JP2015099341A - 画像形成装置 - Google Patents

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剛司 山下
Goji Yamashita
剛司 山下
藤田 雅也
Masaya Fujita
雅也 藤田
直樹 ▲高▼井
直樹 ▲高▼井
Naoki Takai
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Abstract

【課題】可動部材の停止モードの前後における機内環境の変動が、当該可動部材に変形癖が生じる所定の環境変動である場合にのみ癖低減動作を行うことで変形癖を効率よく低減する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、駆動手段によって駆動される可動部材としての中間転写ベルト20と、ベルト20の周囲の少なくとも温度変動を含む環境変動を直接的又は間接的に検出する環境変動検出手段としての温度センサー51と、ベルト20が停止する停止モード中にベルト20に作用する力で生じたベルト20の変形癖を低減する癖低減手段と、停止モードの前後における温度センサー51の検出結果(T1、T2)に基づいて癖低減手段の作動を制御する制御手段としての制御部210とを有する。
【選択図】図5A

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に複写機、プリンタ、プロッター、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などの画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、中間転写ベルト、搬送ベルト、感光体ベルト、転写ローラ、帯電ローラのように、可撓性又は弾性を有する可動部材が使用されている。このような可動部材は、装置の停止状態において、一定の力が作用した状態で所定時間保持される。当該保持時間がある程度長くなると、時間の経過と共に可動部材に変形癖が発生しやすい。
このような変形癖が発生すると、例えば中間転写ベルトの場合、図18のようにベルトの外側に凸状に膨らんだ巻癖部ができる。この巻癖部に一次転写部で画像が転写されることがある。そうすると、その部分が異常画像(色ずれ、転写不良、横スジ等)になる。以下、「異常画像」という場合は、色ずれ、転写不良、横スジ等を指すものとする。
図18は、中間転写ベルトに発生した巻癖部の外周面における形状プロファイルの一例を示すグラフである。図中、横軸は中間転写ベルトの周方向(単位はmm)を表し、縦軸は中間転写ベルトの厚み方向(単位はμm)を表す。縦軸のプラス側が外周側、縦軸のマイナス方向が内周側を表す。
図18の例は、中間転写ベルトの巻き掛けロールと当接していない外周面を基準とした最大巻癖高さが200μmである。この巻癖部は外周面側或いは場合によっては内周面側に凸形状を成し、巻癖高さが1000μmを越えるように大きくなると異常画像が生じる。以下「巻癖高さ」という場合は、図18のような最大巻癖高さを意味するものとする。
この巻癖高さは、中間転写ベルトの両端部に配置された駆動ローラと従動ローラによる湾曲変形量、停止保持時の温度と保持時間、中間転写ベルトの材料特性などに依存性がある。巻癖を防止するために、ベルト材料の様々な改善の他、ベルトの変形度合いを軽微にしたり、温度上昇を抑制したりしているが、未だ十分とはいえない。
ここで、巻癖部による転写不良の発生原理を図19(a)〜(c)により説明する。同図において11は像担持体、20は中間転写ベルトである。中間転写ベルト20に内周面側に凸形状の巻癖部20aが発生しているものとする。
図19(a)のように、像担持体11上に形成されたトナー像16が、像担持体11に向かって矢印方向に搬送される中間転写ベルト20上に転写される。像担持体1と中間転写ベルト20との間には当該転写のための転写電界が掛けられている。
図19(b)のように巻癖部20aが像担持体11と中間転写ベルト20との当接点(一次転写ニップ)に到達すると、像担持体11と中間転写ベルト20との間に巻癖部20aによる隙間ができる。このため一次転写ニップに転写電界がかからない。その結果、図19(c)のように像担持体11上に未転写トナー像16が残り、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像16に欠損部17ができる。これが転写不良の原因である。
一方、最近の画像形成装置はますます小型化の傾向にあり、装置内のスペースは余裕がなくなってきている。そのために、装置内に設けられる可動部材も変形度合いが大きい状態で配置されることが多く、巻癖などの変形癖に対して不利な環境になってきている。
例えば、可動部材としての中間転写ベルトは、当該ベルトを内側から支持する駆動ローラと従動ローラを小径化することで省スペース化を達成している。これら駆動・従動ローラを小径化すると、中間転写ベルトの両端は大きな曲率でローラに支持されることになる。
このように曲率が大きくなると、所定のベルト張力が作用することでローラに巻き掛けた大曲率の部分で巻癖部が生じ、当該巻癖部に画像が転写されると異常画像になりやすい。
そこで巻癖部が付きにくくするために、例えば特許文献1(特開2007−230695号公報)の発明は、画像形成装置が作像していない停止時に、停止開始から所定時間が経過すると中間転写ベルトを低速で周回駆動し、巻癖部が局在しないようにしている。
また、特許文献2(特開平10−142963号公報)の発明は、中間転写ベルトに生じた巻癖部に像担持体のトナー像が一次転写されないように、中間転写ベルトに設けられたベルトマークをベルトマークセンサーで検出し、当該センサーの検出後に中間転写ベルトを所定距離だけ走行させて停止させるようにしている。
また、特許文献3(特開2005−122018号公報)の発明は、中間転写ベルトの停止時の温度を検出し、高温で停止していた場合に作像前にベルトを回転することで巻癖を低減するようにしている。
また、特許文献4(特開2010−215399号公報)の発明は、搬送ベルトの環境温度が高い場合は、環境温度が低い場合に比べて巻癖が付きにくいので、搬送ベルトの癖低減動作の作動頻度が少ない省エネモードに移行するようにしている。
また、特許文献5(特開2006−53259号公報)の発明は、中間転写ベルトの停止時の温度と時間に閾値を設定し、当該閾値を超えると癖低減動作を実行するようにしている。
また、特許文献6(特開2001−100541号公報)の発明は、定着装置の熱を熱伝導ローラや熱伝導ベルトを介して搬送ベルトまで伝達させることで巻癖を軽減させるようにしている。
また、特許文献7(特開2005‐122019号公報)の発明は、中間転写ベルトの温度を直接検知して癖低減動作を行うようにしている。
しかし、特許文献1〜7のいずれの発明でも、巻癖が付いているか否かに関わらず中間転写ベルトないし搬送ベルトを駆動するので、当該ベルトの無駄な駆動が発生し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうという課題がある。また、特許文献6のように熱伝達部材や温度センサを配設するとスペースを取るので小型化が困難でありコストアップにもなる。
そこで本発明の目的は、停止モードの前後における環境温度の条件が、可動部材に変形癖が生じる条件に合致する場合にのみ癖低減動作を行うことで無駄な癖低減動作を節約し、ダウンタイムを低減して効率よく変形癖を低減することにある。
本発明は、前記課題を解決するため、駆動手段によって駆動される可動部材と、前記可動部材の周囲の少なくとも温度変動を含む環境変動を直接的又は間接的に検出する環境変動検出手段と、前記可動部材が停止する停止モード中に前記可動部材に作用する力で生じた前記可動部材の変形癖を低減する癖低減手段と、前記停止モードの前後における前記環境変動検出手段の検出結果に基づいて前記癖低減手段の作動を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、少なくとも2つのローラ間に掛け渡され、駆動手段によって駆動される無端状ベルトと、前記無端状ベルトの周囲の少なくとも温度変動を含む環境変動を直接的又は間接的に検出する環境変動検出手段と、前記無端状ベルトが停止する停止モード中に前記無端状ベルトに作用する力で生じた前記無端状ベルトの変形癖を低減する癖低減手段と、前記停止モードの前後における前記環境変動検出手段の検出結果に基づいて前記癖低減手段の作動を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明は、可動部材ないし無端状ベルトが停止する停止モードの前後における環境変動検出手段の検出結果に基づいて癖低減手段の作動を制御するので、癖低減動作を効率的に行うことができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 停止時間と巻癖部の大きさの相関関係を示す図である。 停止モードの開始時・終了時温度と巻癖部による異常画像との相関関係を示す図である。 停止モードの開始時・終了時温度と巻癖部による異常画像との相関関係を簡略に示す図である。 巻癖低減動作のフローチャートである。 巻癖低減動作のフローチャートである。 巻癖低減動作のフローチャートである。 巻癖低減動作のフローチャートである。 巻癖低減手段を有する中間転写ベルトの概略図である。 巻癖低減手段を有する中間転写ベルトの概略図である。 中間転写ベルトの転写方式を示すもので、(a)は直接転写方式、(b)は間接転写方式を示す図である。 画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図である。 画像形成装置の中間転写ベルト上に形成される階調パターン像を示す斜視図である。 像担持体の電位とトナー付着量との関係をxy座標にプロットしたグラフである。 画像形成装置の中間転写ベルト上に形成されるパッチパターンを示す斜視図である。 押さえ部材を有する転写ベルト装置の構成を示す概略図である。 押さえ部材を有する転写ベルト装置の構成を示す概略図である。 第2実施形態の巻癖低減動作を行う気流ダクトとその周辺の中間転写ベルトの構成を示す概略図である。 定着装置から中間転写ベルトに温風を供給する気流ダクトの概略斜視図である。 中間転写ベルトの巻癖部を巻癖低減位置に停止させる停止時間(温風吹きつけ時間)とベルト表面温度との相関を示すグラフである。 画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図である。 巻癖低減制御を示すフロー図である。 中間転写ベルトに発生した巻癖部の外周面における形状プロファイルの一例を示すグラフである。 (a)〜(c)は中間転写ベルトの巻癖による転写不良の発生原理を説明する模式図である。
(画像形成装置の概略)
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置の一つであるタンデム式カラープリンタに適用した2つの実施形態について説明する。このカラープリンタは、可動部材としての中間転写ベルトの巻癖を低減する巻癖低減動作を、後述するように、プリンタの停止モードの前後における環境変動検出手段の検出結果(環境温度)に応じて実行するようにしている。中間転写ベルトの巻癖低減を機械的矯正で行うのが第1実施形態であり、熱的応力緩和で行うのが第2実施形態である。
中間転写ベルトのように、少なくとも2つのローラ間に掛け渡された無端状ベルトは、低コストな可撓性材料としてNBR又はヒドリン系がよく使用される。しかし、このような可撓性ベルトは停止中に両端ローラ部分で変形癖として巻癖が付きやすく、大きな巻癖が付くと転写不良により異常画像が発生する。従って、中間転写ベルトの巻癖低減を効率的に行う必要がある。
画像形成装置では、中間転写ベルトの他に、可動部材として二次転写ローラ、搬送ベルト、感光体ベルト又は帯電ローラ等が使用されている。これら可動部材も、安価な熱可塑性樹脂であるNBR又はヒドリン系の材料を使用することが多く、中間転写ベルトと同じように変形癖がつきやすいという課題がある。以下の実施形態では中間転写ベルトの巻癖低減について説明するが、本発明は前記二次転写ローラ、搬送ベルト、感光体ベルト又は帯電ローラ等の変形癖低減にも適用可能である。
