以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る照明装置20は、停電時に補助光源25を点灯する。また、照明装置20は、停電が発生してから予め定められた時間が経過した後に補助光源25を点灯する。ここで、人間の目は、暗い状況においては少ない光を検知できるように順応する性質(暗順応)を有する。よって、停電時に、直ちに補助光源25を点灯するのではなく、人の目が暗さになれたころに補助光源25を点灯することにより、ユーザは、同じ明るさであっても周囲の状況をより把握できる。または、ユーザが、より暗い光でも周囲の状況を把握できるので、補助光源25の明るさを抑えることができる。これにより、長時間、補助光源25を点灯することができる。
まず、本実施の形態に照明装置20の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る照明装置20の構成を説明するための図である。図1に示す照明システムは、照明装置20と、照明装置20を制御するリモコン30とを備える。
照明装置20は、リモコン30によって点灯、消灯及び明るさの調光が制御され、例えば、部屋に設けられるシーリングライトである。リモコン30は、照明装置20を制御するための携帯型の操作装置である。
照明装置20は、主光源24と、補助光源25と、リモコン受信部28と、操作ボタン29と、常夜灯32とを備える。なお、各構成要素の配置位置は一例であり、これらの配置は図1に示す例に限定されない。また、照明装置20は、これらの構成要素の一部を備えなくてもよい。
図2は、図1に示された照明装置20の構成を示すブロック図である。この照明装置20は、商用交流電源11に接続されて動作する。この照明装置20は、停電検知部21、電源回路22、蓄電回路23、主光源24、補助光源25、補助光源制御部26、点灯状態記憶部27、及び主光源制御部33を備える。
停電検知部21は、停電を検知する検出回路であり、商用交流電源11からの交流電力の供給が絶たれたことを検知する。図3は、停電検知部21による停電検知の原理の一例を示す図である。いま、商用交流電源11からの交流電力が、部屋の壁等に設けられた電源スイッチSWを介して、電源回路22が有するトランスTrに供給されているとする。停電検知部21は、トランスTrの一次側に供給される電圧、つまり、商用交流電源11からの交流電圧を直接監視し、そこに一定の閾値以上の電圧が発生していない場合に停電が発生していると検知する回路であり、比較回路、又は、スイッチ回路等で構成される。なお、この停電検知部21は、停電が発生しているときには、電力を必要としない信号状態(例えば、グランド電位)を出力するように構成され、停電中であっても電力を必要とすることなく、停電を知らせる信号状態を出力し続ける。また、この停電検知部21は、「停電中」という状態を知らせる信号を出力するので、停電からの復帰(復電)の検知にも用いられる。
なお、停電検知の方法は、上記に限定されず、停電検知部21は、電源スイッチSWより後段の交流電圧、電源回路22の内部の交流或いは直流電圧、又は、電源回路22により生成された直流電圧を監視してもよい。なお、これらの場合には、電源スイッチSWの切断と、停電とを区別することはできない。また、停電検知部21は、電圧ではなく電流を監視してもよい。つまり、停電検知部21は、照明装置20に外部(商用交流電源11)から電力が供給されているか否かを検知する。
電源回路22は、商用交流電源11からの交流電力を直流電力に変換し、得られた直流電力を蓄電回路23及び主光源制御部33に供給する回路である。
蓄電回路23は、電源回路22から供給された直流電力を蓄電し、停電時に、補助光源制御部26に電力を供給する。この蓄電回路23は、例えば、電解コンデンサ等から構成される。なお、蓄電回路23は、商用交流電源11からの交流電力、又は、商用交流電源11からの交流電力を直流電力に変換する他の電源回路(図示せず)で生成された直流電力を蓄積してもよい。
主光源24は、この照明装置20の主要な光源であり、例えば、蛍光灯、白熱灯、及び、LED(Light Emitting Diode)のいずれか、又は、それらの組み合わせで構成される。この主光源24は、電源回路22から供給される電力で発光する光源であり、停電時、上記電源スイッチSWが切断されたとき、又は、リモコン30による消灯の操作がなされたとき、消灯する。
主光源制御部33は、電源回路22からの電力を用いて主光源24の発光を制御する。具体的には、主光源制御部33は、リモコン30の操作に応じて、主光源24の点灯、消灯、及び明るさを制御する。
