JP2015101248A - ハイブリッド車両のトルク制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両のトルク制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】操作レスポンスがよいと感じ易いハイブリッド車両のトルク制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両のトルク制御装置は、変速処理を行う自動変速機106と、入力シャフト12に接続され、変速処理を行うときにエンジン102側から供給されるエンジントルクの伝達と遮断を切り替えるクラッチ104と、出力シャフト20a側にモータトルクを供給可能なモータジェネレータ108と、エンジントルクとモータトルクとを制御して出力トルクを調整する制御部116と、を備える。制御部116は、自動変速機106のギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合、トルク伝達状態がトルク非伝達状態に切り替えられる前の出力シャフト20aにおける出力トルクが所定値以上の加速度変化を生じるようにモータジェネレータ108のモータトルクを変化させる。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、ハイブリッド車両のトルク制御装置に関する。
走行状態に応じて、内燃機関と電気モータの両方またはいずれか一方を駆動源とするハイブリッド車両が知られている。また、ハイブリッド車両に採用される変速機の一例として、走行状態に応じて一連のクラッチの接離操作と変速操作を自動で行うAMT(オートメイテッドマニュアルトランスミッション)と呼ばれる有段自動変速機がある。このような有段自動変速機において変速を行う場合は、変速過程でクラッチが一時的に切断されるため内燃機関からのトルクが車輪側に伝達されず、車両全体としての駆動トルクが低下する期間、いわゆる「トルク抜け」が生じる。そのため、電気モータでトルクアシストを行うことにより変速時の「トルク抜け」を防止する技術が提案されている。
特開平11−69509号公報
ところで、スポーツ仕様の車両や操作レスポンスを重視したスポーツモードを選択可能な車両がある。このような車両において、運転者がアクセル操作等により車両挙動の変化を要求した場合、例えば高速走行への移行を要求した場合に、その要求に対して車両が敏感に反応して車両の挙動が変化した(変速が迅速に実行された)と運転者に感じさせることが好ましい。しかし、実際の変速処理はクラッチが切断された後にギア段の変更が行われ、再度クラッチが接続されることで完了する。そして、クラッチが再接続されたときに生じする加速度変化(G変化)により運転者は、車両の挙動変化を認識する場合もある。このように、運転者がアクセル操作等により車両挙動の変化を要求しても、実際に変速が完了するまでにはタイムラグが存在するので、車両の敏感性を運転者に体感させにくいという問題があった。また、電機モータによるトルクアシスト機能がある場合、基本的にはトルク変動を軽減する方向に制御が行われるので、車両の挙動変化が分かり難い場合がある。さらに、一般的な内燃機関は、その特性上、制御指令を供給しても瞬時に目標トルクを出力させることは難しく、立ち上がり勾配または立ち下がり勾配を経た後に目標トルクに到達する。したがって、従来のハイブリッド車両では、敏感な変速(挙動変化)を運転者に体感させにくかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、操作(変速)レスポンスがよいと感じ易いハイブリッド車両のトルク制御装置を提供することを目的の1つとする。
実施形態に係るハイブリッド車両のトルク制御装置は、ギア比の異なる複数のギア対を入力シャフトと出力シャフトとの間に備え、前記ギア対ごとに前記入力シャフトと前記出力シャフトとの間でトルクを伝達するトルク伝達状態とトルクを伝達しないトルク非伝達状態とを切り替えて変速処理を行う変速機構と、前記入力シャフトに接続され、前記変速処理を行うときに内燃機関側から供給される機関トルクを伝達する接続状態と遮断する切断状態とを少なくとも切り替えるクラッチと、前記出力シャフト側にモータトルクを供給可能なモータジェネレータと、前記内燃機関の機関トルクと前記モータジェネレータのモータトルクとを制御して前記出力シャフトの出力トルクを調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記変速機構の前記ギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合、前記トルク伝達状態が前記トルク非伝達状態に切り替えられる前の前記出力シャフトにおける出力トルクが所定値以上の加速度変化を生じるように前記モータジェネレータのモータトルクを変化させる。
この態様によれば、制御部は、ギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合に、変速機構がトルクの伝達状態を切り替える前に、出力シャフトにおける出力トルクが、モータジェネレータのモータトルクを利用して、所定値以上の加速度変化を発生するように強制的に変化させる。一般的に、モータジェネレータのモータトルクは、制御信号に対して迅速に反応させやすく、モータトルクにより出力シャフトにおける出力トルクを調整することで、変速前に加速度変化(G変化)を顕著化することができる。その結果、ギア対の変更決定後速やかに変速処理が完了したような変速感を提供できる。つまり、レスポンスがよいと感じさせる演出ができる。
また、本実施形態のハイブリッド車両のトルク制御装置の制御部は、前記モータトルクを変化させる場合、変更前後のギア対のギア比差に対応するトルク分だけ前記出力トルクを変化させるようにしてもよい。この態様によれば、変速処理がギア対の変更決定後速やかに完了したような演出を行った後、実際のギア対の変更が完了して変更後のギア対のギア比に応じたトルクを「G変化」直後から発生する。したがって、実際のギア対の変更が完了するまでのトルク変動を抑制できる。つまり、ギア対の変更決定直後の「G変化」による擬似的な変速演出後は加速度変化のない定常走行が可能となり、実際にはギア対の変更が遅れて実行されているということを気付かれ難くすることが可能で、「G変化」の演出処理を含めた全体の変速処理を違和感なく実行できる。
