JP2023130824A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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卓也 松本
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Abstract

【課題】サーモスタット弁の異常診断の精度を向上させる内燃機関の冷却装置を提供すること。【解決手段】内燃機関の冷却装置10aは、内燃機関の内部に形成される冷却水通路からの冷却水を通水させて外部へ排熱するラジエータ40と、内燃機関とラジエータ40との間で冷却水を循環させるためのラジエータ循環通路50と、所定条件で開弁されてラジエータ循環通路50を冷却水通路へ連通させる強制開弁制御が行なわれるサーモスタット弁70と、サーモスタット弁70の異常を診断する異常診断処理を行なう制御部と、を有し、制御部は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後に冷却水通路の冷却水の温度とラジエータ循環通路50の冷却水の温度との温度差が所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は内燃機関の冷却装置に関し、特にサーモスタット弁の異常診断機能を有する内燃機関の冷却装置に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関には、内燃機関の内部に形成されたウォータジャケットを経由して冷却水を循環させることで内燃機関を冷却又は暖機する水冷式の冷却装置が設けられている。そして、このような冷却装置には、冷却水の経路を切り替えるサーモスタット弁が設けられている。サーモスタット弁は、冷却水の温度に応じて開閉する制御弁であり、ラジエータに流れる冷却水の流量を調節することにより冷却水の温度を適正温度に保持する。このようなサーモスタット弁の異常を診断する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、以下の内燃機関の冷却装置が開示されている。エンジン冷却装置のECUは、エンジン側冷却水温センサで検出されたエンジン側冷却水温とラジエータ入口側冷却水温センサで検出されたラジエータ側冷却水温とに基づいてサーモスタット弁の故障診断を行なう。サーモスタット弁は、冷却水の圧力の上昇で強制開弁圧に到達すると強制開弁制御を行なう。ECUは、エンジン側冷却水温の変化率と比較して、ラジエータ側冷却水温の変化率の方が大きい場合、サーモスタット弁で強制開弁制御が行なわれていると判定してサーモスタット弁の故障診断を行わない。
特開2015-81566号公報
このような内燃機関の冷却装置において、内燃機関の始動直後の暖機時等に、冷却水の温度が比較的低い場合、サーモスタット弁は閉弁している。サーモスタット弁が閉弁した状態ではラジエータ側への冷却水の循環が停止されるため、内燃機関の速やかな暖機が図られる。このように、サーモスタット弁の閉弁時は、ラジエータ側に冷却水が流れないため、ラジエータ側冷却水温に比べてエンジン側冷却水温が十分に高くなる状態が期待できる。
一方、内燃機関の暖機時等に、閉弁状態のサーモスタット弁が強制開弁制御により開弁されると、ラジエータ側に冷却水が通水されることにより、ラジエータ側冷却水温とエンジン側冷却水温との温度差が小さくなる場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、サーモスタット弁による強制開弁制御が終了した直後からサーモスタット弁の故障診断を再開するため、ラジエータ側冷却水温がエンジン側冷却水温に近い値を示していると、サーモスタット弁が正常に作動しているにもかかわらず、サーモスタット弁に異常(開故障)が発生していると誤診断する可能性があるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、サーモスタット弁の異常診断の精度を向上させる内燃機関の冷却装置を提供することを目的とするものである。
一実施の形態にかかる内燃機関の冷却装置は、内燃機関の内部に形成される冷却水通路からの冷却水を通水させて外部へ排熱するラジエータと、内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させるためのラジエータ循環通路と、所定条件で開弁されてラジエータ循環通路を冷却水通路へ連通させる強制開弁制御が行なわれるサーモスタット弁と、サーモスタット弁の異常を診断する異常診断処理を行なう制御部と、を有し、制御部は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後に冷却水通路の冷却水の温度とラジエータ循環通路の冷却水の温度との温度差が所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行する。
本発明により、サーモスタット弁の異常診断の精度を向上させる内燃機関の冷却装置を提供することができる。
