JP2015104889A - 撥水性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分な撥水性を有する撥水性フィルムを製造することが可能な撥水性フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】 素材樹脂を加熱する工程(ステップS1)と、加熱された素材樹脂を素材吐出部より吐出する工程(ステップS2)と、吐出された素材樹脂を冷却ロールにより冷却して素材フィルムを形成し、表面に凹凸が形成された賦型シートを用い、圧ロールと冷却ロールによる圧力で賦型シートの表面に形成された凹凸を転写することにより素材フィルムに対してエンボス加工を行うとともに、賦型シートと素材フィルムをラミネートする工程(ステップS3)と、エンボス加工が行われた素材フィルムに対して、冷却ロールが冷却する工程(ステップS4)と、冷却ロールにより冷却された素材フィルムを、所定の搬送距離だけ搬送した後、賦型シートから剥離する工程(ステップS5)を有する。【選択図】 図2
Description
本発明は、高い撥水性を有する撥水性フィルムを製造するための方法に関する。
表面の微細構造に起因する撥水性はロータス効果として知られている。このような撥水性を実現するため、様々な技術が開発されている。一般的には、撥水性を製品表面に発現させるためには、フッ素樹脂等を塗布する化学的手法を用いるのが主流となっている(特許文献1、2参照)。
また、化学的手法としては、製品表面に撥水性のシリカ微粒子を付着させて微細な凹凸構造を形成し、食品や医療品等を収容するための非吸着性容器に応用する技術も開発されている(特許文献3参照)。
一方、物理的手法で微細な凹凸構造を容器の蓋に形成し、撥水作用により液跳ねを防止する技術も存在する(特許文献4参照)。また、フィルムに物理的に撥水性を付与させるため、微細周期構造を有する金型を利用して射出成形加工によりプラスチック成形体を作成する技術も開発されている(特許文献5参照)。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術のように、化学的手法を用いる場合には、人体や環境への影響を考慮しなければならないという問題がある。また、上記特許文献4、5に記載の技術では、十分な撥水性を有するフィルムを得るには至っていない。
そこで、本発明は、十分な撥水性を有する撥水性フィルムを製造することが可能な撥水性フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る撥水性フィルムの製造方法は、素材樹脂を加熱する工程と、前記加熱された素材樹脂を素材吐出部より吐出する工程と、前記吐出された素材樹脂を冷却ロールにより冷却して素材フィルムを形成し、表面に凹凸が形成された賦型シートを用い、圧ロールと前記冷却ロールによる圧力で前記賦型シートの表面に形成された凹凸を転写することにより前記素材フィルムに対してエンボス加工を行うとともに、前記賦型シートと前記素材フィルムをラミネートする工程と、前記エンボス加工が行われた素材フィルムに対して、前記冷却ロールが冷却する工程と、前記冷却ロールにより冷却された素材フィルムを、所定の搬送距離だけ搬送した後、前記賦型シートから剥離する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の撥水性フィルムの製造方法によれば、素材樹脂を加熱し、加熱された素材樹脂を素材吐出部より吐出し、吐出された素材樹脂を冷却ロールにより冷却して素材フィルムを形成し、表面に凹凸が形成された賦型シートを用い、圧ロールと冷却ロールによる圧力で賦型シートの表面に形成された凹凸を転写することにより素材フィルムに対してエンボス加工を行うとともに、賦型シートと素材フィルムをラミネートし、エンボス加工が行われた素材フィルムに対して、冷却ロールが冷却を行い、冷却ロールにより冷却された素材フィルムを所定の搬送距離だけ搬送した後、賦型シートから剥離するようにしたので、賦型シート表面の微細な凹凸が素材フィルムに転写された後、適度な温度と引っ張り力により若干変形した凹凸が素材フィルム上に形成されることになり、撥水性の高い撥水性フィルムが得られる。特に、賦型シートと素材フィルムがラミネートされた状態で、所定の距離搬送された後、賦型シートから剥離して撥水性フィルムを得るようにしたため、エンボス加工後、剥離位置までの間に賦型シートと素材フィルムの冷却を行うことができる。このため、搬送速度を緩める必要がなく、製造を高速化し、生産性を高めることができる。
