置(図19参照)に位置することが回転位置検知部350により検知されたときに回転体320を停止させるようになっている。制御部370においてこのような制御が行われる理由について以下に説明する。投出機構319の回転体320により包装硬貨を収納部310から投出する際に、包装硬貨が回転体320等に噛み込んでしまうことにより詰まってしまい、回転体320が回転しなくなってしまう場合がある。このような場合には、回転体320が第1の所定位置に位置することが回転位置検知部350により一定時間検知されなかったことを条件として、制御部370は回転体320において包装硬貨の詰まりが生じたと判断し、回転体320を逆転させて図19に示すような第2の所定位置に戻すようにする。このことにより、回転体320における包装硬貨の詰まり現象を解消することができるようになる。
また、制御部370は、回転位置検知部350により検知された回転体320の回転位置および投出包装硬貨検知部384による検知情報に基づいて、収納部310から包装硬貨が正常に投出されないような投出不良が発生したか否かの判断を行うようになっている。そして、制御部370は、所定期間または所定投出回数または所定投出本数における投出不良が発生した回数が予め設定された回数よりも大きくなると回転体320の回転速度を低下させるよう駆動部321による回転体320の回転速度を調整するようになっている。このように、投出機構319において投出不良が頻繁に生じるようになると回転体320の回転速度を低下させることにより、投出機構319において投出不良が生じる頻度を減少させるような運用を制御部370は行うことができるようになっている。
以上のように本実施の形態の包装硬貨投出装置300は、水平面に対して傾斜した底面312上に当該底面312の傾斜に沿って転がる方向でかつ複数積み重なるよう収納された包装硬貨を1本ずつ底面312における高さレベルの低い箇所に近い側から投出する投出機構319が設けられた収納部310と、投出機構319により収納部310から投出された包装硬貨が収容される包装硬貨収納部材382を有するとともに、鉛直方向に移動可能となっている昇降部380とを備えている。このように、収納部310に包装硬貨が複数積み重なるよう収納されるとともに収納部310に収納された包装硬貨は投出機構319により収納部310から投出されて昇降部380の包装硬貨収納部材382に収容されるようになっているため、包装硬貨投出装置300を大容量かつコンパクトな構成でありしかも操作性が良好であるとともに収納部310からの包装硬貨の投出動作の安定性が向上したものとすることができる。
また、本実施の形態の包装硬貨投出装置300によれば、収納部310から投出された包装硬貨を検知する投出包装硬貨検知部384が設けられているとともに、投出機構319は、収納部310の傾斜方向に直交する方向であって水平方向に延びる軸心としての回転軸322を中心として回転し、収納部310に収納された包装硬貨を1本ずつ受け入れる凹部324が少なくとも2つ設けられた回転体320と、回転軸322を中心として回転体320を回転させる駆動部321と、回転体320の回転位置を検知する回転位置検知部350とを有している。このように、回転体320の回転位置を検知する回転位置検知部350が設けられているため、所定本数の包装硬貨が回転体320により収納部310から投出されたときに、この回転体320の凹部324に包装硬貨が残留している場合でも、回転位置検知部350により検知された回転体320の回転位置に基づいて回転体320を駆動部321により回転させることにより、回転体320の凹部324内の包装硬貨を収納部310に戻すことができるようになる。
また、以上のような構成からなる本実施の形態の包装硬貨投出装置300によれば、回転体320として、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部324の形状が異なるような複数種類のものが準備されており、回転体320は、収納部310に収納される包装硬貨の直径の大きさに対応するよう交換可能となっている。このことにより、包装硬貨投出装置300において収納部310に収納される包装硬貨の金種が変更された場合でも、収納部310に設けられた投出機構319における回転体320を、当該包装硬貨の直径に対応する凹部324が設けられたものに交換することにより、収納部310に収納される包装硬貨の金種の変更に容易に対応することができるようになる。
また、収納部310は、その間に包装硬貨の収納領域を形成する一対の側壁を含み、一対の側壁のうち少なくとも一方の側壁には、収納部310の収納領域の幅の大きさを調整するための第1の収納領域幅調整部材317や第2の収納領域幅調整部材318が着脱自在に設けられている。また、収納領域幅調整部材317、318は、包装硬貨の長手方向の長さに応じて複数種類のものが準備されており、側壁に設けられる収納領域幅調整部材317、318の種類によって収納部310の収納領域の幅の大きさを変えることができるようになっている。このことにより、包装硬貨投出装置300において収納部310に収納される包装硬貨の金種が変更された場合でも、収納部310の側壁に取り付けられる収納領域幅調整部材317、318を交換することにより、変更後の金種の包装硬貨が収納部310の収納領域に収納されるように当該収納領域の幅の大きさを調整することができ、収納部310に収納される包装硬貨の金種の変更に容易に対応することができるようになる。
図14乃至図27に示す包装硬貨投出装置300は、3つの凹部324が設けられた回転体320を有する投出機構319を各収納部310に設置した態様となっているが、本発明はこのような態様に限定されることはない。本発明における変形例に係る包装硬貨投出装置として、2つの凹部364が設けられた回転体360を有する投出機構319aを各収納部310に設置した包装硬貨投出装置300aを用いてもよい。以下、このような構成からなる包装硬貨投出装置300aについて図28および図29を用いて簡単に説明する。なお、図28に示すような包装硬貨投出装置300aにおいて、図14乃至図27に示す包装硬貨投出装置300と同一の構成要素については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図28に示す包装硬貨投出装置300aにおいて、各収納部310には、収納された包装硬貨を1本ずつ底面312における高さレベルの低い箇所に近い側から投出する投出機構319aが設けられている。投出機構319aは、収納部310の傾斜方向に直交する方向であって水平方向に延びる(すなわち、図28の紙面に直交する方向に延びる)軸心としての回転軸362を中心として図28における反時計回りの方向に回転する回転体360を有している。ここで、各回転体360には、収納部310に収納された包装硬貨を1本ずつ受け入れる凹部364が2つ設けられている。また、投出機構319aは、回転軸362を中心として回転体360を回転させる駆動部(図示せず)と、回転体360の回転位置を検知する回転位置検知部(図示せず)と、回転体360の上方に設けられ、収納部310に収納された包装硬貨が回転体360の凹部364に入らずに当該回転体360の上方を通って投出されることを防止するゲート部330とを有している。
図28に示すような包装硬貨投出装置300aでも、図14乃至図27に示すような包装硬貨投出装置300と同様に、回転体360として、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部364の形状が異なるような複数種類のものが準備されている。そして、各収納部310に設けられる投出機構319aの回転体360は、収納部310に収納される包装硬貨の直径の大きさに対応するように交換可能となっている。より詳細には、図29に示すように、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部364の形状が異なるような5種類の回転体360が準備されている。なお、各回転体360の外形の寸法は同一となっているが、凹部364の深さ(図29において参照符号c〜cで表示)および幅の大きさ(図29において参照符号d〜dで表示)が互いに異なるようになっている。具体的には、図29(a)〜(e)で示される各回転体360において回転軸362の中心から外面366までの最大距離は同一となっているが、包装硬貨の直径が14mm〜19.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部364の深さcが19.7mmであり幅の大きさdが22mmであるような図29(a)で示す回転体360が用いられ、包装硬貨の直径が19.5mm〜23.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部364の深さcが23mmであり幅の大きさdが26mmであるような図29(b)で示す回転体360が用いられ、包装硬貨の直径が23.5mm〜27.5mmの範囲内の大きさであるときには、凹部364の深さcが26.4mmであり幅の大きさdが30mmであるような図29(c)で示す回転体360が用いられ、包装硬貨の直径が27.5mm〜31mmの範囲内の大きさであるときには、凹部364の深さcが29.9mmであり幅の大きさdが34mmであるような図29(d)で示す回転体360が用いられ、包装硬貨の直径が31mm〜35mmの範囲内の大きさであるときには、凹部364の深さcが33.5mmであり幅の大きさdが38mmであるような図29(e)で示す回転体360が用いられる。なお、図29(a)〜(e)では、簡略化のために回転体360に設けられる凹部364の位置のみを線図で簡単に示している。