実施の形態1にかかる冷却装置の構成を説明するブロック図である。 エンジンの始動後における冷却水温の時系列変化を示すタイムチャートである。 強制開弁制御に伴う冷却水温の時系列変化を説明するタイムチャートである。 図1に示す冷却装置のECUが実行する異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。 実施の形態2にかかる冷却装置の構成を説明するブロック図である。 図5に示す冷却装置のECUが実行する異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。 図6に続く異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。 強制開弁制御に伴う各種パラメータの時系列変化を説明するタイムチャートである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。図中に示したものは、全体の一部であり、図示しないその他の構成が実際には多く含まれる。さらに、以下の説明において同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施形態にかかる内燃機関の冷却装置(冷却装置10a)の構成を説明する。本実施形態では、車両100に搭載される内燃機関に相当するエンジン20を冷却又は暖機するための冷却装置10aを例に挙げて説明する。例えば、冷却装置10aは、ガソリンエンジンを搭載する車両、アルコール燃料やガス燃料を使用するエンジン、及びディーゼルエンジンを搭載した車両に適用することができる。また、冷却装置10aは、エンジン20と共に走行用のモータを搭載したハイブリッド車両にも適用することができる。
図1は、実施の形態1にかかる冷却装置の構成を説明するブロック図である。図1には、冷却装置10aに関連する車両100の要部を示しており、黒矢印は、冷却水の流れる方向を示している。
図1に示すように、冷却装置10aは、制御部(ECU120)と、ラジエータ循環通路50と、バイパス通路60と、ウォータポンプ30と、ラジエータ40と、サーモスタット弁70と、を有している。また、冷却装置10aは、エンジン側冷却水温センサ80とラジエータ側冷却水温センサ90とを有している。
冷却装置10aは、制御部としてECU(Electronic Control Unit)120を有している。ECU120は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムや各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等をRAMに展開して演算処理を実行する。
ラジエータ循環通路50には、ラジエータ40が設けられている。ラジエータ循環通路50は、エンジン20とラジエータ40との間で冷却水を循環させる通路である。
バイパス通路60には、冷却水の熱を利用して車室内を暖房するための熱交換器であるヒータコアが設けられている。バイパス通路60は、ラジエータ40を通過しない冷却水をエンジン20とヒータコアとの間で還流させてエンジン20に戻す通路である。バイパス通路60は、エンジン20のウォータジャケット25の出口部27においてラジエータ循環通路50と分岐し、ヒータコアを経由した後、サーモスタット弁70に接続されることによりラジエータ循環通路50に合流するように構成されている。なお、ヒータコアに代えて、或いは、ヒータコアに加えて、ヒータコア以外の機器がバイパス通路60に設けられていてもよい。
そして、エンジン20の内部には、冷却水を通水する冷却水通路としてウォータジャケット25が形成されている。
ウォータポンプ30は、ウォータジャケット25の入口部26とサーモスタット弁70との間に設けられている。ウォータポンプ30は、駆動によりウォータジャケット25内に向けて還流された冷却水を吐出する。これにより、ウォータポンプ30は、ウォータジャケット25内に冷却水を供給する。ウォータポンプ30から吐出されることより入口部26から供給された冷却水は、ウォータジャケット25内に通水されて循環しながらエンジン20との間で熱交換を行なった後、ウォータジャケット25の出口部27から送出される。
ここでは、エンジン20の回転に応じて回転駆動する機械式ウォータポンプを用いた構成を採用しているが、ECU120からの制御信号に応じて回転駆動する電動ウォータポンプを用いた構成を採用するものでもよい。
ラジエータ40は、ウォータジャケット25からの冷却水を通水させて外部へ排熱する。ラジエータ40は、ラジエータ40内を流れる冷却水と外気との間で熱交換を行なうことによって冷却水の熱を放熱する。ラジエータ40の入口部41から供給された冷却水は、ラジエータ40で冷却された後、ラジエータ40の出口部42から送出される。
エンジン側冷却水温センサ80は、出口部27に設けられる。エンジン側冷却水温センサ80は、ウォータジャケット25の冷却水の温度を検出して、エンジン側冷却水温ECTとして検出値をECU120に出力する。図1に示すエンジン側冷却水温センサ80は、出口部27から送出される冷却水の温度を検出する。
エンジン側冷却水温センサ80の位置は、出口部27近傍でウォータジャケット25に通水される冷却水の温度を検出可能であればよい。例えば、エンジン側冷却水温センサ80は、出口部27に限らず、ウォータジャケット25、バイパス通路60、又はラジエータ循環通路50に設けられていてもよい。
ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50に設けられる。ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50の冷却水の温度を検出して、ラジエータ側冷却水温RCTとして検出値をECU120に出力する。図1に示すラジエータ側冷却水温センサ90は、入口部41手前の冷却水の温度を検出する。
ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ循環通路50に通水される冷却水の温度をエンジン側冷却水温センサ80から離間した位置で検出可能であればよい。例えば、ラジエータ側冷却水温センサ90は、ラジエータ40の上流側に設けられてもよく、ラジエータ40の下流側に設けられていてもよい。
