JP2015103024A - 紙葉計数機 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙葉の高速での計数に加えて、紙葉を計数しつつ一枚ずつ目視確認することが容易に可能となる紙葉計数機の提供。【解決手段】ホッパ1に投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出し搬送して排出する繰出搬送手段33と、繰出搬送手段33で排出された紙葉を目視可能に受け入れる受入手段8と、繰出搬送手段33で移動中の紙葉を計数する計数手段5a,5bと、操作手段への操作入力に基づいて、繰出搬送手段33による受入手段8への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする通常モードと第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する選択手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、紙葉計数機に関する。
一般に、紙葉計数機としては、銀行業務等において用いられる紙幣計数機および選挙用の投票用紙等の各種用紙を計数する紙葉計数機等が知られている(例えば、特許文献1参照)。この紙葉計数機によれば、ホッパに集積された紙葉は1枚ずつ分離され繰り出されて計数が行われ、集積車を経由した後に、札受台に集積されるようになっている。つまり、この紙葉計数機では、ホッパに集積した紙葉を高速で計数して札受台に集積させつつ、紙葉の枚数を確認することができるようになっている。
実公平01−024668号公報
しかしながら、紙葉を計数する場合に、高速で計数して枚数を確認するだけの作業に止まらず、計数する紙葉の表裏の方向が間違っていないかを確認したり、特に投票用紙においては書かれている文字が間違っていないかを確認したりして、間違った紙葉の排除を伴う作業が行われる場合もある。その場合には別途操作員が手作業で1枚ずつ捌きながら目視で確認する必要があった。
したがって、本発明は、紙葉の高速での計数に加えて、紙葉を計数しつつ一枚ずつ目視確認することが容易に可能となる紙葉計数機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出し搬送して排出する繰出搬送手段と、該繰出搬送手段で排出された紙葉を目視可能に受け入れる受入手段と、前記繰出搬送手段で移動中の紙葉を計数する計数手段と、を備える紙葉計数機であって、操作手段への操作入力に基づいて、前記繰出搬送手段による前記受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする通常モードと前記第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する選択手段を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記低速モードが選択された状態で、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換える切換手段を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記切換手段は、前記低速モードでの前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中であっても、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換え可能であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に係る発明において、前記低速モードでの前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中に、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させる停止手段を備えることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか一項に係る発明において、前記低速モードでの前記繰出搬送手段の動作条件を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか一項に係る発明において、前記低速モードが選択された状態では、低速モードである旨と前記第2の排出時間間隔に相当する情報とを表示する表示手段を備えることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか一項に係る発明において、前記繰出搬送手段は、前記ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰出手段と、該繰出手段により繰り出された紙葉を搬送して前記受入手段に排出する搬送手段とを有し、前記選択手段は、前記通常モードが選択されると、前記繰出手段により前記ホッパから紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とするとともに前記搬送手段による紙葉の搬送の速度を第1の搬送速度とする一方、前記低速モードが選択されると、前記繰り出しの時間間隔を前記第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、前記搬送の速度を前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度とすることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1から6のいずれか一項に係る発明において、前記繰出搬送手段は、前記ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰出手段と、該繰出手段により繰り出された紙葉を搬送して前記受入手段に排出する搬送手段とを有し、前記選択手段は、前記通常モードが選択されると、前記繰出手段により前記ホッパから紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とする一方、前記低速モードが選択されると、前記繰り出しの時間間隔を前記第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とし、前記搬送手段は、紙葉の搬送の速度が、前記通常モードと前記低速モードとで同じであることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、選択手段が、操作手段への操作入力に基づいて、繰出搬送手段による受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする通常モードと、繰出搬送手段による受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する。よって、通常モードでは低速モードよりも短時間で計数を行うことができ、低速モードでは通常モードよりも受入手段への紙葉の排出の時間間隔を長くすることができる。このため、一台の同じ機械で、紙葉の高速での計数に加えて、紙葉を計数しつつ一枚ずつ目視確認することが容易に可能となる。つまり、低速モードを選択して実行すれば、例えば、紙葉の表裏の方向が間違っているか否かを目視で確認したり、特に投票用紙において書かれている文字が間違っているか否かを目視で確認したりできる。
