JP2015101290A - 産業車両 - Google Patents

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Masateru Higure
昌輝 日暮
聡 関野
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聡 関野
國友 裕一
Yuichi Kunitomo
裕一 國友
誠司 石田
Seiji Ishida
誠司 石田
和也 関根
Kazuya SEKINE
和也 関根
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Abstract

【課題】 製造コストの上昇を抑えつつ、異常状態であっても電動機の駆動制御が可能な産業車両を提供する。【解決手段】 エンジン21、発電機27、走行電動機34は、エンジンコントローラ22、発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36によってそれぞれ制御される。非常脱出ボタン41が操作されない電圧制御モードでは、これらのコントローラ22,30,36は、車両コントローラ39からの指令信号Se,Sg,Smに基づいて動作する。非常脱出ボタン41が操作されたバックアップ制御モードでは、エンジンコントローラ22および発電コントローラ30は、走行操作装置17の操作量Dに応じて直流母線29A,29Bの電圧を変化させ、走行電動機コントローラ36は、直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば発電機と電動機を備えた産業車両に関する。
産業車両として、エンジン、発電機および電動機を備え、電動機によって走行駆動するものが知られている(特許文献1参照)。このような産業車両は、エンジンの動力を、発電機によって電力に変換し、その電力を電動機で走行の動力に変換している。このため、エンジンの動力を直接的に走行の動力に伝達することができないため、例えば車両全体の電気システムを制御する制御装置に異常が発生すると、エンジンや電動機は正常動作が可能にも拘らず、走行できない状態になる。
この点を考慮して、特許文献1には、車両全体の電気システムを制御する第1シーケンサに加えて、第1シーケンサを補助する第2シーケンサを備えた構成が開示されている。この場合、第1シーケンサは、運転者による走行操作装置の操作信号が入力されると共に、この操作信号に基づく走行指令信号を、通信を介して走行用の電動機のコントローラに送信する。
また、第1シーケンサが何らかの異常を検出し、走行に必要な走行指令信号を走行用の電動機に与えることができない場合には、運転者は非常脱出スイッチを操作する。これにより、走行用の電動機のコントローラに与える走行指令信号を、第2シーケンサからの走行指令信号に切り換えて、走行可能な状態に復帰させることができる。
特開2000−188801号公報
しかし、特許文献1の構成では、通常状態では使用されず、異常状態となったときだけ使用される第2シーケンサを搭載する必要があるため、製造コストが嵩む。また、走行用の電動機のコントローラは、通常状態と異常状態のいずれの状態でも、第1シーケンサまたは第2シーケンサからの走行指令信号を受信することによって、この走行指令信号に応じて電動機を制御する。このため、第1シーケンサからの走行指令信号を第2シーケンサからの走行指令信号に切り換えても、電動機のコントローラが走行指令信号を受信できない場合には、走行用の電動機を制御することができず、走行ができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、製造コストの上昇を抑えつつ、異常状態であっても電動機の駆動制御が可能な産業車両を提供することにある。
上述した課題を解決するため、請求項1の発明による産業車両は、自走可能な車体に搭載されたエンジンと、該エンジンによって駆動され電力を発生する発電機と、該発電機により発電された電力によって駆動される電動機と、前記発電機と前記電動機とに接続され両者間で電力を伝達する直流母線と、前記発電機からの電力を制御して前記直流母線の電圧を制御する電圧制御装置と、指令信号を受信したときには該指令信号に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、前記指令信号を受信しないときには前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御する電動機制御装置とを備えている。
請求項2の発明では、前記車体の走行を操作する走行操作装置をさらに備え、前記電動機は、その出力トルクによって前記車体を走行させる構成とし、前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記直流母線の電圧を制御している。
請求項3の発明では、前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラと、前記エンジンの回転数に応じて前記発電機の発電電力を制御し、前記直流母線の電圧を制御する発電コントローラとを備えている。
請求項4の発明では、前記発電機は、前記エンジンの回転数に応じた発電電力を出力する永久磁石型モータであり、前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記エンジンの回転数を制御し、前記エンジンの回転数に応じて前記直流母線の電圧を制御するエンジンコントローラを備えている。
請求項5の発明では、前記電圧制御装置と前記電動機制御装置に前記指令信号を送信し、前記電圧制御装置と前記電動機制御装置を制御する車両コントローラをさらに備え、前記電圧制御装置は、前記車両コントローラからの電圧の指令信号を受信したときには、該電圧の指令信号に応じて前記直流母線の電圧を一定値になるように制御し、前記車両コントローラからの電圧の指令信号を受信しないときには、前記走行操作装置の操作量に応じて前記直流母線の電圧を制御し、前記電動機制御装置は、前記車両コントローラからの出力トルクの指令信号を受信したときには、該出力トルクの指令信号に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、前記車両コントローラからの出力トルクの指令信号を受信しないときには、前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御している。
請求項6の発明では、前記走行操作装置を前記車両コントローラと前記電圧制御装置とのうちいずれか一方に選択的に接続するスイッチをさらに備え、前記スイッチが前記走行操作装置を前記電圧制御装置に接続したときには、前記電圧制御装置は、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じて前記直流母線の電圧を制御し、前記電動機制御装置は、前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、前記スイッチが前記走行操作装置を前記車両コントローラに接続したときには、前記車両コントローラは、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じた前記電圧の指令信号を前記電圧制御装置に送信し、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じた前記出力トルクの指令信号を前記電動機制御装置に送信している。
請求項1の発明によれば、指令信号を受信する通常状態では、電動機制御装置は、該指令信号に応じて電動機の出力トルクを制御する。このとき、電動機の出力トルクは、指令信号に応じて増加または減少する。一方、指令信号を受信しない異常状態では、電動機制御装置は、直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクを制御する。このとき、電動機の出力トルクは、直流母線の電圧が高いときに増加し、直流母線の電圧が低いときに減少する。この結果、指令信号が送信されないときに加えて、電動機制御装置が指令信号を受信できないときでも、電動機制御装置は、直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクを制御するから、電圧制御装置を用いて直流母線の電圧を上昇または低下させることによって、間接的に電動機の出力トルクを制御することができる。また、電動機制御装置は、指令信号を受信できないときには、電動機の出力トルクの制御を、指令信号が必要な制御モードから指令信号が不要な制御モードに切り換える。このため、別個の指令信号を出力する補助のコントローラを設ける必要がない。これにより、補助のコントローラを設けた場合に比べて、製造コストの上昇を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、電動機の出力トルクによって車体を走行させると共に、電圧制御装置は、走行操作装置の操作量に応じて直流母線の電圧を制御する。このため、走行操作装置を操作すると、その操作量に応じて直流母線の電圧が上昇または低下し、この直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクが増加または減少する。この結果、電動機制御装置が指令信号を受信しないときでも、走行操作装置の操作量に応じて電動機の出力トルクを増加または減少させることができ、車体の走行を制御することができる。
請求項3の発明によれば、電圧制御装置はエンジンコントローラと発電コントローラを備え、エンジンコントローラは、走行操作装置の操作量に応じてエンジンの回転数を増加または減少させると共に、発電コントローラは、エンジンの回転数に応じて発電機の発電電力を制御し、直流母線の電圧を制御する。このため、エンジンコントローラと発電コントローラを用いて、走行操作装置の操作量に応じて直流母線の電圧を制御することができる。
請求項4の発明によれば、発電機は永久磁石型モータであるから、例えば発電機に設けたインバータのスイッチング素子が全て開放状態であっても、発電機は、その回転数に応じた発電電力を出力することができる。このため、電圧制御装置のエンジンコントローラがエンジンの回転数を制御すると、エンジンの回転数に応じて発電機の発電電力が変化する。従って、発電機のインバータを制御しなくても、エンジンコントローラによって、走行操作装置の操作量に応じて直流母線の電圧を制御することができる。
請求項5の発明によれば、電圧制御装置と電動機制御装置を制御する車両コントローラをさらに備える。このとき、車両コントローラからの電圧および出力トルクの指令信号を受信するときには、電圧制御装置は、電圧の指令信号に応じて直流母線の電圧を一定値になるように制御し、電動機制御装置は、出力トルクの指令信号に応じて電動機の出力トルクを制御する。このため、車両コントローラからの電圧および出力トルクの指令信号を受信するときは、これらの指令信号に応じて電動機の出力トルクを制御することができる。