サーモスタット弁70は、ウォータジャケット25の入口部26側においてウォータポンプ30とラジエータ40との間に設けられ、ラジエータ循環通路50を介してラジエータ40に接続されている。図1に示す例では、サーモスタット弁70は、ラジエータ循環通路50を通過した冷却水と、バイパス通路60を通過した冷却水とが合流する部分に配置されている。なお、サーモスタット弁70は、図1に示した位置に限らず、少なくともラジエータ循環通路50の冷却水の流量を調節可能な位置に設けられればよい。例えば、サーモスタット弁70は、出口部27側の位置(例えば、出口部27)に設けられるとともに、ラジエータ循環通路50及びバイパス通路60に接続されていてもよい。また、サーモスタット弁70は、ラジエータ循環通路50及びバイパス通路60とは別に設けられた他の通路(冷却水を通水するための通路であって、例えば、ラジエータ40及びヒータコアを共に迂回するように、ウォータポンプ30を介してウォータジャケット25に接続される通路)にさらに接続されていてもよい。
例えば、エンジン20の冷機状態において、サーモスタット弁70を通過する冷却水の温度が比較的低い場合(例えば、75℃未満)、サーモスタット弁70は閉弁されている。サーモスタット弁70の閉弁時、ラジエータ循環通路50側の冷却水はウォータジャケット25内への通水が遮断される一方、バイパス通路60側から還流される冷却水はウォータジャケット25内に通水される。そして、エンジン20の始動後、エンジン20が発熱することによりウォータジャケット25内で温められた冷却水がバイパス通路60側に循環されて、エンジン20の暖機が行なわれる。
サーモスタット弁70は、通過する冷却水の温度上昇に応じて弁体を移動させることにより、ラジエータ循環通路50とウォータジャケット25との間の冷却水の流通を規制又は許容する。弁体の移動によりサーモスタット弁70が開放されると、ラジエータ循環通路50側から循環される比較的温度の低い冷却水は、サーモスタット弁70を通過して、バイパス通路60から還流される戻り冷却水と混合される。この際、サーモスタット弁70の弁体の開閉状態により、ラジエータ循環通路50側から循環される冷却水とバイパス通路60から還流される戻り冷却水との混合比率が制御される。これにより、ウォータジャケット25内に供給される冷却水の温度が適正温度に保持される。
さらに、サーモスタット弁70は、所定条件で開弁されてラジエータ循環通路50をウォータジャケット25へ連通させる強制開弁制御が行なわれる。例えば、エンジン20の高回転時にはウォータポンプ30の吐出圧が上昇して冷却水の流量が多くなる。そのため、冷却装置10aでは、サーモスタット弁70の弁体にかかる水圧が所定以上の高い水圧になると想定される場合に、サーモスタット弁70が強制開弁制御によって開弁し、ラジエータ循環通路50側に冷却水を通水するようになっている。このように、冷却装置10aでは、強制開弁制御によってサーモスタット弁70を開弁させて圧抜きを行なうため、高水圧に起因するホース(各通路を形成するホース)の外れやヒータコアの破損の防止を図ることができる。
一方、このサーモスタット弁70が故障していると、通過する冷却水の温度が上昇しても弁体が開かない閉故障や、通過する冷却水の温度が低下しても弁体が閉じない開故障等の異常が生じる。サーモスタット弁70にこのような故障が発生している状態では、ウォータジャケット25内に適正温度の冷却水を供給できず、エンジン20の動作効率を低下させてしまう。
このため、サーモスタット弁70が正常に作動しているか否かの異常診断を、車両100の走行前又はエンジン20の駆動後に毎回行ない、開故障などの故障を早期に見つけることが好ましい。
本実施形態において、サーモスタット弁70の異常を診断する異常診断処理は、エンジン側冷却水温ECTとラジエータ側冷却水温RCTとに基づいて、サーモスタット弁70の開故障の有無を判定するように構成されている。そこで、図2は、エンジン20の始動後における冷却水温の時系列変化を示すタイムチャートである。図2には、サーモスタット弁70が正常に作動している正常時と、サーモスタット弁70が開故障を起こしている異常時と、についてエンジン側冷却水温ECT及びラジエータ側冷却水温RCTの温度挙動を示している。
図2の左側に示すように、正常時は、強制開弁制御によってサーモスタット弁70が開弁される時刻t1までの期間、エンジン側冷却水温ECTはエンジン20の暖機に伴って大きく上昇していくのに対し、サーモスタット弁70が閉弁状態であるためラジエータ側冷却水温RCTは低温を維持する。その結果、ラジエータ側冷却水温RCTに比べてエンジン側冷却水温ECTが十分に高くなる。
そして、強制開弁要求がなされる時刻t1において、強制開弁制御によりサーモスタット弁70が開弁されると、ラジエータ循環通路50に冷却水が通水されることにより、ラジエータ側冷却水温RCTが上昇してエンジン側冷却水温ECTに接近する。このように、サーモスタット弁70が正常に作動している場合には、強制開弁制御の実行中に、ラジエータ側冷却水温RCTとエンジン側冷却水温ECTとの温度差ECT-RCTが小さくなる。
一方、図2の右側に示すように、異常時は、サーモスタット弁70が開きっ放しであることから、強制開弁制御によらずラジエータ循環通路50側に冷却水が通水される。このように、サーモスタット弁70が開故障を起こしている場合には、ラジエータ循環通路50側から循環される冷却水とバイパス通路60から還流される戻り冷却水とが混合されて、エンジン20の始動開始時から継続してラジエータ側冷却水温RCTとエンジン側冷却水温ECTとの温度差ECT-RCTが小さくなる。つまり、ECT≒RCTの状態で推移する