補助光源25は、主光源24が発光できない場合に補助的に発光する光源であり、例えば、LED等である。この補助光源25は、本実施の形態では、補助光源制御部26による制御の下で、蓄電回路23から供給される電力で発光するので、停電時、及び、上記電源スイッチSWが切断された時であっても点灯し得る。ただし、本実施の形態では、補助光源25は、蓄電回路23が有するコンデンサ等に一時的に蓄積された電力によって発光するので、発光を継続した場合には、その輝度が徐々に低下していき、一定時間後(例えば、2〜3分後)に消灯する。
点灯状態記憶部27は、停電が発生した直前の主光源24の点灯状態を記憶する。ここで点灯状態とは、主光源24が点灯されているか否かである。なお、点灯状態記憶部27は、点灯状態として、さらに、主光源24が点灯されている際の主光源24の明るさを示す情報を記憶してもよい。具体的には、点灯状態記憶部27は、リモコン30の操作により設定された、主光源24の点灯或いは消灯の状態、及び、点灯時の明るさを示す情報を記憶する。
補助光源制御部26は、停電時に蓄電回路23からの電力を用いて補助光源25の発光を制御する。具体的には、補助光源制御部26は、点灯状態記憶部27に記憶されている、停電直前の主光源24の点灯状態に応じて、停電発生から補助光源25を点灯するまでの時間を切り替える。より具体的には、図4Aに示すように、補助光源制御部26は、主光源24が点灯されていた場合には、停電発生から予め定められた時間T1が経過した後の時刻t1に補助光源25を点灯する。
ここで、人間の目は、暗い状況においては少ない光を検知できるように順応する性質(暗順応)を有する。よって、停電時に、直ちに補助光源25を点灯するのではなく、一端、暗い状態にすることにより、人の目が暗さになれる。その後、補助光源25を点灯することにより、ユーザは、同じ明るさであっても周囲の状況をより把握できる。または、ユーザが、より暗い光でも周囲の状況を把握できるので、補助光源25の明るさを抑えることができる。これにより、長時間、補助光源25を点灯することができる。
具体的には、暗順応は、最初の2〜3分は急速に、その後の5〜6分はややゆっくりと感度が変化する。また、本発明者は、実験により、上記のように、補助光源25の点灯を遅らせることにより、暗順応がより早く行われることを確認した。なお、暗い時間が長いほど暗順応は進むが、長時間暗い状態が続いた場合、長時間ユーザの行動が阻害される。よって、例えば、時間T1は、数秒〜十数秒程度である。また、時間T1は、3秒以上であることが好ましく、5〜10秒程度がより好ましい。
一方、図4Bに示すように、補助光源制御部26は、主光源24が点灯されていない場合、停電発生後、直ちに補助光源25を点灯する。これは、主光源24が点灯されていない状態では、既に暗順応が行われており、補助光源25の点灯を遅らせても、上記の効果がないためである。また、主光源24が消灯している状態とは、例えば、ユーザが睡眠中である夜中である場合が想定される。このような場合に、地震等により停電が発生した場合において、直ちに補助光源25が点灯されることにより、ユーザは、直ちに周囲の状況を把握することができる。
次に、補助光源制御部26の構成例を説明する。図5は、補助光源制御部26の構成を示す回路図である。図5に示すように、補助光源制御部26は、補助光源25を駆動する(電力を供給する)駆動回路26bと、駆動回路26bを制御する制御部26aとを含む。制御部26aは、例えば、制御プログラムを格納したメモリ、タイマー、A/D及びD/A変換器等を内蔵するマイクロコンピュータ等で構成される。
駆動回路26bは、トランジスタTR1及びTR2と、抵抗R1〜R3とを含む。なお、抵抗R2及びR3は補助光源25に供給される電流を制御するためのものなので、駆動回路26bは、これらの抵抗R2及びR3の一方又は両方を備えなくてもよい。
通常の状態(停電でない状態)において、制御部26aは、Hレベル(ハイレベル)の信号をトランジスタTR1に出力している。これにより、トランジスタTR1はオンし、それにより、トランジスタTR2はオフする。よって、補助光源25に電力が供給されず、補助光源25は発光しない。
停電発生時において、制御部26aは、停電検知部21からの通知に応じて、トランジスタTR1に供給する信号をHレベルからLレベル(ローレベル)に変化させる。これにより、トランジスタTR1はオフし、それにより、トランジスタTR2はオンする。よって、補助光源25に電力が供給され、補助光源25が発光する。
また、上述したように制御部26aは、停電直前の主光源24の点灯状態に応じて、トランジスタTR1に供給する信号をHレベルからLレベルに変化させるタイミングを切り替える。
