JP2015108181A - 車両用摺動部材及び車両の動弁機構 - Google Patents

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昭 吉原
祐輔 木戸
Yusuke Kido
祐輔 木戸
洋介 野村
Yosuke Nomura
洋介 野村
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Abstract

【課題】車両用摺動部材及び車両の動弁機構に関し、皮膜の耐摩耗性及び耐久性を向上させる。
【解決手段】車両用摺動部材11の表面に、硬質炭素皮膜1を形成する。硬質炭素皮膜1には、窒化クロムを積層してなり、基材2上に形成される窒化クロム層4と、窒化クロム層4の上に炭化クロム系物質を積層してなる炭化クロム層6とが設けられる。また、炭化クロム層6に含まれるクロム及び炭素について、炭化クロム層6の全原子数に対する前記クロムの原子組成比は、40[at%]以上50[at%]未満とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、潤滑状態で摺動する車両用摺動部材及びこれを備えた車両の動弁機構に関する。
従来、車両用の摺動部材に適用されるコーティングの一つとして、硬質炭素皮膜が知られている。硬質炭素皮膜とは、炭素,炭化水素等を部材表面にアモルファス状に成膜したものであり、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングとも呼ばれている。この硬質炭素皮膜は、他のセラミックコーティングと比較して高硬度で摩擦係数が低く、摺動の相手材料への攻撃性が低いことから、内燃機関やパワートレーン内の各種摺動部材に適用されている。
近年では、硬質炭素皮膜の内部に金属を混入させることによって摩耗特性を改善した金属含有硬質炭素皮膜が開発されている。例えば、特許文献1には、PVD(Physical Vapor Deposition,物理的蒸着法)又はPCVD(Plasma-activated Chemical Vapor Deposition,プラズマCVD法,プラズマ化学蒸着法)により形成されるクロム系の窒化物及び炭化物被覆が記載されている。このクロム系の窒化物及び炭化物被覆は多層構造を持ち、母材側からCrN層,CrN及びCrCからなる層,CrC層が順に積層されてなる。また、最上層のCr-Cの組成をCrxCyと表現すると、x+y=1かつ0.5≦x≦0.7が成立するように、Cr及びCの組成を設定する点が記載されている。このような構成により、油潤滑時の油膜形成を促進しつつ、無潤滑状態での摩擦係数を減少させることができるとされている。
特許第4231686号公報
しかしながら、上記のようなクロム系炭素皮膜は、摺動部材の潤滑油中に含まれる添加物やその分解生成物等の影響を受けて劣化する場合がある。例えば、有機モリブデン系摩擦調整剤の分解生成物である三酸化モリブデンは、非晶質炭素内の水素を脱離させる作用を持つ。これにより、皮膜の表層がダメージを受け、皮膜の耐摩耗性や耐久性が低下する。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、皮膜の耐摩耗性及び耐久性を向上させることができるようにした車両用摺動部材及び車両の動弁機構を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する車両用摺動部材は、窒化クロムを積層してなり、基材上に形成される窒化クロム層と、前記窒化クロム層の上に炭化クロム系物質を積層してなる炭化クロム層と、を備える硬質炭素皮膜が形成されている車両用摺動部材において、前記炭化クロム層に含まれるクロム及び炭素について、前記炭化クロム層の全原子数に対する前記クロムの原子組成比が、40[at%]以上50[at%]未満であるものである。
前記窒化クロム層は窒化クロムが主成分の層であり、窒化クロムのみからなるものに限定されない。したがって、窒化クロム層に他の物質が混入していてもよい。同様に、前記炭化クロム層は、炭化クロム系物質が主成分の層であって、他の物質が混入していてもよい。なお、ここでいう窒化クロムとはクロムの窒化物であり、その組成はCrNである。一方、ここでいう炭化クロム系物質とはクロムの炭化物全般を意味し、その組成式は変数x、yを用いて一般に、CrxCyと表現される。
(2)また、前記硬質炭素皮膜が、クロムを含有し前記窒化クロム層と前記炭化クロム層との間に挟装される第一クロム層を備えることが好ましい。
