JP2015101172A - 空調装置用ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の帯状板材を回動させることによって通路を開閉する場合に、閉状態時のシール性を向上させる。
【解決手段】隣接する帯状板材31、31の閉塞板部42、42の縁部同士は、閉状態にあるときに厚み方向に重なるように配置されている。隣接する閉塞板部42、42のうち、一方の閉塞板部42における他方の閉塞板部42が重なる部位には、段差42cが形成されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される空調装置用ダンパに関するものである。
従来より、車両用空調装置は、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を収容するケーシングを備えており、このケーシング内には、冷却用熱交換器を通過した空気が流れる冷風通路と、加熱用熱交換器を通過した空気が流れる温風通路とが形成されている。さらにケーシング内には冷風通路と温風通路を開閉するダンパが配設されており、このダンパの動作によって空調風の温度が変更されるようになっている。
特許文献1のダンパは、通路に配設される枠体と、枠体の内部に配設されて該枠体に回動可能に支持される複数の帯状板材と、帯状板材を連結するための連結部材とを備えている。帯状板材が空気の流れ方向に沿うように回動するとダンパは開状態となる一方、帯状板材が空気の流れに略直交するように回動するとダンパは閉状態となる。ダンパが閉状態にあるときには、隣接する帯状板材の縁部同士が空気流れ方向に重なるように配置されて帯状板材の縁部同士間に隙間ができにくくしている。
特開2005−319914号公報
ところで、特許文献1では、閉状態にあるときに隣接する帯状板材のうち、一方の帯状板材の縁部に他方の帯状板材の縁部が重なるように位置することになるので、両帯状板材の重なり合う部分に、帯状板材の厚みと同程度の段差ができることになる。このため、特に高い風圧が作用した場合、空気が段差に衝突し、隣接する帯状板材の間に入り込み易くなって両帯状板材を隙間ができるように変形させてしまい、その結果、閉状態時のシール性が悪化する恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の帯状板材を回動させることによって通路を開閉する場合に、閉状態時のシール性を向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、帯状板材に閉塞板部を設け、隣接する閉塞板部のうち、一方の閉塞板部に段差を形成して、他方の閉塞板部の縁部がその段差に嵌まるようにした。
第1の発明は、空調装置が有する空気通路の空気流れ方向に対して交差する方向に延びる複数の帯状板材が並設され、
上記帯状板材は、回動軸と、該回動軸の径方向に延出し、上記空気通路を閉塞するための閉塞板部とを備えるとともに、上記閉塞板部が空気の流れ方向に向くように回動することによって開状態となる一方、上記閉塞板部が空気の流れに交差するまで回動することによって閉状態となるように構成された空調装置用ダンパにおいて、
隣接する上記帯状板材の上記閉塞板部の縁部同士は、閉状態にあるときに厚み方向に重なるように配置され、
隣接する上記閉塞板部のうち、一方の閉塞板部における他方の閉塞板部が重なる部位には、該他方の閉塞板部の縁部が嵌まる段差が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダンパを閉状態にすると、隣接する帯状板材の閉塞板部の縁部同士が重なり合う。このとき、一方の帯状板材の閉塞板部に形成されている段差に、隣接する他方の帯状板材の閉塞板部の縁部が嵌まることになる。一方の閉塞板部の縁部が他方の閉塞板部の段差に嵌まっていることで、高い風圧が作用しても一方の閉塞板部の縁部が他方の閉塞板部から離れにくくなり、両閉塞板部の間に隙間ができにくくなる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記一方の閉塞板部における段差が形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉であることを特徴とする。
この構成によれば、一方の閉塞板部における段差の形成されている部分が他の部分に比べて変形しやすくなる。よって、閉状態のときに、一方の閉塞板部における段差の形成されている部分が他方の閉塞板部に沿うように変形しやすくなるので、隣接する閉塞板部の間に隙間ができにくくなる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記空気通路に配置される一体成形の枠体を備え、上記枠体に上記帯状板材が回動可能に支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、一体成形品の枠体とすることで、枠体の形状及び寸法が狙い通りに収まりやすくなり、高精度に成形された枠材が得られる。この高精度に成形された枠体に複数の帯状板材を支持させることで、帯状板材同士の相対的な位置関係を設計通りに維持することが可能になる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記帯状板材の回動軸の中心線と、上記閉塞板部の縁部とは同一直線上に位置していることを特徴とする。
この構成によれば、帯状板材を回動軸の中心線周りに回動させた際、閉塞板部の縁部がその回動中心線上から変位しないので、閉塞板部の縁部を隣接する閉塞板部に近接させた状態で回動させることが可能になるとともに、例えば帯状板材を枠体に支持した場合には枠体に対して閉塞板部を近接させた状態で回動させることが可能になる。これにより、閉塞板部同士の隙間、及び枠体と閉塞板部との間の隙間を極小化することが可能になる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、
上記複数の帯状板材を連結する連結部材を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、複数の帯状板材のうち、任意の1つに駆動力を与えることで他の帯状板材を連動させることが可能になる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、
上記段差は、閉状態で上記閉塞板部の空気流れ方向下流側に位置する面に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、閉状態で風圧が作用した際、一方の閉塞板部の縁部が他方の閉塞板部の段差に嵌まった状態を維持して隣接する閉塞板部同士を密着させることが可能になる。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、
上記閉塞板部には、突起が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、隣接する閉塞板部間の隙間が狭い場合のように、閉塞板部間を流れる空気の流速が速くなり易い場合には、空気が突起に衝突することで空気の流速が低下するので、空気流が閉塞板部を振動させてしまうのを抑制することが可能になる。
第8の発明は、第1から7のいずれか1つの発明において、
上記閉塞板部を空気流れ方向下流側から支持する支持部を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、閉塞板部を薄肉化して材料の削減を図る場合に、風圧による閉塞板部の変形を支持部により抑制することが可能になる。
第9の発明は、第1から8のいずれか1つの発明において、
上記閉塞板部の縁部には、熱可塑性エラストマーからなるシール部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、閉状態のときのシール性がより一層向上する。
第10の発明は、第1から8のいずれか1つの発明において、
複数の上記帯状板材は同じ部材からなることを特徴とする。
この構成によれば、空調装置用ダンパを構成する部品の種類を削減することが可能になる。
第1の発明によれば、隣接する閉塞板部のうち、一方の閉塞板部における他方の閉塞板部が重なる部位に、該他方の閉塞板部の縁部が嵌まる段差を形成したので、閉状態のときに高い風圧が作用しても一方の閉塞板部の縁部が他方の閉塞板部から離れにくくなる。これにより、両閉塞板部の間に隙間ができにくくなるので、シール性を向上させることができる。
第2の発明によれば、一方の閉塞板部における段差の形成されている部分を他の部分に比べて薄肉にしたので、閉状態のときに一方の閉塞板部における段差の形成されている部分が他方の閉塞板部に沿うように変形しやすくなる。これにより、シール性をより一層向上させることができる。
第3の発明によれば、一体成形の枠体に帯状板材を支持しているので、帯状板材同士の相対的な位置関係を設計通りに維持することができ、シール性をより一層向上させることができる。
第4の発明によれば、帯状板材の回動軸の中心線と、閉塞板部の縁部が同一直線上に位置しているので、閉塞板部同士の隙間を極小化できるとともに、枠体を設けた場合には枠体と閉塞板部との間の隙間を極小化することできる。これにより、シール性をより一層向上させることができる。
第5の発明によれば、複数の帯状板材を連結部材で連結したので、任意の1つの帯状板材に駆動力を与えることで他の帯状板材を連動させることができる。
第6の発明によれば、閉塞板部の空気流れ方向下流側の面に段差を形成したので、風圧が作用した際に隣接する閉塞板部同士を密着させることができ、シール性をより一層向上させることができる。
第7の発明によれば、閉塞板部に突起を形成したので、閉塞板部間を流れる空気の流速を低下させて空気流による閉塞板部の振動を抑制できる。これにより、異音の発生を抑制できる。
第8の発明によれば、閉塞板部を空気流れ方向下流側から支持部で支持するようにしたので、閉塞板部の材料の削減を図りながら、風圧による閉塞板部の変形を抑制してシール性を確保できる。
第9の発明によれば、閉塞板部の縁部に熱可塑性エラストマーからなるシール部を設けたので、シール性をより一層向上させることができる。
第10の発明によれば、複数の帯状板材を同じ部材としたので、部品の種類を削減して低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態1に係る車両用空調装置の内部構造を説明する縦断面図である。 全開状態にある冷風側通路側ダンパを空気流れ方向上流側から見た斜視図である。 全開状態にある冷風側通路側ダンパを空気流れ方向上流側から見た正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 全閉状態にある冷風側通路側ダンパを空気流れ方向上流側から見た斜視図である。 全閉状態にある冷風側通路側ダンパを空気流れ方向上流側から見た正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 図6のVIII−VIII線断面図である。 冷風側通路側ダンパの分解斜視図である。 図3のX−X線断面図である。 図3のXI−XI線断面図である。 帯状板材の平面図である。 帯状板材の正面図である。 帯状板材の底面図である。 帯状板材の右側面図である。 図3のXVI−XVI線断面図である。 冷風側通路側ダンパの枠体に帯状板材を組み付ける要領を説明する斜視図である。 冷風側通路側ダンパの帯状板材に連結部材を組み付ける要領を説明する斜視図である。 冷風側通路側ダンパの枠体にストッパ部材を組み付ける要領を説明する斜視図である。 実施形態1の変形例に係る帯状板材の断面図である。 実施形態2に係る図1相当図であり、温風通路が全開状態を示す。 実施形態2に係る図1相当図であり、温風通路が全閉状態を示す。 実施形態2に係る図1相当図であり、温風通路が半開状態を示す。 (a)は温風通路が全開状態にある場合の概念図であり、(b)は温風通路が全閉状態にある場合の概念図である。 実施形態2に係るエアミックスダンパを空気流れ方向上流側から見た正面図である。 実施形態2に係る枠体を空気流れ方向上流側から見た斜視図である。 実施形態2に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態3に係る図1相当図であり、温風通路が全閉状態を示す。 実施形態3に係る図1相当図であり、温風通路が全開状態を示す。 実施形態4に係る図1相当図である。 (a)は温風通路が全閉状態にある場合の概念図であり、(b)は温風通路が全開状態にある場合の概念図である。 実施形態4の変形例に係る図31相当図である。 実施形態4の送風ユニットの内部構造を説明する縦断面図である。 (a)は外気導入口が全開状態にある場合の概念図であり、(b)は内気導入口が全開状態にある場合の概念図である。 実施形態4の別の形態に係る概略構成図である。 実施形態4の更に別の形態に係る概略構成図である。 実施形態5に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態5に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態5に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態6に係り、冷房時の図1相当図である。 実施形態6に係り、暖房時の図1相当図である。 実施形態6に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態6に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態6に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態6の変形例に係り、冷房時の図1相当図である。 実施形態6の変形例に係り、暖房時の図1相当図である。 実施形態7に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態7に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態7に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態8に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態8に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態8に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態9に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態9に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態9に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態9の変形例に係るエアミックスダンパの斜視図である。 実施形態10に係る図1相当図である。 実施形態10に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態10に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態10に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態10に係る帯状板材の斜視図である。 実施形態10に係る帯状板材の正面図である。 実施形態10に係る帯状板材の側面図である。 実施形態11に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態11に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態11に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態12に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態12に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態12に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態13に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態13に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態13に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態14に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態14に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態14に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態15に係るエアミックスダンパの正面図である。 実施形態15に係るエアミックスダンパの枠体の斜視図である。 実施形態15に係るエアミックスダンパの分解斜視図である。 実施形態15に係る帯状部材の斜視図である。 実施形態15に係る帯状部材の正面図である。 実施形態15に係る帯状部材の側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空調装置1を示すものである。この車両用空調装置1は、例えば自動車等の車両の室内において前部に設けられるインストルメントパネル(図示せず)の内部に配設されている。車両用空調装置1は、図示しない送風ユニットを有している。送風ユニットは、車室内の空気と車室外の空気との一方を選択して空調用空気として送風することができるようになっている。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
