JP6916640B2 - 粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法に関する。特に、本発明は、ラマン散乱光を用いた粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法に関する。
粉体原料の検品や造粒を伴う製造工程における造粒物の品質管理等において、物質の同定や粒子径の測定は日常的に行われている。例えば、第17改正日本薬局方には、近赤外吸収スペクトル法による物質の定性的又は定量的評価が記載されている。また、米国や欧州のように、ラマン分光法による物質の同定を行うことを薬局方に規定した国も知られている。このため、粉体原料の検品や品質管理等を目的とした近赤外吸収スペクトル法又はラマン分光法を用いた物質の同定のための小型の装置が実用化されている。
一方、粒子径測定方法には、動的光散乱法、レーザー回折・散乱法、画像解析法及び遠心沈降法が知られている。また、顕微鏡ラマン分光法によるラマンケミカルイメージングを利用した粒子径測定方法も報告されている。しかし、何れの方法も測定装置の小型化が進められてはいるものの、測定試料を採取し、実験室や測定室に配置された測定装置を用いて測定する必要が有るため、十分に簡便であるとはいえない。
したがって、現在においては、作業現場における物質の同定は比較的簡便に行えるものの、粉体の粒子径測定を作業現場において簡便に行うことができないのが実情である。
特許第5355269号公報
本発明は上述した問題を解決するものであって、物質の同定とともに粒子径測定を簡便に行える粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法を提供する。
本発明の一実施形態によると、被検出物に近赤外光を照射し、被検出物のラマンスペクトルを検出し、得られたラマンスペクトルのピーク強度から被検出物の粒子径を決定する、ことを特徴とする、粒子径測定方法が提供される。
前記粒子径測定方法において、前記近赤外光が1064nmの波長を有してもよい。
前記粒子径測定方法において、検出したラマンスペクトルから被検出物を同定し、同定した被検出物と同じ物質について予め求めたラマンスペクトルのピーク強度と被検出物の粒子径との関係に基づいて、被検出物の粒子径を算出してもよい。
また、本発明の一実施形態によると、近赤外光照射部と、ラマン散乱光検出部と、前記ラマン散乱光検出部が検出したラマンスペクトルのピーク強度から、粒子径を算出する粒子径算出部と、を備える、ことを特徴とする、粒子径測定装置が提供される。
前記粒子径測定装置において、前記近赤外光照射部は、1064nmの波長の光を発する光源を備えてもよい。
前記粒子径測定装置において、ラマンスペクトル、被検出物の種類、ラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径を関連付けて格納するデータベースをさらに備えてもよい。
前記粒子径測定装置において、前記粒子径算出部は、前記データベースに格納されたラマンスペクトルのピーク強度と被検出物の粒子径との関係に基づいて、前記検出したラマンスペクトルのピーク強度から前記被検出物の粒子径を算出してもよい。
前記粒子径測定装置において、前記データベースに格納されたラマンスペクトルに基づいて、前記ラマン散乱光検出部が検出したラマンスペクトルに対応する被検出物の種類を同定する被検出物同定部をさらに備え、前記粒子径算出部は、同定した被検出物の種類に基づいて、前記被検出物に関連付けられた前記データベースに格納されたラマンスペクトルのピーク強度のデータを選択し、選択したラマンスペクトルのピーク強度から前記被検出物の粒子径を算出してもよい。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかに記載の粒子径測定装置を用いて、原料粉末の粒子径を測定し、前記原料粉末の適否を判定する、ことを特徴とする、品質管理方法が提供される。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかに記載の粒子径測定装置を用いて、粉体の粒子径を測定し、測定した前記粉体の粒子径が所定の大きさとなった時点で、前記処理工程を終了する、ことを特徴とする、品質管理方法が提供される。
本発明の一実施形態によると、物質の同定とともに粒子径測定を簡便に行える粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る粒子径測定装置100の模式図である。 本発明の一実施例に係るラマンスペクトルを示す図である。 本発明の一実施例に係るラマンスペクトルを示す図である。
以下、本発明に係る粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法について説明する。但し、本発明の粒子径測定方法、粒子径測定装置及びそれを用いた品質管理方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