(3)あるいは、前記硬質炭素皮膜が、クロムを含有し前記基材と前記窒化クロム層との間に挟装される第二クロム層を備えることが好ましい。
(4)また、ここで開示する車両の動弁機構は、上記の硬質炭素皮膜が形成されたバルブタペットと、前記バルブタペットに供給される潤滑油と、を備えた車両の動弁機構であって、前記潤滑油が、モリブデンを含有する摩擦調整剤又は摩耗防止剤を含むものである。
(5)また、ここで開示する車両用摺動部材は、窒化クロムを積層してなり、基材上に形成される窒化クロム層と、前記窒化クロム層の上に炭化クロム系物質を積層してなる炭化クロム層と、前記炭化クロム層の上に二硫化モリブデンを付着させてなるモリブデン層と、を備える硬質炭素皮膜が形成されたものである。ここでいう二硫化モリブデンとはモリブデンの硫化物であり、その組成はMoS2である。
開示の車両用摺動部材及び車両の動弁機構によれば、炭化クロム層のクロムの原子組成比を炭素の原子組成比未満にすることで、炭化クロム層の表面の特性に関して、クロムに由来する金属的性質(金属結合)よりも炭素に由来する非晶質炭素的性質(共有結合)を優勢にすることができ、潤滑油中における硬度及び耐摩耗特性を向上させることができる。また、炭化クロム層におけるクロムの原子組成比を40[at%]以上とすることで、潤滑環境によらず、安定して良好な摺動特性を得ることができる。
一実施形態としてのバルブタペットが適用されたエンジンの要部構成を示す断面図である。 図1のバルブタペットに形成される硬質炭素皮膜の断面構造を模式的に示す図である。 硬質炭素皮膜の摩擦係数とクロム原子組成比との関係を示すグラフである。(a)はモリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑環境での結果を示し、(b)はモリブデン系の摩擦調整剤を含まない潤滑環境での結果を示す。 硬質炭素皮膜に形成された溝深さとクロム原子組成比との関係を示すグラフである。(a)はモリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑環境での結果を示し、(b)はモリブデン系の摩擦調整剤を含まない潤滑環境での結果を示す。
図面を参照して車両用摺動部材及び車両の動弁機構について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
本実施形態の車両用摺動部材としてのバルブタペット11を備えたエンジン(内燃機関)のシリンダーヘッド10を図1に示す。バルブタペット11は、エンジンの動弁機構内に設けられる摺動部材であり、カムシャフト12の回転運動をポペットバルブ13の往復運動として伝達するものである。このバルブタペット11には、中空円筒状に形成されるスカート部11aと、スカート部11aの上端を閉塞する頂面部11bとが設けられる。頂面部11bの上面側はカムシャフト12に固定されるカム14と摺接し、頂面部11bの下面側はポペットバルブ13の上端に当接する。ポペットバルブ13は、ステムガイド16を介してシリンダーヘッド10に対して上下摺動可能に保持される。
また、スカート部11aの外筒面はシリンダーヘッド10に形成されたタペットガイド17(ガイド孔)に対して上下摺動可能に保持され、スカート部11aの内側にはポペットバルブ13やバルブスプリング15等が収容される。シリンダーヘッド10の上面側におけるタペットガイド17の外周には、動弁機構を潤滑するための潤滑油を貯留するためのオイル溜まり部18が設けられる。
図1に示すように、バルブタペット11は、オイル溜まり部18の壁体の一部をなすように配置される。これにより、バルブタペット11の頂面部11bとカム14との摺動面やスカート部11aとタペットガイド17との摺動面は、オイル溜まり部18内の潤滑油で常時潤滑される。
このバルブタペット11に供給される潤滑油の種類は、モリブデン系の摩擦調整剤又は摩耗防止剤を含有する潤滑油である。代表的な有機モリブデン系の摩擦調整剤としては、Mo-DTC(ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン)が挙げられ、摩耗防止剤としては、Mo-DTP(ジアルキルジチオリン酸モリブデン)が挙げられる。また、摩擦調整機能や摩耗防止機能を持つその他のモリブデン系の添加物としては、モリブデンアミン錯体,モリブデンコハク酸イミド錯体,有機酸のモリブデン塩等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または二種以上を混合して使用することができる。
