JP2015108296A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の冷却装置に設けられるサーモスタット弁の故障診断において誤判定を抑制する。【解決手段】ECUは、エンジン側冷却水温センサの出力とラジエータ側冷却水温センサの出力とに基づいて、エンジン始動後にサーモスタット弁の故障診断を行なう。エンジン停止中に空調装置の暖房要求等に応じて電動ポンプが作動するとき、サーモスタット弁は閉状態となる。ECUは、今回のエンジン始動前のエンジン停止中に電動ポンプが作動していた場合には(S120にてYES)、エンジン停止中に電動ポンプが作動しなかった場合よりも(S120にてNO)、エンジン始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせる(S130,S140)。【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関の冷却装置に関し、特に、内燃機関の冷却装置に設けられるサーモスタット弁の故障を診断する技術に関する。
特開2010−196587号公報(特許文献1)は、エンジンを停止してモータの駆動力により走行するEV走行が可能なハイブリッド車両において、エンジンの冷却系に設けられるサーモスタット弁の異常を検出する異常検出装置を開示する。EV走行が増加すると、エンジンの作動機会が減少することによりサーモスタット弁の異常検出機会が減少するところ、この異常検出装置においては、EV走行中にエンジン冷却水をヒータにより加熱し、エンジン冷却水の温度が判定温度以上に上昇すれば、サーモスタット弁は正常に動作しているものと判定される(特許文献1参照)。
特開2010−196587号公報 特開2007−270661号公報 特開2007−56722号公報
エンジンの排熱により加熱された冷却水の熱量は、空調装置の暖房等に利用可能であり、エンジン停止中であっても、空調装置の暖房要求等に応じて電動ポンプを作動させて冷却水を循環させることが起こり得る。この場合、エンジンは停止しているので、サーモスタット弁は閉じられ、冷却水はラジエータを経由することなく循環する。そうすると、循環中の冷却水の温度の方が、ラジエータへ冷却水を流すためのラジエータ循環通路に留まっている冷却水の温度よりも低くなる状況が生じ得る。
このような状況でエンジンが始動し、サーモスタット弁の故障診断が実行されると、循環中の冷却水の温度と、ラジエータ循環通路内の冷却水の温度との関係が逆転していることにより、故障診断において誤判定がなされる可能性がある。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の冷却装置に設けられるサーモスタット弁の故障診断において誤判定を抑制することである。
この発明による内燃機関の冷却装置は、内燃機関の内部に形成された冷却水路と、冷却水を冷却するためのラジエータと、ラジエータ循環通路と、バイパス通路と、熱交換器と、サーモスタット弁と、電動ポンプと、第1および第2の温度センサと、制御装置とを備える。ラジエータ循環通路は、冷却水路から排出された冷却水を、ラジエータを経由させて冷却水路に戻すための通路である。バイパス通路は、冷却水路から排出された冷却水を、ラジエータを経由させることなく冷却水路に戻すための通路である。熱交換器は、バイパス通路に設けられ、冷却水が有する熱量を利用する。サーモスタット弁は、ラジエータ循環通路とバイパス通路とに接続され、サーモスタット弁の内部を流れる冷却水の温度に応じて、ラジエータ循環通路からの冷却水を遮断してバイパス通路からの冷却水を冷却水路に出力する閉状態と、ラジエータ循環通路からの冷却水とバイパス通路からの冷却水とを冷却水路に出力する開状態とのいずれかに切替えられる。電動ポンプは、冷却水を循環させる。第1の温度センサは、冷却水路内の冷却水の温度を検出する。第2の温度センサは、ラジエータ循環通路内の冷却水の温度を検出する。制御装置は、第1の温度センサの出力と第2の温度センサの出力とに基づいて、内燃機関の始動後にサーモスタット弁の故障診断を行なう。内燃機関の停止中に熱交換器の作動要求に応じて電動ポンプが作動するとき、サーモスタット弁は閉状態となる。そして、制御装置は、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動した場合には、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動しなかった場合よりも、内燃機関の始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせる。
この内燃機関の冷却装置においては、内燃機関の停止中に熱交換器の作動要求に応じて電動ポンプが作動した場合には、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動しなかった場合よりも、内燃機関の始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせるので、冷却水路内の冷却水の温度と、ラジエータ循環通路内の冷却水の温度との関係が逆転している状態でサーモスタット弁の故障診断が開始されるのを回避し得る。したがって、この内燃機関の冷却装置によれば、サーモスタット弁の故障診断において誤判定を抑制することができる。
好ましくは、制御装置は、内燃機関が始動してからの、第1の温度センサにより検出される冷却水温度の上昇量(ΔECT)が所定値を超えると、故障診断を開始する。内燃機関の停止中に電動ポンプが作動した場合の上記所定値を示す第1の値は、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動しなかった場合の上記所定値を示す第2の値よりも大きい。