図1は当該カラープリンタの要部を示す概略構成図である。図示するように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkが、水平に延在する可動部材としての中間転写ベルト20に沿って、所定の間隔で並置されている。作像ユニットはプロセスユニットとも呼称される。以下、添字Y,M,C,Bkは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色をそれぞれ示すものとする。また、トナー色が異なるのみで構成的に4色共通の部材については、適宜添字を省略した参照符号で説明することとする。
この作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkは、図中時計方向に回転する潜像担持体たる像担持体11Y,11M,11C,11Bkを備えている。像担持体11は直径30mmの円筒形の感光体ドラムであり、周速50〜200mm/sで回転している。各像担持体11の周囲に、それぞれ帯電手段としてのローラ形状の帯電器12Y,12M,12C,12Bk、現像装置13Y,13M,13C,13Bk、一次転写ローラ14Y,14M,14C,14Bk、クリーニングユニット15Y,15M,15C,15Bkが順に配置されている。
帯電器12は像担持体11の外周に圧接されており、像担持体11の回転により帯電器12が従動回転する。帯電器12は図示しない高圧電源によりDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加され、この帯電バイアスにより像担持体11が一様に表面電位−500V等に帯電される。
作像ユニット10の上方には、図示しない潜像形成手段としての露光装置を備えている。帯電器12は、露光装置による露光箇所の上流側において像担持体11の表面に接触或いは近接して配置されている。そして帯電器12に帯電バイアスを印加することによって、像担持体11を所定の目標帯電電位に帯電するようにしている。
露光装置は、発光素子としてLD或いはLEDを使用している。そして、帯電器12によって帯電された像担持体11の表面に、露光装置から画像データ(画像情報)に基づいて変調した光Lを照射するようにしている。これにより、像担持体11の表面上における光照射部(露光箇所)で、帯電器12による帯電電位の絶対値が小さくなり(−50V等)、静電潜像が形成される。
現像装置13は、帯電極性が負であるトナーからなる一成分現像剤を用いた接触現像方式である。この現像装置13は、後述するように、現像装置13内のトナーを担持して像担持体11との対向部(現像領域)まで搬送するトナー担持体たる現像ローラ131が、像担持体11に臨む現像装置13の開口部に配置されている。
現像装置13では、図示しない高圧電源から供給される−200V等の所定の現像バイアスが現像ローラ131に印加される。この現像バイアスと、像担持体11の表面に形成された静電潜像の電位との電位差(現像ポテンシャル)により、現像領域において、帯電したトナーを静電潜像に付着させて現像が行われる。
タンデム式の電子写真では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色の画像を各像担持体11表面に形成する。画像形成がネガポジ方式(露光部電位を低くしトナーを付着させる方式)で行われる場合、帯電器12によって表面を一様に負に帯電された像担持体11は、露光用の光Lによって像担持体11表面に静電潜像を形成される。そして、現像装置13によって像担持体11表面にトナーが付着され、静電潜像が顕像化される。
現像装置13の上部には、現像装置13へ補給するトナーを収容したトナー容器132が連結されている。本実施形態では、トナー容器132から現像装置13内にトナーを直接的に補給する構成を採用している。この直接的補給構成に代えて、現像装置13から離れた箇所にトナー容器132を設け、プリンタ内に設置した補給経路を通じて、離れたトナー容器132から現像装置13内へトナーを補給する構成としてもよい。
中間転写ベルト20は、駆動ローラ21と従動ローラ22を含む複数の搬送ローラに掛け渡されている。駆動ローラ21は、後述する駆動手段としてのベルト駆動モータ162によって駆動可能に構成され、通常走行では駆動ローラ21の駆動により中間転写ベルト20が図中反時計方向に移動可能に構成されている。従動ローラ22の両側はばねにより図の左方に引っ張られ、これにより中間転写ベルト20に所定の張力が付与されている。
駆動ローラ21と従動ローラ22は、ポリウレタンゴム(肉厚0.3〜1mm)、薄層コーティングローラ(肉厚0.03〜0.1mm)等が使用可能である。本実施例では温度による径変化が小さいウレタンコーティングローラ(肉厚0.05、Φ19)を使用した。駆動ローラ21の電気抵抗値は、二次転写ローラ30よりも低くなるように、106Ω以下に設定した。
中間転写ベルト20に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが用いられる。本実施例では引張弾性率1000〜2000MPaのTPEにカーボンブラックを添加した単層構造の構成で厚さ90〜160μm、幅230mmのベルトを用いた。
また、電気抵抗としては、23℃、50%RHの環境にて体積抵抗率108〜1011Ω・cm、表面抵抗率108〜1011Ω/□のものを使用した。体積抵抗率と表面抵抗率は、共に三菱化学社製HirestaUP MCP-HT450にて測定した(印加電圧500V、印加時間10秒)。
中間転写ベルト20を挟んで、各像担持体11に対向して一次転写ローラ14が配置されている。一次転写ローラ14は、例えば直径12〜16mmのスポンジローラである。一次転写ローラ14は、106〜108Ωの抵抗値に調整されたイオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリンゴム)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられる。また、コストの点から、一次転写ローラを金属ローラとし、像担持体の中心に対して一次転写ローラをオフセット配置させてベルトと像担持体の間で転写ニップを確保する構成もある。
一次転写ローラ14は像担持体11の表面に向けて所定の押圧力を付与した状態で、図示しない単独の高圧電源により所定の一次転写バイアス+100〜+2000Vが印加される。この転写電圧により、像担持体11と一次転写ローラ14との間の転写ニップで、像担持体11の表面上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkで現像された像担持体11上のトナー像は、一次転写ローラ14によって中間転写ベルト20上に順次転写されて重ね合わされる。
各作像ユニット10Y,10M,10C,10Bkに対して、中間転写ベルト20の移動方向下流側には、二次転写ローラ30が配置されている。中間転写ベルト20上に多重転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像は、二次転写ローラ30によって転写材P上に一括転写される。トナー像が転写された転写材Pは、定着装置40に搬送されて加熱・加圧されてトナー像が定着された後、図示しない排紙口から装置外に排出される。
二次転写ローラ30は例えば直径16〜25mmのスポンジローラであり、106〜108Ωの抵抗値に調整されたイオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられる。
ここで、二次転写ローラ30の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得るためにはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加する必要生じるため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こり、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。これは低温低湿環境(例えば10℃15%RH)で顕著である。
逆に、二次転写ローラ30の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、単色画像部を転写するには比較的低電圧でも十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となる。このため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招くからである。
なお、一次転写ローラ14及び二次転写ローラ30の抵抗値測定は、導電性の金属製板にローラを設置し、芯金両端部にそれぞれ片側4.9Nの荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1kVの電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
中間転写ベルト20の周囲には、中間転写ベルト20に転写されたトナーの付着量及び各色の位置を測定するトナー濃度センサー50と、環境変動検出手段としての温度センサー51が設置されている。トナー濃度センサー50によって取得されたデータは、画像濃度や位置合わせの調整に使用される。
トナー濃度センサー50は正反射型センサーと拡散反射型センサーで構成される濃度センサーである。このトナー濃度センサー50で中間転写ベルト20上に形成されたトナーパッチのトナー量を検出する。
このトナー濃度センサー50は、巻癖部によりベルトの表面が接近すると、トナー濃度センサー50の受光量が増加する。従って、トナー濃度センサー50はトナー量を検出する他、中間転写ベルト20の巻癖部の大きさ(図18の巻癖高さ)も検出することができる。トナー濃度センサー50で正確な巻癖高さを検出することで、無駄のない必要十分な長さで巻癖低減動作時間を設定することが可能になる。
温度センサー51は、機内(マシン内部)における中間転写ベルト20の近傍に設置され、中間転写ベルト20の温度を間接的に検出する。温度センサー51を機内に配設することで可動部材である中間転写ベルト20の環境変動を正確に検出することができる。温度センサー51によって取得されたデータは、後述するように制御部210に取り込まれて中間転写ベルト20の癖低減作動等に利用される。
また、中間転写ベルト20の停止期間中に所定の大きさ以上の温度変化があると、当該温度変化により画像濃度や色ずれにも影響がある。そこで、温度センサー51のデータは画像濃度調整用又は色ずれ調整用としても使用することができる。温度センサー51は中間転写ベルト20の温度を直接的又は間接的に検出する各種型式を採用可能である。
また、中間転写ベルト20の周囲には、二次転写後の中間転写ベルト20をクリーニングするクリーニングユニット60が配置されている。クリーニングユニット60は、中間転写ベルト20に接する静電ブラシ61を有する。静電ブラシ61に代えて、より簡易構成のクリーニングブレード(図13のクリーニングブレード64)を使用してもよい。
クリーニングブレードは安価なウレタンゴム製が一般的である。但し、このようなクリーニングブレードは中間転写ベルト20に直接ブレード圧が作用するため、中間転写ベルト20に変形癖が付きやすいという課題がある。
しかし、後述するように、中間転写ベルト20に変形癖が付いても、本実施形態の癖低減作動によりこれを効果的に低減することができる。従って、安価なウレタンゴム製のクリーニングブレードを問題なく採用でき、低コスト化を容易にすることができる。
中間転写ベルト20を間に挟んで静電ブラシ61に対向する位置に金属製のクリーニング対向ローラ62が配設されている。静電ブラシ61によって低減された転写残トナーは、図示しない搬送コイルによって図示しない廃トナー収納部63に搬送されて収納される。
中間転写ベルト20に転写されたトナー像を転写するための転写材は、転写材カセット80もしくは図示しない手差し口にセットされる。当該転写材は、給紙搬送ローラ81、タイミングローラ対82等によって、中間転写ベルト20表面のトナー画像先端部が二次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。そして図示しない高圧電源により所定の二次転写バイアスを二次転写ローラ30に印加することで中間転写ベルト20上のトナー画像が転写材に転移する。
