JP2015103700A - フィルムコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁破壊電圧が高いフィルムコンデンサを提供する。【解決手段】無機化合物粒子2aと樹脂3とを含む誘電体フィルム1が第2の主面1Bに設けられた電極層4を介して複数積層された積層体と、積層体の一対の側面に設けられた一対の外部電極7と、を備え、一対の外部電極7が、一対の側面に露出した電極層4とそれぞれ電気的に接続されたフィルムコンデンサであって、誘電体フィルム1の第1の主面1Aが、樹脂3からなる第1の樹脂面3Aと、無機化合物粒子2aを含み第1の樹脂面3Aから突出した突出部2と、を有し、第1の主面1Aに対向する電極層4の第1の電極表面4Aが、突出部2と接するとともに、第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間に、第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間隔の平均値が1000nm以下である空隙5を有し、空隙5に絶縁性の気体が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムコンデンサに関する。
フィルムコンデンサは、例えば、ポリプロピレン樹脂をフィルム化した誘電体フィルムの表面に蒸着によって形成された金属膜を電極として有している。このような構成により、誘電体フィルムの絶縁欠陥部で短絡が生じた場合にも、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散して絶縁化し、フィルムコンデンサの絶縁破壊を防止できるという利点を有している。これを自己回復機能と呼ぶ。
このため、フィルムコンデンサは電気回路が短絡した際の発火や感電を防止することができるという点が注目され、近年、LED(Light Emitting Diode)照明等の電源回路への適用を始め、用途が拡大しつつある(例えば、特許文献1を参照)。
また、特許文献2では、コンデンサ素子および外部電極内部に耐電圧上昇作用を有するガスを封入することにより、コンデンサが長時間使用され、自己回復を繰り返し続けた後の終局破壊時においても、誘電体フィルムが分解して発生する可燃性ガスによるコンデンサ素子の発火・焼損する危険を防止できることが示されている。
特開2010−178571号公報 特開2002−289460号公報
しかしながら、特許文献2に示されたフィルムコンデンサは、金属化フィルムを積層巻回後、外部電極を形成する際にガスを封入したものであり、短絡が起こる可能性が比較的高い密着したフィルム間にガスを封入することはできないため、発火・焼損の防止には未だ不充分であった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、絶縁破壊電圧を高め、終局破壊時における発火・焼損の可能性をより低減できるフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
本発明のフィルムコンデンサは、絶縁性の無機化合物粒子と樹脂とを含む誘電体フィルムが電極層を介して複数積層された積層体と、該積層体の一対の側面に設けられた一対の外部電極と、を備え、一対の該外部電極が、一対の前記側面に露出した前記電極層とそれぞれ電気的に接続されたフィルムコンデンサであって、前記誘電体フィルムの第1の主面が、樹脂からなる第1の樹脂面と、該第1の樹脂面から前記無機化合物粒子が突出した突出部と、を有し、前記電極層が前記誘電体フィルムの第2の主面に設けられており、前記第1の主面に対向する前記電極層の第1の電極表面が、前記突出部と接するとともに、前記第1の電極表面と前記第1の樹脂面との間に、前記第1の電極表面と前記第1の樹脂面との間隔の平均値が1000nm以下である空隙を有し、該空隙に絶縁性の気体が存在することを特徴とする。
本発明によれば、絶縁破壊電圧を高め、終局破壊時における発火・焼損の可能性をより低減できるフィルムコンデンサを提供することができる。
(a)は、本発明の一実施形態であるフィルムコンデンサの一部を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)におけるX−X線断面図である。 本発明の別の実施形態であるフィルムコンデンサの一部を示した断面図である。 フィルムコンデンサの外観斜視図である。
