JP2015099653A - 二次電池電極組成物、二次電池電極および二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与える二次電池電極組成物を提供することである。
【解決手段】 バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む二次電池電極組成物であって、前記過酸化水素水(C)の含有量が、前記活物質(B)100質量部あたり、0.05〜17質量部である二次電池電極組成物。および、前記二次電池電極組成物を用いた二次電池電極と前記二次電池電極を用いた二次電池。本発明の二次電池電極組成物により、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与えることができる。
【選択図】なし
【解決手段】 バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む二次電池電極組成物であって、前記過酸化水素水(C)の含有量が、前記活物質(B)100質量部あたり、0.05〜17質量部である二次電池電極組成物。および、前記二次電池電極組成物を用いた二次電池電極と前記二次電池電極を用いた二次電池。本発明の二次電池電極組成物により、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与えることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、二次電池電極組成物に関する。また、本発明は、二次電池電極組成物を用いて得られた二次電池電極および二次電池に関する。
近年、携帯情報端末やハイブリッド車、電気自動車の電源として、高いエネルギー密度を有するとともに、繰り返し使用可能な高寿命の性能を持った二次電池が使用されている。二次電池として、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池などがある。これら二次電池のなかでも、リチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有していることから、携帯情報端末向けの電源として、急速に普及してきており、更にはハイブリッド車や電気自動車の電源としても期待されている。
これら二次電池の電極を製造する方法としては、リチウム含有金属複合酸化物や多層構造を有する炭素系材料等の活物質、バインダ樹脂および溶媒を混練して二次電池電極組成物を調製し、これを転写ロール等で集電体である金属箔の片面または両面に塗布し、溶媒を乾燥除去して活物質層を形成した後、必要に応じてロールプレス機等で圧縮成形する方法等が知られている。
従来、バインダ樹脂としては、スチレン・ブタジエン・ゴム(以下、「SBR」と略す。)やポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す。)が用いられていた。SBRやPVDFは、集電体である金属箔(アルミ箔や銅箔等)との接着性に乏しく、電池の高寿命化を妨げていた。このため、活物質層と集電体との間に十分な接着性を確保し、電池の高寿命化を実現するために、活物質に対してバインダ樹脂を多量に配合しなければならなかった。しかしながら、活物質層中に多量に含まれるバインダ樹脂は、活物質を覆って活物質の電池反応を阻害したり、電池の内部抵抗を増大させたりして、電池の高容量化を妨げる要因となっている。
集電体との接着性の高い活物質層を形成できる。バインダ樹脂としては、特許文献1および特許文献2に開示されているものがある。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されているバインダ樹脂を用いた場合、活物質と集電体との間に十分な接着性を得るためには、依然として活物質に対してバインダ樹脂を多量に配合しなければならなかった。このように、従来の技術では、二次電池の高容量化と高寿命化をともに満足させることができなかった。
そこで本発明は、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与える二次電池電極組成物を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む二次電池電極組成物であって、前記過酸化水素水(C)の含有量が、前記活物質(B)100質量部あたり、0.05〜17質量部である二次電池電極組成物にある。
本発明の二次電池電極組成物により、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与えることができる。
(二次電池電極組成物)
本発明の二次電池電極組成物は、バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む。
本発明の二次電池電極組成物は、バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む。
バインダ樹脂(A)は、アクリル系樹脂やジエン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等の二次電池電極組成物用バインダ樹脂として公知の樹脂を使用することができる。中でも、二次電池内部の充放電反応に対して安定であるアクリル系共重合体(A−1)、スチレンブタジエン系共重合体(A−2)、フッ素含有重合体(A−3)からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
アクリル系共重合体(A−1)は、共重合成分にアクリル系単量体を重合して得られた、アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含む共重合体のことである。アクリル系単量体とは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート(a);(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシド基含有(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシ5−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)
アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ含有(メタ)アクリレート;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、ジフェニル((メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッド・ホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のリン酸基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有単量体;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル等の多官能単量体;等を挙げることができる。これら単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−テトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリプロピレンオキシド−ポリテトラメチレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ含有(メタ)アクリレート;N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、ジフェニル((メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッド・ホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のリン酸基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有単量体;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル等の多官能単量体;等を挙げることができる。これら単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また本発明では、バインダに耐電解液性と、活物質層と集電体との間の接着力、そして得られる二次電池電極の柔軟性のバランスをとることができる点で、前記バインダ樹脂(A−1)が、炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(A−1A)であることが好ましい。
アクリル系共重合体(A−1A)に含まれる炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、バインダに優れた耐電解液性を与えることができるという点で脂環式骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートであることが、より好ましい。
ここで、「脂環式骨格」とは、環状脂肪族炭化水素基を意味する。単環式あるいは複環式のいずれであってもかまわない。また、環を構成する炭素数は、3〜50であり、好ましくは4〜20であり、さらに好ましくは5〜10である。脂環式骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体的な例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等、およびこれら化合物の脂環式環上に置換基を有する誘導体を挙げることができる。これらの中では、重合のし易さの点で、シクロヘキシル(メタ)アクリレートまたはイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。これら脂環式骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリル系共重合体(A−1A)は、共重合成分にアクリル系単量体以外の単量体成分を含んでもよい。アクリル系単量体以外の単量体成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−シアノアクリレート、ジシアノビニリデン、フマロニトリル等のシアン化ビニル単量体;クロトン酸、イソクロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等の多官能単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー;1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1、3−ブタジエン、クロロプレン等の共役ジエン単量体;等を挙げることができる。これらアクリル系単量体以外の単量体成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル系共重合体(A−1A)は、単量体成分に含有される芳香族ビニル単量体の割合が、バインダ樹脂の全単量体成分中に、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。芳香族ビニル化合物の含有割合が20質量%を超えると、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
さらに前記アクリル系共重合体(A−1A)は、単量体成分に含有されるシアン化ビニル単量体の割合が、バインダ樹脂の全単量体成分中に40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。シアン化ビニル単量体の含有割合が40質量%を超えると二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
また本発明では、前記アクリル系単量体を、前記バインダ樹脂(A)の全単量体成分中に、50〜100質量%含むことが好ましく、70〜100質量%であることが更に好ましい。アクリル系単量体割合が50質量%未満であると、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
前記アクリル系共重合体(A−1A)は、単量体成分に含有される炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)の含有量が、バインダ樹脂の全単量体成分中に、35質量%〜75質量%であることが好ましい。炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量の下限値は35質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましい。炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量が35質量%以上であれば、バインダに優れた耐電解液性を与えることができる。
炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量の上限値は75質量%以下であり、65質量%以下がより好ましい。炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量が75質量%以下であれば、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与えることができる。炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量が65質量%以下であれば、バインダ樹脂が集電体に対して適度に濡れるので、活物質層と集電体との接着性を、より高めることができる。
さらに本発明では、前記アクリル系共重合体(A−1A)は、カルボキシル基含有単量体(b)由来の繰り返し単位またはエチレン性不飽和カルボン酸塩単量体(c)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(A−1B)であることが好ましい、