また、本実施形態のハイブリッド車両のトルク制御装置の制御部は、前記変速機構の前記ギア対が高速側のギア対に変更されることが決定された場合、前記モータトルクを変化させる前に前記内燃機関の機関トルクを所定の変化率で所定値まで減少させるようにしてもよい。この態様によれば、機関トルクを予め減少させることで、ギア対が高速側に実際に変更された後に必要となる出力トルクに対してモータトルクで強制的に変化させる機関トルクの変化幅を調整することができる。その結果、走行状態によって変動するモータトルクによる合計トルクの変化幅を一定化(安定化)することが可能になり、変速制御ごとの「G変化」のばらつきを抑制し、違和感のない変速感の演出ができる。
また、本実施形態のハイブリッド車両のトルク制御装置の制御部は、前記変速機構の前記ギア対が高速側のギア対に変更されることが決定された場合で、前記モータトルクを変化させる場合、前記モータジェネレータで負トルクを発生させるようにしてもよい。この態様によれば、高速側への変速処理が、ギア対の変更決定後速やかに完了したように演出できるとともに、モータジェネレータの回生処理によりバッテリの充電が可能になり、ハイブリッド車両の燃費向上に寄与できる。
図1は、実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両の機能ブロック図である。 図2は、実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両のドライブトレインを中心とする駆動系の模式図である。 図3(a)〜(c)は、実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両の変速制御時の内燃機関及びモータジェネレータの回転数、トルクおよびギア段の変化を説明する変速チャート図である。 図4は、図3における変速要求後の機関トルク(エンジントルク)の事前減少処理を説明するチャート図である。 図5は、図3における変速要求後のG変化発生処理を説明するチャート図である。 図6は、実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両の変速制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。
図1は、本実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両の機能ブロック図である。本実施形態のトルク制御装置は、変速機構の変速制御のときにクラッチが切断され、変速機構側に内燃機関からのトルクが一時的に伝達されない場合に、モータジェネレータからトルクを供給して出力トルクを補う。そのとき、変速する旨の決定後、速やかに変速処理が完了したような印象を運転者等に与えやすいように、モータジェネレータのモータトルクを制御する。具体的には、変速機構のギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合、変速機構においてトルク伝達状態がトルク非伝達状態に切り替えられる前の出力シャフトにおける出力トルクを強制的かつ急激に変化させるようなモータトルクを発生するようにモータジェネレータを制御するものである。
図1に示すハイブリッド車両100は、エンジン(Eng)102、クラッチ104、自動変速機(変速機構)106、モータジェネレータ(MG)108、インバータ110、バッテリ112、差動装置(デフ)114、制御部116、記憶部118、切替機構120等で構成されている。なお、図1では、本実施形態と関連しない構成については省略している。
内燃機関の一種であるエンジン102は、例えばガソリンエンジン等で、制御部116の制御によりエンジン回転数やエンジントルクが制御される。クラッチ104はエンジン102の出力シャフトと自動変速機106の入力シャフトとの間に配置される。クラッチ104の制御状態には、エンジン102側から供給される動力(トルク)を伝達するトルク伝達状態と、伝達しないトルク非伝達状態、及びトルク伝達状態とトルク非伝達状態の中間の状態で滑りながら接触している滑り状態がある。クラッチ104の制御状態は走行状態に応じて制御部116によって制御されるようにしてもよい。
自動変速機106は、後述するいわゆるドグクラッチを含むドグトランスミッションとすることができるが、別の実施形態では、シンクロメッシュを備えるトランスミッションでもよい。自動変速機106の出力シャフト側には、モータジェネレータ108が接続されている。図1の構成では、自動変速機106に対するモータジェネレータ108の接続状態を切り替える切替機構120が設けられている。
切替機構120に含まれるMGクラッチ120aによってモータジェネレータ108を自動変速機106の出力シャフト側に直結させることができる。また、切替機構120に含まれるMGクラッチ120bによってモータジェネレータ108を自動変速機106の入力シャフト側に直結させることができる。切替機構120は、いずれか一方の接続状態を選択するか、MGクラッチ120a,120bのいずれも切断して、モータジェネレータ108を自動変速機106から分離させる状態、つまりドライブトレインからモータジェネレータ108を分離させる状態が選択できる。
MGクラッチ120aが接続状態となり、モータジェネレータ108が自動変速機106の出力シャフト側と直結される場合は、インバータ110を介してバッテリ112からの電力供給を受けてモータとして機能するモータジェネレータ108の出力トルクを差動装置114側に提供可能である。したがって、エンジン102からの駆動力の供給を受けない場合、モータジェネレータ108のみを駆動源とするEV走行が可能となる。また、エンジン102からの駆動力の供給を受ける場合は、エンジン102の駆動力をアシストするアシスト走行が可能になる。また、ハイブリッド車両100の制動時にはモータジェネレータ108を発電機として機能させて、インバータ110を介してバッテリ112を充電させることが可能である。
