JP2015104787A - ブローチカッタ - Google Patents

ブローチカッタ Download PDF

Info

Publication number
JP2015104787A
JP2015104787A JP2013248512A JP2013248512A JP2015104787A JP 2015104787 A JP2015104787 A JP 2015104787A JP 2013248512 A JP2013248512 A JP 2013248512A JP 2013248512 A JP2013248512 A JP 2013248512A JP 2015104787 A JP2015104787 A JP 2015104787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
cutting blade
workpiece
tooth
broach cutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013248512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6225671B2 (ja
Inventor
学 田邊
Manabu Tanabe
学 田邊
研一 山谷
Kenichi Yamatani
研一 山谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2013248512A priority Critical patent/JP6225671B2/ja
Publication of JP2015104787A publication Critical patent/JP2015104787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6225671B2 publication Critical patent/JP6225671B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ワークとの径方向への相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができるブローチカッタを提供すること。【解決手段】ブローチカッタ1は、複数の切刃段の周方向Cに並ぶ複数の切刃によって、周方向Cに並ぶ複数の内歯82をワーク8の加工穴81に形成する。複数の切刃段は、複数の切刃の切削位置を、ワーク8の加工穴81の径方向Rに段階的に深くして切削するよう構成されている。複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段3,4は、複数の内歯82における歯本体部821よりも奥側に位置して、歯本体部821の周方向Cの幅よりも狭い周方向Cの幅の逃げ部822と、複数の内歯82における内周側歯先部823とを同時に切削する形状を有している。【選択図】図4

Description

本発明は、ワークの加工穴に複数の内歯を切削するためのブローチカッタに関する。
内歯を切削するためのブローチカッタは、周方向に並ぶ複数の切刃を有する切刃段が、軸方向に複数並ぶ状態で形成されている。ブローチカッタは、荒切削をする複数の切刃段と、仕上げ切削をする複数の切刃段とが、切削方向に順次並ぶ状態で形成されている。そして、荒切削において、切刃がワークの加工穴の径方向に順次切り込んで内歯の途中形状が形成され、仕上げ切削において、切刃が内歯の途中形状の周方向に順次切り込んで内歯が形成される。
例えば、特許文献1の内歯歯車加工用ブローチにおいては、ワークから複数の内歯を切削する4種類の切刃を用いる。そして、4種類の切刃のうちの第1切刃が内歯の歯本体部を切削する。また、4種類の切刃のうちの第2切刃が、歯本体部に案内される状態で、歯本体部よりも内周側に位置する一対の段部を切削する。また、4種類の切刃のうちの第3切刃が、歯本体部に案内される状態で、一対の段部の間に形成された小径部を切削する。さらに、4種類の切刃のうちの第4切刃が、歯本体部の幅を広げるように、この歯本体部をさらに切削する。特許文献1においては、第2切刃及び第3切刃が歯本体部を案内する形状を有することにより、ブローチとワークとの径方向への相対的な位置ずれを防止し、歯底面(歯本体部の外周側面)と小径面(小径部の内周側面)との同心度を良好にしている。
また、特許文献1の背景技術に示される従来のブローチにおいては、内歯の一対の内周部をワークに切削する第1切刃と、内歯の一対の外周部をワークに切削する第2切刃とを、ブローチの軸方向に1段ずつ交互に形成している。そして、第1切刃と第2切刃とが同時にワークを切削する。
特開2008−221418号公報
しかしながら、特許文献1においては、切刃の摩耗を減らすために、ワークへの切刃の切込量を少なくする工夫はなされていない。
特許文献1においては、歯本体部、一対の段部、小径部及び一対の外周部の各切削が、4種類の切刃によって別々に行われる。そのため、ブローチの全長を維持しつつ、4種類の切刃を別々に独立して配置するためには、各切刃の数を減らす必要がある。その結果、各切刃の1刃当たりの切込量が増え、各切刃が摩耗しやすくなる。