本構成において、給紙は縦型パスをとっている。転写材は二次転写対向ローラとなる駆動ローラ21の曲率によって中間転写ベルト20から分離され、転写材に転写されたトナー画像は定着装置40によって定着された後、排出口41から排出される。
二次転写バイアスの掛け方として2つの方式がある。第1の方式は、二次転写ローラ30にプラス(+)のバイアスを印加し駆動ローラ21を接地することで二次転写電界を形成する引力転写方式である。
第2の方式は、駆動ローラ21に−のバイアスを印加し二次転写ローラ30を接地することで二次転写電界を形成する斥力転写方式である。ここでは前者の引力転写方式を用い、通紙時の転写バイアスとして+5〜100μAの電流を定電流制御により印加した。
また、転写材の種類によって作像プロセス速度を変更するようにした。具体的には坪量100g/m2紙以上の転写材を用いる場合には作像プロセス速度を半速となるようにし、定着ローラ対によって構成される定着ニップを転写材が通常の作像プロセス速度の2倍の時間を掛けて通過することで、トナー画像の定着性を確保できるようにした。
なお、ここではタンデム方式のカラープリンタを例にとって説明したが、本発明は4サイクル方式のカラープリンタや、モノクロプリンタにも適用可能である。また、カラープリンタの現像装置は一成分現像剤を用いた接触現像方式に限らず、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いたものでもよいし、像担持体表面に直接現像剤が接触しない非接触現像方式でもよい。
(中間転写ベルトの停止時間と巻癖高さの関係)
図2は、前記中間転写ベルト20の停止時間と巻癖高さの関係を示したものである。停止モード開始時温度を5通りに異ならせてプロットしてある。図中の◆印が45℃、□印が35℃、△印が30℃、×印が23℃、○印が0℃の各開始時温度を示している。
中間転写ベルト20に生じる巻癖高さは、図2に示すように、停止モード開始時温度T1が高い方が巻癖高さが大きくなる。また、停止モードの時間が200分を越えると巻癖高さはほぼ安定化するが、200分未満では停止モードの時間が長い方が巻癖高さが高くなる傾向にある。そして巻癖高さ(図18参照)が1000μmを超えると、当該巻癖部を起因とする異常画像が発生する。
(中間転写ベルトの停止モード開始・終了時温度による異常画像の発生状況)
図3は、停止モードの開始時温度T1と終了時温度T2を様々に変えて中間転写ベルト20に生じる巻癖部による異常画像の発生状況を調べた実験結果を示すグラフである。この実験では、停止モードの開始時温度T1を200分維持した。図4は図3の結果を元に、中間転写ベルト20の停止モードの開始時温度と停止時温度を、「高温」と「低温」に単純化して示したものである。
この実験結果から、停止モードの開始時温度T1と終了時温度T2の大小関係と温度格差によって、異常画像の発生状況が変わることが判明した。開始時温度T1が所定値以下では、その後に温度上昇があって終了時温度T2との間に温度格差ができても、巻癖部による異常画像は認められなかった。
一方、開始時温度T1が所定値以上では、その後に温度低下があって終了時温度T2との間に温度格差ができると、巻癖部による異常画像が広い範囲で生じることが確認された。例えば、開始時温度T1が45℃の場合、停止モード後の温度が30℃未満であると、巻癖部による異常画像が発生する。
このように、停止モード開始時温度と停止モード終了時温度の温度差と、巻癖部による異常画像発生との間には相関があり、停止モード開始時温度より停止モード終了時温度が低い方が巻癖異常画像が発生しやすい。なお、巻癖異常画像が発生するときの巻癖高さは1000μmを超える場合であり、1000μm以下の巻癖高さでは、停止モード開始時温度と停止モード終了時温度の関係なく巻癖異常画像は発生しない。また停止モード開始時温度と停止モード終了時温度の両方とも所定以上の高温のときは、巻癖部が硬化せずに転写ニップ圧で押しつぶされるので巻癖異常画像は発生しない。
図3において、異常画像が発生する領域と、発生しない領域の間に、仮想的に線引きすると、図示する境界線のようになる。この境界線が、異常画像が発生するかしないかの閾値を示す。この閾値は、中間転写ベルトの材質等によって異なることは当然である。
一方、開始時温度T1が30℃以下で終了時温度T2が15℃以上の場合は、巻癖部による異常画像が発生しない。また、開始時温度T1が35℃の場合、終了時温度T2が20℃未満であると巻癖部による異常画像が発生するが、終了時温度T2が25℃以上では異常画像が発生しない。
巻癖部に対する温度の影響について説明する。高温状態での停止モードで巻癖部が発生し、温度に応じて巻癖高さが変わる。
前述した図2から分かるように、停止モード開始時温度T1が高いほうが巻癖高さは大きくなる。ベルトの特性として、低温環境下ではベルトの硬度が上がって弾性が高くなる。従って、終了時温度T2が低温の場合、巻癖部が高くて硬くなる傾向がある。そしてこの巻癖部が一次転写部に到来すると、像担持体と一次転写ローラとの間の転写ニップで硬い巻癖部を押しつぶすことができず、像担持体とベルトの間に空隙が生じるため一次転写不良などが発生すると考えられる。
逆に、停止モード終了時温度T2が高温の場合は硬度が下がって弾性が低くなる。従って、巻癖部ができて一次転写部に到来しても、当該巻癖部を像担持体と一次転写ローラとの間の転写ニップで容易に押しつぶすことができるため、異常画像は発生しない。
このように、停止モードの開始時と終了時の温度条件によって巻癖高さと硬さが異なり、異常画像の発生状況が異なる。従って、停止モードの開始時と終了時の温度条件に応じて、巻癖低減動作としての中間転写ベルト20の回転時間又は回転数を適正化できることが分かる。
(第1実施形態−機械的矯正による巻癖低減)
前述した図2〜図4の知見に基づいて、図5A〜図5Dのフローで示す要領で中間転写ベルト20の巻癖低減動作を行う。この巻癖低減動作により、中間転写ベルト20の巻癖部を効率的に低減することができる。巻癖低減動作は、例えば中間転写ベルト20を駆動ローラ21の回転により所定時間又は所定距離だけ周回駆動することで行うことができる。
ここで図5A〜図5Dのフローを説明する前に、本発明の実施形態による巻癖低減動作と、前述した特許文献1〜7の発明との相違を明確化するために、特許文献1〜7の発明の課題を以下に説明することとする。これらの発明では、いずれも巻癖が付いているか否かに関わらず中間転写ベルトないし搬送ベルトを駆動するので、当該ベルトの無駄な駆動が発生し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまっていた。
すなわち、前記特許文献1(特開2007−230695号公報)の発明は、画像形成装置が作像していない停止時に、停止開始から所定時間が経過すると中間転写ベルトを低速で周回駆動し、巻癖が局在しないようにしているが、巻癖が付いているか否かに関わらず中間転写ベルトを駆動するので、中間転写ベルトの無駄な駆動が発生し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうという課題がある。
前記特許文献2(特開平10−142963号公報)の発明は、巻癖が付いているか否かに関わらず中間転写ベルトを駆動するので、中間転写ベルトの無駄な駆動が発生し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうという課題がある。また、ベルトマークセンサーを必要とするため、低コスト化と小型化に向かないという課題がある。
前記特許文献3(特開2005−122018号公報)の発明は、高温環境で停止状態となってその後に低温環境に移行するような場合は、低温環境移行でベルトが固まって巻癖として顕在化するので、作像前のベルトの予備回転で巻癖を低減することができて有効である。
しかし、高温環境で停止状態に入った場合でも、当該高温環境が継続する場合は巻癖が顕在化しない。従って、巻癖による異常画像の発生はない。このため、この場合は中間転写ベルトの無駄な駆動が発生し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうという課題がある。
前記特許文献4(特開2010−215399号公報)の発明は、停止状態の全体を通して環境温度が低い場合でも通常の癖低減動作を行う。しかし、停止状態の全体を通して環境温度が所定温度よりも低い場合は、実際は巻癖が付きにくい。
また、停止状態の始めで高い環境温度であっても、その後に温度が低下して停止状態の終わり近くではかなり低い環境温度になっていることもある。このような場合は巻癖が非常に付きやすいことが本発明者らの実験によって判明した。
従って、特許文献4(特開2010−215399号公報)の発明では実際に巻癖が付いていないにも関わらず中間転写ベルトを無駄に駆動し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうおそれがある。また実際に巻癖が付いているにも関わらず中間転写ベルトが駆動されないおそれもある。
また、巻癖を抑制するためにヒータを追加して中間転写ベルトを温めることも考えられるが、ヒータの追加が必要となり低コスト化と小型化に向かないし、省エネにも反するという課題がある。
前記特許文献5(特開2006−53259号公報)の発明は、停止状態の全体を通して環境温度が所定温度よりも低い場合は、前述したように実際は癖が付きにくい。また、停止状態の始めで高い環境温度であっても、その後に温度が低下して停止状態の終わり近くではかなり低い環境温度になっていることもある。このような場合は前述したように巻癖が非常に付きやすい。
従って、特許文献5(特開2006−53259号公報)の発明も、実際に巻癖が付いていないにも関わらず中間転写ベルトを無駄に駆動し、省エネに反する上にイニシャル時間も長くしてしまうおそれがあり、また実際に巻癖が付いているにも関わらず中間転写ベルトが駆動されないおそれもある。
前記特許文献6(特開2001−100541号公報)の発明は、定着装置の熱を熱伝導ローラや熱伝導ベルトを介して搬送ベルトまで伝達させるため、熱伝達のための部材が必要であり、そのためのスペースが必要で装置が大型化するしコストアップにもなる。
前記特許文献7(特開2005‐122019号公報)の発明は、電源オフ時の温度に基づいて巻癖予測をするため、電源オフ時高温かつ電源オン時高温のように、巻癖異常画像が発生しない場合も含めて癖低減動作を行うので無駄な動作が発生する。
特許文献1〜7の発明には以上のような課題があった。
巻癖が凸形状となって顕在化するのは、高温環境で停止状態に入ることでベルトに癖の元がつき、その後停止状態のまま低温環境に移行することで癖の元が固まって変形癖として顕在化するためであると考えられる。
そこで、停止モード開始時(電源オフ時)温度と停止モード終了時(電源オン時)温度の両方を検出して、高温環境から低温環境への移行を定義する所定の温度閾値を超えた場合にのみ、可動部材の巻癖低減動作を実施する。これにより、無駄のない効率的な巻癖低減動作が可能となり、ダウンタイムの無駄な延長をなくすことができると考えられる。
本発明の実施形態では、図5A〜図5Dのフローで示す要領で中間転写ベルト20の巻癖低減動作を行う。まず図5Aのフローから説明する。
はじめに、ステップS5、S7、S8の高温閾値X、停止時間閾値Y、低温閾値Zは、本実施形態ではX=35℃、Y=120分、Z=30℃とする。中間転写ベルト20の停止モードの開始時温度T1と終了時温度T2は、前述した温度センサー51によって取得される。
前記X、Y、Zの各値は、中間転写ベルト20にNBR又はヒドリン系の材料を使用した場合の値である。中間転写ベルト20に他の材料を使用する場合は前記値とは異なることがある。
また、巻癖低減動作の省エネ化等のために、前記X、Y、Zの値を適宜増減変更することも可能である。例えば、図3で停止モード開始時温度35℃では終了時温度15℃が異常画像の境界となるので、Z=15℃と設定することも可能である。
ステップS1で電源をオンにすることでフローがスタートする。ステップS2とS3で、前回の電源オフ直前の停止モードの開始時温度T1と開始時刻t1をメモリから呼び出す。ステップS4で温度データの高・低温閾値(X、Z)を確認する。前記メモリは、例えば後述する制御部210のRAM203等の内部メモリである。