本発明のフィルムコンデンサの実施形態について、図1〜3を基に説明する。本実施形態において、誘電体フィルム1は、図1に示すように、無機化合物粒子2aと樹脂3とを含み、その第1の主面1Aには、樹脂3からなる第1の樹脂面3Aと、無機化合物粒子2aが第1の樹脂面3Aから突出した突出部2とを備える構成となっている。なお、図1および図2では、理解を容易にするために誘電体フィルム1の積層方向を誇張して示しており、実際の寸法関係を反映したものではない。
一方、誘電体フィルム1の第2の主面1Bには電極層4が形成されており、電極層4の第1の電極表面4Aと他の誘電体フィルム1の第1の主面1Aとが対向するように誘電体フィルム1を重ね合わせることにより積層体が形成される。なお、ここでいう積層体とは、誘電体フィルム1と電極層4とが交互に重ねあわされたものであり、たとえば矩形状の誘電体フィルム1と電極層4とが交互に積層された積層体以外に、長尺状の誘電体フィルム1と電極層4とが巻回された構造も含む。
積層体の電極層4が露出した一対の側面には、一対の外部電極7が設けられ、一対の側面に露出した電極層4とそれぞれ電気的に接続されている。
本実施形態においては、第1の電極表面4Aと誘電体フィルム1の第1の主面1Aとは、突出部2において接するとともに、第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間に空隙5を有し、空隙5に絶縁性の気体が存在している。
空隙5に絶縁性の気体が存在することにより、第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間に絶縁性の気体層が形成される。この絶縁性の気体層、たとえば空気や窒素(N)などの層により、フィルムコンデンサの絶縁破壊電圧(BDV)が向上するという効果が得られ、その結果、発煙・発火の可能性が低減される。このような効果は、パッシェンの法則からわかるように、たとえば気体層が1気圧の空気からなる場合、空隙5の厚さ(第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間隔)すなわち気体層の厚さが特に1000nm以下の場合において顕著となり、この時の気体層のBDVはおよそ300V以上にもなる。
したがって、本実施形態では、空隙5における第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間隔の平均値を、1000nm以下とする。また、空隙5における間隔の平均値を200nm以下、さらには100nm以下とすることで、空隙の形成状態がより安定したものとなり、フィルムコンデンサ全体としての絶縁破壊電圧(BDV)をさらに高く安定したものとすることができる。
なお、第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間の間隔の平均値は、たとえば、フィルムコンデンサをクロスセクションポリッシャー(CP)などにより加工して得られた
積層体の積層方向または巻回軸に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、任意の10か所について第1の電極表面4Aと第1の樹脂面3Aとの間隔を測定してその平均値をとればよい。
また、空隙5にさらに絶縁性の高い気体が存在することで、さらにBDVが向上するため好ましい。絶縁性の高い気体としては、例えば、窒素(N)や六フッ化硫黄(SF)、ヨウ化トリフルオロメタン(CFI)などが挙げられる。
空隙5に存在する気体は、積層体および外部電極7の外表面に設けられた樹脂等からなる外装部材(図示せず)により、空隙5内に保持される。特に矩形状の誘電体フィルム1と電極層4とが交互に積層された積層体を用いる場合、積層体の少なくとも外部電極7が設けられていない側面を外装部材により封止することが効果的である。この外装部材は、積層体および外部電極7の外表面を全て覆うもの、たとえばケースと樹脂とを用いて積層体を埋設するようなものであってもよいし、また、積層体および外部電極7の外表面の一部のみ、たとえば積層体の一対の側面に設けられた外部電極7や積層体の他の側面などを被覆する被覆層であってもよい。
空隙5の内部に気体を充填するには、たとえば誘電体フィルム1と電極層4とを積層または巻回する際に、所望の気体の雰囲気中で行えばよい。また、空隙5に存在する気体の種類は、真空中でフィルムコンデンサを破断したり、積層部に穴をあけるなどして得られた気体を、ガスクロマトグラフィなどを用いて確認すればよい。