図29では、包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部364の形状が異なるような複数種類の回転体360の構成を示したが、本実施の形態では、複数の種類の各凹部364の寸法において、包装硬貨の直径に対する凹部364の幅の大きさ(図29における参照符号d〜dで示される寸法)の比が1.0〜1.7の範囲内となっている。また、本実施の形態では、複数の種類の各凹部364の寸法において、包装硬貨の直径に対する凹部364の深さ(図29における参照符号c〜cで示される寸法)の比が0.8〜1.5の範囲内となっている。
このように、回転体360として包装硬貨の直径の大きさに応じて凹部364の形状が異なるような複数種類のものが準備されており、回転体360は、収納部310に収納される包装硬貨の直径の大きさに対応するように交換可能となっている。このため、包装硬貨投出装置300aにおいて収納部310に収納される包装硬貨の金種が変更された場合でも、収納部310に設けられた投出機構319aにおける回転体360を、当該包装硬貨の直径に対応する凹部364が設けられたものに交換することにより、収納部310に収納される包装硬貨の金種の変更に容易に対応することができるようになる。
なお、図14乃至図29に示す包装硬貨投出装置300、300aは、複数の収納部310が鉛直方向に沿って1列に並んだものとなっているが、本発明による包装硬貨投出装置はこのような態様に限定されることはなく、複数の収納部310が鉛直方向に沿って並んだ収納部組合せ体が包装硬貨投出装置の幅方向に沿って2列以上並ぶよう配置されるようになっていてもよい。この場合には、昇降部380は、2列以上並ぶよう配置された収納部組合せ体に跨がるような構成となり、これらの収納部組合せ体の各々の収納部310から投出された包装硬貨を一括して受け取るようにしてもよいし、複数の包装硬貨収納部材382と複数の昇降部380を備えた構成として、これらの収納部組合せ体の各々の収納部310から投出された包装硬貨を、対応する包装硬貨収納部材382で受け取るようにしてもよい。
〔両替機による両替処理について〕
次に、このような構成からなる両替機10による両替処理の詳細について述べる。まず、このような両替処理を行う制御装置20の構成の詳細について図30を用いて説明する。
図30に示すように、両替機10の制御装置20は、当該両替機10の各構成要素の制御を行う制御部22を有しており、この制御部22には、出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部24が接続されている。なお、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者が操作表示部40により出金貨幣の金種を入力すると、出金貨幣金種指定部24において出金貨幣の金種の指定が行われるようになっている。
本実施の形態の両替機10では、制御部22は、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを切り替えることができるようになっている。また、図30に示すように、制御部22には金種指定タイミング設定部26が接続されており、この金種指定タイミング設定部26は、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかの設定を行うようになっている。また、金種指定タイミング設定部26は、上記のような設定の他に、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを、両替処理毎に選択することができるような設定を行うこともできるようになっている。このような金種指定タイミング設定部26による設定は、両替機10の導入時等において金融機関の店員等の操作者が操作表示部40により設定内容を制御装置20の制御部22に入力することにより行われるようになっている。
金種指定タイミング設定部26により、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うような設定が行われている場合について図31(a)に示すフローチャートを用いて説明する。両替機10の待機状態において操作表示部40には取引選択画面が表示されるようになっているが、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者がこのような取引選択画面で両替処理を選択すると、操作表示部40には出金される貨幣の金種の指定を行う金種指定画面が表示されるようになる。そして、このような金種指定画面が操作表示部40に表示されているときに操作者が当該操作表示部40により出金貨幣の金種を入力すると、出金貨幣金種指定部24により出金貨幣の金種の指定が行われる。その後、操作表示部40には貨幣の入金画面が表示される。操作表示部40に貨幣の入金画面が表示されているときに操作者が貨幣の入金処理を行うと、出金貨幣金種指定部24により指定された金種の貨幣が両替機10から出金される。このようにして、一連の両替処理が完了する。このような両替処理は、入金される貨幣の金額や出金される貨幣の金種を操作者が前もって認識している場合に適している。
次に、金種指定タイミング設定部26により、貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うような設定が行われている場合について図31(b)に示すフローチャートを用いて説明する。両替機10の待機状態において操作表示部40には取引選択画面が表示されるようになっているが、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者がこのような取引選択画面で両替処理を選択すると、操作表示部40には貨幣の入金画面が表示される。そして、操作表示部40に貨幣の入金画面が表示されているときに操作者が貨幣の入金処理を行うと、操作表示部40には出金貨幣の金種の指定を行う金種指定画面が表示されるようになる。この金種指定画面には、入金された貨幣の合計金額も表示される。そして、このような金種指定画面が操作表示部40に表示されているときに操作者が当該操作表示部40により出金貨幣の金種を入力すると、出金貨幣金種指定部24により出金貨幣の金種の指定が行われ、出金貨幣金種指定部24により指定された金種の貨幣が両替機10から出金される。このようにして、一連の両替処理が完了する。このような両替処理は、入金される貨幣の金額や出金される貨幣の金種を操作者が前もって認識していない場合に適している。具体的には、例えば、所有する大量の硬貨を紙幣に逆両替する場合において、この入金される大量の硬貨の合計金額を操作者が分からない場合には、出金される紙幣の金種の指定を行う前に、まず大量の硬貨を両替機10に入金して当該硬貨の合計金額を確認し、この硬貨の合計金額に見合った紙幣の金種を指定することが望ましいといえる。
次に、金種指定タイミング設定部26により、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを、両替処理毎に選択するような設定が行われている場合について図31(c)に示すフローチャートを用いて説明する。両替機10の待機状態において操作表示部40には取引選択画面が表示されるようになっているが、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者がこのような取引選択画面で両替処理を選択すると、操作表示部40には金種指定タイミングの選択画面が表示される。操作表示部40に金種指定タイミングの選択画面が表示されているときに、貨幣の入金前に出金貨幣の金種の指定を行うことを操作者が選択すると、操作表示部40には出金貨幣の金種の指定を行う金種指定画面が表示されるようになる。そして、このような金種指定画面が操作表示部40に表示されているときに操作者が当該操作表示部40により出金貨幣の金種を入力すると、出金貨幣金種指定部24により出金貨幣の金種の指定が行われる。その後、操作表示部40には貨幣の入金画面が表示される。操作表示部40に貨幣の入金画面が表示されているときに操作者が貨幣の入金処理を行うと、出金貨幣金種指定部24により指定された金種の貨幣が両替機10から出金される。一方、操作表示部40に金種指定タイミングの選択画面が表示されているときに、貨幣の入金後に出金貨幣の金種の指定を行うことを操作者が選択すると、操作表示部40には貨幣の入金画面が表示される。そして、操作表示部40に貨幣の入金画面が表示されているときに操作者が貨幣の入金処理を行うと、操作表示部40には出金貨幣の金種の指定を行う金種指定画面が表示されるようになる。そして、操作者がこのような金種指定画面が操作表示部40に表示されているときに当該操作表示部40により出金貨幣の金種を入力すると、出金貨幣金種指定部24により出金貨幣の金種の指定が行われ、出金貨幣金種指定部24により指定された金種の貨幣が両替機10から出金される。このようにして、一連の両替処理が完了する。