ステップS5で停止モード開始時温度T1が高温閾値X未満と判定されると、ステップS6で通常動作(印刷)の立ち上げを実施する。つまり、この場合は巻癖による異常画像が生じないので、癖低減動作を行わない。
ステップS5で温度T1が高温閾値X以上と判定されると、電源オン時の時刻(停止モード終了時刻)t2を読み出し、ステップS7で前回の電源オフ時点の時刻(停止モード開始時刻)t1との差分(停止時間t=t2−t1と定義)が、停止時間閾値Y以上か未満か判定される。停止時間tの間は、中間転写ベルト20が停止モード開始時温度T1を持続するものとする。
ステップS7で停止時間閾値Y未満と判定されると、ステップS13で巻癖低減動作の回転時間Aが記憶される。当該記憶場所は例えば後述する制御部210のRAM203等の内部メモリである。その後、ステップS10において、記憶した回転時間Aだけ巻癖低減動作が行われる。
ステップS7で停止時間閾値Y以上と判定されると、停止モードの終了時温度T2を参照して、ステップS8で終了時温度T2が低温閾値Z以上か未満か判定される。ステップS8で終了時温度T2が低温閾値Z以上と判定されると、ステップS14で回転時間Bが記憶され、その後、ステップS11において、記憶した回転時間Bだけ巻癖低減動作が行われる。回転時間Bの記憶場所は、例えば後述する制御部210のRAM203等の内部メモリである。
なお、回転時間AとBは、中間転写ベルト20の物性によって、きわめて短時間としたり、回転時間ゼロにして巻癖低減動作を省略したりすることも可能である。回転時間AとBをゼロにして巻癖低減動作を省略すると、巻癖低減動作は後述の回転時間Cのみとなる。
次に、ステップS8で終了時温度T2が低温閾値Z未満と判定されると、ステップS9で回転時間Cが記憶され、その後、ステップS11において、記憶した回転時間Cだけ巻癖低減動作が行われる。回転時間Cの記憶場所は、例えば後述する制御部210のRAM203等の内部メモリである。
ステップS10での各回転時間A、B、Cの巻癖低減動作において、回転時間の残時間がゼロとなったときに、ステップS11でフローが終了となる。回転時間の長さを比較すると、A<B<Cの順になる。ただし、何らかの要因にて、回転時間未達状態になった場合は、再度初期フロー(ステップS1)に戻り、前述したフローを繰り返し、所定の回転時間だけ巻癖低減動作が行われるまでフローは終了しない。なお、中間転写ベルト20の回転時間の長さは、走行距離の長さと比例するので、走行距離の長さで巻癖低減動作を制御するようにしてもよい。
本実施形態においては、停止モードの開始時温度T1が35℃未満の場合、異常画像となる巻癖高さ(1000μm=1mm)までは到達しない。従って、図5AのフローのステップS5において停止モードの開始時温度T1が高温閾値X(=35℃)以上であることを検出することで、無駄のない効率的な巻癖低減動作が可能となる。
図5Bは、ファーストプリントを重視するユーザー向けの巻癖低減動作のフローである。通常は、図2Aのように、巻癖低減動作を行った後に通常動作(印刷)を行う。しかし、それでは、電源オンをした後にすぐにプリントしたい急ぎの印刷でユーザーを待たせることになる。
そこで、ファーストプリントを重視するユーザー向けに、電源オン後に巻癖低減動作を行うことなくステップS10で最初の通常動作(印刷)を行う。巻癖低減動作は最初の通常動作(印刷)の後のステップS11で行う。
その他は図5Aと同様である。このフローによると、通常動作(印刷)が巻癖低減動作にもなるので、後続のステップS11の巻癖低減動作の時間を低減し省エネを図ることが可能である。
図5Cは、中間転写ベルトの巻癖部に画像が転写されないように、ステップS10で当該巻癖部を避けて印刷するようにしたものである。具体的には、中間転写ベルト上の前後に隣接する2つの画像形成領域間の非画像領域に巻癖部を位置させる。
露光タイミングを変更する他、中間転写ベルトの搬送動作(タイミング)を変更することでも巻癖部を避けた印刷が可能である。その他は図5Aと同様である。この図5Cのフローは巻癖部に画像を転写しないので、ファーストプリントを重視する図5Bのフローで特に有効である。
図5Dは、巻癖低減動作を自動ではなく、ステップS10でユーザーの手動操作による任意のタイミングで行えるようにしたフローである。ユーザーが液晶パネル等にタッチすると、巻癖低減動作を行うか行わないかの選択画面が現れ、巻癖低減動作を行う方をタッチすると巻癖低減動作が行われる。
巻癖低減動作を行わない方をタッチすると画面が閉じられ、通常の印刷が実行される。その他は図5Aと同様である。この図5Dのフローはユーザーの手動操作で巻癖低減動作の要否を選択可能であるから、図5Bのファーストプリントにも対応可能となる。
図6Aは、中間転写ベルト20の巻癖を効率よく低減するための巻癖低減手段を示すものである。巻癖低減手段として、最上流の像担持体11Yの上流側において、中間転写ベルト20に上下から当接する押圧部材としての金属製の逆屈曲ローラ(押し下げローラともいう)90と、受けローラ91が配設されている。
駆動ローラ21は駆動モータ162によって駆動され、従動ローラ22はテンションローラとして機能する。逆屈曲ローラ90は中間転写ベルト20の表面に当接している従動ローラである。駆動ローラ21と従動ローラ22の間に掛け渡された中間転写ベルト20は、駆動ローラ21の回転によって、その回転方向に駆動する。像担持体11が配設されている側が弛み側とされ、反対側が張り側とされている。
弛み側となるベルト展張面に像担持体11を配置するのは、像担持体11と中間転写ベルト20とを、小さな力を以って、中間転写を可能とする十分な接触幅で接触させ、転写効率向上と安定転写による画質向上を図るためである。
像担持体11の転写ニップにおいて中間転写ベルト20に作用する押圧力は、像担持体11への中間転写ベルト20の巻き掛け量と、中間転写ベルト20にかかるテンションによって決まる。弛み側ではこの押圧力が張り側に比べて小さく、転写ニップで巻癖部に作用する押圧力が小さい。このため中間転写ベルト20の弛み側では転写不良が発生しやすいから、弛み側に巻癖低減手段を配置することが有用である。
なお、巻癖はベルトの曲率が大きく押圧力も大きい箇所で発生する傾向がある。本実施形態の巻癖が生じやすい箇所の1つが巻癖矯正用の前記逆屈曲ローラ90の箇所である。図5A〜図5Dで説明した巻癖低減制御においては、この逆屈曲ローラ90の位置を前述した制御部210で参照することで巻癖部の位置を特定することができる。
逆屈曲ローラ90は押圧部材として機能するもので、中間転写ベルト20を外側から、すなわち巻癖の変形方向とは反対方向から押圧する。巻癖を効率的に低減するために、逆屈曲ローラ90の外周面の曲率は、巻癖が付きやすい駆動ローラ21の外周面の曲率よりも大きくされている。
次に、このような巻癖低減手段による巻癖低減作用を説明する。中間転写ベルト20の停止モードにおいて、図3の×印のような温度条件になると、駆動ローラ21に当接したベルト端部に巻癖ができる。
図6Bはこの巻癖が駆動ローラ21から送り出された直後を示している。この時、巻癖高さの頂点Cはクリーニング対向ローラ62に乗り上げている。
その後、巻癖が逆屈曲ローラ90の位置に来ると、当該頂点Cが逆屈曲ローラ90によって下方に押圧されて反対方向に凹状に屈曲される。図6Aの点線で囲まれた領域Sが凹状に屈曲される部分である。従って、この押圧状態で中間転写ベルト20を短い距離(一周未満の走行距離)で繰り返し往復動(複数回正逆回転)することで、巻癖を効率よく低減することができる。
詳しくは、巻癖高さの頂点Cの箇所を、逆屈曲ローラ90の位置から中間転写ベルト20の回転方向(図6Aの左方)に例えば5mm移動させた後、逆回転方向(図6Aの右方)に5mm移動させる。この正逆回転操作をそれぞれ例えば20回繰り返すことで、通常の巻癖低減動作による巻癖低減時間に対して、20%程度の時間短縮を図ることができる。
ここで、「通常の巻癖低減動作」とは、逆屈曲ローラ90、受けローラ91など特別な巻癖低減手段を使用せずに、中間転写ベルト20を一方向に周回駆動することで巻癖を転写ニップに通過させるものをいう。
巻癖を効率的に低減するためには、巻癖を逆屈曲ローラ90の前後の短い範囲内で移動させる必要がある。このためには巻癖の位置を正確に検出することが前提となる。巻癖の位置は、駆動ローラ21の回転位置によって検出することができる。
駆動ローラ21の回転位置は、後述する図8のブロック図のベルト駆動モータ162の制御部210によって制御されている。従って、巻癖位置は制御部210で検出可能であり、制御部210は巻癖の位置検出手段になり得る。
本実施形態では、巻癖に対して画像が転写されないように転写タイミングを制御する。すなわち、各作像ユニット10の像担持体11から中間転写ベルト20上にトナー像を転写する際に、巻癖Cがベルト上の画像形成予定領域に入らないように制御する。換言すると、中間転写ベルトの搬送方向に並んだ複数の画像領域の間の非画像領域に巻癖Cが来るように制御する。
この制御方法を図6Bで説明する。中間転写ベルト20の搬送方向にみて、巻癖Cの後端から、作像が実施される像担持体11のうち最上流の像担持体11Yと、中間転写ベルト20の当接点(一次転写ニップ)までの距離をL1とする。
中間転写ベルト20の速度をVとすると、巻癖Cが駆動ローラ21から離間した後、更にL1/V秒を経過した時点からトナー像の転写を順に開始する。こうすることで、巻癖Cが像担持体11Yの一次転写部を通過した直後からトナー像の転写が開始され、巻癖Cが画像領域に入るのを防止することができる。
トナー像の転写を開始するタイミングは、前記のように時間で制御するのに代えて、駆動モータ162の回転時間Tm秒から、L1<V×Tmとなるタイミングでトナー像の転写を行うことでも同様の効果が得られる。連続で印刷する際には、2枚目以降の印刷時の転写を実施するタイミングは、第1転写開始時刻を基点(ゼロ)として、転写ベルトの周長をLbとすると、Lb/V[秒]毎に転写を開始すればよい。
印刷終了後は、ベルト駆動が停止するときに巻癖Cが中間転写ベルト20の周期上のどの位置にあるのかを、プリンタ本体内に保存する。巻癖Cの位置は、第1転写開始時刻を基点(ゼロ)として、ベルト駆動モータ162の回転時間Tm[秒]と、中間転写ベルト20の速度Vとから、V×Tmによって推定することができる。
次の印刷動作まで、この値(V×Tm)を本体の制御部210のRAM203等のメモリ内に保存する。そして当該値(V×Tm)を、次の印刷動作時に、巻癖Cの位置を参照するために用いる。
このように巻癖Cの位置を参照して確認することで、当該巻癖Cが画像領域ではなく非画像領域に自動的に入るように制御することができる。また、巻癖Cが毎回停止モードで同じ駆動ローラ21又は従動ローラ22にかかる位置で停止させたり、或いは巻癖Cが毎回駆動ローラ21又は従動ローラ22から少しズレた位置に停止させたりすることができる。
前記のように、巻癖Cの停止位置を同じ駆動ローラ21又は従動ローラ22の位置とすることで、ベルトの制御を容易化することができる。また巻癖Cの停止位置を駆動ローラ21又は従動ローラ22から少しズレた位置にすることで、ベルトの耐久性を向上させることができる。
次に、図7により一次転写の種類について説明する。図7(a)が直接転写方式、図7(b)が間接転写方式(オフセット転写方式)の模式図である。(a)の直接転写方式では、中間転写ベルト20の弾性力と、一次転写ローラ14の直接押圧力とによって、像担持体11の当接部を通過する中間転写ベルト20の巻癖Cを巻癖低減方向に押圧することが可能である。
これに対して(b)の間接転写方式では、像担持体11が一次転写ローラ14から直接押圧力を受けることができない。このため、中間転写ベルト20の巻癖Cに、巻癖を直接的に低減する押圧力を作用させることができない。
従って、(b)の間接転写方式は巻癖に対する癖低減作用が(a)の直接転写方式に比べると小さい。このため、前述した本実施形態の癖低減動作が有用となる。
(プリンタの制御手段)
図8は、本実施形態に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御手段たる制御部210は、CPU(Central Processing Unit)201と、制御プログラムや各種データを記憶したROM(Read Only Memory)202と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)203とを有している。