MGクラッチ120bが接続状態となり、モータジェネレータ108が自動変速機106の入力シャフト側と直結される場合は、インバータ110を介してバッテリ112からの電力供給を受けてモータとして機能するモータジェネレータ108の出力トルクを自動変速機106に提供可能である。したがって、エンジン102の駆動力をアシストするアシスト走行が可能になる。また、後述するが、自動変速機106内部の接続状態によりエンジン102からの駆動力を受け取る状態を受け取らない状態の切り替えが可能である。そして、MGクラッチ120bを接続した状態で、自動変速機106がエンジン102からの駆動力を受け取る状態に制御されると、エンジン102の駆動力によりハイブリッド車両100を走行させる。それととともに、モータジェネレータ108を発電機として機能させて、バッテリ112を走行中に充電することができる。また、MGクラッチ120bを接続した状態で、自動変速機106がエンジン102からの駆動力を受け取らない状態に制御されると、エンジン102からの駆動力によりモータジェネレータ108を発電機として機能させることができる。その結果、ハイブリッド車両100の停止中にバッテリ112を充電することができる。なお、切替機構120によりモータジェネレータ108を自動変速機106側から分離すればエンジン102のみのエンジン走行が可能になる。
差動装置114は、ハイブリッド車両100が旋回する際に、内側と外側の車輪122に生じる速度差(回転数の差)を吸収しつつ動力源(エンジン102またはモータジェネレータ108あるいはその両方)からのトルクを各車輪122に振り分けて伝える。
本実施形態の場合、制御部116は、運転者の走行操作に基づく走行要求またはハイブリッド車両100の走行状態にしたがって、エンジン102、クラッチ104、自動変速機106、インバータ110、バッテリ112、切替機構120等を連携制御して、最適な走行を実現するようにすることができる。なお、図1の構成の場合、制御部116は各機器を統合制御する統合制御部として示しているが、制御対象ごとに個別の制御部を備え、各制御部が連携制御されるようにしてもよい。また、いくつかの機能をまとめて制御するようにしてもよい。記憶部118は制御部116が取得する各種情報を記憶する。また、記憶した情報を制御部116に提供して各機器を制御したり、各機器のフィードバック制御に反映させる。なお、制御部116は、取得した各種情報に基づき、情報を加工して新たな情報を作成したり、既存の情報を更新したりして記憶部118に記憶させてもよい。
図2は、実施形態に係るトルク制御装置を含むハイブリッド車両100のドライブトレインを中心とする駆動系の模式図である。図2に示す構成例の場合、自動変速機106の入力シャフト12には、例えば乾式のクラッチ104を介してエンジン102の動力と、モータジェネレータ108の動力が供給できるように構成されている。つまり、本実施形態の自動変速機106はハイブリッド車に搭載されている。
本実施形態の自動変速機106は、シンクロメッシュ機構を持たず、代わりに「ドグクラッチ」と呼ばれる噛み合わせ機構を有し、複数のギアが常時噛み合い状態にある変速機である。このようにドグクラッチを含む自動変速装置を「ドグミッション」と称する場合もある。図2はドグミッションの一例を示す。本実施形態の自動変速機106は、1本の入力シャフト12と、2本の出力シャフト20a,20bを含む例を示している。
出力シャフト20aは、第1速用従動ギア22、第5速用従動ギア24、第2速用従動ギア26、第4速用従動ギア28を回転自在にその軸上に支持している。出力シャフト20aは、第1速用従動ギア22を出力シャフト20aに固定してトルクを伝達できる伝達状態(トルク伝達状態)と、固定を解放してトルクを伝達できない非伝達状態(トルク非伝達状態)とを切り替える第1ドグ30を有する。同様に、出力シャフト20aは、第5速用従動ギア24を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える第5ドグ32を有する。そして、出力シャフト20aは、第1ドグ30と第5ドグ32のいずれかをトルク伝達状態にするあるいはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第1ドグクラッチ34を備える。同様に、出力シャフト20aは、第2ドグ36と第4ドグ38を有する。第2ドグ36は、第2速用従動ギア26を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える。第4ドグ38は、第4速用従動ギア28を出力シャフト20aに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える。そして、出力シャフト20aは、第2ドグ36と第4ドグ38のいずれかをトルク伝達状態にするあるいはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第2ドグクラッチ40を備える。
出力シャフト20bは、第3速用従動ギア42、後進用従動ギア44を回転自在にその軸上に支持している。出力シャフト20bは、第3速用従動ギア42を出力シャフト20bに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える第3ドグ46を有する。同様に、後進用従動ギア44を出力シャフト20bに固定するトルク伝達状態と、固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替える後進用ドグ48を有する。そして、出力シャフト20bは、第3ドグ46と後進用ドグ48のいずれかをトルク伝達状態にするまたはいずれもトルク非伝達状態にする切替動作を行う第3ドグクラッチ50を備える。
