JP2015100942A - 採光性に優れた遮熱膜材 - Google Patents
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Abstract
Description
1、可視光透過率
実施例および比較例で作成した膜材について、JIS Z8722.5.4(条件g)に従いミ
ノルタ分光測色計CM−3600dを用いて可視光(380〜780nm)の透過率
を測定した。
可視光透過率の評価は、初期と、1年間屋外曝露後のそれぞれについて行った。
※屋外曝露
屋外曝露台上に、実施例及び比較例で作成したシートのおもて面を上にして南向
きに傾斜角30度に設置して1年間の屋外曝露を行った。
場所:埼玉県草加市
2、遮熱性
実施例および比較例で作成した膜材を用いて、膜材のおもて面側を外側として、
屋根部および側壁部を覆った小型テント(図3参照)を作成し、周辺に高い建物の無
い3階建てのビル屋上(コンクリート床面)に、テント屋根部の傾斜面の一方を真南
に向けて、外部との空気の流通が無い状態に設置した。テント設置の翌日以降で、朝
から晴天であった日の正午のテント内温度(A)を測定した。一方、同じビルの屋上
において、床面から1.2mの高さに百葉箱を設置し、テント内温度測定時の百葉箱
内部の温度を測定して、環境温度(B)とし、(A)−(B)の値が小さいほど、
膜材の遮熱性が高いものとして評価した。
なお、評価に用いたテントのサイズは、底面がたて・よことも50cm、床面から
軒先までの高さ50cm、屋根部の傾斜角20°(床面から主棟までの高さ約59
cm)であり、テント内中央部床面から、高さ30cmの位置にセンサーを配置して
温度を測定した。
また、遮熱性の評価は、初期と、1年間屋外曝露後(曝露条件は可視光透過率評価
と同じ)のそれぞれについて行った。
3、折り曲げ試験:(折り曲げによる表面白化の有無)
実施例および比較例で作成した膜材より幅4cm×長さ2cmの試料を2点採取し
て、一方はおもて面側を山折りとし、もう一方はおもて面側を谷折りとして、横方向
に2ツ折りし、折り曲げ部を含む試料全体にそれぞれ1kgの錘を乗せ25℃の環境
で5分間静置した。重りを外した後試料を開き、幅4cm×長さ2cmの状態で試料
全体に1kgの錘を乗せ25℃の環境で5分間静置した後、それぞれの試料の折り曲
げ部のおもてうらを目視で観察して、表面白化の有無を以下の様に評価した。
A:山折り、谷折りいずれの試料とも、おもてうらに白化の発生を認めない。
B:山折り、谷折りいずれかの試料の、おもてうら、いずれか1面以上に白化が
認められる。
1、基布
経糸、緯糸ともにポリエステル短繊維紡績糸295.3dtex(20番手)双糸を配置し、経糸打ち込み密度が55本/25.4mm、緯糸打ち込み密度が48本/25.4mmであり、質量230g/m2の非粗目状平織物を基布1として使用した。
2、膜材の形成
下記配合1の軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に、下記配合2の遮熱性付与剤を分散したペーストゾルをバスに入れ、基布1をバス中に浸漬し、これを引き上げると同時にマングルロールで圧搾し、150℃で1分間ゲル化した後、190℃で1分間熱処理を行い、さらにその片面に鏡面エンボス処理を施した。これにより基布1の両面への付着、および内部含浸した状態で、遮熱性付与剤として酸化チタン粒子、および、硫酸バリウム粒子を合わせて10質量%含んだ付着量320g/m2の近赤外線遮蔽層が形成された。なお、配合2において、酸化チタン粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型なルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子を用いた。また、硫酸バリウム粒子としては、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した、平均粒子径0.5μmの不定形粒子を用い、酸化チタン粒子と硫酸バリウム粒子の質量比は1:4とした。
<配合1>軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1600) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
希釈溶剤:トルエン 20質量部
<配合2>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 4質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.5μm) 16質量部
3.防汚層の形成
膜材の鏡面エンボス処理を施した側の近赤外線遮蔽層上に、下記配合3の防汚層塗工液をグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で3分間乾燥した。これによって5g/m2の防汚層が形成された乳白色外観の帆布状の遮熱膜材が得られた。得られた遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表1に示す。
<配合3>防汚層塗工液
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商標:アクリプレンHBS001)
4質量部
フッ素系樹脂(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、
エルフ・アトケム・ジャパン(株)製、商標:カイナー7201) 12質量部
高分子型紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製、品番:UCI−635L)
〔2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン〕
とメタクリル酸メチルとの50wt%:50wt%共重合体樹脂
1質量部
希釈溶剤(トルエン−メチルエチルケトン50/50質量比) 80質量部
配合1の代わりに下記配合4を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の帆布状の遮熱膜材を得た。配合4には、近赤外線に吸収の少ないフタロシアニン系有機顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いており、得られた遮熱膜材は明るい青色外観であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表1に示す。
<配合4>