このように、本実施の形態の両替機10によれば、制御部22は、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを切り替えるようになっているため、出金される貨幣の金種を指定するタイミングが貨幣の入金前または入金後に固定されているような従来技術の両替機と比較して、両替機10の制御装置20のプログラムを変更することなく、顧客の要望に応じて臨機応変に対応することができるようになり、操作者にとって融通が利くようになり利便性を向上させることができる。
また、両替機10において両替処理を行う際に、両替処理の種類として、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理のうち何れか一つのものを操作者が操作表示部40により選択することができるようになっていてもよい。この場合には、金種指定タイミング設定部26は、操作者によって操作表示部40により選択された両替処理の種類が正両替処理のときおよび逆両替処理のときの各々に対して、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかの設定を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態における両替機10の他の態様として、制御部22は、操作者によって操作表示部40により選択された両替処理の種類(正両替処理または逆両替処理)に基づいて、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを自動的に切り替えるようになっていてもよい。具体的には、例えば、制御部22は、操作者によって操作表示部40により選択された両替処理の種類が正両替処理のときには貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うよう制御を行い、一方、操作者によって操作表示部40により選択された両替処理の種類が逆両替処理のときには貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うよう制御を行う。ここで、操作者が操作表示部40により両替処理の種類として正両替処理を選択する状況として、入金される貨幣の金額や出金される貨幣の金種を操作者が分かっている場合が考えられるが、このような場合には出金される貨幣の金種を操作者が先に指定することで、例えば、必要な入金額を両替機10が自動計算することにより、操作者が自ら計算するなどの両替処理にかかる手間を簡略化することができる。一方、操作者が操作表示部40により両替処理の種類として逆両替処理を選択する状況として、所有する大量の硬貨を紙幣に両替する場合が考えられるが、このような場合には操作者は所有する大量の硬貨の合計金額が分からないことが多い。このため、操作者は出金される紙幣の金種の指定を行う前に、まず大量の硬貨を両替機10に入金して当該硬貨の合計金額を確認し、この硬貨の合計金額に見合った紙幣の金種を指定することが望ましいといえる。このため、両替処理が正両替処理である場合と逆両替処理である場合とで出金貨幣の金種指定のタイミングを変えることにより、両替機10の利用者にとっての利便性を向上させることができるようになる。
また、本実施の形態における両替機10の更に他の態様として、両替機10の待機状態において、または両替処理の開始時に、貨幣の入金動作および出金貨幣金種指定部24による金種の指定動作の両方を受付可能となっていてもよい。この場合には、制御部22は、貨幣の入金動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金された後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うような制御を行い、一方、出金貨幣金種指定部24による貨幣の金種の指定動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金される前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うよう制御を行うようになる。この場合、貨幣の入金動作または出金貨幣の金種の指定動作により、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを自動的に切り替えることができるため、操作者に対する利便性を向上させることができるようになる。また出金貨幣の金種指定のタイミングを選択する必要がないため、操作者の両替処理ステップを減らすことができる。
ところで、上記実施の形態では、入金貨幣の全額を、出金貨幣金種指定部24により指定した金種の貨幣に両替するが、両替貨幣として出金する貨幣の枚数を指定する出金貨幣枚数指定部を設けてもよい。また、出金貨幣金種指定部24により複数の金種を指定し、それぞれの金種について、出金貨幣枚数指定部により出金する貨幣の枚数を指定するようにしてもよい。
また、出金貨幣金種指定部24による金種の指定が行われなかったときの出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種構成、または予め設定された金種構成にて貨幣の出金が行われるようになっていてもよい。両替処理において、出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種構成で貨幣が出金されたときには、出金される紙幣や硬貨の枚数や包装硬貨の本数を最少にすることができるため、両替機10内の現金の効率的運用が可能となり、また操作者に対する利便性を図ることができるようになる。
また、出金貨幣金種指定部24による金種の指定が行われなかったときの出金貨幣の金種の優先順位を予め設定できるようになっていてもよい。この場合には、両替機10において両替処理で出金される頻度の少ない貨幣の金種の優先度を上げることで、両替機10における出金貨幣を金種別に収納する貨幣収納部の貨幣量が空状態(エンプティ状態)またはニアエンプティ状態となるまでの時間を長くすることができ、実運用に応じて両替機10内の現金を効率的に運用することが可能となり、また両替機10への貨幣の補充の頻度を低減することができる。
また、図30に示すように、顧客情報を受け付ける顧客情報受付部28が制御部22に接続されていてもよい。具体的には、両替機10により両替処理を行いたい顧客等の操作者が操作表示部40により顧客情報を入力したり、操作者が所有するIDカードをカードリーダ42により読み取らせたりすることによって、顧客情報受付部28に顧客情報が受け付けられるようになる。このような顧客情報受付部28が設けられている場合には、制御部22は、顧客情報受付部28により受け付けられた顧客情報に基づいて、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかの切り替えを行うようになる。この場合、顧客情報に基づいて、貨幣を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを自動的に切り替えることができるため、操作者に対する利便性を向上させることができるようになる。また出金貨幣の金種指定のタイミングを選択する必要がないため、操作者の両替処理ステップを減らすことができる。
また、本実施の形態における両替機10の更に他の態様として、出金貨幣金種指定部24において、貨幣を入金する前および貨幣を入金した後の何れのときでも金種の指定を行うことができるようになっていてもよい。この場合には、貨幣を入金する前および貨幣を入金した後の何れのときでも金種の指定を行うことができるため、操作者にとって操作の融通が効くようになり両替機10の利便性を向上させることができるようになる。