また、特許文献1の背景技術に示される従来のブローチにおいては、第1切刃と第2切刃とがブローチの軸方向に1段ずつ交互に形成されている。そのため、ブローチの全長を維持しつつ、第1切刃及び第2切刃を別々に独立して配置するためには、各切刃の数を減らす必要がある。その結果、切刃の1刃当たりの切込量が増え、各切刃が摩耗しやすくなる。さらに、切削の対象とするワークの軸方向長さ(幅)が小さい場合には、ブローチとワークとの径方向への相対的な位置ずれを防止することが困難である。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、ワークとの径方向への相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができるブローチカッタを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部から上記径方向の外周側に延びる逃げ部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタにある。
本発明の他の態様は、軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタにある。
上記一態様のブローチカッタは、複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に、内歯における逃げ部の形成部位と、内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する混合切刃を有している。ここで、形成部位とは、ワークにおける部位のことをいう。そして、ワークにおける内周側歯先部の形成部位が混合切刃によって切削される時には、これと同時に、ワークにおける逃げ部の形成部位が混合切刃によって切削される。これにより、内周側歯先部の形成部位が混合切刃によって切削される時の、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれは、混合切刃が、逃げ部の形成部位を切削していることによって防止することができる。こうして、各混合切刃段自体によって、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれを防止することができる。そして、切削後のワークにおいて、逃げ部の外周側面と内周側歯先部の内周側面との同心度を良好に維持することができる。
また、逃げ部の形成部位を切削する複数の第1切刃段の機能と、内周側歯先部の形成部位を切削する複数の第2切刃段の機能とを、複数の混合切刃段に持たせることができる。これにより、複数の切刃の切込量を同じにする条件下においては、第1切刃段と第2切刃段とが別々に形成されたブローチカッタの軸方向長さに比べて、半分の軸方向長さのブローチカッタによって複数の混合切刃段を形成することができる。また、第1切刃段と第2切刃段とが別々に形成されたブローチカッタの軸方向長さを維持する場合には、混合切刃段が形成されたブローチカッタにおいては、混合切刃段の形成ピッチを半分にして、混合切刃段の段数を2倍に増やすことができる。そして、混合切刃段における混合切刃がワークの加工穴を切削する切込量を半分にすることができる。
そのため、切込量を小さくすることに応じて、ブローチカッタに生じる摩耗を少なくすることができる。また、混合切刃段の形成ピッチを小さくするとともに混合切刃段の段数を増やすことにより、ワークに対して同時に切削をする混合切刃段の段数が多くなる。このことにより、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれを、より効果的に防止することができる。
特に、軸方向長さ(幅)が小さいワークを切削する場合においても、2段以上の混合切刃段がワークの加工穴に同時に接触することになる。そのため、形成ピッチが小さい混合切刃段によって、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれの防止、言い換えれば、ワークに対するブローチカッタの径方向の案内を効果的に行うことができる。
また、上記一態様のブローチカッタにおいては、複数の切刃段のうちのいずれかが、ワークにおける、歯本体部の形成部位を切削する時に、ワークにおける、内周側歯先部の形成部位を同時に切削することがなくなる、もしくは少なくなる。そのため、歯本体部の形成部位の切削において、他の部位を切削することによる影響が生じることを低減でき、歯本体部を切削する精度を良好にすることができる。
なお、複数の混合切刃段の形成段数及び各混合切刃の切込量は、任意に決定することができる。
それ故、上記一態様のブローチカッタによれば、ワークとの径方向への相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができる。
上記他の態様のブローチカッタにおいても、混合切刃段の構成によって、上記一態様のブローチカッタと同様に、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれを防止することができる。
また、上記他の態様のブローチカッタにおいては、混合切刃段によって、ワークにおける、内周側歯先部の形成部位が、ワークにおける、歯本体部の形成部位と同時に切削される。そのため、内周側歯先部の形成部位が切削される時には、ブローチカッタは歯本体部による広い接触面積でワークに接触することができる。これにより、上記他の態様のブローチカッタにおいては、ブローチカッタとワークとの径方向及び周方向への相対的な位置ずれを、より効果的に防止することができ、その寿命を延ばすことができる。
実施例1にかかる、ブローチカッタを示す説明図。 実施例1にかかる、ブローチカッタの各切刃段における切刃が、ワークの加工穴を段階的に深く切削して、内歯を形成する状態を示す説明図。 実施例1にかかる、ブローチカッタにおいて、前期混合切刃段と後期混合切刃段とが軸方向に並んで形成された状態を示す説明図。 実施例1にかかる、(a)ワークの加工穴に対して切削加工する前期混合切刃、(b)ワークの加工穴に対して切削加工する後期混合切刃を示す説明図。 実施例1にかかる、(a)前期混合切刃によって径方向に段階的に切削加工されるワークの加工穴の状態、(b)後期混合切刃によって径方向に段階的に切削加工されるワークの加工穴の状態を示す説明図。 実施例2にかかる、(a)ワークの加工穴に対して切削加工する前期混合切刃、(b)ワークの加工穴に対して切削加工する後期混合切刃を示す説明図。 実施例2にかかる、(a)前期混合切刃によって径方向に段階的に切削加工されるワークの加工穴の状態、(b)後期混合切刃によって径方向に段階的に切削加工されるワークの加工穴の状態を示す説明図。