サーモスタット弁の故障診断は、冷却水の温度に基づいて行なわれるところ、この内燃機関の冷却装置によれば、冷却水温度に基づいて故障診断の開始が調整されるので、故障診断の開始時期を精度よく調整することができる。
また、好ましくは、制御装置は、内燃機関が始動してからの内燃機関への吸入空気量を積算し、吸入空気量の積算値が所定値を超えると、故障診断を開始する。内燃機関の停止中に電動ポンプが作動した場合の上記所定値を示す第1の値は、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動しなかった場合の上記所定値を示す第2の値よりも大きい。
内燃機関への吸入空気量の積算量は、内燃機関および冷却水の温度上昇の傾向を示し得るので、この内燃機関の冷却装置においては、吸入空気量の積算量に基づいて故障診断の開始が調整される。したがって、この内燃機関の冷却装置によっても、サーモスタット弁の故障診断において誤判定を抑制することができる。
また、好ましくは、制御装置は、内燃機関が始動してからの経過時間が所定値を超えると、故障診断を開始する。内燃機関の停止中に電動ポンプが作動した場合の上記所定値を示す第1の値は、内燃機関の停止中に電動ポンプが作動しなかった場合の上記所定値を示す第2の値よりも大きい。
この内燃機関の冷却装置においては、内燃機関が始動してからの経過時間に基づいて故障診断の開始が調整されるので、センサの検出信号の取込処理や演算処理が不要となる。したがって、この内燃機関の冷却装置によれば、制御装置の処理を簡素化することができる。また、センサの異常や測定精度の影響を受けることなく、故障診断の開始を調整することができる。
好ましくは、制御装置は、サーモスタット弁が閉状態においてラジエータ循環通路を流れる漏れ流量と第1の温度センサの出力とに基づいてラジエータ循環通路内の冷却水温度の推定値を算出し、算出された推定値よりも第2の温度センサの出力値が大きい場合にサーモスタット弁が故障しているものと診断する。
この内燃機関の冷却装置によれば、サーモスタット弁が閉状態においてラジエータ循環通路を流れる漏れ流量を考慮してサーモスタット弁の故障診断を行なうので、精度の高い故障診断を行なうことができる。
この発明によれば、内燃機関の冷却装置に設けられるサーモスタット弁の故障診断において誤判定を抑制することができる。
この発明の実施の形態による内燃機関の冷却装置を備える車両の概略構成図である。 エンジン始動前後におけるエンジン冷却水温の変化の一例を示した図である。 図1に示すECUにより実行されるサーモスタット弁故障診断処理の手順を説明するためのフローチャートである。 図3に示す診断前提条件判定の処理手順を示すフローチャートである。 変形例1における診断前提条件判定の処理手順を示すフローチャートである。 変形例2における診断前提条件判定の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による内燃機関の冷却装置を備える車両の概略構成図である。図1を参照して、車両100は、エンジン20と、エンジン20を冷却するためのエンジン冷却装置10と、熱機器300とを備える。
エンジン冷却装置10は、電動ウォーターポンプ(以下「電動ポンプ」と称する。)30と、ラジエータ40と、ラジエータ循環通路50と、バイパス通路60と、サーモスタット弁70とを含む。また、エンジン冷却装置10は、エンジン側冷却水温センサ80と、ラジエータ側冷却水温センサ90と、制御装置(以下「ECU(Electronic Control Unit)」とも称する。)200とをさらに含む。
エンジン20は、冷却水によってエンジン20を冷却するためのウォータージャケット24を有する。ウォータージャケット24は、エンジン20のシリンダの周囲に形成され、冷却水を通水する冷却水路25を構成する。冷却水路25は、入口部27と、出口部26との間に設けられ、入口部27からの冷却水を出口部26から送出する。冷却水路25内に流れる冷却水がエンジン20と熱交換を行なうことによってエンジン20が冷却される。これにより、エンジン20が燃焼に適した温度に維持される。
電動ポンプ30は、電動機によって駆動されてエンジン20の冷却水を循環させるポンプである。電動ポンプ30は、エンジン本体の取付側面部22に装着される。電動ポンプ30は、入口部27から冷却水路25内へ冷却水を送出する。
電動ポンプ30は、ECU200から受ける制御信号によって駆動および停止が制御される。さらに、電動ポンプ30は、ECU200から受ける制御信号によって電動ポンプ30から吐出される冷却水の吐出量が制御される。
出口部26は、分岐部120を構成する。分岐部120は、ラジエータ循環通路50と、バイパス通路60とに接続される。分岐部120によって、冷却水路25からの冷却水は、ラジエータ循環通路50への冷却水と、バイパス通路60への冷却水とに分けられる。
ラジエータ循環通路50は、エンジン20、電動ポンプ30、およびラジエータ40間に冷却水を循環させるための通路である。ラジエータ循環通路50は、配管50a,50bと、ラジエータ40とによって構成される。配管50aは、分岐部120とラジエータ40の入口部42との間に設けられる。配管50bは、ラジエータ40の出口部44とサーモスタット弁70との間に設けられる。エンジン20で暖められた冷却水は、ラジエータ40を通過することによって冷却される。
ラジエータ40は、ラジエータ40内を流れる冷却水と外気との間で熱交換を行なうことによって冷却水の熱を放熱する。ラジエータ40には、冷却ファン46が設けられる。冷却ファン46は、送風によって熱交換を促進してラジエータ40内の冷却水の放熱効率を向上させる。ラジエータ40で冷却された冷却水は、出口部44から送出される。