また、本実施の形態における両替機10では、逆両替処理を行う際に、出金貨幣金種指定部24による金種の指定が行われなかったときの出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種構成にて貨幣の出金が行われるようになっていてもよい。具体的には、両替機10において逆両替処理を行う際に、図31(b)のフローチャートに示すように出金貨幣の金種を指定する前に両替機10に貨幣を入金する。そして、両替機10に貨幣が入金されると、操作表示部40には、入金された硬貨の合計金額と、両替機10により推奨される出金貨幣の金種構成(具体的には、出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種と枚数)が表示される。そして、操作者が操作表示部40において確定ボタンを押下すると、両替機10から上記の金種構成で貨幣が出金される。一方、顧客が出金貨幣の金種の指定を行いたい場合には、出金される貨幣の金種を操作表示部40により指定することができる。このような両替機10によれば、逆両替処理を行う際の利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態の両替機10では、両替処理において入金される貨幣の金種が予め設定された金種である場合に、両替処理を行わずに、入金された貨幣を機体外に返却するような運用を行うことができるようになっていてもよい。このことにより、両替処理において例えば金種が小額である紙幣が大量に入金されることによりバラ紙幣入出金装置200の収納繰出部270がすぐに満杯状態となってしまうことを防止することができるようになる。また、両替処理において入金される貨幣の金種が予め設定された金種である場合に、当該金種の貨幣については両替処理において入金される金額や枚数を制限することができるようになっていてもよい。このことにより、両替処理において例えば金額が高額である紙幣が大量に入金されることによりバラ紙幣入出金装置200の収納繰出部270がすぐにエンプティ状態となってしまうことを防止することができるようになる。
また、本発明では、両替機は、貨幣以外の小切手、商品券等の有価媒体を入金することができるようになっていてもよい。この場合には、両替機には、入金された有価媒体を収納する有価媒体収納部が設けられるようになる。また、制御部22は、有価媒体を入金する前に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うか、または有価媒体を入金した後に出金貨幣金種指定部24により金種の指定を行うかを切り替えることができるようになる。
〔状態表示部としての発光ダイオードの構成について〕
図1等に示すように、両替機10の外側筐体12の前面に設けられた上部扉14の上部における左右両側には、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを光表示により外部に通知する状態通知部として発光ダイオード(LED)90、92が設けられている。より詳細には、両替機10における予め設定された複数の状態の各々に対応して、光の色および少なくとも消灯、点灯、点滅のうち何れか一つの光表示のパターンを組み合わせたものが予め設定されており、状態通知部としての発光ダイオード90、92は、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを当該状態に対応する光の色および光表示のパターンで表示するようになっている。なお、光表示のパターンが点滅であるときには、この点滅速度を設定することができるようになっていてもよい。
このような発光ダイオード90、92の発光色および光表示のパターンと、両替機10の状態との関係の一例を図32の表に示す。図32に示すように、両替機10の状態としては、正常状態、異常状態(エラー)、両替機10における入金された貨幣を金種別に収納する貨幣収納部やオーバーフロー貨幣を金種混合で収納する貨幣収納部などの貨幣量が満杯状態であるフル状態、貨幣収納部の貨幣量が満杯状態より所定量少ないニアフル状態、両替機10における出金されるべき貨幣を金種別に収納する貨幣収納部の貨幣量が空であるエンプティ状態(空状態)、貨幣収納部の貨幣量が空状態より所定量多いニアエンプティ状態、両替機10が使用中である状態、両替機10における一回の両替処理時間が予め設定された時間を超えた長期間使用中である状態、等が挙げられる。なお、図32の表には示されていないが、両替機10の他の状態として、当該両替機10が運用時間外である状態、両替処理において入金された貨幣に偽券が含まれている状態、等がある。そして、図32に示すように、これらの両替機10の各種状態に対応して、発光ダイオード90、92の発光色および光表示のパターンを組み合わせたものが予め設定されている。
ここで、両替機10の状態を検知する様々な手段について以下に説明する。図30に示すように、制御部22には、両替機10の状態を検知する手段として、満杯状態検知手段32、ニアフル状態検知手段34、空状態検知手段36、ニアエンプティ状態検知手段38がそれぞれ接続されている。ここで、満杯状態検知手段32は、収納繰出機構150や収納繰出部270等の、入金された貨幣を金種別に収納する貨幣収納部が満杯状態になったことを検知したり、オーバーフロー貨幣を金種混合で収納する貨幣収納部が満杯状態になったことを検知したりするようになっており、状態通知部としての発光ダイオード90、92により通知されるべき両替機10の状態は、少なくとも1つの貨幣収納部が満杯状態検知手段32により満杯(フル状態)であると検知された状態を含むようになっている。また、ニアフル状態検知手段34は、上記の貨幣収納部の貨幣量が満杯状態より所定量少ないニアフル状態となったことを検知するようになっており、状態通知部としての発光ダイオード90、92により通知されるべき両替機10の状態は、少なくとも1つの貨幣収納部のニアフル状態がニアフル状態検知手段34により検知された状態を含むようになっている。
また、空状態検知手段36は、収納繰出機構150や収納繰出部270、収納部310等の、出金されるべき貨幣を金種別に収納する貨幣収納部の貨幣量が空状態になったことを検知するようになっており、状態通知部としての発光ダイオード90、92により通知されるべき両替機10の状態は、少なくとも1つの貨幣収納部が空状態(エンプティ状態)であることが空状態検知手段36により検知された状態を含むようになっている。また、ニアエンプティ状態検知手段38は、上記の貨幣収納部の貨幣量が空状態より所定量多いニアエンプティ状態になったことを検知するようになっており、状態通知部としての発光ダイオード90、92により通知されるべき両替機10の状態は、少なくとも1つの貨幣収納部のニアエンプティ状態がニアエンプティ状態検知手段38により検知された状態を含むようになっている。
このような構成からなる両替機10では、金融機関の係員等は、当該両替機10から離れたところから、この両替機10に設けられた状態通知部としての発光ダイオード90、92による発光色および光表示のパターンを確認することにより、この両替機10の状態を容易に認識することができるようになり、両替機10において異常等のエラーが発生したときにすぐに対応することができるようになる。
また、本実施の形態では、入金された貨幣を金種別に収納する貨幣収納部が満杯状態になったことを満杯状態検知手段32が検知したり、出金されるべき貨幣を金種別に収納する貨幣収納部の貨幣量が空状態になったことを空状態検知手段36が検知したりしたときに、両替機10において正両替処理および逆両替処理のうちいずれか一方の処理を行うことができないような運用を行うようになっていてもよい。このことにより、両替機10が完全に休止してしまうことを防止することができ、操作者に対する利便性が向上するとともに両替機10の稼働率を増加させることができる。
なお、本実施の形態は、両替機10の各種状態に対応して発光ダイオード90、92の発光色および光表示のパターンを組み合わせたものが設定されるような態様に限定されることはない。本実施の形態における他の態様として、両替機10の各種状態に対応して発光ダイオード90、92の発光色のみが設定されており、発光ダイオード90、92は、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを当該状態に対応する光の色のみで示すようになっていてもよい。また、本実施の形態における更に他の態様として、両替機10の各種状態に対応して発光ダイオード90、92の光表示のパターンのみが消灯、点灯、点滅の中から設定されており、発光ダイオード90、92は、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを当該状態に対応する光表示のパターンのみで示すようになっていてもよい。
また、両替機10の状態を外部に通知する状態通知部として、複数の発光ダイオードが直列に並んだ構造のものを用いてもよい。この場合には、状態表示部による光表示のパターンとして、消灯、点灯、点滅に加えて、複数の発光ダイオードを所定時間だけ順に発光させるような波状点滅を設定することができるようになっていてもよい。
また、図32の表に示す例では、両替機10の左右両側にそれぞれ配置された発光ダイオード90、92における発光色および光表示のパターンは同一となっているが、両替機10の左右両側にそれぞれ配置された発光ダイオード90、92の各々による光表示の態様を異なるものとすることができるようになっていてもよい。
また、状態通知部としての発光ダイオードは、両替機10の外側筐体12の前面に設けられた上部扉14の上部における左右両側にそれぞれ配置されたものに限定されることはない。他の例として、状態通知部として1つの発光ダイオードが両替機10の外側筐体12の上部に配置されていてもよい。