したがって、本実施形態では、エンジン20の始動後におけるエンジン側冷却水温ECTとラジエータ側冷却水温RCTとの温度差ECT-RCTに基づいて、サーモスタット弁70の異常を判定する。例えば、ECU120は、温度差ECT-RCTが異常判定閾値以上である場合にサーモスタット弁70が正常に作動していると判定し、温度差ECT-RCTが異常判定閾値未満である場合にサーモスタット弁70に異常(開故障)が発生していると判定する。このように、冷却装置10aでは、エンジン20の始動後に異常診断処理を実行するための条件が成立する毎に、ECU120による異常診断処理が繰り返し実行される。
次に、図3は、強制開弁制御に伴う冷却水温の時系列変化を説明するタイムチャートである。図3には、エンジン回転数Neと、サーモスタット弁70の弁体の弁位相と、エンジン側冷却水温ECTと、ラジエータ側冷却水温RCTと、の関係を示している。図3に示すように、エンジン回転数NeがECU120に予め設定されている基準回転数Ne0以上になると、ECU120は、サーモスタット弁70を開弁させる強制開弁制御を実行する。
図3に示す例では、時刻t1でエンジン回転数Neが基準回転数Ne0に到達すると強制開弁制御が開始され、時刻t2でエンジン回転数Neが基準回転数Ne0未満になると強制開弁制御が終了する様子を示している。強制開弁制御が開始される時刻t1に至るまで、サーモスタット弁70は閉弁されており、強制開弁制御中である時刻t1~t2の期間は、エンジン回転数Neに応じてサーモスタット弁70の弁体の弁位相が変化する。
基準回転数Ne0は、強制開弁制御を実行するか否かを判断するための閾値である。基準回転数Ne0は、ホースの外れ等の不具合が発生し得るエンジン20の回転数を考慮して適宜設定されるものであり、本実施形態では基準回転数Ne0が4500rpmに設定されている。
エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上になることにより強制開弁制御が実行されると、サーモスタット弁70が開弁されるため、ラジエータ循環通路50側から循環される冷却水がウォータジャケット25内へ通水される。そして、サーモスタット弁70の開弁に伴ってラジエータ循環通路50がウォータジャケット25へ連通されることにより、ラジエータ側冷却水温RCTが上昇してエンジン側冷却水温ECTに近づく。このように、強制開弁制御が終了する時刻t2では、温度差ECT-RCTが小さくなり、サーモスタット弁70に異常(開故障)が発生した場合と同様の温度挙動を示す。
したがって、強制開弁制御が終了した直後から異常診断処理を実行した場合、強制開弁制御に起因して温度差ECT-RCTが僅少である状態(ECT≒RCT)を検出することにより、サーモスタット弁70に異常が発生していると誤診断する可能性がある。このような理由から、強制開弁制御実行後は、異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCT(例えば6.6℃)が生じるまで異常診断処理を見合わせることが好ましい。図3に示す例では、強制開弁制御実行後に、時刻t3で異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じているため、時刻t2~t3の期間は異常診断処理を実行(再開)するために必要なディレイ時間となる。
そこで、ECU120は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後にウォータジャケット25の冷却水の温度とラジエータ循環通路50の冷却水の温度との温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行(再開)する異常診断ディレイ制御を行う。
異常診断ディレイ制御により、強制開弁制御終了後においてラジエータ側冷却水温RCTがエンジン側冷却水温ECTから十分に乖離していない状態で異常診断処理が行なわれることを回避できる。その結果、サーモスタット弁70による強制開弁制御が終了した直後から異常診断処理を再開する場合と比べて、サーモスタット弁70の異常を誤診断する可能性を低減できる。
冷却装置10aのECU120には、エンジン側冷却水温センサ80及びラジエータ側冷却水温センサ90の他に、回転数センサ110を含むエンジン20の運転状態や車両100の走行状況を検出する各種センサが接続されている。回転数センサ110は、エンジン20の出力軸であるクランクシャフトの回転数を検出し、検出値をエンジン回転数NeとしてECU120に出力する。ECU120は、各種センサから入力される信号に基づき、エンジン20の各種制御及び異常診断ディレイ制御を実行する。
さらに、ECU120は、カウンタCを備えている。このカウンタCは、強制開弁制御終了後におけるエンジン側冷却水温ECTの単位時間当たりの変化量(℃/sec)を積算する水温カウンタである。以下、強制開弁制御終了後におけるエンジン側冷却水温ECTの単位時間当たりの変化量をECT変化量と称する。
図4を参照して、ECU120が実行する各種制御のうち異常診断ディレイ制御に関する内容を中心に説明する。図4は、図1に示す冷却装置のECUが実行する異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。冷却装置10aは、図4に示す処理フローにより、異常診断処理を実行するか否かの判断を行う。
図4に示す処理フローは、ECU120に予め格納されたプログラムを所定周期毎に繰り返し実行することにより実現される。あるいは、プログラムの一部または、全部のステップを専用のハードウエアを用いて構築することにより処理を実現することも可能である。