車両用空調装置1は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器10と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器11と、デフロスタダンパ12と、ベントダンパ13と、ヒートダンパ14と、エアミックスダンパ(空調装置用ダンパ)20と、これら機器10〜14、20を収容する空調ケーシング15とを備えている。
空調ケーシング15には、送風ユニットから送風される空気を導入する空気導入口15aと、デフロスタ吹出口15bと、ベント吹出口15cと、ヒート吹出口15dとが形成されている。空気導入口15aは、空調ケーシング15の側壁前部に開口しており、この実施形態では上下方向に長い形状である。
デフロスタ吹出口15bは、空調ケーシング15の上壁部において前後方向中央部近傍に開口しており、空調ケーシング15の左右両端部近傍に亘っている。デフロスタ吹出口15bは、デフロスタダクト(図示せず)を介してインストルメントパネルに形成されたデフロスタノズル(図示せず)に接続されており、主にフロントガラスの内面に空調風を供給するためのものである。
また、ベント吹出口15cは、空調ケーシング15の後壁部上側に開口している。ベント吹出口15cは、ベントダクト(図示せず)を介してインストルメントパネルに形成されたサイド及びセンターベントノズル(図示せず)に接続されており、主に前席乗員の上半身に空調風を供給するためのものである。
また、ヒート吹出口15dは、空調ケーシング15の後壁部下側に開口しており、主に前席乗員の足元近傍に空調風を供給するためのものである。ヒート吹出口15dには、後席乗員の足元近傍に空調風を供給するダクト(図示せず)を接続することもできる。
空調ケーシング15の内部には、空気導入口15aから導入された空気が流通する空気通路Rが形成されている。空気通路Rは、冷風通路R1と、温風通路R2と、エアミックス空間R3と、デフロスタ通路R4と、ベント通路R5と、ヒート通路R6とを有している。冷風通路R1の上流端は、空気導入口15aに連通している。冷風通路R1は、空調ケーシング15の内部を前側へ向かって前後方向中央部近傍まで延びている。冷風通路R1には、冷却用熱交換器10が配設されている。冷風通路R1内の空気は、全量が冷却用熱交換器10を通過するようになっている。そして、冷却用熱交換器10によって冷風通路R1内の空調用空気が冷却される。つまり、冷風通路R1は、冷風を生成する通路である。冷風通路R1の下流端は上下に2つに分岐している。
温風通路R2の上流端は、冷風通路R1の下流端の下側部分に連通している。温風通路R2の上流側には、加熱用熱交換器11が配設されている。温風通路R2内の空気は、全量が加熱用熱交換器11を通過するようになっている。そして、加熱用熱交換器11によって温風通路R2内の空調用空気が加熱される。つまり、温風通路R2は、温風を生成する通路である。温風通路R2の下流側は上方へ湾曲している。
エアミックス空間R3は、温風通路R2の上方に形成されている。エアミックス空間R3には、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2の下流端とが連通している。エアミックス空間R3は、冷風通路R1から流入した冷風と、温風通路R2から流入した温風とを混合させて所望温度の空調風を生成するための空間である。
デフロスタ通路R4の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。デフロスタ通路R4の下流端は、デフロスタ吹出口15bに連通している。また、ベント通路R5の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。ベント通路R5の下流端は、ベント吹出口15cに連通している。また、ヒート通路R6の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。ヒート通路R6の下流端は、吹出口15dに連通している。
冷却用熱交換器10は、ヒートポンプ装置の冷媒蒸発器で構成されているが、これに限らず、空調用空気を冷却することができるものであれば各種熱交換器を使用することができる。冷却用熱交換器10は、その空気通過面10aが上下方向に延びる姿勢で配設されている。冷却用熱交換器10の上部及び下部には上側及び下側ヘッダタンク10b、10cがそれぞれ設けられている。これら上側及び下側ヘッダタンク10b、10c間には、冷媒が流通する複数の伝熱管と、フィン(共に図示せず)とが配設されている。空調用空気はフィンの配設部位を通過するので、冷却用熱交換器10の空気通過面10aは、上側ヘッダタンク10bと下側ヘッダタンク10cとの間の部分である。
加熱用熱交換器11は、エンジンの冷却水が循環するヒータコアで構成されているが、これに限らず、例えばヒートポンプ装置の冷媒凝縮器等の空調用空気を加熱することができるものであればよい。加熱用熱交換器11は、その空気通過面11aが上下方向に延びる姿勢で配設されている。加熱用熱交換器11の上部及び下部には上側及び下側ヘッダタンク11b、11cがそれぞれ設けられている。これら上側及び下側ヘッダタンク11b、11c間には、エンジン冷却水が流通する複数の伝熱管と、フィン(共に図示せず)とが配設されている。空調用空気はフィンの配設部位を通過するので、加熱用熱交換器11の空気通過面11aは、上側ヘッダタンク11bと下側ヘッダタンク11cとの間の部分である。
加熱用熱交換器11の空気通過面11aは、冷却用熱交換器10の空気通過面10aよりも小さく形成されている。具体的には、加熱用熱交換器11の空気通過面11aの上下寸法は、冷却用熱交換器10の空気通過面10aの上下寸法よりも短くなっている。そして、加熱用熱交換器11は、その空気通過面11aが冷却用熱交換器10の空気通過面10aの下側寄りの部分に対向するように配置されている。この実施形態では、冷却用熱交換器10の空気通過面10aと、加熱用熱交換器11の空気通過面11aとは略平行である。
デフロスタダンパ12は、デフロスタ通路R4を開閉するためのものである。また、ベントダンパ13は、ベント通路R5を開閉するためのものである。また、ヒートダンパ14は、ヒート通路R6を開閉するためのものである。デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14は、例えば片持ちタイプのダンパで構成することができるが、これに限られるものではなく、各種形状のダンパを使用することができる。
デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14は、図示しない吹出方向切替アクチュエータによって駆動される。デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14の開閉状態により、空調風がデフロスタノズルから吹き出すデフロスタモード、ベントノズルから吹き出すベントモード、ヒート吹出口15dから吹き出すヒートモード、ベントノズル及びヒート吹出口15dの両方から吹き出すバイレベルモード、デフロスタノズル及びヒート吹出口15dの両方から吹き出すデフ/ヒートモード等を含む複数の吹出モードに切り替えられる。
エアミックスダンパ20は、冷風通路R1からエアミックス空間R3に流入する冷風量と、温風通路R2からエアミックス空間R3に流入する温風量とを変更してエアミックス空間R3で生成される空調風の温度を調整するためのダンパである。この実施形態では、エアミックスダンパ20は、冷風通路側ダンパ30と温風通路側ダンパ50とで構成されている。
冷風通路側ダンパ30は、冷風通路R1の下流端の上側部分に配設されており、この上側部分を開閉するように構成されている。図9にも示すように、冷風通路側ダンパ30は、複数の帯状板材31と、帯状板材31を回動可能に支持する枠体32と、帯状板材31を連結する連結部材33と、帯状板材31が枠体32から離脱しないようにするためのストッパ部材34とを備えている。帯状板材31、枠体32、連結部材33及びストッパ部材34は樹脂製である。
図1に示すように、温風通路側ダンパ50は、冷風通路側ダンパ30と同じ構造である。すなわち、温風通路R2の上流端に配設されており、この上流端を開閉するように構成されている。温風通路側ダンパ50は、複数の帯状板材51と、帯状板材51を回動可能に支持する枠体52と、帯状板材51を連結する連結部材(図示せず)と、帯状板材51が枠体52から離脱しないようにするためのストッパ部材(図示せず)とを備えている。
以下、冷風通路側ダンパ30の構造について詳細に説明する。図2〜図7に示すように、帯状板材31は、冷風通路R1の空気流れ方向に対して交差するように、左右方向に延びており、上下方向に並設されている。全ての帯状板材31は同じ部材からなるものである。
図12〜図13に示すように、帯状板材31は、左右両側にそれぞれ設けられた左側回動軸40及び右側回動軸41と、径方向に延出する閉塞板部42とを備えており、左側回動軸40及び右側回動軸41周りに回動することによって閉塞板部42も回動し、これにより、冷風通路R1の開度を変更するように構成されている。図2〜4は、冷風通路側ダンパ30が冷風通路R1を全開にした状態を示し、図5〜図8は、冷風通路側ダンパ30が冷風通路R1を全閉にした状態を示す。
左側回動軸40は、帯状板材31の左側へ突出する略円柱状に形成されている。左側回動軸40の外周面には、一対の突起部40a、40aが左側回動軸40の軸方向に所定の間隔をあけて設けられている。突起部40aの間隔は、後述する枠体32の切欠部が形成された部位の肉厚寸法よりも若干広めに設定されている。突起部40aは、左側回動軸40の周方向に延びるリブ形状とされている。
左側回動軸40には、帯状板材31に回動力を付与する駆動手段100(図3にのみ仮想線で示す)が連結される連結部40bが設けられている。駆動手段100としては、例えば、電動アクチュエータ等であるが、乗員の操作力を伝達する操作ワイヤ等を使用することもできる。
連結部40bは、左側回動軸40の先端部から左側へ突出している。連結部40bは、左側回動軸40の左側へ延びる円柱をその軸線方向に沿って切断した略半円状の断面を持つ突起で構成されている。連結部40bの回動中心は左側回動軸40の回動中心と同心上に位置している。
右側回動軸41は、帯状板材31の右側へ突出する略円柱状に形成されている。右側回動軸41の外径は、左側回動軸40の外径よりも小さく設定されている。
閉塞板部42は、平面視で略長方形をなしている。閉塞板部42の左縁部及び右縁部にそれぞれ左側回動軸40及び右側回動軸41が一体成形されている。閉塞板部42の長手方向に延びる両縁部42a、42bのうち、一方の縁部42aは、左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線X(図12、図15及び図16に示す)と同一直線上に位置している。
また、図7に拡大して示すように、全閉状態で上下方向に隣接する閉塞板部42、42の縁部同士は厚み方向に重なるように配置される。すなわち、全閉状態では、各帯状板材31が上下に延びるように向くので、各帯状板材31の閉塞板部42の一方の縁部42aが、隣接する他の閉塞板部42における他方の縁部42bの下方に位置することになる。このとき、上下方向に隣接する閉塞板部42、42を見ると、上側に位置する閉塞板部42の他方の縁部42bは、下側に位置する閉塞板部42の一方の縁部42aに対して空気流れ方向上流側から当接する。
上下方向に隣接する閉塞板部42、42のうち、上側の閉塞板部42における下側の閉塞板部42が重なる部位、即ち、他方の縁部42bには、下側の閉塞板部42の一方の縁部42aが嵌まる段差42cが形成されている。段差42cの深さは、閉塞板部42の一方の縁部42aの肉厚と略等しく設定されている。これにより、全閉時には、上側の閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面と、下側の閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面とが略同一面上に位置するようになる。また、段差42cの深さを閉塞板部42の一方の縁部42aの肉厚と略等しくしたことで、段差42cが形成されている部分は、閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面から上流側へ突出することになる。
閉塞板部42の段差42cが形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉とされている。これにより、段差42cが形成されている部分が他の部分に比べて柔軟になるので、全閉状態で下側に隣接する閉塞板部42の一方の端部42aに沿うように変形して密着する。これにより、全閉時における帯状板材31、31間のシール性が高まる。
閉塞板部42には、複数の突起42dが形成されている。突起42dは、閉塞板部42において全閉時に空気流れ方向下流側に位置する面から下流側へ突出している。突起42dは、段差42cよりも閉塞板部42の一方の縁部42aに近い側に配置されている。また、突起42dは、互いに閉塞板部42の長手方向に間隔をあけて配置されている。
図13に示すように、閉塞板部42の左縁部には、突起42dとは反対方向に突出する側板部42eが設けられている。側板部42eは、閉塞板部42に対して略直角に突出していて、図15に示すように閉塞板部42の一方の縁部42aから閉塞板部42の短手方向中央部近傍に亘って形成されている。側板部42eの閉塞板部42からの突出高さは、閉塞板部42の短手方向中央部に近づくほど高くなるように設定されている。
図13に示すように、側板部42eには、回動軸方向に突出する突出部42fが形成されている。突出部42fは、側板部42eの左側の面から左側へ突出する円柱状をなしている。突出部42fの中心線は、左側回動軸40の回動中心から径方向に偏位している。
図17等に示すように、枠体32は、冷風通路R1の下流端の上側部分の断面形状と略同じ矩形状であり、冷風通路R1の内面に保持されている。枠体32は、上部32a及び下部32bと、左側部32c及び右側部32dとが一体成形されたものである。上部32aは、冷風通路R1の上面に沿って左右方向に延びている。下部32bは、冷風通路R1の下面に沿って左右方向に延びている。左側部32cは、冷風通路R1の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部32aの左端部に連続し、下端部は下部32bの左端部に連続している。右側部32dは、冷風通路R1の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部32aの右端部に連続し、下端部は下部32bの右端部に連続している。