入力シャフト12は、第2速用駆動ギア52、第4速用駆動ギア54、第1速/後進用駆動ギア56、第3速/第5速用駆動ギア58を備える。本実施形態の構成の場合、第1速/後進用駆動ギア56及び第3速/第5速用駆動ギア58は入力シャフト12に固定されている。一方、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54は入力シャフト12に回転自在に支持されている。なお、本実施形態の構成では、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54は、モータジェネレータ108の動力伝達を第4速用駆動ギア54で受けて、両方が回転できるように一体化されており、入力シャフト12に対して一体的に回転できるように構成されている。その一方で、入力シャフト12は、第2速用駆動ギア52を当該入力シャフト12に固定するトルク伝達状態と固定を解放するトルク非伝達状態とを切り替えるAドグ60を備え、その切替動作を行う第4ドグクラッチ62を備える。したがって、第4ドグクラッチ62によって、Aドグ60が第2速用駆動ギア52と噛み合った場合には、第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54の両方が入力シャフト12に固定されることになる。したがって、第4ドグクラッチ62によりAドグ60がトルク非伝達状態、第1ドグクラッチ34が中立状態、第2ドグクラッチ40により第4ドグ38がトルク伝達状態の場合、モータジェネレータ108は、出力シャフト20aと直結されて、図1におけるMGクラッチ120aが接続された状態が形成できる。一方、第4ドグクラッチ62によりAドグ60をトルク伝達状態にして、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50の少なくとも1つをトルク伝達状態にすれば、図1におけるMGクラッチ120bが接続された状態が形成できる。
図2の自動変速機106の場合、第1速用従動ギア22と第1速/後進用駆動ギア56とで第1ギア対64を構成し、第2速用従動ギア26と第2速用駆動ギア52とで第2ギア対66を構成し、第3速用従動ギア42と第3速/第5速用駆動ギア58とで第3ギア対68を構成している。また、第4速用従動ギア28と第4速用駆動ギア54とで第4ギア対70を構成し、第5速用従動ギア24と第3速/第5速用駆動ギア58とで第5ギア対72を構成している。なお、後進用従動ギア44は、第1速用従動ギア22を介して第1速/後進用駆動ギア56と対を成し後進ギア対74を構成している。
このように、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50、第4ドグクラッチ62は、第1ギア対64、第2ギア対66、第3ギア対68、第4ギア対70、第5ギア対72、後進ギア対74を介して第1シャフト(例えば入力シャフト12)と第2シャフト(例えば出力シャフト20aまたは出力シャフト20b)との間でギア対ごとに定められたギア比にしたがうトルク伝達状態と、トルク非伝達状態とを切り替える切替機構として機能する。例えば、第1ドグクラッチ34により第1ドグ30を第1速用従動ギア22に噛み合わせることにより回転自在であった第1速用従動ギア22が出力シャフト20aに固定される。第1速/後進用駆動ギア56は、入力シャフト12に固定されているので、第1ギア対64は、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間で所定のギア比にしたがうトルク伝達状態になる。一方、第1ドグクラッチ34により第1ドグ30と第1速用従動ギア22の噛み合いが解除されると第1速用従動ギア22は出力シャフト20aに対して回転自在となる。したがって、入力シャフト12に固定された第1速/後進用駆動ギア56によって、第1速用従動ギア22が回転しても、出力シャフト20aの軸上で空転するのみで、第1ギア対64は、入力シャフト12と出力シャフト20aとの間でトルク非伝達状態になる。
自動変速機106の出力シャフト20a,20bには、それぞれ出力ギア76a,76bが固定され、差動装置114のリングギア80と噛み合い、出力シャフト20a,20bのトルクをリングギア80に伝達している。
モータジェネレータ108の出力シャフト82に固定された出力ギア84は、アイドルギア86を介して第4速用駆動ギア54と噛み合っている。したがって、モータジェネレータ108は、第4速用駆動ギア54及び第2速用駆動ギア52を同時に回転させることができる。なお、図2において、アイドルギア86は回転センサ88を備え、モータジェネレータ108の実回転数の検出を行い、モータジェネレータ108の制御に利用している。また、入力シャフト12にはクラッチ104のクラッチカバーを押すコンセントリック・スレーブ・シリンダ(CSC)90が備えられている。
前述したように、自動変速機106は制御部116によって制御することができる。この場合、制御部116は、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50、第4ドグクラッチ62の制御を行うギア制御部としても機能し、トルク伝達状態とトルク非伝達状態の切り替えを行う。
自動変速機106は、駆動源としてエンジン102とモータジェネレータ108を利用したハイブリッド車に適用される。そして、制御部116によるエンジン102、モータジェネレータ108の駆動制御及び各ドグの切替制御により走行状態に適した変速状態を実現する。例えば、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40のいずれかにより第1速用従動ギア22、第5速用従動ギア24、第2速用従動ギア26、第4速用従動ギア28のいずれかを出力シャフト20aに固定する。あるいは、第3ドグクラッチ50により第3速用従動ギア42、後進用従動ギア44のいずれかを出力シャフト20bに固定する。その結果、エンジン102とモータジェネレータ108の少なくとも一方の駆動力を用いた制御を実現する。
本実施形態におけるハイブリッド車両100を走行させる場合、エンジン102のみを駆動源とする駆動態様と、モータジェネレータ108のみを駆動源とする駆動態様の他、エンジン102とモータジェネレータ108の両方を駆動源として用いる協調制御態様を選択できる。以下、協調制御時のギア接続の一例を説明する。
例えば、エンジン102の駆動力を第1ギア対64を用いて伝達し、モータジェネレータ108の駆動力を第2ギア対66を用いて伝達する場合、つまり、モータジェネレータ108によるアシストを伴い、エンジン102により第1速走行を行う場合の動力伝達例を説明する。