エンジン20の始動後に図4に示す処理が開始されると、ECU120は、強制開弁制御が実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、ECU120は、回転数センサ110から取得した現在のエンジン回転数Neが予め設定された基準回転数Ne0以上であるか否かを判定する。
エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である場合、ECU120は強制開弁制御が実行中であると判定する(ステップS1:YES)。強制開弁制御が実行中であれば、ECU120は、カウンタCをクリアすることによりカウント値cntをゼロ(初期値)にする(ステップS2)。そして、処理はステップS4に移行する。
一方、エンジン回転数Neが基準回転数Ne0未満である場合、ECU120は強制開弁制御が実行中ではないと判定する(ステップS1:NO)。強制開弁制御が非実行中であれば、ECU120は、カウンタCによるECT変化量の積算を開始してカウンタCのカウント値cntを算出する(ステップS3)。そして、処理はステップS4に移行する。
ここで、ECT変化量は、ヒータコア流量(ヒータコアに通水される冷却水の流量)、車速、エンジン発熱量(エンジン吸気量)、燃料カット(F/C)時等のエンジン20の運転状態をパラメータとして、実験やシミュレーション等によって適合した値(冷却水温変化量)をマップ化したマップを用いて求めることができる。ここで用いられるマップは、予めECU120のROMに記憶されている。ECU120は、当該マップを参照してエンジン側冷却水温ECTに対応するカウント値cntを算出する。
このように算出されたカウント値(積算値)cntは、温度差ECT-RCTの推定値である。サーモスタット弁70の閉弁時、ラジエータ循環通路50側に冷却水が通水されずラジエータ側冷却水温RCTの上昇が抑えられるため、ラジエータ側冷却水温RCTは凡そ一定の温度で推移する。したがって、カウンタCは、エンジン側冷却水温ECTに基づいて温度差ECT-RCTを推定することができる。このように、冷却装置10aでは、カウンタCを用いて、強制開弁制御終了後に温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定することができる。
続いて、ECU120は、カウント値cntが異常診断実行閾値以上であるか否かを判定する(ステップS4)。異常診断実行閾値は、異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTの閾値である。また、異常診断実行閾値は、エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である期間に応じて強制開弁制御のサイクル毎に繰り返し変更されることが好ましい。
ここで、強制開弁制御の実行中は、ラジエータ循環通路50側への通水期間によってラジエータ側冷却水温RCTがエンジン側冷却水温ECTにどの程度近づくかが異なってくる。なお、ラジエータ循環通路50側への通水期間は、強制開弁制御の1サイクルが開始されてから終了するまでのサーモスタット開弁状態の継続期間であって、エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である期間に相当する。
すなわち、エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である期間に応じて、強制開弁制御実行後から異常診断処理を実行(再開)するまでに必要なディレイ時間が決まる。例えば、ラジエータ循環通路50側への通水期間が短いほど、すなわち強制開弁制御によるサーモスタット開弁状態の継続期間が短いほど、強制開弁制御終了直後の温度差ECT-RCTが大きくなるため、異常診断処理のディレイ時間を短くすることができる。
したがって、強制開弁制御のサイクル毎にエンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である期間に応じた異常診断実行閾値を設定することにより、必要最小限のディレイ時間で速やかに異常診断処理を再開することができる。その結果、サーモスタット弁70の異常の誤診断を抑制しつつ、サーモスタット弁70の異常診断の頻度を確保することができる。
続いて、カウント値cntが異常診断実行閾値以上である場合(ステップS4:YES)、ECU120は、異常診断処理を実行するための条件が成立したと判定して異常診断処理を実行する制御を行なう(ステップS5)。そして、ステップS1に処理を戻す(リターン)。カウント値cntが異常診断実行閾値未満である場合(ステップS4:NO)、ECU120は、異常診断処理を実行するための条件が成立していないと判定して異常診断処理を禁止する制御を行なう(ステップS6)。そして、ステップS1に処理を戻す(リターン)。
異常診断のタイミングについて、図3のタイムチャートを参照して説明すると、強制開弁制御が開始される時刻t1に至るまで、サーモスタット弁70は閉弁されているとともに、異常診断処理が実行されている。そして、強制開弁制御が開始される時刻t1にサーモスタット弁70が開弁されると同時に異常診断処理が禁止される。そして、強制開弁制御実行中である時刻t1~t2の期間は、サーモスタット弁70の開弁状態と異常診断処理の禁止が継続される。さらに、強制開弁制御が終了する時刻t2にサーモスタット弁70は閉弁される。
一方、時刻t2~t3の期間は、異常診断処理の禁止が継続される。すなわち、強制開弁制御が開始される時刻t1から、強制開弁制御実行後にエンジン側冷却水温ECTとラジエータ側冷却水温RCTとの間に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じる時刻t3までの期間は、異常診断処理の禁止が継続される。したがって、強制開弁制御実行後に、異常診断処理を実行(再開)するためのディレイ時間である時刻t2~t3の期間が経過すると、異常診断処理が実行されるようになっている。