枠体32には、シール板部32eが設けられている。このシール板部32eは、枠体32の内側において全周に亘って連続して形成されており、全体として上下方向に延びている。
枠体32の右側部32dには、帯状板材31の右側回動軸41が挿入される複数の軸受孔32fが左右方向に貫通するように形成されている。軸受孔32fは、帯状板材31の配設位置に対応するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、右側部32dには、軸受孔32fの形成部位近傍に凹部32gが形成されている。
枠体32の左側部32cには、帯状板材31の左側回動軸40が径方向に挿入される複数の切欠部32hが形成されている。切欠部32hは、軸受孔32fと同様に間隔をあけて配置されている。各切欠部32hと、切欠部32hに対応する軸受孔32fとは、同じ高さに配置されている。切欠部32hは左側回動軸40の断面を略半分にした半円状であり、左側回動軸40の外周面のうち、周方向の略半分の領域を受けることができるようになっている。また、左側部32cには、切欠部32hの形成部位近傍に凹部32iが形成されている。
さらに、枠体32の左側部32cの外面には、上下両端部に係合突起32kがそれぞれ形成されている。係合突起32kには、後述するストッパ部材34の上下両端部が係合するようになっている。
図10に示すように、左側回動軸40が切欠部32hに挿入された状態では、左側回動軸40の一対の突起部40a、40aの間に切欠部32hの縁部が嵌まるようになっている。この状態で、左側回動軸40の一対の突起部40a、40aが切欠部32hの縁部に両側から係合するので、帯状板材31が枠体32に対して軸方向に位置ずれすることはない。つまり、突起部40a、40aは、切欠部32hの縁部に係合して帯状板材31が回動軸方向へ移動するのを規制する軸方向ずれ防止部である。
図18等に示すように、連結部材33は、帯状板材31が並ぶ方向、即ち、上下方向に長い棒状部材で構成されており、複数の帯状板材31の回動軸方向一端部(左端部)を連結するためのものである。連結部材33には、帯状板材31の突出部42fが挿入されて係合する複数の係合孔33aが連結部材33の長手方向に間隔をあけて形成されている。突出部42fは、係合孔33aに挿入された状態で回動可能となっている。
図19等に示すように、ストッパ部材34は、切欠部32hに挿入された左側回動軸40を切欠部32hの開放側から支持することによって切欠部32hからの抜けを阻止するためのものであり、連結部材33と同様に上下方向に長い棒状部材で構成されている。図10に示すように、ストッパ部材34における左側回動軸40に接触する接触部34cは、上下方向に直線状に延びている。この接触部34cは、ストッパ部材34が枠体32に固定された状態で、左側回動軸40の外周面のうち、切欠部32hで支持されていない部分に軽く接触して該左側回動軸40を支持するように構成されている。従って、左側回動軸40の回動がスムーズに行われる。
図19等に示すように、ストッパ部材34の上端部及び下端部には、枠体32の左側部32cの外面に沿うように、該ストッパ部材34の本体部分から突出する突出片34aがそれぞれ形成されている。各突出片34aには、枠体32の係合突起32kが係合する孔部34bが形成されている。ストッパ部材34は、孔部34bに係合突起32kが係合することによって枠体32に固定される。
図11に示すように、ストッパ部材34が枠体32に固定された状態では、ストッパ部材34の本体部分の側面が連結部材33の側面に対向するように配置される。この状態では、ストッパ部材34の本体部分の側面と連結部材33の側面との離間寸法Aが、連結部材33の肉厚寸法Bよりも短くなるように設定されている。これにより、突出部42fが係合孔33aから抜ける方向(図11の左方向)に連結部材33が移動しようとしても、突出部42fが抜ける前に連結部材33がストッパ部材34に接触する。よって、連結部材33の離脱を防止できる。つまり、係合孔33aから突出部42fが抜ける方向に連結部材33が移動するのを規制するようにストッパ部材34が配置されている。
また、枠体32には、図8にのみ示すが、帯状板材31の閉塞板部42を空気流れ方向下流側から支持して閉塞板部42の変形を抑制するための支持部37を設けることができる。支持部37は、枠体32の上部32aから下部32bまで延びる棒状に形成され、閉塞板部42の空気流れ方向下流側に接触するように配置されている。
支持部37は図示するように複数設けてもよいし、1つだけ設けてもよい。複数設ける場合には、支持部37を互いに左右方向に離すのが好ましい。また、支持部37は、空気流れ方向に長い断面形状を有している。これにより、支持部37の剛性を確保しながら、空気の流通抵抗の増加を抑制できる。
図4に示すように、上端部に位置する帯状板材31の閉塞板部42は、枠体32の上部のシール板部32eの空気流れ方向上流側に位置し、かつ、空気流れ方向に見たとき枠体32の上部のシール板部32eに重複するように位置づけられている。図7に示すように、全閉時には、上端部に位置する帯状板材31の閉塞板部42の一方の縁部42a側が枠体32の上部のシール板部32eに重複する。このとき、閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面が枠体32の上部のシール板部32eの空気流れ方向上流側の面に接触して高いシール性が確保される。
また、図7に示すように、全閉時には、下端部に位置する帯状板材31の閉塞板部42の段差42cが形成されている部分が枠体32の下部のシール板部32eの空気流れ方向上流側の面に重複して接触する。枠体32の下部のシール板部32eは、帯状板材31の段差42cに沿う形状とされており、全閉時に帯状板材31の段差42cが枠体32の下部のシール板部32eに嵌まって高いシール性が確保される。
図8に示すように、全閉時には、全ての帯状板材31の閉塞板部42の左縁部及び右縁部が、それぞれ、枠体32の左側及び右側のシール板部32eの空気流れ方向上流側の面に重複して接触する。これにより、枠体32の側部においても高いシール性が確保される。
冷風通路側ダンパ30と温風通路側ダンパ50とは連動するようになっている。すなわち、冷風通路側ダンパ30の任意の帯状板材31の連結部40bと、温風通路側ダンパ50の任意の帯状板材31の連結部(図示せず)とは、リンク等により連結されている。冷風通路側ダンパ30の帯状板材31が、図3にのみ示す駆動手段100により駆動されると、駆動力がリンク等を介して温風通路側ダンパ50の帯状板材31にも伝達する。図1に示すように、冷風通路側ダンパ30の帯状板材31が全開の状態のときに、温風通路側ダンパ50の帯状板材31が全閉となるようにリンク等で連結されている。
次に、上記のように構成された冷風通路側ダンパ30の組み立て要領について説明する。まず、図17に示すように枠体32に帯状板材31を組み付けていく。この場合、帯状板材31の右側回動軸41を枠体32の軸受孔32fに挿入し、その後、帯状板材31の左側回動軸40を径方向(図17の上から下)に移動させて枠体32の切欠部32hに挿入する。右側回動軸41を軸受孔32fに挿入する際には、帯状板材31の左側が右側に比べて図17の上に位置するように帯状板材31を傾ける。このとき、軸受孔32fの形成部位近傍に凹部32gが形成されているので、帯状部材31が枠体32に干渉しにくくなっている。
帯状板材31を枠体32に組み付けた後、図18に示すように連結部材33を組み付ける。すなわち、連結部材33の係合孔33aに突出部42fを挿入する。このように、連結部材33の係合孔33aに帯状板材31の突出部42fを挿入するだけで連結部材33の組み付けが完了するので、複数の帯状板材33を容易に連結することが可能になる。
しかる後、図19に示すようにストッパ部材34を組み付ける。ストッパ部材34を組み付ける際には、ストッパ部材34を図19の上から下に移動させ、図10に示すようにストッパ部材34の接触部34cを帯状板材31の左側回動軸40の外周面に接触させる。これとともに、ストッパ部材34の孔部34bに枠体32の係合突起32kを係合させる。これにより、ストッパ部材34が枠体32に固定される。この状態で、図11に示すようにストッパ部材34の本体部分の側面と連結部材33の側面との離間寸法Aが、連結部材33の肉厚寸法Bよりも短くなるので、連結部材33が離脱してしまうのを回避できる。
帯状板材31を枠体32に組み付けるにあたり、帯状板材31を曲げる必要がなく、組み付け作業が簡単になるとともに、帯状板材31に無理な力が作用することがない。
この実施形態では、一体成形品の枠体32としているので、枠体32の形状及び寸法が狙い通りに収まりやすくなり、高精度に成形された枠材32となっている。この高精度に成形された枠体32に複数の帯状板材31を支持させることで、帯状板材31同士の相対的な位置関係を設計通りに維持することが可能になる。
尚、枠体32は、複数の部材を組み合わせて構成したものであってもよい。
次に、上記のように構成された車両用空調装置1の動作について説明する。送風ユニットから送風された空調用空気は空調ケーシング15の空気導入口15aから冷風通路R1に導入される。冷風通路R1に導入された空気は後側へ向けて流れながら冷却用熱交換器10を通過する。冷却用熱交換器10を通過した空気は、エアミックスダンパ20の作動状態に応じて温風通路R2に流入する量が調整される。
図1に示すように冷風通路側ダンパ30の帯状板材31が全開状態となるまで回動すると、温風通路側ダンパ50の帯状板材51は全閉状態となる。この状態では、冷却用熱交換器10を通過した空気が温風通路R2に流入せずにエアミックス空間R3に直接流入するので、最も強い冷房能力が得られる。一方、冷風通路側ダンパ30の帯状板材31が全閉状態となるまで回動すると、温風通路側ダンパ50の帯状板材51は全開状態となる。この状態では、冷却用熱交換器10を通過した空気の全量が温風通路R2に流入して加熱用熱交換器11によって加熱されてからエアミックス空間R3に流入するので、最も強い暖房能力が得られる。
冷風通路側ダンパ30の帯状板材31の回動角度及び温風通路側ダンパ50の帯状板材51の回動角度は駆動手段100によって任意の角度とすることができ、冷却用熱交換器10を通過した空気の一部のみを温風通路R2に流入させて残りをエアミックス空間R3に直接流入させることもできる。つまり、エアミックスダンパ20は、エアミックス空間R3に流入する冷風量及び温風量を変更することができる。
図7に示すように冷風通路側ダンパ30が全閉状態のときには、風圧が空気流れ方向上流側から作用することになる。このとき、上下方向に隣接する帯状板材31の閉塞板部42の縁部42a、42bが重なり合う。そして、上側に位置する帯状板材31の閉塞板部42に形成されている段差42cに、下側に位置する帯状板材31の閉塞板部42の縁部42aが嵌まることになる。これにより、高い風圧が作用しても上側の閉塞板部42の縁部42bと下側の閉塞板部42の縁部42aとが離れにくくなり、両閉塞板部42、42の間に隙間ができにくくなる。
この実施形態では、上側に位置する閉塞板部42を下側に位置する閉塞板部42よりも空気流れ方向上流側に配置しているので、閉状態で風圧が作用した際、下側に位置する閉塞板部42の一方の縁部42aが上側に位置する閉塞板部42の段差42cに嵌まった状態を維持することができ、隣接する閉塞板部42、42同士を密着させることが可能になる。
また、帯状板材31の閉塞板部42における段差42cの形成されている部分が他の部分に比べて薄肉で変形しやすくなる。よって、全閉状態のときに、上側に位置する閉塞板部42における段差42cの形成されている部分が、下側に位置する閉塞板部42の縁部42aに沿うように変形しやすくなるので、隣接する閉塞板部42、42の間に隙間ができにくくなる。
また、図12に示すように帯状板材31の左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線Xと、閉塞板部42の一方の縁部42aとが同一直線上に位置しているので、図16に示すように、帯状板材31を左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線X周りに回動させた際、閉塞板部42の縁部42aがその回動中心線X上から変位しない。従って、帯状板材31を枠体32に支持した状態で枠体32に対して閉塞板部42を近接させた状態で回動させることが可能になる。これにより、枠体32と閉塞板部42との間の隙間を極小化することが可能になり、シール性が向上する。また、閉塞板部42の一方の縁部42aが変位しないので、隣接する閉塞板部42、42を近接させた状態で回動させることが可能になる。これにより、隣接する閉塞板部42、42の隙間を極小化することが可能になる。
また、連結部材33を設けているので、複数の帯状板材31のうち、任意の1つに駆動力を与えることで他の帯状板材31を連動させることが可能になる。
この実施形態では、連結部材33を1つとして帯状板材31の左端部のみを連結し、帯状板材31の他の部位は非連結状態としている。これにより、部品点数が少なくなる。また、連結部材33が帯状板材31の回動軸方向中央部から外れているので、空気通路Rを流通する空気の流れを阻害することは殆どない。
また、冷風通路側ダンパ30の開閉状態によっては隣接する閉塞板部42、42間の隙間が狭い場合がある。この場合、閉塞板部42、42間を流れる空気の流速が速くなるが、この実施形態では、空気が閉塞板部42の突起42dに衝突することで空気の流速が低下するので、空気流が閉塞板部42を振動させるのを抑制することが可能になる。
また、図8に示す支持部37を設けた場合には、閉塞板部42を薄肉化して材料の削減を図る場合に、風圧による閉塞板部42の変形を支持部37により抑制することが可能になる。
また、この実施形態では、全ての帯状板材31を同じ部材からなるものとしているので、冷風通路側ダンパ30を構成する部品の種類を削減することが可能になる。
尚、図20に示す実施形態1の変形例のように、帯状板材31の閉塞板部42の段差42cに、熱可塑性エラストマーからなるシール部42gを設けてもよい。このシール部42gは、隣接する閉塞板部42に接触して該閉塞板部42に沿って容易に変形するようになっている。これにより、閉塞板部42、42間のシール性がより一層向上する。
また、駆動手段100が帯状板材31の回動軸方向一端部(左端部)に連結されているので、駆動力は帯状板材31の左端部に作用することになる。そして、この駆動力が作用する帯状板材31の左端部を、連結部材33によって他の帯状板材31の左端部に連結しているので、駆動力が加わる部分と連結部材33との間で変形する部分は殆どなく、駆動力を他の帯状板材31に直接的に伝達することが可能になる。これにより、各帯状板材31の回動量のバラつきがなくなる。
また、全ての帯状板材31に連結部40bを設けているので、いずれの帯状板材31にも駆動手段100を連結することができる。これにより、駆動手段100のレイアウトが容易に行えるようになる。
以上説明したように、この実施形態1によれば、エアミックスダンパ20の上下方向に隣接する閉塞板部42、42のうち、上側の閉塞板部42における下側の閉塞板部42が重なる部位に、下側の閉塞板部42の縁部42aが嵌まる段差42cを形成したので、閉状態のときに高い風圧が作用しても、両閉塞板部42、42の間に隙間ができにくくなる。よって、シール性を向上させることができる。
(実施形態2)
図21〜図27は、本発明の実施形態2に係るものである。実施形態2の車両用空調装置1は、エアミックスダンパ20の冷風側と温風側とを一体化して構成している点で実施形態1のものとは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
エアミックスダンパ20は、実施形態1の冷風通路側ダンパ30の帯状板材31と、温風通路側ダンパ50の帯状板材51とを備え、これら冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51は1つの枠体32に回動可能に支持されている。