前述した温度センサー51によって取得されたデータ、及び停止モード時間t(=停止モード終了時刻t2−停止モード開始時刻t1)のデータは、制御部210のRAM203等のメモリに取り込まれて中間転写ベルト20の癖低減作動等に利用される。すなわち、当該RAM203は停止モードの開始から終了までの時間を記録する記録手段として機能する。
この制御部210には、各周辺制御部との間で信号の授受を行うためのI/Oインターフェース204を介して、一次転写バイアス電源111、二次転写バイアス電源120、光書込ユニットの制御を専用に司る光書込制御回路205などが接続されている。また、駆動ローラ21の駆動手段である駆動モータ162や、タッチパネル等からなる走査表示部184なども接続されている。
更には、第1端部フォトセンサー151、中央フォトセンサー152、第2端部フォトセンサー153、Yフォトセンサー154Y、Mフォトセンサー154M、Cフォトセンサー154C、Bkフォトセンサー154Bk等を有する光学センサーユニット150も接続されている。
これらフォトセンサーは図9のように配置された反射型フォトセンサーである。当該反射型フォトセンサーは、図示しない発光手段から発した光を中間転写ベルト200で反射せしめ、その反射光を図示しない受光手段で検知する。
(作像条件の調整)
本実施形態のプリンタは、前述したように中間転写ベルト20の環境温度を検出する温度センサー51を備えている。この温度センサー51を使用して前述のように巻癖低減動作を行うのであるが、当該温度センサー51からの情報に基づいて以下の作像条件を調整することもできる。
従って、中間転写ベルトの停止中に所定の大きさ以上の温度変化があった場合、巻癖低減動作と作像条件の調整動作(画像濃度調整と色ずれ調整を含む)を同時に行うことでダウンタイムの低減を図ることが可能である。
以下、作像条件の調整について説明する。本実施形態のプリンタは、前記光書込ユニットや各色の作像ユニット(10Y,10M,10C,10Bk)などからなる作像装置の作像条件を調整するための作像条件調整処理を、所定時間経過毎などの所定のタイミングで実施するようになっている。
そして、この作像条件調整処理において、後述するプロセスコントロール処理と、位置ずれ補正処理とを行う。ここで、作像条件調整には画像濃度調整が含まれる。
そして、これらの処理では、光書込制御回路205が制御部210からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて光書込ユニットなどを制御したり、制御部210が各プロセスユニットや転写ユニットの駆動を制御したりする。これにより、後述する画像濃度検知用の階調パターン像や、色ずれ検知用の複数のトナー像からなるパッチパターン像を中間転写ベルト200上に形成する。
より詳しくは、作像条件調整処理におけるプロセスコントロール処理では、中間転写ベルト200上に画像濃度検知用の階調パターン像を形成する。この画像濃度検知用の階調パターン像としては、Y,M,C,Bk階調パターン像の4つが形成される。
それぞれの階調パターン像は、予め定められた画素パターンからなる14個のY,M,C,Bk基準トナー像からなっている。そして、それぞれ14個のY,M,C,Bk基準トナー像は、互いに異なるトナー付着量(画像濃度)になるように形成される。
例えば、Bk階調パターン像SBkを例にすると、これは、図9に示すように、段階的にトナー付着量が徐々に増えていくY基準トナー像SBk1、SBk2・・・・SBk13、SBk14という14個のBk基準トナー像から構成されている。
これらBk基準トナー像は、中間転写ベルト200の進行方向に所定の間隔をおいて並ぶようにベルトおもて面に形成される。これらBk基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量は、光学センサーユニット150のBkフォトセンサー154Bkによって検知される。
この検知結果は、出力値Vpi(i=1〜14)として、I/Oインターフェース204を介してRAM203に送られる。
光学センサーユニット150において、各フォトセンサー(153、154Bk,C、152、154M,Y、151)は、ベルト幅方向(ローラの回転軸線方向)に一直線上に並ぶように配設されている。上述したBk基準トナー像は、中間転写ベルト200のおもて面のベルト幅方向において、Bkフォトセンサー154Bkの設置位置と同じ位置に形成されるため、Bkフォトセンサー154Bkによって検知される。
Bkと同様にして、Y,M,Cについても、それぞれ14個のY,M,C基準トナー像が、ベルト幅方向においてY,M,Cフォトセンサー154Y,M,Cの設置位置と同じ位置に形成されて、Y,M,Cフォトセンサー154Y,M,Cによって検知される。そして、Y,M,C基準トナー像に対するトナー付着量の検知結果であるY,M,Cフォトセンサー154Y,M,Cの出力値Vp1〜14がRAM203内に記憶される。
制御部210は、RAM203に記憶されたこれら出力値と、ROM202内に格納されているデータテーブルとに基づいて、それぞれの出力値を単位面積当りのトナー付着量に換算し、トナー付着量データとしてRAM203に格納する。
図10は、像担持体の電位とトナー付着量との関係をxy座標にプロットしたグラフである。同図において、x軸には現像ポテンシャル(階調パターン像作像時の現像バイアス電圧と像担持体11Y,M,C,Bkの表面電位との差:単位V)を割り振り、y軸には単位面積当りのトナー付着量(mg/cm2)を割り振っている。
制御部210は、RAM203内に記憶されている電位データとトナー付着量データから、各色毎に、電位データとトナー付着量データとの関係(現像特性)が直線となる領域のものを選択し、これらのデータの平滑化処理を行う。そして、その平滑化処理後の電位データ及びトナー付着量データに対して最小自乗法を適用することによって各現像装置の現像特性の直線近似を行う。
更に、各現像装置の現像特性の直線方程式y=ax+bを各色毎に求めた後、この直線方程式における傾きaに基づいて各プロセスユニット(5Bk,Y,M,C)における作像条件を調整する。作像条件を調整する方法としては、特開平9−211911号公報に記載されているように、感光体一様帯電電位や現像バイアスを調整する方法が挙げられる。また、二成分現像方式を採用した場合には、二成分現像剤のトナー濃度の制御目標値を調整してもよい。
図11に示したように、プロセスコントロール処理においては、中間転写ベルト200の移動方向(副走査方向)に所定のピッチで並ぶ14個のBk基準トナー像SBk1、SBk2・・・SBk13、SBk14からなるBk階調パターン像SBkが形成される。また、このBk階調パターン像SBkに対して主走査方向(ベルト幅方向)に隣り合うように、副走査方向(ベルト進行方向)に所定のピッチで並ぶ14個のY基準トナー像SY1、SY2・・・SY13、SY14からなるY階調パターン像SYが形成される。
また、このY階調パターン像SYに対して主走査方向に隣り合うように、副走査方向に所定のピッチで並ぶ14個のM基準トナー像SM1、SM2・・・SM13、SM14からなるM階調パターン像SMが形成される。また、このM階調パターン像SMに対して主走査方向に隣り合うように、副走査方向に所定のピッチで並ぶ14個のC基準トナー像SC1、SC2・・・SC13、SC14からなるM階調パターン像SCが形成される。
また、作像条件調整処理における位置ずれ補正処理では、中間転写ベルト200における幅方向の両端付近及び中央付近に、図11に示されるような位置ずれ検知用のパッチパターンを形成する。両端付近及び中央付近にそれぞれ形成されるこれら3つのパッチパターンは、それぞれ副走査方向に所定の間隔で並ぶ4つのY,M,C,Bk基準トナー像Sy、Sm、Sc、Skからなり、同色の基準トナー像がそれぞれ主走査方向に並ぶように形成される。
同図において、ベルト幅方向の手前側端部付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、第1端部フォトセンサー151によって検知される。また、ベルト幅方向の中央付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、中央フォトセンサー152によって検知される。
また、ベルト幅方向の奥側端部付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、第2端部フォトセンサー153によって検知される。各色の基準トナー像の形成タイミングが互いに適切であれば、各基準トナー像の検知間隔がそれぞれ等しくなるが、不適切であると、各色の基準トナー像の形成間隔が等しくなくなる。そして、検知間隔も等しくなくなる。
また、光学系に光書込のスキューが生じていなければ、3つのパッチパターンの間において、それぞれ同色の基準トナー像が同じタイミングで検知されるが、スキューが生じていると検知タイミングが異なってくる。制御部210は、主走査方向や副走査方向における各色トナー像の検知間隔や検知タイミングのずれに基づいて、各像担持体に対する光書込開始タイミングや光学系を調整して、各色トナー像の位置ずれを抑える。
なお、上述した階調パターン像やパッチパターンを形成した際には、図1に示した二次転写ローラ30を中間転写ベルト200(20)から離間させて、階調パターン像やパッチパターンの二次転写ローラ30への転位を回避するようになっている。
スキューずれの補正については、図示しない駆動機構により、光書込ユニットの内部にある各色のレーザー光を折り返すためのミラーの傾きを調整することによってなされる。ミラーに傾きを付勢するための駆動源としてはステッピングモータが用いられている。
各色トナー像の副走査方向(ベルト移動方向)の位置ずれの補正については、各像担持体に対する光書込開始タイミングを調整することによってなされる。また、基準色であるBkに対して、Y,M,Cのパッチパターン内における各基準トナー像の主走査方向の倍率がずれていたときには、信号の周波数を非常に小さいステップで変更可能なクロックジェネレータ等のデバイスによって倍率が補正される。
(押さえ部材付きの中間転写ベルト)
次に、押さえ部材付きの中間転写ベルトについて説明する。図12Aと図12Bは、本実施形態のプリンタに使用する押さえ部材230A付きの中間転写ベルト200の構成を示す概略図である。押さえ部材230Aは、中間転写ベルト200を巻き掛けたローラに対向して配設され、少なくともベルト片側端部にて、ベルトが当該ローラに対して上流側から巻き掛かっている箇所を垂直方向から押さえ付けている。
押さえ部材230Aは中間転写ベルト200の内側方向にテーパ形状を付けられ、中間転写ベルト200の側縁上の不要なトナーを効率よく回収するようにしている。また、押さえ部材230Aによってベルトの端寄りを抑制する作用も得られる。
このような押さえ部材230Aがあると、ローラとの間の局部的な直接押圧力により、中間転写ベルト200に変形癖が付きやすい。このような変形癖がベルト中央方向に延びると異常画像の原因になる。従って、当該変形癖を効率的に低減する必要がある。
押さえ部材230Aを設けることにより、押さえ部材230Aに堆積したトナーが順次中間転写ベルト200の内側へ流れていく。また、押さえ部材230Aを内側へテーパ形状を付けることで押さえ部材230Aに一定以上トナーが溜まらずに、中間転写ベルト200の内側に徐々にトナーを流すことができる。従って、押さえ部材230Aにトナーが溜まりにくく、トナーの飛散を抑えることができる。
押さえ部材230Aの材質としては、摺動性樹脂である摺動POM、摺動ABSや、摺動スポンジ、フェルト材等の他、ゴムブレードのような弾性体が使用可能である。中間転写ベルト200上の画像領域として、A4紙横サイズ210mm、及びレター紙横サイズ216mm以上を確保する必要があるため、押さえ部材230Aの横幅は、2〜5mmとした。これにより、画像を乱すことなく中間転写ベルト200の座屈を抑制することができ、長期間に渡って安定したベルト駆動を行なうことが可能となる。