また、停電中においても動作する必要がある回路(補助光源制御部26及び点灯状態記憶部27)は、蓄電回路23、照明装置20が備える他の蓄電回路(図示せず)、及び、照明装置20に内蔵されている電池等のバッテリー(図示せず)のうち少なくとも一つからの電力の供給を受けて動作する。例えば、図5に示すように、駆動回路26bには、蓄電回路23から電力が供給される。また、制御部26aは、少なくとも停電開始から補助光源25を点灯するまでの時間(数秒程度)、動作する必要があるので、例えば、この期間において、他の蓄電回路(例えばコンデンサ)からの電力で動作する。また、電源が制御部26aに供給されていない状態において、制御部26aの出力はLレベル又はハイインピーダンス状態になる。この状態では、図5に示す、トランジスタTR1はオフし、トランジスタTR2がオンするので、制御部26aに電源が供給されなくても、補助光源25に電力が供給され続ける。
次に、以上のように構成された照明装置20の動作の流れを説明する。
図6は、本実施の形態に係る照明装置20の動作を示すフローチャートである。ここでは、停電時における照明装置20の動作手順が示されている。
照明装置20の補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知されると(S10でYes)、点灯状態記憶部27に記憶されている、停電直前の主光源24の点灯状態を確認する(S11)。主光源24が点灯している場合(S11でYes)、補助光源制御部26は、予め定められた時間、待機する。次に、補助光源制御部26は、当該時間が経過したことを内蔵のタイマー等によって確認した後に(S12でYes)、補助光源25を点灯する(S13)。なお、待機時間が経過したことを判定する方法は、タイマー等を用いる方法に限らない。例えば、容量素子の充放電で時間の経過を判定するアナログ回路が用いられてもよい。
一方、主光源24が消灯している場合(S11でNo)、補助光源制御部26は、時間の経過を待たずに、直ちに補助光源25を点灯する(S13)。
なお、ここでは、主光源24が消灯している場合、補助光源制御部26は、直ちに補助光源25を点灯するが、第1時間経過後に補助光源25を点灯してもよい。この第1時間は、主光源24が点灯している場合に補助光源25が点灯されるまでの時間より短ければよい。
また、主光源24が消灯している場合と、点灯している場合とで、補助光源25の明るさ(補助光源25に供給される電力(電流値))が異なってもよい。
以上のように、本実施の形態に係る照明装置20は、外部から供給される電力で発光する主光源24と、主光源24の点灯状態を記憶する点灯状態記憶部27と、外部から供給される電力を蓄積する蓄電回路23と、蓄電回路23からの電力で発光する補助光源25と、停電を検知する停電検知部21と、停電検知部21で停電が検知された場合に、補助光源25を点灯させる補助光源制御部26とを備える。補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合、点灯状態記憶部27に記憶されている点灯状態に応じて、停電発生から補助光源25を点灯するまでの時間を決定する。
具体的には、主光源24の点灯状態は、当該主光源が点灯されているか否かであり、補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合において、主光源24が点灯されていない場合、停電が検知されてから第1時間経過後に補助光源25を点灯し、主光源24が点灯されていた場合、停電が検知されてから、第1時間より長い第2時間経過後に補助光源25を点灯する。
これにより、照明装置20は、人の目が暗さになれたころに補助光源25を点灯できるので、ユーザは、同じ明るさであっても周囲の状況をより把握できる。または、ユーザが、より暗い光でも周囲の状況を把握できるので、補助光源25の明るさを抑えることができる。これにより、長時間、補助光源25を点灯することができる。
また、上記第2時間は3秒以上であってもよい。
これにより、ユーザの暗順応を進めることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1の変形例について説明する。上記実施の形態1では、主光源24が点灯している場合に、所定期間の間、補助光源25が点灯されない。これにより、一時的にではあるが、ユーザが真っ暗な状態におかれてしまうという問題がある。一方で、本実施の形態に係る照明装置20は、上記所定期間の間、補助光源25が弱く点灯する。これにより、ユーザが真っ暗な状態におかれてしまうことを回避できるとともに、暗順応を進めることができる。
図7は、停電時において主光源24が点灯している場合の、補助光源25の明るさを示す図である。図7に示すように、補助光源制御部26は、主光源24が点灯されていた場合には、まず、補助光源25を、第1の明るさで点灯する。次に、補助光源制御部26は、停電発生から予め定められた時間T1が経過した後の時刻t1に、補助光源25を第1の明るさより明るい第2の明るさで点灯する。つまり、補助光源制御部26は、時刻t1に、補助光源25の明るさを上げる。