一方、車両コントローラからの電圧および出力トルクの指令信号を受信しないときには、電圧制御装置は、走行操作装置の操作量に応じて直流母線の電圧を上昇または低下させ、電動機制御装置は、直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクを増加または減少させる。このため、車両コントローラからの電圧および出力トルクの指令信号を受信しないときは、走行操作装置の操作量に応じて直流母線の電圧を制御し、この直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクを制御することができる。この結果、走行操作装置によって間接的に電動機の出力トルクを制御し、車体の走行を制御することができる。
請求項6の発明によれば、走行操作装置を車両コントローラと電圧制御装置とのうちいずれか一方に選択的に接続するスイッチをさらに備える。このとき、スイッチが走行操作装置を車両コントローラに接続したときには、車両コントローラは、走行操作装置からの走行操作信号に応じた電圧の指令信号を電圧制御装置に送信し、走行操作装置からの走行操作信号に応じた出力トルクの指令信号を電動機制御装置に送信する。これにより、車両コントローラは、発電機の発電電力と電動機の消費電力のバランスを考慮しつつ、走行操作装置の操作量に応じて電動機の出力トルクを制御することができる。
一方、スイッチが走行操作装置を電圧制御装置に接続したときには、電圧制御装置は、走行操作装置からの走行操作信号に応じて直流母線の電圧を制御し、電動機制御装置は、直流母線の電圧に応じて電動機の出力トルクを制御する。これにより、走行操作装置の操作量に応じて電動機の出力トルクを制御することができる。
本発明の第1の実施の形態に適用されるホイールローダを示す正面図である。 第1の実施の形態によるホイールローダに搭載される油圧システムと電動システムを示すブロック図である。 第1の実施の形態による電動システムを示すブロック図である。 バックアップ制御モードにおける電動システムを示す図3と同様なブロック図である。 図3中のエンジンコントローラを示すブロック図である。 図3中の発電コントローラを示すブロック図である。 図3中の走行電動機コントローラを示すブロック図である。 図3中の車両コントローラを示すブロック図である。 エンジンコントローラによるエンジン回転数指令値と走行操作装置の操作量との関係を示す説明図である。 発電コントローラによる直流母線の電圧指令値とエンジン回転数検出値との関係を示す説明図である。 走行電動機コントローラによるトルク指令値と直流母線の電圧検出値との関係を示す説明図である。 バックアップ制御モードにおける直流母線の電圧を示す説明図である。 第2の実施の形態による電動システムを示すブロック図である。 バックアップ制御モードにおける電動システムを示す図13と同様なブロック図である。 図13中の発電コントローラを示すブロック図である。 走行電動機コントローラによるトルク指令値と直流母線の電圧検出値との関係を示す説明図である。 バックアップ制御モードにおける直流母線の電圧を示す説明図である。 第3の実施の形態によるホイールローダに搭載される油圧システムと電動システムを示すブロック図である。 第3の実施の形態による電動システムを示すブロック図である。 図19中の発電コントローラを示すブロック図である。 図19中の車両コントローラを示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る産業車両としてハイブリッド式のホイールローダを例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図12は、本発明の第1の実施の形態を示している。図において、1はハイブリッド式のホイールローダを示している。このホイールローダ1は、左,右の前車輪2が設けられた前部車体3と、左,右の後車輪4が設けられた後部車体5とを有する。前部車体3と後部車体5とは、本発明の車体を構成し、連結機構6を介して左,右方向に屈曲可能に連結されている。
前部車体3と後部車体5との間にはステアリングシリンダ7が設けられ、このステアリングシリンダ7を伸長または縮小させることにより、前部車体3と後部車体5とが連結機構6を中心として屈曲する。このように、ホイールローダ1は、前部車体3と後部車体5とが連結機構6を中心として左,右方向に屈曲することにより、走行時の舵取りを行うアーティキュレート式の作業機械として構成されている。
前部車体3には、左,右方向に延びる前車軸8が設けられ、前車軸8の両端側には前車輪2が取付けられている。前車軸8の中間部にはデファレンシャル機構8Aが設けられ、このデファレンシャル機構8Aは、プロペラ軸9を介して後述の走行電動機34に接続されている。
一方、後部車体5には、左,右方向に延びる後車軸10が設けられ、後車軸10の両端側には後車輪4が取付けられている。後車軸10の中間部にはデファレンシャル機構10Aが設けられ、このデファレンシャル機構10Aは、プロペラ軸9を介して後述の走行電動機34に接続されている。
従って、走行電動機34によってプロペラ軸9が回転すると、プロペラ軸9の回転が、デファレンシャル機構8Aを介して前車軸8に伝達されると共に、デファレンシャル機構10Aを介して後車軸10に伝達される。これにより、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4とが同時に回転駆動され、ホイールローダ1は4輪駆動の状態で走行動作を行う。
11は前部車体3に設けられた作業装置を示し、この作業装置11は、前部車体3に俯仰動可能に取付けられた左,右のアーム12と、各アーム12の先端側に回動可能に取付けられたローダバケット13と、前部車体3に対してアーム12を俯仰動させるアームシリンダ14と、アーム12に対してローダバケット13を回動させるバケットシリンダ15とにより大略構成されている。作業装置11は、アームシリンダ14によってアーム12を俯仰動させると共に、バケットシリンダ15によってローダバケット13を回動させることにより、ローダバケット13によって掬った土砂等をダンプトラックの荷台等に排出する土木作業を行うものである。
16は後部車体5に設けられたキャブを示し、このキャブ16は、ホイールローダ1を運転するオペレータの運転室を画成するものである。キャブ16内には、オペレータが着席する運転席(図示せず)に加えて、例えばオペレータによって操作されるアクセルペダルからなる走行操作装置17が設けられると共に、ブレーキペダル、ステアリングホイール、作業用の操作レバー等(いずれも図示せず)が設けられている。走行操作装置17は、アクセルペダルの踏込み量を操作量Dとし、この操作量Dに応じた操作信号Sdを出力する。なお、走行操作装置17は、アクセルペダルに加えて、ブレーキペダルを含むものでもよい。この場合、走行操作装置17の操作量Dは、アクセルペダルの踏込み量に加えて、ブレーキペダルの踏込み量を加味したものとなる。
ここで、ハイブリッド式のホイールローダ1は、前部車体3および後部車体5の走行動作を制御する電動システムと、作業装置11の動作を制御する油圧システムとを搭載している。以下、ホイールローダ1のシステム構成について図2ないし図12を参照して説明する。
21は後部車体5に搭載されたエンジンを示し、このエンジン21は、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成される。エンジン21の出力側には、後述の油圧ポンプ23と発電機27とが取付けられ、これら油圧ポンプ23と発電機27とは、エンジン21によって駆動される。ここで、エンジン21の作動はエンジンコントローラ22によって制御され、エンジンコントローラ22は、後述する車両コントローラ39からの指令信号Seまたは走行操作装置17からの走行操作信号Sdに基づいて、エンジン21の回転速度(エンジン回転数)を制御する。
図5に示すように、エンジンコントローラ22は、データ受信制御部22A、インターフェイス22B、エンジン回転数指令値演算部22C、指令値切換制御部22D、エンジン制御信号演算部22Eを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
データ受信制御部22Aは、CAN(Control Area Network)を通じて後述の車両コントローラ39に接続され、車両コントローラ39からのエンジン回転数の指令信号Seを受信し、エンジン回転数指令値ωaを出力する。
インターフェイス22Bは、走行操作装置17に接続され、走行操作装置17からの走行操作信号Sdを読込み、操作量Dを出力する。このとき、操作量Dは、例えばアクセルべダルの踏込み量等が対応し、踏込みがない状態(非操作状態)で0%、最大踏込み状態(最大操作状態)で100%になる。
エンジン回転数指令値演算部22Cは、図9に示す特性線Lωに基づいて、操作量Dに応じたエンジン回転数指令値ωbを演算して出力する。具体的には、操作量Dが下限値DLよりも小さいときには、エンジン回転数指令値ωbはアイドリング時の回転数ωiに設定される。操作量Dが下限値DLよりも大きくなると、操作量Dが大きくなるに従って、エンジン回転数指令値ωbも回転数ωiから上昇する。操作量Dが上限値VHを超えると、エンジン回転数指令値ωbは、一定の上限回転数ωHに設定される。このため、操作量Dが下限値DLと上限値DHの間で変化するに従って、エンジン回転数指令値ωbは、下限回転数ωLと上限回転数ωHとの間で連続的に変化する。
即ち、操作量Dが下限値DLと上限値DHの間の範囲であれば、操作量Dが大きくなるに従って、エンジン回転数指令値ωbは高くなる。このとき、上限回転数ωHは、最大回転数ωmaxよりも低い範囲で、最大回転数ωmaxに近い値(例えば、0.7×ωmax<ωH<ωmax)になっている。また、操作量Dが下限値DL付近で下限値DLよりも大きい操作量Aのときのエンジン回転数指令値ωbは回転数ωになるのに対して、操作量Dが上限値DH付近で上限値DHよりも小さい操作量Bのときのエンジン回転数指令値ωbは、回転数ωの2倍の回転数2ωに設定されている。このため、エンジン21は、概ね回転数ωから回転数2ωの間で駆動する。
指令値切換制御部22Dは、データ受信制御部22Aのエンジン回転数指令値ωaとエンジン回転数指令値演算部22Cのエンジン回転数指令値ωbとのうちいずれか一方を選択的にエンジン制御信号演算部22Eに出力する。このとき、エンジン回転数指令値ωa,ωbの選択は、後述の非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxによって決まる。