また、本発明に係る撥水性フィルムの製造方法は、前記冷却ロールの冷却温度が、0℃以上45℃以下であることを特徴とする。本発明の撥水性フィルムの製造方法によれば、冷却ロールの冷却温度を0℃以上45℃以下としたので、剥離時に、適度な力で引っ張ることにより、素材フィルム上に複雑な凹凸形状を与えることが可能となる。
また、本発明に係る撥水性フィルムの製造方法は、前記素材樹脂の加熱温度は100℃以上350℃以下であることを特徴とする。本発明の撥水性フィルムの製造方法によれば、素材樹脂の加熱温度を100℃以上350℃以下としたので、素材樹脂を焦がさず、適度に表面を溶かして、エンボス加工し易くすることが可能となる。
また、本発明に係る撥水性フィルムの製造方法は、前記賦型シートの表面の算術平均粗さRaは、0.1μm以上20.0μm以下であることを特徴とする。本発明の撥水性フィルムの製造方法によれば、賦型シートの表面の算術平均粗さRaを0.1μm以上20.0μm以下としたので、素材フィルム上に適度な微細構造の凹凸形状を与えることが可能となる。
本発明によれば、十分な撥水性を有する撥水性フィルムを製造することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<1.撥水性フィルムの製造装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る撥水性フィルムの製造方法に用いる撥水性フィルムの製造装置を示す図である。図1において、1は撥水性フィルムの製造装置、2はTダイ、3は賦型シート供給部、4は賦形シート巻取部、5は圧ロール、6はエンボスラミネート部、7は剥離部、8は冷却ロール、9aは搬送ロール、9bは剥離ロール、10はフィルム巻取部、Rは素材樹脂、Fは素材フィルム、F´は撥水性フィルムである。また、各矢印は、素材樹脂R、賦型シートE、素材フィルムF、撥水性フィルムF´それぞれの搬送方向を示している。
<1.撥水性フィルムの製造装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る撥水性フィルムの製造方法に用いる撥水性フィルムの製造装置を示す図である。図1において、1は撥水性フィルムの製造装置、2はTダイ、3は賦型シート供給部、4は賦形シート巻取部、5は圧ロール、6はエンボスラミネート部、7は剥離部、8は冷却ロール、9aは搬送ロール、9bは剥離ロール、10はフィルム巻取部、Rは素材樹脂、Fは素材フィルム、F´は撥水性フィルムである。また、各矢印は、素材樹脂R、賦型シートE、素材フィルムF、撥水性フィルムF´それぞれの搬送方向を示している。
Tダイ2は、素材樹脂を吐出する素材吐出部としての役割を果たし、素材樹脂Rを所定の厚みで吐出するための公知のTダイである。Tダイ2は、直線状のリップを持つ金型であり、素材樹脂Rを平たく押し出して連続的に成型する。Tダイ2は、EC(エクストリュージョンコーター)機の一部である。EC機は、加熱部を有しており、Tダイ2内には、加熱部により加熱された素材樹脂Rが充填される。EC機およびTダイ、Tダイを用いたフィルムの成形法については、公知であるので詳細な説明は省略する。
賦型シート供給部3は、素材樹脂Rを冷却する際、冷却により得られる素材フィルムFの表面に凹凸を形成するための賦型シートEの供給部である。賦形シート巻取部4は、賦型シートEの巻取部である。
圧ロール5は、素材樹脂Rに対して、冷却ロール8との間で圧力を加えエンボス加工およびラミネート加工を行うためのものであり、公知の圧ロールにより実現される。本実施形態では、ロール本体の外周面にゴム等の弾性体を巻き付けたものを採用している。圧ロール5の直径は、冷却ロール8と略同一であることが好ましい。圧ロール5の直径は、特に限定されないが、本実施形態では、直径150mmのものを使用している。
冷却ロール8は、素材樹脂Rを冷却して素材フィルムFを成形し、圧ロール5との間で素材フィルムFに対して加圧することにより、賦型シートE表面の凹凸を素材フィルムFの表面に転写してエンボス加工を行うロールである。Tダイ2から吐出された高熱の素材樹脂が、冷却ロール8で冷却されて素材フィルムFが成形される点は、公知のTダイ法によるフィルム成形法と同様である。
冷却ロール8としては、ロール表面を冷却する機構を備えたものであれば、公知の種々のものを用いることができる。例えば、材質としては、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属を用いることができる。冷却ロール8の直径は、圧ロール5と略同一であることが好ましい。図1の例では、圧ロール5と同一の直径150mmのものを使用している。
