JP2015101986A - 筒内噴射内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

筒内噴射内燃機関の始動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】筒内噴射内燃機関の低温時の始動特性を高めるための始動制御を行う。【解決手段】始動制御装置は、始動時の機関温度が所定温度よりも低い場合、クランキングを一時停止した上で、圧縮行程気筒内に必要量の燃料による成層混合気が形成されるように、燃料噴射量と燃料到達距離とを調整しながら複数回の燃料噴射を行う。そして、同気筒内に成層混合気が形成された後、クランキングを再開して点火を行う。これにより、低温始動時の目標噴射量が従来の方法では圧縮行程中に噴射を完了できない程度に増量された場合であっても、目標噴射量の全てを確実に噴射させた上で点火を図ることができる。その結果、機関の始動特性を高めることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料を気筒内に噴射する噴射弁と、点火プラグと、を備えた筒内噴射内燃機関(いわゆるガソリン直噴エンジン)の始動制御装置に関する。
従来から、内燃機関の始動特性を改善するべく、始動時の同機関の温度を考慮しながら気筒内への燃料噴射を制御する始動制御装置が提案されている。例えば、筒内噴射機関に適用される従来の始動制御装置の一つ(以下「従来装置」という。)は、内燃機関の始動時に、意図しない早期着火(いわゆるプレ・イグニッション)が生じることを防ぐために、始動時の同機関の温度が所定温度以上である場合にはクランキングの開始前に筒内に燃料を噴射する。従来装置は、燃料が気化するときの吸熱効果によって筒内を冷却し、早期着火の抑制を図っている(例えば、特許文献1を参照。)。なお、以下、内燃機関を単に「機関」と称呼する。
特開2006−144804号公報
従来装置は、機関の温度が高い場合における始動特性に着目している。一方、始動時の機関の温度が低い場合、燃料が気化し難いので、機関の温度が高い場合に比べて燃料噴射量が増大される場合がある。燃料噴射量は、一般に、始動時の機関の温度が低いほど増大される。
しかしながら、噴射すべき燃料の量(目標量)が増えると、一般に、燃料を噴射するために要する時間が長くなる。そのため、始動時の機関の温度が特に低い場合、目標量の増大の程度が大きく、圧縮行程中に目標量の全てを噴射し終えることが困難となる場合がある。この場合、始動に必要な量の燃料が筒内に供給されないので、燃料が燃焼した際の爆発力(出力トルク)が不足し、機関が確実に始動しないおそれがある。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、筒内噴射内燃機関が低温時に始動される場合であっても同機関を確実に始動させることが可能な、始動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明による始動制御装置は、
燃料を気筒内に噴射する噴射弁と、点火プラグと、を備えた筒内噴射内燃機関に適用される始動制御装置であって、
前記噴射弁内の燃料流路を開閉するニードルのリフト量を調整することにより、燃料の噴射量、および、噴射された燃料が到達する最大距離(以下「噴射距離」という。)を制御する制御部、を備えている。
さらに、この制御部は、
始動時の前記機関の温度が所定温度以下であるとき、
クランキングの開始後にクランキングを一時停止し、
圧縮行程中の気筒内において、前記機関の始動に必要な量の燃料による成層混合気が前記点火プラグを中心に形成されるように、前記リフト量を調整しながら複数回の燃料噴射を行い、
その後にクランキングを再開して前記点火プラグによって前記混合気への点火を行う、
ように構成されている。
上記構成により、始動に必要な量(目標量)の燃料の全てが圧縮行程の気筒内に供給されるまでクランキングが停止されるので、低温下での始動時に目標量が増大された場合であっても、圧縮行程中にその目標量の全ての噴射を完了することができる。さらに、燃料噴射の制御によって気筒内に成層混合気を形成させるので、クランキングの停止に起因して気筒内での空気流動を混合気の形成に利用できなくなっても、点火・燃焼に適した混合気を気筒内に準備することができる。よって、クランキングの再開後にその混合気が点火されれば、機関の始動に求められる爆発力が確実に得られることになる。したがって、本発明の始動制御装置は、筒内噴射内燃機関が低温時に始動される場合であっても、同機関を確実に始動させることができる。