なお、誘電体フィルム1の第1の主面1Aにおいて、突出部2の表面は、無機化合物粒子2aが露出していてもよいが、図2に示すように樹脂3の薄い層により被覆されていていることが好ましい。これは、無機化合物粒子2aは電極層4を構成する金属との接着性が高く、樹脂3の方が第1の電極表面4Aとの滑り性が高い(摩擦係数が低い)ことによる。このように突出部2の表面と第1の電極表面4Aとの滑り性を高めることにより、誘電体フィルム1を巻回する際に誘電体フィルム1にかかる応力を小さくすることができ、欠陥の発生が抑制されフィルムコンデンサの信頼性が向上する。
また、無機化合物粒子2aが露出している場合でも、露出部は一部のみで、他の大部分が樹脂3に埋まっていることが好ましい。無機化合物粒子2aの大部分が樹脂3に埋まっていることにより、突出部2の誘電体フィルム1からの脱落を防止することができる。なお、無機化合物粒子2aは、表面に表面改質剤などが塗布されたものであってもよい。
隣接する突出部2同士の間隔は、たとえば50μm以下とすればよい。このような間隔で突出部2が配置されることにより、第1の樹脂面3Aと第1の電極表面4Aとが接触することなく空隙5を形成することができる。なお、隣接する突出部2同士の間隔が50μm以下であるとは、ある突出部2の中心から半径50μmの領域内に、他の突出部2が存在することをいう。
突出部2は、それぞれ1個の無機化合物粒子2aにより構成されていてもよいし、複数の無機化合物粒子2aの集合体から構成されていてもよい。また、無機化合物粒子2aは、誘電体フィルム1の第1の主面1A上にのみ存在してもよいし、第1の主面1A上だけでなく誘電体フィルム1の内部に埋没したものがあってもよい。
突出部2を形成する無機化合物粒子2aのサイズ(平均粒径)としては、無機化合物粒子2aの凝集の低減や無機化合物粒子2a同士が当接したときに誘電体フィルム1が変形しやすくなるという理由から、10〜1000nmであることが望ましい。
また、誘電体フィルム1の内部に埋没した無機化合物粒子2aが存在する場合、誘電体フィルム1における無機化合物粒子2aの割合は、1〜10体積%、特に、2〜7体積%であることが望ましい。
上記の構成を有する誘電体フィルム1としては、その平均厚みが3μm、特には、2μmといった薄層化したものを好適に用いることができる。また、第2の主面1Bの算術平均粗さ(Sa)についても50nm以下、特に、10nm以下と平滑な表面を有するものが適している。
誘電体フィルム1の突出部2の状態や、空隙5の有無については、例えば、フィルムコンデンサなどの積層体の誘電体フィルム1から化学的方法あるいは物理的方法によって電極層4を除去した表面や、フィルムコンデンサなどの積層体の積層方向または巻回軸に垂直な断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)などの分析装置を用いて観察することで確認できる。無機化合物粒子2aの平均粒径や割合は、たとえば誘電体フィルム1の断面において、走査型電子顕微鏡(SEM)およびエネルギー分散型X線分光(EDS)により無機化合物粒子2aを判別し、断面のSEM写真を用いて画像解析により算出すればよい。
図3は、フィルムコンデンサの外観斜視図である。本実施形態のフィルムコンデンサは、矩形状の誘電体フィルム1と電極層4とが交互に積層された積層体を用いた積層型のフィルムコンデンサであってもよいし、長尺状の誘電体フィルム1と電極層4とを巻回した構造の積層体を用いた巻回型のフィルムコンデンサであってもよい。ただし、積層型のフィルムコンデンサの場合には、空隙5に存在する気体がフィルムコンデンサの外部に逃げないように、積層体の少なくとも外部電極7が設けられていない側面において、誘電体フィルム1同士を熱圧着したり、前述したような樹脂などの被覆からなる外装部材16を設ける必要がある。
これらのフィルムコンデンサは外部電極7に端子としてさらにリード線15を有していても良いが、フィルムコンデンサの小型化という点でリード線15を有しない構造が望ましい。また、リード線15の一部が外装部材16に覆われていてもよい。
本実施形態のフィルムコンデンサは、例えば、以下に示すような製造方法によって得ることができる。まず、誘電体フィルム1の母材となる樹脂3を用意する。樹脂3としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびシクロオレフィンポリマー(COP)、などが好適である。
