JP2015105898A - 地盤材料の表面水量管理方法及びシステム - Google Patents

地盤材料の表面水量管理方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】地盤材料の表面水量をリアルタイムで精度よく管理することができる方法及びシステムを提供する。【解決手段】工事現場に継続的に供給される様々な粒径の混在する地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測し,供給される地盤材料Sの一部を所定時間tおきに抜き取って粒度分布Dを検出し,地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出し,その粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定する。好ましくは,地盤材料Sに近赤外光を照射したときの所定波長λiの反射率又は透過率Si,Rから地盤材料Sの含水率w0を計測する。【選択図】 図1

Description

本発明は地盤材料の表面水量管理方法及びシステムに関し,とくに様々な粒径の混在するCSG材,セメント改良土母材,骨材等の地盤材料の表面水量又はその変動を管理する方法及びシステムに関する。
ダム,防潮堤(堤防)等の盛土,その他の土木構造物を構築する工事において,材料・施工の合理化を図る観点から,工事現場付近の地山や河床等の採取場で調達し又は発生した様々な粒径の粒子(粘土,砂,礫等)が混在する地盤材料(以下,単に地盤材料ということがある)Sを用いて構造材料とすることがある。例えばCSG(Cemented Sand and Gravel),セメント改良土等の構造材料は,現場付近の採取場等で調達した地盤材料S(CSG材,セメント改良土母材等と呼ばれる)に水及びセメントを混合してそのまま施工するものであり,大量且つ高速な施工を可能とする利点を有する(非特許文献1参照)。現場付近で調達した地盤材料を骨材としたコンクリートを構造材料とする場合もある。
図7に示すように,現場付近の採取場1等で調達した地盤材料Sを用いた構造材料は,破砕装置1a等で適当に破砕することはあるものの,原則的に人為的な粒度調整を施さずに地盤材料Sをそのまま用いるものであり,地盤材料Sの粒度や含水率の変動(バラツキ)によって品質(とくに強度)の変動が生じる。そのため,ダンプトラック等の運搬機械3で工事現場に順次搬入される地盤材料Sの粒度,含水率を粒度試験装置8,含水率試験装置9によって適宜確認し,地盤材料Sに添加する水W及びセメントCの混合量を調整して構造材料の品質を適切に管理することが求められる。
図9は,構造材料(例えばCSG)の品質管理方法の一例を示す(非特許文献1参照)。先ず,現場付近で調達する地盤材料S(CSG材)について数多くの粒度試験を行い,粒度分布が最も粗い標本(大径粒状材の含有率が最も多い標本)と粒度分布が最も細かい標本(小径粒状材の含有率が最も多い標本)とを選定する。次いで,最粗粒標本及び最細粒標本を使用した構造材料(CSG)について単位水量を変えながら強度試験を行い,強度不足となる下限値と施工に不向きな上限値とを検出する。そのうえで構造材料を製造する際に,最粗粒標本の粒度−強度曲線(図中の点線)と最細粒標本の粒度−強度曲線(図中の実線)と2本の許容単位水量範囲を示す縦線とで囲まれた「ひし形」(斜線部分)の範囲内となるように,地盤材料Sに添加する水W及びセメントCの混合量を調整することによって構造材料の所要品質(強度)を確保する。
図6は,構造材料を製造する方法の流れ図を示す。先ず,1日の構造材料の製造開始前にストックヤード2(図7参照)等において,ステップS201において使用する地盤材料Sの粒度分布D,及び所定粒径i別の密度(表乾密度ρi・絶乾密度Gi),吸水率Qi,含水率wi等を計測し,ステップS202において,所要品質が確保できるような単位水量(例えば図9の下限と上限との中間値)を設定する。そのうえで製造時に,ステップS203において地盤材料Sをホッパー4へ投入し,ステップS204において粒度分布Dに応じた地盤材料Sの表面水量Wを算出し,ステップS205において単位水量と表面水量と差に応じた給水量(=単位水量−表面水量)及びセメント量を地盤材料Sに添加する。地盤材料Sの表面水量は,ステップS201で求めた粒度分布Dから所定粒径i別の重量比Miを求め,その粒径別の重量比MiとステップS201で求めた粒径別の表乾密度ρi,吸水率Qi,含水率wiとから例えば(1)〜(3)式により計算することができる。
粒径別の表面水率ωi
=(含水率wi−吸水率Qi)/(1+吸水率Qi/100) ………………(1)
粒径別の表面水量Wi=表乾密度ρi×表面水率ωi ……………………………(2)
全粒径の表面水量W
=Σ(粒径別の表面水量Wi×粒径別の重量比Mi) …………………………(3)
図6のステップS206〜S207は,所定時間(例えば1回/1〜4時間程度)おきに地盤材料Sを抜き取り,地盤材料Sの粒度分布D及び粒度別の含水率wiを計測する処理を示す。地盤材料Sの粒度分布D及び含水率wiを適宜計測しながらステップS203〜S205を繰り返すことにより,ステップS204において地盤材料Sの表面水量Wの変動を把握し,その変動に応じてステップS205において給水量を調整することができる。(1)〜(3)式に示すように,地盤材料Sの表面水量Wは密度(表乾密度ρi・絶乾密度Gi)及び吸水率Qiによっても変わりうるが,現実的にはそれらの値はほとんど変動しないので,ステップS201において1回/1日程度計測すれば足り,粒度分布D及び含水率wiの所定時間おきの計測によって地盤材料Sの表面水量Wの主な変動を把握することができる。