バイパス通路60は、ラジエータ40を経由することなく冷却水を循環させるための通路である。バイパス通路60は、配管60a,60bと、熱機器300とによって構成される。配管60aは、分岐部120と熱機器300との間に設けられる。配管60bは、熱機器300とサーモスタット弁70との間に設けられる。
熱機器300は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ28と、配管29と、排気熱回収器32と、ヒータコア36と、スロットルボディ35と、EGRバルブ34とを含む。
EGRクーラ28は、冷却水によってEGRガスを冷却する。スロットルボディ35は、冷却水によって暖められることによって固着等の発生が防止される。EGRバルブ34は、冷却水によって冷却される。排気熱回収器32は、排気ガスの熱により冷却水を温めることによって低温時のエンジン始動性を高める。
ヒータコア36は、空調装置の暖房器として用いられ、冷却水と空調装置の送風空気との間で熱交換することによって送風空気を加熱する。なお、空調装置は、エンジン20の停止中にも作動し得るものであり、エンジン20の停止中に空調装置による暖房要求があると、電動ポンプ30が作動して冷却水がバイパス通路60を循環し、ヒータコア36によって冷却水と空調装置の送風空気との間で熱交換が行なわれる。これにより、バイパス通路60を流れる冷却水の温度は低下する。
サーモスタット弁70は、ラジエータ循環通路50を通過した冷却水と、バイパス通路60を通過した冷却水とを合流させる合流部110に配置される。合流部110は、配管50bを介してラジエータ40に接続されるとともに配管60bに接続される。合流部110からの冷却水は、電動ポンプ30の吸込口へ戻される。サーモスタット弁70は、サーモスタット弁70の内部(弁体付近)を流れる冷却水の温度に応じて、閉状態および開状態のいずれかに切替えられるように構成される。
サーモスタット弁70の弁体付近における冷却水の温度が所定の開弁温度(たとえば70℃程度)未満である場合、サーモスタット弁70は閉状態となる。この場合、バイパス通路60側の冷却水は、サーモスタット弁70を通過してウォータージャケット24に出力されるが、ラジエータ循環通路50側の冷却水は、サーモスタット弁70により遮断されてウォータージャケット24には出力されない。これにより、エンジン20の熱を奪った冷却水がラジエータ40で冷却されることなくエンジン20(ウォータージャケット24)に還流され、エンジン20の暖機が行なわれる。
一方、サーモスタット弁70の弁体付近における冷却水の温度が上記の開弁温度以上である場合、サーモスタット弁70は開状態となる。この場合、ラジエータ循環通路50からの冷却水とバイパス通路60からの冷却水とがサーモスタット弁70を通過してウォータージャケット24へ出力される。また、サーモスタット弁70の開度は、冷却水の温度に応じて調整される。これにより、ラジエータ循環通路50からの冷却水とバイパス通路60からの冷却水との混合比率が調整され、ウォータージャケット24に通水される冷却水の温度がエンジン20の適温となるように保たれる。
エンジン側冷却水温センサ80は、分岐部120に設けられる。エンジン側冷却水温センサ80は、出口部26から送出される冷却水の温度(以下「エンジン出口水温ECT」あるいは単に「ECT」と称する。)を検出し、検出結果(ECT検出値)をECU200へ出力する。なお、エンジン側冷却水温センサ80は、冷却水が常時循環している経路に設けられていればよく、たとえば冷却水路25に設けられてもよい。
ラジエータ側冷却水温センサ90は、配管50aに設けられる。ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50の配管50aに流れる冷却水の温度(以下「ラジエータ入口水温RCT」あるいは単に「RCT」と称する。)を検出し、検出結果(RCT検出値)をECU200へ出力する。なお、ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50に設けられていればよく、たとえば配管50bに設けられてもよい。
以上のような構成を有する車両100において、サーモスタット弁70が故障していると、弁体付近の冷却水温が開弁温度以上に上昇しても弁体が開かない閉故障や、弁体付近の冷却水温が開弁温度未満に低下しても弁体が閉じない開故障などの異常が生じる。このような故障が生じている状態では、エンジン20の冷却水路25に適正水温の冷却水を供給できず、エンジン20の動作効率を低下させてしまう。このため、エンジン20の作動中にサーモスタット弁70が正常に機能しているか否かの故障診断を継続的に行ない、故障を早期に見つけることが好ましい。
そこで、ECU200は、エンジン側冷却水温センサ80から受けるECT検出値と、ラジエータ側冷却水温センサ90から受けるRCT検出値とに基づいて、サーモスタット弁70の故障診断を行なう。このECU200は、CPU(Central Processing Unit)や、記憶装置、入出力バッファ等(いずれも図示せず)を含んで構成される。
一例として、ECU200は、以下のような診断精度の高い故障診断を実施する。すなわち、サーモスタット弁70が本来開かない水温領域(開弁温度未満の水温領域)においては、サーモスタット弁70が閉状態であるため、理論上は、バイパス通路60には冷却水が流れ、ラジエータ循環通路50には冷却水が流れない。そのため、ECT検出値とRCT検出値との間には所定値以上の差が生じる。したがって、サーモスタット弁70が本来開かない水温領域において、ECT検出値とRCT検出値との差が所定値未満であるときには、サーモスタット弁70が開いている、すなわちサーモスタット弁70が開故障していると判断することができる。