なお、Mo-DTCやMo-DTPは生成手法によって分子中のアルキル基の構造が異なり、その種類は多様である。Mo-DTCの具体例としては、ジブチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジペンチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジヘキシルジチオカルバミン酸硫化モリブデン、ジヘプチルジチオカルバミン酸硫化モリブデン等が挙げられる。また、Mo-DTPの具体例としては、ジイソプロピルジチオリン酸モリブデン、ジイソブチルジチオリン酸モリブデン、ジプロピルジチオリン酸モリブデン、ジブチルジチオリン酸モリブデン等が挙げられる。これらもそれぞれ単独で、または二種以上を混合して使用することができる。
以下、有機モリブデンや無機モリブデンを含有するモリブデン系の摩擦調整剤,摩耗防止剤,添加剤のことを、単に「モリブデン系の摩擦調整剤」と呼ぶ。
[2.硬質炭素皮膜の構造]
バルブタペット11の頂面部11bの上面側とスカート部11aの外筒面には、硬質炭素皮膜1が形成される。図2に硬質炭素皮膜1の断面構造を模式的に示す。この硬質炭素皮膜1は、組成の異なる複数の皮膜を基材2上に層状に積層してなるクロム含有硬質炭素皮膜であり、基材2側から順に、接着クロム層3,窒化クロム層4,中間クロム層5,炭化クロム層6及びモリブデン付着部7を有する。
バルブタペット11の基材2としては、車両用摺動部材としての機能要求を満足する剛性,強度,耐熱性,耐摩耗性等を考慮して最適の材料が選択される。例えば、鉄材,ステンレス材,アルミ合金材等で基材2が形成される。なお、基材2の表面は、硬質炭素皮膜1を形成する前に前処理が施されて平滑に加工される。
接着クロム層3(第二クロム層)及び中間クロム層5(第一クロム層)は、ともにクロム(Cr)からなる層である。接着クロム層3は、その上層である窒化クロム層4と基材2との接着性を高めるように機能する。また、中間クロム層5は、窒化クロム層4と炭化クロム層6との接着性を向上させる機能を持ち、かつ、硬質炭素皮膜1の施工性,製造性を高めるために設けられる。これらの接着クロム層3及び中間クロム層5は、単にCr層とも呼ばれる。なお、硬質炭素皮膜1の製造手法に応じて、中間クロム層5を省略してもよい。
窒化クロム層4は、窒化クロム(CrN,Cr2N)からなる層であり、窒化クロム層4の硬度は基材2よりもやや高い。窒化クロム層4を含む接着クロム層3から中間クロム層5までの層の厚みは、概ね1.5±0.8[μm]以下に設定される。窒化クロム層4は、CrN層とも呼ばれる。
炭化クロム層6は、炭化クロム系物質(CrC)からなり、SP2結合とSP3結合とが混在する骨格構造を持つアモルファス炭素膜にクロムを混入させたものである。炭化クロム層6の硬度は、窒化クロム層4の硬度よりも高い。この炭化クロム層6には、炭化クロム系物質がグラファイト状に分布している。ここでいう炭化クロム系物質とは、炭素や炭化クロム,炭化水素等の炭化物全般とクロムとを含む総称である。ここでは、変数x、yを用いてその組成式をCrxCyと表現する。
炭化クロム層6の厚みは、およそ1.0[μm]以上に設定される。したがって、接着クロム層3から炭化クロム層6までの合計の皮膜厚さは、概ね2.5±0.8[μm]に設定される。また、炭化クロム層6に含まれるクロム(Cr)及び炭素(C)の原子組成比について、炭化クロム層6の全原子数に対するクロム原子組成比は、炭素の原子組成比未満に設定される。上記の組成式でx+y=1としたときのxの範囲は、「x<0.5」とされる。つまり、炭化クロム層6に含まれる全原子数のうちの少なくとも半数以上が炭素成分となるように、クロムの原子数の上限値が制限される。これにより、炭化クロム層6の金属的性質(クロムの物性に由来する特性)よりも炭素成分に由来する非晶質炭素的性質が優位となる。
さらに、炭化クロム層6の全原子数に対するクロム原子組成比は、所定の下限組成比以上の値に設定される。この所定の下限組成比は、バルブタペット11の潤滑油としてモリブデン系の摩擦調整剤を含有するものを使用したときと、それを含有しないものを使用したときとで摺動特性が大きく変化しないように設定される。すなわち、モリブデン系の摩擦調整剤を含有しない潤滑油を使用したときには、クロム原子組成比が低いほど、炭化クロム層6の金属的性質が劣勢となり、非晶質炭素的性質が優勢となることから表面硬度が上昇する。