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1600) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 70質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
希釈溶剤:トルエン 20質量部
C.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン系有機顔料) 1.8質量部
配合2の代わりに下記配合5を用いた以外は、実施例1と同様にして、乳白色外観の帆布状の遮熱膜材を得た。配合5において、酸化チタン粒子および硫酸バリウム粒子の質量比は1:2であった。また、近赤外線遮蔽層における遮熱性付与剤の量は、10質量%であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
<配合5>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 7質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.5μm) 14質量部
配合2の代わりに下記配合6を用いた以外は、実施例1と同様にして、乳白色外観の帆布状の遮熱膜材を得た。配合6において、酸化チタン粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型なルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した平均粒子径1.2μmの不定形粒子を用いた。また、硫酸バリウム粒子としては、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した平均粒子径0.7μmの不定形粒子を用い、酸化チタン粒子および硫酸バリウム粒子の質量比は1:4であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表1に示す。
<配合6>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.2μm) 4質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.7μm) 16質量部
配合2の代わりに下記配合7を用いた以外は、実施例1と同様にして、乳白色外観の帆布状の遮熱膜材を得た。配合7において、酸化チタン粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型なルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン93質量%、アルミナ7質量%)した、平均粒子径0.6μmの不定形粒子を用いた。また、硫酸バリウム粒子としては、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子を用い、酸化チタン粒子および硫酸バリウム粒子の質量比は1:4であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表1に示す。
<配合7>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径0.6μm) 4質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径1.0μm) 16質量部
1、基布
経糸、緯糸ともにポリエステルマルチフィラメント糸555dtex(500d)を配置し、経糸打ち込み密度が18本/25.4mm、緯糸打ち込み密度が19本/25.4mmであり、質量70g/m2の粗目状平織物を基布2として使用した。
2、膜材の形成
下記配合8の軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に下記配合9の遮熱性付与剤を加えたコンパウンドを用いて、カレンダー成型法により、遮熱性付与剤を10質量%含む厚さ0.2mmの近赤外線遮蔽層用軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム6−1を成型した。ついで、配合8のみを用いて、カレンダー成型法により、遮熱性付与剤を含まない厚さ0.2mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム6−2を成型した。次に、得られたフィルム6−1とフィルム6−2の中間に基布2を挿入し、熱圧着により積層してターポリン状の膜材を得た。なお、配合9において、酸化チタン粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型なルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子を用いた。また、硫酸バリウム粒子としては、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した、平均粒子径0.4μmの不定形粒子を用い、酸化チタン粒子および硫酸バリウム粒子の質量比は1:3であった。
<配合8>軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 10質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
<配合9>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 5質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.4μm) 15質量部
3、防汚層の形成
膜材の近赤外線遮蔽層側の面上に、配合3の防汚層塗工液をグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で3分間乾燥した。これによって近赤外線遮蔽層上に5g/m2の防汚層が形成された乳白色外観の遮熱膜材が得られた。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
1、基布
実施例6と同様基布2を用いた。
2、膜材の形成
下記配合10の軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に、配合9の遮熱性付与剤を加えたコンパウンドを用いて、カレンダー成型法により、遮熱性付与剤を10質量%含む厚さ0.2mmの近赤外線遮蔽層用軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム7−1を成型した。次いで、配合8を用いて、カレンダー成型法により厚さ0.2mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルム7−2を成型した。次いで、得られたフィルム7−1とフィルム7−2の中間に基布2を挿入し、熱圧着により積層してターポリン状の膜材を得た。なお、配合10には、近赤外線に吸収の少ない無機顔料として平均粒子径600nmのCr−Sb−Tiの複合酸化物(黄色)を用いた事により、得られた膜材は近赤外線遮蔽層側から見て明るい黄色外観であった。