カルボキシル基含有単量体(b)としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、クロトン酸、イソクロトン酸、ケイ皮酸等の一塩基酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、等の二塩基酸;等を挙げることができる。これらカルボキシル基含有単量体(b)は、分子内または分子間の2つのカルボキシル基が脱水して得られる酸無水物であってもよい。これらカルボキシル基含有単量体(b)の中では、重合のし易さの点で、一塩基酸が好ましい。さらに好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸である。これらカルボキシル基含有単量体(b)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基含有単量体(b)としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、クロトン酸、イソクロトン酸、ケイ皮酸等の一塩基酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、等の二塩基酸;等を挙げることができる。これらカルボキシル基含有単量体(b)は、分子内または分子間の2つのカルボキシル基が脱水して得られる酸無水物であってもよい。これらカルボキシル基含有単量体(b)の中では、重合のし易さの点で、一塩基酸が好ましい。さらに好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸である。これらカルボキシル基含有単量体(b)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有単量体(b)が、バインダ樹脂の全単量体成分中に、5〜55質量%の範囲で含有されることが好ましい。カルボキシル基含有単量体(b)の含有量を5質量%以上とすることによって、活物質層と集電体との間に十分な接着力を与えることができるとともに、バインダの耐電解液性を与えることができる。
前記カルボキシル基含有単量体(b)の含有量の下限値は10質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは15質量%以上である。カルボキシル基含有単量体単位(b)の含有量が10質量%以上であれば、バインダに優れた耐電解液性を与えることができる。カルボキシル基含有単量体単位(b)の含有量が55質量%を超えると、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。カルボキシル基含有単量体単位(b)の含有量の上限値は50質量%以下がより好ましい。
また前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体(c)とは、上述のカルボキシル基含有単量体(b)の有するカルボン酸がカルボン酸金属塩となっている構造を有する単量体である。これらカルボキシル基含有単量体(b)の中では、重合のし易さの点で、一塩基酸が好ましい。さらに好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸である。
上記金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩が好ましい。より好ましくは、リチウム塩である。これら金属塩としては、1種であってもよいし、
2種以上であってもよい。
2種以上であってもよい。
前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体(c)とは、カルボキシル基含有単量体(b)の有するカルボン酸がカルボン酸金属塩となっているものであるが、本明細書においては、カルボキシル基含有単量体(b)の有するカルボン酸の全てがカルボン酸金属塩となっているものに加えて、カルボキシル基含有単量体(b)の有するカルボン酸の一部がカルボン酸金属塩ではなく、カルボン酸のままのものも含まれる。
前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体(c)においては、カルボキシル基含有単量体(b)の有するカルボン酸のうち、金属塩となっているカルボン酸が60〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは、70〜100モル%であり、更に好ましくは、80〜100モル%である。
単量体成分に含有される前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体単位(c)の含有量が、バインダ樹脂の全単量体成分中に、5質量%〜50質量%であることが好ましい。前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体単位(c)の含有量が5質量%以上であれば、バインダに優れた耐電解液性を与えることができる。前記エチレン性不飽和カルボン酸塩単量体単位(c)の含有量が50質量%以下であればクラックを防ぐことができる。
また本発明で、スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、共重合成分に少なくとも、上記記載の芳香族ビニル単量体及び上記記載の共役ジエン単量体を共に含む共重合体のことである。これら単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、単量体成分に含有される共役ジエン単量体の割合が、20〜58質量%であることが好ましく、30〜55質量%であることが更に好ましい。共役ジエン単量体の含有割合が20質量%未満であると、得られるポリマーのガラス転移温度が高くなり過ぎてしまい、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。共役ジエン単量体の含有割合が58質量%超であると、形成される電極層の表面が徐々に粘着性を示す傾向にあるため、プレス加工時に電極層がロールへ貼り付いてしまう等、加工性が低下する傾向にある。
スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、単量体成分に含有される共役ジエン単量体の割合が、20〜58質量%であることが好ましく、30〜55質量%であることが更に好ましい。共役ジエン単量体の含有割合が20質量%未満であると、得られるポリマーのガラス転移温度が高くなり過ぎてしまい、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。共役ジエン単量体の含有割合が58質量%超であると、形成される電極層の表面が徐々に粘着性を示す傾向にあるため、プレス加工時に電極層がロールへ貼り付いてしまう等、加工性が低下する傾向にある。