上述したブローチカッタにおける好ましい実施の形態につき説明する。
上記一態様のブローチカッタにおいては、上記複数の切刃の切削位置を段階的に深くして上記歯本体部を切削するための複数の歯本体部切刃段と、上記複数の切刃の切削位置を段階的に深くして、上記逃げ部の形成部位及び上記内周側歯先部の形成部位を上記複数の混合切刃によって同時に切削するための複数の混合切刃段とが、切削方向の上流側から順次並んでいてもよい。
また、上記混合切刃段は、上記内周側歯先部における周方向の中央部分を除く両側部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の前期混合切刃段と、上記中央部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の後期混合切刃段とによって構成されていてもよい。
この場合には、内周側歯先部の切削をする際の複数の混合切刃の切込量を適切にすることができる。
上記他の態様のブローチカッタにおいては、上記混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の径方向の中心位置よりも外周側の形成部位を、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位と同時に切削する形状を有していてもよい。
複数の切刃段において、ワークにおける、歯本体部の形成部位の切削は、ワークにおける、内周側歯先部の形成部位の切削よりも先に行われる。また、内周側歯先部の形成部位の切削は、歯本体部の形成部位の切削がある程度進んだ段階でしか行うことができない。そのため、混合切刃段は、歯本体部の径方向の中心位置よりも外周側の形成部位と、内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状とすることが好ましい。
以下に、ブローチカッタにかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例のブローチカッタ1は、図1、図2に示すように、軸方向Lに並んで形成された複数の切刃段2,3,4によってワーク8の加工穴81を順次切削する。ブローチカッタ1は、各切刃段2,3,4の周方向Cに並ぶ複数の切刃21,31,41によって、周方向Cに並ぶ複数の内歯82を加工穴81に形成するために用いられる。複数の切刃段2,3,4は、複数の切刃21,31,41の切削位置を、ワーク8の加工穴81の径方向Rに段階的に深くして切削するよう構成されている。
複数の切刃段2,3,4のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段3,4は、複数の内歯82における歯本体部821から径方向Rの外周側R1に延びる逃げ部822の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する形状を有している。ここで、形成部位とは、ワーク8における部位のことをいう。
以下に、本例のブローチカッタ1について、図1〜図5を参照して詳説する。
図1に示すように、本例のブローチカッタ1は、ブローチ加工機に取り付けられ、円盤状のワーク8の中心に形成された加工穴81としての丸穴に、引抜き加工を行うために使用される。ワーク8の加工穴81に引抜き加工を行うときには、ブローチカッタ1における複数の切刃段2,3,4が、ワーク8の加工穴81を通過する。
ブローチカッタ1の両端部には、ブローチカッタ1をブローチ加工機に取り付けるためのシャンク部11が形成されている。ブローチカッタ1の切削方向(引抜き方向)Sの上流側に位置するシャンク部11の下流側に隣接する位置には、ワーク8の加工穴81の中心をブローチカッタ1の中心に案内するための案内部12が形成されている。なお、以下の記載において、上流側とは切削方向Sの上流側のことを示し、下流側とは切削方向Sの下流側のことを示す。
図1、図2に示すように、ブローチカッタ1における、案内部12の下流側に隣接する位置には、複数の切刃21によって、ワーク8における、複数の内歯82の歯本体部821の形成部位を切削するための複数の歯本体部切刃段2が形成されている。複数の切刃21は、ワーク8の加工穴81を径方向Rに段階的に深く切削するよう構成されている。
ここで、図1においては、ブローチカッタ1において、複数の歯本体部切刃段2が軸方向Lに並んで形成された部分をL1で示し、複数の前期混合切刃段3が軸方向Lに並んで形成された部分をL2で示し、複数の後期混合切刃段4が軸方向Lに並んで形成された部分をL3で示す。また、図2においては、各切刃段2,3,4における切刃21,31,41が、ワーク8の加工穴81を段階的に深く切削して、内歯82を形成する状態を示す。
また、図2に示すように、内歯82の歯本体部821は、周方向Cの両側に位置する歯面を有する。逃げ部822は、歯本体部821から径方向Rの外周側R1に形成されており、歯本体部821の周方向Cの幅よりも狭い周方向Cの幅を有している。
図3には、ブローチカッタ1において、前期混合切刃段3と後期混合切刃段4とが軸方向Lに並んで形成された状態を示す。同図に示すように、複数の前期混合切刃段3は、複数の歯本体部切刃段2の下流側に隣接して形成されており、複数の後期混合切刃段4は、複数の前期混合切刃段3の下流側に隣接して形成されている。