請求項2に係る発明によれば、切換手段が、操作手段への操作入力に基づいて低速モードでの第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換える。よって、低速モードでの第2の排出時間間隔を所望の間隔に調整することができ、個人個人で異なる目視に最適な排出の時間間隔に設定することができる。
請求項3に係る発明によれば、切換手段は、低速モードでの繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中であっても、操作手段への操作入力に基づいて、第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換え可能であるため、紙葉の繰り出し搬送中に繰出搬送手段を一々停止させることなく、第2の排出時間間隔を所望の間隔に調整することができる。
請求項4に係る発明によれば、低速モードでの繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中に、停止手段が、操作手段への操作入力に基づいて、繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させるため、例えば、紙葉の表裏の方向が間違っている紙葉を見つけたり、書かれている文字が間違っている紙葉を見つけたりしたときに、紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させることができる。よって、見つけた紙葉を容易に排除することができる。
請求項5に係る発明によれば、記憶手段が、低速モードでの繰出搬送手段の動作条件を記憶するため、一々低速モードでの繰出搬送手段の動作条件を設定しなくとも、記憶手段から読み出した動作条件で繰出搬送手段を動作させることができる。
請求項6に係る発明によれば、低速モードが選択された状態では、表示手段が、低速モードである旨と第2の排出時間間隔に相当する情報とを表示するため、これらの情報を操作者に認識させることができる。よって、操作者による操作ミスを抑制することができる。
請求項7に係る発明によれば、通常モードが選択されると、選択手段が、繰出手段による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とするとともに搬送手段による紙葉の搬送の速度を第1の搬送速度として受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする。また、低速モードが選択されると、選択手段が、繰出手段による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、搬送の速度を第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度として、受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする。これにより、簡単な制御で受入手段への紙葉の排出の時間間隔を変更可能となる。
請求項8に係る発明によれば、通常モードが選択されると、選択手段が、繰出手段による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とする一方、低速モードが選択されると、繰出手段による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とする。そして、搬送手段による紙葉の搬送の速度が、通常モードと低速モードとで同じとなっている。これにより、さらなる制御の容易化が図れる。
本発明の一実施形態に係る紙葉計数機の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る紙葉計数機の制御系のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る紙葉計数機の制御のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る紙葉計数機の機能ブロック図である。
本発明の一実施形態に係る紙葉計数機を図面を参照して以下に説明する。図1において符号1は多数の紙葉が集積されるホッパである。このホッパ1に集積された紙葉は、順次ガイドローラ2によってスリット1aを通過し、繰出ローラ3に供給される。繰出ローラ3は、計数モータM1によって矢印A方向に回転するもので、繰出ローラ3と計数モータM1との間に回転を伝達するクラッチ(図示略)および繰出ローラ3を急激に停止させるブレーキ(図示略)が設けられている。そして、繰出ローラ3に対向する位置には摩擦部材3a,3bが設けられ、繰出ローラ3と摩擦部材3a,3b間の摩擦力の差によって、ホッパ1に集積された紙葉を順次間欠的に搬送通路4に繰り出している。ガイドローラ2は、計数モータM1の駆動力により繰出ローラ3と連動して回転する。
ガイドローラ2、繰出ローラ3、計数モータM1、クラッチ(図示略)、ブレーキ(図示略)および摩擦部材3a,3bが、ホッパ1に集積状態で投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰出手段31を構成している。この繰出手段31は、計数モータM1の回転速度を変更制御することで、ホッパ1から紙葉を1枚ずつ分離して搬送通路4に繰り出す繰り出しの時間間隔を変更可能となっている。
搬送通路4には紙葉を計数する投受光器5a,5bが同搬送通路4を挟んで対向配置されている。この搬送通路4を通過する紙葉は投受光器5a,5bによってその通過が検出された後、加速ローラ6に到達する。加速ローラ6は計数モータM1によって回転駆動され、これら加速ローラ6によって挟持された紙葉は加速されて集積車7に投入される。集積車7は集積車モータ(図示略)によって矢印B方向に回転駆動されるもので、順次加速投入された紙葉を整えながら受入手段である札受台8にほぼ水平な状態で下から上に集積させる。この札受台8上の紙葉は、その有無が残留検知投受光器9a,9bによって検出される。
ここで、集積車7は、回転方向の同側に傾斜して延出する多数の羽根7aを有しており、加速ローラ6から繰り出された紙葉を、回転中その時点で加速ローラ6に対向する隣り合う羽根7a間の隙間に受け入れて回転し、札受台8上の奥面8aに当接させて、羽根7a間から排出させる。これにより、紙葉が奥面8aに案内されて札受台8上に落下する。