図12Bは別の押さえ部材230Bを示している。この押さえ部材230Bの端部は、レター紙の画像領域300よりも外であり、かつ、中間転写ベルトクリーニングユニット600のクリーニングブレード610の端部よりも中間転写ベルト200の内側になるように配置されている。
これにより、押さえ部材230Bから中間転写ベルト200の内側に流れたトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット600によって再回収される。特に、押さえ部材230Bの端部がレター紙の画像領域300よりも外であるため、ベルトの寄り防止用の突き当て部材のフランジ220にトナーが接触又は滞留することを少なくできる。
しかし、中間転写ベルトクリーニングユニット600が備えるクリーニングブレード610は、全ての画像領域及びその外側までクリーニングしなければならないことから、フランジ220にトナーが接触する機会が多くなる。そこで、押さえ部材230Bを、クリーニングブレード610の端部よりも中間転写ベルト200の内側になるように配置し、更に、テーパ形状を持たせている。
これによって、中間転写ベルト200上のトナーを再度、内側に集め、中間転写ベルトクリーニングユニット600によって再回収することができる。押さえ部材230Bにトナーが溜まり飛散することを防止すると共に、クリーニングユニット600で再回収させることで余分な機構を付ける必要が無く低コストで構成できる。
また、中間転写ベルトクリーニングユニット600の端部からトナーが漏れてきても、押さえ部材230Bを内側へテーパ形状を付けることで押さえ部材230Bに一定以上トナーが溜まらないようにできる。そして中間転写ベルト200の内側に徐々にトナーを流すことができ、押さえ部材230Bにトナーが溜まりにくく、飛散を抑えることができる。
押さえ部材230Bに堆積することによるトナー飛散の発生、中間転写ベルトを有するユニット内部の汚れを抑えることで通電不良やTMセンサー受光部が汚れることを抑えることができる。従って、中間転写ベルト200は、長期にわたって安定した走行が可能になる。
(第2実施形態−熱的応力緩和による巻癖低減)
次に、本発明の第2実施形態を図13〜図17に基づいて説明する。この第2実施形態は、中間転写ベルト20の巻癖を低減する巻癖低減手段が、熱的応力緩和による巻癖低減手段で構成されている。
すなわち、この第2実施形態では定着装置40から得られる熱を利用して、中間転写ベルト20の巻癖低減用に吹き付ける気流を加熱するようにしている。定着装置40の熱を利用することで、巻癖低減用に専用ヒータを配設するスペースとコストを削減可能である。
図13は画像形成装置の中間転写ベルト20の上流端の周辺構造を示す概略図である。図示するように、駆動ローラ21から最上流のイエローの作像ユニット10Yに至る間に、クリーニングブレード64を有するクリーニングユニット60、クリーニングブレード64に対向配置されたクリーニング対向ローラ62及び逆屈曲ローラ93が配設されている。
逆屈曲ローラ93は、前述した第1実施形態で説明した巻癖矯正用の逆屈曲ローラ90(図6A、図6B参照)と同じ機能を有するものである。但し、図6A、図6Bでは逆屈曲ローラ90の反対側に受けローラ91を配設しているが、図13ではコンパクト化のため受けローラ91を省略し、一次転写ローラ14Yで受けローラを兼用している。
クリーニング対向ローラ62と逆屈曲ローラ93との間の中間転写ベルト20の上方に、気流吹出口42aが配設されている。この気流吹出口42aは、送風手段としてのモータ駆動の送風ファン43を内蔵した気流ダクト42によって定着装置40のケース40c側面に接続されている。
定着装置40のケース40c内には、ハロゲンヒータ等の定着ヒータを内蔵した加熱ローラ40aと、この加熱ローラ40aに圧着した定着ローラ40bが収容されている。定着ヒータを点灯すると、加熱ローラ40aから放射される熱でケース40c内の雰囲気が高温になる。この高温雰囲気を温風として中間転写ベルト20の巻癖が位置する所定部位に吹き付ける。
気流ダクト42は、定着装置40に接続する他、機内の他の熱源に接続してもよい。例えば気流ダクト42を機内冷却用気流通路の下流側に接続してもよい。機内冷却用気流通路を流れる空気は各種発熱部品によって加熱されて温度が上昇するので、この高温空気を利用して効果的に中間転写ベルト20を加熱することができる。
ところで、定着装置40からの輻射熱を巻癖低減用に直接利用する場合は、巻癖部を加熱する場所は定着装置40に近いほど望ましい。しかし、定着装置40は駆動ローラ21からクリーニング対向ローラ62に至る間の上方に配置される構造が一般的である。
そしてこの構造において、駆動ローラ21とクリーニング対向ローラ62の間にはクリーニングユニット60が位置している。このため、定着装置40から中間転写ベルト20に向かう輻射熱が当該クリーニングユニット60によって遮られる位置関係になっている。
従って、定着装置40から放射される輻射熱を利用して中間転写ベルト20の巻癖部を効率的に加熱するのは困難である。そこで、前述したように気流ダクト42を使用してクリーニングユニット60を迂回する形で定着装置40の熱を効率的かつ集中的に中間転写ベルト20の加熱用として利用する構造にしている。
(プリンタの制御手段)
図16は、第2実施形態に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。当該ブロック図は、定着装置40と送風ファン43がインターフェース204に追加接続されていること以外は、前述した第1実施形態の図8とほぼ同じである。定着装置40と送風ファン43は、図17で後述するように、制御部210によって制御される。
(巻癖低減の制御方法)
第2実施形態においては、前記定着ヒータの点灯と送風ファン43の駆動は、環境変動検出手段としての温度センサー51から得られる環境変動量(後述の温度変動T1→T2)が、所定の閾値(温度閾値:高温閾値X、低温閾値Z)を超えた場合であって、かつ、停止モード時間が所定の停止時間閾値を超えた場合のみ行う。その他の場合は定着装置40の定着ヒータを点灯せず、送風ファン43を駆動しない。
すなわち、環境変動検出手段は、可動部材としての中間転写ベルト20が停止する停止モード開始時における中間転写ベルト20の周囲温度T1を検知する。更に当該環境変動検出手段は、停止モード終了時である電源オン時における中間転写ベルト20の周囲温度T2も検知する。これら2つの周囲温度T1、T2が、高温から低温環境への移行を定義する所定の温度閾値(高温閾値X、低温閾値Z)を超えた場合にのみ、定着ヒータを点灯し、かつ、送風ファン43を駆動する。
なお、、前記要件に加えて、電源オンからオフまでの時間が所定の作動時間閾値を超えた場合のみ、定着ヒータの点灯と送風ファン43の駆動を行うようにしてもよい。電源オンからオフまでの時間がきわめて短時間の場合は、前記閾値を超える温度変動があっても、異常画像を発生するベルトの巻き癖が付かない場合があるからである。
また、巻癖部が発生していると予測される箇所を、定着装置40からの温風が吹き出す気流吹出口42aの真下位置に移動させる。巻癖低減を機械的矯正で行う逆屈曲ローラ93は、前述したように曲率が大きくされているので巻癖を発生させやすい。クリーニング対向ローラ62も曲率が大きいので、逆屈曲ローラ93と同様に巻癖を発生させやすい。
逆屈曲ローラ93の位置から上流側にL2の位置に気流吹出口42aからの温風が当たるようにしている。従って、電源をオン(停止モード終了)にした後に、中間転写ベルト20を距離L2だけ右方向に移動させるように駆動モータ162を駆動する。或いは、中間転写ベルト20を距離L3だけ左方向に移動させるように駆動モータ162を駆動する。或いは、中間転写ベルト20を距離L2だけ右方向に移動させた後に距離L2+L3だ左方向に移動させる。
これにより、巻癖部が発生していると予測される箇所(逆屈曲ローラ93の位置、クリーニング対向ローラ62の位置)を気流吹出口42aからの温風によって効果的に加熱することができ、この加熱により巻癖部を軟化させて転写不良への影響を低減することができる。
また、このように巻癖部を軟化させた直後に、当該軟化した巻癖部を機械的に矯正するために中間転写ベルト20を短い距離(一周未満の走行距離)で繰り返し往復動(複数回正逆回転)してもよい。これにより、軟化した巻癖部を効率よく低減することができる。
中間転写ベルト20を停止させる最適タイミングは、気流ダクト42の気流吹出口42aの真下位置にベルト上のトナー像の抜け部分が生じる部分が到来した時である。このトナー像の抜けが生じる部分が最大巻癖高さの位置に対応するので、ここに温風を集中的に吹き付けることで効果的な巻癖低減が可能である。トナー像の抜けが生じる部分(図19(c)の欠損部17)は、例えば図1に示す既設のトナー濃度センサー50で取得されたデータから割り出すことが可能である。
図14は定着装置40の熱を気流ダクト42によって中間転写ベルト20まで搬送する気流ダクト42を示している。巻癖部20aを気流ダクト42の気流吹出口42aの真下位置まで移動させ、定着装置40で発生した温風を、気流ダクト42を通してその気流吹出口42aから巻癖部20aに向けて吹き付ける。
また中間転写ベルト20の像担持面と反対側(下側)に接触する板状の裏当材45を配置し、当該裏当材45の下面に温熱を当てるように気流ダクト42を延長してもよい。気流接触に比べて固体接触は、より限定されたベルト領域に対する効率的加熱が可能である。
ここで、裏当材45は中間転写ベルト20との摩擦を少なくするため表面を滑らかにするのは勿論である。裏当材45の滑らかな表面を巻癖部20aの凸状頂部に直接当てることで、軟化させた巻癖部20aを速やかに扁平化する効果も得られる。
また、裏当材45の材質はできるだけ比熱が小さいものが望ましく、具体的には中間転写ベルト20の材質よりも比熱が小さいものが望ましい。比熱が小さいと温度上昇を早めることができるので、ダウンタイムを低減して効率よく変形癖を低減することができる。
気流ダクト42で所望の温度範囲に加熱された気流を効率的に送るために、送風ファン43を所定の回転数で駆動するとよい。図15は、中間転写ベルト20の停止時間(=気流吹出口42aからの温風の吹き付け時間)と、中間転写ベルト20のベルト表面温度の相関を示す図である。
図中の5つの曲線[1]〜[5]は、ファンの回転速度(出力)と機内環境温度の5種類の組み合わせで得られた相関を示している。本実施形態では機内上限温度を60℃、設計狙い温度を50℃に設定する。機内環境温度に合わせて送風ファン43の出力を調節することで、ベルト表面温度を設計狙い温度50℃に速やかに近付けることができる。
機内上限温度は機内のトナーが溶融せず、流動性を保てる温度になるように設定している。[1]と[2]を比較すると、同じ環境でもファン出力を変えた場合、[1]のように送風ファン43の出力が相対的に低いと機内上限温度を超えてしまう可能性がある。
そこで、停止モード開始時の環境温度に応じて送風ファン43の出力を変える必要がある。送風ファン43の出力を変更(増加又は減少)することにより、設計狙い温度に到達するための時間を短縮化することも可能である。これによりダウンタイムを低減して効率よく変形癖を低減することができる。
(巻癖低減制御のフロー)
図17は巻癖低減制御のフローを説明する図である。当該フローは、図8の制御部210によって実行される。
電源オンに続いて、ステップS1で前回の電源オフ直前の温度T1(停止モード開始時温度T1)と、停止モードの時間をメモリ(図8のRAM203)から呼び出す。この電源オフ直前の環境を停止モード開始時環境と呼ぶ。
次にマシンが置かれている環境の温度T2をメモリ(図8のRAM203)から呼び出す。このときの環境を停止モード終了時環境と呼ぶ。
ステップS2の判断1において、停止モード開始時温度T1が高温閾値X未満、又は停止モード時間(=停止モード終了時刻t2−停止モード開始時刻t1)が停止時間閾値Y未満、又は停止モード終了時温度T2が低温閾値Zよりも大きい場合、ステップS3で巻癖低減制御を実行せずに通常通り中間転写ベルト20を駆動する。
すなわち、判断1において前記3つの判断の一つでも該当すると、送風動作による巻癖低減制御を実行せずに中間転写ベルト20を駆動する。前記3つの判断の一つでも該当すると、図2、図3で説明したように、前述中間転写ベルト20に巻癖が発生していないと認められるからである。