上述した本発明の構成および効果について更に詳しく述べると、上記「噴射弁」は、一般に、ニードルのリフト量が大きいほど燃料流路の広さが増すとともに、ゼロから最大量までの間の任意のリフト量にて燃料を噴射可能であるように、構成されている。なお、ニードルのリフト量は、例えば、電磁力によってニードルを吸引する電磁石への通電時間の長さを制御することにより、調整され得る。
所定のリフト量(目標量)にて燃料を噴射するとき、一般に、ニードルは、リフト量がゼロである位置(ゼロ位置)からリフト量が目標量である位置(目標位置)まで移動した後、目標位置に留まることなくゼロ位置に戻る、ように操作される。このとき、ニードルの移動には、所定の時間を要する。一方、燃料は、ニードルがゼロ位置から目標位置に向けて移動し始めた時点(すなわち、燃料流路が開き始めた時点)から、ニードルが再びゼロ位置に戻る時点(すなわち、燃料流路が閉じる時点)まで、噴射され続ける。
そのため、“小さい”リフト量にて燃料を噴射するとき、ニードルがそのリフト量に相当する位置(目標位置)に到達するまでの時間長さは短く、燃料が噴射される時間長さも短い。その結果、リフト量が小さいとき、燃料の“噴射量が少なく”且つ“噴射距離が短い”ことになる。これに対し、“大きい”リフト量にて燃料を噴射するとき、ニードルが目標位置に到達するまでの時間長さは長く、燃料が噴射される時間長さも長い。その結果、リフト量が大きいとき、燃料の“噴射量が多く”且つ“噴射距離が長い”ことになる。なお、リフト量の大小にかかわらず、噴射回数が多いほど、燃料の噴射量(合計量)が多いことになる。
そこで、本発明の制御部は、ニードルのリフト量を調整して燃料の噴射量および噴射距離を制御しつつ、必要に応じて複数回の噴射を行い、気筒内の特定の位置に特定の濃度(空燃比)の混合気を配置することにより、点火プラグを中心とした成層混合気を気筒内に形成する。なお、本説明から理解されるように、リフト量を調整するとは、1回の燃焼サイクルにおいて複数回の燃料噴射を行うときの各燃料噴射に対応するリフト量の最大量を変更する、と言い換えられ得る。
上記「成層混合気」は、機関の始動に必要な量の燃料と、気筒内の空気と、によって形成されていればよく、その成層度等は特に制限されない。例えば、成層混合気は、機関に要求される始動特性等を考慮した成層度(濃度の分布・勾配)を有するように形成され得る。一例として、“点火プラグの周辺を除く気筒(燃焼室)内の全域にわたって理論空燃比の混合気が存在し、点火プラグの周辺に限って理論空燃比よりもリッチな空燃比の混合気が存在する、混合気”が挙げられる。この混合気は、“弱成層混合気”とも呼ばれ、点火性、気筒内の空気の利用率および火炎伝播の速度に優れ、機関の始動に求められる爆発力(トルク)を得やすいとの利点を有する。
上記説明から理解されるように、ニードルのリフト量および噴射回数は、機関の温度などに基づいて定めた噴射量の目標量、目標とする成層混合気の状態(例えば、成層混合気中の燃料濃度の分布・勾配)、噴射弁が気筒のどの位置に設けられているか、噴射弁と点火プラグとの位置関係、ならびに、機関に要求される始動特性などに基づいて定められればよく、特に制限されない。
例えば、いわゆる“サイド噴射”の場合(噴射弁がシリンダヘッドの周部に設けられ、点火プラグが気筒上部の中央部に設けられる場合)、以下の順にニードルのリフト量および噴射回数を制御することにより、点火プラグを中心とした成層混合気が形成され得る(例えば、図4を参照。)。
(1)大きいリフト量にて少ない回数の噴射を行うことにより、噴射弁から離れた位置(例えば、噴射弁に向かい合う気筒壁面の近く)に低濃度の混合気を配置する。
(2)中程度のリフト量にて多い回数の噴射を行うことにより、点火プラグの周辺に点火性に優れた濃度の混合気を配置する。
(3)小さいリフト量にて中程度の回数の噴射を行うことにより、噴射弁に近い位置(例えば、噴射弁が設けられる気筒壁面の近く)に低濃度の混合気を配置する。
一方、例えば、いわゆる“中央噴射”の場合(噴射弁および点火プラグの双方が気筒上部の中央部に設けられる場合)、以下の順の制御により、点火プラグを中心とした成層混合気が形成され得る(例えば、図5を参照。)。
(1)大きいリフト量にて少ない回数の噴射を行うことにより、噴射弁から離れた位置(例えば、ピストンの近く)に低濃度の混合気を配置する。