具体的に説明すると、非常脱出信号Sxが出力されていないときには、指令値切換制御部22Dは、データ受信制御部22Aのエンジン回転数指令値ωaをエンジン制御信号演算部22Eに出力する。一方、非常脱出信号Sxが出力されたときには、指令値切換制御部22Dは、エンジン回転数指令値演算部22Cのエンジン回転数指令値ωbをエンジン制御信号演算部22Eに出力する。
エンジン制御信号演算部22Eは、エンジン回転数指令値ωa,ωbに応じたエンジン制御信号Sengを演算して出力する。このとき、エンジン制御信号Sengは、エンジン回転数指令値ωa,ωbでエンジン21が回転するために必要な例えば燃料噴射量等に対応した信号である。
23はエンジン21によって駆動される油圧ポンプを示し、この油圧ポンプ23は、タンク24内に貯溜された作動油を加圧し、ステアリングシリンダ7、作業装置11のアームシリンダ14、バケットシリンダ15等に圧油として吐出する。図2に示すように、油圧ポンプ23の作動は油圧ポンプコントローラ25によって制御され、油圧ポンプコントローラ25は、車両コントローラ39からの指令信号Spに基づいて、油圧ポンプ23の出力トルクを制御する。
油圧ポンプ23およびタンク24と各シリンダ7,14,15との間を接続する主管路の途中には、コントロールバルブ26が設けられている。コントロールバルブ26は、キャブ16内に配置された作業用の操作レバーに対する操作に応じて、油圧ポンプ23から吐出した圧油を各シリンダ7,14,15に選択的に供給または排出するものである。
27はエンジン21によって駆動される発電機を示し、この発電機27は、例えば永久磁石に基づく回転トルクを利用する永久磁石型モータ(永久磁石同期電動機)によって構成される。なお、第1の実施の形態では、発電機27は、永久磁石型モータに限らず、例えば誘導電流に基づく回転トルクを利用する誘導電動機によって構成してもよい。
図2および図3に示すように、発電機27は、第1のインバータ28を介して一対の直流母線29A,29Bに接続されている。発電機27は、エンジン21によって駆動されることにより発電し、発電した電力を直流母線29A,29Bに供給する。
第1のインバータ28は、例えばトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子を用いて構成され、発電コントローラ30によって各スイッチング素子のオン/オフが制御される。直流母線29A,29Bは、正極側と負極側とで対をなし、例えば数百V程度の直流電圧が印加されている。発電コントローラ30には、直流母線29A,29Bの電圧を検出する電圧センサ31と、発電機27の回転速度を検出する速度センサ32とが接続されている。
図6に示すように、発電コントローラ30は、データ受信制御部30A、インターフェイス30B,30C、電圧指令値演算部30D、指令値切換制御部30E、トルク指令値演算部30F、電流指令値演算部30G、インバータ制御信号演算部30Hを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
データ受信制御部30Aは、CANを通じて後述の車両コントローラ39に接続され、車両コントローラ39からの電圧の指令信号Sgを受信し、電圧指令値Vaを出力する。
インターフェイス30Bは、発電機27の電圧センサ31に接続され、電圧センサ31からの検出信号Svgを読込み、電圧検出値Vgを出力する。インターフェイス30Cは、発電機27の速度センサ32に接続され、速度センサ32からの検出信号Sωgを読込み、エンジン回転数検出値ωgを出力する。このとき、エンジン21、油圧ポンプ23および発電機27は、物理的に連結されて一緒に回転駆動する。このため、エンジン回転数検出値ωgは、エンジン21の回転数に対応すると共に、油圧ポンプ23および発電機27の回転数にも対応する。
電圧指令値演算部30Dは、図10に示す特性線Lvに基づいて、エンジン回転数検出値ωgに応じた電圧指令値Vbを演算して出力する。具体的には、エンジン回転数検出値ωgがエンジン21のアイドリング時の回転数ωiでは、電圧指令値Vbは、走行電動機34の起動が可能な範囲で比較的低いアイドリング電圧値V(ωi)に設定される。エンジン回転数検出値ωgがアイドリング時の回転数ωiよりも高い下限回転数ωLまで上昇すると、電圧指令値Vbは、アイドリング電圧値V(ωi)付近でアイドリング電圧値V(ωi)よりも高い下限電圧値V(ωL)に設定される。エンジン回転数検出値ωgが下限回転数ωLと上限回転数ωHとの間の範囲では、エンジン回転数検出値ωgが高くなるに従って、電圧指令値Vbは上昇する。エンジン回転数検出値ωgが上限回転数ωHを超えると、電圧指令値Vbは、下限電圧値V(ωL)よりも高い一定の上限電圧値V(ωH)に設定される。このため、エンジン回転数検出値ωgが下限回転数ωLと上限回転数ωHとの間で変化するに従って、電圧指令値Vbは、下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)との間で連続的に変化する。
このとき、エンジン回転数の上限回転数ωHは、最大回転数ωmaxよりも低い範囲で、最大回転数ωmaxに近い値(例えば、0.7×ωmax<ωH<ωmax)になっている。また、走行操作装置17が操作されているときは、エンジン21は概ね回転数ωから回転数2ωの間で駆動する。このため、走行操作装置17が操作されているときは、直流母線29A,29Bの電圧は、下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)との間の範囲で、概ね回転数ωに応じた電圧V(ω)と回転数2ωに応じた電圧V(2ω)の間で変化する。従って、走行操作装置17の操作量Dが一定であれば、直流母線29A,29Bの電圧は、走行操作装置17の操作量D(エンジン回転数)に応じた値(例えば電圧V(ωi),V(ω),V(2ω))付近に保持される(図12参照)。
指令値切換制御部30Eは、データ受信制御部30Aの電圧指令値Vaと電圧指令値演算部30Dの電圧指令値Vbとのうちいずれか一方を選択的にトルク指令値演算部30Fに出力する。このとき、電圧指令値Va,Vbの選択は、後述の非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxによって決まる。
具体的に説明すると、非常脱出信号Sxが出力されていないときには、指令値切換制御部30Eは、データ受信制御部30Aの電圧指令値Vaをトルク指令値演算部30Fに出力する。一方、非常脱出信号Sxが出力されたときには、指令値切換制御部30Eは、電圧指令値演算部30Dの電圧指令値Vbをトルク指令値演算部30Fに出力する。
トルク指令値演算部30Fは、電圧指令値Va,Vbのうち指令値切換制御部30Eによって選択されたものと、電圧検出値Vgとに基づいて、発電機27のトルク指令値T1を演算して出力する。即ち、トルク指令値演算部30Fは、電圧検出値Vgと電圧指令値Va,Vbとの差が小さくなり、電圧検出値Vgを電圧指令値Va,Vbに近付けるためのトルク指令値T1を演算する。このとき、トルク指令値T1は、直流母線29A,29Bからの電流供給によって発電機27に発生させるトルクに対応する。
電流指令値演算部30Gは、トルク指令値演算部30Fからのトルク指令値T1に応じた電流指令値I1を演算して出力する。このとき、電流指令値I1は、トルク指令値T1に応じたトルクを発電機27に発生させために、発電機27に供給する電流に対応する。
インバータ制御信号演算部30Hは、電流指令値I1に応じたインバータ制御信号Sinv1を演算して出力する。このとき、インバータ制御信号Sinv1は、電流指令値I1に応じた電流を発電機27に供給するために、第1のインバータ28の各スイッチング素子のオン/オフを制御するための信号(例えばPWM信号)である。
発電機27の発電時には、第1のインバータ28は、発電機27からの交流電力を直流電力に変換して走行電動機34に供給する。そして、発電コントローラ30は、車両コントローラ39からの指令信号Sgと、電圧センサ31による電圧検出値Vgと、速度センサ32によるエンジン回転数検出値ωgとに基づいて、第1のインバータ28の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、発電コントローラ30は、発電機27の出力を制御する。
直流母線29A,29Bの電圧は、発電機27からの電力に応じて変化する。従って、第1の実施の形態では、発電機27の回転数を制御するエンジンコントローラ22と、発電機27からの発電電力を制御する第1のインバータ28および発電コントローラ30とが、発電機27からの電力を制御して直流母線29A,29Bの電圧する電圧制御装置33を構成する。
34は発電機27により発電された電力によって駆動される電動機としての走行電動機を示し、この走行電動機34は、例えば誘導電動機によって構成される。なお、走行電動機34は、誘導電流に基づく回転トルクを利用する誘導電動機に限らず、永久磁石に基づく回転トルクを利用する永久磁石型モータ(永久磁石同期電動機)によって構成してもよい。
図2および図3に示すように、走行電動機34は、第2のインバータ35を介して直流母線29A,29Bに接続されている。走行電動機34は、発電機27から電力が供給されることにより駆動され、プロペラ軸9を回転駆動することにより、ホイールローダ1を走行させる。
第2のインバータ35も第1のインバータ28と同様に、複数のスイッチング素子を用いて構成される。第2のインバータ35は、走行電動機コントローラ36によって各スイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、直流母線29A,29Bの直流電力から三相交流電力を生成し、この三相交流電力を走行電動機34に供給する。走行電動機コントローラ36には、直流母線29A,29Bの電圧を検出する電圧センサ37と、走行電動機34の回転速度を検出する速度センサ38とが接続されている。
走行電動機34の電圧センサ37および発電機27の電圧センサ31は、互いに同じ直流母線29A,29Bの直流電圧を検出する。このため、必ずしもこれらの電圧センサ31,37を別個に設ける必要はなく、部品点数を削減するためには共通の電圧センサを1個のみ設けてもよい。一方、発電コントローラ30と走行電動機コントローラ36とが離れた場所に配置される場合には、配線の引き回し等を考慮して、別個の電圧センサを設けてもよい。
走行電動機コントローラ36は、電動機制御装置を構成する。図7に示すように、走行電動機コントローラ36は、データ受信制御部36A、インターフェイス36B,36C、トルク指令値演算部36D、指令値切換制御部36E、電流指令値演算部36F、インバータ制御信号演算部36Gを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