本実施形態では高温閾値X=30℃、停止時間閾値Y=6時間、低温閾値Z=10℃と設定している。ステップ2の判断1での3条件をすべて満たした場合、ステップS4でメモリ(図8のRAM203)から巻癖位置データを呼び出す。巻癖位置データは巻癖が生じやすい位置を基準として駆動モータ162の回転数から算出して記憶しておく。
その後、ステップS5で中間転写ベルト20を駆動し、巻癖箇所を定着装置40に近く熱を受けやすい箇所に移動させる。当該箇所は、本実施形態では気流吹出口42aの真下位置である。次にステップS6で定着ヒータを点灯し、ステップS7で送風ファン43の回転速度を変更して送風動作により機内温度を設計狙い温度50℃に上昇させる。これにより、定着装置40からの温風が集中的に吹き出される。
本実施形態では、気流ダクト42内の送風ファン43の回転速度を遅くすることで、機内温度上昇を早くしてダウンタイムの削減や、到達目標温度の調整が可能である。次にステップS8でメモリ(図8のRAM203)から巻癖低減制御の実行時間t3を呼び出し、ステップS9の判断2において、実行時間t3が所定時間Eを超えたか否かを判断する。実行時間t3が所定時間Eを超えるとステップS10で巻癖低減制御の実行を終了する。
この実施形態では所定時間E=2分と設定している。この所定時間E=2分は、環境変動検出手段としての温度センサー51によって取得されたデータ(T1、T2)の変動量や、停止モードの開始から終了までの時間(停止モード時間t)の長さに比例して、連続的又は段階的に増大させるようにしてもよい。
例えば、停止モードの時間の長さが停止時間閾値Y以上の場合、停止モードの時間の長さが停止時間閾値Y未満の場合よりも、前記所定時間Eを長くする。また、停止モード終了時温度T2が所定の低温閾値Z未満の場合、停止モード終了時温度T2が低温閾値Z以上の場合よりも、前記所定時間Eを長くする。これにより、巻癖強度に対応した巻癖低減作動が可能となり、ダウンタイムを低減して効率よく変形癖を低減することができる。
(プリンタに使用するトナー)
以下に、前記実施形態のプリンタに使用するトナーについて説明する。このトナーは、投影法で測定した球形度(SF係数)が95%以上の球形トナーが好ましい。この球形トナーは、例えば、重合法や、ウレア結合で変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有させる方法などで作製することができる。
このような球形度を有するトナーは添加剤の被覆率も極めて高い。ただし、球形トナーを使用する場合、中間転写ベルトのクリーニング手段であるウレタンゴムの当接部分をトナーが通過しやすくなる。従って、トナーの通過を阻止するために、ウレタンゴムの当接圧を高くすることが多い。このため、中間転写ベルトにウレタンゴムの当接圧による変形癖が付きやすいが、本実施形態の癖低減作動を行うことで当該変形癖を効果的に低減することができる。
以下に、球形トナーの製造方法の一例について説明する。
[ポリエステル1の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物525部、テレフタル酸205部、アジピン酸47部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量2600、重量平均分子量6900、Tg44℃、酸価26であった。
[プレポリマー1の合成]
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
[マスターバッチ1の作成]
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
[顔料・WAX分散液1(油相)の作製]
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、パラフィンワックス 181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、荷電制御剤(1)100部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の425部と230部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)が50%となるようにを加えて調整した。
[水相作成工程]
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)140部、90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[乳化工程]
[顔料・WAX分散液1]975部、アミン類としてイソホロンジアミン2.6部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8000〜13000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
[脱溶剤工程]
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[洗浄・乾燥工程]
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。このときのろ液は、乳白色であった。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて42℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体101]を得た。平均円形度は0.974、また、体積平均粒径(Dv)は6.3μm、個数平均粒径(Dp)は5.3μmで、Dv/Dpは1.19の粒度分布を有するトナー母体が得られた。
このようにして得られたトナー母体に、市販のシリカ微粉体をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、トナーを得た。
<トナーIの作成>
下記のようにして、シリコーンオイル処理したシリカを添加したトナーIを得た。
上記作成方法にて得たトナー母体100部に対し、市販のシリカ微粉体H20TM[クラリアントジャパン社製;平均一次粒径12nm、シリコーンオイル処理なし]1部、RY50[日本アエロジル社製;平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理あり]2部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、トナーIを得た。
下記の手順で加速凝集度を測定したところ、54.4%だった。
<トナーIIの作成>
下記のようにして、シリコーンオイル処理をしていないシリカのみを添加したトナーIIを得た。
上記作成方法にて得たトナー母体100部に対し、市販のシリカ微粉体H20TM[クラリアントジャパン社製;平均一次粒径12nm、シリコーンオイル処理なし]1部、RX50[日本アエロジル社製;平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理なし]2部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、トナーIIを得た。
下記の手順で加速凝集度を測定したところ、40.3%だった。
(加速凝集度測定方法)
加速凝集度の測定方法は以下の通りに行う。測定装置(図示せず)は、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを使用し、振動台の上に、次の手順で附属部品をセットする。(イ)バイブロシュート(ロ)パッキン(ハ)スペースリング(ニ)フルイ(3種類)上>中>下(ホ)オサエバー次に、ノブナットで固定し、振動台を作動させる。
測定条件は次のとおりである。
篩い目開き:(上)75μm、(中)45μm、(下)20μm
振巾目盛:1mm
試料採取量:2g
振動時間:10秒
上記手順に基づく測定の後、次の計算から加速凝集度を求める。
(a)上段の篩いに残った粉体の重量%×1
(b)中段の篩いに残った粉体の重量%ラ0.6
(c)下段の篩いに残った粉体の重量%×0.2
上記3つの計算値の合計をもって、加速凝集度[%]とする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば前記実施形態で説明したカラープリンタは中間転写ベルト20を用いたタンデム式を例示したが、当該タンデム式は転写ベルトに転写材としての用紙を載せて当該用紙に像担持体から直接転写する直接転写方式でもよい。
10Y,10M,10C,10Bk:作像ユニット
11Y,11M,11C,11Bk:像担持体
12Y,12M,12C,12Bk:帯電器
13Y,13M,13C,13Bk:現像装置
14Y,14M,14C,14Bk:一次転写ローラ
15Y,15M,15C,15Bk:クリーニングユニット
20、200:中間転写ベルト(可動部材、無端状ベルト)
21:駆動ローラ 22:従動ローラ
30:二次転写ローラ 40:定着装置
41:排出口 42:気流ダクト
42a:気流吹出口 43:送風ファン
45:裏当材 50:トナー濃度センサー
51:温度センサー(環境変動検出手段) 60:クリーニングユニット
61:静電ブラシ 62:クリーニング対向ローラ
63:廃トナー収納部 80:転写材カセット
81:給紙搬送ローラ 82:タイミングローラ対
90、93:逆屈曲ローラ(押圧部材) 91:受けローラ
111:一次転写バイアス電源 120:二次転写バイアス電源
131:現像ローラ 132:トナー容器
150:光学センサーユニット 151:端部フォトセンサー
152:中央フォトセンサー 153:端部フォトセンサー
154Bk:フォトセンサー 154C:フォトセンサー
154M:フォトセンサー 154Y:フォトセンサー
162:ベルト駆動モータ 184:走査表示部
200:中間転写ベルト 204:インターフェース
205:光書込制御回路 210:制御部(制御手段)
220:フランジ 230A、230B:押さえ部材
300:画像領域 610:クリーニングブレード
600:中間転写ベルトクリーニングユニット
特開2007−230695号公報 特開平10−142963号公報 特開2005−122018号公報 特開2010−215399号公報 特開2006−53259号公報 特開2001−100541号公報 特開2005−122019号公報

Claims (47)

  1. 駆動手段によって駆動される可動部材と、前記可動部材の周囲の少なくとも温度変動を含む環境変動を直接的又は間接的に検出する環境変動検出手段と、前記可動部材が停止する停止モード中に前記可動部材に作用する力で生じた前記可動部材の変形癖を低減する癖低減手段と、前記停止モードの前後における前記環境変動検出手段の検出結果に基づいて前記癖低減手段の作動を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記環境変動検出手段から得られる前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の閾値(X)未満の場合は、前記癖低減手段を作動させないことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記環境変動検出手段から得られる前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の高温閾値(X)以上であり、かつ、前記停止モードの終了時の温度(T2)が所定の低温閾値(Z)未満の場合にのみ、前記癖低減手段を作動させることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  4. 前記癖低減手段が前記可動部材に向けて気流を供給する気流供給手段を有し、前記制御手段が、前記環境変動検出手段から得られる環境変動量に応じて前記可動部材に向けて供給する気流の量を調節するように前記癖低減手段を制御することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  5. 前記癖低減手段が前記可動部材に向けて気流を供給する気流供給手段を有し、前記制御手段が、前記環境変動検出手段から得られる環境変動量に応じて前記可動部材に向けて供給する気流の温度を調節するように前記癖低減手段を制御することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  6. \