搬送通路4、加速ローラ6、計数モータM1、集積車7および集積車モータが、上記した繰出手段31により繰り出された紙葉を搬送して受入手段である札受台8上に排出する搬送手段32を構成している。この搬送手段32は、計数モータM1および集積車モータの回転速度を変更制御することで、紙葉の搬送の速度を変更可能となっている。つまり、繰出手段31を構成するガイドローラ2、繰出ローラ3、クラッチ(図示略)、ブレーキ(図示略)および摩擦部材3a,3bと、搬送手段32を構成する搬送通路4、加速ローラ6、集積車7および集積車モータと、双方を構成する計数モータM1とが、ホッパ1に投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出し搬送して札受台8上に排出する繰出搬送手段33を構成している。
札受台8は紙葉計数機の機外に臨む正面位置に設けられており、その上方が開放されている。よって、札受台8に排出された紙葉は機外に露出することになり、操作者による上方からの上面の目視が可能となる。つまり、札受台8は、繰出搬送手段33で排出された紙葉を目視可能に受け入れる。投受光器5a,5bは、繰出搬送手段33で移動中の紙葉を計数する計数手段である。
一方、紙葉計数機の正面右側には、その下部に、図2に示す操作手段17、すなわち、カウント釦、アッド釦、プリセット釦、リピート釦、スタート釦、ストップ釦、テンキー、ライト釦、クリア釦、モード設定釦、アップ釦およびダウン釦等が配設され、また紙葉計数機の正面右側の上部には、図2に示す表示手段18すなわち、計数表示器、モードが変化する毎に累計総枚数あるいはプリセット枚数あるいはリピート回数等が表示される表示器および光量設定表示器が各々配設されている。なお、これらの表示器は例えば7セグメント型のLEDや、LCD、プラズマディスプレイあるいはCRT等のドットマトリックス型の表示器等から構成されている。
図2は、本実施形態に係る紙葉計数機の回路をCPUシステムを用い構成した場合の一例を示すブロック図であり、図3は図2を説明するためのフローチャートである。図2において、CPU10は後述するプログラムを実行するものであり、アドレスバスAB、データバスDB、コントロールバスCBを介して各ROM11、RAM12、キーボードおよび表示用I/Oポート13、タイマ14、出力ポート15および入力ポート16に各々接続されている。
キーボードおよび表示用I/Oポート13は、操作手段17の各釦が押圧操作された場合において、押圧された各釦に対応した信号を発生してCPU10に送出し、また逆に、CPU10から供給された各種の表示データを一時記憶し、この一時記憶した表示データをデコードして順次表示手段18に送出して表示させる。なお、表示手段18によって表示される計数枚数等の表示はゼロサプレスされて見易くなっている。
タイマ14はCPU10から計時開始信号が供給された場合に、それまで記憶していた計時データを消去すると共にその計時動作を開始し、その後において同CPU10から計時終了信号を供給された場合に、その計時動作を終了させると共に、その計時した結果得られた計時データを記憶し、この記憶した計時データをCPU10に供給する。なお、このタイマ14はCPU10から計時開始信号を供給された場合も上述した動作と並行して計時を開始し、この計時を開始した時点から予め定められた所定の期間が経過した時にCPU10にインターラプト信号を供給して、所定期間、計時開始信号を供給されなかったことをCPU10に知らせるようになっている。
出力ポート15はCPU10から供給された各制御信号に基づいて図1に示したガイドローラ2、繰出ローラ3、加速ローラ6を駆動する計数モータM1、集積車7を駆動する集積車モータ、ガイドローラ2に同軸的に設けられ計数モータM1が発生する駆動力をガイドローラ2および繰出ローラ3に伝達するクラッチを連結状態(あるいは非連結状態)にするクラッチ付勢用ソレノイド、繰出ローラ3に同軸的に設けられ同繰出ローラ3およびガイドローラ2を停止させるブレーキ機構を動作状態にするブレーキ付勢用ソレノイド、紙葉計数機に設けられ長いブザー音および短いブザー音を発生するブザー回路に、対応する計数モータ駆動信号、集積車モータ駆動信号、クラッチ付勢用ソレノイド駆動信号、ブレーキ付勢用ソレノイド駆動信号、長音発生信号、短音発生信号を各々、供給すると共に、二重検知回路19に二重検知レベルデータを供給する。すなわち、出力ポート15はCPU10から計数モータ駆動開始信号を供給された場合において計数モータM1に計数モータ駆動信号を供給して同計数モータM1を付勢し、加速ローラ6を回転駆動させる。なおこの場合において、クラッチ付勢用ソレノイドが動作状態になっている時には加速ローラ6と共にガイドローラ2および繰出ローラ3も回転駆動される。
また、出力ポート15はCPU10から集積車モータ駆動開始信号を供給された場合において集積車モータに集積車モータ駆動信号を供給して同集積車モータを付勢し、集積車7を回転駆動させる。また、出力ポート15はCPU10からクラッチ駆動開始信号を供給された場合において、クラッチ付勢用ソレノイドにクラッチ付勢用ソレノイド駆動信号を供給して同クラッチ付勢用ソレノイドを付勢し、クラッチを連結状態にする。これにより、計数モータM1が駆動力を発生している場合において、ガイドローラ2および繰出ローラ3に計数モータM1の発生した駆動力が伝達され、この伝達された駆動力により同ガイドローラ2および繰出ローラ3が回転駆動される。また、出力ポート15はCPU10からブレーキ駆動開始信号を供給された場合において、ブレーキ付勢用ソレノイドにブレーキ付勢用ソレノイド駆動信号を供給して同ブレーキ付勢用ソレノイドを付勢し、ブレーキを動作状態にする。これにより、繰出ローラ3およびガイドローラ2が制動されて停止する。
また、出力ポート15はCPU10から長音発生開始信号を供給された場合においてブザー回路に長音発生信号を供給して同ブザー回路から長いブザー音を発生させ、また逆に、CPU10から短音発生開始信号を供給された場合においてブザー回路に短音発生信号を供給して同ブザー回路から短いブザー音を発生させる。また、出力ポート15はCPU10から二重検知レベルデータを供給された場合において、供給された二重検知レベルデータ(あるいは供給された二重検知レベルデータをデコードした結果得られた二重検知レベルデータ)を二重検知回路19に供給する。
二重検知回路19は搬送通路4を通過する紙葉が二枚以上重なって搬送されているか否かを受光器5b,5bに到達する透過光量信号と一枚分の紙葉に相当する基準透過光量信号とを比較することにより検知するものであり、出力ポート15から供給された二重検知レベルデータを対応するアナログデータ(基準透過光量信号)に変換するDA変換器とこのDA変換器により得られた基準透過光量信号と受光器5b,5bから供給された透過光量信号との大小を比較する比較器とを有して構成されている。そして、この二重検知回路19は出力ポート15から供給された二重検知レベルデータを変換した結果得られた基準透過光量信号より受光器5b,5bから供給された透過光量信号が小の場合に、二重送り検知信号を発生し、この発生した二重送り検知信号を入力ポート16に供給する。