圧ロール5、冷却ロール8は、いずれも中心に回転軸を有し、この回転軸を図示しない駆動機構により回転させることが可能に構成されている。また、図示しない制御機構が、圧ロール5、冷却ロール8の駆動機構を、2つのロールの周速度が同一になるように制御して駆動させる。圧ロール5、冷却ロール8の直径を同一とした場合には、圧ロール5、冷却ロール8の駆動機構を、同一の角速度となるように制御して駆動させる。
エンボスラミネート部6は、圧ロール5と冷却ロール8の表面が最接近する部分である。このエンボスラミネート部6において、圧ロール5に巻き付けられた賦型シートEと冷却ロール8の間に挟まれた素材フィルムFに対してエンボス加工が行われるとともに、賦型シートEと素材フィルムFのラミネート加工が行われる。
搬送ロール9aは、エンボスラミネート加工後の素材フィルムFを賦型シートEとともに搬送するロールである。剥離ロール9bは、エンボスラミネート加工および冷却がなされた素材フィルムFを、賦型シートEから剥離するロールである。剥離部7は、エンボスラミネート加工が行われた素材フィルムFが賦型シートEから剥離される部分であり、剥離ロール9b上に存在する。剥離部7は、冷却ロール8から素材フィルムFが離れる位置から所定の搬送距離だけ離れた位置に設定される。すなわち、剥離ロール9bは、冷却ロール8から所定の搬送距離だけ離れた位置に設置されることになる。これは、エンボス加工と同時に素材フィルムFと賦型シートEをラミネートした後、ラミネートされた状態を長く保つことにより剥離に適した状態まで温度を下げるためである。所定の搬送距離としては、搬送速度を1m/分とした場合、10m以上であることが好ましい。
搬送ロール9a、剥離ロール9bとしては、素材フィルムF、賦型シートE等のシート状物を搬送することができるものであれば、公知の種々のものを用いることができる。例えば、材質としては、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属を用いることができる。搬送ロール9a、剥離ロール9bの直径は、圧ロール5、冷却ロール8と同一である必要はなく、図1の例では、直径70mmのものを使用している。
搬送ロール9a、剥離ロール9bも、圧ロール5、冷却ロール8と同様、中心に回転軸を有し、この回転軸を図示しない駆動機構により回転させることが可能に構成されている。また、図示しない制御機構が、搬送ロール9a、剥離ロール9bの駆動機構を、圧ロール5、冷却ロール8の2つのロールの周速度と同一になるように制御して駆動させる。
賦型シートEは、素材樹脂Rを冷却して得られた素材フィルムFの表面に凹凸を形成するためのシートである。賦型シートEとしては、その外周面に賦形用の凹凸が施されたものであれば、公知の種々のものを用いることができる。例えば、材質としては、紙(上質紙、再生紙等)、金属(銅、アルミニウム、ステンレス鋼等)、合成樹脂(例えばPET等)を用いることができる。
本実施形態では、公知のサンドブラスト法によりPETフィルム上に凹凸が形成された賦型シートEを使用している。サンドブラスト法を用いて凹凸を形成しているため、凹凸は表面上に不規則に形成されている。ただし、表面の算術平均粗さRaが、0.1μm以上20.0μm以下、好ましくは0.5μm以上15.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.0μm以下となるように調整して形成される。所定の算術平均粗さRaで不規則に凹凸を形成できるものであれば、サンドブラスト法以外の公知の手法を用いてもよい。賦型シートEの表面には、エンボスラミネート加工後のフィルムの剥離を容易にするために、フッ素樹脂等により剥離処理を施してもよい。
素材樹脂Rは、撥水性フィルムF´を製造するための素材となる樹脂であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン等、様々な樹脂フィルムを用いることができる。一例としては、「カーネルKM262(日本ポリエチレン社製)」や、「プラストマーLLDPE(プライムポリマー社製)」等の製品を用いることができる。
<2.撥水性フィルムの製造方法>
次に、本発明の一実施形態に係る撥水性フィルムの製造方法を、図2のフローチャートを用いて説明する。撥水性フィルムの製造装置1が稼動を開始すると、撥水性フィルムの製造装置1が前準備を行う(ステップS1)。具体的には、EC機内の加熱部において、素材樹脂Rの加熱を開始するとともに、冷却ロール8の冷却を開始する。EC機内の加熱部においては、素材樹脂Rを加熱する。これにより、Tダイ2内に加熱された素材樹脂Rが充填されることになる。素材樹脂Rは、200℃以上350℃以下の範囲内の所定の温度に加熱される。温度を高くし過ぎると、樹脂が焦げてしまい、得られるフィルムの撥水性が低下する。このため、本実施形態では、350℃を超えない温度で加熱している。素材樹脂Rとしてポリエチレンを用いる場合には、200℃以上300℃以下の範囲内の所定の温度(好ましくは280℃、もしくはそれに近い温度)で加熱する。