(2)中程度のリフト量にて中程度の回数の噴射を行うことにより、(1)よりも噴射弁に近い位置に中濃度の混合気を配置する。
(3)小さいリフト量にて多い回数の噴射を行うことにより、点火プラグの周辺に点火性に優れた濃度の混合気を配置する。
上記「クランキング」は、一般に、機関を搭載した車両に設けられるエンジン・スタータの作動に連動して行われる。そこで、「クランキングの開始」は“スタータの作動の開始”と表現することもでき、「クランキングを一時停止」は“スタータの作動を一時停止”と表現することもでき、「クランキングを再開」は“スタータの作動を再開”と表現することもできる。
なお、一般に、筒内噴射機関においては、噴射された燃料が気筒内壁やピストン等に付着すると、付着した燃料が点火後に十分に燃焼せず、気筒内に残存する場合がある。この場合、例えば、燃料不足による失火、次回以降の燃焼時におけるスモーク等の発生、および、クランクケースへの漏出を通じたエンジンオイルの希釈などの問題が生じる可能性がある。本発明の始動制御装置は、噴射量および噴射距離を考慮しながら気筒内に成層混合気を形成するので、燃料が気筒壁面へ付着することを抑制することができる。よって、本発明の始動制御装置によれば、それら問題が生じることを抑制することもできる。
以上、本発明の始動制御装置の構成および効果について説明した。次いで、本発明の始動制御装置のいくつかの態様(態様1、態様2)について述べる。
・態様1
クランキングの停止中、筒内圧の大きさによっては、ピストンが圧縮上死点から離れる向きに押し戻される(さらに、場合によっては、一旦押し戻された後に再び圧縮上死点に近づく前後運動を繰り返す)場合がある。クランキングの停止中にピストン位置が過度に変化すると、実際のピストン位置と検出されたピストン位置とが大きく相違するためにクランキングの再開後に適切なタイミングにて点火が行えず、機関が確実に始動しない可能性がある。その理由は、一般に、ピストン位置(クランク角度)を検出するクランク角度センサがピストンが正方向に移動しても逆方向に移動しても同じ出力パルスを発生させ、その出力パルスの積算によってピストン位置が検出されるからである。
そこで、本態様の始動制御装置は、クランキングを再開するときに正確なピストン位置(クランク角度)を把握できるよう、クランキングの停止中にクランク角度を把握し続けるように構成され得る。
クランキングの停止中にクランク回転角を把握し続ける方法として、例えば、特開2004−124754号公報に記載の方法が採用され得る。本方法においては、2つのクランク角度センサから出力される信号の位相の相違に基づき、クランク軸の回転方向(正方向または逆方向)および回転量が検出される。このように検出された情報を用いてクランク角度を時々刻々と加算または減算すれば、クランキングの停止中であってもクランク回転角を把握し続けることができる。
・態様2
クランキングの停止中、停止時間の長さによっては、気筒とピストンとの間の隙間等を通じて燃焼室から空気が漏れる場合がある。この場合、空気が過度に漏出すると、クランキングの再開後、圧縮熱が不足して燃料が十分に気化しないこと及び空気が不足して点火時の爆発力が低下することに起因し、機関が確実に始動しない可能性がある。
そこで、本態様の始動制御装置は、クランキングを一時停止した後、所定の閾値よりもクランク角度が進角側にある気筒を選択すると共に、同気筒内に成層混合気が形成されるように燃料噴射を行う、ように構成され得る。このような気筒は、クランキング停止中の筒内圧が比較的小さく、空気漏れが生じ難いためである。本態様の始動制御装置は、このような気筒がクランキング停止時に確実に存在するように、各気筒ごとのクランク角度を考慮しながらクランキングを停止するタイミングを決定してもよい。なお、上記閾値は、例えば、機関の温度に応じて設定され得る(例えば、圧縮上死点前90度CA)。
以上、本発明の各態様について述べた。なお、以下、燃料の噴射距離が短いことは「ペネトレーションが小さい」とも称呼され、燃料の噴射距離が長いことは「ペネトレーションが大きい」とも称呼される。また、ゼロと最大値との間のリフト量にて燃料を噴射することは、「パーシャルリフト噴射」とも称呼される。
本発明の実施形態に係る始動制御装置および同装置が適用される筒内噴射機関の概略図である。 図1の機関に設けられた噴射弁の内部構造の概略図である。 本発明の実施形態に係る始動制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の実施形態において気筒内に成層混合気が形成される様子を表す模式図である。 本発明の他の実施形態において気筒内に成層混合気が形成される様子を表す模式図である。