これらの樹脂3の室温(約25℃)における比誘電率(ε)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が3.3、ポリプロピレン(PP)が2.2、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が3.0、シクロオレフィンポリマー(COP)が2.2〜3.0である。
また、これらの樹脂3の室温(約25℃)における絶縁破壊電界(BDE)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が310(V/μm)、ポリプロピレン(PP)が380(V/μm)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が210(V/μm)、シクロオレフィンポリマー(COP)が370〜510(V/μm)である。
無機化合物粒子2aとしては、アルミナ、酸化チタン、二酸化珪素などの無機酸化物、窒化珪素など無機窒化物、ガラスなどを用いることができる。特に、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物など比誘電率の高い材料を無機化合物粒子2aとして用いることにより、誘電体フィルム1全体の比誘電率が向上し、フィルムコンデンサを小型化すること
ができる。また、無機化合物粒子2aと樹脂3との相溶性を高める上で、無機化合物粒子2aにシランカップリング処理やチタネートカップリング処理等の表面処理を行っても良い。
誘電体フィルム1は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムを基材として、その表面にまず、樹脂3をシート状に形成し、さらに形成したシート状の樹脂3の表面に、無機化合物粒子2aを含む分散液を塗布することにより得ることができる。無機化合物粒子2aを含む分散液としては、樹脂3を含まないものを用いてもよいが、誘電体フィルム1と無機化合物粒子2aとの接着性や、突出部2の表面を樹脂3で被覆することが好ましいという点から、樹脂3を含むものを用いることが好ましい。
成膜方法としては、ドクターブレード法、ダイコータ法およびナイフコータ法等、周知の成膜方法から適宜選択すればよい。
成膜に使用する溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、又は、これらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を用いるのがよい。
次に、誘電体フィルム1を基材から剥離して、誘電体フィルム1の基材側の面である第2の主面1BにAl(アルミニウム)などの金属成分を蒸着することによって電極層4を形成し、次いで、電極層4を形成した誘電体フィルム1を、絶縁性を有する気体の雰囲気中で巻回して積層体を得る。
次に、得られた積層体をフィルムコンデンサの本体部13として、その電極層4が露出した端面に外部電極7を形成する。外部電極7の形成には、例えば、金属の溶射や半田付けなどが好適である。また、ここで、外部電極7にリード線15を形成しても良い。次いで、外部電極7(リード線15を含む)を形成した本体部13の表面に樹脂からなる外装部材16を形成することによって本実施形態のフィルムコンデンサを得ることができる。
具体的な材料の選択を行って誘電体フィルムを作製し、以下の評価を行った。
まず無機化合物粒子として平均粒径が10〜700nmのアルミナ粒子(比誘電率:9)を用い、樹脂との相溶性を向上させるためにシランカップリング処理を行った。これをシクロヘキサンに分散させることによりアルミナ粒子分散液を準備した。樹脂としては、ポリシクロオレフィンポリマー(分子量:Mw=20000、比誘電率2.2)を用いた。
次に、シクロヘキサンに溶解したシクロオレフィンポリマーを、コータを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの基材上に塗布することにより、シート状に成形した。さらに、成形したシート状のシクロオレフィンポリマーの表面が乾燥する前に、その表面にアルミナ粒子分散液を塗布し、誘電体フィルムを作製した。
作製した誘電体フィルムは、180℃で脱溶剤を行った後に基材から剥離し、基材側の面を第2の主面として平均厚みが75nmのAlの電極層を真空蒸着法により形成した。得られた電極層つきの誘電体フィルムを、表1に記載した気体の雰囲気中で巻回して積層体とし、メタリコン処理により外部電極を形成し、メタリコン層の表面にリード線を接続
してフィルムコンデンサを作製した。
誘電体フィルムの平均厚み(膜厚)は、脱溶剤後の誘電体フィルムの一部を切り取り、10等分した領域を測定した平均値より求めた。誘電体フィルムの平均厚みを表1に示す。