一般に地盤材料Sの粒度分布Dは,粒径dを横軸(対数軸)とし,その粒径d以下の粒状材の全体に対する通過質量百分率P(d)(粒径dより小径の総質量/粒状材全体の総質量×100。以下,加積通過率ということがある)を縦軸(線形軸)とした片対数グラフ,すなわち図8のような粒径加積曲線P(d)によって表すことができる。図8は,図9の最粗粒標本及び最細粒標本の粒径加積曲線Pr(d),Ps(d)を表したものである。図8のような粒径加積曲線Pを作成する最も基本的な方法は篩い分けであるが(非特許文献2参照),地盤材料Sの篩い分けは非常に手間がかかることから,画像解析技術を用いて地盤材料Sの粒径加積曲線を迅速に求める方法が開発されている(特許文献1〜3参照)。画像解析法を用いれば,例えば1回/10〜60分程度の頻度で地盤材料Sの粒径加積曲線P(d),すなわち粒度分布Dを計測することができる。また,その粒径加積曲線P(d)から地盤材料Sの所定粒径i別の通過質量百分率Pi(d)を求め,更にその通過質量百分率Pi(d)から所定粒径i別の重量比Miを求めることができる。
また,地盤材料Sの粒度別の含水率wiは,例えば110(±5)℃の恒温乾燥炉で乾燥したときに失われる質量から求めることができるが(非特許文献3のJISA1203を参照。以下,恒温乾燥炉法ということがある),試験結果を得るために24時間程度を要する。このため,より迅速な方法として,地盤材料Sを電子レンジで乾燥させる含水率試験方法(非特許文献4の地盤工学会基準JGS0122を参照。以下,電子レンジ法ということがある),及び地盤材料をフライパンで炙って直接加熱する含水率試験方法(非特許文献5参照。以下,フライパン法ということがある)が採用されている。この迅速な方法を用いれば,地盤材料Sの粒度別の含水率wiも例えば1回/30〜60分程度の頻度で計測することができる。
特開2009−036533号公報 特開2010−249553号公報 特開2011−163836号公報 特開昭56−049945号公報 特開2009−121930号公報 特公昭61−061623号公報 特開平06−229917号公報
柳川城二「ダム事業における新技術−台形CSGダム−」建設工業調査会出版,ベース設計資料,No.136土木編,2008年3月20日発行,インターネット(URL:http://www.kenkocho.co.jp/html/136/sa_136.html) 日本工業規格「土の粒度試験方法」JIS−A1204 社団法人地盤工学会「地盤材料試験の方法と解説」,丸善出版,2009年11月,pp.104〜105 社団法人地盤工学会「地盤材料試験の方法と解説」,丸善出版,2009年11月,pp.106〜107 財団法人ダム技術センター「台形CSGダム施工・品質管理技術資料」,平成19年9月,pp.4〜19 JISA1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法 JISA1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
図6のステップS206〜S207において,前述したように画像解析法で地盤材料Sの粒度分布Dを計測し,電子レンジ法又はフライパン法で含水率を計測すれば,地盤材料Sの表面水量Wの変動を1回/30分程度の頻度で確認しながら給水量を調整することができる。しかし,従来の方法では,地盤材料Sの表面水量を連続的に確認することができない問題点がある。地盤材料Sを用いた大量且つ高速な施工では,例えば地盤材料Sの表面水量Wが30分未満の短時間で想定外に変動する場合も報告されており,品質管理の観点から地盤材料Sの表面水量Wのバラツキをできるだけ細かく計測・確認することが求められている。地盤材料Sを用いた構造物の品質の安定性を確保するため,工事現場に継続的に供給される地盤材料Sの表面水量を連続的に確認して要求品質が常に満足されていることを監視できる技術の開発が望まれている。
そこで本発明の目的は,地盤材料の表面水量をリアルタイムで精度よく管理することができる方法及びシステムを提供することにある。
本発明者は,近赤外光等を用いて含水率を連続的に計測できる技術に着目した(特許文献6,7参照)。例えば図10に示すように,0.7μm〜2.5μm程度の波長範囲の近赤外光を含水対象物に照射すると所定波長λi(例えばλ1=1.2μm,λ2=1.45μm,λ3=1.94μm)において吸収がおこり,その所定波長λiの反射光又は透過光が対象中の含水率(水分量)に応じて減衰するので,その反射率又は透過率Siから対象中の含水率を求めることができる。
具体的には,(11)式に示すように所定波長λiの反射率又は透過率Si(以下,単に反射率Siということがある)と対象中の含水率w0との比例パラメタP((11)式の係数a,b,c,d)を予めキャリブレーションにより検出し,計測対象の所定波長λiの吸収量Siを(11)式へ代入することにより含水率w0を算出する。或いは,特許文献7が記載するように,水分の影響を受けにくい特定波長(参照波長)の反射率又は透過率R(以下,単に反射率Rということがある)を併せて求め,(12)式に示すように所定波長λiの反射率Siと参照波長の反射率Rとの差に基づき比例パラメタP((12)式の係数a,b,c,d)をキャリブレーションする。なお,(11)式及び(12)式では3つの波長λiの吸収量Siから含水率w0を算出しているが,算出に用いる波長λiの数は1つ,2つ,又は4つ以上としてもよい。