図4(a)には、ワーク8の加工穴81に対して切削加工する前期混合切刃31を示し、図4(b)には、ワーク8の加工穴81に対して切削加工する後期混合切刃41を示す。同図に示すように、複数の混合切刃段3,4は、内周側歯先部823における周方向Cの中央部分824を除く両側部分825の形成部位を、逃げ部822の形成部位と同時に切削するための複数の前期混合切刃段3と、中央部分824の形成部位を逃げ部822の形成部位と同時に切削するための複数の後期混合切刃段4とによって構成されている。
図5(a)には、前期混合切刃31によって径方向Rに段階的に切削加工されるワーク8の加工穴81の状態を示し、図5(b)には、後期混合切刃41によって径方向Rに段階的に切削加工されるワーク8の加工穴81の状態を示す。同図に示すように、複数の前期混合切刃段3及び複数の後期混合切刃段4は、複数の各混合切刃31,41の径方向Rへの切削位置を段階的に深くし、この各混合切刃31,41によって、逃げ部822の形成部位及び内周側歯先部823の形成部位を同時に切削する。
前期混合切刃段3における複数の前期混合切刃31と、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41とに分担して、内歯82における内周側歯先部823を切削することにより、内周側歯先部823を切削する切込量を適切にすることができる。
図4(a)に示すように、前期混合切刃段3における複数の前期混合切刃31は、内周側歯先部823における両側部分825の形成部位を切削するための一対の内周側切刃部分311と、逃げ部822の形成部位を切削するための外周側切刃部分312とを有している。一対の内周側切刃部分311の左右両側に位置する先端角部311Aと、外周側切刃部分312の一対の先端角部312Aとには、各先端角部311A,312Aの磨耗を低減させるための曲面形状が形成されている。
図4(b)に示すように、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41は、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位を切削するための一対の内周側切刃部分411と、逃げ部822の形成部位を切削するための外周側切刃部分412とを有している。外周側切刃部分412の一対の先端角部412Aには、各先端角部411A,412Aの磨耗を低減させるための曲面形状が形成されている。
また、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41の内周側切刃部分411は、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位の全体を切削しない。そして、この中央部分824は、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41の内周側切刃部分411による切削後において、内周側歯先部823における両側部分825から突出する状態に残される。
図2に示すように、複数の歯本体部切刃段2、複数の前期混合切刃段3及び複数の後期混合切刃段4は、ワーク8の加工穴81の径方向Rに順次切り込んで内歯82の途中形状を切削する荒切削用の切刃段である。
図1に示すように、複数の後期混合切刃段4の下流側に隣接する位置には、仕上げ切削用の切刃段として、ワーク8の加工穴81の内歯82の途中形状の周方向Cに段階的に深く切り込む複数のシェル切刃段5が形成されている。複数のシェル切刃段5は、ブローチカッタ1の軸方向Lに複数並んで形成されており、周方向Cに並ぶ複数の切刃51を有している。図2に示すように、複数のシェル切刃段5における複数の切刃51によって、内歯82における歯本体部821の一対の歯面の形状が形成される。なお、シェル切刃段5の下流側に隣接する位置には、ワーク8の加工穴81の中心をブローチカッタ1の中心に案内するための別の案内部が形成されていてもよい。
本例のブローチカッタ1は、インボリュート曲線に沿った歯本体部821を有するインボリュートスプライン形状の内歯82を、周方向Cに複数形成するものである。また、ブローチカッタ1によって切削する内歯82は、歯本体部821がワーク8の軸方向Lに対して捩れたヘリカル状のものである。ブローチカッタ1は、ヘリカルギヤとしての内歯82車を形成する。
なお、ブローチカッタ1は、互いに平行な歯本体部821を有する角形スプライン形状の内歯82を、周方向Cに複数形成するものとすることもできる。また、ブローチカッタ1における各切刃段2,3,4,5の複数の切刃21,31,41,51は、周方向Cの全周に等間隔に形成されていてもよい。また、各切刃段2,3,4,5の複数の切刃21,31,41,51は、周方向Cの全周に形成されていなくてもよく、例えば、周方向Cの2〜8箇所に形成されていてもよい。
次に、本例のブローチカッタ1の作用効果について説明する。
本例のブローチカッタ1においては、複数の歯本体部切刃段2の切削方向Sの下流側に、複数の前期混合切刃段3と複数の後期混合切刃段4とが、切削方向Sの上流側から順に形成されている。そして、内周側歯先部823における両側部分825の形成部位が、複数の前期混合切刃段3における各前期混合切刃31の内周側切刃部分311によって切削される時には、これと同時に、逃げ部822の形成部位が、複数の前期混合切刃段3における各前期混合切刃31の外周側切刃部分312によって切削される。