入力ポート16は二重検知回路19から二重送り検出信号を供給された場合において、インターラプト信号を発生してCPU10に供給し、搬送通路4を通過する紙葉が二枚以上重なって搬送されていることをCPU10に知らせ、また、同入力ポート16は受光器5b,5bから供給された透過光量信号が所定の大きさ(この大きさは受光器5b,5bに到達する光が紙葉により減光されない時において受光器5b,5bが出力する透過光量信号の大きさより少し小さく設定されている)より小となった時にCPU10に通過検出開始信号を供給し、この状態において、受光器5b,5bからの透過光量信号が所定の大きさより大となった時に、CPU10に通過検出終了信号を供給する。また、同入力ポート16は、他の入力、すなわち札受台8上の紙葉の有無を検出するための受光器9bからの透過光量信号が所定の大きさより小となった時にCPU10に紙葉検出信号を供給する。
ROM11は以下に述べるフローチャートに基づくプログラム等を記憶するものであり、またRAM12はROM11に記憶されているプログラムの作業領域になっている。なお、後述する許容誤差データd1,d2は予めこのRAM12に記憶されている。
以上の構成において、紙葉計数機のオペレータが同紙葉計数機に設けられている電源スイッチ(図示略)をオンさせた後に同紙葉計数機のホッパ1にその枚数を計数したい紙葉群を集積状態でセットして、操作手段17のスタート釦を押圧操作する(図3のステップ1)とキーボードおよびI/Oポート13が押圧操作されたスタート釦に対応したスタート信号を発生し、これにより、CPU10が動作状態となって、装置各部がその動作を開始する。すなわち、操作手段17に設けられたスタート釦が押圧操作されると、CPU10は、まず、出力ポート15に計数モータ駆動開始信号および集積車モータ駆動開始信号を供給する。これにより、計数モータM1および集積車モータが、各々、回転を始め、加速ローラ6および集積車7を回転駆動する。その後に、CPU10は予め設定されている二重検知レベルデータ(あるいは操作手段17のライト釦およびテンキーにより、新たに、入力された二重検知レベルデータ)およびクラッチ駆動開始信号を出力ポート15に供給する。
これにより、二重検知回路が二重検知可能状態になると共にガイドローラ2および繰出ローラ3が共に矢印A方向に回転し、ホッパ1内に投入載置された紙葉群中の紙葉を順次搬送通路4に送出する。また、上述した動作と並行して、CPU10は同CPU10内の予め定められた計数レジスタ(このレジスタにより計数した紙葉の数が記憶される)を消去し(図3のステップ2)、計数動作の初期設定を行う。そして、この状態において、搬送通路4内を搬送された紙葉が同搬送通路4を挟んで対向配置された投受光器5a,5b間を通過し始めると、受光器5b,5bに到達する光の量が減少し、これにより同受光器5b,5bの出力していた透過光量信号のレベルが低下する。この結果、二重検知回路19は出力ポート15から供給されている二重検知レベルデータに基づいて受光器5b,5bからの透過光量信号の大小を判別し、この結果、二重送りが検出された場合に二重送り検知信号を入力ポート16に供給する。
入力ポート16は二重検知回路19から二重送り検知信号を供給された場合にCPU10に割り込みをかける等の予め定められた処理を行い、また、受光器5b,5bからの透過光量信号の電圧が低下したことに基づいて、通過検出開始信号を発生してCPU10に供給する。CPU10は入力ポート16から通過検出開始信号を供給されたことにより(図3のステップ3)、計時開始信号を発生し、この発生した計時開始信号をタイマ14に供給する。タイマ14はCPU10から計時開始信号を供給されたことにより、それまで記憶していた前回の計時データ(この場合の前回の計時データは零データあるいは不定データである)を消去すると共にその計時動作を開始する(図3のステップ4)。そして、この後に、CPU10はその初期設定を行った計数レジスタ(この場合、このレジスタは初期設定されたことにより、それまで記憶していた計数データが消去されている)に記憶されている計数データを読込むと共に、この読込んだ計数データに1を加算して、再び同計数レジスタに記憶させる(図3のステップ5)。
この後において、搬送通路4内を搬送されていた紙葉が投受光器5a,5b間を通過し終ると、受光器5b,5bの出力していた透過光量信号のレベルが上昇し、これにより、入力ポート16がCPU10に通過検出終了信号を供給する。CPU10は入力ポート16から通過検出終了信号を供給されたことにより(図3のステップ6)、計時終了信号を発生してタイマ14に供給する。タイマ14はCPU10から計時終了信号を供給されたことにより、それまで行なっていた計時動作を終了させる(図3のステップ7)と共に、計時した結果得られた計時データ(この計数データが規準長さデータとなる)をCPU10に供給する。CPU10はタイマ14から供給された計時データを取込み記憶すると共に、計数レジスタに記憶されている計数データを読み出し、この読み出した計数データが1であるか否かを判別し(図3のステップ8)、この結果、読み出した計数データが1であることから、記憶している計時データをRAM12の予め定められている所定番地のレジスタ(以下、このレジスタをR1という)に記憶させる(図3のステップ9)。
そして、搬送通路4内を搬送された次の紙葉が投受光器5a,5b間を通過し始めて、受光器5b,5bの出力していた透過光量信号のレベルが低下すると、CPU10は上述した動作(図3のステップ3からステップ7までの動作)をくり返す。そしてその後に、同CPU10は計数レジスタに記憶されている計数データを読み出し、この読み出した計数データが1であるか否かを判別し(図3のステップ8)、この結果、読み出した計数データが1でないことから、その時に記憶しているタイマ14からの計時データ(この計時データが紙葉の長さデータとなる)をRAM12の予め定められている所定番地のレジスタ(以下、このレジスタをRnという)に記憶させる(図3のステップ10)。
その後に同CPU10はRAM12に記憶されている許容誤差データd1および同RAM12のレジスタR1に記憶されている規準長さデータを読込むと共に、この読込んだ許容誤差データd1と規準長さデータとを加算し、この結果得られた上限長さデータを記憶し、この後において、RAM12のレジスタRnに記憶されている長さデータを読込み、この読込んだ長さデータと記憶している上限長さデータとを比較し(図3のステップ11)、この結果、読込んだ長さデータが記憶している上限長さデータより大の場合、すなわち、連鎖流れが生じた場合に、予め定められているエラーストップ処理、例えば、出力ポート15にクラッチ駆動停止信号、ブレーキ駆動開始信号、……等を出力して装置各部を停止させると共にキーボードおよび表示用I/Oポート13にエラー表示信号を供給して表示手段18にエラー表示を行なわせる(図3のステップ12)。
また、上述した場合において、読込んだ長さデータが記憶している上限長さデータより小の場合あるいは同じ場合に、CPU10はRAM12に記憶されている許容誤差データd2および同RAM12のレジスタR1に記憶されている規準長さデータを読込むと共に、この読込んだ規準長さデータから許容誤差データd2を減算し、この結果得られた下限長さデータを記憶し、この後において、RAM12のレジスタRnに記憶されている長さデータを読込み、この読込んだ長さデータと記憶している下限長さデータとを比較し(図3のステップ13)、この結果、読込んだ長さデータが記憶している下限長さデータより小の場合、すなわち、ちぎれ券(紙葉)が検出された場合に、上述した予め定められているエラーストップ処理を行い(図3のステップ12)、また逆に、読込んだ長さデータが記憶している下限長さデータより大の場合あるいは同じ場合に、キーボードおよび表示用I/Oポート13がストップ信号を出力しているか否かを判別する(図3のステップ14)。