w0=a・S1+b・S2+c・S3+d ………………………………………(11)
w0=a・ln(R/S1)+b・ln(R/S2)
+c・ln(R/S3)+d ……………………(12)
例えば,近赤外光を用いた含水率計測装置を工事現場の地盤材料Sの搬送路(コンベアベルト等)に設置し,継続的に供給される地盤材料Sに近赤外光を照射し続ければ,その反射率Si,Rから地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測することができる。ただし,地盤材料Sの表面水量は,前述した(1)〜(3)式に基づき粒度別の含水率wiから粒度分布Dに応じて計算する必要があるのに対し,近赤外光の照射等によって連続的に計測できる含水率w0は全ての粒度を対象としたものであり,全粒径範囲にわたる含水率w0から表面水量を計算すると誤差が大きくなってしまう問題点がある。様々な粒径の混在する地盤材料Sの表面水量の変動を精度よく求めるためには,全粒径の含水率w0を粒度別の含水率wiに変換したうえで表面水量Wを計算することが必要である。本発明は,この着想に基づく研究開発の結果,完成に至ったものである。
図1の実施例及び図2の流れ図を参照するに,本発明による地盤材料の表面水量管理方法は,工事現場に継続的に供給される様々な粒径の混在する地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測し(図2のステップS106),供給される地盤材料Sの一部を所定時間tおきに抜き取って粒度分布Dを検出し(ステップS109),地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出し(ステップS111),その粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定してなるものである(ステップS112)。
また,図1のブロック図を参照するに,本発明による地盤材料の表面水量管理システムは,工事現場に継続的に供給される様々な粒径の混在する地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測する含水率計測装置20,供給される地盤材料Sの一部を所定時間tおきに抜き取って粒度分布Dを検出する粒度分布検出装置30,地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出する算出手段21,及びその粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定する推定手段24を備えてなるものである。
好ましくは,含水率計測装置20を,地盤材料Sに近赤外光を照射したときの所定波長λiの反射率又は透過率Si,Rから地盤材料Sの含水率w0を計測する計測装置とする。望ましい実施例では,算出手段21において地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径(例えば粒径5mm)以下の含水率wnを算出し,推定手段24において所定粒径以下の含水率wnに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定することができる。
更に好ましくは,算出手段21において,前記所定時間tにおける含水率w0の平均値から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wi(又は所定粒径以下の含水率wn)を算出する。望ましい実施例では,地盤材料Sの表面水量Wの管理基準値Cを記憶する記憶手段16を設け,地盤材料Sの表面水量推定値Wと管理基準値Cとを比較して地盤材料Sの適否を判定する判定手段25を設けることができる。
本発明による地盤材料の表面水量管理方法及びシステムは,様々な粒径の混在する地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測し,供給される地盤材料Sの一部を所定時間tおきに抜き取って粒度分布Dを検出し,地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出し,その粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定するので,次の効果を奏する。
(イ)地盤材料Sの含水率w0の連続的な計測値を所定粒径別の含水率wiに変換し,その粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wを推定するので,継続的に供給される地盤材料Sの表面水量Wを精度よく推定することができる。
(ロ)地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測できるRI(ラジオアイソトープ)計器等を用いることも可能であるが,近赤外光を用いた含水率計測装置を用いることにより,地盤材料Sの搬送路(ベルトコンベア等)において含水率w0をリアルタイムに且つ精度よく計測することが可能となる。
(ハ)地盤材料Sの含水量は,粒径の大きい部分は含水率が比較的小さく,粒径の小さい部分の含水率が支配的である特徴を有しているので,地盤材料Sの含水率w0から所定粒径(例えば粒径5mm)以下の含水率wnを算出し,その所定粒径以下の含水率wnによって地盤材料Sの表面水量Wを推定することにより,簡易・迅速に表面水量Wを管理することができる。
(ニ)地盤材料Sの含水率w0の連続的な計測値は細かく変動することもあるが,例えば粒度分布Dを検出する所定時間tにおける移動平均値を含水率w0とすることにより,含水率w0の計測精度の低下を抑えることができる。