以上説明したように、実施の形態1にかかる冷却装置10aは、内燃機関の内部に形成される冷却水通路からの冷却水を通水させて外部へ排熱するラジエータ40と、内燃機関とラジエータ40との間で冷却水を循環させるためのラジエータ循環通路50と、所定条件で開弁されてラジエータ循環通路50を冷却水通路へ連通させる強制開弁制御が行なわれるサーモスタット弁70と、サーモスタット弁70の異常を診断する異常診断処理を行なう制御部と、を有している。そして、制御部は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後に冷却水通路の冷却水の温度とラジエータ循環通路50の冷却水の温度との温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行する。
本実施形態にかかる冷却装置10aは、強制開弁制御の実行中は異常診断処理を一時停止し、強制開弁制御の終了後に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じる時期に異常診断処理を実行(再開)するように、異常診断処理の実行を遅延させている。このような構成によれば、サーモスタット弁70の異常の誤診断を抑制して、サーモスタット弁70の異常診断の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態にかかる冷却装置10aは、強制開弁制御によるサーモスタット開弁状態の継続期間が短いほど、異常診断処理のディレイ時間を短くしている。このような構成によれば、サーモスタット弁70の異常の誤診断を抑制しつつ、サーモスタット弁70の異常診断の頻度を確保することができる。その結果、サーモスタット弁70の異常診断の精度をより一層向上させることができる。
実施の形態2
図5を参照して、本実施形態にかかる内燃機関の冷却装置(冷却装置10b)の構成を説明する。本実施形態では、車両200に搭載される内燃機関に相当するエンジン20を冷却又は暖機するための冷却装置10bを例に挙げて説明する。例えば、冷却装置10bは、走行状況に応じてエンジン20を自動停止、自動再始動するストップ・アンド・スタート制御(S&S制御)を行う車両、エンジン20とモータとを交互に駆動させるハイブリッド車両に好適である。
図5は、実施の形態2にかかる冷却装置の構成を説明するブロック図である。図5は、図1と対応する図である。図5には、冷却装置10bに関連する車両200の要部を示しており、黒矢印は、冷却水の流れる方向を示している。
図5に示すように、冷却装置10bは、制御部としてECU130を有している。ECU130は、各種センサから入力される信号に基づき、エンジン20の各種制御、異常診断ディレイ制御を実行する。EUCにおける異常診断ディレイ制御の処理を除く他の構成は、実施の形態1にかかる冷却装置10aと同様であるため、詳細な説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
S&S制御を行う車両やハイブリッド車両のように、エンジン20の自動停止機能が備えられている車両200のエンジン20が自動停止されている場合、強制開弁制御実行後に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じるまでの時間が長くなる。異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じるまでの時間が長くなると、異常診断の頻度が低下してしまう。
そこで、冷却装置10bのECU130は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後に温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行(再開)し、さらに、異常診断処理を禁止してから所定時間(エンジン停止許可ディレイの時間)が経過するまで、走行状況に応じて自動停止及び自動再始動を行うエンジン20の自動停止(間欠停止)を禁止する異常診断ディレイ制御を行う。
図6及び図7を参照して、ECU130が実行する各種制御のうち異常診断ディレイ制御に関する内容を中心に説明する。図6は、図5に示す冷却装置のECUが実行する異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。図7は、図6に続く異常診断ディレイ制御ルーチンを説明するフローチャートである。冷却装置10bは、図6及び図7に示す処理フローにより、エンジン停止処理及び異常診断処理のそれぞれを実行するか否かの判断を行う。
エンジン20の始動後に図6及び図7に示す処理が開始されると、ECU130は、強制開弁制御が実行中であるか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、ECU130は、回転数センサ110から取得した現在のエンジン回転数Neが予め設定された基準回転数Ne0以上であるか否かを判定する。
エンジン回転数Neが基準回転数Ne0以上である場合、ECU130は強制開弁制御が実行中であると判定する(ステップS11:YES)。強制開弁制御が実行中であれば、異常診断許可フラグをOFFにする(ステップS21)。これにより、異常診断処理が禁止(一時停止)される。異常診断許可フラグは、異常診断処理を実行する場合にON状態となるフラグである。
次いで、ECU130は、開弁履歴フラグをONにする(ステップS22)。開弁履歴フラグは、強制開弁制御が実行された履歴がある場合にON状態となるフラグである。そして、処理はステップS41に移行する。