一方、モリブデン系の摩擦調整剤を含有する潤滑油の使用環境では、有機モリブデンから二硫化モリブデン(MoS2)が分解生成され、あるいは潤滑油中に二硫化モリブデンが最初から存在している場合もある。この二硫化モリブデンは、炭化クロム層6の表面のうち、クロムに付着しやすい特性を持つ。したがって、モリブデン系の摩擦調整剤を含有する潤滑油を使用したときには、クロム原子組成比が低くなるに連れて炭化クロム層6の表面への二硫化モリブデンの付着量が減少し、却って表面硬度が低下する。
そこで、クロム原子組成比を50[at%]としてモリブデン系の摩擦調整剤を含有しない潤滑油を使用したときに得られる表面硬度を基準として、モリブデン系の摩擦調整剤を含有する潤滑油を使用したときに少なくともその基準の表面硬度が得られるクロム原子組成比の最小値を下限組成比とすることが考えられる。なお、発明者らによる試験結果によれば、潤滑油中の有機モリブデンの有無に依らない安定した摺動性能を獲得するには、炭化クロム層6の全原子数に対するクロム原子組成比を40〜50[at%]の範囲内に設定することが好ましいことが判明した。この試験結果については後述する。
モリブデン付着部7は、炭化クロム層6の表面にクロム原子を露出させた部位である。このモリブデン付着部7は、その表面に露出したクロムに二硫化モリブデン(MoS2)を付着させる機能を持つ。モリブデン付着部7に付着した二硫化モリブデンは、その二硫化モリブデンが付着したクロムの周囲に存在する炭素成分を金属酸化物から保護するように作用する。
例えば、潤滑油中に含まれる有機系モリブデンは、バルブタペット11の摺動熱等によって分解し、三酸化モリブデン(MoO3)を生じさせる。この三酸化モリブデンは、炭化クロム層6の炭素成分に対する酸化能を有し、非晶質構造の分解を促進しうる金属酸化物である。一方、二硫化モリブデンが付着したクロムの周囲では、その二硫化モリブデンによって炭素成分に対する三酸化モリブデンの物理的な接触が阻害される。つまり、炭素成分に対して三酸化モリブデンが接近しにくくなることから、炭素成分は酸化反応を免れ、非晶質構造が分解されにくくなる。その結果、モリブデン付着部7の周囲における炭化クロム層6の構造的な強度低下が防止され、耐摩耗性及び耐久性が向上するものと推定される。
モリブデン付着部7は、炭化クロム層6の表面におけるクロム原子の露出部に相当する部位であることから、炭化クロム層6の表面におけるクロム原子の非露出部、すなわち炭素成分が露出した部位を除いた部分がモリブデン付着部7となる。言い換えると、少なくとも炭化クロム層6の表面に露出する全原子数に対するクロム原子組成比は、所定の下限組成比以上であって、50[at%]以下に設定される。好ましくは、炭化クロム層6の表面に露出する全原子数に対するクロム原子組成比が、40〜50[at%]の範囲内に設定される。
炭化クロム層6の表面における原子の個数(又は原子組成比)は、EDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)装置やXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)装置等を用いて硬質炭素皮膜1の表面を観察することで把握することが可能である。例えば、XPS装置で測定された電子(光電子)の運動エネルギー及び強度からエネルギースペクトルを求め、そのエネルギースペクトルのピーク位置及びピーク面積から炭化クロム層6の表面に存在する元素の種類及び量を特定する。一般に、XPS装置で測定される電子は、測定対象の表面から数[nm]程度の範囲で発生したものに限られるため、炭化クロム層6の表面のみの原子組成比を把握することができる。
モリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑油中においては、図2に示すように、炭化クロム層6の表面のうちのモリブデン付着部7上に、モリブデン層8が形成される。このモリブデン層8は、潤滑油中の二硫化モリブデンが付着してなる層である。モリブデン層8は、三酸化モリブデンによる攻撃から炭化クロム層6を保護するように作用する。
なお、モリブデン層8は、モリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑油中に硬質炭素皮膜1を曝すことで形成されるものであるが、硬質炭素皮膜1を潤滑油に曝露する前に予めモリブデン層8を形成しておくことも可能である。例えば、モリブデン付着部7の上に二硫化モリブデンを塗布して固定し、これをモリブデン層8としてもよい。