データ受信制御部36Aは、CANを通じて後述の車両コントローラ39に接続され、車両コントローラ39からの電圧の指令信号Smを受信し、トルク指令値Taを出力する。
インターフェイス36Bは、走行電動機34の速度センサ38に接続され、速度センサ38からの検出信号Sωmを読込み、走行電動機回転数検出値ωmを出力する。インターフェイス36Cは、走行電動機34の電圧センサ37に接続され、電圧センサ37からの検出信号Svmを読込み、電圧検出値Vmを出力する。
トルク指令値演算部36Dは、図11に示す特性線Ltに基づいて、電圧検出値Vmに応じたトルク指令値Tbを演算して出力する。具体的には、電圧検出値Vmが下限電圧値V(ωL)よりも上昇すると、トルク指令値Tbは0Nmから上昇する。電圧検出値Vmが下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)との間の範囲では、電圧検出値Vmが高くなるに従って、トルク指令値Tbは上昇する。電圧検出値Vmが上限電圧値V(ωH)を超えて上昇すると、トルク指令値Tbは、一定の上限トルク値T(ωH)に設定される。このため、電圧検出値Vmが下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)の間で変化するに従って、トルク指令値Tbは、0Nmと上限トルク値T(ωH)との間で連続的に変化する。
このとき、上限トルク値T(ωH)は、最大トルク値Tmaxよりも低い範囲で、最大トルク値Tmaxに近い値(例えば、0.7×Tmax<T(ωH)<Tmax)になっている。また、走行操作装置17が操作されているときは、直流母線29A,29Bの電圧は、概ね電圧V(ω)と電圧V(2ω)の間で変化する。このため、走行操作装置17が操作されているときは、トルク指令値Tbは、0Nmと上限トルク値T(ωH)との間の範囲で、概ね回転数ωに応じたトルクT(ω)と回転数2ωに応じたトルクT(2ω)の間で変化する。
指令値切換制御部36Eは、データ受信制御部36Aのトルク指令値Taとトルク指令値演算部36Dのトルク指令値Tbとのうちいずれか一方を選択的に電流指令値演算部36Fに出力する。このとき、トルク指令値Ta,Tbの選択は、後述の非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxによって決まる。
具体的に説明すると、非常脱出信号Sxが出力されていないときには、指令値切換制御部36Eは、データ受信制御部36Aのトルク指令値Taを電流指令値演算部36Fに出力する。一方、非常脱出信号Sxが出力されたときには、指令値切換制御部36Eは、トルク指令値演算部36Dのトルク指令値Tbを電流指令値演算部36Fに出力する。
電流指令値演算部36Fは、トルク指令値Ta,Tbのうち指令値切換制御部36Eによって選択されたものと、走行電動機回転数検出値ωmとに基づいて、トルク指令値Ta,Tbに応じた電流指令値I2を演算して出力する。即ち、電流指令値演算部36Fは、走行電動機回転数検出値ωmに基づく走行電動機34のトルク(走行トルク)とトルク指令値Ta,Tbとの差が小さくなり、走行電動機回転数検出値ωmをトルク指令値Ta,Tbに応じた値に近付けるための電流指令値I2を演算する。このとき、電流指令値I2は、トルク指令値Ta,Tbに応じたトルクを走行電動機34に発生させために、走行電動機34に供給する電流に対応する。
インバータ制御信号演算部36Gは、電流指令値I2に応じたインバータ制御信号Sinv2を演算して出力する。このとき、インバータ制御信号Sinv2は、電流指令値I2に応じた電流を走行電動機34に供給するために、第2のインバータ35の各スイッチング素子のオン/オフを制御するための信号(例えばPWM信号)である。
そして、走行電動機コントローラ36は、車両コントローラ39からの指令信号Smと、電圧センサ37による電圧検出値Vmと、速度センサ38による走行電動機回転数検出値ωmとに基づいて、第2のインバータ35の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、走行電動機コントローラ36は、走行電動機34の出力トルクを制御する。
39は車両コントローラを示し、この車両コントローラ39は、例えばマイクロコンピュータによって構成されると共に、CAN等を用いてエンジンコントローラ22、油圧ポンプコントローラ25、発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36に電気的に接続されている。
図8に示すように、車両コントローラ39は、インターフェイス39A、車両制御演算部39B、発電要求演算部39C、走行要求演算部39D、エンジン要求演算部39E、データ送信制御部39F〜39Hを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
インターフェイス39Aは、走行操作装置17に接続され、走行操作装置17からの走行操作信号Sdを読込み、操作量Dを出力する。なお、車両コントローラ39は、例えば作業装置11を操作する作業操作装置(例えば作業用操作レバー)に接続されたインターフェイス(図示せず)を備え、このインターフェイスは、作業操作装置の操作量を出力する。この作業操作装置の操作量については、ここでは説明を省略する。
車両制御演算部39Bは、操作量Dに応じて、システム全体に最高の性能を発揮させるための出力信号S0を出力する。この車両制御演算部39Bは、走行制御部39B1とパワー制御部39B2を備える。
走行制御部39B1は、走行操作信号Sdの操作量Dに基づいて、走行電動機34に必要な出力トルクに対応した走行要求出力を演算する。パワー制御部39B2は、走行要求出力に基づいて発電機27が発生する発電電力に対応した発電要求出力を演算すると共に、発電要求出力に基づいてエンジン21の出力トルクに対応したエンジン要求出力を演算する。車両制御演算部39Bは、これらの走行要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力の演算値を出力信号S0として出力する。
なお、車両制御演算部39Bは、走行操作装置17の操作量Dに基づいて、走行要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力を演算する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、車両制御演算部70Cは、走行操作装置17の操作量Dに加えて、作業操作装置の操作量を考慮して、走行要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力を演算してもよい。
発電要求演算部39Cは、出力信号S0の発電要求出力に基づいて、直流母線29A,29Bの目標電圧値となる電圧指令値Vaを演算する。電圧指令値Vaは、走行電動機34の駆動が可能で、かつ走行電動機34等の駆動に基づく直流母線29A,29Bの直流電圧の変動が許容可能な電圧値である。この電圧指令値Vaは、例えば定格電圧値のように、トルク指令値Taに拘らず一定の電圧値である。データ送信制御部39Fは、CANを通じて発電コントローラ30に接続され、電圧指令値Vaに応じた電圧の指令信号Sgを送信する。
走行要求演算部39Dは、出力信号S0の走行要求出力に基づいて、走行電動機34の出力トルクの目標値となるトルク指令値Taを演算する。データ送信制御部39Gは、CANを通じて走行電動機コントローラ36に接続され、トルク指令値Taに応じた走行電動機34の出力トルクの指令信号Smを送信する。
エンジン要求演算部39Eは、出力信号S0のエンジン要求出力に基づいて、エンジン21の目標回転数となるエンジン回転数指令値ωaを演算する。データ送信制御部39Hは、CANを通じてエンジンコントローラ22に接続され、エンジン回転数指令値ωaに応じたエンジン回転数の指令信号Seを送信する。
なお、車両コントローラ39は、油圧ポンプコントローラ25にも、作業用の操作レバーの操作量に応じた指令値を演算し、この指令値に応じた指令信号Spを出力するが、その構成については説明を省略する。
車両コントローラ39は、走行操作装置17の操作量D等に応じて各コントローラ22,25,30,36に対する指令信号Se,Sp,Sg,Smを出力し、システム全体が最高の性能を発揮するように、エンジン21、油圧ポンプ23、発電機27、走行電動機34の駆動制御、エネルギ管理を行う。
車両コントローラ39と走行操作装置17との間には、スイッチ40が接続して設けられる。このスイッチ40は、走行操作装置17を車両コントローラ39とエンジンコントローラ22とのうちいずれか一方に選択的に接続する。スイッチ40は、非常脱出ボタン41の非常脱出信号Sxが出力されたか否かに応じて、走行操作装置17の接続対象を切り換える。具体的には、非常脱出信号Sxが出力されていない通常状態には、スイッチ40は、走行操作装置17を車両コントローラ39に接続する。一方、非常脱出信号Sxが出力された異常状態には、スイッチ40は、走行操作装置17を電圧制御装置33の一部としてのエンジンコントローラ22に接続する。
非常脱出ボタン41は、エンジンコントローラ22、発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36にも接続されている。このため、これらのコントローラ22,30,36は、非常脱出ボタン41の非常脱出信号Sxに応じて、エンジン21、発電機27、走行電動機34の制御動作を切り換える。
本実施の形態によるハイブリッド式のホイールローダ1は、上述の如き構成を有するもので、以下、その動作について説明する。
まず、オペレータは、キャブ16に搭乗して運転席に着席する。そして、オペレータがアクセルペダルからなる走行操作装置17等を操作することにより、エンジン21によって油圧ポンプ23と発電機27とが駆動される。
これにより、発電機27からの電力が直流母線29A,29Bを介して走行電動機34に供給され、走行電動機34はプロペラ軸9を回転駆動する。プロペラ軸9の回転は、デファレンシャル機構8Aを介して前車軸8に伝達されると共に、デファレンシャル機構10Aを介して後車軸10に伝達される。これにより、ホイールローダ1は、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4とが同時に回転する4輪駆動の状態で走行動作を行う。
この状態で、オペレータがステアリングホイール(図示せず)を操舵することにより、油圧ポンプ23から吐出した圧油が、コントロールバルブ26を介してステアリングシリンダ7に供給される。これにより、ホイールローダ1は、前部車体3と後部車体5とが連結機構6を中心として左,右方向に屈曲し、旋回走行を行うことができる。