図21〜図24に示すように、冷風通路側帯状板材31は、冷風通路R1の下流端の上側部分を開閉するためのものであり、また、温風通路側帯状板材51は、温風通路R2の上流端を開閉するためのものである。これら帯状部材31、51は、実施形態1のものと同じ構成を有しているが、図24等に示すように、温風通路側帯状板材51は全閉状態で段差42cの形成された側が上側に位置するように、冷風通路側帯状板材31とは上下反対となるように形成されている。
図26に示すように、枠体32は、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2の上流端との並び方向である上下方向に長い矩形状に成形されている。枠体32の基本構造は、実施形態1と同じであり、上下方向の中央部には、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2の上流端との境界部分に対応するように区画部32mが設けられている。区画部32mは、枠体32の内部を上下に2つに区画するように左右方向に延びており、左側部32c及び右側部32dと一体成形されている。区画部32mよりも上方に冷風通路側帯状板材31が配設され、一方、下方に温風通路側帯状板材51が配設されている。
図27に示すように、連結部材33は、冷風通路側帯状板材31と温風通路側帯状板材51との全てを連結するように構成されている。冷風通路側帯状板材31と温風通路側帯状板材51とは、連結部材33で連結された状態で、図21に示すように冷風通路側帯状板材31が全閉状態のときには温風通路側帯状板材51が全開状態となり、図22に示すように冷風通路側帯状板材31が全開状態のときには温風通路側帯状板材51が全閉状態となる。図23に示すように冷風通路側帯状板材31と温風通路側帯状板材51とは任意の回動角度で停止させることもできる。
図24に示すように冷風通路側帯状板材31が全閉状態のときには、最も下に位置する冷風通路側帯状板材31の段差42cが区画部32mの空気流れ方向上流側の面に接触する。この区画部32mの空気流れ方向上流側の面は、冷風通路側帯状板材31の段差42cが嵌合するように形成されている。
同図に示すように温風通路側帯状板材51が全閉状態のときには、最も上に位置する温風通路側帯状板材51の段差52cが区画部32mの空気流れ方向上流側の面に接触する。この区画部32mの空気流れ方向上流側の面は、温風通路側帯状板材51の段差52c(図24に示す)が嵌合するように形成されている。
また、ストッパ部材34は、冷風通路側帯状板材31と温風通路側帯状板材51との全てに接触することで冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51の脱落を防止するように構成されている。
この実施形態2によれば、実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
また、冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51を1つの枠体32に組み付けるようにしたので、部品点数を削減できる。
(実施形態3)
図28及び図29は、本発明の実施形態3に係るものである。実施形態3の車両用空調装置1は、エアミックスダンパ20の構造及び配置と、加熱用熱交換器11の配置とが実施形態1のものとは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
加熱用熱交換器11は、下側へ行くほど後に位置するように傾斜配置されている。
また、エアミックスダンパ20は、実施形態2と同様に、冷風通路R1側に配設される冷風通路側帯状板材31と、温風通路R2側に配設される温風通路側帯状板材51とを備えている。そして、エアミックスダンパ20は、加熱用熱交換器11の傾斜角度と同程度に傾斜するように配置されており、加熱用熱交換器11の空気通過面11aに沿うようになっている。すなわち、エアミックスダンパ20の冷風通路側帯状板材31が温風通路側帯状板材51よりも冷却用熱交換器10の空気通過面10aに近づくように配置されており、冷却用熱交換器10と冷風通路側帯状板材31とを接近させることができる。また、加熱用熱交換器11と温風通路側帯状板材51とを接近させることができる。よって、冷却用熱交換器10、加熱用熱交換器11及びエアミックスダンパ20をコンパクトにまとめることができる。
また、エアミックスダンパ20の温風通路側帯状板材51が配設されている領域の大きさは、加熱用熱交換器11の空気通過面11aの大きさと略同一となるように設定されている。
以上説明したように、この実施形態3によれば、実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
また、エアミックスダンパ20を冷却用熱交換器10と加熱用熱交換器11との間に配設する場合に、エアミックスダンパ20の冷風通路側帯状板材31が温風通路側帯状板材51よりも冷却用熱交換器10の空気通過面10aに近づくように配置される。これにより、エアミックスダンパ20の冷風通路側帯状板材31と冷却用熱交換器10とを接近させて空調ケーシング15の小型化が図られる。このとき、エアミックスダンパ20の温風通路側帯状板材51が冷風通路側帯状板材31に比べて冷却用熱交換器10から離れることになる。言い換えると、冷却用熱交換器10と加熱用熱交換器11との間隔が所定以上確保されるので、通気抵抗が低くなる。
また、エアミックスダンパ20を加熱用熱交換器11に沿うように配置することで加熱用熱交換器11とエアミックスダンパ20とをコンパクトにまとめることが可能になる。
(実施形態4)
図30は、本発明の実施形態4に係るものである。実施形態4の車両用空調装置1は、空調ケーシング15の構造、エアミックスダンパ20及び吹出方向切替構造等が実施形態1のものとは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
加熱用熱交換器11は、上側へ行くほど後に位置するように傾斜配置されている。
また、空調ケーシング15の後側には、後席用ベント通路R7も形成されている。ヒート通路R6は前席乗員の足元へ、後席用ベント通路R7は後席乗員の上半身へ調和空気を供給するためのものである。
エアミックスダンパ20は、実施形態1の冷風通路側ダンパ30の帯状板材31と、温風通路側ダンパ50の帯状板材51とを備え、これら冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51は1つの枠体32に回動可能に支持されている。
冷風通路側帯状板材31は、冷風通路R1の下流端の上側部分を開閉するためのものであり、また、温風通路側帯状板材51は、温風通路R2の上流端を開閉するためのものである。これら帯状部材31、51は、実施形態1のものと同じ構成を有しているが、温風通路側帯状板材51は全閉状態で段差42cの形成された側が上側に位置するように、冷風通路側帯状板材31とは上下反対となるように形成されている。
枠体32は、空気流れ方向下流側に向けて屈曲した形状を有している。すなわち、枠体32の左側部32c及び右側部(図示せず)とは、上下方向中央部が最も空気流れ方向下流側に位置するように、全体として所定の曲率で湾曲している。
枠体32の基本構造は、実施形態1と同じであり、上下方向の中央部には、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2の上流端との境界部分に対応するように区画部32mが設けられている。区画部32mは、枠体32の内部を上下に2つに区画するように左右方向に延びており、左側部32c及び右側部と一体成形されている。区画部32mよりも上方に冷風通路側帯状板材31が配設され、一方、下方に温風通路側帯状板材51が配設されている。
冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51は、実施形態1のような連結部材により連結されている。また、実施形態1のようなストッパ部材34により、冷風通路側帯状板材31及び温風通路側帯状板材51が枠体32から脱落するのを阻止している。
実施形態4では、実施形態1のデフロスタダンパ12及びベントダンパ13の代わりにデフ/ベント切替ダンパ60が配設されている。デフ/ベント切替ダンパ60は、デフロスタ吹出口15b及びベント吹出口15cを開閉するためのものである。デフ/ベント切替ダンパ60は、デフロスタ吹出口15bを開閉するためのデフロスタ側帯状板材61と、ベント吹出口15cを開閉するためのベント側帯状板材62と、デフロスタ側帯状板材61及びベント側帯状板材62を回動支持する枠体63とを備えている。枠体63は、エアミックスダンパ20の枠体32と同様に構成されたものであり、前後方向に延びるように配置される。枠体63の前後方向中央部が最も空気流れ方向下流側(上方)に位置するように、全体として所定の曲率で湾曲している。また、デフ/ベント切替ダンパ60は、エアミックスダンパ20と同様に作動して図30に示すようにデフロスタ吹出口15bを全開にしてベント吹出口15cを全閉にする状態と、図示しないがデフロスタ吹出口15bを全閉にしてベント吹出口15cを全開にする状態とに切り替えられる。
尚、図32に示す変形例のように、枠体32が空気流れ方向に向けて突出するように折れ曲がって形成されていてもよい。すなわち、枠体32の左側部32c及び右側部(図示せず)は、上下方向中央部が最も空気流れ方向下流側に位置するように折れ曲がっており、この枠体32の折れ曲がり部は、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2との境界近傍に位置している。
また、図33に示すように、実施形態4の送風ユニット70は、送風ファン71と、送風ファン71を収容する送風ケーシング72とを備えている。送風ファン71は、遠心式ファンであり、送風ケーシング72の下側に収容されている。送風ケーシング72の下側の側壁部には、空調ケーシング15の空気導入口15に接続される空気流出口72aが形成されている。
送風ケーシング72の上壁部は、前後方向の中央部が最も上に位置するように、前側部分が前方へ向かって下降傾斜し、後側部分が後方へ向かって下降傾斜している。送風ケーシング72の上壁部の前側には、車室外の空気を導入する空気通路となる外気導入孔72bが形成され、また、上壁部の後側には、車室内の空気を導入する空気通路となる内気導入孔72cが形成されている。
送風ケーシング72の内部には、外気導入孔72b及び内気導入孔72cの少なくとも一方から導入された空気が流通する空気通路Sが形成されている。空気通路Sの上流端である上端部は、前後に2つに分岐して外気導入孔72b及び内気導入孔72cに接続されている。空気通路Sは下方へ延びた後、送風ファン71の外周を囲むように延び、下流端が空気流出口72aに接続されている。
また、送風ケーシング72の底壁部には、送風ファン71を駆動するモーター73が配設されている。さらに、送風ケーシング72の内部には、送風ファン71の上方にエアフィルタ74が配設されている。
送風ユニット70は、内外気切替ダンパ75を備えている。内外気切替ダンパ75は、外気導入孔72b及び内気導入孔72cを開閉するためのものである。すなわち、内外気切替ダンパ75は、実施形態1の冷風通路側ダンパ30の帯状板材31と同様に構成された外気側帯状板材76及び内気側帯状板材77と、これら外気側帯状板材76及び内気側帯状板材77を回動可能に支持する1つの枠体78とを備えている。
外気側帯状板材76は、外気導入孔72bを開閉するためのものであり、また、内気側帯状板材77は内気導入孔72cを開閉するためのものである。枠体78は、前部78a及び後部78bと、左側部78c及び右側部(図示せず)とが一体成形されたものである。前部78aは、外気導入孔72bの前縁に沿って左右方向に延びる部分である。後部78bは、内気導入孔72cの後縁に沿って左右方向に延びる部分である。左側部78cは、外気導入孔72b及び内気導入孔72cの左側縁部に沿って延びる部分である。右側部は、外気導入孔72b及び内気導入孔72cの右側縁部に沿って延びる部分である。
枠体78の左側部78c及び右側部は、前後方向中央部が最も空気流れ方向上流側に位置するように折れ曲がっている。
枠体78の前後方向の中央部には、外気導入口72bと、内気導入口72cとの境界部分に対応するように区画部78mが設けられている。区画部78mは、枠体78の内部を前後に2つに区画するように左右方向に延びており、左側部78c及び右側部と一体成形されている。区画部78mよりも前側に外気側帯状板材76が配設され、一方、後側に内気側帯状板材77が配設されている。
外気側帯状板材76及び内気側帯状板材77は、実施形態1のエアミックスダンパ20のような連結部材により連結されている。また、実施形態1のようなストッパ部材34により、外気側帯状板材76及び内気側帯状板材77が枠体78から脱落するのを阻止している。
枠体78の折れ曲がり部は、外気導入口72bと、内気導入口72cとの境界近傍に位置している。
図33及び図34(a)に示すように、内外気切替ダンパ75の外気側帯状板材76が外気の導入方向に向くように回動すると、連動して内気側帯状板材77が内気導入口72cを全閉するまで回動する。これにより、送風ケーシング72には、外気のみが導入される。
また、図34(b)に示すように、内外気切替ダンパ75の内気側帯状板材77が内気の導入方向に向くように回動すると、連動して外気側帯状板材77が外気導入口72bを全閉するまで回動する。これにより、送風ケーシング72には、内気のみが導入される。
尚、外気側帯状板材76及び内気側帯状板材77を半開状態となるまで回動させることで、外気及び内気の両方を送風ケーシング72に導入することが可能である。
以上説明したように、この実施形態4によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
また、エアミックスダンパ20の枠体32が湾曲しているので、空気通路R内の空気の流れに正対しなくなる。これにより、正対している場合に比べて空気が枠体32に沿って下流側へ流れ易くなり、スムーズな流れが形成される。同様に、デフ/ベント切替ドア60の枠体63も湾曲しているので、スムーズな流れが形成される。また、送風ユニット70の内外気切替ダンパ75の枠体78も同様に湾曲しているので、スムーズな流れが形成される。
また、図35及び図36に示すように、空調ケーシング15内に第1空気通路T1及び第2空気通路T2と、これら第1空気通路T1及び第2空気通路T2の下流端が連通する第3空気通路T3とが形成されている場合に、本発明に係る空調装置用ダンパ80を、第1空気通路T1及び第2空気通路T2と、第3空気通路T3との間に配置してもよい。尚、空調ケーシング15内では、空気が図35及び図36の左から右に向かって流れている。
空調装置用ダンパ80は、実施形態1の冷風通路側ダンパ30の帯状板材31と同様に構成された第1通路側帯状板材81及び第2通路側帯状板材82と、これら第1通路側帯状板材81及び第2通路側帯状板材82を回動可能に支持する1つの枠体83とを備えている。
第1通路側帯状板材81は、第1空気通路T1を開閉するためのものであり、また、第2通路側帯状板材82は第2空気通路T2を開閉するためのものである。枠体83は、上部83a及び下部83bと、左側部83c及び右側部(図示せず)とが一体成形されたものである。上部83aは、第1空気通路T1の上面に沿って第1空気通路T1の幅方向に延びる部分である。下部83bは、第2空気通路T2の下面に沿って第2空気通路T2の幅方向に延びる部分である。左側部83cは、第1空気通路T1及び第2空気通路T2の左側縁部に沿って延びる部分である。右側部は、第1空気通路T1及び第2空気通路T2の右側縁部に沿って延びる部分である。
図35に示す形態では、枠体83の左側部83c及び右側部は、上下方向中央部が最も空気流れ方向上流側に位置するように湾曲している。また、図36に示す形態では、枠体83の左側部83c及び右側部は、上下方向中央部が最も空気流れ方向上流側に位置するように折れ曲がっている。
枠体83の上下方向の中央部には、第1空気通路T1と、第2空気通路T2との境界部分に対応するように区画部83mが設けられている。区画部83mは、枠体83の内部を前後に2つに区画するように左右方向に延びており、左側部83c及び右側部と一体成形されている。区画部83mよりも上側に第1通路側帯状板材81が配設され、一方、下側に第2通路側帯状板材82が配設されている。