<配合10>軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 10質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
無機顔料(Cr−Sb−Ti複合酸化物:平均粒子径600nm) 2質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
3、防汚層の形成
実施例6と同様にして、近赤外線遮蔽層上に5g/m2の防汚層を形成して、実施例7の遮熱膜材を得た。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7と同様にして、ターポリン状の遮熱膜材を得た。ただし、配合10の代わりに、下記配合11を用いた。配合11には、近赤外線に吸収の少ない無機顔料として平均粒子径50nmのCo−Alの複合酸化物(青色)を用いており、得られた遮熱膜材は近赤外線遮蔽層側から見て明るい青色外観であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
<配合11>軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 10質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
無機顔料(Co−Al複合酸化物:平均粒子径50nm) 2質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
実施例8と同様にして実施例9のターポリン状の遮熱膜材を得た。ただし、配合3の代わりに、下記配合12の硫酸バリウム粒子を含む防汚層塗工液を用いて、6g/m2の防汚層を形成した。防汚層に用いた硫酸バリウム粒子は、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した、平均粒子径0.5μmの不定形粒子であり、形成された防汚層には硫酸バリウム粒子が10質量%含まれていた。得られた遮熱膜材の色相は近赤外線遮蔽層側から見て、実施例8とほぼ同等の明るい青色外観であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
<配合12>防汚層塗工液
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商標:アクリプレンHBS001)
4質量部
フッ素系樹脂(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、
エルフ・アトケム・ジャパン(株)製、商標:カイナー7201) 12質量部
高分子型紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製、品番:UCI−635L)
〔2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン〕
とメタクリル酸メチルとの50wt%:50wt%共重合体樹脂
1質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.5μm) 2質量部
希釈溶剤(トルエン−メチルエチルケトン50/50質量比) 80質量部
配合8の代わりに、下記配合13を、配合9の代わりに下記配合14を、それぞれ用いた以外は、実施例6と同様にして実施例10のターポリン状の遮熱膜材を得た。配合13では、可塑剤の一部として2官能以上のアクリレートモノマーを、可塑剤全体の5.4質量%併用した。また、配合14で用いた酸化チタン粒子は配合9で用いたものと同じであるが、硫酸バリウム粒子については、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム95質量%、シリカ−アルミナ5質量%)した、平均粒子径0.6μmの不定形粒子を用いた。また、近赤外線遮蔽層における遮熱性付与剤の量は18%であった。この遮熱膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表2に示す。
<配合13>軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物
ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(可塑剤) 60質量部
リン酸トリクレジル(可塑剤) 10質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(可塑剤) 4質量部
(アクリロイル基を4個有する化合物)
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 2質量部
ステアリン酸バリウム(安定剤) 2質量部
紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系 0.5質量部
<配合14>遮熱性付与剤組成
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 10質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.6μm) 30質量部
配合2の遮熱性付与剤の代わりに、アスペクト比1〜2.5のルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン92質量%、アルミナ8質量%)した、平均粒子径0.25μmの不定形粒子20質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして帆布状の膜材を得た。得られた膜材は白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表3に示す。
配合2の遮熱性付与剤の代わりに、アスペクト比1〜2.5のルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子10質量部(近赤外線遮蔽層中に5質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして帆布状の膜材を得た。得られた膜材は乳白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表3に示す。