この場合、エンジン102及びモータジェネレータ108を駆動状態とし、クラッチ104を接続状態にする。ドグについては、第1ドグクラッチ34によって第1ドグ30をトルク伝達状態に切り替え、第2ドグクラッチ40によって第2ドグ36をトルク伝達状態に切り替える。その結果、エンジン102のトルクは、クラッチ104を介して入力シャフト12に伝達され、当該入力シャフト12に固定された第1速/後進用駆動ギア56を回転させる。そして、第1速/後進用駆動ギア56は、第1ドグ30によって出力シャフト20aに固定された第1速用従動ギア22を回転させてエンジン102のトルクを第1ギア対64で定められるギア比にしたがって出力シャフト20aに伝達する。一方、Aドグ60をトルク非伝達状態にすることで、モータジェネレータ108のトルクは、自由回転する第4速用駆動ギア54に所定のギア比にしたがって伝達され、さらに一体化された第2速用駆動ギア52を回転させる。そして、第2速用駆動ギア52は、第2速用従動ギア26を回転させる。第2速用従動ギア26は、第2ドグ36によって出力シャフト20aに固定されているので、モータジェネレータ108のトルクは、第2ギア対66など経由するギアのギア比にしたがって出力シャフト20aに伝達される。したがって、出力シャフト20aには、エンジン102のトルクとモータジェネレータ108のトルクの両方が伝達され、出力ギア76aを回転させる。出力ギア76aに伝達されたトルクは、リングギア80を介して差動装置114側、すなわち駆動輪側に伝達され車両の走行を可能にする。他のギア対を用いて車両を走行させる場合のトルク伝達についても同様である。
なお、ドグクラッチの制御により停車時にエンジン102の駆動力を用いて発電を行い、モータジェネレータ108等を駆動するバッテリ112を充電することができる。例えば、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50をニュートラルの状態にして、第4ドグクラッチ62により第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54を入力シャフト12に固定する。そして、クラッチ104を接続状態にする。その結果、エンジン102のトルクにより入力シャフト12が回転し、それに伴い第4速用駆動ギア54が回転する。第4速用駆動ギア54には、アイドルギア86を介してモータジェネレータ108の出力シャフト82が噛み合っているので、エンジン102によりモータジェネレータ108の出力シャフト82が回転させられて発電機として機能する。つまり停車時に発電を行う状態となる。
また、ドグクラッチの制御により停止中のエンジン102をモータジェネレータ108で始動することができる。例えば、エンジン102の停止時に、第4ドグクラッチ62により第2速用駆動ギア52及び第4速用駆動ギア54を入力シャフト12に固定する。一方、第1ドグクラッチ34、第2ドグクラッチ40、第3ドグクラッチ50は、ニュートラルの状態にすると共にクラッチ104を接続状態にする。この状態で、モータジェネレータ108を駆動すれば、停止状態の第4速用駆動ギア54を回転させることができる。つまり、停止状態の入力シャフト12を回転させて、クラッチ104を介してエンジン102のクランクシャフトを回転させて、エンジン102を始動することができる。その結果、エンジン102のためのスタータ装置を省略することができて、構成の簡略及びコストダウンに寄与することができる。
なお、協調制御により後進走行させる場合は、例えば、エンジン102のトルクが入力シャフト12、第1速/後進用駆動ギア56と第1速用従動ギア22からなる第1ギア対64を介し、さらに第1速用従動ギア22と後進用従動ギア44からなる後進ギア対74に伝達されるようにする。その結果、後進用ドグ48によって出力ギア76bに固定された後進用従動ギア44は、入力シャフト12の回転方向とは逆方向に回転し、車両を後進させる。このとき、Aドグ60をトルク伝達状態に切り替えることにより、エンジン102のトルクが第4速用駆動ギア54に伝達され、モータジェネレータ108の出力シャフト82を回転させる。つまり、後進制御中に発電またはアシストすることができる。
上述にように構成されるハイブリッド車両100の自動変速機106においてギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合のエンジン102とモータジェネレータ108の制御について、図3〜図5を用いて説明する。
前述したように、車両には、その仕様や走行目的、運転者の嗜好等によって様々な要望がなされる。その一例として、スポーツ仕様の車両や操作レスポンスを重視したスポーツモードを選択可能な車両の場合、運転者の要求に対して車両が敏感に反応していると運転者に感じさせたいという要望がある。例えば、運転者がアクセル操作等により車両挙動の変化を要求した場合、一例として変速による高速走行への移行を要求した場合に、その変速処理が迅速に行われ、その実行を運転者が体感できることが望ましい。しかし、自動変速機106はあるギア対から他のギア対に変更する場合、前述したようにドグクラッチの接離操作を伴うとともに、その接離操作は、クラッチ104を切断し自動変速機106をエンジン102から分離した状態で行う必要があった。運転者が体感しやすい車両挙動の変化の1つとして変速による「G(加速度)変化」があるが、一般的に「G変化」は、変速処理の完了後に、クラッチ104が再接続され自動変速機106とエンジン102が接続されることにより発生する。つまり、運転者がアクセル操作等により実質的な変速要求を行ってから「G変化」に基づき車両の挙動変化(変速処理の実行)を認識するまでにタイムラグが存在する。その結果、応答性がよいというイメージが与えにくかった。なお、ギア対の切り替えに先立ちドグを抜く処理が必要になりエンジントルクを低下させる必要がある。このエンジントルクの低下で「G変化」を発生させることが考えられる。しかし、一般的に、エンジントルクを急激に変化させることは困難である。例えばエンジントルクを低下させる場合は、立ち下がり勾配を経た後に目標トルクに到達する。この立ち下がり勾配があるためエンジントルクの変化は「なまり」状態となり、顕著な「G変化」の発生が困難であった。
発明者らは種々の試験、検討を行った結果、変速が決定された場合に速やかに顕著な「G変化」を発生させることができれば、運転者の操作に対して車両が敏感に反応して挙動変化が生じた(変速処理が実行された)と運転者にイメージさせ易くなるという結論に至った。