また、スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、単量体成分に含有される芳香族ビニル単量体の割合が、10〜55質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることが更に好ましい。芳香族ビニル単量体の含有割合が20質量%未満であると、活物質層と集電体との接着性が低下してしまう。一方、芳香族ビニル単量体の含有割合が55質量%超であると、得られるポリマーは堅くて脆いものになり易く、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、共重合成分に共役ジエン系単量体や芳香族ビニル単量体以外の単量体成分を含んでもよい。具体例としては、アクリル系単量体やカルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体等を挙げることができる。スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は単量体成分に含有されるアクリル系単量体の割合が、30質量%未満であることが好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましい。アクリル系単量体の含有割合が30質量%以上であると、得られるポリマーが電解液を過剰に吸収するようになり、電池内において結着性が消失し易く、高温貯蔵時に電池の劣化が生じ易くなる傾向にある。
スチレンブタジエン系共重合体(A−2)は、単量体成分に含有されるカルボキシル基含有単量体が、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。カルボキシル基含有単量体の含有割合が0.5質量%未満であると、二次電池電極組成物の分散安定性が不足し、凝集物を生じやすくなる傾向にある。一方、カルボキシル基含有単量体の含有割合が20質量%超であると、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
さらに本発明では、フッ素含有重合体(A−3)は、共重合成分に少なくともフッ素原子を含有する単量体を含む共重合体のことである。フッ素原子を含有する単量体の具体例としては、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、またはテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち、フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、テトラフルオロエチレン、フルオロアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのフッ素系単量体は、種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素含有重合体(A−3)は、単量体成分に含有されるフッ素原子を含有する単量体の割合が、85〜100質量%であることが好ましい。フッ素原子を含有する単量体の含有割合が85質量%未満であると、活物質層と集電体との接着性が低下する傾向にある。
フッ素含有重合体(A−3)は、フッ素原子を含有する単量体以外の単量体成分を含んでもよい。具体例としては、アクリル系単量体やカルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体等を挙げることができる。フッ素含有重合体(A−3)は、単量体成分に含有されるアクリル系単量体の割合が、30質量%未満であることが好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましい。(メタ)アクリレート化合物の含有割合が30質量%以上であると、得られるポリマーが電解液を過剰に吸収するようになり、電池内において結着性が消失し易く、高温貯蔵時に電池の劣化が生じ易くなる傾向にある。
フッ素含有重合体(A−3)は、単量体成分に含有されるカルボキシル基含有単量体が、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。カルボキシル基含有単量体の含有割合が0.5質量%未満であると、二次電池電極組成物の分散安定性が不足し、凝集物を生じやすくなる傾向にある。一方、カルボキシル基含有単量体の含有割合が20質量%超であると、二次電池電極の柔軟性が不足し易くなり、クラックが入ってしまう場合がある。
本発明の組成物に含まれるバインダ樹脂(A)の量は、活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.2〜10質量部である。活物質に対するバインダ樹脂量が少なすぎると、スラリーを用いて得られた活物質層を有する電極から活物質が脱落しやすくなるおそれがある。逆に、活物質に対するバインダ樹脂量が多すぎると、活物質層に含まれる活物質がバインダ樹脂に覆い隠されて電池反応が阻害されたり、内部抵抗が増大したりするおそれがある。
本発明のバインダ樹脂の質量平均分子量(Mw)は、30,000〜5,000,000が好ましく、より好ましくは150,000〜2,000,000、である。Mwが上記範囲内であれば、活物質層と集電体との接着性を与えることができる。とともに、バインダ樹脂が電解液を過剰に吸収することを防ぐことができる。
ここでMwは、バインダ樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、バインダ樹脂
分として0.8質量%のTHF溶液を調製し、これを0.5μmメンブランフィルターで濾過して得られた濾液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算で算出したものである。
分として0.8質量%のTHF溶液を調製し、これを0.5μmメンブランフィルターで濾過して得られた濾液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算で算出したものである。
本発明のバインダ樹脂(A)の製造方法については、特に制限はないが、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法が挙げられる。
乳化重合によりバインダ樹脂を製造する場合、例えば、単量体混合物、乳化剤および重合開始剤を、加熱して重合することにより乳化液(エマルション)を得る方法を挙げることができる。
乳化重合の際に使用する乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等)、ポリオキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、分子中にビニル重合性二重結合を有する反応性乳化剤等公知のものを用いることができるが、特に制限はない。
乳化重合の際に使用する重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物;過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物または過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせからなるレドックス系開始剤等公知のものを用いることができるが、特に制限はない。
乳化重合の際には、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー等公知のものを用いることができる。が、特に制限はない。