次に、本発明の一実施形態に係る撥水性フィルムの製造方法を、図2のフローチャートを用いて説明する。撥水性フィルムの製造装置1が稼動を開始すると、撥水性フィルムの製造装置1が前準備を行う(ステップS1)。具体的には、EC機内の加熱部において、素材樹脂Rの加熱を開始するとともに、冷却ロール8の冷却を開始する。EC機内の加熱部においては、素材樹脂Rを加熱する。これにより、Tダイ2内に加熱された素材樹脂Rが充填されることになる。素材樹脂Rは、200℃以上350℃以下の範囲内の所定の温度に加熱される。温度を高くし過ぎると、樹脂が焦げてしまい、得られるフィルムの撥水性が低下する。このため、本実施形態では、350℃を超えない温度で加熱している。素材樹脂Rとしてポリエチレンを用いる場合には、200℃以上300℃以下の範囲内の所定の温度(好ましくは280℃、もしくはそれに近い温度)で加熱する。
冷却ロール8に対しては、0℃以上45℃以下の範囲内の所定の温度になるよう設定指示が行われ、この指示に従って温度調整機構が冷却ロール8を冷却する。素材樹脂Rの加熱、冷却ロール8の冷却は、いずれを先に実行してもよい。要は、ステップS2の素材樹脂Rの吐出前に、素材樹脂R、冷却ロール8の表面が目的とする温度範囲になるように、十分に調整されていればよい。
次に、Tダイ2から素材樹脂Rの吐出を行う(ステップS2)。具体的には、公知のTダイ法により、素材樹脂RをTダイ2の下方に形成された直線状のリップから、素材樹脂Rを平たく押し出す。この際、並行して、賦型シート供給部3、賦形シート巻取部4を駆動し、賦型シートEの供給を開始する。
Tダイ2からの吐出による落下により、素材樹脂Rがエンボスラミネート部6に到達すると、素材樹脂Rは、冷却ロール8により冷却されて素材フィルムFが成形される。そして、素材フィルムFは、圧ロール5に巻き付けられた賦型シートEと冷却ロール8の間に挟まれて加圧され、賦型シートE表面の凹凸によりエンボスラミネート加工が行われる(ステップS3)。エンボスラミネート加工により、素材樹脂Rが冷却されてできた素材フィルムFの表面に、賦型シートE表面の凹凸が転写形成される。同時に、素材フィルムFと賦型シートEがラミネートされる。
素材樹脂Rから得られた素材フィルムFの表面に凹凸が形成された後、素材フィルムFは、賦型シートEとともに、図1中、右向きの矢印で示す搬送方向に搬送される。このため、賦型シートEと素材フィルムFはラミネートされた状態となる。冷却ロール8は、その周回を回転する素材フィルムFを、さらに冷却する(ステップS4)。素材フィルムFおよび賦型シートEの搬送速度は、上述のように、十分に遅い速度であるため、素材フィルムFの表面は、0℃以上45℃以下の範囲内まで冷却される。
賦型シートEと素材フィルムFはラミネートされた状態で、剥離ロール9bにおける剥離部7まで搬送される。素材フィルムFが、0℃以上45℃以下の範囲内の温度で維持された状態で、剥離ロール9bにおける剥離部7に達すると、表面に凹凸が形成された素材フィルムFは、賦型シートEから剥離される(ステップS5)。具体的には、賦形シート巻取部4の巻取りによる賦形シートEの移動方向と、フィルム巻取部10の巻取りによる素材フィルムFの移動方向が異なるため、フィルム巻取部10に巻取られる素材フィルムFが、賦型シートEから剥離される。
これにより、撥水性フィルムF´が得られる。素材フィルムFが、賦型シートEから剥離される際に、引っ張り力により凹凸形状が変化し、より撥水性の高い状態となるため、剥離後から撥水性フィルムF´と表現することにする。そして、剥離された撥水性フィルムF´は、フィルム巻取部10により巻き取られる。冷却ロール8により十分冷却し、剥離部7に到達した時点の温度が所定の温度範囲になる状態としておくことにより、剥離の際、フィルムの表面には、適度な引っ張り力が加わる。このため、撥水性フィルムF´の表面には、賦形シートEの凹凸に加え、引っ張り力により生じる凹凸が形成される。このようにして得られた撥水性フィルムF´は、良好な撥水性を有することになる。
次に、本発明の実施例について説明する。
[賦形シート]
賦形シートEとしてPETフィルムを採用した。賦形シートEとなるPETフィルムの表面には、微細かつ不規則な凹凸が形成されており、賦形シートEの表面を、JISB0601:2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRaは1.0μmであった。
[賦形シート]
