JP2015104787A - ブローチカッタ - Google Patents
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特許文献1においては、歯本体部、一対の段部、小径部及び一対の外周部の各切削が、4種類の切刃によって別々に行われる。そのため、ブローチの全長を維持しつつ、4種類の切刃を別々に独立して配置するためには、各切刃の数を減らす必要がある。その結果、各切刃の1刃当たりの切込量が増え、各切刃が摩耗しやすくなる。
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部から上記径方向の外周側に延びる逃げ部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタにある。
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタにある。
特に、軸方向長さ(幅)が小さいワークを切削する場合においても、2段以上の混合切刃段がワークの加工穴に同時に接触することになる。そのため、形成ピッチが小さい混合切刃段によって、ブローチカッタとワークとの径方向への相対的な位置ずれの防止、言い換えれば、ワークに対するブローチカッタの径方向の案内を効果的に行うことができる。
それ故、上記一態様のブローチカッタによれば、ワークとの径方向への相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができる。
また、上記他の態様のブローチカッタにおいては、混合切刃段によって、ワークにおける、内周側歯先部の形成部位が、ワークにおける、歯本体部の形成部位と同時に切削される。そのため、内周側歯先部の形成部位が切削される時には、ブローチカッタは歯本体部による広い接触面積でワークに接触することができる。これにより、上記他の態様のブローチカッタにおいては、ブローチカッタとワークとの径方向及び周方向への相対的な位置ずれを、より効果的に防止することができ、その寿命を延ばすことができる。
上記一態様のブローチカッタにおいては、上記複数の切刃の切削位置を段階的に深くして上記歯本体部を切削するための複数の歯本体部切刃段と、上記複数の切刃の切削位置を段階的に深くして、上記逃げ部の形成部位及び上記内周側歯先部の形成部位を上記複数の混合切刃によって同時に切削するための複数の混合切刃段とが、切削方向の上流側から順次並んでいてもよい。
この場合には、内周側歯先部の切削をする際の複数の混合切刃の切込量を適切にすることができる。
複数の切刃段において、ワークにおける、歯本体部の形成部位の切削は、ワークにおける、内周側歯先部の形成部位の切削よりも先に行われる。また、内周側歯先部の形成部位の切削は、歯本体部の形成部位の切削がある程度進んだ段階でしか行うことができない。そのため、混合切刃段は、歯本体部の径方向の中心位置よりも外周側の形成部位と、内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状とすることが好ましい。
(実施例1)
本例のブローチカッタ1は、図1、図2に示すように、軸方向Lに並んで形成された複数の切刃段2,3,4によってワーク8の加工穴81を順次切削する。ブローチカッタ1は、各切刃段2,3,4の周方向Cに並ぶ複数の切刃21,31,41によって、周方向Cに並ぶ複数の内歯82を加工穴81に形成するために用いられる。複数の切刃段2,3,4は、複数の切刃21,31,41の切削位置を、ワーク8の加工穴81の径方向Rに段階的に深くして切削するよう構成されている。
複数の切刃段2,3,4のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段3,4は、複数の内歯82における歯本体部821から径方向Rの外周側R1に延びる逃げ部822の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する形状を有している。ここで、形成部位とは、ワーク8における部位のことをいう。
図1に示すように、本例のブローチカッタ1は、ブローチ加工機に取り付けられ、円盤状のワーク8の中心に形成された加工穴81としての丸穴に、引抜き加工を行うために使用される。ワーク8の加工穴81に引抜き加工を行うときには、ブローチカッタ1における複数の切刃段2,3,4が、ワーク8の加工穴81を通過する。
ブローチカッタ1の両端部には、ブローチカッタ1をブローチ加工機に取り付けるためのシャンク部11が形成されている。ブローチカッタ1の切削方向(引抜き方向)Sの上流側に位置するシャンク部11の下流側に隣接する位置には、ワーク8の加工穴81の中心をブローチカッタ1の中心に案内するための案内部12が形成されている。なお、以下の記載において、上流側とは切削方向Sの上流側のことを示し、下流側とは切削方向Sの下流側のことを示す。
ここで、図1においては、ブローチカッタ1において、複数の歯本体部切刃段2が軸方向Lに並んで形成された部分をL1で示し、複数の前期混合切刃段3が軸方向Lに並んで形成された部分をL2で示し、複数の後期混合切刃段4が軸方向Lに並んで形成された部分をL3で示す。また、図2においては、各切刃段2,3,4における切刃21,31,41が、ワーク8の加工穴81を段階的に深く切削して、内歯82を形成する状態を示す。
図3には、ブローチカッタ1において、前期混合切刃段3と後期混合切刃段4とが軸方向Lに並んで形成された状態を示す。同図に示すように、複数の前期混合切刃段3は、複数の歯本体部切刃段2の下流側に隣接して形成されており、複数の後期混合切刃段4は、複数の前期混合切刃段3の下流側に隣接して形成されている。