配合2の遮熱性付与剤の代わりに、アスペクト比1〜2.5のルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子16質量部(近赤外線遮蔽層中に8質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして帆布状の膜材を得た。得られた膜材は白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表3に示す。
配合2の代わりに、アスペクト比1〜2.5のルチル型酸化チタン粒子をアルミナで表面被覆(酸化チタン94質量%、アルミナ6質量%)した、平均粒子径1.0μmの不定形粒子20質量部を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例4の帆布状の膜材を得た。得られた膜材は、薄い水色の外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表3に示す。
配合2の代わりに、下記配合15を用いた以外は実施例1と同様にして比較例5の帆布状の膜材を得た。得られた膜材は白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表3に示す。
<配合15>
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 14質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.4μm) 7質量部
配合2の代わりに、下記配合16を用いた以外は実施例1と同様にして比較例6の帆布状の膜材を得た。得られた膜材は乳白色外観であった。配合16において、硫酸バリウム粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型な簸性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム96質量%、シリカ−アルミナ4質量%)した、平均粒子径2.0μmの不定型粒子を用いた。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表4に示す。
<配合16>
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 5質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径2.0μm) 15質量部
配合2の代わりに、下記配合17を用いた以外は実施例1と同様にして比較例7の帆布状の膜材を得た。配合17では硫酸バリウム粒子として、アスペクト比1〜2.5の不定型な沈降性硫酸バリウム粒子をシリカ−アルミナで表面被覆(硫酸バリウム92質量%、シリカ−アルミナ8質量%)した、平均粒子径0.1μmの不定形粒子を用いた。得られた膜材は乳白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表4に示す。
<配合17>
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 5質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.1μm) 15質量部
配合9の代わりに、下記配合18を用いた以外は実施例6と同様にして比較例8のターポリン状の膜材を得た。得られた膜材は乳白色外観であった。この膜材について、防汚層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表4に示す。
<配合18>
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 2.5質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.4μm) 17.5質量部
配合9の代わりに、下記配合19を用い、防汚層を省略した以外は実施例6と同様にして比較例9のターポリン状の膜材を得た。近赤外線遮蔽層における遮熱性付与剤の量は30質量%であり、得られた膜材は白色外観であった。この膜材について、近赤外線遮蔽層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表4に示す。
<配合19>
酸化チタン粒子(TiO2:平均粒子径1.0μm) 20質量部
硫酸バリウム粒子(BaSO4:平均粒子径0.6μm) 60質量部
配合13の代わりに配合8を用いた以外は、実施例10と同様にしてターポリン状の膜材を得た。この膜材について、近赤外線遮蔽層が形成された側をおもて面として評価を行った。結果を表4に示す。
2:近赤外線遮蔽層
3:遮熱性付与剤
3−1:酸化チタン粒子
3−2:硫酸バリウム粒子
4:基布
5:防汚層
6:近赤外線遮蔽層以外の樹脂層
7:遮熱性評価に用いた小型テント
8:実施例、比較例で作成した膜材
Claims (5)
- 少なくとも1層の近赤外線遮蔽層を有する可撓性シートであり、前記近赤外線遮蔽層が、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物からなるマトリックス樹脂と、遮熱性付与剤として、平均粒子径0.5〜2.0μmの酸化チタン粒子、および、平均粒子径0.3〜1.2μmの硫酸バリウム粒子を、前記マトリックス樹脂中に分散して含み、前記近赤外線遮蔽層に含まれる前記遮熱性付与剤が5〜25質量%であり、かつ、前記遮熱性付与剤における前記酸化チタン粒子および前記硫酸バリウム粒子の質量比が1:1〜1:5であることを特徴とする、採光性に優れた遮熱膜材。
- 前記酸化チタン粒子および前記硫酸バリウム粒子が、それぞれ独立して、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナおよび酸化ジルコニウムから選ばれた無機物質、シラン系、チタネート系およびアルミネート系から選ばれたカップリング剤、のいずれか1種または2種以上により表面被覆されている、請求項1に記載の採光性に優れた遮熱膜材。
- 前記可撓性シートが、繊維材料より形成された基布層を有する、請求項1または2に記載の採光性に優れた遮熱膜材。
- 前記近赤外線遮蔽層上に防汚層を有する、請求項1から3いずれか1項に記載の採光性に優れた遮熱膜材。
- 前記防汚層が、平均粒子径0.3〜0.7μmの硫酸バリウム粒子を3〜30質量%含む、請求項4に記載の採光性に優れた遮熱膜材。
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