そこで、本実施形態では、ギア対が変更されることが決定された場合、応答性のよいモータジェネレータ108のモータトルクの変化を用いて、強制的かつ急激に出力トルク(エンジントルクとモータトルクの合計)を変化させる。つまり、実際にギア対の変更が完了して「G変化」が発生するより前の段階で擬似的に顕著な「G変化」(擬似的な変速)を発生させて、運転者に車両の挙動変化(変速の完了)を体感させている。なお、以下に示す例では、現在のギア段に対して高速側のギア段に変更すること要求された場合(アップシフトであり、変速後の出力トルク(合計トルク)が低下する場合)を一例として説明する。
図3(a)は、自動変速機106の変速時のエンジン102及びモータジェネレータ108の回転数の推移を示すチャートである。図3(a)では、MG(モータジェネレータ)回転数A、TM(変速機)インプット回転数B、エンジン回転数C、TMアウトプット回転数Dが示されている。なお、領域a〜領域dは、特徴的な挙動を示す領域ごとに便宜的に分けたものである。図3(a)に示すように、変速の過程でエンジン回転数C及びTMインプット回転数Bが連動して減少変化しているのに対し、MG回転数A及びTMアウトプット回転数Dが徐々に増加している。つまり、モータジェネレータ108が出力シャフト20a側(差動装置114側)に接続され、エンジントルクの減少時にはモータジェネレータ108によりトルクアシストがなされ、自動変速機106がアップシフトして滑らかに加速していることが示されている。
図3(b)は、自動変速機106の変速時の要求ギア段Eと実ギア段Fの推移を示すチャートである。図3(b)は、運転者のアクセル操作やそのときの車速等に基づき、制御部116が自動変速機106に対して、第1速から第2速へ変速する旨の変速要求を行った場合を示す。なお、図中、「不定」は、第1速や第2速等のギア確定状態でもニュートラル(N)でもない状態を意味している。
図3(c)は、自動変速機106の変速時のクラッチトルクG、変速前ドライバ要求トルクH、変速後ドライバ要求トルクI、実エンジントルクJ、MGトルクK、合計トルクLの推移を示すチャートである。図3(c)は、ギア対が変更されることが決定されたことを契機に、強制的に合計トルクLを引き下げて(変化させて)擬似的に「G変化」(擬似的な変速)を発生させる様子を示している。
ところで、実際にギア対の変更が完了した後にクラッチ104が接続されたことにより発生するトルク(合計トルクL≒目標トルク)は、変更後のギア対のギア比で決定される。そのため、ギア対の変更前に強制的に合計トルクLを低下させて得た出力トルク(「G変化」後のトルク)とギア対の変更後の目標トルクに差異がある場合、「G変化」を発生させた後に、目標トルクに合わせ込むためにトルク調整が必要になる。トルク調整を行う場合、加速度変化(ショックや振動)を伴う場合があり、擬似的に変速が完了したというイメージを運転者に持たせた後にさらに微妙な挙動変化が生じることになり、運転者に違和感を与えてしまう場合がある。
そこで、本実施形態の制御部116は、モータジェネレータ108によるモータトルクを低下させる場合、変更前後のギア対のギア比差に対応するトルク分だけ出力トルク(≒目標トルク、合計トルクL)を低下(変化)させるようにモータジェネレータ108のモータトルクを調整する。その結果、擬似的な「G変化」(擬似的な変速)を発生させた後は出力トルク(合計トルクL)を調整する必要がなく、擬似的な変速後は、あたかも変速を伴わない定常走行が行われているように感じさせることができる。つまり、運転者の操作に車両が敏感に反応して変速が迅速に完了したというイメージを持たせやすくなる。なお、擬似的な「G変化」を発生させた後の出力トルクの変動が運転者の許容範囲内で違和感を与えないものであれば、合計トルクLの調整を行ってもよい。その場合、擬似的な「G変化」を発生させる場合のトルク変動量(MGトルクKの発生量)は適宜決定できる。
また、本実施形態の場合、アップシフトのときに擬似的な「G変化」を発生させるための事前処理として、制御部116は、ギア対が変更されることが決定されたことを契機に、まずエンジン102のエンジントルクを所定の変化率で所定値まで減少させる事前減少処理を実行する。例えば、第1速から第2速に変速処理(低速側処理)を行う場合、変更前後のギア比の差は高速側のギア対に比べて大きい。そのため、擬似的な「G変化」を発生させるために、特に低速側では変更前後のギア対のギア比差に対応するトルク分だけ出力トルクを低下させると、減速が大きくなりすぎて(ショックが大きくなりすぎて)違和感を与えてしまう場合がある。
そこで、本実施形態においては、過剰な減速を抑制するようにしている。図4は、図3(c)の領域aにおける実エンジントルクJ、合計トルクL、MGトルクK、要求ギア段Eの部分を、事前減少処理の説明のために誇張表現した図である。図4に示すように、第2速へのアップシフト要求がなされると(要求ギア段E)、制御部116はエンジントルクを所定の変化率で予め定めた適合値Pになるまで低下させる(実エンジントルクJ)。この場合、このトルク低下の際の変化率は、トルク変化が運転者に認識されない程度とすることが望ましく、例えば、変化率を予め定めた一定値とすることができる。また、他の実施形態においては、変化率を運転者の走行意志に対応させて決定して、発生させる「G変化」に変化をつけるようにしてもよい。例えば、運転者が加速思考の場合、つまり、加速度「大」、アクセル開度「大」の場合は、変化率としての減少角度θ及び下げ幅Qを「小」とする。その結果、モータトルク(MGトルクK)で急変させる出力トルク(合計トルクL)の幅が多めになり、「G変化」(合計トルクLの急変)がより顕著になり、「G変化」に続いて発生する加速が大きいことを示唆するような演出ができる。逆に、運転者が一定速度思考の場合、つまり、加速度「小」、アクセル開度「小」の場合は、運転者に認識されにくい範囲内で減少角度θ及び下げ幅Qを「大」とする。エンジントルクを多めに下げておくことで、モータトルク(MGトルクK)で急変させる出力トルク(合計トルクL)の幅が少なめになり、「G変化」(合計トルクLの急変)が控え前になり、「G変化」に続いて発生する加速が小さいことを示唆するような演出ができる。この場合、減少角度θ及び下げ幅Qと加速度及びアクセル開度とを対応つけたマップを予め試験等により作成しておき、例えば記憶部118に保持させておき、そのマップを参照して減少角度θ及び下げ幅Qを決定してもよい。また、処理のたびに減少角度θ及び下げ幅Qを所定の演算式(処理)にしたがって算出してもよい。