ここで、車両コントローラ39からの指令信号Sg,Sm,Seを発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36およびエンジンコントローラ22が受信可能なときには、走行電動機34は、これらのコントローラ22,30,36,39による電圧制御モードで駆動する。
一方、車両コントローラ39からの指令信号Sg,Sm,Seを発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36およびエンジンコントローラ22が受信不能なときには、オペレータが非常脱出ボタン41を操作することによって、走行電動機34は、車両コントローラ39を省いたコントローラ22,30,36によるバックアップ制御モードで駆動する。
そこで、最初に電圧制御モードについて、図3を参照しつつ説明する。車両コントローラ39は、走行操作装置17から走行操作信号Sdが入力されると、走行操作装置17の操作量Dに応じた指令信号Sg,Sm,Seを出力する。このとき、電圧の指令信号Sgは、第1のインバータ28を制御して、直流母線29A,29Bの電圧を一定の目標電圧値に保持するためのものである。出力トルクの指令信号Smは、第2のインバータ35を制御して、操作量Dに応じた出力トルクを走行電動機34に発生させるためのものである。エンジン回転数の指令信号Seは、エンジン21を制御して、発電機27を目標回転数で回転駆動させるためのものである。目標回転数は、エンジン21のアイドリング時の回転数ωiと最大回転数ωmaxとの中間値よりも高い範囲、好ましくは最大回転数ωmaxの80%〜100%の範囲で、一定値に設定される。
例えば直流母線29A,29Bの電圧変動に対して発電機27からの発電電力の応答性を高めるためには、目標回転数は高い方がよい。一方、燃費等を考慮すると、目標回転数は低い方がよい。目標回転数は、これらを比較考慮して決められる。また、目標回転数は、一定値に限らず、例えば走行電動機34の出力トルクに応じて変化する値でもよい。
エンジンコントローラ22は、指令信号Seを受信すると、指令信号Seによるエンジン回転数指令値ωaに基づいて、エンジン制御信号Sengを演算して出力する。これにより、エンジン21は、エンジン回転数指令値ωaに応じたエンジン回転数で駆動する。
発電コントローラ30は、指令信号Sgを受信すると、指令信号Sgによる電圧指令値Vaと、電圧センサ31によって検出した直流母線29A,29Bの電圧検出値Vgとに基づいて、インバータ制御信号Sinv1を演算して出力する。このインバータ制御信号Sinv1によって第1のインバータ28が制御され、発電機27の発電電力が増加または減少する。これにより、直流母線29A,29Bの電圧は、目標電圧値付近で一定となるように制御される。
走行電動機コントローラ36は、指令信号Smを受信すると、指令信号Smによるトルク指令値Taと、速度センサ38によって検出した走行電動機回転数検出値ωmとに基づいて、インバータ制御信号Sinv2を演算して出力する。このインバータ制御信号Sinv2によって第2のインバータ35が制御され、走行電動機34の出力トルクが増加または減少する。これにより、ホイールローダ1は、走行操作装置17の操作量Dに応じて走行駆動する。
次に、バックアップ制御モードについて、図4を参照しつつ説明する。車両コントローラ39から指令信号Sg,Sm,Seが送信されないとき、CANの不具合等によって指令信号Sg,Sm,Seを発電コントローラ30、走行電動機コントローラ36およびエンジンコントローラ22が受信できないときには、電圧制御モードを実行することができないため、走行電動機34等は停止する。そこで、走行電動機34等を駆動するために、オペレータは、非常脱出ボタン41を操作する。非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxによって、コントローラ22,30,36の動作は、電圧制御モードからバックアップ制御モードに切り換わる。
このとき、エンジンコントローラ22は、走行操作装置17の操作量Dに基づいて、エンジン制御信号Sengを演算して出力する。これにより、エンジン21は、操作量Dに応じたエンジン回転数で駆動する。具体的には、操作量Dが下限値DLと上限値DHの間で変化すると、エンジン回転数は、操作量Dに応じて、下限回転数ωLと上限回転数ωHとの間で連続的に変化する。
発電コントローラ30は、速度センサ32によるエンジン回転数検出値ωgと、電圧センサ31によって検出した直流母線29A,29Bの電圧検出値Vgとに基づいて、インバータ制御信号Sinv1を演算して出力する。このインバータ制御信号Sinv1によって第1のインバータ28が制御され、発電機27の発電電力が増加または減少する。これにより、直流母線29A,29Bの電圧は、エンジン回転数検出値ωgに応じて可変に制御される。具体的には、エンジン回転数検出値ωgが下限回転数ωLと上限回転数ωHの間で変化すると、直流母線29A,29Bの電圧は、エンジン回転数検出値ωgに応じて、下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)との間で連続的に変化する。
走行電動機コントローラ36は、電圧センサ37によって検出した直流母線29A,29Bの電圧検出値Vmと、速度センサ38によって検出した走行電動機回転数検出値ωmとに基づいて、インバータ制御信号Sinv2を演算して出力する。このインバータ制御信号Sinv2によって第2のインバータ35が制御され、走行電動機34の出力トルクが増加または減少する。具体的には、電圧検出値Vmが下限電圧値V(ωL)と上限電圧値V(ωH)の間で変化すると、走行電動機34の出力トルクは、電圧検出値Vmに応じて、0Nmと上限トルク値T(ωH)との間で連続的に変化する。
このように、走行操作装置17の操作量Dに応じてエンジン21の回転数を変化させると、このエンジン回転数に応じて直流母線29A,29Bの電圧が変化し、さらに直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクが変化する。この結果、ホイールローダ1は、走行操作装置17の操作量Dに応じて走行駆動する。
かくして、第1の実施の形態では、走行電動機コントローラ36は、指令信号Smを受信するときは、指令信号Smに応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。このとき、走行電動機34の出力トルクは、指令信号Smに応じて増加または減少する。一方、走行電動機コントローラ36は、指令信号Smを受信しないときは、直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。このとき、走行電動機34の出力トルクは、直流母線29A,29Bの電圧が高いときに増加し、直流母線29A,29Bの電圧が低いときに減少する。
この結果、指令信号Smが送信されないときに加えて、例えばCAN等の不具合によって、走行電動機コントローラ36が指令信号Smを受信できないときでも、走行電動機コントローラ36は、直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。このため、電圧制御装置33を用いて直流母線29A,29Bの電圧を上昇または低下させることによって、間接的に走行電動機34の出力トルクを制御することができる。
また、走行電動機コントローラ36は、指令信号Smが受信できないときには、走行電動機34の出力トルクの制御を、指令信号Smが必要な電圧制御モードから指令信号Smが不要なバックアップ制御モードに切り換える。この結果、別個の指令信号Smを出力する補助のコントローラを設ける必要がないから、補助のコントローラを設けた場合に比べて、製造コストの上昇を抑制することができる。
また、走行電動機34の出力トルクによって前部車体3および後部車体5を走行させると共に、電圧制御装置33は、走行操作装置17の操作量Dに応じて直流母線29A,29Bの電圧を制御する。このため、走行操作装置17を操作すると、その操作量Dに応じて直流母線29A,29Bの電圧が上昇または低下し、この直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクが増加または減少する。この結果、走行電動機コントローラ36が指令信号を受信しないときでも、走行操作装置17の操作量Dに応じて走行電動機34の出力トルクを増加または減少させることができ、前部車体3および後部車体5の走行を制御することができる。
また、電圧制御装置33はエンジンコントローラ22と発電コントローラ30とを備える。このため、エンジンコントローラ22によって、走行操作装置17の操作量Dに応じてエンジン21の回転数を増加または減少させると共に、発電コントローラ30によって、エンジン21の回転数に応じて直流母線29A,29Bの電圧を上昇または低下させることができる。
さらに、ホイールローダ1は、電圧制御装置33と走行電動機コントローラ36を制御する車両コントローラ39をさらに備える。このとき、車両コントローラ39からの電圧および出力トルクの指令信号Sg,Smを受信したときには、電圧制御装置33は、電圧の指令信号Sgに応じて直流母線29A,29Bの電圧を一定値になるように制御し、走行電動機コントローラ36は、出力トルクの指令信号Smに応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。このため、車両コントローラ39からの指令信号Sg,Smを受信するときは、これらの指令信号Sg,Smに応じて走行電動機34の出力トルクを制御することができる。
一方、車両コントローラ39からの電圧および出力トルクの指令信号Sg,Smを受信しないときには、電圧制御装置33は、走行操作装置17の操作量Dに応じて直流母線29A,29Bの電圧を上昇または低下させ、走行電動機コントローラ36は、直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを増加または減少させる。このため、車両コントローラ39からの電圧および出力トルクの指令信号Sg,Smを受信しないときは、走行操作装置17の操作量Dに応じて直流母線29A,29Bの電圧を制御することによって、この直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを制御することができる。この結果、走行操作装置17によって間接的に走行電動機34の出力トルクを制御し、ホイールローダ1の走行を制御することができる。