また、乳化重合によりバインダ樹脂を製造する場合、重合装置の容器内でシード粒子を含む乳化液を作成し、その後、シード粒子を含む乳化液に共重合体となる材料を少量ずつ滴下し、所定の温度で加熱して重合する方法(シード重合法)によって乳化液を製造することもできる。このような方法によって共重合体を製造した場合、共重合体の粒子径を容易に制御することができる。シード粒子は、重合装置の容器内に共重合体となる材料の一部を少量投入し、一括して攪拌しながら加熱して共重合することにより、シード粒子を含む乳化液を製造する方法等により得られる。なお、シード粒子を製造する際に用いる共重合体となる材料は、重合されて共重合体となる材料のうちの一部であり、シード粒子の存在する重合装置の容器内に滴下される共重合体となる材料と同じ組成であってもよいし、異なっていても良い。また、シード粒子を製造する際には、空気雰囲気下もしくは窒素等の不活性ガス雰囲気下のいずれで行っても良い。
本発明のバインダ樹脂の構造は、特に限定されるものではなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合のいずれであってもよい。また、コアシェル構造や海島状異相構造といった複合共重合体粒子であってもよい。複合共重合体粒子を乳化重合により製造する場合の製造方法は、共重合体となる材料うちの1種以上の単量体成分を滴下した後、引き続き、残りの共重合体となる材料のうち1種以上の単量体成分を滴下する工程
また、乳化重合によりバインダ樹脂を製造する場合、本発明のバインダ樹脂の共重合体粒子の体積平均粒子径は、1nm〜10μmであることが好ましい。共重合体粒子の体積平均粒子径が上記範囲内である場合、共重合体粒子がバインダ樹脂として良好に作用し、電池抵抗が低くなる。また、pH値は特に限定されないが、1〜8が好ましい。pHが上記範囲内であれば、二次電極組成物を作成した際に、組成物のゲル化を防ぐことができる。
また、乳化重合によりバインダ樹脂を製造する場合、本発明のバインダ樹脂の共重合体粒子の体積平均粒子径は、1nm〜10μmであることが好ましい。共重合体粒子の体積平均粒子径が上記範囲内である場合、共重合体粒子がバインダ樹脂として良好に作用し、電池抵抗が低くなる。また、pH値は特に限定されないが、1〜8が好ましい。pHが上記範囲内であれば、二次電極組成物を作成した際に、組成物のゲル化を防ぐことができる。
ここで、体積平均粒子径は光散乱光度計を用いて測定した値である。なお、本発明における体積平均粒子径とは、製造された時点の1次粒子径を指し、その後顆粒化等を行った際の粒子径である2次粒子径とは異なる。
また本発明の二次電池電極組成物は、活物質(B)を含む。
前記活物質(B)は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入、又は、リチウムイオンと、そのリチウムイオンのカウンターアニオンとのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることができれば特に限定されず、公知の二次電池電極に用いられているものと同様の材料を使用することができる。
前記活物質(B)は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入、又は、リチウムイオンと、そのリチウムイオンのカウンターアニオンとのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることができれば特に限定されず、公知の二次電池電極に用いられているものと同様の材料を使用することができる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、コークス、活性炭等の炭素材料が挙げられる。このような炭素材料とシリコン、すず、銀等の金属またはこれらの酸化物との複合物等も使用できる。これらの負極活物質は、単独でまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
正極活物質としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン及びバナジウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属と、リチウムとを含有するリチウム含有金属複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジイル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びその誘導体等のポリアリーレンビニレン及びそれらの誘導体等の導電性高分子が挙げられる。導電性高分子としては、有機溶媒に可溶なアニリン誘導体の重合体が好ましい。これら正極活物質は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに本発明の二次電池電極組成物は、過酸化水素水(C)を含む。
過酸化水素水は、活物質(B)100質量部あたり0.05〜17質量部含むことが必要である。前記過酸化水素水(C)の含有量が0.05質量未満であると、集電体に対する電極層の密着性を十分に得ることができない。前記過酸化水素水(C)の含有量が17質量部を超えると、集電体の表面が荒れてしまい、電極表面の平滑性を満足することができない。前記過酸化水素水(C)の含有量は、活物質(B)100質量部あたり0.5〜14質量部含むことがより好ましい。
本発明の二次電池電極組成物は溶媒を含んでいても良い。
前記溶媒としては、特に制限はなく、バインダ樹脂(A)および活物質(B)を均一に溶解または分散できる溶媒であればよい。溶媒としては、バインダ樹脂(A)を溶解してワニスを調製する際に用いられる溶媒をそのまま使用できる。例えば、水;n−ドデカン、デカヒドロナフタレンおよびテトラリン等の炭化水素類;2−エチル−1−ヘキサノールおよび1−ノナノール等のアルコール類;ホロン、アセトフェノンおよびイソホロン等のケトン類;酢酸ベンジル、酪酸イソペンチル、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルおよび乳酸ブチル等のエステル類;o−トルイジン、m−トルイジンおよびp−トルイジン等のアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミド等のアミド類;ならびにジメチルスルホキシドおよびスルホラン等のスルホキシド・スルホン類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種類以上組み合わせて用いられてもよい。この中でも、環境への負荷の少なさから、水が好ましい。
溶媒として水を使用する場合、組成物の粘度を調整する目的で、必要に応じて添加剤として、活物質100質量部に対して0.01〜200質量部の水溶性増粘剤を用いてもよい。水溶性増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらの水溶性増粘剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
溶媒として水を用いる場合、乳化重合により得られた乳化液を、そのまま溶媒を含むバインダとして用いることが好ましい。
本発明の二次電池電極組成物は、好ましくは50〜50,000mPa・s、より好ましくは100〜10,000mPa・sの粘度で用いられる。上記粘度範囲内であれば、適度な塗工性を与えることができるとともに、二次電池電極組成物中の活物質(A)の沈降を防ぐことができる。上記粘度範囲の二次電池電極組成物は、溶媒の量と水溶性増粘剤の添加量を適宜調整することにより得られる。