このように、事前減少処理を実行することで、「G変化」を運転者に違和感なく認識させることができる。なお、この事前減少処理は、処理を開始するときの車両状態に応じて、省略したり、逆に事前減少処理の実行期間を延ばしたりしてもよい。
次に、図5を用いて「G変化」の発生処理を具体的に説明する。前述したように、本実施形態の場合、自動変速機106のギア対が他のギア対に変更されることが決定されたことを契機に、または事前減少処理によりエンジントルクが所定値Pまで低下したことを契機に、運転者に認識可能な「G変化」を発生させる。すなわち、図5に示すように、エンジン102に対してエンジントルクの減少指示がなされた場合に、実エンジントルクJは特性上立ち下がり勾配P1にしたがって低下することになる。この立ち下がり勾配P1をモータジェネレータ108が発生する急峻な変化を伴う減少方向のモータトルク(MGトルクK)を加えることで調整して、合計トルクLを急激に引き下げる。その結果、ハイブリッド車両100の加速度Mが急激に変化する(タイミングQ)。つまり、「G変化」が発生する。その結果、運転者に加速度変化を体感させて、車両の挙動変化(変速の完了)を擬似的に認識させて、加速度変化によりギア対の変更(例えば、第1速から第2速への変更)が行われたかのようにイメージさせる演出ができる。なお、図5に示すように、この時点で、実ギア段Fは、第1速のままであり、実際にギア対が第2速に変更されてクラッチ104が再接続されてエンジン102のトルクによる変速後の走行が実現するのは、加速度Mが急激に変化するタイミングQより後になる。
図5に示すように、「G変化」を発生させるために負のモータトルク(「0Nm」未満の減少方向のモータトルク)を発生させることにより、モータジェネレータ108を電動機として機能させて、そのときに発生した回生エネルギをバッテリ112に充電できる。つまり、アップシフトのときに運転者の嗜好にあわせた演出制御を行いつつ、バッテリ112の充電を行うことが可能で、ハイブリッド車両100の燃費向上に寄与できる。なお、図3(c)及び図5の例では、第1速の走行中(変速要求前の走行中)はエンジン102の出力のみで走行し、モータジェネレータ108は走行アシストしていない場合を示している。したがって、「G変化」を発生させるためのモータトルクは、常に「0Nm」以下となり、回生エネルギの回収ができる。別の実施形態で、変速要求前からモータジェネレータ108がアシストトルクを発生してエンジン102と協調制御を実行している場合は、「G変化」を発生させるためのモータトルクが「0Nm」以下にならない場合もある。その場合は、回生エネルギの回収はなされない。
図3(c)における「領域b」は、「領域a」で低下を開始した実エンジントルクJをさらに低下させるとともに、その実エンジントルクJの低下に対応させてMGトルクKを上昇させて、実エンジントルクJの低下分をMGトルクKで補い、合計トルクLを略一定に保つ様子を示している。「領域c」は、自動変速機106がニュートラル(N)に移行したため、実エンジントルクJは合計トルクLには寄与せず、合計トルクLの全てがMGトルクKによって賄われている期間を示している。「領域d」は、自動変速機106が第2速に変速を完了したため、実エンジントルクJが徐々に合計トルクLに寄与し始めている期間である。それに対応し、MGトルクKは低下し始め、合計トルクLの寄与率をMGトルクKから実エンジントルクJにすり替え(置き換え)、最終的には、合計トルクLを実エンジントルクJで全て賄い、変速処理を完了する期間を示している。
なお、この変速処理の間、要求されるMGトルクKは、そのときの自動変速機106とクラッチ104の状態及びエンジントルクとクラッチトルクの状態によって適宜演算される。例えば、自動変速機106の実際のシフトポジション(実シフトS)がニュートラル状態(N)ではなく、かつクラッチ104が切断状態ではない場合を考える(実シフトS≠Nかつクラッチ≠断)。このとき、クラッチトルクの大きさがエンジントルクの絶対値以上の場合(クラッチトルク≧|エンジントルク|の場合)、つまり、ハイブリッド車両100の走行中でクラッチ104は完全に接続されている場合、要求されるMGトルクは、「ドライバ要求トルク−エンジントルク」となる。
一方、クラッチトルク<|エンジントルク|の場合、つまり、クラッチ104が滑り状態の場合で、エンジントルク≧0の場合、要求されるMGトルクは、「ドライバ要求トルク−クラッチトルク」となる。また、エンジントルク<0の場合、要求されるMGトルクは、「ドライバ要求トルク+クラッチトルク」となる。
自動変速機106の実シフトがニュートラル状態(N)または、クラッチ104が切断状態の場合、つまり、自動変速機106は完全にトルクが伝達されていない状態である場合、要求されるMGトルクは、ドライバ要求トルク(変速前ドライバ要求トルクH、変速後ドライバ要求トルクI)と同じになる。
図6は、本実施形態の変速制御処理を説明するフローチャートである。制御部116は例えば、ハイブリッド車両100のイグニッションスイッチがオンの場合、所定の制御周期で、図6のフローチャートの処理を繰り返す。制御部116は、制御タイミングになると、ハイブリッド車両100の現在の加速度、アクセル開度、エンジントルク、MGトルク等の車両の走行状態を示す情報を各センサを介して取得する(S100)。そして、制御部116は、記憶部118等に保持された変速マップを参照し、現在の車両の状態及び運転者の操作状態に基づいて変速要求がなされたか否か判定し、変速要求でない場合(S102のN)、はS100に戻り、次の制御タイミングで各種情報の取得を行う。一方、変速要求(アップシフト要求)がなされたと判定した場合(S102のY)、制御部116は、図4を用いて説明したように、現在のエンジントルク、加速度、アクセル開度に基づき、エンジントルクの事前減少処理のための減少角度θ及び下げ幅Qを取得する。そして、変速のためのエンジントルクの調整処理(変速処理)を実行する(S104)。