第1通路側帯状板材81及び第2通路側帯状板材82は、実施形態1のエアミックスダンパ20のような連結部材により連結されている。また、実施形態1のようなストッパ部材34により、第1通路側帯状板材81及び第2通路側帯状板材82が枠体83から脱落するのを阻止している。
尚、図35に示す形態では、枠体83の左側部83c及び右側部は、上下方向中央部が最も空気流れ方向上流側に位置するように湾曲しているが、これに限らず、空気流れ方向下流側に位置するように湾曲していてもよい。同様に、図36に示す形態において、枠体83の左側部83c及び右側部は、上下方向中央部が最も空気流れ方向下流側に位置するように折れ曲がっていてもよい。
(実施形態5)
図37〜図39は、本発明の実施形態5に係るエアミックスダンパ20を示すものである。この実施形態5では、いわゆる左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の運転席側(第1空調領域)と助手席側(第2空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を左右(運転席側と助手席側)に仕切るための仕切板88が設けられている。仕切板88は、空気通路内を上下方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の左右方向中央部から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板88よりも左側が車室の運転席側に空調風を送る第1空調風通路P1とされ、仕切板88よりも右側が車室の助手席側に空調風を送る第2空調風通路P2とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第1帯状板材91と、第2空調風通路P2に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第2帯状板材92と、複数の第1帯状板材91及び複数の第2帯状板材92を回動可能に支持する枠体93とを備えている。
枠体93は、上部93a及び下部93bと、左側部93c及び右側部93dとが一体成形されたものである。上部93aは、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2の上面に沿って左右方向に延びている。下部93bは、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2の下面に沿って左右方向に延びている。左側部93cは、第1空調風通路P1の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部93aの左端部に連続し、下端部は下部93bの左端部に連続している。右側部93dは、第2空調風通路P2の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部93aの右端部に連続し、下端部は下部93bの右端部に連続している。
枠体93の基本構造は、実施形態1と同じであり、図38に示すように上下方向の中央部には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように第1区画部93mが設けられている。第1区画部93mは、枠体93の内部を上下に2つに区画するように左右方向に延びており、左側部93c及び右側部93dと一体成形されている。
また、枠体93の左右方向の中央部には、仕切板88に対応するように第2区画部93fが設けられている。第2区画部93fは、枠体93の内部を左右に2つに区画するように上下方向に延びており、上部93a及び下部93bと一体成形されている。
第1帯状板材91は、枠体93の第2区画部93fよりも左側に設けられている。第1帯状板材91のうち、第1区画部93mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部93mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第2帯状板材92は、枠体93の第2区画部93fよりも右側に設けられている。第2帯状板材92のうち、第1区画部93mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部93mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第1帯状板材91及び第2帯状板材92は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、第1帯状板材91及び第2帯状板材92は、実施形態1と同様に枠体93に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての第1帯状板材91は、左側連結部材94により実施形態1と同様に連結されている。図39に示すように、左側連結部材94は、第1区画部93mよりも上に位置する第1帯状板材91が全開状態にあるときに、第1区画部93mよりも下に位置する第1帯状板材91が全閉状態となるように、第1帯状板材91を連結する。また、実施形態1のような左側ストッパ部材95により、第1帯状板材91が枠体93から脱落するのを阻止している。
全ての第2帯状板材92は、右側連結部材96により実施形態1と同様に連結されている。右側連結部材96は、第1区画部93mよりも上に位置する第2帯状板材92が全開状態にあるときに、第1区画部93mよりも下に位置する第2帯状板材92が全閉状態となるように、第2帯状板材92を連結する。また、実施形態1のような右側ストッパ部材97により、第2帯状板材92が枠体93から脱落するのを阻止している。
この実施形態5では、第1帯状板材91を回動させることによって第1空調風通路P1に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2帯状板材92を回動させることによって第2空調風通路P2に流入する冷風量と温風量とが変更される。よって、車室の運転席側領域及び助手席側領域に別々に温度調整した空調風が供給される。そして、複数の第1帯状板材91及び複数の第2帯状板材92が枠体93に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態5によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態6)
図40〜図44は、本発明の実施形態6に係る車両用空調装置1及びエアミックスダンパ20を示すものである。この実施形態6では、後部座席に冷風を供給することができるようになっている点で実施形態1とものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
空調ケーシング15の後側下部には、開口15eが形成されている。開口15eは、温風通路R2をバイパスして冷風通路R1に連通しているが、温風通路R2の中途部にも連通している。開口15eには、後席近傍まで延びる後席ベントダクト(図示せず)が接続されている。ダンパ150によって開口15eに流入する温風量が調整される。
エアミックスダンパ20は、複数の冷風通路側帯状板材31と、複数の温風通路側帯状板材51と、複数の後席ベント用帯状板材55と、冷風通路側帯状板材31、温風通路側帯状板材51及び後席ベント用帯状板材55を回動可能に支持する枠体32とを備えている。
枠体32の基本構造は、実施形態2と同じであり、図43に示すように上下方向の中央部よりも上寄りの部位には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように区画部32mが設けられている。枠体32の下部近傍には、温風通路の上流端と、後席ベント口15eが連通する通路との境界部分に対応するように下側区画部32nが設けられている。上記区画部32m及び下側区画部32nにより、枠体32の内部が上下に3つに区画されている。
尚、図43にのみ示すが、枠体32の下側区画部32nよりも下側の領域に、網202を設けることができる。網202を設けることで、冷却用熱交換器10に発生した凝縮水が網202に捕捉されて下流側へ飛散する量を少なくすることができる。
後席ベント用帯状板材55は、枠体32の下側区画部32nよりも下側に設けられており、後席ベント口15eが連通する通路を開閉するように配置されている。
後席ベント用帯状板材55は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、後席ベント用帯状板材55は、実施形態1と同様に枠体32に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
冷風通路側帯状板材31と、温風通路側帯状板材51と、後席ベント用帯状板材55とは、連結部材33により実施形態1と同様に連結されている。図40に示すように、連結部材33は、冷風通路側帯状板材31が全開状態にあるときに、温風通路側帯状板材51が全閉状態となり、かつ、後席ベント用帯状板材55が全開状態となるように、帯状板材31、51、55を連結する。また、ストッパ部材34により、後席ベント用帯状板材55が枠体32から脱落するのを阻止している。
この実施形態6では、図40に示すように冷房時には、後席ベント用帯状板材55が全開状態となり、図41に示すように暖房時には後席ベント用帯状板材55が全閉状態となる。また、後席ベント用帯状板材55を半開状態にして温風を後席ベント口15eに供給することもできる。これにより、所望温度の空調風を後席ベント口15eに供給できる。
尚、図40及び図41において符号200で示す部材は、空調ケーシング15内の水を吸収する吸水材である。この吸水材200は、例えば冷却用熱交換器10から空気流れ方向下流側へ飛散した凝縮水を吸収することができるものである。
以上説明したように、この実施形態6によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
また、冷風通路側帯状板材31、温風通路側帯状板材51及び後席ベント用帯状板材55が枠体32に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
また、図45及び図46に示す実施形態6の変形例のように、温風通路R2の加熱用熱交換器11よりも下流側を2つに区画する区画壁15fを設けてもよい。温風通路R2の区画壁15fよりも下側部分が後席ベント口15eに連通している。これにより、温風通路R2の温風を後席ベント口15eに確実に流入させることができるので、温度調整が確実に行われる。
(実施形態7)
図47〜図49は、本発明の実施形態7に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前後独立温度コントロールタイプの車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の前席側(第1空調領域)と後席側(第2空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を上下(前席側と後席側)に仕切るための仕切板89が設けられている。仕切板89は、空気通路内を水平方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の下側近傍から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板89よりも上側が前席用の第1空調風通路P3とされ、下側が後席用の第2空調風通路P4とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P3に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第1帯状板材56と、第2空調風通路P4に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第2帯状板材57と、複数の第1帯状板材56及び複数の第2帯状板材57を回動可能に支持する枠体94とを備えている。
図48に示すように、枠体94は、上部94a及び下部94bと、左側部94c及び右側部94dとが一体成形されたものである。上部94aは、第1空調風通路P3の上面に沿って左右方向に延びている。下部94bは、第2空調風通路P4の下面に沿って左右方向に延びている。左側部94cは、第1空調風通路P3及び第2空調風通路P4の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部94aの左端部に連続し、下端部は下部94bの左端部に連続している。右側部94dは、第1空調風通路P3及び第2空調風通路P4の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部94aの右端部に連続し、下端部は下部94bの右端部に連続している。
枠体94の基本構造は、実施形態1と同じであり、図48に示すように上下方向の上寄りの部分には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように第1区画部94mが設けられている。
また、枠体94の下側には、仕切板89に対応するように第2区画部94lが設けられている。さらに、枠体94の第2区画部94lよりも下側には、第3区画部94pが設けられている。第2区画部94lと第3区画部94pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部94pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材56は、枠体94の第1区画部94mよりも上側と、第1区画部94m及び第2区画部94lの間とにそれぞれ設けられている。第1帯状板材91のうち、第1区画部94mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部94mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第2帯状板材57は、枠体94の第2区画部94lと第3区画部94pとの間と、第3区画部94pよりも下側とにそれぞれ設けられている。第2帯状板材57のうち、第3区画部94pよりも上に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものであり、第3区画部94pよりも下に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものである。
第1帯状板材56及び第2帯状板材57は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、第1帯状板材56及び第2帯状板材57は、実施形態1と同様に枠体94に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての第1帯状板材56は、第1連結部材33Aにより実施形態1と同様に連結されている。図49に示すように、第1連結部材33Aは、第1区画部94mよりも上に位置する第1帯状板材56が全開状態にあるときに、第1区画部94mよりも下に位置する第1帯状板材56が全閉状態となるように、第1帯状板材56を連結する。また、実施形態1のようなストッパ部材34により、第1帯状板材56が枠体94から脱落するのを阻止している。
全ての第2帯状板材57は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第3区画部94pよりも上に位置する第2帯状板材57が全閉状態にあるときに、第3区画部94pよりも下に位置する第2帯状板材57が全開状態となるように、第2帯状板材57を連結する。また、ストッパ部材34により、第2帯状板材57が枠体94から脱落するのを阻止している。