本発明の二次電池電極組成物は、導電性付与材を含有することが好ましい。導電性付与材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電性付与材を用いることにより、電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。導電性付与材の使用量は、活物質100質量部に対して通常0〜20質量部であることが好ましい。
本発明の組成物には、更に、カルボキシル基と反応可能な官能基を分子中に二つ以上有する化合物を架橋剤として添加することができる。ルボキシル基と反応可能な官能基としては、エポキシ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの架橋剤を添加することで、活物質層と集電体との間の接着力を向上することができるとともに、バインダの耐電解液性を向上することができる。これら架橋剤の添加量は、バインダ樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲で配合するのが好ましい。これら架橋剤は単独でまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
架橋剤として使用しうるエポキシ基を2個以上有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリシトール、ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの共重合樹脂、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等を挙げることができる。
ポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの共重合樹脂、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等を挙げることができる。
架橋剤として使用しうるカルボジイミド基を2個以上有する化合物としては、1,5−ナフタレンカルボジイミド、4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド、4,4'−ジフェニルジメチルメタンカルボジイミド、1,3−フェニレンカルボジイミド、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンカルボジイミド、2,6−トリレンカルボジイミド、2,4−トリレンカルボジイミドと2,6−トリレンカルボジイミドの混合物、ヘキサメチレンカルボジイミド、シクロヘキサン−1,4−カルボジイミド、キシリレンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−カルボジイミド、メチルシクロヘキサンカルボジイミド、テト
ラメチルキシリレンカルボジイミド、2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミ、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−カルボジイミド等を挙げることができる。
ラメチルキシリレンカルボジイミド、2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミ、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−カルボジイミド等を挙げることができる。
架橋剤として使用しうるオキサゾリン基を2個以上有する化合物としては、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、または2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等を挙げることができる。
架橋剤として使用しうるイソシアネート基を2個以上有する化合物としては、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、等の直鎖ポリメチレンジイソシアネート類;メチルテトラメチレンジイソシアネート、ジメチルテトラメチレンジイソシアネート、トリメチルテトラメチレンジイソシアネート、メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチルオクタメチレンジイソシアネート、ジメチルオクタメチレンジイソシアネート、トリメチルオクタメチレンジイソシアネート、等の分岐アルキレンジイソシアネート類;1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、等のシクロアルカン環含有ジイソシアネート類等を挙げることができる。
(二次電池電極)
本発明の二次電池電極は、上記組成物を集電体に塗布、乾燥して得られる。集電体とし
ては、導電性材料からなるものであれば特に制限されないが、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属製のものが挙げられる。形状も特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものを用いることが好ましい。
本発明の二次電池電極は、上記組成物を集電体に塗布、乾燥して得られる。集電体とし
ては、導電性材料からなるものであれば特に制限されないが、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属製のものが挙げられる。形状も特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものを用いることが好ましい。
組成物は、集電体の片面に塗布してもよいし両面に塗布してもよい。組成物を集電体に塗布する方法としては、特に制限されないが、例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール(転写ロール)法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬、ハケ塗り等の方法が挙げられる。塗布する量については、特に制限されないが、例えば、二次電池電極組成物を乾燥した後に形成される活物質層の厚さが0.005〜1mm、好ましくは0.01〜0.5mmになる程度の量とすることができる。
集電体に塗布された組成物の溶媒を乾燥除去することにより、集電体の表面に活物質層が形成される。組成物の乾燥方法は、特に制限されず、例えば、送風乾燥、温風乾燥、赤外線加熱、遠赤外線加熱機、真空乾燥、等が挙げられる。乾燥温度は組成物に含まれる溶媒の沸点に応じて適宜選択すればよいが、通常150℃前後である。
更に、乾燥後の電極をプレス機等で圧縮成形することにより、電極の活物質の密度を高めてもよい。プレス方法としては、金型プレスやロールプレス等の方法が挙げられ、特に限定はされない。架橋剤を添加した場合、必要に応じて加熱処理を行っても構わない。加熱処理は、プレス前とプレス後どちらでも構わない。
(二次電池)