[3.硬質炭素皮膜の形成手法例]
上記の硬質炭素皮膜1は、スパッタリング,真空蒸着,イオン化蒸着,アークイオンプレーティング法などを利用したPVD,PCVD、または、これらの方法を組み合わせた手法で成膜される。ここでは、PCVDとスパッタリングを併用して硬質炭素皮膜1の窒化クロム層4から上層を成膜する手法を説明する。
まず、窒素やアンモニアの気体を用いてバルブタペット11の表面に窒素又は窒化物のコーティングを形成しながら、クロムをターゲット材料としたスパッタリングを同一の真空容器内で実施し、窒化クロム層4を生成する。その後、真空容器内の気体をアセチレンに入れ替えて同様の操作を実施し、DLCコーティングを形成しながらクロムをスパッタリングする。これにより、DLCコーティング内にクロムが混入し、炭化クロム層6が成膜される。
また、気体の切り換え時にクロムのスパッタリングを継続することで、クロムのみが窒化クロム層4の上に付着し、中間クロム層5が成膜される。中間クロム層5を省略する場合には、気体の切り換え速度を上昇させ、あるいは切り換え時のスパッタリングを停止させてもよい。このように、PCVDとスパッタリングを併用することで、アークイオンプレーティング法などに比較してドロップレット(数十[μm]以下の溶融粒子)が発生しにくくなり、皮膜の平滑性や耐摩耗性,耐久性が向上する。
[4.硬質炭素皮膜の試験結果]
硬質炭素皮膜1の摺動特性について、ピンオンディスク試験装置で摩擦摩耗特性を評価した。ピンオンディスクの試験は潤滑状態で実施するものとし、潤滑油中にモリブデン系の摩擦調整剤(Mo-DTC)を含むものを使用した場合と含まないものを使用した場合とに分けて実施した。
試験片の形状は、硬質炭素皮膜1を形成した直径12[mm]の円盤状とした。また、硬質炭素皮膜1は、炭化クロム層6のクロム原子組成比が異なるものを複数枚用意した。試験条件は、ピンの先端部の直径を3[mm]の半球形状とし、そのロックウェル硬度を63[HRC]とした。また、ピン荷重は30[N]、ピンの周速は100[mm/s]とし、試験時間は二時間とした。この試験で得られた各試験片の摩擦係数μ(動摩擦係数)の値と、試験後に確認された溝深さの値とを表1に示す。
Figure 2015108181
[5.クロム原子組成比と摺動特性との関係]
図3中の黒四角印は、上記の実施例1〜14のそれぞれについてのクロム原子組成比と摩擦係数μとの関係を示し、実線グラフはクロム原子組成比に対する摩擦係数μの分布(黒四角印の分布)を曲線近似したものである。また、図4は、上記の実施例1〜14のそれぞれについて、ピンオンディスクの試験後の摩擦溝深さを測定した結果を示すものである。図4中の黒丸印は、クロム原子組成比と溝深さとの関係を示し、実線グラフはクロム原子組成比に対する溝深さの分布(黒丸印の分布)を曲線近似したものである。
図3(a),(b)に示すように、モリブデン系の摩擦調整剤(ここではMo-DTC)を含まない潤滑油を使用した場合よりも、モリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑油を使用した場合の方が、硬質炭素皮膜1の表面の動摩擦係数が低下する。特に、モリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑油を使用すると、クロム原子組成比が増加するほど、摩擦係数が減少する傾向が見られる。したがって、硬質炭素皮膜1の表面に作用する摩擦を小さくするためには、炭化クロム層6のクロム原子組成比を大きくすればよい。
しかしながら、図4(a),(b)に示すように、ピンオンディスク試験後に炭化クロム層6の表面に形成された摩擦溝深さに関していえば、モリブデン系摩擦調整剤の有無に関わらず、クロム原子組成比が上昇するに連れて溝深さが大きくなり、すなわち深い溝が形成されやすいことがわかる。これは、クロム含有率が上昇するにつれて、炭化クロム層6の金属的性質が優位となり、摩耗粉によって表面が傷つけられやすくなる(表面硬度が低下する)ことを示している。このことから、炭化クロム層6のクロム原子組成比は50[at%]未満とすることが好ましいといえる。