    前記気流供給手段が、前記可動部材の近傍に配設された気流吹出口と、当該気流吹出口に空気を供給する送風ファンとを有し、前記制御手段が、前記環境変動検出手段から得られる環境変動量に応じて前記送風ファンの回転数を調節するように前記気流供給手段を制御することを特徴とする請求項4又は5の画像形成装置。
  7. 画像形成装置の定着装置から得られる熱によって前記気流供給手段で供給される気流を加熱するようにしたことを特徴とする請求項6の画像形成装置。
  8. 前記定着装置から前記気流吹出口にかけて気流ダクトが配設されていることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
  9. 前記気流ダクトに前記送風ファンが配設されていることを特徴とする請求項8の画像形成装置。
  10. 前記可動部材が転写ベルトであって、当該転写ベルトの像担持面と反対側の所定箇所に接触する裏当材を配設し、当該裏当材に向けて前記気流吹出口を配設し、前記定着装置から得られる熱で加熱された気流を前記気流吹出口から前記裏当材に供給するようにしたことを特徴とする請求項8の画像形成装置。
  11. 前記停止モードの開始から終了までの時間を記録する記録手段を有し、前記制御手段が、当該記録手段から得られる前記停止モード時間の長さに対応して前記癖低減手段の作動時間を制御することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  12. 前記可動部材が駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡された転写ベルトであって、当該転写ベルトの弛み側に像担持体が当接されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  13. 前記環境変動検出手段が機内に配設されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  14. 前記可動部材の材質がNBR又はヒドリン系のとき、前記停止モードの開始時の温度(T1)の高温閾値(X)を、X=35℃とすることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  15. 前記可動部材の材質がNBR又はヒドリン系のとき、前記停止モードの終了時の温度(T2)の低温閾値(Z)を、Z=15℃とすることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  16. 前記可動部材の材質が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  17. 前記変形癖を当該変形の方向と反対方向に押圧する押圧部材を有し、当該押圧部材を前記変形癖に押圧することで前記癖低減動作を行うようにしたことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  18. 前記可動部材は、少なくとも2つのローラ間に掛け渡された無端状ベルトであることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  19. 前記無端状ベルトがローラから受ける力で生じた前記変形癖の位置を検出する位置検出手段を設けると共に、前記押圧部材を前記ローラよりも大きな曲率で構成し、前記位置検出手段で検出した前記変形癖の位置に、当該押圧部材を押圧することを特徴とする請求項18の画像形成装置。
  20. 前記無端状ベルトを一周未満の走行距離で複数回正逆回転させることで、前記無端状ベルトの前記変形癖を挟んだ所定長さ部分を前記押圧部材に繰り返し通過させるようにしたことを特徴とする請求項18の画像形成装置。
  21. 請求項1の可動部材として中間転写ベルトを有する画像形成装置であって、前記環境変動検出手段によって、前記停止モードの開始時の温度(T1)と終了時の温度(T2)との間に所定の大きさ以上の温度変化が生じたことが検出されると、前記癖低減動作と共に画像濃度調整を実施することを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項1の可動部材として中間転写ベルトを有する画像形成装置であって、前記環境変動検出手段によって、前記停止モードの開始時の温度(T1)と終了時の温度(T2)との間に所定の大きさ以上の温度変化が生じたことが検出されると、前記癖低減動作と共に色ずれ調整動作を実施することを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項1の可動部材として中間転写ベルトを有する画像形成装置であって、前記環境変動検出手段によって、前記停止モードの開始時の温度(T1)と終了時の温度(T2)との間に所定の大きさ以上の温度変化が生じたことが検出されると、前記癖低減動作と共に画像濃度調整と色ずれ調整を同時に実施することを特徴とする画像形成装置。
  24. 前記停止モードの後の最初の印刷ジョブが終了した後に前記癖低減動作を行うことを特徴とする請求項21から23のいずれか1項の画像形成装置。
  25. 前記変形癖を中間転写ベルトの非画像領域に位置させることを特徴とする請求項21から24のいずれか1項の画像形成装置。
  26. 前記癖低減動作をユーザーが手動で開始可能にしたことを特徴とする請求項21から25のいずれか1項の画像形成装置。
  27. 前記中間転写ベルトの転写方式は間接転写方式であることを特徴とする請求項21から26のいずれか1項の画像形成装置。
  28. 前記変形癖の大きさを濃度センサーで検知するようにしたことを特徴とする請求項21から27のいずれか1項の画像形成装置。
  29. 前記中間転写ベルトに、クリーニング手段としてのウレタンゴム製のクリーニングブレードが当接していることを特徴とする請求項21から28のいずれか1項の画像形成装置。
  30. 使用するトナーが球形トナーであることを特徴とする請求項21から29のいずれか1項の画像形成装置。
  31. 前記中間転写ベルトに、ベルトの端寄り防止用としてベルト端部を直接押さえる押さえ部材が配設されていることを特徴とする請求項21から30のいずれか1項の画像形成装置。
  32. ベルトの端寄り防止用の前記押さえ部材は、前記中間転写ベルトを巻き掛けたローラに対向して配設され、かつ、前記中間転写ベルトが上流側から当該ローラに巻きかかっている箇所を押圧する構成であることを特徴とする請求項31の画像形成装置。
  33. 前記可動部材は、画像形成装置の二次転写ローラ、搬送ベルト、感光体ベルト又は帯電ローラのいずれかであることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  34. 前記二次転写ローラ、搬送ベルト、感光体ベルト、帯電ローラの材質は、NBR又はヒドリン系であることを特徴とする請求項33の画像形成装置。
  35. 少なくとも2つのローラ間に掛け渡される無端状ベルトと、
    前記無端状ベルトを駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段と、
    前記無端状ベルトの温度を直接的又は間接的に検出する温度検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記無端状ベルトが停止する停止モードの開始時と終了時における前記温度検出手段の検出結果に基づいて、所定時間又は所定距離だけ前記無端状ベルトを駆動する駆動動作を行うように、前記駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  36. 前記制御手段は、前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の閾値(X)未満の場合は前記駆動動作を行わないように、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項35の画像形成装置。
  37. 前記制御手段は、前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の高温閾値(X)以上であり、かつ、前記停止モードの終了時の温度(T2)が所定の低温閾値(Z)未満の場合にのみ前記駆動動作を行い、それ以外は前記駆動動作を行わないことを特徴とする請求項35の画像形成装置。
  38. 前記制御手段は、前記無端状ベルトが停止する停止モードの開始時と終了時における温度検出手段の検出結果に基づいて、前記所定時間又は前記所定距離の長さを調節することを特徴とする請求項35の画像形成装置。
  39. 前記制御手段は、前記停止モードの時間の長さが停止時間閾値(Y)以上の場合は、前記停止モードの時間の長さが停止時間閾値(Y)未満の場合よりも、前記所定時間又は前記所定距離を長くすることを特徴とする請求項38の画像形成装置。
  40. 前記制御手段は、前記停止モードの終了時の温度(T2)が所定の低温閾値(Z)未満の場合は、前記停止モードの終了時の温度(T2)が前記所定の低温閾値(Z)以上の場合よりも、前記所定時間又は前記所定距離を長くすることを特徴とする請求項38の画像形成装置。
  41. 少なくとも2つのローラ間に掛け渡される無端状ベルトと、
    前記無端状ベルトへ風を送る送風手段と、
    前記送風手段を制御する制御手段と、
    前記無端状ベルトの温度を直接的または間接的に検出する温度検出手段とを有し、
    前記制御手段は、前記無端状ベルトが停止する停止モードの開始時と終了時における前記温度検出手段の検出結果に基づいて、所定時間だけ前記無端状ベルトへ風を送る送風動作を行うように、前記送風手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  42. 前記制御手段は、前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の閾値(X)未満の場合は前記送風動作を行わないように、前記送風手段を制御することを特徴とする請求項41の画像形成装置。
  43. 前記制御手段は、前記停止モードの開始時の温度(T1)が所定の高温閾値(X)以上であり、かつ、前記停止モードの終了時の温度(T2)が所定の低温閾値(Z)未満の場合にのみ前記送風動作を行い、それ以外は前記送風動作を行わないことを特徴とする請求項41の画像形成装置。
  44. 前記制御手段は、前記無端状ベルトが停止する停止モードの開始時と終了時における前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記所定時間の長さを調節することを特徴とする請求項41の画像形成装置。
  45. 前記制御手段は、前記停止モードの時間の長さが停止時間閾値(Y)以上の場合は、前記停止モードの時間の長さが停止時間閾値(Y)未満の場合よりも、前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項44画像形成装置。
  46. 前記制御手段は、前記停止モードの終了時の温度(T2)が所定の低温閾値(Z)未満の場合は、前記停止モードの終了時の温度(T2)が前記所定の低温閾値(Z)以上の場合よりも、前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項44画像形成装置。
  47. 熱によりトナー像を転写材へ定着する定着装置と、
    前記定着装置と前記無端状ベルトとの間に設けられ前記送風手段を内蔵するダクトとを備えることを特徴とする請求項41乃至46のいずれかの画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017142313A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP7419845B2 (ja) 2020-02-03 2024-01-23 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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