(ホ)順次供給される地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定しつつ管理基準値Cと比較することにより,要求品質を満足しない地盤材料Sの混入を監視し,既往の技術では把握することが困難であった構造物の品質不良を減少させることができる。
(ヘ)また,地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで把握することで変動傾向を迅速に把握し,供給水の調整等の対策を早期に講じることが可能となり,ひいては土木構造物の品質の安定性を飛躍的に向上させることができる。
以下,添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
本発明の表面水量管理システムの一実施例のブロック図である。 本発明の表面水量管理方法の流れ図の一例である。 地盤材料Sの含水率w0から所定粒径別の含水率wiを算出する方法の説明図である。 地盤材料Sの所定時間tにわたる含水率w0の平均値から所定粒径別の含水率wiを算出する方法の説明図である。 地盤材料Sの含水率w0と近赤外光の反射率Siとの比例パラメタPを検出する方法の説明図である。 地盤材料Sを用いた構造材料を製造する従来方法の流れ図である。 地盤材料Sを用いた構造材料を製造する従来方法の説明図である。 地盤材料Sの最粗粒標本及び最細粒標本の粒径加積曲線Pr,Psを示すグラフの一例である。 従来の地盤材料Sを用いた工法(CSG工法)における表面水量管理方法の説明図である。 近赤外光を用いた含水率計測の原理を示す説明図である。
図1は,工事現場付近で調達し又は発生した地盤材料Sを原材料として構造材料(CSG,セメント改良土,コンクリート等)を製造する工事現場に本発明の表面水量管理システムを適用した実施例を示す。図示例のシステムは,地盤材料Sの全粒径範囲の含水率w0を連続的に計測する含水率計測装置20aと,地盤材料Sの一部を所定時間tおきに抜き取って粒度分布Dを検出する粒度分布検出装置30と,計測装置20の計測値及び検出装置30の検出値を入力して地盤材料Sの表面水量Wを推定するコンピュータ10とを有する。
図6及び図7を参照して前述したように,現場付近で調達された地盤材料Sは運搬機械3により工事現場に順次搬入されて現場のホッパー4に投入されるが,例えば,そのホッパー4から混合装置5(ミキサー,図7参照)までの地盤材料Sの搬送路(例えばベルトコンベア)41〜43上に含水率計測装置20aを設置し,その搬送路41,43の間に搬送路42と並行に設けた抜き取り路(例えばベルトコンベア)45上に粒度分布検出装置30を設置し,それらの計測値及び検出値をコンピュータ10に入力して地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムに推定する。
図示例の含水率計測装置20aは,図10を参照して前述したように,近赤外光を照射したときの所定波長λiの反射率Si,Rから含水率を連続的に計測する装置とすることができる。例えば所定波長範囲の近赤外光を出力する光源ランプと,その出力光を地盤材料Sに照射する光学系と,地盤材料Sからの反射光中の所定波長(及び参照波長)λiの光量を電気信号(反射率)Si,Rに変換する受光素子と,地盤材料Sの反射光を受光素子まで導く光学系とを備え,変換された電気信号Si,Rをコンピュータ10の算出手段21に入力して含水率を求める。
近赤外光を用いた含水率計測装置20aに代えて,例えばホッパー4にRI(ラジオアイソトープ)計器を設置し,地盤材料Sに放射線(中性子線)を照射したときの反射放射線から含水率を連続的に計測することも可能である(特許文献4,5参照)。ただし,RI計器は材料投入ホッパーなどの隅角部において含水率を計測するため,その隅角部の内側に地盤材料Sが閉塞又は付着しやすく,その閉塞又は付着した地盤材料Sの含水率が常に計測されて誤差が大きくなりうる。近赤外光を用いた含水率計測装置20aは,地盤材料Sの含水率w0をリアルタイムに且つ精度よく計測できる利点を有している。
図示例の粒度分布検出装置30は,抜き取った地盤材料Sを薄く撒き出して画像を撮影し,その撒き出し画像から画像解析技術により地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)を作成するものとすることができる。例えば地盤材料Sの撒き出し画像Gを撮像装置で撮影し,その撒き出し画像をコンピュータ10の検出手段31に入力して粒径加積曲線P(d)を作成する。
好ましくは,特許文献3が開示するように,コンピュータ10の検出手段31において,撒き出し画像から地盤材料S中の各粒状材の輪郭を検出し,そのうち複数の所定粒径diについて地盤材料Sの全体面積Eに対するその粒径di以上の粒状材の面積割合(=Σe/E)を粒度インデクスIiとして算出し,その各粒径diの粒度インデクスIiを加積通過率P(di)に変換して粒径加積曲線P(d)を作成する。このように粒度インデクスIiを加積通過率P(di)に変換するため,コンピュータ10の記憶手段16に,地盤材料Sの複数の所定粒径diの粒度インデクスIiとその粒径di以下の粒状材の加積通過率P(di)との関係式Kを記憶しておく。この粒度インデクスIiについての詳細は特許文献3に記載されている。
図示例のコンピュータ10は,キーボード等の入力装置11と,ディスプレイ等の出力装置12と,一次又は二次記憶装置等の記憶手段16とを有する。記憶装置16には,後述する地盤材料Sの表面水量Wを算出するための粒径i別の密度(表乾密度ρi・絶乾密度Gi),吸水率Qi等を記憶し,必要に応じて前述した地盤材料Sの粒度インデクスIiを加積通過率P(di)に変換するための関係式K等を記憶する。