しかしながら、実際には、サーモスタット弁70が正常に閉じていても、電動ポンプ30の駆動によってラジエータ循環通路50の水圧が上昇すると、ラジエータ循環通路50内の冷却水がサーモスタット弁70から冷却水路25に漏れ出す。この場合、サーモスタット弁70が閉状態であるにも拘わらず、サーモスタット弁70の漏れ流量に相当する量の冷却水が冷却水路25からラジエータ循環通路50内に流れ込みラジエータ循環通路50内にあった冷却水と混合されるため、ラジエータ入口水温RCTはエンジン出口水温ECTに近づく。これにより、ECT検出値とRCT検出値との温度差が小さくなるので、故障診断の精度が低下するおそれがある。
そこで、ECU200は、サーモスタット弁70が正常であってもサーモスタット弁70から冷却水が漏れ出すことを考慮して、サーモスタット弁70の故障診断を行なう。具体的には、ECU200は、ECT検出値およびサーモスタット弁70の漏れ流量に基づいてラジエータ入口水温RCTの推定値を算出し、算出されたRCT推定値とRCT検出値との比較結果に基づいて、サーモスタット弁70が故障であるか否かを診断する処理(以下「サーモスタット弁故障診断処理」と称する。)を行なう。このサーモスタット弁故障診断処理については、後ほどフローチャートを用いて詳しく説明する。
ところで、上述のように、エンジン20の排熱により加熱された冷却水の熱量は、空調装置の暖房等に利用可能であり、この実施の形態では、たとえば、バイパス通路60に設けられたヒータコア36による空調装置の暖房時に利用される。ここで、加熱された冷却水の熱量は、エンジン20の停止中であっても利用可能であり、エンジン20の停止中であっても、暖房要求等に応じて電動ポンプ30を作動させて冷却水を循環させることが起こり得る。この場合、エンジン20は停止しているので、サーモスタット弁70は閉じられ、冷却水は、ラジエータ循環通路50には流れず、エンジン20の冷却水路25およびバイパス通路60を循環する。そうすると、冷却水路25およびバイパス通路60を循環する冷却水は、ヒータコア36により熱量を奪われる一方、ラジエータ循環通路50に留まる冷却水は、自然放熱のみであるので、冷却水路25およびバイパス通路60を循環する冷却水の温度の方が、ラジエータ循環通路50内の冷却水の温度よりも低くなる状況が発生し得る。これにより、通常であればエンジン出口水温ECTの方がラジエータ入口水温RCTよりも高いところ、エンジン出口水温ECTとラジエータ入口水温RCTとの関係が逆転することによって、故障診断において誤判定がなされ得る。
図2は、エンジン20の始動前後におけるエンジン冷却水温の変化の一例を示した図である。図2を参照して、時刻t1以前は、エンジン20は停止しており、エンジン停止中の暖房利用等によってECT検出値<RCT検出値の状況が生じているものとする。なお、エンジン20の停止中は、サーモスタット弁70の故障診断は行なわれない。
時刻t1において、エンジン20が始動したものとする。そうすると、エンジン20の排熱によりエンジン冷却水が加熱され、エンジン出口の冷却水の温度を示すECT検出値が上昇し始める。なお、エンジン20の開始直後は、冷却水の温度はサーモスタット弁70の開弁温度未満であり、サーモスタット弁70は閉じているので、RCT検出値の上昇は見られない。そして、時刻t2までは、ECT検出値<RCT検出値の状況が継続し、時刻t2以降にECT検出値>RCT検出値となる。
このように、時刻t1においてエンジン20が始動しても、時刻t2まではECT検出値<RCT検出値となっており、時刻t2よりも前に故障診断を開始すると、本来あるべきECT検出値>RCT検出値の関係が逆転していることにより故障診断を誤判定してしまう。そこで、この実施の形態では、このような時刻t1からt2の間の誤判定領域を考慮して、ECU200は、エンジン20の停止中(サーモスタット弁70は閉状態)に、空調装置の暖房要求等によって電動ポンプ30が作動した場合には、エンジン20の停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも、エンジン20の始動後に行なわれるサーモスタット弁70の故障診断処理の開始を遅らせる。これにより、ECT検出値とRCT検出値との大小関係が逆転した状態で故障診断が行なわれることを回避し、故障診断における誤判定が抑制される。
図3は、図1に示したECU200により実行されるサーモスタット弁故障診断処理の手順を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、エンジン20の始動時、たとえば、アイドリングストップ後のエンジン始動時や、車両100がハイブリッド車両である場合には、さらに、エンジン20を停止してモータの駆動力により走行するEV走行からエンジン20を作動させて走行するHV走行へ切替わるときのエンジン始動時などに実行される。このフローチャートは、ECU200に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現され、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図3を参照して、ECU200は、エンジン側冷却水温センサ80から受けるECT検出値、およびサーモスタット弁70が閉状態であるときにラジエータ循環通路50に流れる漏れ流量に基づいて、ラジエータ入口水温RCTの推定値(RCT推定値)を算出する(ステップS10)。具体的には、ECU200は、一例として、次式を用いてRCT推定値を算出することができる。