さらに、ホイールローダ1は、走行操作装置17を車両コントローラ39と電圧制御装置33とのうちいずれか一方に選択的に接続するスイッチ40をさらに備える。このとき、スイッチ40が走行操作装置17を車両コントローラ39に接続したときには、車両コントローラ39は、走行操作装置17からの走行操作信号Sdに応じた電圧の指令信号Sgを電圧制御装置33に送信し、走行操作装置17からの走行操作信号Sdに応じた出力トルクの指令信号Smを走行電動機コントローラ36に送信する。これにより、車両コントローラ39は、発電機27の発電電力と走行電動機34の消費電力のバランスを考慮しつつ、走行操作装置17の操作量Dに応じて走行電動機34の出力トルクを制御することができる。
一方、スイッチ40が走行操作装置17を電圧制御装置33に接続したときには、電圧制御装置33は、走行操作装置17からの走行操作信号Sdに応じて直流母線29A,29Bの電圧を制御し、走行電動機コントローラ36は、直流母線29A,29Bの電圧に応じて走行電動機34の出力トルクを制御する。これにより、走行操作装置17の操作量Dに応じて走行電動機34の出力トルクを制御することができる。
次に、図13ないし図17は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、エンジンの回転数に応じた発電電力を出力する永久磁石型モータによって発電機を構成したことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は第2の実施の形態による発電機を示し、発電機51は、例えば永久磁石に基づく回転トルクを利用する永久磁石型モータ(永久磁石同期電動機)によって構成される。発電機51は、第1のインバータ28を介して一対の直流母線29A,29Bに接続されている。発電機51は、エンジン21によって駆動されることにより発電し、エンジン回転数に応じた発電電力を直流母線29A,29Bに供給する。
第1のインバータ28は、発電コントローラ52によって各スイッチング素子のオン/オフが制御される。発電コントローラ52には、直流母線29A,29Bの電圧を検出する電圧センサ31が接続されている。一方、発電機27の回転速度を検出する速度センサは省かれている。
図15に示すように、発電コントローラ52は、第1の実施の形態によるデータ受信制御部30A、インターフェイス30B、トルク指令値演算部30F、電流指令値演算部30G、インバータ制御信号演算部30Hを備える。このとき、トルク指令値演算部30Fには、非常脱出信号Sxに拘わらず、データ受信制御部30Aからの電圧指令値Vaが入力される。また、インバータ制御信号演算部30Hの出力側には、制御信号切換スイッチ52Aが接続して設けられる。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
制御信号切換スイッチ52Aは、インバータ制御信号演算部30Hと第1のインバータ28との間に設けられ、後述の非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxによってその接続状態が切り換わる。具体的には、非常脱出信号Sxが出力されていないときには、制御信号切換スイッチ52Aは、インバータ制御信号演算部30Hと第1のインバータ28との間を接続する。非常脱出信号Sxが出力されたときには、制御信号切換スイッチ52Aは、インバータ制御信号演算部30Hと第1のインバータ28との間を遮断する。
このため、非常脱出信号Sxが出力されない電圧制御モードでは、発電コントローラ52は、第1の実施の形態による発電コントローラ30と同様の演算処理を行い、電圧指令値Vaに基づくインバータ制御信号Sinv1を出力する。
これに対し、非常脱出信号Sxが出力されたバックアップ制御モードでは、発電コントローラ52は、インバータ制御信号Sinv1を出力しない。このとき、第1のインバータ28のスイッチング素子を全て開放状態(遮断状態)に保持されるから、第1のインバータ28は、整流器として機能し、発電機51からの三相交流電力を直流電力に変換して直流母線29A,29Bに供給する。
前述した発電コントローラ52は、非常脱出信号Sxに応じて接続状態が切り換わる制御信号切換スイッチ52Aを備え、この制御信号切換スイッチ52Aによってインバータ制御信号Sinv1を出力するか否かを切り換える構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば非常脱出信号Sxが出力されたときに、発電コントローラ52が機能を停止し、これによって、インバータ制御信号Sinv1の出力を停止してもよい。
エンジンコントローラ53は、エンジン21の作動を制御する。このエンジンコントローラ53は、第1の実施の形態によるエンジンコントローラ22とほぼ同様に構成される。
このため、非常脱出信号Sxが出力されない電圧制御モードでは、エンジンコントローラ53は、第1の実施の形態によるエンジンコントローラ22と同様の演算処理を行い、車両コントローラ39からの指令信号Seに基づくエンジン制御信号Sengを出力する。
また、非常脱出信号Sxが出力されたバックアップ制御モードでは、エンジンコントローラ53は、走行操作装置17からの走行操作信号Sdに基づくエンジン制御信号Sengを出力する。このとき、エンジン21は、走行操作装置17の操作量Dに応じてエンジン回転数が変化する。このため、エンジン21によって駆動する発電機51の回転数も、走行操作装置17の操作量Dに応じて変化する。これにより、操作量Dが小さいときには、発電機51の発電電力は小さくなり、操作量Dが大きいときには、発電機51の発電電力は大きくなる。従って、走行操作装置17の操作量Dが一定であれば、直流母線29A,29Bの電圧は、走行操作装置17の操作量D(エンジン回転数)に応じた値(例えば電圧V(ωi),V(ω),V(2ω))付近に保持される(図17参照)。
第2の実施の形態では、発電機27の回転数を制御するエンジンコントローラ53と、発電機27からの発電電力を制御する第1のインバータ28および発電コントローラ52とが、発電機27からの電力を制御して直流母線29A,29Bの電圧する電圧制御装置54を構成する。
走行電動機コントローラ55は、第1の実施の形態による走行電動機コントローラ36に替えて用いられ、電動機制御装置を構成する。この走行電動機コントローラ55は、第1の実施の形態による走行電動機コントローラ36とほぼ同様に構成される。このため、非常脱出信号Sxが出力されない電圧制御モードでは、走行電動機コントローラ55は、車両コントローラ39からの指令信号Seに基づくインバータ制御信号Sinv2を出力する。
一方、非常脱出信号Sxが出力されたバックアップ制御モードでは、走行電動機コントローラ55は、電圧センサ37による電圧検出値Vmに基づくインバータ制御信号Sinv2を出力する。このとき、走行電動機コントローラ55は、図16に示す特性線Ltに基づいて、電圧検出値Vmに応じたトルク指令値Tbを演算する。
図9に示すように、バックアップ制御モードにおいて走行操作装置17が操作されているときは、エンジン21は、回転数ωから回転数2ωの間で駆動するから、直流母線29A,29Bの電圧は、概ね電圧V(ω)と電圧V(2ω)の間で変化する。このため、走行操作装置17が操作されているときは、トルク指令値Tbは、0Nmと上限トルク値T(ωH)との間の範囲で、概ね回転数ωに応じたトルクT(ω)と回転数2ωに応じたトルクT(2ω)の間で変化する。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第2の実施の形態では、発電機51は永久磁石型モータであるから、発電機51に設けた第1のインバータ28のスイッチング素子が全て開放状態であっても、発電機51は、その回転数に応じた発電電力を出力することができる。このため、バックアップ制御モードでは、第1のインバータ28を制御する必要がなく、発電機51を回転駆動するエンジン21の回転数を制御することによって、直流母線29A,29Bの電圧を制御することができる。即ち、図14に示すように、バックアップ制御モードでは、車両コントローラ39に加えて、発電コントローラ52を切り離して走行電動機34を制御することができるから、信頼性をさらに高めることができる。
次に、図18ないし図21は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、直流母線に蓄電装置を接続して設けると共に、電圧制御モードとバックアップ制御モードに加えて、トルク制御モード(パワー制御モード)を備えることにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は発電機27によって発電された電力を蓄電する蓄電装置を示し、この蓄電装置61は、例えばキャパシタによって構成され、コンバータ62を介して直流母線29A,29Bに接続されている。ここで、蓄電装置61は、発電機27の発電時には発電機27から供給される電力を充電し、発電機27のアシスト駆動時には発電機27に向けて駆動電力を供給する。また、蓄電装置61は、走行電動機34の回生動作時には走行電動機34から供給される回生電力を充電し、走行電動機34の力行動作時には走行電動機34に向けて駆動電力を供給する。このように、蓄電装置61は、発電機27によって発電された電力を蓄電することに加え、ホイールローダ1の制動時に走行電動機34が発生した回生電力を吸収し、直流母線29A,29Bの電圧を一定に保つ。これにより、蓄電装置61は、例えばホイールローダ1の走行時における急発進や急停止よって走行電動機34に急峻な電力変動を生じたときに、この電力変動を吸収することにより、走行電動機34に一定の電圧を供給する機能を有している。なお、蓄電装置61は、リチウムイオン電池等の充電池によって構成してもよい。
コンバータ62は、IGBT等からなる複数のスイッチング素子とリアクトルを用いたチョッパ回路によって構成され、各スイッチング素子のオン/オフは、蓄電装置コントローラ63のコンバータ制御信号Sconvによって制御される。蓄電装置コントローラ63は、トルク制御モードにおいて、後述の車両コントローラ70からの充放電の指令信号Scに基づいて、コンバータ62を制御する。
具体的には、車両コントローラ70から充電用の指令信号Scを受信したときには、蓄電装置コントローラ63は、指令信号Scから充電量の電力指令値Pcを演算し、コンバータ62を降圧回路として機能させるための、コンバータ制御信号Sconvを出力する。これにより、コンバータ62は、直流母線29A,29Bの電圧を降圧して蓄電装置61に供給し、蓄電装置61の充電を行う。
これに対し、車両コントローラ70から放電用の指令信号Scを受信したときには、蓄電装置コントローラ63は、指令信号Scから放電量の電力指令値Pcを演算し、コンバータ62を昇圧回路として機能させるための、コンバータ制御信号Sconvを出力する。これにより、コンバータ62は、蓄電装置61の電圧を昇圧して直流母線29A,29Bに供給し、蓄電装置61の放電を行う。