そして、キーボードおよび表示用I/Oポート13がストップ信号を出力している場合、すなわち、オペレータが紙葉計数機に設けられている操作手段17のストップ釦を押圧操作した場合において、CPU10は予め定められている計数終了処理、例えば、出力ポート15に計数モータ駆動停止信号、集積車モータ駆動停止信号、……等を出力して装置各部を停止させ(図3のステップ15)、また逆に、キーボードおよび表示用I/0ポート13がストップ信号を出力していない場合において、CPU10は上述したステップ3に戻り、上述した動作(図3のステップ3からステップ8までの動作およびステップ10からステップ15までの動作)をくり返し実行する。なお、上述したステップ3であり、かつ、CPU10が待ち状態にある場合においてタイマ14がインターラプト信号を出力した場合に、CPU10はその待ち状態をやめて、ステップ15の計数終了処理を行うようになっている。
またこの実施形態においては許容誤差データd1,d2が予めRAM12に記憶されているとしたが、これを、紙葉計数機に投入された紙葉群を計数している時に各紙葉の許容誤差を求め、この求めた各許容誤差をその計数動作中あるいは計数動作終了後において表示手段18に表示させ、この表示手段18によって表示された各許容誤差データあるいは最大許容誤差データ等に基づいて、あるいは、予め定められた許容誤差データに基づいて、オペレータがその許容誤差データを入力することも勿論可能である。また、RAM12ではなくROM11に予め記憶させておいても良い。
またこの実施形態にあっては二重検知回路19を設けていることから、上述した紙葉の長さ検出と並行してその二重送り検出を行い、より精度の高い計数を行うことができる。
図4は図2に示した回路の構成を機能別に整理して表現したものである。以下、各処理手段の機能を図3のフローチャートに対応させて説明する。
この図において、20は装置全体を制御する主制御部、21はカウンタ等を有した構成とされた枚数計数手段、22は図1における投受光器5a,5bを有して構成された紙葉検出手段、23は再トリガタイマを有して構成された計時手段、24はアンドゲート、25はレジスタ、データラッチ回路等を有して構成された比較データストア手段、26は比較データストア手段25に記載されたデータと、前記アンドゲート24から基準データストア手段27に供給されて記憶されたデータとを比較する比較手段、28は比較手段26に入力されるデータのばらつきを修正するためのデータを記憶するばらつき定数ストア手段である。
これらの構成要素は、図2に示す回路の構成要素に対して、それぞれ次のような対応関係を持っている。
すなわち具体的には、
主制御部20、ゲート手段24、比較手段26の機能をそれぞれCPU10が果し、
枚数計数手段21、比較データストア手段25、および基準データストア手段27の機能を前記CPU10の制御に基づいてRAM12が果し、
紙葉検出手段22の機能を受光器5bが果し、
計時手段23の機能をタイマ14が果している。
次いで、上記各手段の機能を図3のフローチャートにしたがって再度説明する。
S1:図1に示した紙葉類計数機の前面パネルに設けられた操作手段17のスタート釦が押圧操作されると計数スタート信号が発生して制御が開始される。
S2:発生した計数スタート信号が枚数計数手段21に供給されると、該枚数計数手段21は、それまで保持されていた枚数計数値をクリアするとともに、受光器5bの出力レベルに基づいて、紙葉検出手段22が紙葉の通過を判断し、この通過検出信号の立ち上がりを条件として次のS4へ進む。
S4:通過検出信号が立ち上がることにより、計時手段23内のタイマがクリアされるとともに計時がスタートする。
S5:枚数計数手段21がカウントアップされる。
S6:搬送通路4内を搬送されていた紙葉が所定位置を通過したことが紙葉検出手段22に検知されて通過検出信号が立ち下がったことを条件として次のS7へ進む。
S7:通過検出信号の立ち下がりにより、計時手段23内のタイマが停止される。
S8:枚数計数手段21の計数値が1の場合にはS9へ、それ以外の場合にはS10以降のステップへ進む。
S9:1枚目の計数においては、枚数計数手段21からアンドゲート24に1が供給されるから、計時手段23からの計時データがアンドゲート24を通過して基準データストア手段27に供給されて基準長さR1として記憶され、その後、前記S3へ戻る。
S10:2枚目以降の紙葉が通過すると、枚数計数手段21の計数値が1でなくなるためS10へ進み、計時手段23が計時した計時データが比較データストア手段25に供給され、2枚目以降の紙葉の長さRnとして記憶される。
S11:バラツキ定数ストア手段28に記憶された許容誤差データd1と、前記両ストア手段25,27に記憶された紙葉長さのデータR1およびRnについて、比較手段26がRn>R1+d1なる判断を行い、YESの場合には紙葉の長さ異常と見なしてS12へ進み、所定のエラーストップによって終了する。一方、NOの場合には次のS13へ進む。
S13:同じく比較手段26がRn<R1−d2なる判断を行い、YESの場合には異常と見なして前記S11の場合と同様にS12へ進み、エラーストップによって終了する。一方、NOの場合には、ストップ信号が入力されたか否かを判断し(S14)、NOの場合には前記S3に戻り、YESの場合にはS15へ進んで制御が終了する。
なお、比較手段26は比較データストア手段25から新たな長さデータを供給される毎に上述した動作をくり返し行う。また、主制御部20は比較手段26からエラーストップ信号を供給された場合において、予め定められたエラーストップ処理、例えば、図1に示したガイドローラ2、繰出ローラ3、……等の装置各部を停止させる停止信号を出力して装置各部に供給すると共に表示器(図示略)にエラー表示信号を供給してエラー表示を行なわせる。
以上の構成になるこの回路も図2に示した回路と同様に動作して、搬送通路4内を通過する紙葉の長さの判別を行い、この判別結果に基づいて紙葉の流れ異常検出を行う。
なお上述した実施形態においては、搬送通路4内を通過した最初の紙葉の長さを規準長さデータとして記憶するようにしていることから、最初の紙葉が連鎖状に流れた場合において2番目の紙葉がちぎれ券と判別されて回路がエラーストップ処理を行う。したがって、1枚目の紙葉が連鎖状に流れた場合にあっても高い計数精度を保つことができる。
そして、本実施形態においては、CPU10が、操作手段17のモード設定釦への操作入力に基づいて、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの紙葉の札受台8への排出の枚数が、予め設定されている固定値である第1の排出枚数(例えば1000枚/分)となる通常モードと、この第1の排出枚数よりも少ない、予め設定されている可変値である第2の排出枚数(例えば100枚/分)となる低速モードとから選択して実行する選択手段を含んでいる。
