JP2015102287A - ヒートポンプシステム、及び、ヒートポンプ式給湯器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮された冷媒が熱交換対象と熱交換する第1熱交換器11と、第1熱交換器11から流出する冷媒を減圧膨張させる膨張弁12と、膨張弁12にて減圧膨張された冷媒が熱交換対象と熱交換する第2熱交換器13と、低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bを繋ぎ、両者の間で冷凍機油を流通させる均油配管21と、均油配管21を開閉する均油弁23と、均油弁23の開閉動作を制御する制御装置30と、を備える。制御装置30は、均油配管21を冷媒が流れているものと判断すると、開いている均油弁23を閉じるように指示する。
【選択図】図1
Description
この冷媒システムとして、低段側圧縮機と高段側圧縮機が直列に接続された冷媒回路を備え、その冷媒回路で冷媒を循環させる二段圧縮冷凍サイクルが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
本発明は、この技術的課題に基づいてなされたもので、運転を停止したり、あるいは、複雑な運転操作したりすることなく、二つの圧縮機の冷凍機油の量を均等に保つのが容易な二段圧縮ヒートポンプシステムを提供することを目的とする。本発明は、加えて、この二段圧縮式ヒートポンプシステムを備える高効率なヒートポンプ給湯器を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、均油配管を冷媒が流れているものと判断すると、開いている均油弁を閉じるように指示することを特徴とする。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るヒートポンプシステム1は、図1に示すように、冷媒を圧縮して吐出する低段側圧縮機10a及び高段側圧縮機10bと、高段側圧縮機10bで圧縮された冷媒と熱交換の対象となる流体とを熱交換させる第1熱交換器11と、第1熱交換器11から流出する冷媒を減圧膨張させる膨張弁12と、膨張弁12にて減圧膨張された冷媒と熱交換の対象となる流体を熱交換させる第2熱交換器13と、を備え、冷媒の循環方向に沿ってこの順に直列に接続されている。本実施形態において、第1熱交換器11は、例えば水と熱交換することで放熱する凝縮器として機能し、また、第2熱交換器13は、外気と熱交換することで吸熱する蒸発器として機能することができる。
ヒートポンプシステム1は、低段側圧縮機10aに保持される冷凍機油と高段側圧縮機10bに保持される冷凍機油の油量を均等に保つための均油機構20を備える。本実施形態の特徴である均油機構20の詳細は後述する。
なお、低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bを区別することなく、圧縮機構10と総称することがある。
[圧縮機構10]
低段側圧縮機10aは、一体に構成された電動モータにより回転駆動されることにより、第2熱交換器13を通過した低温低圧の冷媒を吸入して中間圧まで圧縮し、高段側圧縮機10bに向けて吐出する。
低段側圧縮機10aに適用される圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構や、ロータリ式圧縮機構など公知の形式の圧縮機構を適用できる。高段側圧縮機10bも同様である。
高段側圧縮機10bは、低段側圧縮機10aから吐出された冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧の冷媒として第1熱交換器11に向けて吐出する。
第1熱交換器11は、熱交換の対象となる水、空気などの流体と高温高圧の冷媒とを熱交換させることによって流体を加熱する。高段側圧縮機10bから吐出された高温高圧の冷媒は、ここで冷却され凝縮される。第1熱交換器11は、公知の熱交換器を用いることができる。次に説明する第2熱交換器13も同様である。
第1熱交換器11は、熱交換の対象が空気の場合には、送風ファン11fを付設しており、送風ファン11fにより送風された空気が第1熱交換器11を通過する過程で冷媒と熱交換される。
第2熱交換器13は、膨張弁12を通過して減圧膨張された冷媒と外気との間で熱交換を行うものであり、この熱交換の過程で冷媒は蒸発し、外気から熱を吸収する。第2熱交換器13にも、送風ファン13fが付設されており、送風ファン13fにより送風された空気と冷媒とが熱交換されることで、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を生じさせる。
膨張弁12は、例えば、ニードル状の弁体と、弁体を駆動するためのパルスモータとを備えた電子膨張弁から構成される。