RCT推定値=(ECT検出値×漏れ流量+RCT推定値(前回値)×(管路容積−漏れ流量))/管路容積 …(1)
式(1)では、管路容積に対する漏れ流量の割合に応じてECT検出値の冷却水とRCT推定値(前回値)の冷却水とが均一に混合されるものとして、RCT推定値が算出される。
ここで、漏れ流量は、予め実験結果等によって決められた固定値であってもよいし、たとえば電動ポンプ30の流量が多いほど大きい値に設定される変動値であってもよい。管路容積は、エンジン側冷却水温センサ80からラジエータ側冷却水温センサ90までの冷却水が流れる管路の容積である。なお、管路を任意の数の領域に分割し、分割された領域毎に上記(1)の式を適用することによって計算精度を高めることができる。
次いで、ECU200は、サーモスタット弁70の開故障診断処理を行なう前提条件(以下、単に「診断前提条件」ともいう)の成否を判定する処理を行なう(ステップS20)。本処理内容については、後述の図4において詳しく説明する。
そして、ECU200は、ステップS20の処理結果に基づいて、サーモスタット開故障診断処理を行なうか否かを判定する(ステップS30)。診断前提条件は非成立であると判定された場合(ステップS30においてNO)、ECU200は、サーモスタット開故障診断処理(ステップS40〜S60の処理)を行なうことなく、処理を終了させる。すなわち、ECU200は、診断前提条件が不成立の場合、サーモスタット開故障診断処理を禁止する。
一方、ステップS30において、診断前提条件が成立しているとの判定がなされた場合(ステップS30においてYES)、ECU200は、サーモスタット開故障診断処理(ステップS40〜S60の処理)を行なう。
すなわち、ECU200は、ラジエータ側冷却水温センサ90から受けるRCT検出値が、ステップS10で算出されたRCT推定値よりも高いか否かを判定する(ステップS40)。そして、RCT検出値がRCT推定値よりも高い場合(ステップS40においてYES)、ECU200は、サーモスタット弁70が開故障状態であると判定する(ステップS50)。サーモスタット弁70が開故障状態であると、想定している漏れ流量よりも大量の加熱された冷却水がラジエータ循環通路50に流れ込み、RCT検出値がRCT推定値よりも高い状況が発生するからである。一方、RCT検出値がRCT推定値以下である場合は(ステップS40においてNO)、ECU200は、サーモスタット弁70は正常であると判定する(ステップS60)。
図4は、図3のステップS20において実行される診断前提条件判定の処理手順を示すフローチャートである。図4を参照して、ECU200は、モニタ前提条件が成立しているか否かを判定する。モニタ前提条件とは、後述のステップS130,S160において、エンジン始動からの冷却水温の上昇を示す水温上昇量ΔECTをモニタ(監視)する前提として設定されている条件である。一例として、ECU200は、以下の条件(a)〜(f)がすべて成立している場合に、モニタ前提条件が成立しているものと判定する。
(a)今回のエンジン始動後において、サーモスタット故障診断が未完了である。
(b)ECT検出値がサーモスタット弁70の開弁温度(たとえば70℃)未満である。
(c)エンジン始動時のECT検出値が−10℃〜+56℃の範囲に含まれる。
(d)エンジン始動中である。
(e)ECT検出値の時間変化量が所定値(たとえば0.1℃/秒)以上である。
(f)エンジン側冷却水温センサ80およびラジエータ側冷却水温センサ90が正常である。
条件(a)は、エンジン20が始動してから次に停止するまでの間にサーモスタット故障診断を1回行なうことを前提とするものである。条件(b)は、サーモスタット弁70が本来であれば(正常であれば)閉じられていることを担保するための条件である。条件(c),(d)は、エンジン始動後にECT検出値がサーモスタット故障診断可能な態様で増加することを担保するための条件である。条件(e)は、エンジン始動後のエンジン水温の上昇を担保するための条件である。条件(f)は、ECT検出値あるいはRCT検出値の信頼性を担保するための条件である。なお、モニタ前提条件として、上記の条件(a)〜(f)を適宜取捨選択するようにしてもよい。
ステップS110においてモニタ前提条件が成立していないと判定されると(ステップS110においてNO)、ECU200は、ステップS180へ処理を移行し、診断前提条件を不成立とする(ステップS180)。
ステップS110においてモニタ前提条件が成立しているものと判定されると(ステップS110においてYES)、ECU200は、前回のエンジン停止中(前回のエンジン停止から今回のエンジン始動まで)に電動ポンプ30が作動したか否かを判定する(ステップS120)。
エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合には(ステップS120においてYES)、ECU200は、エンジン20が始動してからのECT検出値の上昇量を示す水温上昇量ΔECTが所定値A(>所定値B)よりも大きいか否かを判定する(ステップS130)。この所定値Aは、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の診断前提条件の判定値であり、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合の診断前提条件の判定値B(デフォルト値)よりも大きい。一例として、所定値Bは1℃であり、所定値Aは3℃である。これにより、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の故障診断の開始を、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも遅らせることができる。