つまり、操作手段17のモード設定釦への操作入力で通常モードが選択設定されると、CPU10は、計数モータM1の回転の速度(動作条件)を、予め設定されてRAM12に記憶されている固定値の第1の計数回転速度とし、集積車モータの回転の速度(動作条件)を、予め設定されてRAM12に記憶されている固定値の第1の集積車回転速度とする。また、操作手段17のモード設定釦への操作入力で低速モードが選択設定されると、CPU10は、計数モータM1の回転の速度(動作条件)を第1の計数回転速度よりも低い、予め設定されてRAM12に記憶されている第2の計数回転速度とし、集積車モータの回転の速度(動作条件)を第1の集積車回転速度よりも低い、予め設定されてRAM12に記憶されている第2の集積車回転速度とする。
通常モードとなり、計数モータM1の回転の速度を第1の計数回転速度とし集積車モータの回転速度を第1の集積車回転速度とすると、繰出手段31によりホッパ1から紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔が固定値である第1の繰出時間間隔となり、搬送手段32による紙葉の搬送の速度が固定値である第1の搬送速度となる。また、低速モードとなり、計数モータM1の回転の速度を第2の計数回転速度とし集積車モータの回転速度を第2の集積車回転速度とすると、繰出手段31によりホッパ1から紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔が、上記第1の繰出時間間隔よりも長い可変値である第2の繰出時間間隔となり、搬送手段32による紙葉の搬送の速度が、上記第1の搬送速度よりも遅い可変値である第2の搬送速度となる。
その結果、通常モードでは、繰出搬送手段33による札受台8への紙葉の排出の時間間隔が予め設定された固定値である第1の排出時間間隔となり、低速モードでは、繰出搬送手段33による札受台8への紙葉の排出の時間間隔が、前記第1の排出時間間隔よりも長い可変値である第2の排出時間間隔となる。ここで、排出時間間隔とは、例えば、搬送手段32の最下流位置の集積車7で搬送されている紙幣が奥面8aに当接した時点から、その次に集積車7で搬送されている紙幣が奥面8aに当接する時点までの時間である。
つまり、CPU10は、操作手段17への操作入力に基づいて、繰出搬送手段33による札受台8への紙葉の排出の時間間隔を、固定値である第1の排出時間間隔とする通常モードと、この第1の排出時間間隔よりも長い可変値である第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する選択手段を含んでいる。CPU10は、通常モードが選択された状態では、表示手段18に、通常モードである旨と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの紙葉の札受台8への排出の枚数(第1の排出時間間隔に相当する情報)を表示させる。また、CPU10は、低速モードが選択された状態では、表示手段18に、低速モードである旨と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの紙葉の札受台8への排出の枚数(第2の排出時間間隔に相当する情報)を表示させる。
CPU10は、低速モードが選択された状態で、操作手段17への操作入力に基づいて、第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換える切換手段を含んでいる。つまり、CPU10は、操作手段17のモード設定釦への操作入力で低速モードが選択設定されると、計数モータM1の回転の速度を、予め設定されてRAM12に記憶されている第2の計数回転速度の初期値とし、集積車モータの回転速度を、予め設定されてRAM12に記憶されている第2の集積車回転速度の初期値とする。このときの単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの紙葉の札受台8への排出の枚数が、予め設定されている第2の排出枚数の初期値(例えば100枚/分)となる。
この状態で、操作手段17のダウン釦が押圧操作されると、CPU10は、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の計数回転速度を低くするとともに、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の集積車回転速度を低くする。しかも、押圧操作の回数毎に、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の計数回転速度をその下限値を下回らない範囲で低くするとともに、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の集積車回転速度をその下限値を下回らない範囲で低くする。これにより、第2の排出時間間隔が段階的に長くなり、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり第2の排出枚数が段階的に少なくなる(例えばダウン釦への1回の押圧操作で20枚/分だけダウン)。低速モードでの計数回転速度の下限値および集積車回転速度の下限値の設定により、第2の排出時間間隔の上限値(例えば3秒)と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり第2の排出枚数の下限値(例えば20枚/分)とが設定される。このような計数枚数の減少変更時において、CPU10は、表示手段18に、低速モードが選択中である旨と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの札受台8への紙葉の排出の枚数である第2の排出枚数(第2の排出時間間隔に相当する情報)を表示させる。
また、操作手段17のアップ釦が押圧操作されると、CPU10は、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の計数回転速度を高くするとともに、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の集積車回転速度を高くする。しかも、押圧操作の回数毎に、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の計数回転速度をその上限値(第1の計数回転速度よりも低い値)を上回らない範囲で高くするとともに、予め設定されてRAM12に記憶されている幅で第2の集積車回転速度をその上限値(第1の集積車回転速度よりも低い値)を上回らない範囲で高くする。これにより、第2の排出時間間隔が段階的に短くなり、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり第2の排出枚数が段階的に多くなる(例えばアップ釦への1回の押圧操作で20枚/分だけアップ)。低速モードでの計数回転速度の上限値および集積車回転速度の上限値の設定により、第2の排出時間間隔の下限値(例えば0.5秒)と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり第2の排出枚数の上限値(例えば300枚/分)とが設定される。このような計数枚数の増加変更時においても、CPU10は、表示手段18に、低速モードが選択中である旨と、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの札受台8への紙葉の排出の枚数である第2の排出枚数(第2の排出時間間隔に相当する情報)を表示させる。