これにより、内周側歯先部823における両側部分825の形成部位が、各前期混合切刃31の内周側切刃部分311によって切削される時の、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれは、各前期混合切刃31の外周側切刃部分311の形成部位が、逃げ部822を切削していることによって防止することができる。こうして、各前期混合切刃段3における複数の前期混合切刃31自体によって、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれを防止することができる。そして、切削後のワーク8において、逃げ部822の外周側面と内周側歯先部823における両側部分825の内周側面との同心度を良好に維持することができる。
また、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位が、複数の後期混合切刃段4における各後期混合切刃41の内周側切刃部分411によって切削される時には、これと同時に、逃げ部822の形成部位が、複数の後期混合切刃段4における各後期混合切刃41の外周側切刃部分412によって切削される。これにより、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位が、各後期混合切刃41の内周側切刃部分411によって切削される時の、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれは、各後期混合切刃41の外周側切刃部分412の形成部位が、逃げ部822を切削していることによって防止することができる。こうして、各後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41自体によって、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれを防止することができる。そして、切削後のワーク8において、逃げ部822の外周側面と内周側歯先部823における中央部分824の内周側面との同心度を良好に維持することができる。
また、切削後のワーク8においては、歯本体部821、逃げ部822及び内周側歯先部823の全体の同心度が良好に維持される。これにより、ワーク8によって構成される歯車の噛み合い長さが変化せず、歯車に生ずる振動や騒音を低減することができる。また、歯面基準で回転する歯車の回転バランスが悪化することを防止することができる。さらに、内周側歯先部は、ブローチ加工後の後工程での加工基準として使用される場合が多く、この加工基準の精度を良好に維持することができる。
また、本例のブローチカッタ1においては、逃げ部822の形成部位を切削する複数の第1切刃段の機能と、内周側歯先部823の形成部位を切削する複数の第2切刃段の機能とを、各混合切刃段3,4に持たせることができる。これにより、複数の切刃の切込量を同じにする条件下においては、第1切刃段と第2切刃段とが別々に形成されたブローチカッタの軸方向Lの長さに比べて、半分の軸方向Lの長さのブローチカッタ1によって、各混合切刃段3,4を形成することができる。
また、第1切刃段と第2切刃段とが別々に形成されたブローチカッタの軸方向Lの長さを維持する場合には、各混合切刃段3,4が形成されたブローチカッタ1においては、各混合切刃段3,4の形成ピッチを半分にして、各混合切刃段3,4の段数を2倍に増やすことができる。そして、各混合切刃段3,4における各混合切刃31,41がワーク8の加工穴81を切削する切込量を、半分にすることができる。
その結果、切込量を小さくすることに応じて、ブローチカッタ1に生じる摩耗を少なくすることができる。また、各混合切刃段3,4の形成ピッチを小さくするとともに各混合切刃段3,4の段数を増やすことにより、ワーク8に対して同時に切削をする各混合切刃段3,4の段数が多くなる。このことにより、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれを、より効果的に防止することができる。
特に、軸方向Lの長さ(幅)が小さいワーク8を切削する場合においても、2段以上の混合切刃段3,4がワーク8の加工穴81に同時に接触することになる。そのため、形成ピッチが小さい混合切刃段3,4によって、ブローチカッタ1とワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれの防止、言い換えれば、ワーク8に対するブローチカッタ1の径方向Rの案内を効果的に行うことができる。
また、本例のブローチカッタ1においては、歯本体部切刃段2が、ワーク8における、歯本体部821の形成部位を切削する時に、ワーク8における、内周側歯先部823の形成部位を同時に切削することがほとんどなくなる。そのため、歯本体部切刃段2による歯本体部821の形成部位の切削において、他の形成部位を切削することによる影響が生じることを低減でき、歯本体部821を切削する精度を良好にすることができる。
なお、複数の混合切刃段3,4の形成段数及び各混合切刃31,41の切込量は、任意に決定することができる。
それ故、本例のブローチカッタ1によれば、ワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができる。
(実施例2)
本例は、図6、図7に示すように、複数の歯本体部切刃段2のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段2A,2Bが、複数の内歯82における歯本体部821の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する形状を有している場合について示す。
本例の複数の混合切刃段2A,2Bは、複数の内歯82における歯本体部821の径方向Rの中心位置よりも外周側の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する。また、複数の混合切刃段2A,2Bは、歯本体部切刃段2における後段側の部位に形成されている。