また、状態通知部は、発光ダイオードに加えて、発光ダイオード以外の種類の発光器、具体的には例えば蛍光パネル等を更に有しており、この発光器でも、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを光表示により外部に通知するようになっていてもよい。あるいは、状態通知部は、発光ダイオード以外の種類の発光器からなり、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかをこの発光器が光表示により外部に通知するようになっていてもよい。
また、状態通知部は、両替機10が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを光表示に加えて音でも通知するようになっていてもよい。
また、両替機10におけるバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300に対応して複数の状態通知部が設けられており、各々の状態通知部は、対応する装置100、200、300が予め設定された複数の状態のうちどの状態であるかを光表示により通知するようになっていてもよい。
〔両替機の紙幣処理ユニットや硬貨処理ユニットの運用方法について〕
前述したように、両替機10は、略直方体形状の外側筐体12を有しており、この外側筐体12の内部には、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300が横方向に並ぶよう設けられている。ここで、バラ紙幣入出金装置200により、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理ユニット50が構成されている。また、バラ硬貨入出金装置100および包装硬貨投出装置300により、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理ユニット60が構成されている。また、これらのバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300はそれぞれ、他の装置から独立して外側筐体12の内部から手前側に水平方向に引き出して取り出すことができるようになっている。
ここで、本実施の形態による両替機10では、紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが存在しないか、または紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが機能しないときでも、両替処理を行うことができるようになっている。より詳細に説明すると、本実施の形態による両替機10では、紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが存在しないか、または紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが機能しないときでも、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理をそれぞれ行うことができるようになっている。
ここで、「紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが存在しない」とは、紙幣処理ユニット50や硬貨処理ユニット60が外側筐体12内に収容されていない状態のことをいう。また、「紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが機能しない」とは、両替機10の外側筐体12内に紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60がそれぞれ収容されているが、これらの処理ユニットが作動しない状態のことをいう。このような状態では、使用者が誤って貨幣を投入することを防止するために、各ユニットの入金口または出金口、あるいは入金口および出金口の両方がカバーにより覆われることにより機能しないようになっていることが好ましい。また、図30に示すように、紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60をそれぞれ作動させるか否かの設定をユニット毎に行うユニット作動設定部30が両替機10の制御装置20に設けられており、両替機10の外側筐体12内に紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60がそれぞれ収容されているときに、これらの紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60は、それぞれ、ユニット作動設定部30により作動させないという設定(言い換えると、縮退運転の設定)が行われているときに機能しないようになっている。
このような構成からなる両替機10によれば、当該両替機10の導入時(すなわち、金融機関のロビー等への設置時)には紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうち必要最小限のユニットのみを外側筐体12内に収容したり必要最小限のユニットのみを機能させたりすることができるようになっており、また、両替機10が設置される金融機関等の要求に合わせて他のユニットを追加したり機能させたりすることができるようになる。このことにより、両替機10において融通の利く運用を行うことができ、両替機10の導入時の設置費用等を軽減することができるようになる。
なお、上記の説明では、両替機10において、紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが存在しないか、または紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが機能しないときでも、両替処理を行うことができるような態様について説明したが、本実施の形態による両替機10はこのような態様に限定されることはない。本実施の形態における他の態様の両替機10では、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300のうちいずれか1つの装置が存在しないか、またはバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300のうちいずれか1つの装置が機能しないときでも、両替処理を行うことができるようになっていてもよい。さらに、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200のうちいずれか1つの装置が存在しないか、またはバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200のうちいずれか1つの装置が機能しないときでも、両替処理を行うことができるようになっていてもよい。
この際に、両替機10の導入時等において、3つの装置100、200、300のうちバラ硬貨入出金装置100およびバラ紙幣入出金装置200が外側筐体12内に収容されるとともにこれらのバラ硬貨入出金装置100およびバラ紙幣入出金装置200が機能するようになっているか、あるいは3つの装置100、200、300のうちバラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300が外側筐体12内に収容されるとともにこれらのバラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300が機能するようになっていることが特に好ましい。言い換えると、バラ紙幣入出金装置200からなる紙幣処理ユニット50が常に外側筐体12内に収容されるとともに当該紙幣処理ユニット50は機能するようになっていることが好ましい。この場合には、バラ硬貨入出金装置100または包装硬貨投出装置300を外側筐体12から取り外したり機能させないようにすることができるようになる。また、この場合には、両替機10において紙幣と硬貨との間で両替処理を行うことが可能となる。すなわち、両替機10においてバラ硬貨入出金装置100が存在しないか機能しないときでも、包装硬貨投出装置300が存在するとともに機能する場合には、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一かつ金種が異なる包装硬貨を包装硬貨投出装置300により出金するような両替処理を行うことができるようになる。また、包装硬貨投出装置300が存在しないか機能しないときでも、バラ硬貨入出金装置100が存在するとともに機能する場合には、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一かつ金種が異なるバラ硬貨をバラ硬貨入出金装置100により出金するような両替処理や、バラ硬貨入出金装置100においてバラ硬貨が入金されるとともに入金されたバラ硬貨と合計金額が同一かつ金種が異なるバラ紙幣をバラ紙幣入出金装置200により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