以上により、低速モードでは、単位時間当たりの紙葉の計数枚数つまり単位時間当たりの紙葉の排出枚数である第2の排出枚数が、予め設定された上限値から下限値までの間で段階的に昇降変更可能となっている(例えば第2の排出枚数が20〜300枚/分の範囲で20枚/分の区切りで調整可能となっている)。
しかも、CPU10は、低速モードでの繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送中であっても、繰出搬送手段33を停止させることなく、上記したように操作手段17のダウン釦への操作入力に基づいて第2の排出時間間隔を段階的に長く切り換えたり、また操作手段17のアップ釦への操作入力に基づいて第2の排出時間間隔を段階的に短く切り換えたりすることが可能となっている。なお、変更後の第2の計数回転速度の値および第2の集積車回転速度の値をRAM12に更新記憶して、次の低速モードの実行時に、これらの値を第2の計数回転速度の初期値および第2の集積車回転速度の初期値に設定しても良い。
また、CPU10は、低速モードでの繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送中に、操作手段17への操作入力に基づいて、繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させる停止手段を含んでいる。つまり、CPU10は、計数モータM1および集積車モータの駆動中に、操作手段17のストップ釦が押圧されると、計数モータM1を停止させるとともに、クラッチを非連結状態にして、ブレーキにより繰出ローラ3およびガイドローラ2を停止させる。また、集積車モータを停止して、集積車7を停止させる。これにより、札受台8への紙葉の排出が一旦停止される。また、この状態から、操作手段17のスタート釦が押圧されると、CPU10は、ブレーキを解除しクラッチを連結状態にするとともに計数モータM1および集積車モータを駆動して、低速モードでの繰出搬送手段33による紙葉の繰り出しを再開させる。
以上に述べた本実施形態によれば、CPU10が、操作手段17への操作入力に基づいて、繰出搬送手段33による札受台8への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする通常モードと、繰出搬送手段33による札受台8への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する。つまり、通常モードが選択されると、CPU10が、繰出手段31による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とするとともに搬送手段32による紙葉の搬送の速度を第1の搬送速度として札受台8への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする。また、低速モードが選択されると、CPU10が、繰出手段31による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、搬送の速度を第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度として、札受台8への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする。よって、通常モードでは低速モードよりも短時間で計数を行うことができ、低速モードでは通常モードよりも札受台8への紙葉の排出の時間間隔を長くすることができる。このため、一台の同じ機械で、紙葉の高速での計数に加えて、紙葉を計数しつつ一枚ずつ目視確認することが容易に可能となる。つまり、低速モードを選択して実行すれば、例えば、紙葉の表裏の方向が間違っているか否かを一枚ずつ目視確認したり、特に投票用紙において書かれている文字が間違っているか否かを一枚ずつ目視で確認したりできる。投票用紙において文字が間違っているか否かを目視で確認する場合、集積車7と札受台8との間で落差があり、上記のように札受台8がより水平に近い状態で構成される場合には、札受台8に集積される際に目視確認を行うように、文字側が上に向いて札受台8に集積されるようにホッパ1への紙葉のセット方向が決められる。他方、例えば集積車7と札受台8との間で落差が少なく札受台8の角度がある程度ある場合等、札受台8への集積時には目視確認が難しい場合には、集積車7の前部で上から下に移動する際に紙葉の文字が間違っているか否かを目視確認することも可能である。この場合、集積車7の前部で上から下に紙葉が移動する際に文字側が前方に向くようにホッパ1への紙葉のセット方向が決められることになる。すなわち、前者とは異なる方向にセットされることになる。
また、通常モードが選択されると、CPU10が、繰出手段31による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とするとともに搬送手段32による紙葉の搬送の速度を第1の搬送速度とし、低速モードが選択されると、CPU10が、繰出手段31による繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、搬送の速度を第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度とするため、簡単な制御で札受台8への紙葉の排出の時間間隔を変更可能となる。
また、CPU10が、操作手段17への操作入力に基づいて低速モードでの第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換える。よって、低速モードでの第2の排出時間間隔を所望の間隔に調整することができ、個人個人で異なる目視に最適な排出の時間間隔に設定することができる。
また、CPU10は、低速モードでの繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送中であっても、操作手段17への操作入力に基づいて、第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換え可能であるため、紙葉の繰り出し搬送中に繰出搬送手段33を一々停止させることなく、第2の排出時間間隔を所望の間隔に調整することができる。
また、低速モードでの繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送中に、CPU10が、操作手段17への操作入力に基づいて、繰出搬送手段33による紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させるため、例えば、紙葉の表裏の方向が間違っている紙葉を見つけたり、書かれている文字が間違っている紙葉を見つけたりしたときに、紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させることができる。よって、見つけた紙葉を容易に排除することができる。