一方、エンジン回転数Neが基準回転数Ne0未満である場合、ECU130は強制開弁制御が実行中ではないと判定する(ステップS11:NO)。強制開弁制御が非実行中であれば、ECU130は、開弁履歴フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS31)。
開弁履歴フラグがON状態である場合(ステップS31:YES)、ECU130は、駆動中のエンジン20を自動停止するエンジン停止処理を禁止する(ステップS32)。これにより、強制開弁制御の終了後に、エンジン20の駆動が維持される。開弁履歴フラグがOFF状態である場合(ステップS31:NO)、ステップS32~S34をスキップしてステップS35に移行する。
ステップS32においてエンジン停止処理が禁止されると、ECU130は、カウンタC1、C2による計測を開始してカウンタC1、C2のカウント値TM1、TM2を算出する(ステップS33)。カウンタC1、C2は、エンジン停止処理が禁止された時刻からの経過時間を計時するタイマである。次いで、ECU130は、開弁履歴フラグをOFFにする(ステップS34)。そして、処理はステップS35に移行する。
開弁履歴フラグのOFF状態で、ECU130は、カウンタC1のカウント値TM1(計測時間)がエンジン停止許可ディレイ以上であるか否かを判定する(ステップS35)。エンジン停止許可ディレイは、エンジン停止処理の実行が禁止されてから実行(再開)されるまでのディレイ時間である。ここで、エンジン停止許可ディレイは、後述する異常診断許可ディレイと同じディレイ時間に設定される。カウント値TM1がエンジン停止許可ディレイ以上である場合(ステップS35:YES)、ECU130は、エンジン停止処理を許可する(ステップS36)。そして、処理はステップS37に移行する。カウント値TM1がエンジン停止許可ディレイ未満である場合(ステップS35:NO)、エンジン停止処理を禁止したままステップS37に移行する。
続いて、ECU130は、カウンタC2のカウント値TM2(計測時間)が異常診断許可ディレイ以上であるか否かを判定する(ステップS37)。異常診断許可ディレイは、エンジン側冷却水温度ECTとラジエータ側冷却水温度RCTとの温度差ECT-RCTが異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTの閾値(例えば6.6℃)以上となるのに要する時間の推定値である。そのため、カウント値TM2が異常診断許可ディレイ未満である場合は、異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じていないと推定できる。一方、カウント値TM2が異常診断許可ディレイ以上である場合は、異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じていると推定できる。ECU130が、実施の形態1で説明したカウンタCを備えている場合、カウンタCによりECT変化量の積算を開始してからカウント値cntが異常診断実行閾値以上となるまでの時間が異常診断許可ディレイとなる。ECT変化量は、ヒータコア流量(ヒータコアに通水される冷却水の流量)、車速、エンジン発熱量(エンジン吸気量)、燃料カット(F/C)時等のエンジン20の運転状態により異なるため、異常診断許可ディレイはエンジン20の運転状態に応じて可変である。
このように、冷却装置10bでは、カウンタC1、C2を用いて、強制開弁制御終了後に温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定することができる。また、エンジン停止許可ディレイと異常診断許可ディレイが同じディレイ時間に設定されているため、異常診断処理の非実行中にエンジン20が稼働するようになっている。なお、異常診断処理の非実行中とは、異常診断処理の実行が禁止されてから実行(再開)されるまのでの期間である。
カウント値TM2が異常診断許可ディレイ以上である場合(ステップS37:YES)、ECU130は、異常診断許可フラグをONにする(ステップS38)。そして、処理はステップS41に移行する。カウント値TM2が異常診断許可ディレイ未満である場合(ステップS37:NO)、異常診断許可フラグをOFF状態に維持したままステップS41に移行する。
続いて、図7に示すように、ECU130は、異常診断許可フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS41)。異常診断許可フラグがON状態である場合(ステップS41:YES)、ECU130は、異常診断処理を実行するための条件が成立したと判定して異常診断処理を実行する制御を行なう(ステップS42)。そして、ステップS11に処理を戻す(リターン)。異常診断許可フラグがOFF状態である場合(ステップS41:NO)、ECU130は、異常診断処理を実行するための条件が成立していないと判定して異常診断処理を禁止する制御を行なう(ステップS43)。そして、ステップS11に処理を戻す(リターン)。
図8は、強制開弁制御に伴う各種パラメータの時系列変化を説明するタイムチャートである。図8には、エンジン回転数Neと、サーモスタット弁70の開/閉状態と、異常診断処理の許可/禁止状態と、エンジン側冷却水温ECTと、ラジエータ側冷却水温RCTと、の関係を表している。
図8に示す例では、図3と同様に、時刻t1でエンジン回転数Neが基準回転数Ne0に到達すると強制開弁制御が開始され、時刻t2でエンジン回転数Neが基準回転数Ne0未満になると強制開弁制御が終了する様子を示している。この時の冷却水温の温度挙動としては、サーモスタット弁70の開弁に伴って、ラジエータ側冷却水温RCTが上昇してエンジン側冷却水温ECTに近づき、強制開弁制御が終了する時刻t2では、温度差ECT-RCTが小さくなる。