また図示例のコンピュータ10は,内蔵プログラムとして,入力装置11から必要なデータを入力する入力手段14と,地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出する算出手段21と,その粒径別の含水率wiに基づき地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで推定する推定手段24と,推定された表面水量W等を出力装置12に表示する出力手段15とを有する。前述したように画像解析技術により地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)を作成する粒度分布検出装置30を用いる場合は,コンピュータ10に地盤材料Sの撒き出し画像から粒径加積曲線P(d)を作成する検出手段31を含め,必要に応じて撒き出し画像から粒度インデクスIiを算出する算出手段32を含めることができる。
図2は,図1のシステムを用いて地盤材料Sの表面水量Wを管理する方法の流れ図を示す。以下,図2の流れ図を参照して図1のシステムを説明する。図2のステップS101〜S104は,ストックヤード2(図7参照)等において構造材料の製造開始前(前日等)に行う地盤材料Sの試験を示している。先ずステップS101において,1回/1日程度の頻度で地盤材料Sの粒度分布D(粒径別の重量比Mi),粒径別の密度(表乾密度ρi・絶乾密度Gi),吸水率Qi,含水率wi等を計測し,ステップS102において,所要品質の構造材料を得るために確保すべき単位水量を設定する(図6のステップS201〜S202と同様)。
ステップS101における粒度分布Dの計測は,時間をかけることが可能であるから,最も基本的な篩い分け法で計測することが望ましい(非特許文献2参照)。また,ステップS101における含水率wiの計測も,時間をかけることが可能であるから,恒温乾燥炉法(非特許文献3参照)で計測することが望ましいが,電子レンジ法(非特許文献4参照)又はフライパン法(非特許文献5参照)で計測することも可能である。
図3は,ステップS101で計測する地盤材料Sの計測値テーブルの一例を示す。図示例のテーブルは,地盤材料Sのサンプルを適当な篩い分け装置によって所定粒径範囲別(粒径80mm以上,40〜80mm,20〜40mm,10〜20mm,5〜10mm,5mm以下)の6つの粒径別材料φ1〜φ6に分割し,各粒径範囲別に粒度分布Dに基づく重量比Mi,表乾密度ρi,絶乾密度Gi,吸水率Qi,含水率wiを計測したものである。計測結果は,コンピュータ10の記憶手段16に記憶しておく。これらの計測値から,ステップS102で確保すべき単位水量を設定することができる。また,前述した(1)〜(3)式により地盤材料Sの各粒径範囲別の表面水率ω及び表面水量Wを計算することがもできる。
図3のテーブルのうち,粒度分布Dに基づく粒径別の重量比Miは後述するステップS109において所定時間t(例えば5〜10分)おきに更新される。また,各粒径別の含水率wiは後述するステップS111において連続的に更新される。なお,各粒径別の粒径範囲は図示例に限定されるわけではなく,表面水量の推定精度向上等の観点から任意に設定可能である。
図2のステップS103は,近赤外光を照射する含水率計測装置20aを用いる場合に,地盤材料Sの所定波長λiの反射率Si,Rからその地盤材料Sの全粒径の含水率w0を算出するためのパラメタPを検出する処理を示す。好ましい実施例では,図3の各粒径別材料φ1〜φ6の各々に近赤外光を照射し,所定波長λiの反射率Si,Rと粒径別材料φiの含水率Wiとの比例パラメタPi((11)式又は(12)式を満たす係数ai,bi,ci,di)を検出する。そのうえで,図5及び(21)式に示すように,その各粒径別材料φiの比例パラメタPiを,粒径別材料φi毎の粒径範囲に応じて重み付け(Ii)して合成パラメタP(図5及び(21)式の合成パラメタΣ(Ii・ai),Σ(Ii・bi),Σ(Ii・ci),Σ(Ii・di)=係数A,B,C,D)を作成する。
w0=Σ(Ii・wi)
=Σ(Ii・(ai・Sx+bi・Sy+ci・Sz+di)
=Σ(Ii・ai)・Sx+Σ(Ii・bi)・Sy
+Σ(Ii・ci)・Sz+Σ(Ii・di) ……………………………(21)
例えばステップS103において,各粒径別材料φiの粒度分布Dに応じた重量比を重み付けIiとして粒径別材料φi毎の比例パラメタPiから合成パラメタPを作成することにより,恒温乾燥炉法(或いは電子レンジ法又はフライパン法)を用いた含水率試験と高い相関性のある含水率w0を求めることができる。また,重量比に代えて,粒度分布Dに応じた体積比,表面積比,平均粒径,その何れかと当該構成材料の吸水率との積,又はそれらの逆数を重み付けIiとして合成パラメタPを作成することも可能である。このような合成パラメタPの詳細は,本出願人の先願である特願2013−158093に記載されている。