そして、ステップS130において水温上昇量ΔECTが所定値Aよりも大きいと判定されると(ステップS130においてYES)、ECU200は、診断前提条件が成立したものとする(ステップS140)。ステップS130において水温上昇量ΔECTが所定値A以下であると判定されたときは(ステップS130においてNO)、ECU200は、診断前提条件を不成立とする(ステップS150)。
一方、ステップS120において、前回のエンジン停止中に電動ポンプ30が作動していないと判定された場合には(ステップS120においてNO)、ECU200は、水温上昇量ΔECTが所定値Bよりも大きいか否かを判定する(ステップS160)。ステップS160において水温上昇量ΔECTが所定値Bよりも大きいと判定されると(ステップS160においてYES)、ECU200は、診断前提条件が成立したものとする(ステップS170)。ステップS160において水温上昇量ΔECTが所定値B以下であると判定されると(ステップS160においてNO)、ECU200は、診断前提条件を不成立とする(ステップS180)。
以上のように、このエンジン冷却装置10においては、エンジン20の停止中に空調装置の暖房要求等に応じて電動ポンプ30が作動した場合には、エンジン20の停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも、エンジン20の始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせるので、エンジン出口水温ECTとラジエータ入口水温RCTとの関係が逆転している状態でサーモスタット弁70の故障診断が開始されるのを回避し得る。したがって、このエンジン冷却装置10によれば、サーモスタット弁70の故障診断において誤判定を抑制することができる。
また、サーモスタット弁70の故障診断は、冷却水の温度に基づいて行なわれるところ、このエンジン冷却装置10によれば、冷却水温度に基づいて故障診断の開始が調整されるので、故障診断の開始時期を精度よく調整することができる。
また、このエンジン冷却装置10によれば、サーモスタット弁70が閉状態においてラジエータ循環通路50を流れる漏れ流量を考慮してサーモスタット弁70の故障診断を行なうので、精度の高い故障診断を行なうことができる。
[変形例1]
上記の実施の形態では、エンジン20が始動してからのエンジン冷却水温(ECT検出値)の上昇量(ΔECT)に基づいて、エンジン始動後のサーモスタット弁故障診断処理の開始(診断前提条件の成立)を遅らせるものとしたが、水温上昇量ΔECTに代えて、エンジン20が始動してからのエンジン20への吸入空気量の積算量を用いてもよい。エンジン20が始動してからの積算吸入空気量は、エンジン20および冷却水の温度上昇の傾向を示し得るからである。
この変形例1における車両の全体構成は、図1に示した車両100と同じである。また、この変形例1におけるECU200により実行されるサーモスタット弁故障診断の全体処理の手順は、図3に示した処理手順と同じである。
図5は、この変形例1における診断前提条件判定(図3のステップS20において実行される処理)の処理手順を示すフローチャートである。図5を参照して、このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS130,S160に代えてそれぞれステップS132,S162を含む。
すなわち、ステップS120において、前回のエンジン停止中に電動ポンプ30が作動したものと判定されると(ステップS120においてYES)、ECU200は、エンジン20が始動してからのエンジン20への吸入空気量の積算量を示す積算吸入空気量が所定値C(>所定値D)よりも多いか否かを判定する(ステップS132)。なお、所定値Cは、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の診断前提条件の判定値であり、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合の診断前提条件の判定値D(デフォルト値)よりも大きい。一例として、所定値Cは50gであり、所定値Dは20gである。なお、エンジン20への吸入空気量は、図示されないエアフローメータによって検出可能である。所定値C>所定値Dとすることによって、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の故障診断の開始を、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも遅らせることができる。
そして、ステップS132において積算吸入空気量が所定値Cよりも多いと判定されると(ステップS132においてYES)、ステップS140へ処理が移行され、診断前提条件が成立したものとされる。ステップS132において積算吸入空気量が所定値C以下であると判定されると(ステップS132においてNO)、ステップS150へ処理が移行され、診断前提条件は不成立とされる。
一方、ステップS120において、前回のエンジン停止中に電動ポンプ30が作動していないと判定された場合には(ステップS120においてNO)、ECU200は、積算吸入空気量が所定値Dよりも多いか否かを判定する(ステップS162)。そして、積算吸入空気量が所定値Dよりも多いと判定されると(ステップS162においてYES)、ステップS170へ処理が移行され、診断前提条件が成立したものとされる。ステップS162において積算吸入空気量が所定値D以下であると判定されると(ステップS162においてNO)、ステップS180へ処理が移行され、診断前提条件は不成立とされる。