なお、停電時において主光源24が消灯している場合の動作は実施の形態1(図4B)と同様である。また、時間T1の長さは、例えば、実施の形態1と同様である。
次に、以上のように構成された照明装置20の動作の流れを説明する。図8は、本実施の形態に係る照明装置20の動作を示すフローチャートである。
照明装置20の補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知されると(S20でYes)、点灯状態記憶部27に記憶されている、停電直前の主光源24の点灯状態を確認する(S21)。
主光源24が点灯している場合(S21でYes)、補助光源制御部26は、補助光源25を第1の明るさで点灯する(S22)。次に、補助光源制御部26は、予め定められた時間、待機した後に(S23でYes)、補助光源25を、第1の明るさより明るい第2の明るさで点灯する(S24)。
一方、主光源24が消灯している場合(S21でNo)、補助光源制御部26は、時間の経過を待たずに、直ちに補助光源25を第2の明るさで点灯する(S24)。
以下、上記制御を実現する補助光源制御部26の構成例を説明する。例えば、図5に示す構成において、制御部26aは、トランジスタTR1に供給する信号をPWM(Pulse Width Modulation)制御することで、補助光源25を第1の明るさ及び第2の明るさで発光させる。具体的には、制御部26aは、停電発生後の期間T1において、トランジスタTR1がオフする期間の割合を下げることで、補助光源25に供給される電力を小さくする。また、制御部26aは、期間T1後には、実施の形態1と同様に、Lレベルを出力する(又はハイインピーダンス出力)。
このような構成により、図7に示す制御を実現できる。また、制御部26aには、実施の形態1と同様に、少なくとも期間T1の間のみ電力が供給されれば、上記動作を実現できる。
別の方法として、図9に示すように、補助光源制御部26は、2つの駆動回路26b及び26cを備えてもよい。例えば、駆動回路26b及び26cの各々の構成は、図5に示す駆動回路26bの構成と同様である。この構成において、制御部26aは、一方の駆動回路のみを動作させる状態と、両方の駆動回路を動作させる状態とを切り替えることで、補助光源25の明るさを切り替えることができる。なお、制御部26aは、2つの駆動回路26b及び26cの一方のみを選択的に動作させ、動作させる駆動回路を切り替えることで、補助光源25の明るさを切り替えてもよい。この場合、2つの駆動回路26b及び26cが補助光源25に供給する電力は異なる。例えば、図5に示す抵抗R2及びR3の少なくとも一方の抵抗値が変更されることで、駆動回路が補助光源25に供給する電力が変更される。
なお、上記説明では、主光源24が消灯している場合、補助光源制御部26は、直ちに補助光源25を点灯するが、第1時間経過後に補助光源25を点灯してもよい。この第1時間は、主光源24が点灯している場合に補助光源25が点灯されるまでの時間より短ければよい。同様に、上記説明では、主光源24が点灯している場合、補助光源制御部26は、直ちに補助光源25を第1の明るさで点灯するが、第2時間経過後に補助光源25を第1の明るさで点灯してもよい。ここで、第1時間と第2時間とは同じでもよいし、異なってもよい。
また、主光源24が消灯している場合に補助光源25の明るさ(補助光源25に供給される電力(電流値))と、点灯している場合の時間T1経過後の補助光源25の明るさは同じであってもよいし、異なってもよい。なお、この明るさが異なる場合には、明るさを3段階で切り替える必要があるが、上記のPWM制御、又は駆動回路を複数設けることで、この制御を実現可能である。
以上のように、補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合において、主光源24が点灯されていない場合、停電が検知されてから第1時間経過後に、補助光源25を第1の明るさで点灯し、主光源24が点灯されていた場合、停電が検知されてから第3時間経過後に、補助光源25を第1の明るさより暗い第2の明るさで点灯し、停電が検知されてから、第1時間及び第3時間より長い第2時間経過後に、補助光源25を第2の明るさより明るい第3の明るさで点灯する。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1の変形例について説明する。本実施の形態では、照明装置20は、停電直前の主光源24の明るさに応じて、補助光源25を点灯するまでの時間を切り替える。
本実施の形態では、点灯状態記憶部27は、主光源24の点灯状態として、主光源24の明るさを示す情報を記憶している。なお、点灯状態記憶部27は、主光源24が点灯しているか否かを示す情報と、主光源24の明るさを示す情報とを共に記憶してもよい。