複数の混合切刃段2A,2Bは、内周側歯先部823における周方向Cの中央部分824を除く両側部分825の形成部位を、歯本体部821の形成部位と同時に切削するための複数の前期混合切刃段2Aと、中央部分824の形成部位を歯本体部821の形成部位と同時に切削するための複数の後期混合切刃段2Bとによって構成されている。ブローチカッタ1において、複数の後期混合切刃段2Bは、複数の前期混合切刃段2Aの切削方向Sの下流側に隣接して形成されている。
図6(a)には、ワーク8の加工穴81に対して切削加工する前期混合切刃2Aを示し、図6(b)には、ワーク8の加工穴81に対して切削加工する後期混合切刃2Bを示す。図6(a)に示すように、前期混合切刃段2Aにおける複数の前期混合切刃21Aは、内周側歯先部823における両側部分825の形成部位を切削するための一対の内周側切刃部分211Aと、歯本体部821の形成部位を切削するための外周側切刃部分212Aとを有している。図6(b)に示すように、後期混合切刃段2Bにおける複数の後期混合切刃21Bは、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位を切削するための一対の内周側切刃部分211Bと、歯本体部821の形成部位を切削するための外周側切刃部分212Bとを有している。
図7(a)には、前期混合切刃21Aによって径方向Rに段階的に切削加工されるワーク8の加工穴81の状態を示し、図7(b)には、後期混合切刃21Bによって径方向Rに段階的に切削加工されるワーク8の加工穴81の状態を示す。同図に示すように、複数の前期混合切刃段2A及び複数の後期混合切刃段2Bは、複数の各混合切刃21A,21Bの径方向Rへの切削位置を段階的に深くし、各混合切刃21A,21Bによって、歯本体部821の形成部位及び内周側歯先部823の形成部位を同時に切削する。
本例のブローチカッタ1においては、各混合切刃段2A,2Bによって、ワーク8における、内周側歯先部823の形成部位が、ワーク8における、歯本体部821の形成部位と同時に切削される。そのため、内周側歯先部823の形成部位が切削される時には、ブローチカッタ1は歯本体部821による広い接触面積でワーク8に接触することができる。これにより、本例のブローチカッタ1においては、ブローチカッタ1とワーク8との径方向R及び周方向Cへの相対的な位置ずれを、より効果的に防止することができ、その寿命を延ばすことができる。
本例においても、その他の構成及び図示しない符号については実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
1 ブローチカッタ
3,4 混合切刃段
31,41 混合切刃
311,411 内周側切刃部分
312、412 外周側切刃部分
8 ワーク
81 加工穴
82 内歯
821 歯本体部
822 逃げ部
823 内周側歯先部
S 切削方向

Claims (4)

  1. 軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
    上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
    上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部から上記径方向の外周側に延びる逃げ部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタ。
  2. 上記混合切刃段は、上記内周側歯先部における周方向の中央部分を除く両側部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の前期混合切刃段と、上記中央部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の後期混合切刃段とによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブローチカッタ。
  3. 軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
    上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
    上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタ。
  4. 上記混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の径方向の中心位置よりも外周側の形成部位を、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位と同時に切削する形状を有していることを特徴とする請求項3に記載のブローチカッタ。
JP2013248512A 2013-11-29 2013-11-29 ブローチカッタ Active JP6225671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248512A JP6225671B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ブローチカッタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013248512A JP6225671B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ブローチカッタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015104787A true JP2015104787A (ja) 2015-06-08