図2のステップS104は,画像解析技術により地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)を作成する粒度分布検出装置30を用いる場合に,地盤材料Sの粒度インデクスIiとその粒径di以下の粒状材の加積通過率P(di)との関係式Kを検出する処理を示す。具体的には,先ず地盤材料Sのサンプル中の複数の粒径di(例えば図3の各粒径別材料φiの境界である5mm,10mm,20mm,40mm,80mm)について,各々の粒径di以下の粒状材の加積通過率P(di)を篩い分け法により求める。次いで,地盤材料Sのサンプルの撒き出し画像から各粒状材の輪郭を検出し,その複数の粒径di(例えば5mm,10mm,20mm,40mm,80mm)について,それぞれ各粒径di以上の粒状材の面積の総和Σeを求め,撒き出し画像全体の面積Eに対する粒径di以上の粒状材の面積割合(=Σe/E)を各粒径diの粒度インデクスIiとして算出する。そのうえで,各粒径diの加積通過率P(di)と粒度インデクスIiとを二次平面上にプロットし,加積通過率P(di)を目的変数(従属変数)とし粒度インデクスIiを説明変数(独立変数)とする適切な回帰モデル(例えば粒度インデックスの多項式(多次元回帰モデル),対数関数,べき関数,指数関数等)を設定して関係式Kを検出する。検出した関係式Kはコンピュータ10の記憶手段16に記憶しておく。このような関係式Kの作成方法の詳細は特許文献3に記載されている。
なお,ステップS103〜S104のパラメタP及び関係式Kの検出は,必ずしも毎日行う必要はなく,例えば適当な期間毎に地盤材料Sのサンプルを用いて検出し,検出したパラメタP及び関係式Kを現場のコンピュータ10に入力して記憶手段16に記憶しておけば足りる。この場合は,ステップS103〜S104は省略可能であり,ステップS101に先立ってパラメタP及び関係式Kをコンピュータ10に入力するステップを設ければ足りる。
図2のステップS105〜S112は,採取場1から現場に継続的に供給される地盤材料Sの表面水量Wをリアルタイムで連続的に求める処理を示す。先ずステップS105において現場に搬入された地盤材料Sをホッパー4へ投入し,ステップS106において搬送路(例えばベルトコンベア)41〜43上に設置した含水率計測装置20aにより地盤材料Sの含水率w0を連続的に計測する。例えば,搬送路41〜43上を移動する地盤材料Sに近赤外光を照射したときの所定波長λiの反射率Si,Rを求めてコンピュータ10の算出手段21に入力し,算出手段21の計測手段22により,その反射率Si,RとステップS103で求めた比例パラメタ(図5及び(21)式の合成パラメタ)Pとから含水率w0を算出することができる。
次いでステップS107において,所定時間tおきに地盤材料Sの粒度分布Dを検出するか否かを判断し,前回の検出から所定時間tが経過している場合はステップS108〜109へ進み,搬送路41〜43から抜き取り路45へ地盤材料Sの一部を抜き取って粒度分布検出装置30により粒度分布Dを検出する。図示例の抜き取り路45は,地盤材料Sを積載する容器46が移動可能に設けられており,その容器46を積載位置47a,起振位置47b,重量計測位置47c,撮影位置47d,返送位置47eに順番に移動させる。
ステップS108では,先ず抜き取り路45の積載位置47aにおいて,搬送路41〜43から抜き取った地盤材料Sを容器46に積載し,起振位置47bにおいて,容器46に適当な振動を加えることにより地盤材料Sを敷き均して薄く撒き出す。撒き出しの厚さは,撒き出し画像から地盤材料S中の所定粒径(例えば5mm)以上の粒径が検出できるように,その所定粒径以上の粒状材が埋もれない厚さとすることが望ましい。更に重量計測位置47cにおいて,撒き出した地盤材料Sの重量を計測し,撮影位置47dにおいて,粒度分布検出装置30により地盤材料Sの撒き出し画像を撮影する。撮影後の地盤材料Sは,返送位置47eから搬送路41〜43に返送して構造材料の原料に戻す。
次いでステップS109において,地盤材料Sの撒き出し画像Gをコンピュータ10の検出手段31に入力し,地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)を作成して粒度分布Dを検出する。例えば,検出手段31の粒度インデクス算出手段32により,撒き出し画像から複数の粒径diの粒度インデクスIiを算出し,その粒度インデクスIiを関係式Kにより加積通過率P(di)に変換し,変換した加積通過率P(di)を粒径di別にプロットして連結することにより粒径加積曲線P(d)を作成する。この粒径加積曲線P(d)から,図3に示す各粒径範囲別の重量比Miを求めて更新することができる。ステップS108〜S109のように地盤材料Sの抜き取り及び撒き出し画像の撮影を自動化することにより,例えば1回/5〜10分程度の頻度で地盤材料Sの粒度分布D,すなわち粒径別の重量比Miを計測・更新することが可能となる。
ステップS110は,ステップS109において作成した地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)をコンピュータ10の判定手段25へ入力し,粒径加積曲線P(d)が正常であるか否かを判定する処理を示す。例えば,図8を参照して前述した最粗粒標本及び最細粒標本の粒径加積曲線Pr(d),Ps(d)と地盤材料Sの粒径加積曲線P(d)とを比較することにより,地盤材料Sが想定された基準(「ひし形」)の範囲内にあるか否かを判定し,範囲内にない場合はステップS101へ戻り,単位水量の設定からやり直すことができる。なお,粒径加積曲線P(d)の判定処理の詳細も特許文献3に記載されている。粒径加積曲線P(d)が正常であるときは,ステップS110からステップS111へ進む。ステップS107において地盤材料Sの粒度分布Dを検出しない場合も,ステップS111へ進む。