図10Aは、停電直前の主光源24の明るさがL1である場合の補助光源25が点灯されるタイミングを示す図である。図10Bは、停電直前の主光源24の明るさがL1より明るいL2である場合の補助光源25が点灯されるタイミングを示す図である。
図10Aに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1である場合、時刻t1から補助光源25を点灯する。また、図10Bに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1より明るい明るさL2である場合、時刻t1より後の時刻t2から補助光源25を点灯する。
ここで、ユーザが、より明るい状態におかれているほどユーザの暗順応が遅れる。つまり、停電直前の明るさに応じて、ユーザの暗順応の度合いが異なってしまう。よって、本実施の形態に係る照明装置20は、停電直前の状態が明るいほど、補助光源25が点灯されるまでの時間を長くする。これにより、停電直前の状態に応じてユーザの暗順応の度合いが異なることを抑制できる。
次に、以上のように構成された照明装置20の動作の流れを説明する。図11は、本実施の形態に係る照明装置20の動作を示すフローチャートである。
照明装置20の補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知されると(S30でYes)、点灯状態記憶部27に記憶されている、停電直前の主光源24の点灯状態(明るさ)を確認する(S31)。
主光源24の明るさが予め定められた閾値以上の場合(S31でYes)、補助光源制御部26は、予め定められた第1時間、待機した後に(S32でYes)、補助光源25を点灯する(S34)。
一方、主光源24の明るさが上記閾値未満の場合(S31でNo)、補助光源制御部26は、第1時間より短い第2時間、待機した後に(S33でYes)、補助光源25を点灯する(S34)。
なお、ここでは、主光源24の明るさに応じて、2つの待機時間が切り替えられているが、3つ以上の待機時間が切り替えられてもよい。この場合、主光源24の明るさが明るいほど、待機時間は長く設定される。
また、主光源24の明るさは、主光源24が点灯されていない状態を含んでもよい。または、上記説明の動作に加え、実施の形態1で説明した処理が行われてもよい。
また、ここでは、実施の形態1と同様に、所定時間が経過後に補助光源25が点灯される場合の例を元に説明したが、実施の形態2と同様に、所定時間が経過後に補助光源25の明るさを上げる場合にも、本実施の形態の処理を適用できる。つまり、照明装置20は、停電直前の主光源24の明るさに応じて、補助光源25の明るさを上げるタイミングを切り替えてもよい。具体的には、主光源24の明るさが明るいほど、補助光源25の明るさを上げるタイミングが遅く設定される。
以上のように、主光源24の点灯状態は、当該主光源24の明るさであり、補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合において、主光源24の明るさが第1の明るさである場合、停電が検知されてから第1時間経過後に補助光源25を点灯し、主光源24の明るさが第1の明るさより明るい第2の明るさである場合、停電が検知されてから、第1時間より長い第2時間経過後に補助光源25を点灯する。
これにより、停電直前の状態に応じてユーザの暗順応の度合いが異なることを抑制できる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態2の変形例について説明する。本実施の形態では、照明装置20は、停電直前の主光源24の明るさに応じて、停電直後の補助光源25の明るさ(補助光源25に供給される電力(電流値))を切り替える。
図12Aは、停電直前の主光源24の明るさがL1である場合の、補助光源25の明るさを示す図である。図12Bは、停電直前の主光源24の明るさが、明るさがL1より明るいL2である場合の、補助光源25の明るさを示す図である。
図12Aに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1である場合、明るさL3で補助光源25を点灯する。また、図12Bに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1より明るい明るさL2である場合、明るさL3より暗い明るさL4で補助光源25を点灯する。
ここで、ユーザが、より明るい状態におかれているほどユーザの暗順応が遅れる。よって、本実施の形態に係る照明装置20は、停電直前の状態が明るいほど、補助光源25の明るさを暗くする(補助光源25に供給される電力(電流値)を小さくする)。これにより、停電直前の状態に応じてユーザの暗順応の度合いが異なることを抑制できる。