誘電体フィルムの第1の樹脂面と第1の電極表面との間の空隙の状態については、作製したフィルムコンデンサをクロスセクションポリッシャー(CP)により加工し、得られた断面をエネルギー分散型X線分光(EDS)および走査型電子顕微鏡(SEM)観察により確認した。第1の電極表面と第1の樹脂面との間の空隙の平均間隔は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により任意の10か所について第1の樹脂面と第1の電極表面との間隔を測定し、その平均値とした。
フィルムコンデンサの絶縁破壊電界(BDE)は、試験電圧を1分間印加して、静電容量が初期状態の95%以下となる電圧をフィルムコンデンサの絶縁破壊電圧(BDV)とし、得られたBDVの値と誘電体フィルムの平均厚みと空隙の平均間隔との和をもとに算出した。これらの結果を表1に示す。
なお、フィルムコンデンサの内部に含まれる気体の種類は、フィルムコンデンサをヘッドスペースバイアル瓶に入れて密閉し、シリンジで瓶の内部の空気を吸い出した後、シリンジを用いてフィルムコンデンサを壊し、得られた気体をガスクロマトグラフィにて分析した。その結果、フィルムコンデンサの内部に含まれる気体は、フィルムコンデンサを作製した際の雰囲気と同じ気体であることを確認した。
試料No.2〜10は、誘電体フィルムの第1の主面に突出部を有し、第1の樹脂面と第1の電極表面との間に空隙が存在し、その平均間隔が1000nm以下であった。これに対し、無機化合物粒子を含まない試料No.1では、突出部が形成されず、積層体の第1の樹脂面と第1の電極表面との間に空隙が存在しなかった。
また、各試料について絶縁破壊電界(BDE)を評価したところ、空隙内に空気を有す
る試料No.2、3は、空隙のない試料No.1よりも高い値を示し、また空隙内に窒素を有する試料No.4、5では、試料No.2、3よりも高い値を示した。なお、分散性の低いアルミナ粒子分散液を用いた試料No.6、8、10においても空隙が形成されており、高い絶縁破壊電界(BDE)を示した。
1 : 誘電体フィルム
1A : 誘電体フィルムの第1の主面
1B : 誘電体フィルムの第2の主面
2 : 突出部
2a : 無機化合物粒子
3 : 樹脂
3A : 第1の樹脂面
4 : 電極層
4A : 第1の電極表面
5 : 空隙
7 : 外部電極
13 : 本体部
15 : リード
16 : 外装部材

Claims (6)

  1. 絶縁性の無機化合物粒子と樹脂とを含む誘電体フィルムが電極層を介して複数積層された積層体と、該積層体の一対の側面に設けられた一対の外部電極と、を備え、一対の該外部電極が、一対の前記側面に露出した前記電極層とそれぞれ電気的に接続されたフィルムコンデンサであって、
    前記誘電体フィルムの第1の主面が、樹脂からなる第1の樹脂面と、該第1の樹脂面から前記無機化合物粒子が突出した突出部と、を有し、
    前記電極層が前記誘電体フィルムの第2の主面に設けられており、前記第1の主面に対向する前記電極層の第1の電極表面が、前記突出部と接するとともに、前記第1の電極表面と前記第1の樹脂面との間に、前記第1の電極表面と前記第1の樹脂面との間隔の平均値が1000nm以下である空隙を有し、該空隙に絶縁性の気体が存在することを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 前記空隙における前記第1の樹脂面と前記第1の電極表面との間隔の平均値が、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記絶縁性の気体が、窒素(N)、六フッ化硫黄(SF)およびヨウ化トリフルオロメタン(CFI)からなる群のうち、少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記積層体および前記外部電極の外表面に、外装部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記突出部の表面に、樹脂の被覆を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記無機化合物粒子の平均粒径が10〜1000nmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
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