上述したように、ラマン分光法は物質の同定手段としては有効であるが、粉体の粒子径の測定には用いられてはこなかった。特許文献1に記載された顕微鏡ラマン分光法による粒子径の測定方法においては、ラマンケミカルイメージングを利用し、得られた画像データから粒子径を測定している。具体的には、顕微ラマン分光装置において、観察領域のx−y方向の一定間隔にレーザーを照射し、照射箇所のラマンスペクトルを取得し、所定の閾値以上のピーク強度を示す照射箇所については粒子が存在し、所定の閾値未満のピーク強度を示す照射箇所については粒子が存在しないとする処理(2値化)によって、観察領域内の粒子の形状および分布を画像として得ていた。すなわち、従来は、ラマンスペクトル自体には、粉体の大きさを反映する情報が含まれるとは考えておらず、所定の閾値以上のピーク強度を示す照射箇所を二次元画像化した粒子の形状から粒子径を求めていた。
また、近赤外吸収スペクトル法も、物質の定性定量分析のほか、粒子径の測定に用いることも可能ではあるものの、構造が類似した物質が存在する場合、その同定が困難である。
ラマン分光法においては、安定な単波長の照射光が必要となるため、照射光として532nmの波長が標準的に選択され、短波長として405nmや488nm、長波長として671nmや785nmが選択されるのが一般的である。しかし、これらの波長の照射光を用いても、ラマンスペクトルから粉体の粒子径を求める情報を得ることはできない。本発明者らは、上記のラマン分光法と近赤外吸収スペクトル法の欠点を補完する方法として、近赤外光を照射光としたラマンスペクトルを用いることにより、ラマンスペクトルのピーク強度を二次元画像化する必要がない粒子径測定方法を見出した。このような試みは、これまでに報告されてはいない。
また、本発明に係る粒子径測定方法では、引用文献1に記載されたようなケミカルイメージングを必要としないため、装置の小型化が可能であり、物質の同定とともに粒子径測定を簡便に行うことができる。
一実施形態において、被検出物に近赤外光を照射し、被検出物のラマンスペクトルを検出し、得られたラマンスペクトルのピーク強度から被検出物の粒子径を決定する。これは、照射光として近赤外光を被検出物に照射すると、得られたラマンスペクトルのピーク強度が被検出物の粒子径と相関する知見を本発明者らが得たことによる。
図1は、本発明の一実施形態に係る粒子径測定装置100の模式図である。一実施形態において、粒子径測定装置100は、近赤外光照射部110と、ラマン散乱光検出部120と、粒子径算出部131と、を備える。粒子径測定装置100は、制御部130、記憶部140、入力部150及び表示部160をさらに備えてもよい。
近赤外光照射部110は、例えば、光源111と、ミラー113と、を備える。光源111が発する照射光は、本発明においては近赤外光である。近赤外光は、700nm〜2500nmの電磁波である。本実施形態において、光源111は、近赤外光を照射可能な光源であれば限定されないが、商業的に入手が可能な1064nmの波長のレーザー光源が好適である。
ミラー113は、例えば、公知のダイクロイックミラー又はビームスプリッターである。ミラー113は、光源111から発した近赤外光11を被検出物190に照射するとともに、被検出物190で散乱したラマン散乱光13をラマン散乱光検出部120側へ透過する構成を有する。
ラマン散乱光検出部120の前段には、フィルター121が配置され、レイリー光をカットして、ラマン散乱光13をラマン散乱光検出部120へ透過する。また、図示しないが、一実施形態において、ラマン散乱光検出部120は、ミラー113を透過したラマン散乱光13を分光する分光器と、ラマン散乱光13を検出する検出器を備える。分光器としては、公知の回折格子を用いることができる。検出器としては、例えば、フォトダイオード、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の公知の固体撮像素子を用いることができる。測定の安定性の観点からCCDイメージセンサが好ましい。
粒子径算出部131は、ラマン散乱光検出部120により検出されたラマンスペクトルのピーク強度から、粒子径を算出するプログラム又はモジュールである。粒子径算出部131は、一例として、制御部130において実行されるプログラム又はモジュールであってもよく、また、制御部130とは分離して配設される演算ユニットであってもよい。粒子径算出部131を構成するプログラム又はモジュールは記憶部140に格納され、制御部130で実行されてもよい。
制御部130は、粒子径測定装置100を制御する制御プログラムを実行する演算ユニットである。制御プログラムは、記憶部140に格納されてもよく、記憶部140とは分離して配設されるROM(Read Only Memory)に格納されてもよい。