なお、停電時において主光源24が消灯している場合の動作は実施の形態1(図4B)と同様である。
次に、以上のように構成された照明装置20の動作の流れを説明する。図13は、本実施の形態に係る照明装置20の動作を示すフローチャートである。
照明装置20の補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知されると(S40でYes)、点灯状態記憶部27に記憶されている、停電直前の主光源24の点灯状態を確認する(S41及びS42)。
主光源24が点灯しており、かつ、明るさが予め定められた閾値以上の場合(S41でYes、かつ、S42でYes)、補助光源制御部26は、補助光源25を第1の明るさで点灯する(S43)。次に、補助光源制御部26は、予め定められた時間、待機した後に(S45でYes)、補助光源25を、第1の明るさより明るい第3の明るさで点灯する(S46)。
一方、主光源24が点灯しており、かつ、明るさが上記閾値未満の場合(S41でYes、かつ、S42でNo)、補助光源制御部26は、補助光源25を、第1の明るさより明るい第2の明るさで点灯する(S44)。次に、補助光源制御部26は、予め定められた時間、待機した後に(S45でYes)、補助光源25を、第2の明るさより明るい第3の明るさで点灯する(S46)。
一方、主光源24が消灯している場合(S41でNo)、補助光源制御部26は、時間の経過を待たずに、直ちに補助光源25を第3の明るさで点灯する(S24)。
なお、ここでは、主光源24の明るさに応じて、補助光源25の2つの明るさが切り替えられているが、3つ以上の明るさが切り替えられてもよい。この場合、主光源24の明るさが明るいほど、補助光源25の明るさは暗く設定される。
また、ここでは、停電直前の主光源24の明るさに応じて停電直後の補助光源25の明るさが切り替えられる例を説明したが、所定時間経過後(時刻t1以降)の補助光源25の明るさが、同様に切り替えられてもよい。同様に、実施の形態1で説明した動作(図4)において、停電直前の主光源24の明るさに応じて補助光源25の明るさが切り替えられてもよい。さらに、本実施の形態の動作を実施の形態3の動作と組み合わせ、停電直前の主光源24の明るさに応じて、補助光源25が点灯されるタイミング及び補助光源25の明るさの両方が切り替えられてもよい。いずれの場合において、本実施の形態で説明したように、主光源24が明るいほど、補助光源25は暗く設定される。
さらに、図14A及び図14Bに示すように、照明装置20は、主光源24の点灯状態に応じて、補助光源25が点灯されるタイミングを切り替えず、補助光源25の明るさのみを切り替えてもよい。具体的には、図14Aに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1である場合、明るさL5で補助光源25を点灯する。また、図14Bに示すように、補助光源制御部26は、停電直前の主光源24の明るさがL1より明るい明るさL2である場合、明るさL5より暗い明るさL6で補助光源25を点灯する。
なお、補助光源25の明るさを切り替える方法としては、例えば、実施の形態2で説明したPWM制御を用いる方法又は複数の駆動回路を用いる方法を用いることができる。
以上のように、本実施の形態に係る照明装置20は、外部から供給される電力で発光する主光源24と、主光源24の点灯状態を記憶する点灯状態記憶部27と、外部から供給される電力を蓄積する蓄電回路23と、蓄電回路23からの電力で発光する補助光源25と、停電を検知する停電検知部21と、停電検知部21で停電が検知された場合に、補助光源25を点灯させる補助光源制御部26とを備える。補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合、点灯状態記憶部27に記憶されている点灯状態に応じて、補助光源25の明るさ(補助光源25に供給する電流値)を切り替える。
具体的には、主光源24の点灯状態は、当該主光源24の明るさであり、補助光源制御部26は、停電検知部21で停電が検知された場合において、主光源24の明るさが第1の明るさである場合、補助光源25を第2の明るさで点灯し、主光源24の明るさが第1の明るさより明るい第3の明るさである場合、補助光源25を第2の明るさより暗い第4の明るさで点灯する。
これにより、停電直前の状態に応じてユーザの暗順応の度合いが異なることを抑制できる。