前期混合切刃段3における複数の前期混合切刃31と、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41とに分担して、内歯82における内周側歯先部823を切削することにより、内周側歯先部823を切削する切込量を適切にすることができる。
また、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41の内周側切刃部分411は、内周側歯先部823における中央部分824の形成部位の全体を切削しない。そして、この中央部分824は、後期混合切刃段4における複数の後期混合切刃41の内周側切刃部分411による切削後において、内周側歯先部823における両側部分825から突出する状態に残される。
図1に示すように、複数の後期混合切刃段4の下流側に隣接する位置には、仕上げ切削用の切刃段として、ワーク8の加工穴81の内歯82の途中形状の周方向Cに段階的に深く切り込む複数のシェル切刃段5が形成されている。複数のシェル切刃段5は、ブローチカッタ1の軸方向Lに複数並んで形成されており、周方向Cに並ぶ複数の切刃51を有している。図2に示すように、複数のシェル切刃段5における複数の切刃51によって、内歯82における歯本体部821の一対の歯面の形状が形成される。なお、シェル切刃段5の下流側に隣接する位置には、ワーク8の加工穴81の中心をブローチカッタ1の中心に案内するための別の案内部が形成されていてもよい。
本例のブローチカッタ1においては、複数の歯本体部切刃段2の切削方向Sの下流側に、複数の前期混合切刃段3と複数の後期混合切刃段4とが、切削方向Sの上流側から順に形成されている。そして、内周側歯先部823における両側部分825の形成部位が、複数の前期混合切刃段3における各前期混合切刃31の内周側切刃部分311によって切削される時には、これと同時に、逃げ部822の形成部位が、複数の前期混合切刃段3における各前期混合切刃31の外周側切刃部分312によって切削される。
それ故、本例のブローチカッタ1によれば、ワーク8との径方向Rへの相対的な位置ずれを効果的に防止して、その寿命を延ばすことができる。
本例は、図6、図7に示すように、複数の歯本体部切刃段2のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段2A,2Bが、複数の内歯82における歯本体部821の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する形状を有している場合について示す。
本例の複数の混合切刃段2A,2Bは、複数の内歯82における歯本体部821の径方向Rの中心位置よりも外周側の形成部位と、複数の内歯82における内周側歯先部823の形成部位とを同時に切削する。また、複数の混合切刃段2A,2Bは、歯本体部切刃段2における後段側の部位に形成されている。
本例においても、その他の構成及び図示しない符号については実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
3,4 混合切刃段
31,41 混合切刃
311,411 内周側切刃部分
312、412 外周側切刃部分
8 ワーク
81 加工穴
82 内歯
821 歯本体部
822 逃げ部
823 内周側歯先部
S 切削方向
Claims (4)
- 軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部から上記径方向の外周側に延びる逃げ部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタ。 - 上記混合切刃段は、上記内周側歯先部における周方向の中央部分を除く両側部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の前期混合切刃段と、上記中央部分の形成部位を上記逃げ部の形成部位と同時に切削するための複数の後期混合切刃段とによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブローチカッタ。
- 軸方向に並んで形成された複数の切刃段によってワークの加工穴を順次切削し、上記各切刃段の周方向に並ぶ複数の切刃によって、周方向に並ぶ複数の内歯を上記加工穴に形成するためのブローチカッタであって、
上記複数の切刃段は、上記複数の切刃の切削位置を、上記ワークの加工穴の径方向に段階的に深くして切削するよう構成されており、
上記複数の切刃段のうちの少なくとも2段以上に形成された混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の形成部位と、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位とを同時に切削する形状を有していることを特徴とするブローチカッタ。 - 上記混合切刃段は、上記複数の内歯における歯本体部の径方向の中心位置よりも外周側の形成部位を、上記複数の内歯における内周側歯先部の形成部位と同時に切削する形状を有していることを特徴とする請求項3に記載のブローチカッタ。
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DE102019216593A1 (de) * | 2019-10-29 | 2021-04-29 | Forst Technologie Gmbh & Co. Kg | Innen-Drallräumwerkzeug |
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WO2021083878A1 (de) | 2019-10-29 | 2021-05-06 | Forst Technologie Gmbh & Co. Kg | Innen-drallräumwerkzeug |
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