なお、このような両替機10では、バラ硬貨入出金装置100はバラ硬貨の出金処理のみを行うようになっていたり、バラ紙幣入出金装置200はバラ紙幣の入金処理のみを行うようになっていたりしてもよい。この場合でも、少なくとも、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一かつ金種が異なるバラ硬貨または包装硬貨をバラ硬貨入出金装置100または包装硬貨投出装置300により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、別の態様の両替機10において、バラ紙幣入出金装置200が存在しないか、またはバラ紙幣入出金装置200が機能しないときでも両替処理を行うことができるようになっていてもよい。すなわち、両替機10においてバラ紙幣入出金装置200が存在しないか機能しないときでも、包装硬貨投出装置300が存在するとともに機能する場合には、バラ硬貨入出金装置100においてバラ硬貨が入金されるとともに入金されたバラ硬貨と合計金額が同一かつ金種が異なる包装硬貨を包装硬貨投出装置300により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
なお、このような両替機10では、バラ硬貨入出金装置100はバラ硬貨の入金処理のみを行うようになっていたり、バラ紙幣入出金装置200はバラ紙幣の出金処理のみを行うようになっていたりしてもよい。この場合でも、少なくとも、バラ硬貨入出金装置100においてバラ硬貨が入金されるとともに入金されたバラ硬貨と合計金額が同一かつ金種が異なるバラ紙幣または包装硬貨をバラ紙幣入出金装置200または包装硬貨投出装置300により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、両替機10の導入時等において、3つの装置100、200、300のうちバラ紙幣入出金装置200のみが外側筐体12内に収容されるとともにこのバラ紙幣入出金装置200が機能するようになっており、バラ硬貨入出金装置100および包装硬貨投出装置300を外側筐体12から取り外したり機能させないようにしてもよい。このような両替機10でも、バラ紙幣入出金装置200により紙幣同士の両替処理が可能となる。また、この場合、両替機10が設置される金融機関等の要求に合わせてバラ硬貨入出金装置100や包装硬貨投出装置300を追加したり機能させたりすることができるようになっている。また、両替機10の導入時等において、3つの装置100、200、300のうちバラ硬貨入出金装置100のみが外側筐体12内に収容されるとともにこのバラ硬貨入出金装置100が機能するようになっており、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300を外側筐体12から取り外したり機能させないようにしてもよい。このような両替機10でも、バラ硬貨入出金装置100により硬貨同士の両替処理が可能となる。また、この場合、両替機10が設置される金融機関等の要求に合わせてバラ紙幣入出金装置200や包装硬貨投出装置300を追加したり機能させたりすることができるようになっている。
また、更に別の変形例として、図33に示すように、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300に加えて、帯封紙により所定枚数(例えば100枚)の紙幣が帯封された帯封紙幣の投出を行う帯封紙幣投出装置400を追加的に備えた両替機10aが用いられてもよい。この場合、外側筐体12の内部には、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300および帯封紙幣投出装置400が横方向に並ぶよう設けられている。また、図33に示すような両替機10aでは、バラ紙幣入出金装置200および帯封紙幣投出装置400により紙幣処理ユニット50が構成されるようになる。
図33に示すような両替機10aでも、図3等に示すような両替機10と同様に、紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが存在しないか、または紙幣処理ユニット50および硬貨処理ユニット60のうちいずれかのユニットが機能しないときでも、正両替処理および逆両替処理をそれぞれ行うことができるようになっている。
あるいは、図33に示すような両替機10aにおいて、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300および帯封紙幣投出装置400のうち一部の装置が存在しないか、またはバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300および帯封紙幣投出装置400のうち一部の装置が機能しないときでも、両替処理を行うことができるようになっていてもよい。まず、図33に示すような両替機10aの導入時等において、帯封紙幣投出装置400が存在しないか、帯封紙幣投出装置400が機能しないようになっている場合は、図3に示すような両替機10と同等の両替処理を行うことができるようになる。さらに、帯封紙幣投出装置400に加えて、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300の一部の装置が存在しないか、またはバラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300のうち一部の装置が機能しないときでも、両替処理を行うことができることは前述した通りである。
また、図33に示すような両替機10aの導入時等において、バラ紙幣入出金装置200が存在しないか、バラ紙幣入出金装置200が機能しないようになっている場合でも、当該両替機10aにおいて両替処理を行うことができるようになる。すなわち、両替機10aにおいてバラ紙幣入出金装置200が存在しないか機能しないときでも、帯封紙幣投出装置400が存在するとともに機能するので、バラ硬貨入出金装置100においてバラ硬貨が入金されるとともに入金されたバラ硬貨と合計金額が同一かつ金種が異なる包装硬貨や帯封紙幣を包装硬貨投出装置300や帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、別の態様の両替機10aにおいて、バラ硬貨入出金装置100が存在しないか、バラ硬貨入出金装置100が機能しないようになっている場合でも、当該両替機10aにおいて両替処理を行うことができるようになっていてもよい。すなわち、両替機10aにおいてバラ硬貨入出金装置100が存在しないか機能しないときでも、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一かつ金種が異なる包装硬貨や帯封紙幣を包装硬貨投出装置300や帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、別の態様の両替機10aにおいて、包装硬貨投出装置300が存在しないか、包装硬貨投出装置300が機能しないようになっている場合でも、当該両替機10aにおいて両替処理を行うことができるようになっていてもよい。すなわち、両替機10aにおいて包装硬貨投出装置300が存在しないか機能しないときでも、バラ硬貨入出金装置100やバラ紙幣入出金装置200から入金されたバラ硬貨やバラ紙幣と合計金額が同一の帯封紙幣を帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、別の態様の両替機10aにおいて、バラ硬貨入出金装置100と包装硬貨投出装置300が存在しないか、バラ硬貨入出金装置100と包装硬貨投出装置300が機能しないようになっている場合でも、当該両替機10aにおいて両替処理を行うことができるようになっていてもよい。すなわち、両替機10aにおいてバラ硬貨入出金装置100と包装硬貨投出装置300が存在しないか機能しないときでも、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一の帯封紙幣を帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、別の態様の両替機10aにおいて、バラ紙幣入出金装置200と包装硬貨投出装置300が存在しないか、バラ紙幣入出金装置200と包装硬貨投出装置300が機能しないようになっている場合でも、当該両替機10aにおいて両替処理を行うことができるようになっていてもよい。すなわち、両替機10aにおいてバラ紙幣入出金装置200と包装硬貨投出装置300が存在しないか機能しないときでも、バラ硬貨入出金装置100においてバラ硬貨が入金されるとともに入金されたバラ硬貨と合計金額が同一の帯封紙幣を帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