<実施形態>
・装置の概要
図1は、本発明の実施形態に係る始動制御装置(以下、「実施装置」ともいう。)が適用される筒内噴射内燃機関10の概略構成を示している。機関10は、筒内噴射・火花点火式・4サイクルの内燃機関である。
機関10は、燃料噴射系統(11〜15)、シリンダブロック部(21〜25)、シリンダヘッド部(31〜38)、吸気系統(41〜44)、排気系統(51〜53)、アクセルペダル(61)、イグニッション・キー・スイッチ(62)、各種センサ(71〜73)、および、電子制御装置81を備えている。
燃料噴射系統は、気筒内に燃料を噴射する噴射弁(インジェクタ)11、噴射弁11に高圧の燃料を注入するデリバリパイプ12、燃料を昇圧してデリバリパイプ12に送るサプライポンプ13、サプライポンプ13に燃料を供給する燃料タンク14、および、デリバリパイプ12内の燃料の圧力を計測する圧力センサ15を備えている。サプライポンプ13は、機関10のクランクシャフト24(下記参照)の回転に連動して作動し、燃料タンク14から供給された燃料を昇圧するように構成されている。
噴射弁11は、気筒21の外周部から気筒内に燃料を噴射するように、シリンダヘッド部の下面であって燃焼室25を画成している部分の周部に設けられている(いわゆる“サイド噴射”方式)。デリバリパイプ12とサプライポンプ13とは燃料供給経路によって接続されており、サプライポンプ13は、燃料タンク14から供給された燃料を、指示に応じた圧力(以下「燃圧」という。)に加圧してデリバリパイプ12に供給する。デリバリパイプ12は、サプライポンプ13から供給された燃料を燃圧を維持しながら一時的に蓄えつつ、噴射弁11に同燃料を注入する。
噴射弁11は、図2に示すように、燃料が噴き出される噴孔11a、噴孔11aに向かって燃料を導く燃料流路11b、および、燃料流路11bを開閉するニードル11cを有している。なお、燃料は、図中の矢印に示すように、注入口11dから噴射弁11に注入される。噴孔11aの形状は、円形状であってもよく、スリット状の形状であってもよい。
ニードル11cは、バネ11eによる紙面下方向の弾性力と、ニードル11cに接触する燃料による紙面下方向の力と、ソレノイドコイル11fによる紙面上方向の電磁力と、の合力に従い、紙面の上下方向に移動するようになっている。ニードル11cが移動すると、図2の部分拡大図に示されるように、ニードル11cの先端部と燃料流路11bの内壁面とに挟まれる領域の大きさ(燃料流路の開口面積)が変化する。ニードル11cの位置は、ニードル11cの「リフト量」とも称呼され、ゼロ(燃料流路を閉鎖する位置)から最大量MAX(燃料流路を全開にする位置)までの範囲内にて変化する(図4および図5も参照。)。
具体的には、ソレノイドコイル11fへの通電時間長さ(以下「噴射通電時間」という。)を調整することにより、ニードル11cを、リフト量がゼロである位置(ゼロ位置)から、リフト量が最大量である位置まで、の範囲内にて移動させることができる。具体的には、所定のリフト量(目標量)にて燃料を噴射するとき、ニードル11cがゼロ位置から移動を開始してリフト量が目標量である位置(目標位置)に到達するまで、ソレノイドコイル11fへの通電を行う。その後、ソレノイドコイル11fへの通電を止めると、ニードル11cは、バネ11eによる弾性力および燃料による力により、目標位置に留まることなくゼロ位置に戻る。ニードル11cのこのような挙動を踏まえ、リフト量の目標量は「噴射時最大リフト量」とも称呼される。噴孔11aから噴射される燃料の噴射量および噴射距離はニードル11cのリフト量の大きさに依存するので、噴射通電時間の長さを制御することにより、噴射時最大リフト量を制御するとともに、燃料の噴射量および噴射距離を制御することができる。
再び図1に戻ると、シリンダブロック部は、気筒21、ピストン22、コンロッド23、および、クランクシャフト24、を有している。気筒21の内壁面、ピストン22の上面およびシリンダヘッド部の下面は、燃焼室25を画成している。クランクシャフト24の回転は、ギアおよびベルトなどを介してサプライポンプ13に伝達される。上述したように、クランクシャフト24の回転により、サプライポンプ13が作動される。