賦形シートEとしてPETフィルムを採用した。賦形シートEとなるPETフィルムの表面には、微細かつ不規則な凹凸が形成されており、賦形シートEの表面を、JISB0601:2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRaは1.0μmであった。
上記賦形シートEを賦型シート供給部3から供給し、公知のTダイ法により素材樹脂Rから素材フィルムFを成形しつつ、エンボスラミネート加工を行った。詳細には、以下の条件で撥水性フィルムF´を製造した。
[条件]
素材フィルム:ポリエチレン「プラストマーLLDPE(プライムポリマー社製)」膜厚100μm
Tダイ内の素材樹脂の温度:280℃
素材フィルムの搬送速度:1m/分
エンボスラミネート加工を行う際の圧力:0.6MPa
冷却ロールの表面温度:20℃
素材フィルム:ポリエチレン「プラストマーLLDPE(プライムポリマー社製)」膜厚100μm
Tダイ内の素材樹脂の温度:280℃
素材フィルムの搬送速度:1m/分
エンボスラミネート加工を行う際の圧力:0.6MPa
冷却ロールの表面温度:20℃
素材樹脂が冷却ロール8により冷却されて得られた素材フィルムの搬送速度が1m/分であり、この搬送速度で、素材フィルムは、冷却ロール8の周囲を回転する間に表面温度20℃の冷却ロールで十分に冷却されることになる。冷却後の素材フィルムの温度が0℃以上45℃以下となり、剥離部7まで維持される。このため、適度な温度で剥離が行われ、撥水性を維持する凹凸が撥水性フィルムF´の表面に形成される。
図3は、上記[条件]による場合の賦形シートの表面画像、および製造された撥水性フィルムの表面画像を示す図である。図3(a)は、賦形シートEの表面画像、図3(b)は、撥水性フィルムF´の表面画像を示す。素材樹脂を所定の温度に加熱した後、冷却して成型しながらエンボスラミネート加工し、冷却後に剥離して得られた撥水性フィルムは、図3(b)に示すように、表面粗さは継承しつつも、図3(a)に比べて、細かい凹凸が形成されている。これは、剥離時における引っ張りによるものである。
[結果]
上記条件により製造された撥水性フィルムの表面を、JISB0601:2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRaは、0.80μmであった。水に対する撥水性については、協和界面科学社製の角度測定器「ANGLE CONTROLLER SA−30DM」により測定したところ、接触角が150°であり、撥水性は極めて高いものとなった。製造された撥水性フィルムは、算術平均粗さRaが0.1μm以上20.0μm以下、好ましくは0.5μm以上15.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.0μm以下であれば、高い撥水性を発揮する。
上記条件により製造された撥水性フィルムの表面を、JISB0601:2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRaは、0.80μmであった。水に対する撥水性については、協和界面科学社製の角度測定器「ANGLE CONTROLLER SA−30DM」により測定したところ、接触角が150°であり、撥水性は極めて高いものとなった。製造された撥水性フィルムは、算術平均粗さRaが0.1μm以上20.0μm以下、好ましくは0.5μm以上15.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.0μm以下であれば、高い撥水性を発揮する。
上記のようにして作成された撥水性フィルムを容器として用いた際、内容物を収納した状態の断面図を図4に示す。図4において、内容物は水系のものである。実際には、本発明により製造された撥水性フィルムは、不規則な凹凸が形成されることになるが、図4の例では、説明の便宜上、規則的に凹凸が形成されたものを示している。図4に示すように、表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上20.0μm以下、好ましくは0.5μm以上15.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.0μm以下である撥水性フィルムの凹凸の窪んだ部分に、空気層が形成されることにより、ロータス効果を発揮する。