この実施形態7では、第1帯状板材56を回動させることによって第1空調風通路P3に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2帯状板材57を回動させることによって第2空調風通路P4に流入する冷風量と温風量とが変更される。よって、車室の前席側領域及び後席側領域に別々に温度調整した空調風が供給される。そして、複数の第1帯状板材56及び複数の第2帯状板材57が枠体94に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態7によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態8)
図50〜図52は、本発明の実施形態8に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前席左右及び後席独立温度コントロールタイプ(3ゾーン独立温度コントロールタイプ)の車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の前部運転席側(第1空調領域)と、前部助手席側(第2空調領域)と、後席とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を左右(前部運転席と前部助手席側)に仕切るための仕切板88と、上下(前席側と後席側)に仕切るための仕切板89とが設けられている。
仕切板88は、空気通路内を上下方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の左右方向中央部から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板88よりも左側が第1空調風通路P1とされ、右側が第2空調風通路P2とされている。
一方、仕切板89は、空気通路内を水平方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の下側近傍から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板89よりも上側が前席用の空調風通路P1、P2とされ、下側が後席用の空調風通路P4とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第1帯状板材91と、第2空調風通路P2に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第2帯状板材92と、後席用の空調風通路P4に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の後席用帯状板材57と、複数の第1帯状板材91、複数の第2帯状板材92及び複数の後席用帯状板材57を回動可能に支持する枠体98とを備えている。
図51に示すように、枠体98は、上部98a及び下部98bと、左側部98c及び右側部98dとが一体成形されたものである。上部98aは、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2の上面に沿って左右方向に延びている。下部98bは、後席用空調風通路P4の下面に沿って左右方向に延びている。左側部98cは、第1空調風通路P1及び後席用空調風通路P4の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部98aの左端部に連続し、下端部は下部98bの左端部に連続している。右側部98dは、第2空調風通路P2及び後席用空調風通路P4の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部98aの右端部に連続し、下端部は下部98bの右端部に連続している。
枠体98の基本構造は、実施形態1と同じであり、図51に示すように上下方向の上寄りの部分には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように第1区画部98mが設けられている。
また、枠体98の左右方向の中央部には、仕切板88に対応するように区画部98fが設けられている。区画部98fは、枠体98内における第2区画部98l(後述する)よりも上側を左右に2つに区画するように上下方向に延びている。
また、枠体98の下側には、仕切板89に対応するように第2区画部98lが設けられている。さらに、枠体98の第2区画部98lよりも下側には、第3区画部98pが設けられている。第2区画部98lと第3区画部98pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部98pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材91は、枠体98の第2区画部98lよりも上側、かつ、区画部98fよりも左側に設けられている。第1帯状板材91のうち、第1区画部98mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部98mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第2帯状板材92は、枠体98の第2区画部98lよりも上側、かつ、区画部98fよりも右側に設けられている。第2帯状板材92のうち、第1区画部98mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部98mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
後席用帯状板材57は、枠体98の第2区画部98lよりも下側に設けられている。後席用帯状板材57のうち、第3区画部98pよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第3区画部98pよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第1帯状板材91、第2帯状板材92及び後席用帯状板材57は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、第1帯状板材91、第2帯状板材92及び後席用帯状板材57は、実施形態1と同様に枠体98に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての第1帯状板材91は、第1連結部材33Aにより実施形態1と同様に連結されている。図52に示すように、第1連結部材33Aは、第1区画部98mよりも上に位置する第1帯状板材91が全開状態にあるときに、第1区画部98mよりも下に位置する第1帯状板材91が全閉状態となるように、第1帯状板材91を連結する。また、実施形態1のようなストッパ部材34Aにより、第1帯状板材91が枠体98から脱落するのを阻止している。
全ての第2帯状板材92は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第1区画部98mよりも上に位置する第2帯状板材92が全開状態にあるときに、第1区画部98mよりも下に位置する第2帯状板材92が全閉状態となるように、第2帯状板材92を連結する。また、ストッパ部材34Bにより、第2帯状板材92が枠体98から脱落するのを阻止している。
さらに、後席用帯状板材57は、第3連結部材33Cにより実施形態1と同様に連結されている。第3連結部材33Cは、第3区画部98pよりも上に位置する後席用帯状板材57が全閉状態にあるときに、第3区画部98pよりも下に位置する後席用帯状板材57が全開状態となるように、後席用帯状板材57を連結する。また、ストッパ部材34A、34Bにより、後席用帯状板材57が枠体98から脱落するのを阻止している。
この実施形態8では、第1帯状板材91を回動させることによって第1空調風通路P1に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2帯状板材92を回動させることによって第2空調風通路P2に流入する冷風量と温風量とが変更される。よって、車室の前部運転席側領域及び前部助手席側領域に別々に温度調整した空調風が供給される。さらに、後席用帯状板材57を回動させることによって後席用空調風通路P4に流入する冷風量と温風量とが変更されるので、後席側領域も温度調整できる。そして、複数の第1帯状板材91、複数の第2帯状板材92及び後席用帯状板材57が枠体98に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態8によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態9)
図53〜図55は、本発明の実施形態9に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前席左右及び後席左右独立温度コントロールタイプ(4ゾーン独立温度コントロールタイプ)の車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の前部運転席側(第1空調領域)と、前部助手席側(第2空調領域)と、後部運転席側(第3空調領域)と、後部助手席側(第4空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を左右(前部運転席と前部助手席側)に仕切るための仕切板88と、上下(前席側と後席側)に仕切るための仕切板89とが設けられている。
仕切板88は、空気通路内を上下方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の左右方向中央部から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板88よりも左側が第1空調風通路P1とされ、右側が第2空調風通路P2とされている。
一方、仕切板89は、空気通路内を水平方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の下側近傍から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板89よりも上側が前席用の空調風通路P1、P2とされ、下側が後席運転席側用の第3空調風通路P5及び後席助手席側用の第4空調風通路P6とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第1帯状板材91と、第2空調風通路P2に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第2帯状板材92と、第3空調風通路P5に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第3帯状板材101と、第4空調風通路P6に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第4帯状板材102と、複数の第1帯状板材91、複数の第2帯状板材92、複数の第3帯状板材101及び複数の第4帯状板材102を回動可能に支持する枠体99とを備えている。
図54に示すように、枠体99は、上部99a及び下部99bと、左側部99c及び右側部99dとが一体成形されたものである。上部99aは、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2の上面に沿って左右方向に延びている。下部99bは、第3空調風通路P5及び第4空調風通路P6の下面に沿って左右方向に延びている。左側部99cは、第1空調風通路P1及び第3空調風通路P5の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部99aの左端部に連続し、下端部は下部99bの左端部に連続している。右側部99dは、第2空調風通路P3及び第4空調風通路P6の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部99aの右端部に連続し、下端部は下部99bの右端部に連続している。
枠体99の基本構造は、実施形態1と同じであり、図54に示すように上下方向の上寄りの部分には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように第1区画部99mが設けられている。
また、枠体99の左右方向の中央部には、仕切板88に対応するように区画部99fが設けられている。区画部99fは、枠体99内を左右に2つに区画するように上下方向に延びている。
また、枠体99の下側には、仕切板89に対応するように第2区画部99lが設けられている。さらに、枠体99の第2区画部99lよりも下側には、第3区画部99pが設けられている。第2区画部99lと第3区画部99pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部99pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材91は、枠体99の第2区画部99lよりも上側、かつ、区画部99fよりも左側に設けられている。第1帯状板材91のうち、第1区画部99mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部99mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第2帯状板材92は、枠体99の第2区画部99lよりも上側、かつ、区画部99fよりも右側に設けられている。第2帯状板材92のうち、第1区画部99mよりも上に位置するものは、冷風通路の下流端を開閉するものであり、第1区画部99mよりも下に位置するものは、温風通路の上流端を開閉するものである。
第3帯状板材101は、枠体99の第2区画部99lよりも下側、かつ、区画部99fよりも左側に設けられている。第3帯状板材101のうち、第3区画部99pよりも上に位置するものは、温風通路の下流端を開閉するものであり、第3区画部99pよりも下に位置するものは、冷風通路の上流端を開閉するものである。
第4帯状板材102は、枠体99の第2区画部99lよりも下側、かつ、区画部99fよりも右側に設けられている。第4帯状板材102のうち、第3区画部99pよりも上に位置するものは、温風通路の下流端を開閉するものであり、第3区画部99pよりも下に位置するものは、冷風通路の上流端を開閉するものである。
第1帯状板材91、第2帯状板材92、第3帯状板材101及び第4帯状板材102は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、第1帯状板材91、第2帯状板材92、第3帯状板材101及び第4帯状板材102は、実施形態1と同様に枠体99に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての第1帯状板材91は、第1連結部材33Aにより実施形態1と同様に連結されている。図55に示すように、第1連結部材33Aは、第1区画部99mよりも上に位置する第1帯状板材91が全開状態にあるときに、第1区画部99mよりも下に位置する第1帯状板材91が全閉状態となるように、第1帯状板材91を連結する。また、実施形態1のようなストッパ部材34Aにより、第1帯状板材91が枠体99から脱落するのを阻止している。
全ての第2帯状板材92は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第1区画部99mよりも上に位置する第2帯状板材92が全開状態にあるときに、第1区画部99mよりも下に位置する第2帯状板材92が全閉状態となるように、第2帯状板材92を連結する。また、ストッパ部材34Bにより、第2帯状板材92が枠体99から脱落するのを阻止している。
全ての第3帯状板材101は、第3連結部材33Cにより実施形態1と同様に連結されている。第3連結部材33Cは、第3区画部99pよりも上に位置する第3帯状板材101が全閉状態にあるときに、第3区画部99pよりも下に位置する第3帯状板材101が全開状態となるように、第3帯状板材101を連結する。また、ストッパ部材34Aにより、第3帯状板材101が枠体99から脱落するのを阻止している。
全ての第4帯状板材102は、第4連結部材33Dにより実施形態1と同様に連結されている。第4連結部材33Dは、第3区画部99pよりも上に位置する第4帯状板材102が全閉状態にあるときに、第3区画部99pよりも下に位置する第4帯状板材102が全開状態となるように、第4帯状板材102を連結する。また、ストッパ部材34Bにより、第4帯状板材102が枠体99から脱落するのを阻止している。