また、RAM12が、低速モードでの繰出搬送手段33の動作条件を記憶するため、一々低速モードでの繰出搬送手段33の動作条件を設定しなくとも、RAM12から読み出した動作条件で繰出搬送手段33を動作させることができる。
また、低速モードが選択された状態では、表示手段18が、低速モードである旨と第2の排出時間間隔に相当する情報とを表示するため、これらの情報を操作者に認識させることができる。よって、操作者による操作ミスを抑制することができる。
以上においては、低速モードが選択されると、CPU10が、繰出手段31による繰り出しの時間間隔を通常モードの第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、搬送の速度を通常モードの第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度として、札受台8への紙葉の排出の時間間隔を通常モードの第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする場合を例にとり説明した。これに限らず、低速モードにおいて、札受台8への紙葉の排出の時間間隔を通常モードの第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とすれば良く、以下のような変更も可能である。
例えば、ガイドローラ2および繰出ローラ3を駆動する計数モータM1とは別に、加速ローラ6を駆動する搬送モータを設け、通常モードが選択されると、CPU10が、計数モータM1つまりガイドローラ2および繰出ローラ3の回転速度を速くして繰出手段31によりホッパ1から紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とする一方、低速モードが選択されると、計数モータM1つまりガイドローラ2および繰出ローラ3の回転速度を遅くして繰出手段31によりホッパ1から紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とする。そして、通常モードと低速モードとで搬送モータおよび集積車モータの回転速度はそれぞれ同じとして、搬送手段32による紙葉の搬送の速度を、通常モードと低速モードとで同じする。これにより、搬送手段32の紙葉の搬送の速度を可変とする必要がなくなり、さらなる制御の容易化が図れる。
1 ホッパ
5a,5b 投受光器(計数手段)
8 札受台(受入手段)
10 CPU(選択手段,切換手段,停止手段)
12 RAM(記憶手段)
17 操作手段
18 表示手段
31 繰出手段
32 搬送手段
33 繰出搬送手段

Claims (8)

  1. ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出し搬送して排出する繰出搬送手段と、
    該繰出搬送手段で排出された紙葉を目視可能に受け入れる受入手段と、
    前記繰出搬送手段で移動中の紙葉を計数する計数手段と、
    を備える紙葉計数機であって、
    操作手段への操作入力に基づいて、前記繰出搬送手段による前記受入手段への紙葉の排出の時間間隔を第1の排出時間間隔とする通常モードと前記第1の排出時間間隔よりも長い第2の排出時間間隔とする低速モードとから選択して実行する選択手段を備えることを特徴とする紙葉計数機。
  2. 前記低速モードが選択された状態で、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換える切換手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の紙葉計数機。
  3. 前記切換手段は、前記低速モードでの前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中であっても、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記第2の排出時間間隔を段階的に短くまたは長く切り換え可能であることを特徴とする請求項2に記載の紙葉計数機。
  4. 前記低速モードでの前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送中に、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記繰出搬送手段による紙葉の繰り出し搬送を一旦停止させる停止手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の紙葉計数機。
  5. 前記低速モードでの前記繰出搬送手段の動作条件を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の紙葉計数機。
  6. 前記低速モードが選択された状態では、低速モードである旨と前記第2の排出時間間隔に相当する情報とを表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の紙葉計数機。
  7. 前記繰出搬送手段は、前記ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰出手段と、該繰出手段により繰り出された紙葉を搬送して前記受入手段に排出する搬送手段とを有し、
    前記選択手段は、前記通常モードが選択されると、前記繰出手段により前記ホッパから紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とするとともに前記搬送手段による紙葉の搬送の速度を第1の搬送速度とする一方、前記低速モードが選択されると、前記繰り出しの時間間隔を前記第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とするとともに、前記搬送の速度を前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の紙葉計数機。
  8. 前記繰出搬送手段は、前記ホッパに投入された紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰出手段と、該繰出手段により繰り出された紙葉を搬送して前記受入手段に排出する搬送手段とを有し、
    前記選択手段は、前記通常モードが選択されると、前記繰出手段により前記ホッパから紙葉を1枚ずつ分離して繰り出す繰り出しの時間間隔を第1の繰出時間間隔とする一方、前記低速モードが選択されると、前記繰り出しの時間間隔を前記第1の繰出時間間隔よりも長い第2の繰出時間間隔とし、
    前記搬送手段は、紙葉の搬送の速度が、前記通常モードと前記低速モードとで同じであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の紙葉計数機。
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