また、このような両替機10aでは、バラ硬貨入出金装置100はバラ硬貨の入金処理または出金処理のいずれか一方のみを行うようになっていたり、バラ紙幣入出金装置200はバラ紙幣の入金処理または出金処理のいずれか一方のみを行うようになっていたりしてもよい。この場合でも、例えば、バラ紙幣入出金装置200においてバラ紙幣が入金されるとともに入金されたバラ紙幣と合計金額が同一かつ金種が異なるバラ硬貨または帯封紙幣をバラ硬貨入出金装置100または帯封紙幣投出装置400により出金するような両替処理を行うことができるようになる。
上記の説明では、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200および包装硬貨投出装置300からなる3つの装置が設けられた両替機10や、バラ硬貨入出金装置100、バラ紙幣入出金装置200、包装硬貨投出装置300および帯封紙幣投出装置400からなる4つの装置が設けられた両替機10aについて、一部の処理ユニット50、60や、一部の装置100、200、300、400が存在しないか機能しない場合でも両替処理を行うことができるような様々な態様について述べたが、上記の態様はあくまで一例に過ぎず、本実施の形態では、実用新案登録請求の範囲に記載された両替機の構成をカバーするような様々な態様の両替機を用いることができる。
10、10a 両替機
12 外側筐体
14 上部扉
16 下部扉
20 制御装置
22 制御部
24 出金貨幣金種指定部
26 金種指定タイミング設定部
28 顧客情報受付部
30 ユニット作動設定部
32 満杯状態検知手段
34 ニアフル状態検知手段
36 空状態検知手段
38 ニアエンプティ状態検知手段
40 操作表示部
42 カードリーダ
44 プリンタ
50 紙幣処理ユニット
60 硬貨処理ユニット
90、92 発光ダイオード
100 バラ硬貨入出金装置
100a 従来技術のバラ硬貨入出金装置
102 筐体
110 硬貨投入機構
111 第1の硬貨供給部
111a 第1の受皿部分
111b 第2の受皿部分
111c 異物排除用の穴
111d 軸
112 異物受取部
113 シュート
113a 第1のガイド部
113b 第2のガイド部
113c 包装硬貨搬送規制部
113p 硬貨通過検知センサ
114 シャッタ
115 第2の硬貨供給部
115a 搬送ベルト
115b プーリ
116 硬貨搬送量制限部材
116a 軸
117 第1残留検知部
118 第2残留検知部
119 硬貨収納状態検知部
120 入金搬送部
120p 無端状ベルト
122 識別部
122a 真偽判別部
122b 正損判別部
122c 新旧判別部
123 オーバーフロー選別部
124 選別部
125 オーバーフローシュート
126 シュート
127 リジェクト選別部
130 貯留繰出機構
132 回転円盤
132b 表面
133 硬貨貯留空間
134 カバー部材
138 硬貨収納状態検知部
150 収納繰出機構
152 回転円盤
152b 表面
153 硬貨収納空間
154 カバー部材
170 出金搬送部
170a 第1の出金搬送部分
170b 第2の出金搬送部分
170p 無端状ベルト
172 硬貨投出口
180 オーバーフロー硬貨収納部
190 制御部
196 第1の設定部
197 第2の設定部
198 正損判別方法設定部
200 バラ紙幣入出金装置
202 筐体
235 現金搬送カセット
252 入金部
252a 入金部カバー
252b 紙幣繰出機構
260 出金部
260a 出金部シャッタ
264 搬送部
266 識別部
270 収納繰出部
280 カセット装着部
300、300a 包装硬貨投出装置
302 筐体
304 筐体扉
310 収納部
312 底面
314 扉
316 蝶番(ヒンジ)
317 第1の収納領域幅調整部材
318 第2の収納領域幅調整部材
319、319a 投出機構
320 回転体
321 駆動部
322 回転軸
324 凹部
324a 内側壁
326 外面
328 歯車
329 収容包装硬貨検知部
330 ゲート部
332 揺動軸
334 取付部材
340 歯車
342 回転軸
344 カム
350 回転位置検知部
352 被検知部材
360 回転体
362 回転軸
364 凹部
370 制御部
372 駆動部
374 電源ハーネス
376 電源
380 昇降部
382 包装硬貨収納部材
384 投出包装硬貨検知部
390 シャッタ
400 帯封紙幣投出装置

Claims (13)

  1. 両替処理を行う両替機であって、
    出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部と、
    貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替える制御部と、
    を備えた、両替機。
  2. 両替処理の種類を入力するための入力部を更に備え、
    前記制御部は、前記入力部により入力された両替処理の種類に基づいて、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替える、請求項1記載の両替機。
  3. 前記入力部により入力されるべき両替処理の種類は、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理である、請求項2記載の両替機。
  4. 前記制御部は、前記入力部により入力された両替処理の種類が正両替処理のときには貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行い、一方、前記入力部により入力された両替処理の種類が逆両替処理のときには貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行う、請求項3記載の両替機。
  5. 貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの設定を行う設定部を更に備えた、請求項1記載の両替機。
  6. 両替処理の種類を入力するための入力部を更に備え、
    前記入力部により入力されるべき両替処理の種類は、入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が低額となるような正両替処理、および入金される貨幣の金種に対して出金される貨幣の金種が高額となるような逆両替処理であり、
    前記設定部は、前記入力部により入力された両替処理の種類が正両替処理のときおよび逆両替処理のときの各々に対して、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの設定を行うことができるようになっている、請求項5記載の両替機。
  7. 貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを、両替処理毎に選択することができるようになっている、請求項1記載の両替機。
  8. 待機状態において、または両替処理の開始時に、貨幣の入金動作および前記出金貨幣金種指定部による金種の指定動作の両方を受付可能となっており、
    前記制御部は、貨幣の入金動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金された後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行い、一方、前記出金貨幣金種指定部による貨幣の金種の指定動作が先に受け付けられたときに、貨幣が入金される前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うよう制御を行う、請求項1記載の両替機。
  9. 前記出金貨幣金種指定部による金種の指定が行われなかったときに、出金されるべき貨幣の枚数が最小となるような金種構成、または予め設定された金種構成にて貨幣の出金が行われる、請求項1記載の両替機。
  10. 顧客情報を受け付ける顧客情報受付部を更に備え、
    前記制御部は、前期顧客情報受付部により受け付けられた顧客情報に基づいて、貨幣を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または貨幣を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかの制御を行う、請求項1記載の両替機。
  11. 入金された紙幣を収納するとともに、機体内に収納された紙幣を出金可能な紙幣入出金ユニット、入金された硬貨を収納するとともに、機体内に収納された硬貨を出金可能な硬貨入出金ユニット、および機体内に収納された包装硬貨を出金可能な包装硬貨出金ユニットからなる群のうち少なくとも2つのユニットを備えた、請求項1記載の両替機。
  12. 両替処理を行う両替機であって、
    出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部を備え、
    前記出金貨幣金種指定部において、貨幣を入金する前および貨幣を入金した後の何れのときでも金種の指定を行うことができるようになっている、両替機。
  13. 貨幣以外の有価媒体を入金することができる両替機であって、