均油機構20は、低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bを繋ぐ均油配管21と、均油配管21に設けられ、低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bの間の冷凍機油の流れを制御する均油弁(開閉弁)23と、均油配管21に近接して設けられ、均油配管21の内部の温度を検出するための第1温度センサ25と、配管L2に近接して設けられ、配管L2の内部の温度を検出するための第2温度センサ26と、を備える。
第1温度センサ25と第2温度センサ26で検出された各々の温度情報(検出温度)T0,T1は、制御装置30に転送される。制御装置30は転送された温度情報T0,T1に基づいて、均油弁23の開/閉を制御する。
低段側圧縮機10a及び高段側圧縮機10bは、正常な運転に必要とされる冷凍機油の量を示す基準油面が各々に設定されており、均油配管21は、基準油面に対応する位置で低段側圧縮機10a,高段側圧縮機10bに接続される。そして、均油配管21の各々の接続端が冷凍機油に常に浸かっていることが好ましい。
制御装置30は、ヒートポンプシステム1の動作を司るが、特に本実施形態においては、均油配管21の均油弁23の開/閉を制御する。制御装置30は、均油弁23の開/閉を制御するのに、第1温度センサ25と第2温度センサ26から、各々、温度情報T0,T1を取得する。制御装置30は、取得した温度情報T0,T1を比較することで、均油弁23の開/閉を判断する。つまり、均油配管21を流れる冷凍機油と配管L2を流れる冷媒の温度を比較すると、冷媒の温度が顕著に低い。しかし、均油配管21に冷凍機油ではなく冷媒が流れることになれば、均油配管21において検出される温度情報T0と配管L2において検出される温度情報T1の差が小さくなる。したがって、制御装置30は、温度情報T0と温度情報T1を比較すれば、均油配管21を冷凍機油が流れているか冷媒が流れているかを判断することができる。
以下、ヒートポンプシステム1の動作を説明する。
ヒートポンプシステム1は、冷媒が循環し、二段圧縮冷凍サイクルが実行される。
始めに、制御装置30は、ヒートポンプシステム1が定常運転をしているか否かを判断し、定常運転の場合には二つ目の例外の判断(ステップ105 Yes,S107)に進むが、定常運転でない場合には、均油弁23を閉じたままにする(図3 S105 No)。ここで、定常運転に該当しない非定常運転の場合とは、例えば、デフロスト運転をしているときが該当する。この非定常運転の間は、均油弁23を流れる冷凍機油の温度が高段側圧縮機10bに吸入される冷媒の温度よりも高いという本実施形態の前提が成り立たないおそれがあるからである。また、ヒートポンプシステム1の起動初期の間も非定常運転に該当するが、本実施形態はこの起動初期を前述した閉塞期間twとして折込済みである。
制御装置30は、この間、第1温度センサ25から取得する温度情報T0と第2温度センサ26から取得する温度情報T1との差分(T0−T1)が、予め定められた値ΔT以下になるか否かを判断する(図3 S113)。ここで、温度情報T0は均油配管21を流れる流体(冷凍機油又は冷媒)の温度とみなされ、温度情報T1は高段側圧縮機10bに吸入される冷媒の温度とみなされる。
以上では、均油弁23の原則的な開閉を閉塞期間twと均油期間tmにより制御しているが、本発明はこれに限らない。均油弁23を開く条件として、温度情報T0,T1を利用することができる。つまり、図4に示すように、T0−T1がΔTを超えていれば均油弁23を開き(図4 ステップ203,ステップ109)、T0−T1がΔT以下であれば均油弁23を閉じる(図4 ステップ113,S101)こともできる。
以下、第1実施形態として説明したヒートポンプシステム1を適用したヒートポンプ式の給湯・空調機100を、本発明の第2実施形態として説明する。
給湯・空調機100は、図5及び図6に示すように、ヒートポンプ系統200と、水系統300と、から構成されている。
ヒートポンプ系統200は、第1実施形態で説明したヒートポンプシステム1を利用したものであり、室外の空気(外気)と冷媒との間で熱交換を行う。ヒートポンプシステム1に対応する要素がある場合には、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。ただし、第1熱交換器11は、水対冷媒熱交換器11と読み替えるものとする。水対冷媒熱交換器11は、水系統300側の水と冷媒とを熱交換させることによって水を加熱する。また、第2熱交換器13は、熱源側空気熱交換器13と読み替えるものとする。さらに、ヒートポンプ系統200は、ヒートポンプシステム1が備えていない以下の要素を含んでいる。
また、ヒートポンプ系統200は、配管L3にエコノマイザ回路16が設けられている。エコノマイザ回路16は、エコノマイザ用熱交換器16aと、エコノマイザ用膨張弁16bと、インジェクション管16cを備えている。水対冷媒熱交換器11を経た液冷媒は、その一部がエコノマイザ用膨張弁16bを経てエコノマイザ用熱交換器16aに導入され、配管L3を流れる液冷媒と熱交換させて蒸発した後、このガス冷媒を低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bの間の中間圧の配管L1にインジェクション管16cを介して注入される。