また、この例では、強制開弁制御が開始される時刻t1に至るまで、サーモスタット弁70は閉弁されているとともに、異常診断処理が実行されている。そして、強制開弁制御が開始される時刻t1にサーモスタット弁70が開弁されると同時に異常診断処理が禁止される。そして、強制開弁制御が実行中である時刻t1~t2の期間は、サーモスタット弁70の開弁状態と異常診断処理の禁止が継続される。さらに、強制開弁制御が終了する時刻t2にサーモスタット弁70は閉弁される。
一方、時刻t2~t3の期間は、異常診断処理の禁止が継続される。すなわち、強制開弁制御が開始される時刻t1から、強制開弁制御実行後にエンジン側冷却水温ECTとラジエータ側冷却水温RCTとの間に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じる時刻t3までの期間は、異常診断処理の禁止が継続される。したがって、強制開弁制御実行後に、異常診断処理を実行(再開)するためのディレイ時間である時刻t2~t3の期間が経過すると、異常診断処理が実行されるようになっている。
以上説明したように、実施の形態2にかかる冷却装置10bは、内燃機関の内部に形成される冷却水通路からの冷却水を通水させて外部へ排熱するラジエータ40と、内燃機関とラジエータ40との間で冷却水を循環させるためのラジエータ循環通路50と、所定条件で開弁されてラジエータ循環通路50を冷却水通路へ連通させる強制開弁制御が行なわれるサーモスタット弁70と、サーモスタット弁70の異常を診断する異常診断処理を行なう制御部と、を有している。そして、制御部は、強制開弁制御開始時から異常診断処理を禁止し、強制開弁制御終了後に冷却水通路の冷却水の温度とラジエータ循環通路50の冷却水の温度との温度差ECT-RCTが所定以上になることを推定すると異常診断処理を実行する。さらに、制御部は、異常診断処理を禁止してから所定時間が経過するまで走行状況に応じて自動停止及び自動再始動を行う内燃機関の自動停止を禁止する。
本実施形態にかかる冷却装置10bは、実施の形態1と同様に、強制開弁制御の実行中は異常診断処理を一時停止し、強制開弁制御の終了後に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じる時期に異常診断処理を実行(再開)するように、異常診断処理の実行を遅延させている。このような構成によれば、サーモスタット弁70の異常の誤診断を抑制して、サーモスタット弁70の異常診断の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態にかかる冷却装置10bは、強制開弁制御の終了後に異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じる時期までエンジン20の自動停止を禁止することにより、この期間におけるエンジン20の負荷を増加させている。エンジン20の負荷が増加するとエンジン側冷却水温ECTの上昇速度が向上するため、異常診断処理を実行可能な温度差ECT-RCTが生じるまでのディレイ時間を短縮できる。このような構成によれば、サーモスタット弁70の異常の誤診断を抑制しつつ、サーモスタット弁70の異常診断の頻度を確保することができる。その結果、サーモスタット弁70の異常診断の精度をより一層向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態2では、エンジン20の稼働によりエンジン20の負荷を増加させる場合について説明したが、S&S制御を行う車両やハイブリッド車両に限らず車両200に搭載されるエアコン等の電気負荷の稼働によってエンジン20の負荷を増加させるように構成してもよい。
また、本発明は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
10a、10b 冷却装置
20 エンジン
25 ウォータジャケット
26 入口部
27 出口部
30 ウォータポンプ
40 ラジエータ
41 入口部
42 出口部
50 ラジエータ循環通路
60 バイパス通路
70 サーモスタット弁
80 エンジン側冷却水温センサ
90 ラジエータ側冷却水温センサ
100、200 車両
110 回転数センサ
120、130 ECU
ECT エンジン側冷却水温
RCT ラジエータ側冷却水温

Claims (2)

  1. 内燃機関の内部に形成される冷却水通路からの冷却水を通水させて外部へ排熱するラジエータと、
    前記内燃機関と前記ラジエータとの間で前記冷却水を循環させるためのラジエータ循環通路と、
    所定条件で開弁されて前記ラジエータ循環通路を前記冷却水通路へ連通させる強制開弁制御が行なわれるサーモスタット弁と、
    前記サーモスタット弁の異常を診断する異常診断処理を行なう制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記強制開弁制御開始時から前記異常診断処理を禁止し、
    前記強制開弁制御終了後に前記冷却水通路の冷却水の温度と前記ラジエータ循環通路の冷却水の温度との温度差が所定以上になることを推定すると前記異常診断処理を実行する、
    内燃機関の冷却装置。
  2. 前記制御部は、
    前記異常診断処理を禁止してから所定時間が経過するまで走行状況に応じて自動停止及び自動再始動を行う前記内燃機関の自動停止を禁止する、
    請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
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