そして、制御部116はエンジントルクが所定の適正値Pまで低下するまで、エンジントルクを減少角度θにしたがって低下させる(S106のN)。一方、エンジントルクが所定の適正値Pまで低下してエンジントルクの事前減少処理が完了した場合(S106のY)、「G変化」の発生処理を開始する。つまり、制御部116は、モータジェネレータ108により変更前後のギア対のギア比差に対応するトルク分だけ(図3(c)の場合、第1速と第2速のギア比分だけ)、合計トルクL(出力トルク)を低下(変化)させるように減少方向のモータトルク(図3(c)の場合は負のモータトルク;−MGトルク)を発生させる(S108)。その結果、合計トルクLが急激に減少(変化)して、運転者に「G変化」を体感させて、変速が変速要求(例えば、アクセルの踏み込み操作)の直後に実行されたようなイメージを与えることができる。このように、ギア比差に対応するトルク分だけ合計トルクLを変化させて「G変化」を発生させるようにしているので、例えば、第1速から第2速、第2速から第3速、第3速から第4速、第4速から第5速等変速の種類ごとに「G変化」の大きさを異なるようにすることが可能になる。つまり、変速の種類に応じた変速感覚が提供可能となり、運転者は、擬似的な「G変化」により変速状態(現在のギア段)を認識可能となる。
この「G変化」の発生処理の間も実際の変速(ギア対の変更)の準備のためにエンジントルクは低下し続けているので、制御部116は、合計トルクLを一定値(変速後のギア対のギア比で定まるトルク)を維持するようにエンジントルクの減少分を相殺するようにモータトルクの制御(+MGアシスト制御)を実行する(S110)。なお、自動変速機106が変速処理の過程でニュートラル(N)にある場合、つまり変速が完了するまでは(S112のN)、エンジントルクの大きさに拘わらず合計トルクLの全てをモータトルクで賄うアシスト制御を実行する。一方、変速が完了した場合(S112のY)、つまり、ギア対が要求ギアに移行し、クラッチ104の接続が開始され、エンジントルクが合計トルクLに寄与するようになったら、エンジントルクとモータトルクの置換制御を開始する(S114)。この場合もエンジントルクの増加率とモータトルクの減少率をリンクさせて、合計トルクLを一定に保つようにする。図3の場合、最終的には、モータトルクが「0Nm」まで下がり、合計トルクLの全てがエンジントルクによって賄われる例を示しているが、変速完了後も引き続きモータトルクが合計トルクLに寄与するようにして、モータトルクのアシストを継続するようにしてもよい。制御部116は、次の制御周期で再びS100の処理をスタートさせて、次のギア段への変速が要求された場合は、図6のフローを実行する。
このように、本実施形態のハイブリッド車両のトルク制御装置によれば、変速要求(アップシフト要求)がなされた場合に、擬似的な「G変化」を発生させて、あたかも迅速な変速が実行されたかのように運転者に感じさせることができる。言い換えれば、エンジン102の特性や自動変速機106の構成を変更することなく、変速が迅速に実行されるレスポンスのよいハイブリッド車両100であるように演出することができる。
なお、上述した実施形態では、変速がアップシフトである場合を示したが、ダウンシフトの場合も同様であり、変速要求(ダウンシフト要求)を契機に「G変化」を発生させることで、迅速に変速が完了したように感じさせる演出ができる。なお、ダウンシフトの場合、運転者は一般に変速後に高いトルクが発生することを期待する。したがって、ダウンシフトの場合、モータジェネレータ108は、ダウンシフト要求を契機に、ダウンシフト要求以前に比べて高いモータトルクを急峻に出力するように制御される。この場合も、ギア段の変更前後のギア比差に対応するトルク分だけ合計トルクL(出力トルク)を変化させることが望ましい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
12…入力シャフト、20a,20b…出力シャフト、82…出力シャフト、100…ハイブリッド車両、102…エンジン、104…クラッチ、106…自動変速機、108…モータジェネレータ、112…バッテリ、116…制御部、J…実エンジントルク、K…MGトルク、L…合計トルク、M…加速度。

Claims (4)

  1. ギア比の異なる複数のギア対を入力シャフトと出力シャフトとの間に備え、前記ギア対ごとに前記入力シャフトと前記出力シャフトとの間でトルクを伝達するトルク伝達状態とトルクを伝達しないトルク非伝達状態とを切り替えて変速処理を行う変速機構と、
    前記入力シャフトに接続され、前記変速処理を行うときに内燃機関側から供給される機関トルクを伝達する接続状態と遮断する切断状態とを少なくとも切り替えるクラッチと、
    前記出力シャフト側にモータトルクを供給可能なモータジェネレータと、
    前記内燃機関の機関トルクと前記モータジェネレータのモータトルクとを制御して前記出力シャフトの出力トルクを調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記変速機構の前記ギア対が他のギア対に変更されることが決定された場合、前記トルク伝達状態が前記トルク非伝達状態に切り替えられる前の前記出力シャフトにおける出力トルクが所定値以上の加速度変化を生じるように前記モータジェネレータのモータトルクを変化させるハイブリッド車両のトルク制御装置。
  2. 前記制御部は、前記モータトルクを変化させる場合、変更前後のギア対のギア比差に対応するトルク分だけ前記出力トルクを変化させる請求項1記載のハイブリッド車両のトルク制御装置。
  3. 前記制御部は、前記変速機構の前記ギア対が高速側のギア対に変更されることが決定された場合、前記モータトルクを変化させる前に前記内燃機関の機関トルクを所定の変化率で所定値まで減少させる請求項1または請求項2記載のハイブリッド車両のトルク制御装置。
  4. 前記制御部は、前記変速機構の前記ギア対が高速側のギア対に変更されることが決定された場合で、前記モータトルクを変化させる場合、前記モータジェネレータで負トルクを発生させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両のトルク制御装置。
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