粒子径測定装置100は、被検出物同定部133をさらに備えてもよい。被検出物同定部133は、ラマン散乱光検出部120が検出したラマンスペクトルに対応する被検出物190の種類を同定するプログラム又はモジュールである。ラマン散乱光検出部120が検出したラマンスペクトルは、被検出物190の種類に特有のプロファイルを示す。すなわち、ラマンスペクトルにおいて検出されるバンド(ピーク)の位置(ラマンシフト)、強度、バンドの幅は、原子の質量と、原子間の結合力に依存するため、ラマンスペクトルは被検出物190の種類や構造を反映する。このため、被検出物同定部133は、データベース141に格納されているラマンスペクトルに基づいて、検出したラマンスペクトルに対応する被検出物190の種類を同定することができる。
被検出物同定部133は、一例として、制御部130において実行されるプログラム又はモジュールであってもよく、また、制御部130とは分離して配設される演算ユニットであってもよい。粒子径算出部131を構成するプログラム又はモジュールは記憶部140に格納され、制御部130で実行されてもよい。
記憶部140は、揮発性メモリやハードディスク等の公知の記憶装置であり、特には限定されない。記憶部140は、データベース141を備える。また、記憶部140は、制御プログラム、粒子径算出部131や粒子径算出部131を構成するためのプログラム又はモジュールを格納してもよい。
データベース141は、ラマンスペクトル、被検出物190の種類、ラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物190の粒子径を関連付けて格納する。例えば、データベース141は、被検出物毎にラマンスペクトルを格納する。また、データベース141は、被検出物毎に、ラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータを格納する。ここで、ラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータとして、検量線を作成可能な2点以上のピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータを格納してもよく、被検出物毎に検量線の式を格納してもよい。なお、本実施形態においては、粒子径測定装置100がデータベース141を備える構成を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、粒子径測定装置100が無線通信等の通信手段を備える場合において、サーバ等の外部に設置された記憶装置にデータベース141を有してもよい。データベース141を粒子径測定装置100の外部に備える構成にすることにより、記憶装置の容量の制限が緩和され、データベースのアップデート等のメンテナンスが容易となる利点もある。
入力部150は、測定者が粒子径測定装置100を操作するための操作手段であり、キー入力手段やタッチパネル等の公知の技術を用いることができる。
表示部160は、測定結果等を表示する表示装置である。粒子径測定装置100を小型化する観点から、表示部160は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等が好ましい。
また、本発明に係る粒子径測定装置100は、上記の構成の他に、ラマン分光装置において公知の構成を任意に備えることもできる。
<粒子径測定方法>
本発明に係る粒子径測定方法によると、一実施形態において、被検出物190に近赤外光を照射し、被検出物190のラマンスペクトルを検出し、得られたラマンスペクトルのピーク強度から被検出物190の粒子径を決定する。
粒子径測定装置100において、近赤外光照射部110の光源111から発した近赤外光11は、ミラー113により、被検出物190へ照射される。近赤外光11を照射することにより被検出物190からラマン散乱光13が発せられる。ラマン散乱光13は、近赤外光照射部110のミラー113を透過して、フィルター121をさらに透過する。ことのとき、ラマン散乱光13に混在するレイリー光は、フィルター121によりカットされ、ラマン散乱光検出部120には、ラマン散乱光13が入射する。ラマン散乱光検出部120において、ラマン散乱光13は分光器により分光され、検出器によりラマンスペクトルが検出される。
粒子径算出部131は、ラマンスペクトルのピーク強度と被検出物190の粒子径との関係に基づいて、被検出物190の粒子径を算出する。得られたラマンスペクトルのピーク強度から被検出物190の粒子径を算出する方法としては、検量線から被検出物190の粒子径を算出する方法が挙げられる。被検出物190が既知の物質である場合には、粒子径の異なる標準品を2つ以上、好ましくは3つ以上用いて、近赤外光11を照射光としたラマンスペクトルを求めることにより、粒子径算出部131は、所定のラマンシフトのピーク強度から、検量線を作成する。ここで、検量線を作成するためのラマンシフトは、検量線が作成可能な範囲で任意に選択可能であるが、粒子径の測定精度の観点から、粒子径の大きくなる(又は小さくなる)ことによりピーク強度が大きくなる(又は小さくなる)幅が大きなラマンシフトを選択することが好ましい。この検量線に基づき、被検出物190のラマンスペクトルから求めた所定のラマンシフトのピーク強度から粒子径を算出することができる。