なお、上記説明では、暗順応を進めるために、停電直前の状態が明るいほど補助光源25が暗く設定される例を述べたが、暗順応の度合いに応じて、補助光源25の明るさが変更されてもよい。具体的には、暗順応がなされている場合には、ユーザは、より暗い状態でも周りの状態を把握できる。よって、照明装置20は、暗順応の度合いが高いほど、補助光源25を暗くしてもよい。例えば、照明装置20は、主光源24の点灯状態に応じて、補助光源25が点灯されるタイミングを切り替えない場合において、主光源24が消灯状態の場合の補助光源25の明るさを、主光源24が点灯状態の場合の補助光源25の明るさより暗く設定してもよい。つまり、照明装置20は、主光源24が暗いほど補助光源25を暗く設定してもよい。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態1の変形例について説明する。本実施の形態に係る照明装置20Aは、停電時に周囲が明るい場合には、補助光源25を点灯しない。
図15は、本実施の形態に係る照明装置20Aの構成を示すブロック図である。図15に示す照明装置20Aは、図2に示す照明装置20に対して、さらに、照度センサ34を備える。また、補助光源制御部26Aが補助光源制御部26と異なる。
照度センサ34は、照明装置20の周囲の明るさを検知する。
補助光源制御部26Aは、補助光源制御部26の機能に加え、周囲が明るい場合には、停電が検知されたとしても補助光源25を点灯しない機能を有する。
図16は、本実施の形態に係る照明装置20Aの動作を示すフローチャートである。なお、図16に示す処理は、実施の形態1で説明した図6に示す処理に対して、ステップS50が追加されている点のみが異なる。
具体的には、補助光源制御部26Aは、停電検知部21で停電が検知されると(S10でYes)、照度センサ34で検知されている明るさ(照度)が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(S50)。明るさ閾値以上の場合(S50でYes)、補助光源制御部26Aは、補助光源25を点灯しない。
また、明るさが閾値未満の場合には(S50でNo)、実施の形態1と同様の処理が行われる(S11〜S13)。
なお、ここでは、実施の形態1に処理に対して、さらに、照度センサ34を用いた処理が加えられた場合を説明したが、他の実施の形態、又はそれらの変形例の処理に対して、同様に、照度センサ34を用いた処理が加えられてもよい。
以上により、本実施の形態に係る照明装置20Aは、明るさを検知する照度センサ34を備え、補助光源制御部26は、照度センサ34により予め定められた明るさ以上の明るさが検知されている場合、停電検知部21で停電が検知された場合であっても、補助光源25を点灯しない。
これにより、周囲が明るい場合には、不必要に補助光源25が点灯されることを防止できる。
以上、実施の形態1〜5で説明したように、照明装置20又は20Aは、外部から供給される電力で発光する主光源24と、主光源24の点灯状態を記憶する点灯状態記憶部27と、外部から供給される電力を蓄積する蓄電回路23と、蓄電回路23からの電力で発光する補助光源25と、停電を検知する停電検知部21と、停電検知部21で停電が検知された場合に、補助光源25を点灯させる補助光源制御部26又は26Aとを備える。補助光源制御部26又は26Aは、停電検知部21で停電が検知された場合、点灯状態記憶部27に記憶されている点灯状態に応じて、(1)停電発生から補助光源25を点灯するまでの時間、又は、(2)補助光源25の明るさ、を決定する。
これにより、照明装置20及び20Aは、ユーザの暗順応を促すことができる。よって、停電時に、ユーザは、周囲の状況をより把握できる。または、暗順応の効果を考慮して補助光源25の明るさを抑えることができるので、停電時に、より長い時間ユーザに明かりを提供できる。
以上、本発明の実施の形態に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、蓄電回路23は、電解コンデンサで構成されたが、二次電池であってもよい。
また、上記実施の形態では、補助光源25は、蓄電回路23からの電力で発光したが、照明装置20に内蔵される電池等のバッテリーからの電力で発光してもよい。
また、上記実施の形態では、主光源24及び補助光源25は、LED等であったが、有機EL(Electro−Liminescence)素子であってもよい。
また、上記実施の形態に係る照明装置又は照明システムに含まれる複数の処理部の少なくとも一部は、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、上記各実施の形態において、複数の構成要素の一部又は全ては、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記処理に含まれるステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。