さらに、シリンダブロック部は、クランクシャフト24に連結されたスタータ(図示省略)を備えている。スタータは、セルモータ等の電動機を含んでおり、機関10の始動時にクランクシャフト24を強制的に回転させ、機関10の始動を補助する。
シリンダヘッド部は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフト33、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、および、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグナイタ38を有している。
吸気系統は、吸気ポート31を介して各気筒に接続されたインテークマニホールド41、インテークマニホールド41に接続された吸気管42、吸気管42の端部に設けられたエアクリーナ43、吸気管42の開口面積を変更可能なスロットル弁44、および、指示信号に応じてスロットル弁44を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ44a、を有している。
排気系統は、排気ポート34を介して各気筒に接続されたエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続された排気管52、および、排気管52に設けられた排ガス浄化用触媒53、を有している。
アクセルペダル61は、機関10への出力要求等に応じて機関10の操作者によって操作される。イグニッション・キー・スイッチ62は、機関10を始動させるとき、機関10の操作者によって操作される。なお、イグニッション・キー・スイッチ62は、回転式のスイッチであってもよく、ボタン式のスイッチであってもよい。
各種センサとして、機関10は、カムポジションセンサ71、クランクポジションセンサ72、および、水温センサ73を備えている。
カムポジションセンサ71は、インテークカムシャフト33の回転に応じた信号を出力するように構成されている。クランクポジションセンサ72は、クランクシャフトの回転に応じた信号を出力するように構成されている。これら双方の信号に基づき、各気筒が燃焼サイクルのいずれの段階にあるかの特定(いわゆる気筒判別)がなされ、各気筒のクランク角度CAが特定される。
水温センサ73は、シリンダブロック部中を流れる冷却水の通路に設けられ、冷却水の温度THWに応じた信号を出力するように構成されている。
電子制御装置81は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータを主体とした電子回路である。電気制御装置のCPU(以下、単に「CPU」という。)は、噴射弁11およびイグナイタ38などに指示信号を送るとともに、上記各センサから出力される信号を入力するように構成されている。
・装置の作動
実施装置において、CPUは、図3に示したルーチンを実行し、始動時の機関10の温度(冷却水の温度THW)が所定温度以下であるとき、クランキングを一時停止させた上で、圧縮行程中の気筒内に成層混合気を形成するように燃料噴射を行わせた後、クランキングの再開および点火を行わせる。以下、現時点において圧縮行程中の気筒は「圧縮行程気筒」と称呼される。
具体的には、CPUは、イグニッション・キー・スイッチ62が操作されて機関10の始動が求められたとき、図3の「始動制御ルーチン」を実行する。本ルーチンの処理を開始すると、CPUは、ステップ310に進み、スタータを作動させる。これにより、クランキングが開始される。
次いで、CPUは、ステップ320に進み、圧縮行程気筒の特定(気筒判別)と、燃料噴射に必要な燃圧にまでの昇圧(燃料昇圧)と、が完了したか否かを判定する。気筒判別が完了したか否かは上記の通りカムポジションセンサ71およびクランクポジションセンサ72の出力信号に基づいて判定され、燃料昇圧が完了したか否かは圧力センサ15の出力信号に基づいて判定される。なお、一般に、クランクシャフト24が約1回転すると、これらが完了する。さらに、燃圧は、一旦昇圧されれば、少なくとも機関10が始動するまでは一定に維持される。加えて、クランクシャフト24の回転に依存することなく燃料を加圧可能である場合(例えば、電動ポンプによって燃料を加圧する場合)、ステップ320では、気筒判別が完了したか否かだけが判定されればよい。
現時点にて気筒判別と燃料昇圧とが完了している場合、CPUは、ステップ320にて「Yes」と判定し、ステップ330に進む。一方、現時点にてそれらが完了していない場合、CPUは、ステップ320にて「No」と判定し、ステップ310に戻ってスタータの作動を継続する。