    入金された有価媒体を収納する有価媒体収納部と、
    出金される貨幣の金種の指定を行う出金貨幣金種指定部と、
    有価媒体を入金する前に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うか、または有価媒体を入金した後に前記出金貨幣金種指定部により金種の指定を行うかを切り替える制御部と、
    を備えた、両替機。
JP2013250973A 2013-12-04 2013-12-04 両替機 Active JP6270443B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250973A JP6270443B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 両替機
CN201480065712.XA CN105793900A (zh) 2013-12-04 2014-12-02 包装硬币投出装置
PCT/JP2014/081828 WO2015083682A1 (ja) 2013-12-04 2014-12-02 包装硬貨投出装置
EP14867150.6A EP3079124B1 (en) 2013-12-04 2014-12-02 Coin package discharge device
US15/172,220 US20160284151A1 (en) 2013-12-04 2016-06-03 Coin-roll ejecting device and money changer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250973A JP6270443B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 両替機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015108931A true JP2015108931A (ja) 2015-06-11
JP6270443B2 JP6270443B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=53439244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013250973A Active JP6270443B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 両替機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6270443B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105046804A (zh) * 2015-08-14 2015-11-11 石雨剑 一种商用多功能零钱兑换机及其兑换方法
JP2017117417A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 現金両替機
CN106934923A (zh) * 2015-12-30 2017-07-07 光荣株式会社 兑换机以及兑换方法
JP2017224216A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 旭精工株式会社 両替機
US11269811B2 (en) 2016-03-29 2022-03-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for maximized dedupable memory

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262785A (ja) * 1987-04-20 1988-10-31 オムロン株式会社 有料両替装置
JP2006318236A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Hitachi Omron Terminal Solutions Corp 自動両替機
JP2011175553A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Glory Ltd 貨幣処理装置
JP2012064118A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Glory Ltd 貨幣処理装置
JP2013186811A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 金銭処理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262785A (ja) * 1987-04-20 1988-10-31 オムロン株式会社 有料両替装置
JP2006318236A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Hitachi Omron Terminal Solutions Corp 自動両替機
JP2011175553A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Glory Ltd 貨幣処理装置
JP2012064118A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Glory Ltd 貨幣処理装置
JP2013186811A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 金銭処理装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105046804A (zh) * 2015-08-14 2015-11-11 石雨剑 一种商用多功能零钱兑换机及其兑换方法
JP2017117417A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 現金両替機
CN106934923A (zh) * 2015-12-30 2017-07-07 光荣株式会社 兑换机以及兑换方法
US11269811B2 (en) 2016-03-29 2022-03-08 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for maximized dedupable memory
JP2017224216A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 旭精工株式会社 両替機

Also Published As

Publication number Publication date
JP6270443B2 (ja) 2018-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6270443B2 (ja) 両替機
EP3079124B1 (en) Coin package discharge device
WO2016093218A1 (ja) 紙葉類処理装置
JP2009059307A (ja) 硬貨入出金機
EP3188137B1 (en) Packed coin dispensing device
WO2015083682A1 (ja) 包装硬貨投出装置
JPH0638280B2 (ja) 硬貨処理機の代替出金方法
JP2015130141A (ja) 包装硬貨投出装置
JP3547648B2 (ja) 硬貨入出金機
JP6006578B2 (ja) 硬貨処理機
JP2004334597A (ja) 循環式硬貨入出金機
JP6653594B2 (ja) 貨幣処理装置、貨幣処理システムおよび貨幣処理方法
JP2004341789A (ja) 循環式硬貨入出金機
JP2015225442A (ja) 両替機および両替方法
JP2580584Y2 (ja) 循環式硬貨入出金機
JP3214841B2 (ja) 循環式硬貨入出金機
JP2589242Y2 (ja) 硬貨収納投出装置
JP3086681B2 (ja) 硬貨処理装置
JP2003157459A (ja) 硬貨処理機
JP2003157460A (ja) 硬貨処理機
JP3086575B2 (ja) 硬貨処理装置
JP2024012849A (ja) 貨幣処理機および貨幣処理方法
JP2024012842A (ja) 硬貨処理機
JP2024012846A (ja) 収納機構および硬貨処理機
JP3863103B2 (ja) 硬貨処理機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6270443

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150