本発明の二次電池は、上記の方法で製造した二次電池電極を備えたものである。具体的には上記の二次電池電極と、電解液およびセパレータを有する。なお、本発明の二次電池は、上記の二次電池電極を、正極あるいは負極の少なくとも一方において用いていればよい。
本発明の二次電池は、上記の方法で製造した二次電池電極を備えたものである。具体的には上記の二次電池電極と、電解液およびセパレータを有する。なお、本発明の二次電池は、上記の二次電池電極を、正極あるいは負極の少なくとも一方において用いていればよい。
二次電池の電解液は、通常用いられるものであれば、液状でもゲル状でもよく、正極活物質、負極活物質の種類に応じて二次電池としての機能を発揮するものを選択すればよい。電解液に含まれる電解質としては、例えば、公知のリチウム塩がいずれも使用でき、LiClO4、LiBF6、LiPF6 等が挙げられる。電解質を溶解させる媒体は、通常用いられるものであれば特に限定されるものではなく、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチルラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。これらは単独で、または二種以上を混合して使用してもよい。
セパレータは、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体等のようなポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して使用することができる。この他、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等からなる不織布を使用できる。が、これらに限定されることはない。
上記本発明の二次電池の製造方法については特に制約はない。製造方法として例えば、正極および負極を、セパレータを介して重ね合わせ、電池形状に応じて渦巻き状に捲回する、折る等して、電池容器に入れ、電解液を注入して封口する等の、公知の方法が挙げられる。電池の形状は、コイン型、円筒型、角形、扁平型等何れであってもよい。
以下、本発明について実施例および比較例により説明する。なお、以下の実施例および比較例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下の実施例および比較例における評価方法は、次の通りである。
<接着性の評価>
後述する方法で作製した電極を幅1.0cm×長さ5.0cmの矩形に切り出し、活物質層面とPETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4100、膜厚125μm)を両面テープで貼り付けた。オートグラフ(島津製、AG−5kNIS)を用いて、試験片の一端から電極20mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定は5回行い、その平均値を求めて、これを剥離強度(単位:N/mm)とし、下記基準にて評価した。剥離強度の値が大きいほど、活物質層と集電体との間の接着力が大きいことを示す。
○:0.45N/mm以上
△:0.35N/mm以上0.45mm/N未満
×:0.35N/mm未満
<電極上面状態の評価>
後述する方法で作成した電極の表面状態を、以下基準にて目視評価した。
○:良好
△:やや荒れあり
×:あれあり
<質量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算で算出した。具体的には、測定試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、樹脂分として0.8質量%のTHF溶液を調製し、これを0.5μmメンブランフィルターで濾過し、濾液について下記条件にてGPC法により質量平均分子量を測定した。
測定条件;
・装置:東ソー製HPLC−8120
・溶離液:THF
・流速:1mL/分
・温度:40℃
・検出器:示差屈折計
・注入量:100μL
<実施例1〜8、比較例1〜2>
加熱および冷却が可能な重合装置の容器内に、水250部(溶媒)と、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王社製、「ペレックスOTP」)2.0部(乳化剤)と、過硫酸アンモニウム0.3部(重合開始剤)と、表1に示す単量体混合物を投入し、窒素雰囲気中、回転数200rpmで攪拌しながら70℃で7時間加熱し、重合させて、表1に示すリチウム二次電池電極用バインダ樹脂(A−1〜A−4)を得た。
後述する方法で作製した電極を幅1.0cm×長さ5.0cmの矩形に切り出し、活物質層面とPETフィルム(東洋紡製コスモシャインA4100、膜厚125μm)を両面テープで貼り付けた。オートグラフ(島津製、AG−5kNIS)を用いて、試験片の一端から電極20mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定は5回行い、その平均値を求めて、これを剥離強度(単位:N/mm)とし、下記基準にて評価した。剥離強度の値が大きいほど、活物質層と集電体との間の接着力が大きいことを示す。
○:0.45N/mm以上
△:0.35N/mm以上0.45mm/N未満
×:0.35N/mm未満
<電極上面状態の評価>
後述する方法で作成した電極の表面状態を、以下基準にて目視評価した。
○:良好
△:やや荒れあり
×:あれあり
<質量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算で算出した。具体的には、測定試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、樹脂分として0.8質量%のTHF溶液を調製し、これを0.5μmメンブランフィルターで濾過し、濾液について下記条件にてGPC法により質量平均分子量を測定した。
測定条件;
・装置:東ソー製HPLC−8120
・溶離液:THF
・流速:1mL/分
・温度:40℃
・検出器:示差屈折計
・注入量:100μL
<実施例1〜8、比較例1〜2>
加熱および冷却が可能な重合装置の容器内に、水250部(溶媒)と、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王社製、「ペレックスOTP」)2.0部(乳化剤)と、過硫酸アンモニウム0.3部(重合開始剤)と、表1に示す単量体混合物を投入し、窒素雰囲気中、回転数200rpmで攪拌しながら70℃で7時間加熱し、重合させて、表1に示すリチウム二次電池電極用バインダ樹脂(A−1〜A−4)を得た。
得られた二次電池電極バインダ樹脂7.0部(活物質100部に対して、バインダ樹脂固形分換算で2部)に、活物質(伊藤黒鉛工業(株)製 人造黒鉛 SG−BH)100部、表2に示す量の過酸化水素水、CMC(Aldric社製)1%水溶液100部(過酸化水素水換算:1部)、を加えて混錬し、二次電池電極組成物を得た。得られた二次電池電極組成物を厚さ18μmの銅箔上に乾燥後の負極活物質層の厚さが50μmになるように塗布した後、110℃で10分乾燥し、引き続き真空条件下150℃で30分間熱処理して二次電池電極を得た。得られた各電極の剥離強度の評価結果を表2に示す。
なお、表中の記号は以下の材料を示す。
MMA:メチルメタクリレート