図2のステップS111は,コンピュータ10の算出手段21により,地盤材料Sの含水率w0から粒度分布Dに応じて所定粒径別の含水率wiを算出する処理を示す。前述したように,ステップS106において含水率計測装置20aにより連続的に計測される地盤材料Sの含水率w0は全粒径を対象としたものであるのに対し,地盤材料Sの表面水量を計算するためには粒径別の含水率wiが必要である。本発明者は,例えばステップS109で検出された粒径別の重量比Miを用いることにより,全粒径の含水率w0と粒径別の含水率wiとの間に(31)式に示す関係が成立することに着目した。すなわち,全粒径の含水率w0は,粒径別材料φiの含水率wiを,粒径別材料φi毎の重量比Miにより重み付けして合算したものと考えることができる。
w0=Σ(Mi・wi)
=M1・w1+M2・w2+M3・w3+M4・w4
+M5・w5+M6・w6 ……………………(31)
(31)式において,全粒径の含水率w0の変動は,一般的に粒径の最も小さい粒径別材料φ6(粒径5mm以下)の含水率w6の影響が支配的であり,それより粒径の大きい粒径別材料φ1〜φ5の含水率w1〜w5の影響は相対的に小さい。すなわち,全粒径の含水率w0の変動は,主に粒径別材料φ6(粒径5mm以下)の含水率w6に変化に起因する場合が多い。この場合はステップS111において,(31)式の含水率w1〜w5を変動しない(一定値)と仮定したうえで,ステップS106で連続的に計測される全粒径の含水率w0と,図3の計測値テーブルの含水率w1〜w5と,ステップS109で検出した各粒径の重量比Miを代入することにより,含水率w6を算出することができる。表面水量の変動の主な要因である粒径別材料φ6の含水率w6に基づいて,ステップS112においてコンピュータ10の推定手段24により(1)〜(3)式から地盤材料Sの表面水量を算出すれば,不所望に変動する地盤材料Sの表面水量をリアルタイムで精度よく推定することができる。
また,(31)式において,粒径別材料φ6の含水率w6だけでなく,粒径別材料φ5(粒径5〜10mm)の含水率w5の影響も無視できない場合がある。この場合はステップS111において,(31)式の含水率w1〜w4が変化しない(一定値)と仮定したうえで,全粒径の含水率w0と,図3の計測値テーブルの含水率w1〜w4と,各粒径の重量比Miとを代入することにより,含水率w6及び含水率w5の合計(M5・w5+M6・w6)を算出することができる。ステップS112において,表面水量の変動に影響を与える含水率w5,w6に基づいて地盤材料Sの表面水量を算出することにより,地盤材料Sの表面水量の推定精度を高めることが期待できる。
なお(31)式は,各粒径の重量比Miを重み付けとして,地盤材料Sの粒径別の含水率wiから全粒径の含水率w0を求めているが,重量比Miに代えて前述した(21)式の合成パラメタの重み付けを用いることも可能である。すなわち,重量比に代えて,粒度分布Dに応じた体積比,表面積比,平均粒径,その何れかと当該構成材料の吸水率との積,又はそれらの逆数を重み付けIiとして,粒径別の含水率wiから全粒径の含水率w0を求めることもできる。地盤材料Sにおいて適当な重み付けIiを選択することにより,ステップS112における表面水量の推定精度を高めることが期待できる。
図2のステップS111では,ステップS106で連続的に計測される地盤材料Sの含水率w0を直接的に(31)式へ代入するのではなく,算出手段21の平準化手段23に入力して所定時間tにおける含水率w0の平均値(=Σw0/t)を求め,所定時間tの含水率w0の平均値(=Σw0/t)を(31)式に代入して粒径別の含水率wiを算出している。様々な粒径が混在する地盤材料Sは計測部位によって含水率w0の計測値のバラツキが避けられず,例えば従来の含水率試験では一定量以上の地盤材料Sを対象とすることで計測値のバラツキの影響を避けている。近赤外光を照射する含水率計測装置20aを用いた場合も,図4に示すように,近赤外光の照射部位によって含水率w0の計測値に大きなバラツキが生じうる。連続的に計測される地盤材料Sの含水率w0の計測値を平準化手段23において所定時間tの移動平均又は区間平均とし,その平均値(=Σw0/t)を用いて粒径別の含水率wiを算出して表面水量を推定することにより,計測値のバラツキの影響を避けることができる。
平準化手段23において移動平均又は区間平均を求める所定時間tは,例えばステップS107〜109において地盤材料Sの一部を抜き取って粒度分布Dを検出する期間(例えば5〜10分)と一致させることができる。図4に示すように,地盤材料Sの含水率w0を平準化する時間と,地盤材料Sの粒度分布Dを検出する時間とを一致させることにより,図3の計測値テーブルにおいて各粒径の粒度分布Dと粒径別の含水率wiとの更新のタイミングを一致させ,それらに基づき推定する地盤材料Sの表面水量の精度を高めることが期待できる。ただし,含水率w0を平準化時間は粒度分布Dの検出時間と一致させることに限定されず,例えば平準化手段23によって地盤材料Sの10mないし100m当たりの平均値として含水率w0を算出し,その1m当たりの含水率Wと10mないし100m当たりの含水率Wとの両者を同時に出力装置12へ出力・表示することにより,地盤材料Sの含水率w0の長期的変動傾向と短期的変動傾向との両者を同時に確認し,その両面から地盤材料Sの品質を管理,監視することも可能である。
ステップS113は,ステップS112でリアルタイムに推定された地盤材料Sの表面水量Wをコンピュータ10の判定手段25へ入力し,表面水量Wを管理基準値Cと比較して正常か否か(地盤材料Sの品質)を判定する処理を示す。このような管理基準値Cとして,例えば図9を参照して前述したように,表面水量Wの異なる地盤材料Sを用いて構築した土木構造物が所要品質(強度)を満足する表面水量Wの下限値及び上限値をステップS101において記憶手段16に登録しておくことができる。強度だけでなく,構造材料の密度,施工性(トラフィカビリティなど)等に基づき管理基準値Cを設定することも可能である。