この変形例1によっても、エンジン20の停止中に空調装置の暖房要求等に応じて電動ポンプ30が作動した場合には、エンジン20の停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも、エンジン20の始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせることができるので、上記の実施の形態と同様に、サーモスタット弁70の故障診断において誤判定を抑制することができる。
[変形例2]
上記の変形例1では、エンジン20が始動してからの積算吸入空気量に基づいて、エンジン始動後のサーモスタット弁故障診断処理の開始(診断前提条件の成立)を遅らせるものとしたが、エンジン20が始動してからの時間を計時して、エンジン始動後の経過時間を代わりに用いてもよい。これにより、センサの検出信号の取込処理や演算処理が不要となり、ECU200の処理が簡素化される。また、センサの異常や測定精度の影響を受けることなく、故障診断の開始を調整できる。
この変形例2における車両の全体構成は、図1に示した車両100と同じである。また、この変形例2におけるECU200により実行されるサーモスタット弁故障診断の全体処理の手順は、図3に示した処理手順と同じである。
図6は、この変形例2における診断前提条件判定(図3のステップS20において実行される処理)の処理手順を示すフローチャートである。図6を参照して、このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS130,S160に代えてそれぞれステップS134,S164を含む。
すなわち、ステップS120において、前回のエンジン停止中に電動ポンプ30が作動したものと判定されると(ステップS120においてYES)、ECU200は、エンジン20が始動してからの経過時間が所定値T1(>所定値T2)を超えたか否かを判定する(ステップS134)。なお、所定値T1は、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の診断前提条件の判定値であり、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合の診断前提条件の判定値T2(デフォルト値)よりも大きい。一例として、所定値T1は5秒であり、所定値T2は2秒である。なお、エンジン20が始動してからの経過時間は、図示されないタイマ等によって計時可能である。所定値T1>所定値T2とすることによって、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動していた場合の故障診断の開始を、エンジン停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも遅らせることができる。
そして、ステップS134において経過時間が所定値T1を超えたと判定されると(ステップS134においてYES)、ステップS140へ処理が移行され、診断前提条件が成立したものとされる。ステップS134において経過時間が所定値T1以下であると判定されると(ステップS134においてNO)、ステップS150へ処理が移行され、診断前提条件は不成立とされる。
一方、ステップS120において、前回のエンジン停止中に電動ポンプ30が作動していないと判定された場合には(ステップS120においてNO)、ECU200は、経過時間が所定値T2を超えたか否かを判定する(ステップS164)。そして、経過時間が所定値T2を超えたと判定されると(ステップS164においてYES)、ステップS170へ処理が移行され、診断前提条件が成立したものとされる。ステップS164において経過時間が所定値T2以下であると判定されると(ステップS164においてNO)、ステップS180へ処理が移行され、診断前提条件は不成立とされる。
この変形例2によっても、エンジン20の停止中に空調装置の暖房要求等に応じて電動ポンプ30が作動した場合には、エンジン20の停止中に電動ポンプ30が作動しなかった場合よりも、エンジン20の始動後に行なわれる故障診断の開始を遅らせることができるので、上記の実施の形態と同様に、サーモスタット弁70の故障診断において誤判定を抑制することができる。
また、この変形例2においては、エンジン20が始動してからの経過時間に基づいて故障診断の開始が調整されるので、センサの検出信号の取込処理や演算処理が不要となる。したがって、この変形例2によれば、ECU200の処理を簡素化することができる。また、センサの異常や測定精度の影響を受けることなく、故障診断の開始を調整することができる。
なお、上記の実施の形態およびその変形例1,2では、サーモスタット弁70が閉状態においてラジエータ循環通路50を流れる漏れ流量を考慮してサーモスタット弁70の故障診断を行なうものとしたが、故障診断の手法は、このような手法に限定されるものではない。たとえば、より簡易にECT検出値とRCT検出値との比較に基づいて故障診断を行なう場合にも、この発明は適用可能である。
なお、この発明は、エンジン20に加えて走行用モータを搭載するハイブリッド車両にも、走行用モータを搭載しない車両にも適用可能である。走行用モータを搭載しない車両においては、アイドリングストップ後やユーザによるIGオン操作後のエンジン始動についてこの発明を適用可能であり、ハイブリッド車両においては、さらに、EV走行からHV走行へ切替わるときのエンジン始動についてもこの発明を適用可能である。