nBMA:ノルマルブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
EA:エチルアクリレート
St:スチレン
nBA:ノルマルブチルアクリレート
AN:アクリロニトリル
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
nBMA:ノルマルブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
EA:エチルアクリレート
St:スチレン
nBA:ノルマルブチルアクリレート
AN:アクリロニトリル
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
<実施例9、比較例3>
二次電池電極バインダ樹脂としてSBR(JSR社製 製品名『0533』 固形分50%、)4.0部(活物質に対してバインダ樹脂固形分換算で2%)に、活物質(伊藤黒鉛工業(株)製 人造黒鉛 SG−BH)100部、表2に示す量の過酸化水素水、CMC(Aldric社製)1%水溶液100部、を加えて混錬し、二次電池電極組成物を得た。得られた二次電池電極組成物を厚さ18μmの銅箔上に乾燥後の負極活物質層の厚さが50μmになるように塗布した後、110℃で10分乾燥し、引き続き真空条件下150℃で30分間熱処理して二次電池電極を得た。得られた各電極の剥離強度の評価結果を表3に示す。
二次電池電極バインダ樹脂としてSBR(JSR社製 製品名『0533』 固形分50%、)4.0部(活物質に対してバインダ樹脂固形分換算で2%)に、活物質(伊藤黒鉛工業(株)製 人造黒鉛 SG−BH)100部、表2に示す量の過酸化水素水、CMC(Aldric社製)1%水溶液100部、を加えて混錬し、二次電池電極組成物を得た。得られた二次電池電極組成物を厚さ18μmの銅箔上に乾燥後の負極活物質層の厚さが50μmになるように塗布した後、110℃で10分乾燥し、引き続き真空条件下150℃で30分間熱処理して二次電池電極を得た。得られた各電極の剥離強度の評価結果を表3に示す。
<実施例10〜13、比較例4>
加温、冷却が可能な重合装置に、脱イオン水180部、電解質として硫酸ナトリウム0.3部、表4に示す単量体混合物を投入しを加えて十分に撹拌した。その後、一度撹拌を止め、分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.3部を10部の脱イオン水に溶解させた分散剤溶液を添加し、撹拌を再開させ、昇温した。75〜80℃の反応温度を保持して2時間反応させ、重合発熱の最大値を確認した後、90℃に昇温して1時間保持して反応を終了させ。水性懸濁液を得た。
加温、冷却が可能な重合装置に、脱イオン水180部、電解質として硫酸ナトリウム0.3部、表4に示す単量体混合物を投入しを加えて十分に撹拌した。その後、一度撹拌を止め、分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.3部を10部の脱イオン水に溶解させた分散剤溶液を添加し、撹拌を再開させ、昇温した。75〜80℃の反応温度を保持して2時間反応させ、重合発熱の最大値を確認した後、90℃に昇温して1時間保持して反応を終了させ。水性懸濁液を得た。
得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン水で十分洗浄した後脱水機にて脱水し、重合体湿粉を得た。ついで、この重合体湿粉を乾燥して、共重合物を得た。そして、金属塩となっているカルボン酸が100モル%となるように、得られた共重合物を表4に示す中和剤を含む水溶液に溶解し、二次電池電極用バインダ樹脂(A−5〜A−7)を得た。
得られた二次電池電極バインダ水溶液を固形分換算で2部となる量、活物質(伊藤黒鉛工業(株)製 人造黒鉛 SG−BH)100部、表2に示す量の過酸化水素水、CMC(Aldric社製)1%水溶液100部(過酸化水素水換算:1部)、を加えて混錬し、二次電池電極組成物を得た。得られた二次電池電極組成物を厚さ18μmの銅箔上に乾燥後の負極活物質層の厚さが50μmになるように塗布した後、110℃で10分乾燥し、引き続き真空条件下150℃で30分間熱処理して二次電池電極を得た。得られた各電極の剥離強度の評価結果を表5に示す。
得られた二次電池電極バインダ水溶液を固形分換算で2部となる量、活物質(伊藤黒鉛工業(株)製 人造黒鉛 SG−BH)100部、表2に示す量の過酸化水素水、CMC(Aldric社製)1%水溶液100部(過酸化水素水換算:1部)、を加えて混錬し、二次電池電極組成物を得た。得られた二次電池電極組成物を厚さ18μmの銅箔上に乾燥後の負極活物質層の厚さが50μmになるように塗布した後、110℃で10分乾燥し、引き続き真空条件下150℃で30分間熱処理して二次電池電極を得た。得られた各電極の剥離強度の評価結果を表5に示す。
過酸化水素水を添加しなかった場合(比較例1、比較例3、比較例4)、低い剥離強度値を示した。また、過酸化水素水を過剰に添加した場合(比較例2)、二次電極表面に荒れが生じた。
Claims (6)
- バインダ樹脂(A)、活物質(B)、および過酸化水素水(C)を含む二次電池電極組成物であって、前記過酸化水素水(C)の含有量が、前記活物質(B)100質量部あたり、0.05〜17質量部である二次電池電極組成物。
- 前記バインダ樹脂(A)が、アクリル系重合体(A−1)、スチレンブタジエン系重合体(A−2)、およびフッ素含有重合体(A−3)からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1記載の二次電池電極組成物。
- 前記バインダ樹脂(A−1)が、炭化水素骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(A−1A)である、請求項2に記載の二次電池電極組成物。
- 前記バインダ樹脂(A−1A)が、カルボキシル基含有単量体(b)由来の繰り返し単位またはエチレン性不飽和カルボン酸塩単量体(c)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(A−1B)である、請求項3に記載の二次電池電極組成物。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の二次電池電極組成物を用いた二次電池電極。
- 請求項5記載の二次電池電極を具えた二次電池。
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WO2018087897A1 (ja) * | 2016-11-11 | 2018-05-17 | 日立化成株式会社 | エネルギーデバイス電極用樹脂、エネルギーデバイス電極形成用組成物、エネルギーデバイス電極及びエネルギーデバイス |
CN111164808A (zh) * | 2017-10-30 | 2020-05-15 | 日本瑞翁株式会社 | 非水系二次电池电极用粘结剂组合物、非水系二次电池电极用浆料组合物、非水系二次电池用电极以及非水系二次电池 |
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2013
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