また、モリブデン系の摩擦調整剤を含まない潤滑油を使用した場合には、クロム原子組成比が低下するほど溝深さが減少する傾向が見られる。これに対して、モリブデン系の摩擦調整剤を含む潤滑油を使用した場合には、図4(a)に示すように、クロム原子組成比がおよそ50[at%]となるあたりで溝深さが極小値を持つような特性となる。例えば、クロム原子組成比が50[at%]以下の範囲では、クロム原子組成比が低下するほど溝深さが増大する。
なお、硬質炭素皮膜1の潤滑環境は必ずしも常に一定ではない。例えば、車両のユーザーによるエンジンオイルの交換により、潤滑油中にモリブデン系の摩擦調整剤が導入されることもあれば、経時変化によりモリブデン系の摩擦調整剤の濃度が徐々に低下することも考えられる。これらを踏まえると、潤滑環境が変化した場合であっても、硬質炭素皮膜1の摺動特性を大きく変化させないようなクロム原子組成比の下限値を設定することが好ましいといえる。
例えば、図4(b)に示すように、モリブデン系の摩擦調整剤が存在しない潤滑環境で、クロム原子組成比が50[at%]以下であるときに発生しうる溝深さの最大値をCとする。その後、図4(a)に示すように、モリブデン系の摩擦調整剤が存在する潤滑環境においても、発生しうる溝深さの最大値がCとなるように、クロム原子組成比の下限値Dを設定する。このような設定により、モリブデン系の摩擦調整剤の有無に依らない安定した摺動特性を保証することができるものと考えられる。
[6.作用,効果]
(1)上記の硬質炭素皮膜1では、炭化クロム層6の表面に露出するクロムの上にモリブデン付着部7を設けることで、炭化クロム層6の表面への二硫化モリブデンの付着性を高めることができる。これにより、炭化クロム層6の金属的性質(クロムの物性に由来する特性)を弱めつつ、二硫化モリブデンによる摩擦低減特性を獲得することができる。また、モリブデン付着部7を炭化クロム層6の表面に設けることで、三酸化モリブデンによる非晶質炭素への脱離作用を抑制することができる。したがって、硬質炭素皮膜1の耐摩耗性及び耐久性を向上させることができる。
(2)また、炭化クロム層6におけるクロムの原子組成比を炭素の原子組成比未満にすることで、炭化クロム層6の表面の特性に関して、クロムに由来する金属的性質(金属結合)よりも炭素に由来する非晶質炭素的性質(共有結合)を優勢にすることができ、硬度及び耐摩耗特性を向上させることができる。したがって、硬質炭素皮膜1の耐摩耗性及び耐久性を向上させることができる。
(3)また、炭化クロム層6に含まれるクロムの原子組成比を、表面摩擦係数や表面硬度に基づいて設定される所定の下限組成比以上にすることで、硬質炭素皮膜1の耐摩耗性及び耐久性が確保される範囲内で二硫化モリブデンが付着しうるモリブデン付着部7の面積を確保することができる。これにより、硬質炭素皮膜1の耐摩耗性及び耐久性をさらに向上させることができる。
(4)また、炭化クロム層6におけるクロムの原子組成比を40〜50[at%]の範囲内にすることで、炭化クロム層6の表面の特性に関して、炭素に由来する非晶質炭素的性質を優勢にしながら、二硫化モリブデンが付着しうるモリブデン付着部7の表面積を適度に確保することができる。これにより、硬質炭素皮膜1の耐摩耗性及び耐久性をさらに向上させることができる。
なお、クロム系炭素皮膜は、摺動部材の潤滑油中に含まれる添加物やその分解生成物等の影響を受けて劣化する場合がある。具体的には、モリブデン系の摩擦調整剤が存在する潤滑環境下では、モリブデン系の摩擦調整剤の分解生成物である三酸化モリブデンが非晶質炭素内の水素を脱離させる作用を持っている。このため、皮膜の表層がダメージを受け、皮膜の耐摩耗性や耐久性が低下してしまう。この傾向は、炭化クロム層の最表層における二硫化モリブデンの付着量が減少するほど、即ち炭化クロム層の全原子数に対するクロムの原子組成比が減少するほど、強く現れる。
このように、モリブデン系の摩擦調整剤が存在する潤滑環境下と存在しない潤滑環境下では、性能が大きく変化してしまう。そして、硬質炭素皮膜の潤滑環境は必ずしも一定ではない。そこで、上記の硬質炭素皮膜1では潤滑環境によらず安定した摺動特性を得られるように、クロムの原子組成比の下限値を設定した。具体的には、潤滑環境を変化させた場合の試験結果より、40%とした。これにより、潤滑環境によらず、安定して良好な摺動特性を得ることができる。
(5)また、上記の硬質炭素皮膜1では、モリブデン層8を設けることにより、炭化クロム層6の金属的性質(クロムの物性に由来する特性)を弱めつつ、二硫化モリブデンによる摩擦低減特性を獲得することができる。また、予めモリブデン層8を形成しておくことで、その後に使用される潤滑油の種類に関わらず、安定した硬度及び耐摩耗特性を獲得することができる。