なお、本発明者らによる検討の結果、同一物質・同一組成物である場合、粒子径が小さくなるに連れてラマンシフトのピーク強度が強くなる傾向にあることが認められている。
また、データベース141に格納されたラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータを用いて粒子径を算出することもできる。例えば、データベース141が、検量線を作成可能な2点以上のピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータを格納している場合、これらのデータに基づき、粒子径算出部131は、検量線を作成してもよい。さらに、データベース141が、被検出物毎に検量線の式を格納している場合、この検量線の式を用いて、被検出物190のラマンスペクトルから求めた所定のラマンシフトのピーク強度から粒子径を算出することができる。
一方、被検出物190が未知の物質である場合には、被検出物190の粒子径を算出するために、先ず、被検出物190を同定する必要がある。被検出物190の同定方法は公知のラマン分光法による物質の同定と同様である。被検出物同定部133は、ラマン散乱光検出部120が検出したラマンスペクトルに対応する被検出物190の種類を同定する。ここで、被検出物同定部133は、データベース141に格納されたラマンスペクトルと、ラマン散乱光検出部120が検出したラマンスペクトルとを照合することにより、被検出物190の種類を同定することができる。
被検出物190が未知の物質である場合であっても、被検出物190の種類を同定することにより、粒子径算出部131は、同定した被検出物と同じ物質の標準品を用いた検量線の作成が可能となり、予め求めたラマンスペクトルのピーク強度と被検出物の粒子径との関係に基づいて、被検出物190の粒子径を算出することができる。また、粒子径算出部131は、データベース141に格納された、同定した被検出物と同じ物質のラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径のデータを検索し、検索されたデータを用いた粒子径の算出が可能となる。
<品質管理方法>
上述した粒子径測定装置100を用いて、例えば、原料粉末の粒子径を測定し、原料粉末の適否を判定することができる。まず、粒子径測定装置100を用いて、上述した方法により、原料粉末に含まれる物質を同定することができる。この同定作業により、原料粉末に含まれる不純物や、結晶の状態等の構造も確認可能である。さらに、本発明においては、上述したように、原料粉末の粒子径を測定することができる。このため、原料粉末が規定の粒子径を有するものであるかを原料の受け入れ段階で簡便に確認し、受け入れの適否を短時間で判断することも可能である。
また、上述した粒子径測定装置100を、製造工程における品質管理にも適用することが可能である。例えば、所定の処理工程において、粉体の粒子径を測定し、測定した粉体の粒子径が所定の大きさとなった時点で、処理工程を終了することが可能である。具体的には、造粒工程において、粒子径測定装置100を用いて造粒物の粒子径の成長をリアルタイムに測定することが可能である。例えば、造粒装置に粒子径測定装置100を取り付け、造粒装置内での造粒物の粒子径をリアルタイムで測定する。このような粒子径の測定により、造粒物が所定の粒子径に達した時点で、造粒工程を終了させることもできる。
(ラマンスペクトルの測定)
30 gのサンプルを秤量し、サンプリング用のビニル袋に入れた。ラマン分光装置として、株式会社リガク製のprogenyを用い、1064nmの波長のレーザー光を袋の外側からサンプルに照射して、ラマンスペクトルを測定した。
測定条件は、以下の通り。
レーザー出力(mW);450
照射時間(ms);1000
積算;8
(粒度分布計を用いた粒子径測定)
BECKMAN COULTERのレーザー解析散乱法粒度分布測定装置LS13 320を用い、サンプルの粒子径を測定した。測定容器に1〜3 gのサンプルを秤量し、測定した。サンプル数を3として粒子径を算出した。
<実施例1>
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HCP)を用いて、グレード(粒子径)とラマンスペクトルのピーク強度との関係を検証した。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとして、信越化学工業株式会社のLH−11、LH−21及びLH−31を用いた。