CPUは、ステップ330に進むと、現時点の冷却水の温度THWが所定の閾値THWth以下であるか否かを判定する。現時点の冷却水の温度THWが閾値THWth以下である場合、CPUは、ステップ340に進み、スタータを停止させる。これにより、クランキングが一時停止される。なお、閾値THWthは、機関10の構造および要求される始動性能等に応じて設定される。例えば、閾値THWthは、機関10を備えた車両が用いられ得る低温環境を想定した温度(例えば、マイナス20℃)に設定される。
次いで、CPUは、ステップ350に進み、圧縮行程気筒内において、始動に必要な量の燃料による成層混合気が点火プラグ37を中心に形成されるように、噴射弁11に指示信号を与える。
具体的には、CPUは、図示しないルーチンにより、冷却水の温度THWなどに基づいて始動に必要な燃料の量(目標噴射量)を取得するとともに、形成する成層混合気の状態などに基づいて後述される各噴射ごとの燃料噴射量を算出する。
そして、CPUは、図4の(a)に示すように、大きいリフト量(第1の噴射時最大リフト量L)にて少ない回数(第1噴射回数。本例では1回)の噴射を行う。このとき、リフト量が大きいので燃料噴霧のペネトレーションが大きく、燃料噴霧が図中の領域A1に到達する。よって、噴射弁11から離れた位置(噴射弁11に対向する気筒21の壁面の近く)に混合気が配置される。このときのリフト量および噴射回数は、配置される混合気の空燃比が理論空燃比であり、燃料が気筒21の壁面およびピストン22に出来る限り付着しないように、定められる。
次いで、CPUは、図4の(b)に示すように、中程度のリフト量(第2の噴射時最大リフト量M)にて多い回数(第1噴射回数よりも多い第2噴射回数。本例では5回)の噴射を行う。このとき、リフト量が中程度なので燃料噴霧のペネトレーションが中程度であり、燃料噴霧が図中の領域A2に到達する。よって、点火プラグ37の周辺に混合気が配置される。このときのリフト量および噴射回数は、配置される混合気が理論空燃比よりもリッチな空燃比であるように定められる。
最後に、CPUは、図4の(c)に示すように、小さいリフト量(第3の噴射時最大リフト量S)にて中程度の回数(第2噴射回数よりも少ない第3噴射回数。本例では3回)の噴射を行う。このとき、リフト量が小さいので燃料噴霧のペネトレーションが小さく、燃料噴霧が図中の領域A3に到達する。よって、噴射弁11に近い位置(例えば、噴射弁11が設けられる気筒21の壁面の近く)に混合気が配置される。このときのリフト量および噴射回数は、配置される混合気の空燃比が理論空燃比であるように定められる。
上述したようにリフト量を調整しながら複数回の燃料噴射を行うことにより、点火プラグ37を中心として成層混合気(具体的には、上述した弱成層混合気)が形成される。なお、図4(a)〜(c)に示すように、本例における燃料噴射は、リフト量(L,M,S)がリフト量の最大量MAXよりも小さい“パーシャルリフト噴射”である。
次いで、CPUは、ステップ360に進み、スタータを再び作動させる。これにより、クランキングが再開される。さらに、CPUは、ステップ370に進み、圧縮行程気筒のクランク角度が所定の点火タイミングに一致すると、圧縮行程気筒の点火プラグ37を用いて混合気への点火を行うよう、イグナイタ38に指示を与える。なお、点火タイミングは、図示しないルーチンにより、冷却水の温度THWなどに基づいて取得される(例えば、圧縮上死点の近傍のクランク角度)。これにより、混合気が点火して燃焼し、大きな爆発力が発生する。その結果、機関10が始動する。
その後、CPUは、ステップ395に進んで本ルーチンを終了する。機関10が始動した後、CPUは、通常運転用の燃料噴射・点火ルーチン(図示省略)により、通常運転時の燃料噴射および点火を行い、機関10の運転を継続する。
なお、始動時の冷却水の温度THWが閾値THWthよりも高い場合、CPUは、ステップ330にて「No」と判定し、ステップ380に進み、通常始動時の燃料噴射を行う。具体的には、CPUは、クランキングを継続させながら、圧縮行程気筒内に機関10の始動に必要な量の燃料を噴射する。なお、このときの燃料の噴射量は、圧縮行程中に噴射を完了することが可能な量に設定される。そして、CPUは、ステップ370にて混合気への点火を行い、ステップ395に進んで本ルーチンを終了する。