JP6225671B2 JP6225671B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=53435230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013248512A Active JP6225671B2 (ja) 2013-11-29 2013-11-29 ブローチカッタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6225671B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019216593A1 (de) * 2019-10-29 2021-04-29 Forst Technologie Gmbh & Co. Kg Innen-Drallräumwerkzeug

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6430121U (ja) * 1987-08-12 1989-02-23
JPH0184921U (ja) * 1987-11-30 1989-06-06
JPH10202422A (ja) * 1997-01-13 1998-08-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ブローチ
JP2004160574A (ja) * 2002-11-12 2004-06-10 Nachi Fujikoshi Corp 溝加工用ブローチおよびブローチ加工方法
JP2006289536A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Nachi Fujikoshi Corp 内歯歯車加工用ブローチ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6430121U (ja) * 1987-08-12 1989-02-23
JPH0184921U (ja) * 1987-11-30 1989-06-06
JPH10202422A (ja) * 1997-01-13 1998-08-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ブローチ
JP2004160574A (ja) * 2002-11-12 2004-06-10 Nachi Fujikoshi Corp 溝加工用ブローチおよびブローチ加工方法
JP2006289536A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Nachi Fujikoshi Corp 内歯歯車加工用ブローチ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019216593A1 (de) * 2019-10-29 2021-04-29 Forst Technologie Gmbh & Co. Kg Innen-Drallräumwerkzeug
WO2021083878A1 (de) 2019-10-29 2021-05-06 Forst Technologie Gmbh & Co. Kg Innen-drallräumwerkzeug

Also Published As

Publication number Publication date
JP6225671B2 (ja) 2017-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5494359B2 (ja) ヘリカルブローチ
JP6089917B2 (ja) 不等リードエンドミル
JP2010064209A (ja) 荒加工用ヘリカルブローチ
TW201544219A (zh) 速差削溝加工用切刀
JP6295016B2 (ja) 総形回転切削工具
JP2013086209A (ja) ねじ切り用切削工具
US10369645B2 (en) Broaching cutter
WO2017163444A1 (ja) スカイビング加工用カッタ及びこれを使用する歯車製造方法
JP6225671B2 (ja) ブローチカッタ
JP5289617B1 (ja) 工具
JP2014193505A (ja) ブローチ
US9925607B2 (en) Helical broach
JP4911462B2 (ja) 内歯歯車の加工用ブローチ
JP2016068162A (ja) ブローチ
JP6244860B2 (ja) ブローチカッタ
JP2020026015A (ja) スカイビングカッター
JP2015077640A (ja) ヘリカルブローチ
JP2007229839A (ja) ブローチおよびブローチ加工方法
JP6368950B2 (ja) ブローチ
JP5573684B2 (ja) ヘリカルブローチ
JP2011056628A (ja) ブローチ
JP2005088116A (ja) 高硬度材加工用ブローチ工具
JP2010082786A (ja) ホブカッタ及び歯車の製造方法
EP2792443A1 (en) Thread mill
JP2016034678A (ja) ブローチおよびブローチ加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6225671

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150