このため、水系の内容物が撥水性フィルムに付着する程度を低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態、実施例について説明したが、本発明は、上記実施形態、実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、素材樹脂を吐出する素材吐出部としてTダイを用いたが、加熱した素材樹脂を吐出することができるものであれば、Tダイ以外のものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示した撥水性フィルムの製造装置によりステップS5の素材フィルムFを賦型シートEから剥離する工程まで行うようにしたが、ステップS4における素材フィルムFの冷却後、そのまま賦型シートEと素材フィルムFがラミネートされた状態で巻取りを行い、常温で保管後、別途素材フィルムFを賦型シートEから剥離する工程を行うようにしてもよい。エンボスラミネート加工後、ラミネートされた状態が長く続くことにより、十分に冷却され、素材フィルムFが賦型シートEから剥離するのに適した温度とすることができる。このため、巻取りまでは高速で行うことが可能となる。
本発明に係る撥水性フィルムの製造方法により製造された撥水性フィルムは、食品を始めとして、様々な内容物を収容するための容器を構成するものとして利用することができる。
1・・・撥水性フィルムの製造装置
2・・・Tダイ(素材吐出部)
3・・・賦型シート供給部
4・・・賦形シート巻取部
5・・・圧ロール
6・・・エンボスラミネート部
7・・・剥離部
8・・・冷却ロール
9a・・・搬送ロール
9b・・・剥離ロール
10・・・フィルム巻取部
E・・・賦型シート
F・・・素材フィルム
F´・・・撥水性フィルム
R・・・素材樹脂
2・・・Tダイ(素材吐出部)
3・・・賦型シート供給部
4・・・賦形シート巻取部
5・・・圧ロール
6・・・エンボスラミネート部
7・・・剥離部
8・・・冷却ロール
9a・・・搬送ロール
9b・・・剥離ロール
10・・・フィルム巻取部
E・・・賦型シート
F・・・素材フィルム
F´・・・撥水性フィルム
R・・・素材樹脂
Claims (4)
- 素材樹脂を加熱する工程と、
前記加熱された素材樹脂を素材吐出部より吐出する工程と、
前記吐出された素材樹脂を冷却ロールにより冷却して素材フィルムを形成し、表面に凹凸が形成された賦型シートを用い、圧ロールと前記冷却ロールによる圧力で前記賦型シートの表面に形成された凹凸を転写することにより前記素材フィルムに対してエンボス加工を行うとともに、前記賦型シートと前記素材フィルムをラミネートする工程と、
前記エンボス加工が行われた素材フィルムに対して、前記冷却ロールが冷却する工程と、
前記冷却ロールにより冷却された素材フィルムを、所定の搬送距離だけ搬送した後、前記賦型シートから剥離する工程と、
を有することを特徴とする撥水性フィルムの製造方法。 - 前記冷却ロールの冷却温度は、0℃以上45℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性フィルムの製造方法。
- 前記素材樹脂の加熱温度は100℃以上350℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撥水性フィルムの製造方法。
- 前記賦型シートの表面の算術平均粗さRaは、0.1μm以上20.0μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撥水性フィルムの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2019034468A (ja) * | 2017-08-16 | 2019-03-07 | 凸版印刷株式会社 | フィルム状モールド及びこれを用いた撥水性フィルムの製造方法 |
CN110371654A (zh) * | 2019-08-21 | 2019-10-25 | 桂林航天工业学院 | 一种生胶片自动叠片装置 |
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2013
- 2013-12-02 JP JP2013248845A patent/JP2015104889A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019034468A (ja) * | 2017-08-16 | 2019-03-07 | 凸版印刷株式会社 | フィルム状モールド及びこれを用いた撥水性フィルムの製造方法 |
CN110371654A (zh) * | 2019-08-21 | 2019-10-25 | 桂林航天工业学院 | 一种生胶片自动叠片装置 |
CN110371654B (zh) * | 2019-08-21 | 2024-03-15 | 桂林航天工业学院 | 一种生胶片自动叠片装置 |
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