ステップS113において地盤材料Sの表面水量Wが管理基準値Cの範囲内であると判定された場合はステップS115へ進み,ステップS102において設定された単位水量と表面水量Wと差に応じた給水量(=単位水量−表面水量)及びセメント量を混合装置5(ミキサー)に投入して地盤材料Sに添加する。ステップS113において地盤材料Sの表面水量Wが管理基準値Cから外れたときは,例えばステップS114において構造材料を得るために添加すべき単位水量を再設定したうえでステップS115へ進む。
ステップS115において,必要に応じて推定された表面水量Wをコンピュータ10の記憶手段16に累積記憶したのち,ステップS116において,地盤材料Sの表面水量の管理を継続するか否かを判断する。継続する場合はステップS105へ戻り,継続的に供給される地盤材料Sについて前述したステップS105〜S115を繰り返す。ステップS115においてリアルタイムで連続的に推定される地盤材料Sの表面水量Wを記憶手段16に累積記憶しておくことにより,次回以降のステップS113の判定処理において,判定手段24により供給材料Nの表面水量Wの経時的変化(移動平均又は区間平均)を判定し,地盤材料Sの品質の変化を迅速に把握することが可能となる。
こうして本発明の目的である「地盤材料の表面水量をリアルタイムで精度よく管理することができる方法及びシステム」の提供を達成できる。
1…採取場(地山) 1a…破砕装置
2…ストックヤード 3…運搬装置
4…母材ホッパー 5…混合装置
6…セメント供給装置 7…水供給装置
8…粒度試験装置 9…含水率試験装置
10…コンピュータ 11…入力装置
12…出力装置 14…入力手段
15…出力手段 16…記憶手段
20…含水率計測装置 21…(粒径別含水率)算出手段
22…(含水率)計測手段 23…平滑化手段
24…(表面水量)推定手段 25…判定手段
30…粒度分布計測装置 31…(粒度分布)検出手段
32…(粒度インデクス)算出手段
41,42,43,44…搬送ベルトコンベア
45…起振装置付きベルトコンベア 46…撒き出し容器
47a…積載位置 47b…起振位置
47c…重量計測位置 47d…撮影位置
47e…返送位置
C…セメント W…水
M…重量比 ρ…表関密度
G…絶乾密度 Q…吸水率
w…含水率 ω…表面水率
W…表面水量 C…管理基準値
K…関係式 E…面積
I…粒度インデクス t…所定時間
D…粒度分布 P(d)…粒径加積曲線
S…地盤材料 Si,R…反射率
P…パラメタ

Claims (10)

  1. 工事現場に継続的に供給される様々な粒径の混在する地盤材料の含水率を連続的に計測し,前記供給される地盤材料の一部を所定時間おきに抜き取って粒度分布を検出し,前記地盤材料の含水率から粒度分布に応じて所定粒径別の含水率を算出し,前記粒径別の含水率に基づき前記地盤材料の表面水量をリアルタイムで推定してなる地盤材料の表面水量管理方法。
  2. 請求項1の管理方法において,前記地盤材料の含水率を,前記地盤材料に近赤外光を照射したときの所定波長の反射率又は透過率により計測してなる地盤材料の表面水量管理方法。
  3. 請求項1又は2の管理方法において,前記地盤材料の含水率から粒度分布に応じて所定粒径以下の含水率を算出し,前記所定粒径以下の含水率に基づき前記地盤材料の表面水量をリアルタイムで推定してなる地盤材料の表面水量管理方法。
  4. 請求項1から3の何れかの管理方法において,前記地盤材料の含水率を,前記所定時間における含水率の平均値として計測してなる地盤材料の表面水量管理方法。
  5. 請求項1から4の何れかの管理方法において,前記地盤材料の表面水量の管理基準値を定め,前記地盤材料の表面水量推定値と管理基準値とを比較して地盤材料の適否を判定してなる地盤材料の表面水量管理方法。
  6. 工事現場に継続的に供給される様々な粒径の混在する地盤材料の含水率を連続的に計測する含水率計測装置,前記供給される地盤材料の一部を所定時間おきに抜き取って粒度分布を検出する粒度分布検出装置,前記地盤材料の含水率から粒度分布に応じて所定粒径別の含水率を算出する算出手段,及び前記粒径別の含水率に基づき前記地盤材料の表面水量をリアルタイムで推定する推定手段を備えてなる地盤材料の表面水量管理システム。
  7. 請求項6の管理システムにおいて,前記含水率計測装置を,前記地盤材料に近赤外光を照射したときの所定波長の反射率又は透過率から当該地盤材料の含水率を計測する計測装置としてなる地盤材料の表面水量管理システム。
  8. 請求項6又は7の管理システムにおいて,前記算出手段において地盤材料の含水率から粒度分布に応じて所定粒径以下の含水率を算出し,前記推定手段において所定粒径以下の含水率に基づき前記地盤材料の表面水量をリアルタイムで推定してなる地盤材料の表面水量管理システム。
  9. 請求項6から8の何れかの管理システムにおいて,前記算出手段において,前記所定時間における含水率の平均値から粒度分布に応じて所定粒径別の含水率を算出してなる地盤材料の表面水量管理システム。
  10. 請求項6から9の何れかの管理システムにおいて,前記地盤材料の表面水量の管理基準値を記憶する記憶手段,及び前記地盤材料の表面水量推定値と管理基準値とを比較して地盤材料の適否を判定する判定手段を設けてなる地盤材料の表面水量管理システム。
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