(6)また、上記の硬質炭素皮膜1では、窒化クロム層4と炭化クロム層6との間に中間クロム層5を設けることで、硬質炭素皮膜1の接着性を向上させることができる。また、中間クロム層5を設けることで、硬質炭素皮膜1の製造工程において、窒化クロム層4を形成する工程と炭化クロム層6を形成する工程との間に中間クロム層5を形成する工程が介装される。これにより、窒化クロム層4の工程から炭化クロム層6の工程までを連続して実施することが可能となり、生産性を向上させることができる。
(7)さらに、上記の硬質炭素皮膜1では、基材2と窒化クロム層4との間に接着クロム層3を設けることで、硬質炭素皮膜1の接着性をさらに向上させることができる。
(8)また、上記の硬質炭素皮膜1では、表面側ほど硬度が高くなるように、基材2,窒化クロム層4,炭化クロム層6のそれぞれの硬度が設定されている。このように、硬度差が過大にならないように各層の積層順序を定めることで、硬質炭素皮膜1の接着性を向上させることができ、剥離しにくい強靱な皮膜とすることができる。
[7.変形例]
上述の実施形態では、炭化クロム層6の全原子数に対するクロム原子組成比を炭素の原子組成比未満に設定するものを例示したが、少なくとも炭化クロム層6の表面(表層)における原子組成比をこのように設定すればよい。クロム原子組成比の下限値の設定に関しても同様であり、少なくとも炭化クロム層6の表面(表層)におけるクロム原子組成比が所定の下限組成比以上の値に設定されていればよい。例えば、炭化クロム層6の下層(中間クロム層5に近い側)のクロム原子組成比は任意の組成比とし、表層のクロム原子組成比を40〜50[at%]とする。このような構成であっても、炭化クロム層6の表面にモリブデン付着部7を形成することができる。
また、上述の実施形態では、図1に示すような硬質炭素皮膜1を車両のバルブタペット11に適用したものを例示したが、硬質炭素皮膜1の適用対象はこれに限定されない。例えば、カム14やカムシャフト12,ポペットバルブ13等の動弁機構内の摺動部材に適用してもよいし、ピストンリングやピストンピン,インジェクターバルブ,クランクジャーナル等の車両用の各種摺動部材に適用してもよい。また、異なる方式の動弁機構への適用も可能であり、例えば、ロッカーアームやスイングアームに適用してもよい。
1 硬質炭素皮膜
2 基材
3 接着クロム層(第二クロム層)
4 窒化クロム層
5 中間クロム層(第一クロム層)
6 炭化クロム層
7 モリブデン付着部
8 モリブデン層
11 バルブタペット

Claims (5)

  1. 窒化クロムを積層してなり、基材上に形成される窒化クロム層と、
    前記窒化クロム層の上に炭化クロム系物質を積層してなる炭化クロム層と、を備える硬質炭素皮膜が形成されている車両用摺動部材において、
    前記炭化クロム層に含まれるクロム及び炭素について、前記炭化クロム層の全原子数に対する前記クロムの原子組成比が、40[AT%]以上50[AT%]未満である
    ことを特徴とする、車両用摺動部材。
  2. 前記硬質炭素皮膜が、
    クロムを含有し前記窒化クロム層と前記炭化クロム層との間に挟装される第一クロム層を備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車両用摺動部材。
  3. 前記硬質炭素皮膜が、
    クロムを含有し前記基材と前記窒化クロム層との間に挟装される第二クロム層を備える
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用摺動部材。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の硬質炭素皮膜が形成されたバルブタペットと、
    前記バルブタペットに供給される潤滑油と、を備えた車両の動弁機構であって、
    前記潤滑油が、モリブデンを含有する摩擦調整剤又は摩耗防止剤を含む
    ことを特徴とする、車両の動弁機構。
  5. 窒化クロムを積層してなり、基材上に形成される窒化クロム層と、
    前記窒化クロム層の上に炭化クロム系物質を積層してなる炭化クロム層と、
    前記炭化クロム層の上に二硫化モリブデンを付着させてなるモリブデン層と、を備える硬質炭素皮膜が形成された
    ことを特徴とする、車両用摺動部材。
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