この実施形態9では、第1帯状板材91を回動させることによって第1空調風通路P1に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2帯状板材92を回動させることによって第2空調風通路P2に流入する冷風量と温風量とが変更される。さらに、第3帯状板材101及び第4帯状板材102を回動させることによって第3空調風通路P5及び第4空調風通路P6に流入する冷風量と温風量とがそれぞれ変更される。よって、車室の前部運転席側と、前部助手席側と、後部運転席側と、後部助手席側とを個別に空調できる。
そして、複数の第1帯状板材91、複数の第2帯状板材92及び第3帯状板材101及び第4帯状板材102が枠体99に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態9によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
尚、図56に示す実施形態9の変形例のように仕切板88を枠体99に一体成形してもよい。仕切板88は、第1空調風通路P1と第2空調風通路P2を仕切るための仕切部である。これにより、部品点数が削減される。
(実施形態10)
図57〜図63は、本発明の実施形態10に係る車両用空調装置1、エアミックスダンパ20及び帯状板材110、111を示すものである。実施形態10では、帯状板材110、111が上下方向に延びている点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
エアミックスダンパ20は、複数の冷風側帯状板材110と、複数の温風側帯状板材111と、冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111を回動可能に支持する枠体112と、冷風側帯状板材110を連結する第1連結部材33A、第2連結部材33Bと、冷風側帯状板材110が枠体112から離脱しないようにするためのストッパ部材34、117とを備えている。
冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111は一体成形された部材で構成されており、これら部材は全て同じものである。尚、冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111は別々に成形したものを組み合わせて一体化してもよい。
冷風側帯状板材110は、冷風通路R1の空気流れ方向に対して交差するように、上下方向に延びており、左右方向に並設されている。また、温風側帯状板材111は、温風通路R2の空気流れ方向に対して交差するように、上下方向に延びており、左右方向に並設されている。
図61〜図63に示すように、冷風側帯状板材110は、上端部から上方へ突出する上側回動軸110dと、上側回動軸110dの径方向に延出する閉塞板部110Aとを備えている。温風側帯状板材111は、下端部から下方へ突出する下側回動軸111dと、下側回動軸111dの径方向に延出する閉塞板部111Aとを備えている。
冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111は、上側回動軸110d及び下側回動軸110d周りに回動する。これにより、閉塞板部110A、111Aが回動して冷風通路R1及び温風通路R2の開度を変更するように構成されている。
上側回動軸110dは略円柱状に形成されている。上側回動軸110Aの外周面には、一対の突起部110e、110eが上側回動軸110dの軸方向に所定の間隔をあけて設けられている。突起部110eの間隔は、後述する枠体112の切欠部が形成された部位の肉厚寸法よりも若干広めに設定されている。突起部110eは、上側回動軸110dの周方向に延びるリブ形状とされている。
上側回動軸110dには、冷風側帯状板材110に回動力を付与する駆動手段100(図58にのみ仮想線で示す)が連結される連結部110hが設けられている。
連結部110hは、上側回動軸110dの先端部から上側へ突出している。連結部110hは、上側回動軸110dの上側へ延びる円柱をその軸線方向に沿って切断した略半円状の断面を持つ突起で構成されている。連結部110hの回動中心は上側回動軸110dの回動中心と同心上に位置している。また、下側回動軸111dも略円柱状に形成されており、上側回動軸110dと同心上に位置している。
冷風側閉塞板部110Aは、平面視で略長方形をなしている。冷風側閉塞板部110Aの長手方向に延びる両縁部110a、110bのうち、一方の縁部110aは、上側回動軸110d及び下側回動軸111dの中心線X(図62に示す)と同一直線上に位置している。
温風側閉塞板部111Aも冷風側閉塞板部110Aと同様に構成されている。温風側閉塞板部111Aと冷風側閉塞板部110Aとは、回動中心線に沿ってみたとき、略直交するような位置関係となっている。
また、全閉状態で左右方向に隣接する冷風側閉塞板部110A、110Aの縁部同士は厚み方向に重なるように配置される。すなわち、全閉状態では、各冷風側閉塞板部110Aが左右に延びるように向くので、各冷風側閉塞板部110Aの一方の縁部110aが他方の縁部110bの側方に位置することになる。このとき、左右方向に隣接する冷風側閉塞板部110A、110Aを見ると、左側に位置する冷風側閉塞板部110Aの他方の縁部は、右側に位置する冷風側閉塞板部110Aの一方の縁部110aに対して空気流れ方向上流側から当接する。
左右方向に隣接する冷風側閉塞板部110A、110Aのうち、左側の冷風側閉塞板部110Aにおける右側の冷風側閉塞板部110Aが重なる部位、即ち、他方の縁部110bには、右側の冷風側閉塞板部110Aの一方の縁部110aが嵌まる段差110cが形成されている。段差110cの深さは、冷風側閉塞板部110Aの一方の縁部110aの肉厚と略等しく設定されている。これにより、全閉時には、左側の冷風側閉塞板部110Aの空気流れ方向下流側の面と、右側の冷風側閉塞板部110Aの空気流れ方向下流側の面とが略同一面上に位置するようになる。また、段差110cの深さを冷風側閉塞板部110Aの一方の縁部110aの肉厚と略等しくしたことで、段差110cが形成されている部分は、冷風側閉塞板部110Aの空気流れ方向上流側の面から上流側へ突出することになる。
冷風側閉塞板部110Aの段差110cが形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉とされている。これにより、段差110cが形成されている部分が他の部分に比べて柔軟になるので、全閉状態で下側に隣接する冷風側閉塞板部110Aの一方の端部110aに沿うように変形して密着する。これにより、全閉時におけるシール性が高まる。
冷風側閉塞板部110Aの上縁部には、側板部110fが設けられている。側板部110fは、冷風側閉塞板部110Aに対して略直角に突出している。側板部110fには、回動軸方向に突出する突出部110gが形成されている。突出部110gは、側板部110fの上側の面から上方へ突出する円柱状をなしている。突出部110gの中心線は、上側回動軸110dの回動中心から径方向に偏位している。
温風側閉塞板部111Aの下縁部には、側板部111fが設けられている。側板部111fは、温風側閉塞板部111Aに対して略直角に突出している。側板部111fには、回動軸方向に突出する突出部111gが形成されている。突出部111gは、側板部111fの下側の面から下方へ突出する円柱状をなしている。突出部111gの中心線は、下側回動軸111dの回動中心から径方向に偏位している。
図59に示すように、枠体112は、空調ケーシング15の内面に保持されている。枠体112は、上部112a及び下部112bと、左側部112c及び右側部112dとが一体成形されたものである。上部112aは、冷風通路R1の上面に沿って左右方向に延びている。下部112bは、温風通路R2の下面に沿って左右方向に延びている。左側部112cは、冷風通路R1及び温風通路R2の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部112aの左端部に連続し、下端部は下部112bの左端部に連続している。右側部112dは、冷風通路R1及び温風通路R2の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部112aの右端部に連続し、下端部は下部112bの右端部に連続している。
枠体112の下部112bには、温風側帯状板材111の下側回動軸111dが挿入される複数の軸受孔112sが上下方向に貫通するように形成されている。軸受孔112sは、温風側帯状板材111の配設位置に対応するように左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、下部112dには、軸受孔112sの形成部位近傍に凹部112gが形成されている。
枠体112の上部112aには、冷風側帯状板材110の上側回動軸110dが径方向に挿入される複数の切欠部112hが形成されている。切欠部112hは、軸受孔112sと同様に間隔をあけて配置されている。各切欠部112hと、切欠部112hに対応する軸受孔112sとは、左右方向について同じ位置に配置されている。切欠部112hは上側回動軸110dの断面を略半分にした半円状であり、上側回動軸110の外周面のうち、周方向の略半分の領域を受けることができるようになっている。また、上部112aには、切欠部112hの形成部位近傍に凹部112iが形成されている。
さらに、枠体112の上部112aの外面には、上下両端部に係合突起112kがそれぞれ形成されている。係合突起112kには、後述するストッパ部材34の左右両端部が係合するようになっている。
上側回動軸110dが切欠部112hに挿入された状態では、上側回動軸110dの一対の突起部110e、110eの間に切欠部112hの縁部が嵌まるようになっている。この状態で、上側回動軸110dの一対の突起部110e、110eが切欠部112hの縁部に両側から係合するので、冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111が枠体112に対して軸方向に位置ずれすることはない。つまり、突起部110e、110eは、切欠部112hの縁部に係合して冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111が回動軸方向へ移動するのを規制する軸方向ずれ防止部である。
第1連結部材33A及び第2連結部材33Bは、冷風側帯状板材110が並ぶ方向、即ち、左右方向に長い棒状部材で構成されており、複数の冷風側帯状板材110の回動軸方向一端部(上端部)を連結するためのものである。第1連結部材33A及び第2連結部材33Bには、図示しないが、冷風側帯状板材110の突出部110gが挿入されて係合する複数の係合孔が形成されている。突出部110gは、係合孔に挿入された状態で回動可能となっている。
ストッパ部材34は、切欠部112hに挿入された上側回動軸110dを切欠部112hの開放側から支持することによって切欠部112hからの抜けを阻止するためのものであり、第1連結部材33A及び第2連結部材33Bと同様に左右方向に長い棒状部材で構成されている。ストッパ部材34における上側回動軸110dに接触する接触部34cは、上下方向に直線状に延びている。この接触部34cは、ストッパ部材34が枠体112に固定された状態で、上側回動軸110dの外周面のうち、切欠部112hで支持されていない部分に軽く接触して該上側回動軸110dを支持するように構成されている。従って、上側回動軸110dの回動がスムーズに行われる。
ストッパ部材34の左端部及び右端部には、枠体112の上部112cの外面に沿うように、該ストッパ部材34の本体部分から突出する突出片34aがそれぞれ形成されている。各突出片34aには、枠体112の係合突起112kが係合する孔部34bが形成されている。ストッパ部材34は、孔部34bに係合突起112kが係合することによって枠体112に固定される。
ストッパ部材34が枠体112に固定された状態では、ストッパ部材34の本体部分の下面が第1連結部材33A及び第2連結部材33Bの上面に対向するように配置される。この状態では、ストッパ部材34の本体部分の下面と連結部材33A、33Bの上面との離間寸法が、連結部材33A、33Bの肉厚寸法よりも短くなるように設定されている。これにより、連結部材33A、33Bが上方へ移動しようとしても、ストッパ部材34に接触して移動し難くなる。よって、連結部材33A、33Bの離脱を防止できる。つまり、係合孔33aから突出部110gが抜ける方向に連結部材33A、33Bが移動するのを規制するようにストッパ部材34が配置されている。
また、枠体112には、図57にのみ示すが、冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111の閉塞板部110A、111Aを空気流れ方向下流側から支持して閉塞板部110A、111Aの変形を抑制するための支持部113を設けることができる。支持部113は、112の左側部112cから右側部112dまで延びる棒状に形成され、閉塞板部110A、111Aの空気流れ方向下流側に接触するように配置されている。
支持部113は図示するように複数設けてもよいし、1つだけ設けてもよい。複数設ける場合には、支持部113を互いに左右方向に離すのが好ましい。また、支持部113は、空気流れ方向に長い断面形状を有している。これにより、支持部113の剛性を確保しながら、空気の流通抵抗の増加を抑制できる。
枠体112の区画部112fよりも左側の冷風側帯状板材110は第1連結部材33Aにより連結されている。また、枠体112の区画部112fよりも右側の冷風側帯状板材110は第2連結部材33Bにより連結されている。したがって、枠体112の区画部112fよりも左側の冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111と、枠体112の区画部112fよりも右側の冷風側帯状板材110及び温風側帯状板材111とを別々に回動させることができ、これにより、運転席側領域と助手席側領域とを個別に空調できる。
以上説明したように、この実施形態10によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態11)
図64〜図66は、本発明の実施形態11に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前席左右及び後席独立温度コントロールタイプ(3ゾーン独立温度コントロールタイプ)の車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態10のものと異なっている。以下、実施形態10と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、実施形態8のものと同様に構成されている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2に流入する冷風量を調整する複数の第1帯状板材110と、第1空調風通路P1及び第2空調風通路P2に流入する温風量を調整する複数の第2帯状板材111と、後席用の空調風通路P4に流入する冷風量及び温風量をそれぞれ調整する複数の後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121と、複数の第1帯状板材110、複数の第2帯状板材111及び複数の後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121を回動可能に支持する枠体112とを備えている。
枠体112の上側には、左右に延びる第1区画部112mが設けられている。また、枠体112の下側には、図65に示すように仕切板89に対応するように第2区画部112lが設けられている。さらに、枠体112の第2区画部112lよりも下側には、第3区画部112pが設けられている。第2区画部112lと第3区画部112pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部112pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材110は、枠体112の第1区画部112mよりも上側に設けられている。第1帯状板材110のうち、区画部112fよりも左側に位置するものは、第1空調風通路P1に連通する冷風通路の下流端を開閉するものであり、区画部112fよりも右側に位置するものは、第2空調風通路P2の冷風通路の下流端を開閉するものである。