図18および図19に示すように、蓄電装置コントローラ63には、非常脱出ボタン41からの非常脱出信号Sxが入力される。そして、電圧制御モードおよびバックアップ制御モードでは、蓄電装置コントローラ63は、コンバータ62を制御して、蓄電装置61と直流母線29A,29Bとの間を遮断する。このため、電圧制御モードおよびバックアップ制御モードでは、蓄電装置61から直流母線29A,29Bに電力が供給されることはなく、また直流母線29A,29Bの電力を蓄電装置61が吸収することもなくなる。
また、蓄電装置61には、その出力端子の電圧を検出する電圧センサ64が接続されている。これに加え、蓄電装置61には、その異常を検出する蓄電装置異常検出装置65が設けられている。電圧センサ64および蓄電装置異常検出装置65は、後述の車両コントローラ70に接続されている。
電圧センサ64は、蓄電装置61の出力端子に接続され、蓄電装置61の端子電圧を検出し、電圧の検出信号Svcを出力する。蓄電装置異常検出装置65は、蓄電装置61およびコンバータ62の異常を検出するものであり、蓄電装置61等が正常か否かの状態に応じた検出信号Sxcを出力する。なお、蓄電装置異常検出装置65は、ハードウェアの異常検出回路によって構成してもよく、車両コントローラ70内において電流、電圧等に基づく異常判定を行うソフトウェア処理によって構成してもよい。
発電コントローラ66は、第1のインバータ28の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。発電コントローラ66には、直流母線29A,29Bの電圧を検出する電圧センサ31と、発電機27の回転速度を検出する速度センサ32とが接続されている。
図20に示すように、発電コントローラ66は、第1の実施の形態によるインターフェイス30B,30C、電圧指令値演算部30D、指令値切換制御部30E、トルク指令値演算部30F、電流指令値演算部30G、インバータ制御信号演算部30Hを備える。これに加えて、発電コントローラ66は、データ受信制御部66A、トルク変換部66B、トルク補償部66C、電流指令値切換制御部66Dを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
電圧制御モードでは、データ受信制御部66Aは、第1の実施の形態によるデータ受信制御部30Aと同様に動作する。即ち、車両コントローラ70から電圧の指令信号Sgを受信し、電圧指令値Vaを出力する。一方、トルク制御モードでは、データ受信制御部66Aは、車両コントローラ70から発電トルクの指令信号Sgを受信する。このとき、データ受信制御部66Aは、発電トルクの指令信号Sgに応じたトルク指令値Tcを出力する。
トルク変換部66Bは、エンジン回転数検出値ωgを、発電機27の回転トルクの検出値としてのトルク検出値Tgに変換する。トルク補償部66Cは、トルク指令値Tcとトルク検出値Tgとに基づいて、発電機27の電流指令値Icを演算して出力する。即ち、トルク補償部66Cは、トルク検出値Tgとトルク指令値Tcとの差が小さくなり、トルク検出値Tgをトルク指令値Tcに近付けるための電流指令値Icを演算する。このとき、電流指令値Icは、発電機27に供給する電流に対応する。
電流指令値切換制御部66Dは、電流指令値演算部30Gの電流指令値I1と、トルク補償部66Cの電流指令値Icとのうちいずれか一方を選択的にインバータ制御信号演算部30Hに出力する。このとき、電流指令値I1,Icの選択は、車両コントローラ70からのトルク制御モード選択信号Stによって決まる。
具体的に説明すると、トルク制御モード選択信号Stが出力されていないときには、電流指令値切換制御部66Dは、電流指令値演算部30Gの電流指令値I1をインバータ制御信号演算部30Hに出力する。一方、トルク制御モード選択信号Stが出力されたときには、電流指令値切換制御部66Dは、トルク補償部66Cの電流指令値Icをインバータ制御信号演算部30Hに出力する。
従って、電圧制御モードおよびバックアップ制御モードでは、インバータ制御信号演算部30Hは、電流指令値I1に応じたインバータ制御信号Sinv1を演算して出力する。一方、トルク制御モードでは、インバータ制御信号演算部30Hは、電流指令値Icに応じたインバータ制御信号Sinv1を演算して出力する。
このため、発電コントローラ66は、トルク制御モードでは、トルク指令値Tcに基づくインバータ制御信号Sinv1を出力する。一方、電圧制御モードおよびバックアップ制御モードでは、第1の実施の形態による発電コントローラ30と同様のインバータ制御信号Sinv1を出力する。
エンジンコントローラ67は、エンジン21の作動を制御する。このエンジンコントローラ67は、車両コントローラ39からの指令信号Seまたは走行操作装置17からの走行操作信号Sdに基づいて、エンジン21の回転速度を制御する。エンジンコントローラ67は、第1の実施の形態によるエンジンコントローラ22をほぼ同様に構成される。
エンジンコントローラ67は、トルク制御モードでは、電圧制御モードと同様に、車両コントローラ70からエンジン回転数の指令信号Seを受信する。このため、トルク制御モードおよび電圧制御モードでは、エンジンコントローラ53は、第1の実施の形態によるエンジンコントローラ22と同様の演算処理を行い、車両コントローラ70からの指令信号Seに基づくエンジン制御信号Sengを出力する。さらに、バックアップ制御モードでは、エンジンコントローラ67は、走行操作装置17からの走行操作信号Sdに基づくエンジン制御信号Sengを出力する。
第3の実施の形態では、蓄電装置61、コンバータ62、蓄電装置コントローラ63、エンジンコントローラ67、第1のインバータ28および発電コントローラ66が、直流母線29A,29Bの電圧する電圧制御装置68を構成する。
走行電動機コントローラ69は、電動機制御装置を構成し、第2のインバータ35の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。この走行電動機コントローラ69には、直流母線29A,29Bの電圧を検出する電圧センサ37と、走行電動機34の回転速度を検出する速度センサ38とが接続されている。走行電動機コントローラ69は、第1の実施の形態による走行電動機コントローラ36をほぼ同様に構成される。
トルク制御モードでは、走行電動機コントローラ69は、電圧制御モードと同様に、車両コントローラ70から出力トルクの指令信号Smを受信する。このため、トルク制御モードおよび電圧制御モードでは、走行電動機コントローラ69は、第1の実施の形態による走行電動機コントローラ36と同様の演算処理を行い、車両コントローラ39からの指令信号Smに基づくインバータ制御信号Sinv2を出力する。一方、バックアップ制御モードでは、走行電動機コントローラ69は、電圧センサ37からの検出信号Svmに基づくインバータ制御信号Sinv2を出力する。
70は第3の実施の形態による車両コントローラを示し、この車両コントローラ70は、CAN等を用いてエンジンコントローラ67、油圧ポンプコントローラ25、発電コントローラ66、走行電動機コントローラ69に加えて、蓄電装置コントローラ63に電気的に接続されている。
図21に示すように、車両コントローラ70は、第1の実施の形態によるインターフェイス39A、走行要求演算部39D、エンジン要求演算部39E、データ送信制御部39G,39Hを備える。これに加えて、車両コントローラ70は、インターフェイス70A,70B、車両制御演算部70C、発電要求演算部70D、充放電要求演算部70E、データ送信制御部70F,70Gを備える。これらの構成要素は、例えば電子回路のようなハードウェアによって構成してもよく、マイクロコンピュータのプログラムのようなソフトウェアによって構成してもよい。
インターフェイス70Aは、蓄電装置61の電圧センサ64に接続され、電圧センサ64からの検出信号Svcを読込み、蓄電装置61の端子電圧に対応した電圧検出値Vcを出力する。インターフェイス70Bは、蓄電装置異常検出装置65に接続され、蓄電装置異常検出装置65からの異常検出信号Sxcを読込み、蓄電装置61等が正常状態か否かを示す状態判定値Cを出力する。
車両制御演算部70Cは、状態判定値Cによって蓄電装置61等が正常状態か否かを判定する。蓄電装置61等が正常状態と判定したときには、車両制御演算部70Cは、トルク制御モードに応じた演算を行い、走行操作装置17の操作量Dと蓄電装置61の電圧検出値Vcとに応じて、システム全体に最高の性能を発揮させるための出力信号S0を出力する。
一方、蓄電装置61等が異常状態と判定したときには、車両制御演算部70Cは、第1の実施の形態による車両制御演算部39Bと同様に、電圧制御モードに応じた演算を行う。即ち、車両制御演算部70Cは、走行操作装置17の操作量Dに応じて、システム全体に最高の性能を発揮させるための出力信号S0を出力する。
この車両制御演算部39Bは、走行制御部70C1、エネルギマネジメント部70C2およびパワー制御部70C3を備える。
走行制御部70C1は、走行操作信号Sdの操作量Dに基づいて、走行電動機34に必要な出力トルクに対応した走行要求出力を演算する。エネルギマネジメント部70C2は、蓄電装置61の電圧検出値Vcを考慮しつつ、走行要求出力に応じた蓄電装置要求出力(キャパシタ要求出力)を演算する。即ち、エネルギマネジメント部70C2は、電圧検出値Vcが蓄電装置61から電力供給が可能な範囲であるか否かを判断する。電圧検出値Vcが低く、電力供給が不能な場合には、エネルギマネジメント部70C2は、蓄電装置61を充電するための蓄電装置要求出力を演算する。
一方、電力供給が可能な場合には、エネルギマネジメント部70C2は、走行要求出力に対してエンジン21や発電機27の出力不足が発生したときに、この不足した出力を蓄電装置61からの電力供給で補うための蓄電装置要求出力を演算する。なお、蓄電装置要求出力は、蓄電装置61からの電力供給によって発電機27を電動機として駆動し、エンジン21等のアシストを行うためのものでもよい。さらに、蓄電装置要求出力は、走行電動機34が回生動作したときに、この回生電力を蓄電装置61によって吸収するためのものでもよい。
パワー制御部70C3は、蓄電装置要求出力と走行要求出力に基づいて発電機27が発生する発電電力に対応した発電要求出力を演算すると共に、発電要求出力に基づいてエンジン21の出力トルクに対応したエンジン要求出力を演算する。即ち、パワー制御部70C3は、蓄電装置要求出力に基づいて蓄電装置61から供給可能な電力を把握すると共に、蓄電装置61から供給可能な電力を考慮して、走行電動機34の動作に必要な出力を供給するための発電出力およびエンジン出力を決定する。