なお、上記において、エンジン20は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応し、ヒータコア36は、この発明における「熱交換器」の一実施例に対応する。また、エンジン側冷却水温センサ80は、この発明における「第1の温度センサ」の一実施例に対応し、ラジエータ側冷却水温センサ90は、この発明における「第2の温度センサ」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 エンジン冷却装置、20 エンジン、22 取付側面部、24 ウォータージャケット、25 冷却水路、26,44 出口部、27,42 入口部、28 クーラ、29,50a,50b,60a,60b 配管、30 電動ポンプ、32 排気熱回収器、34 EGRバルブ、35 スロットルボディ、36 ヒータコア、40 ラジエータ、46 冷却ファン、50 ラジエータ循環通路、60 バイパス通路、70 サーモスタット弁、80 エンジン側冷却水温センサ、90 ラジエータ側冷却水温センサ、100 車両、110 合流部、120 分岐部、200 ECU、300 熱機器。

Claims (5)

  1. 内燃機関の冷却装置であって、
    前記内燃機関の内部に形成された冷却水路と、
    冷却水を冷却するためのラジエータと、
    前記冷却水路から排出された冷却水を、前記ラジエータを経由させて前記冷却水路に戻すためのラジエータ循環通路と、
    前記冷却水路から排出された冷却水を、前記ラジエータを経由させることなく前記冷却水路に戻すためのバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設けられ、前記冷却水が有する熱量を利用する熱交換器と、
    前記ラジエータ循環通路と前記バイパス通路とに接続されるサーモスタット弁とを備え、
    前記サーモスタット弁は、前記サーモスタット弁の内部を流れる冷却水の温度に応じて、前記ラジエータ循環通路からの冷却水を遮断して前記バイパス通路からの冷却水を前記冷却水路に出力する閉状態と、前記ラジエータ循環通路からの冷却水と前記バイパス通路からの冷却水とを前記冷却水路に出力する開状態とのいずれかに切替えられ、さらに
    冷却水を循環させるための電動ポンプと、
    前記冷却水路内の冷却水の温度を検出する第1の温度センサと、
    前記ラジエータ循環通路内の冷却水の温度を検出する第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサの出力と前記第2の温度センサの出力とに基づいて、前記内燃機関の始動後に前記サーモスタット弁の故障診断を行なう制御装置とを備え、
    前記内燃機関の停止中に前記熱交換器の作動要求に応じて前記電動ポンプが作動するとき、前記サーモスタット弁は閉状態となり、
    前記制御装置は、前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動した場合には、前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動しなかった場合よりも、前記内燃機関の始動後に行なわれる前記故障診断の開始を遅らせる、内燃機関の冷却装置。
  2. 前記制御装置は、前記内燃機関が始動してからの、前記第1の温度センサにより検出される冷却水温度の上昇量が所定値を超えると、前記故障診断を開始し、
    前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動した場合の前記所定値を示す第1の値は、前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動しなかった場合の前記所定値を示す第2の値よりも大きい、請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記制御装置は、前記内燃機関が始動してからの前記内燃機関への吸入空気量を積算し、前記吸入空気量の積算値が所定値を超えると、前記故障診断を開始し、
    前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動した場合の前記所定値を示す第1の値は、前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動しなかった場合の前記所定値を示す第2の値よりも大きい、請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記制御装置は、前記内燃機関が始動してからの経過時間が所定値を超えると、前記故障診断を開始し、
    前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動した場合の前記所定値を示す第1の値は、前記内燃機関の停止中に前記電動ポンプが作動しなかった場合の前記所定値を示す第2の値よりも大きい、請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 前記制御装置は、前記サーモスタット弁が閉状態において前記ラジエータ循環通路を流れる漏れ流量と前記第1の温度センサの出力とに基づいて前記ラジエータ循環通路内の冷却水温度の推定値を算出し、算出された前記推定値よりも前記第2の温度センサの出力値が大きい場合に前記サーモスタット弁が故障しているものと診断する、請求項2から4のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
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