粒度分布計による測定結果から、LH−11、LH−21及びLH−31の粒子径は、それぞれ55μm、45μm、及び20μmであった。LH−11、LH−21及びLH−31のラマンスペクトルを図2に示す。図2(a)は1064nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルを示し、図2(b)は785nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルを示す。
図2(a)の結果から、1064nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルにおいては、最も粒子径が大きいLH−11のピーク強度がもっと小さく、粒子径が小さくなるに従って、ピーク強度が大きくなることが示された。したがって、近赤外光を照射して得たラマンスペクトルが粒子径測定に好適であることが示された。
一方、図2(b)の結果から、785nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルにおいては、LH−21、LH−11、LH−31の順にピーク強度が強くなり、粒子径測定には利用できないことが示された。
<実施例2>
製造工程において処理した粉体に対しても粒子径測定が可能であるかを検討した。乳糖水和物としてフロイント産業株式会社のダイラクトーズ(登録商標)Sを用いて、粒子径とラマンスペクトルのピーク強度との関係を検証した。製造工程を模して、ダイラクトーズSを株式会社ダルトン製の粉砕機を用いて粉砕した。粒度分布計による測定結果から、粉砕前のサンプルの粒子径は94μmであり、粉砕後のサンプルの粒子径は20μmであった。
図3は、粉砕前後のサンプル1064nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルを示す。図3の結果から、1064nmの波長のレーザー光源を用いて測定したラマンスペクトルにおいては、製造工程において処理した粉体に対しても、粒子径が小さくなるに従って、ピーク強度が大きくなることが示された。したがって、近赤外光を照射して得たラマンスペクトルが粒子径測定に好適であることが示された。
11:近赤外光、13:ラマン散乱光、100:粒子径測定装置、110:近赤外光照射部、111:光源、113:ミラー、120:ラマン散乱光検出部、121:フィルター、130:制御部、131:粒子径算出部、133:被検出物同定部、140:記憶部、141:データベース、150:入力部、160:表示部、190:被検出物

Claims (6)

  1. 被検出物に1064nmの波長を有する近赤外光を照射し、
    被検出物のラマンスペクトルを検出し、
    被検出物の標準品を用いて予め作成された標準品のラマンスペクトルのピーク強度と標準品の粒子径の検量線を用いて、得られたラマンスペクトルのピーク強度から被検出物の粒子径を決定する、
    ことを特徴とする、粒子径測定方法。
  2. 検出したラマンスペクトルから被検出物を同定し、
    同定した被検出物と同じ物質について予め求めたラマンスペクトルのピーク強度と被検出物の粒子径との検量線を用いて、被検出物の粒子径を算出する、請求項に記載の粒子径測定方法。
  3. 1064nmの波長の光を発する光源を備える近赤外光照射部と、
    ラマン散乱光検出部と、
    前記ラマン散乱光検出部が検出したラマンスペクトルのピーク強度から、粒子径を算出する粒子径算出部と、
    ラマンスペクトル、被検出物の種類、ラマンスペクトルのピーク強度に対する被検出物の粒子径を関連付けて格納するデータベースと、を備え
    前記粒子径算出部は、前記データベースに格納されたラマンスペクトルのピーク強度と被検出物の粒子径との検量線を用いて、前記検出したラマンスペクトルのピーク強度から前記被検出物の粒子径を算出する、
    ことを特徴とする、粒子径測定装置。
  4. 前記データベースに格納されたラマンスペクトルに基づいて、前記ラマン散乱光検出部が検出したラマンスペクトルに対応する被検出物の種類を同定する被検出物同定部をさらに備え、
    前記粒子径算出部は、同定した被検出物の種類に基づいて、前記被検出物に関連付けられた前記データベースに格納されたラマンスペクトルのピーク強度のデータを選択し、
    選択したラマンスペクトルのピーク強度から前記被検出物の粒子径を算出する、ことを特徴とする、請求項に記載の粒子径測定装置。
  5. 請求項3又は4に記載の粒子径測定装置を用いて、原料粉末の粒子径を測定し、
    前記原料粉末の適否を判定する、ことを特徴とする、品質管理方法。
  6. 粉体の処理工程において、請求項3又は4に記載の粒子径測定装置を用いて、粉体の粒子径を測定し、
    測定した前記粉体の粒子径が所定の大きさとなった時点で、前記処理工程を終了する、ことを特徴とする、品質管理方法。
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