このように、実施装置は、機関10を始動する要求が生じたときに機関10の温度(冷却水の温度THW)が所定温度THWth以下である場合、スタータを作動させた後(クランキングを開始した後)に一旦停止し、圧縮行程気筒内に弱成層混合気を形成するように燃料噴射を行った後、スタータを再び作動させて(クランキングを再開して)混合気への点火を行う。これにより、低温下での始動時に目標噴射量が増大された場合であっても、その目標噴射量の全てを噴射し終えた後に混合気が点火されることになるので、機関10を確実に始動させることができる。
なお、実施装置がスタータを停止する(クランキングを一時停止する)と、機関10の操作者がその停止を認識する可能性もある。しかし、一般に、スタータが停止される時間長さはそれ程長くならないので(数百ミリ秒程度)、実施装置による上記処理は、機関10のドライバビリティに実質的な影響を及ぼさないと考えられる。
<実施形態の総括>
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る始動制御装置(実施装置)は、
噴射弁11と、点火プラグ37と、を備えた筒内噴射内燃機関10に適用される始動制御装置であって、噴射弁11内の燃料流路を開閉するニードル11cのリフト量を調整することによって燃料の噴射量および噴射距離を制御する制御部80を備える。
この制御部80は、始動時の機関の温度THWが所定温度THWth以下であるとき(ステップ330にて「Yes」と判定されるとき)、クランキングの開始後にクランキングを一時停止し(ステップ340)、圧縮行程中の気筒内において、機関10の始動に必要な量の燃料による成層混合気が点火プラグ37を中心に形成されるように、リフト量を調整しながら複数回の燃料噴射を行い(ステップ350)、その後にクランキングを再開して点火プラグ37によって混合気への点火を行う、ように構成されている。
<その他の態様>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明の始動制御装置は、いわゆる中央噴射の機関(噴射弁および点火プラグの双方が気筒の中央部に設けられる機関)に適用されてもよい。
本発明の始動制御装置が中央噴射の機関に適用される場合、例えば、図3のルーチンを、ステップ350にて噴射弁11に以下の指示信号を与えるように変更すればよい。
具体的には、CPUは、図5の(a)に示すように、大きいリフト量(L)にて少ない回数(1回)の噴射を行うことにより、噴射弁11から離れた位置(例えば、ピストン22の近く)に理論空燃比の混合気を配置する。次いで、CPUは、図5の(b)に示すように、中程度のリフト量(M)にて中程度の回数(3回)の噴射を行うことにより、(1)よりも噴射弁11に近い位置に理論空燃比よりもややリッチな空燃比の混合気を配置する。最後に、CPUは、図5の(c)に示すように、小さいリフト量(S)にて多い回数(5回)の噴射を行うことにより、点火プラグ37の周辺に理論空燃比よりもリッチな空燃比の混合気を配置する。
10…内燃機関、11…噴射弁(噴射弁)、11a…噴孔、11b…燃料流路、11c…ニードル、11f…ソレノイドコイル、24…クランクシャフト、37…点火プラグ、62…イグニッション・キー・スイッチ

Claims (1)

  1. 燃料を気筒内に噴射する噴射弁と、点火プラグと、を備えた筒内噴射内燃機関に適用される始動制御装置であって、
    前記噴射弁内の燃料流路を開閉するニードルのリフト量を調整することによって燃料の噴射量および噴射された燃料が到達する最大距離を制御する制御部を備え、
    前記制御部が、
    始動時の前記機関の温度が所定温度以下であるとき、
    クランキングの開始後にクランキングを一時停止し、
    圧縮行程中の気筒内において、前記機関の始動に必要な量の燃料による成層混合気が前記点火プラグを中心に形成されるように、前記リフト量を調整しながら複数回の燃料噴射を行い、
    その後にクランキングを再開して前記点火プラグによって前記混合気への点火を行う、
    筒内噴射内燃機関の始動制御装置。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023162086A1 (ja) * 2022-02-24 2023-08-31 日立Astemo株式会社 燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法

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