また、ヒートポンプ系統200は、低段側圧縮機10aの吐出側にオイルセパレータ27を、高段側圧縮機10bの吐出側にオイルセパレータ28を備えている。低段側圧縮機10aから吐出された冷媒に含まれる冷凍機油はオイルセパレータ27において冷媒から分離され、戻し配管27Lを介して低段側圧縮機10aに戻される。同様に、高段側圧縮機10bから吐出された冷媒に含まれる冷凍機油はオイルセパレータ28において冷媒から分離され、戻し配管28Lを介して高段側圧縮機10bに戻される。
水系統300は、水循環ポンプ307を介して循環される水がヒートポンプ系統200に設けられている水対冷媒熱交換器11で冷媒から吸熱して温水とされ、その温水を負荷側のラジエータ303との間で循環させることにより、暖房用の熱源等として利用する温水循環流路301を備えている。この温水循環流路301には、流量割合を調整可能な三方切替え弁306を介して温水循環流路301から温水を導入し、その温水を蓄熱温水として蓄えることができる蓄熱タンク305が接続されている。
また、水系統300は、蓄熱タンク305から水循環ポンプ307によって供給された加熱対象としての水が、水対冷媒熱交換器11においてヒートポンプ系統200の冷媒と熱交換することで加熱される。
例えば、第1実施形態で述べた本発明における最低限の要素を除く部分は任意である。例えば、室内用熱交換器をさらに備える給湯・空調機に本発明を適用することもできるし、逆に、貯湯機能のみを備えるヒートポンプ式給湯器に適用することもできる。
10a 低段側圧縮機
10b 高段側圧縮機
11 第1熱交換器,水対冷媒熱交換器
11f 送風ファン
12 膨張弁
12a 冷房用膨張弁
12b 暖房用膨張弁
13 第2熱交換器,熱源側空気熱交換器
13f 送風ファン
15 四方切替え弁
16 エコノマイザ回路
16a エコノマイザ用熱交換器
16b エコノマイザ用膨張弁
16c インジェクション管
18 レシーバ
20 均油機構
21 均油配管
23 均油弁
25 第1温度センサ
26 第2温度センサ
27,28 オイルセパレータ
27L,28L 戻し配管
30 制御装置
100 給湯・空調機
200 ヒートポンプ系統
300 水系統
301 温水循環流路
303 ラジエータ
305 蓄熱タンク
306 三方切替え弁
307 水循環ポンプ
L1〜L4 配管
Claims (5)
- 低段側圧縮機と高段側圧縮機を備え、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構と、
前記圧縮機構で圧縮された前記冷媒が熱交換対象と熱交換する第1熱交換器と、
前記第1熱交換器から流出する前記冷媒を減圧膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁にて減圧膨張された前記冷媒が熱交換対象と熱交換する第2熱交換器と、
前記低段側圧縮機と前記高段側圧縮機を繋ぎ、前記低段側圧縮機と前記高段側圧縮機の間で冷凍機油を流通させる均油配管と、
前記均油配管を開閉する均油弁と、
前記均油弁の開閉動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記均油配管を前記冷媒が流れているものと判断すると、開いている前記均油弁を閉じるように指示する、
ことを特徴とするヒートポンプシステム。 - 前記制御装置は、
前記均油配管における検出温度T0と、
前記低段側圧縮機から前記高段側圧縮機に向けて前記冷媒を流す冷媒配管における検出温度T1、及び、前記高段側圧縮機における検出温度T2の一方又は双方と、
の比較に基づいて、前記均油配管を前記冷媒が流れているか否かを判断する、
請求項1に記載のヒートポンプシステム。 - 前記制御装置は、
非定常な運転時には、開ける条件が整っていたとしても、前記均油弁を閉じ続けるように、指示する、
請求項1又は請求項2に記載のヒートポンプシステム。 - 前記制御装置は、
前記高段側圧縮機の回転数が、予め定められた値よりも小さい場合には、
前記均油配管を前記冷媒が流れているか否かの前記判断に関わらず、
前記均油弁を、一定時間ごとに開閉を交互に繰り返すように指示する、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のヒートポンプシステム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒートポンプシステムの前記第1熱交換器が、冷媒と水とを熱交換させて水を加熱する水対冷媒熱交換器である、
ことを特徴とするヒートポンプ式給湯器。
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