第2帯状板材111は、枠体112の第2区画部112lよりも上側、かつ、第1区画部112mよりも下側に設けられている。第2帯状板材111のうち、区画部112fよりも左側に位置するものは、第1空調風通路P1に連通する温風通路の上流端を開閉するものであり、区画部112fよりも右側に位置するものは、第2空調風通路P2に連通する温風通路の上流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120は、枠体112の第2区画部112lと第3区画部112pとの間に設けられており、温風通路の下流端を開閉するものである。後席用第2帯状板材121は、枠体112の第3区画部112pよりも下に設けられており、冷風通路の上流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10の帯状板材と同様に枠体112に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。後席用第1帯状板材120は、第3連結部材33Cにより実施形態10と同様に連結されている。また、ストッパ部材34A、34Bにより、第1帯状板材110、第2帯状板材111、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121が枠体112から脱落するのを阻止している。
この実施形態11では、後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121を回動させることによって後席用空調風通路P4に流入する冷風量と温風量とが変更されるので、後席側領域も温度調整できる。そして、複数の第1帯状板材110、複数の第2帯状板材111、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121が枠体112に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態11によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態12)
図67〜図69は、本発明の実施形態12に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前後独立温度コントロールタイプの車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態10のものと異なっている。以下、実施形態10と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、実施形態7のものと同じである。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P3に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の第1帯状板材110及び第2帯状板材111と、第2空調風通路P4に流入する冷風量及び温風量を調整する複数の後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121と、複数の第1帯状板材110及び第2帯状板材111及び複数の後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121を回動可能に支持する枠体112とを備えている。
図68に示すように、枠体112は、区画部112fが省略されているが、左右方向に延びる第1区画部112mが設けられている。枠体112の下側には、仕切板89に対応するように第2区画部112lが設けられている。さらに、枠体112の第2区画部112lよりも下側には、第3区画部112pが設けられている。第2区画部112lと第3区画部112pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部112pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材110は、枠体112の第1区画部112mよりも上側に設けられており、冷風通路の下流端を開閉するものである。第2帯状板材111は、枠体112の第1区画部112mと第2区画部112lとの間に設けられており、温風通路の上流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120は、枠体112の第2区画部112lと第3区画部112pとの間に設けられており、温風通路の上流端を開閉するものである。後席用第2帯状板材121は、枠体112の第3区画部112pよりも下側に設けられており、冷風通路の下流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10と同様に枠体112に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第3区画部112pよりも上に位置する後席用第1帯状板材120が全閉状態にあるときに、第3区画部112pよりも下に位置する後席用第2帯状板材121が全開状態となるように連結する。また、ストッパ部材34Bにより、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121が枠体112から脱落するのを阻止している。
この実施形態12では、第1帯状板材110及び第2帯状板材111を回動させることによって第1空調風通路P3に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121を回動させることによって第2空調風通路P4に流入する冷風量と温風量とが変更される。よって、車室の前席側領域及び後席側領域に別々に温度調整した空調風が供給される。そして、複数の第1帯状板材110、複数の第2帯状板材111、後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121が枠体112に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態12によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態13)
図70〜図72は、本発明の実施形態13に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前席左右及び後席左右独立温度コントロールタイプ(4ゾーン独立温度コントロールタイプ)の車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態10のものと異なっている。以下、実施形態10と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、実施形態9のものと同じである。
エアミックスダンパ20は、複数の第1帯状板材110及び第2帯状板材111と、後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121と、複数の第1帯状板材110、第2帯状板材111、複数の後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121を回動可能に支持する枠体112とを備えている。
枠体112の下側には、図71に示すように仕切板89に対応するように第2区画部112lが設けられている。さらに、枠体112の第2区画部112lよりも下側には、第3区画部112pが設けられている。第2区画部112lと第3区画部112pとの間に部分には、図示しないが温風通路の一部が連通するようになっている。また、第3区画部112pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の一部が連通するようになっている。
第1帯状板材110は、枠体112の第1区画部112mよりも上側に設けられており、冷風通路の下流端を開閉するものである。第2帯状板材111は、枠体112の第1区画部112mと第2区画部112lとの間に設けられており、温風通路の上流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120は、枠体112の第2区画部112lと第3区画部112pとの間に設けられており、温風通路の上流端を開閉するものである。後席用第2帯状板材121は、枠体112の第3区画部112pよりも下側に設けられており、冷風通路の下流端を開閉するものである。
後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121は、実施形態10と同様に枠体112に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
区画部112fよりも左側の後席用第1帯状板材120は、第3連結部材33Cにより実施形態1と同様に連結されている。また、区画部112fよりも右側の後席用第1帯状板材120は、第4連結部材33Dにより実施形態1と同様に連結されている。また、ストッパ部材34Bにより、後席用第1帯状板材120及び後席用第2帯状板材121が枠体112から脱落するのを阻止している。
この実施形態13では、区画部112fよりも左側の第1帯状板材110及び第2帯状板材111を回動させることによって第1空調風通路P1に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、区画部112fよりも右側の第1帯状板材110及び第2帯状板材111を回動させることによって第2空調風通路P2に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、区画部112fよりも左側の後席用第1帯状板材120と、区画部112fよりも右側の後席用第2帯状板材121とを個別に回動させることができる。よって、車室の前部運転席側と、前部助手席側と、後部運転席側と、後部助手席側とを個別に空調できる。
そして、複数の第1帯状板材110、複数の第2帯状板材111、後席用第1帯状板材120及び第2帯状板材121が枠体112に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態13によれば、実施形態1と同様に、閉状態のときに高い風圧が作用しても、シール性を向上させることができる。
(実施形態14)
図73〜図75は、本発明の実施形態14に係るエアミックスダンパ20を示すものである。空気流れが所定方向に向くように案内する案内部130が設けられている点で実施形態10のものと異なっている。以下、実施形態10と異なる部分について詳細に説明する。
実施形態14の枠体112には、上下方向中間部に案内部130が設けられている。案内部130は、第1区画部112mから空気流れ方向下流側へ延出する板状に形成されている。この案内部130により、冷風及び温風がエアミックス空間R3の所定箇所に向けて案内される。
この実施形態14のものも実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
(実施形態15)
図76〜図78は、本発明の実施形態15に係るエアミックスダンパ20を示すものである。空気流れが所定方向に向くように案内する案内部130、131が設けられている点で実施形態11や12のものと異なっている。以下、実施形態11、12と異なる部分について詳細に説明する。
実施形態15の枠体112には、第1区画部112mから空気流れ方向下流側へ延出する板状の案内部130と、第2区画部112lから空気流れ方向下流側へ延出する板状の案内部131とが設けられている。これら案内部130、131により、冷風及び温風がエアミックス空間R3の所定箇所に向けて案内される。
また、実施形態15では、図79〜図81に示すように、後席用帯状板材115が、第2帯状板材111の下側に一体成形されている。後席用帯状板材115の下端部は、実施形態10の第2帯状板材111と同様に構成されている。すなわち、後席用帯状板材115の下端部には、下側回動軸1115dと側板部115fとが設けられている。側板部115fには、回動軸方向に突出する突出部115gが形成されている。
また、後席用帯状板材115と、第2帯状板材111とは、回動中心線に沿ってみたとき、略直交するような位置関係となっている。また、後席用帯状板材115と、第1帯状板材110とは、回動中心線に沿ってみたとき、同方向に延びるように位置している。
この実施形態15のものも実施形態1と同様な作用効果を奏することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、例えば自動車に搭載する車両用空調装置として使用することができる。
1 車両用空調装置
20 エアミックスダンパ(空調装置用ダンパ)
31 帯状板材
32 枠体
37 支持部
40 左側回動軸
41 右側回動軸
42 閉塞板部
42c 段差
42g シール部

Claims (10)

  1. 空調装置が有する空気通路の空気流れ方向に対して交差する方向に延びる複数の帯状板材が並設され、
    上記帯状板材は、回動軸と、該回動軸の径方向に延出し、上記空気通路を閉塞するための閉塞板部とを備えるとともに、上記閉塞板部が空気の流れ方向に向くように回動することによって開状態となる一方、上記閉塞板部が空気の流れに交差するまで回動することによって閉状態となるように構成された空調装置用ダンパにおいて、
    隣接する上記帯状板材の上記閉塞板部の縁部同士は、閉状態にあるときに厚み方向に重なるように配置され、
    隣接する上記閉塞板部のうち、一方の閉塞板部における他方の閉塞板部が重なる部位には、該他方の閉塞板部の縁部が嵌まる段差が形成されていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  2. 請求項1に記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記一方の閉塞板部における段差が形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉であることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  3. 請求項1または2に記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記空気通路に配置される一体成形の枠体を備え、
    上記枠体に上記帯状板材が回動可能に支持されていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記帯状板材の回動軸の中心線と、上記閉塞板部の縁部とは同一直線上に位置していることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記複数の帯状板材を連結する連結部材を備えていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記段差は、閉状態で上記閉塞板部の空気流れ方向下流側に位置する面に形成されていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記閉塞板部には、突起が形成されていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記閉塞板部を空気流れ方向下流側から支持する支持部を備えていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    上記閉塞板部の縁部には、熱可塑性エラストマーからなるシール部が設けられていることを特徴とする空調装置用ダンパ。
  10. 請求項1から8のいずれか1つに記載の空調装置用ダンパにおいて、
    複数の上記帯状板材は同じ部材からなることを特徴とする空調装置用ダンパ。
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