車両制御演算部70Cは、これらの走行要求出力、蓄電装置要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力の演算値を出力信号S0として出力する。また、車両制御演算部70Cは、状態判定値Cによって蓄電装置61等が異常状態であると判定したときには、異常検出信号Stを発電コントローラ66に出力する。
なお、車両制御演算部70Cは、走行操作装置17の操作量Dと蓄電装置61の電圧検出値Vcとに基づいて、走行要求出力、蓄電装置要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力を演算する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、車両制御演算部70Cは、走行操作装置17の操作量Dと蓄電装置61の電圧検出値Vcに加えて、作業操作装置の操作量を考慮して、走行要求出力、蓄電装置要求出力、発電要求出力およびエンジン要求出力を演算してもよい。
トルク制御モードでは、発電要求演算部70Dは、出力信号S0の発電要求出力に基づいて、発電機27の出力トルクの目標値となるトルク指令値Tcを演算する。一方、電圧制御モードでは、発電要求演算部70Dは、出力信号S0の発電要求出力に基づいて、直流母線29A,29Bの目標電圧値となる電圧指令値Vaを演算する。データ送信制御部70Fは、CANを通じて発電コントローラ30に接続され、トルク指令値Tcまたは電圧指令値Vaに応じた指令信号Sgを送信する。
充放電要求演算部70Eは、出力信号S0の蓄電装置要求出力に基づいて、蓄電装置61の出力電力の目標値となる電力指令値Pcを演算する。データ送信制御部70Gは、CANを通じて蓄電装置コントローラ63に接続され、電力指令値Pcに応じた蓄電装置61の出力電力の指令信号Scを送信する。
なお、走行要求演算部39Dおよびエンジン要求演算部39Eは、トルク制御モードと電圧制御モードのいずれの制御モードでも、第1の実施の形態と同様に動作する。即ち、走行要求演算部39Dは、出力信号S0の走行要求出力に基づいて、走行電動機34の出力トルクの目標値となるトルク指令値Taを演算する。データ送信制御部39Gは、トルク指令値Taに応じた指令信号Smを走行電動機コントローラ69に出力する。
エンジン要求演算部39Eは、出力信号S0のエンジン要求出力に基づいて、エンジン21の目標回転数となるエンジン回転数指令値ωaを演算する。データ送信制御部39Hは、エンジン回転数指令値ωaに応じた指令信号Seをエンジンコントローラ67に出力する。
第3の実施の形態によるホイールローダ1は、上述のような構成を有するものであり、電圧制御モードおよびバックアップ制御モードでは、蓄電装置61を直流母線29A,29Bから電気的に切り離すため、第1の実施の形態と同様に動作する。
これに対し、トルク制御モードでは、蓄電装置61が直流母線29A,29Bに接続された状態となるため、蓄電装置61によって直流母線29A,29Bに生じる余剰な電力を吸収できると共に、走行電動機34や発電機27で発生する不足電力を補うことができる。このため、直流母線29A,29Bの電圧変動を小さくすることができ、走行電動機34等の動作を安定させることができる。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第3の実施の形態では、直流母線29A,29Bに蓄電装置61を接続したから、電圧制御モードとバックアップ制御モードに加えて、発電機27のトルクを制御するトルク制御モードを実行することができる。このトルク制御モードでは、蓄電装置61によって直流母線29A,29Bの電圧変動を吸収することができるから、走行電動機34等の動作を安定させることができる。また、蓄電装置61に不具合が生じたときでも、電圧制御モードとバックアップ制御モードの2つの制御モードで動作が可能であるから、信頼性をさらに高めることができる。
なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態に適用した場合を例に挙げて説明したが、第2の実施の形態に適用してもよい。
また、前記各実施の形態では、産業車両としてホイールローダ1を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば走行電動機を用いてホイールを走行駆動するホイール式油圧ショベル、ダンプトラック等に適用してもよい。
これに加え、前記各実施の形態では、発電機からの電力によって駆動される電動機として、ホイールローダ1の前車輪2と後車輪4とを駆動するための走行電動機34を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の旋回式作業機械に搭載され、下部走行体に対して上部旋回体を旋回させるための旋回モータとして、電動機を用いる構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、左,右の前車輪2と左,右の後車輪4に動力を伝達するプロペラ軸9を駆動するため、1個の走行電動機34を備えた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前車輪を駆動する1個の走行電動機と、後車輪を駆動する他の1個の走行電動機との合計2個の走行電動機を備える構成としてもよい。さらに、左,右の前車輪をそれぞれ独立に駆動する2個の走行電動機と、左,右の後車輪をそれぞれ独立に駆動する他の2個との合計4個の走行電動機を備える構成としてもよい。
3 前部車体(車体)
5 後部車体(車体)
17 走行操作装置
21 エンジン
22,53,67 エンジンコントローラ
27,51 発電機
28 第1のインバータ
29A,29B 直流母線
30,52,66 発電コントローラ
31,37,64 電圧センサ
32,38 速度センサ
33,54,68 電圧制御装置
34 走行電動機(電動機)
35 第2のインバータ
36,55,69 走行電動機コントローラ(電動機制御装置)
39,70 車両コントローラ
40 スイッチ
41 非常脱出ボタン
61 蓄電装置
62 コンバータ
63 蓄電装置コントローラ

Claims (6)

  1. 自走可能な車体に搭載されたエンジンと、
    該エンジンによって駆動され電力を発生する発電機と、
    該発電機により発電された電力によって駆動される電動機と、
    前記発電機と前記電動機とに接続され両者間で電力を伝達する直流母線と、
    前記発電機からの電力を制御して前記直流母線の電圧を制御する電圧制御装置と、
    指令信号を受信したときには該指令信号に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、前記指令信号を受信しないときには前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御する電動機制御装置とを備えた産業車両。
  2. 前記車体の走行を操作する走行操作装置をさらに備え、
    前記電動機は、その出力トルクによって前記車体を走行させる構成とし、
    前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記直流母線の電圧を制御してなる請求項1に記載の産業車両。
  3. 前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記エンジンの回転数を制御するエンジンコントローラと、前記エンジンの回転数に応じて前記発電機の発電電力を制御し、前記直流母線の電圧を制御する発電コントローラとを備えてなる請求項2に記載の産業車両。
  4. 前記発電機は、前記エンジンの回転数に応じた発電電力を出力する永久磁石型モータであり、
    前記電圧制御装置は、前記走行操作装置の操作量に応じて前記エンジンの回転数を制御し、前記エンジンの回転数に応じて前記直流母線の電圧を制御するエンジンコントローラを備えてなる請求項2に記載の産業車両。
  5. 前記電圧制御装置と前記電動機制御装置に前記指令信号を送信し、前記電圧制御装置と前記電動機制御装置を制御する車両コントローラをさらに備え、
    前記電圧制御装置は、前記車両コントローラからの電圧の指令信号を受信したときには、該電圧の指令信号に応じて前記直流母線の電圧を一定値になるように制御し、前記車両コントローラからの電圧の指令信号を受信しないときには、前記走行操作装置の操作量に応じて前記直流母線の電圧を制御し、
    前記電動機制御装置は、前記車両コントローラからの出力トルクの指令信号を受信したときには、該出力トルクの指令信号に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、前記車両コントローラからの出力トルクの指令信号を受信しないときには、前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御してなる請求項2ないし4のいずれかに記載の産業車両。
  6. 前記走行操作装置を前記車両コントローラと前記電圧制御装置とのうちいずれか一方に選択的に接続するスイッチをさらに備え、
    前記スイッチが前記走行操作装置を前記電圧制御装置に接続したときには、前記電圧制御装置は、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じて前記直流母線の電圧を制御し、前記電動機制御装置は、前記直流母線の電圧に応じて前記電動機の出力トルクを制御し、
    前記スイッチが前記走行操作装置を前記車両コントローラに接続したときには、前記車両コントローラは、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じた前記電圧の指令信号を前記電圧制御装置に送信し、前記走行操作装置からの走行操作信号に応じた前記出力トルクの指令信号を前記電動機制御装置に送信してなる請求項5に記載の産業車両。
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JP2018052458A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社小松製作所 作業車両の動力伝達装置
CN108578942A (zh) * 2018-04-28 2018-09-28 安徽腾南纯净设备科技有限公司 一种可远程控制的带柔性逃生通道的无人消防车

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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